こんにちは。2020年1月末にイギリスはEUから離脱することが決まりました。2016年6月の国民投票の結果から約3年半と、決着に長い時間が必要だったのです。
この離脱を”British”と”Exit”を合わせて、”Brexit”と呼びます。そしてもう1つの大きな離脱があります。
レッスンの内容
不安と心配の離脱
その離脱は”Megxit”とも呼ばれ、イギリスどころか世界で話題になっています。そうあの人が、とある所から引退します。
ロンドンでミルズさんと佐藤さんが、離脱についての会話をしています。みてみましょう。
英会話
Mr. Sato: The Great Britain left EU, how do you feel about it, Mrs. Milles?
イギリスはEUから抜けましたね、それについて何か感じますか、ミルズさん?
Mrs. Milles: Right now, I don’t feel any distress about that. We are now getting deep stress by COVID-19.
今はそれについては何も苦痛は感じていませんね。今はCOVID-19から強いストレスを受けていますよ。
Mr. Sato: I desire this pandemic dies away as soon as possible.
このパンデミックがなるべく早く鎮静することを願っています。
Mrs. Milles: Also, I don’t feel good because Prince Harry leaves British Royal Family.
また、ハリー王子がイギリス王室を離れてしまうので、気分が悪いです。
Mr. Sato: That news is largely reported in Japan, too. We also have Imperial Household.
そのニュースは日本でも多く報じられています。日本にも皇室がありますから。
We don’t feel the news in British Royal Family as someone else.
この英国王室のニュースは日本人にとって他人事に思えないのですよ。
Mrs. Milles: I don’t want him to be like Diana, Princess of Wales. He spent very hard time in his youth.
私はハリー王子に、ウェールズ公妃ダイアナのようになってほしくないのです。ハリー王子はとても辛く若い頃を過ごされました。
Mr. Sato: But Her Majesty decided a lot renunciation to him.
しかしエリザベス女王はハリー王子に、多くを放棄するよう決めましたね。
Mrs. Milles: I think Her Majesty wanted Prince Harry to leave Royal Family completely, so he can protect his family.
私が思うに、エリザベス女王はハリー王子に完全に王室から去るよう望んだのでしょう、それによってハリー王子は彼の家族を守る事ができます。
Mr. Sato: We don’t know whether this decision goes well or not. But I also hope him to have happy life.
この決定が上手くいくかどうかはわかりません。でも私もハリー王子には幸せな人生を送って頂きたいと思います。
EUの離脱に加え、ハリー王子が王室離脱しイギリスを離れてしまいます。これもイギリス国民にとってはやはり悲しいことです。
英単語
会話で出てきた単語や言い回しをみてみましょう。
- distress 苦痛、難儀
- deep stress 強いストレス、深いストレス
- pandemic パンデミック、世界的流行
- dies away 鎮静する、騒ぎなどが落ち着く
- Imperial Household 皇室
- someone else 他人事
- renunciation 放棄
- whether ~ goes well or not ~が上手くいくかどうか
離脱の不満を超えた新型ウィルス
イギリスはEUを離脱するのに色々なしがらみがあり、実際の離脱まで長い時間がかかりました。
離脱後にイギリスにのしかかる不満や不都合など、様々なことをイギリスの企業や国民は、我慢しなくてはならなかったのです。
しかしいざ離脱して舞い込んできた災難は離脱からではなく、COVID-19という新型ウィルスのパンデミックからでした。
この災難に打ち勝とうにも、EU離脱以外にイギリスにはハリー王子の王室引退があり、人々の気持ちは落ち込むばかりです。
ハリー王子は兄のウィリアム王子に比べて問題児でしたが、それでもイギリス人は彼のことを敬愛しています。
そして王室引退にも妻であるメーガン妃、”Meghan”からとった”Megxit”と呼ぶなど皮肉が見られます。パンデミックで混乱した国内に、王子の王室引退はイギリス人の心を深く傷つけてしまいました。
王子の新しい生活が素晴らしい形に変化したのであれば、EU離脱や新型ウィルスのパンデミックからきた不満と不安も少しは和らぐことでしょう。
イギリスはもう重要ではないのか
2016年にEU離脱表明をしたのに、あれから3年たってもイギリスってまだEUにいるの?なんて疑問もあると思いますが、実際に離脱するのは2019年の3月29日なのです。
英国民と他国の人々の思考
国民投票からEU離脱が決定したイギリス。離脱を指示した人々はまだ賛成のままでしょうか。また他のEUの国の人々や周りの国の人々はどうなのでしょうか。
会話
離脱の原因や今後の見通しなどの会話をみてみましょう。
Mr. Kowalski: Hello, Mr. Takei! I’m glad that I saw you here. What are you drinking?
こんにちは、竹井さん!ここで会えてよかったです。何を飲んでいるのですか?
Mr. Takei: Hello, Mr. Kowalski. I’m also good to see you. I’m drinking “London Pride”.
こんにちは、コワルスキーさん。私も会えてうれしいですよ。私は「ロンドン・プライド」を飲んでいますよ。
This is my favorite ale beer. Also, Mr. Read is at the counter to get a drink.
これは私が大好きなエールビールなのですよ。リードさんもカウンターで飲み物を頼んでよ。
Mr. Kowalski: That’s great, too. By the way, have your company decided what to do after UK leaves EU?
それもいいですね。ところで、あなたの会社はイギリスがEUを離脱した後、どうするか決定しましたか?
Mr. Takei: We are still thinking on that now. The office will not move from London, but I think the business will get smaller.
まだその事について考え中だよ。事務所はロンドンから移動しませんが、事業は小さくなるのではと考えています。
Mr. Read: Hello, Mr. Kowalski! I guess you are talking about the worries after UK leaves EU.
こんにちは、コワルスキーさん!イギリスがEUを離脱する心配について話しているのでしょう。
Mr. Kowalski: Unfortunately, yes, we are.
残念ながら、そうなのです。
Mr. Read: We know that UK made a bad decision. I can understand that many people lost their jobs by employing emerging country workers.
イギリスは愚かな決定をしたと知っていますよ。多くの人々は新興国の労働者を雇う事で職を失ったのだと理解できます。
But those people won’t do the jobs that got back after leaving EU. That because they are dreaming to become rich by doing nothing.
でもそう人々はEUを去った後に戻った仕事をしないでしょう。彼らは何もしないでお金持ちになる事を夢見ていますから
Mr. Kowalski: I can’t say anything because I’m from the emerging country. But many people from my country are disappointed, because we yearn for work in UK.
私は新興国出身だから何も言えませんね。でも私達はイギリスで働くことに憧れているので、多くの人達はがっかりします。
Mr. Read: I’m very sad to hear this. Those people help us to improve.
これを聞くととても残念に思います。こういう人々は私達が成長するのを助けますから。
You are one of the most impressive people I have met. You are helping me a lot, and now, we are good friend enough to talk about the grumbles.
あなたは私が今まで出会った中でも最も素晴らしい人の一人ですよ。あなたは私を助けてくれていますし、今では愚痴を言い合えるほどのいい友達です。
Mr. Kowalski: I hope this decision improves UK in many ways.
この決定が様々な意味でイギリスが改善されることを望んでいますよ。
EU離脱など一般的な愚痴は、イギリスではパブなどでお酒と一緒に友人に聞いてもらったりします。様々な国の人々と語り合えるパブも、イギリスならではの交流場ですね。
ポイント
会話で出てきた単語や言い回しをみてみましょう。
- ale beer エールビール
上面発酵で醸造されるビールの一種。ホップを利用している。“London Pride”はエールビールのひとつで、イギリスのパブで人気な飲み物の1つ
- emerging country 新興国
- yearn for 憧れる
- grumble 愚痴、愚痴を言う
EU国民なら誰でもOK
イギリスがEUを離脱する大きな理由が、会話の通り、英国人が行う仕事が少なくなっていたからです。
しかしイギリスはシェンゲン協定に参加していないので、人は簡単に住めないのでは?とも思うかもしれません。
しかしシェンゲン協定は出入国地のパスポート審査であり、EUに加盟しているのでEU加盟国の国民は、居住ビザも労働ビザもなしでイギリスに住み働くことができます。
マイナスが大きい離脱
しかしEUを離脱するとは、物やサービスの移動に関税がかかってしまい、イギリス経済に大きな影響を与えます。EU離脱協定否決の理由がここにもあり、離脱直前の今も混乱が続いた状態です。
イギリスとしてはEU離脱宣言から実際の離脱までに、各国と自由貿易協定を結びたかったのですが、EUとイギリスでの市場規模の差で、あまり積極的に協定が結ばれていません。
イギリスの重要性が落ちてきています。離脱する国はイギリスが初めてであり、その他の国の指標になるでしょう。初めてのことは難しいもので大変ですが、考えるのに良い指標となってもらいたいものです。
それではまた、See you!
※この記事は2019年1月に執筆されました。