【英語仮定法の完全マップ】「もしも」を使いこなす!仮定法過去から過去完了まで、核心のコツと違いを徹底図解

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【英語仮定法の完全マップ】「もしも」を使いこなす!仮定法過去から過去完了まで、核心のコツと違いを徹底図解

「仮定法=難しい」は今日で終わり!その正体は“現実との距離感”

「英語の仮定法、どうも苦手で…」「ifが多すぎて、どれを使えばいいか分からない!」英語を学ぶ多くの人が、一度は「仮定法」の壁にぶつかります。学生時代に複雑なルールを丸暗記させられ、すっかり嫌いになってしまった、という方も少なくないでしょう。

でも、安心してください。この記事を読めば、あなたの仮定法に対するイメージは180度変わります。難しい専門用語は一旦忘れましょう。たった一つの“核心的なイメージ”を掴むだけで、仮定法は驚くほどシンプルで、もっと言えば「使いたくなる」表現に変わるのです。

多くの人が仮定法でつまずく本当の理由

なぜ私たちは仮定法を難しいと感じるのでしょうか?それは、「もし〜なら」という日本語訳に惑わされ、全ての「もしも」を同じように表現しようとしてしまうからです。しかし、英語では「もしも」の話をするとき、その話がどれくらい現実離れしているかによって、言葉の形を使い分けるのです。

【仮定法の最重要のコツ】

仮定法とは、「これは現実の話じゃないですよ〜」と相手に伝えるための
“言葉の合図(サイン)”です。

なぜ「過去形」を使うの?時制をずらす本当の意味

仮定法の最大の謎、それは「現在のありえない話をしているのに、なぜ動詞の過去形を使うのか?」という点でしょう。これが混乱の元凶です。しかし、これもイメージで捉えれば簡単です。

英語では、時間的な距離(現在と過去)を、心理的な距離(現実と非現実)に応用するという感覚があります。つまり、動詞の時制を現在から過去へと一つずらすことで、「今ここにある現実」から一歩離れて、「これは空想の話だよ」という距離感を表現しているのです。これを「言葉のギアチェンジ」とイメージしてみてください。

現在(現実)から過去(非現実)へ時間軸をずらすことで仮定法を表現する図

動詞を過去形にするのは、「現実」から距離を置くためのサインなのです。

【種類別】仮定法の基本4パターンを完全マスター

この「現実との距離感」という核心さえ掴めば、あとは簡単です。ここでは代表的な4つのパターンを、それぞれの「距離感」と共に見ていきましょう。

① 仮定法過去:現在の「もしも…」を語る

【気分別】「今の現実とは違うんだけどね…」という空想モード

現在の事実とは異なる「ありえない」状況や、「こうだったら良いのになぁ」という願望を語るときに使います。「過去」という名前がついていますが、話している内容は「現在」のことです。動詞を過去形にすることで、「これは現実じゃないよ」というサインを送っています。

【形】If + S + 動詞の過去形, S + would/could/should/might + 動詞の原形

例文1: If I had a million dollars, I would buy a big house.
(もし100万ドル持ってたら、大きな家を買うのになぁ)
→現実は持ってないので、動詞を過去形にして「空想ですよ」と表現。

例文2: If I were you, I would not do that.
(もし私があなただったら、そんなことはしないだろう)
→私があなたになることは100%ありえないので、be動詞は “were” を使って非現実感を強調。

② 仮定法過去完了:過去への「もしも…だったら」

【気分別】「あの時ああしていれば…」という後悔・感謝モード

過去の事実とは異なる状況を想像し、「あの時もし〜だったら、今頃は…だっただろうに」と、過去に対する後悔や、違う結果を想像して語るときに使います。過去の事実からさらに距離を取るため、時制をもう一つずらして「過去完了形 (had + 過去分詞)」を使います。

【形】If + S + had + 過去分詞, S + would/could/should/might + have + 過去分詞

破れた写真。ありえたかもしれない過去を後悔するイメージ。

仮定法過去完了は、「もう一つの過去」を語る切ない表現です。

例文1: If I had studied harder, I could have passed the exam.
(もしもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格できたのに…)
→実際は勉強せず、不合格だったという過去への後悔。

例文2: If you hadn’t helped me, I would have failed.
(もしあなたが助けてくれなかったら、私は失敗していたでしょう)
→実際は助けてくれて成功した。過去の出来事への感謝を伝える表現。

③ 仮定法未来:未来への「万が一…」を語る

【気分別】「まずないと思うけど、万が一…」という低い可能性モード

未来において、実現の可能性が非常に低いことについて「万が一〜なことがあれば」と仮定する時に使います。`should` や `were to` を使うことで、その「ありえなさ」を強調します。

【形1】If + S + should + 動詞の原形, S + will/would/命令文 …

【形2】If + S + were to + 動詞の原形, S + would/could + 動詞の原形

`should` は「万が一」というニュアンスで、可能性がゼロではないこと。`were to` は「仮にそうだとしたら」というニュアンスで、実現可能性がほぼゼロ、完全に空想上の話であることを示します。

④ 仮定法現在:今はあまり使われない?「提案・要求」の形

【気分別】「〜すべきである」という強い提案・要求モード

これは少し特殊で、「もしも」というよりは「提案・要求・命令」などを表す動詞(suggest, demand, require, orderなど)に続く that節の中で、動詞が原形になるというルールです。現代の会話ではあまり使われませんが、フォーマルな文章や法律文などで見かけます。

Ifだけじゃない!日常会話で頻出の「隠れ仮定法」

「仮定法」は `if` を使うものだけではありません。日常会話では、むしろ `if` を使わない形のほうがよく登場します。これらを使いこなせると、表現の幅がぐっと広がりますよ。

I wish … : 叶わぬ願いを伝える表現

「〜だったらなぁ」という、現実とは違う願望を表現する定番フレーズです。後ろに続く時制によって、「現在の願い」か「過去への後悔」かが変わります。

魔法のランプの魔人に願い事をする人

I wish… は、あなたの「叶わぬ願い」を表現する魔法の言葉です。

  • I wish + 仮定法過去: 現在の叶わぬ願い。「今、〜ならなあ」
    I wish I had more free time. (もっと自由な時間があればなぁ)
  • I wish + 仮定法過去完了: 過去への後悔。「あの時、〜していればなあ」
    I wish I had told her the truth. (彼女に本当のことを言っておけばよかった)

as if … :「まるで〜かのように」と例える表現

「現実には違うけど、まるで〜であるかのように」と、比喩的に表現する時に使います。これも後ろに仮定法が続きます。

例文: He talks as if he knew everything.
(彼はまるで何でも知っているかのように話す)
→実際は知らないのに、というニュアンス。

【Q&A】仮定法の“?”をスッキリ解消コーナー

Q1. if節の中の動詞がbe動詞の時は、いつでも “were” を使うの?

A1. 学校では「仮定法過去のbe動詞は主語に関わらず “were” を使う」と習いますが、現代の口語英語では、特にアメリカ英語で “was” が使われることも非常に増えています。(例: If I was you…)
ただし、書き言葉やフォーマルな場では、依然として “were” が正しいとされています。「If I were you」は決まり文句として覚えておきましょう。迷ったら “were” を使っておくのが無難です。

Q2. “will” と “would” の違いが分かりません。

A2. これは仮定法の核心に関わる良い質問ですね!
“will” は「〜するだろう」という、実現可能性が高い未来を指します(これは仮定法ではありません)。
一方、“would” は will の過去形ですが、仮定法では「(もし〜なら)…するだろうなあ」という、現実とは違う世界での話をするときの合図(サイン)になります。丁寧な依頼(Would you…?)で使われるのも、「もし可能でしたら」という仮定のニュアンスが含まれているからです。

まとめ:仮定法は気持ちを豊かにするツール!自信を持って使いこなそう

ここまで、本当にお疲れ様でした!「仮定法」という険しい山を、あなたは見事に登りきりました。

もう一度、大事なことを確認しましょう。仮定法の核心は、

動詞の時制をずらすことで「現実との距離感」を表現する

という、たった一つのイメージです。このイメージさえあれば、もうルールを丸暗記する必要はありません。

「もし鳥だったらなぁ…」
「あの時、勇気を出していたら…」
「万が一、宝くじが当たったら…」

仮定法は、私たちの心の中にある後悔、願望、空想といった豊かな感情を表現するための素晴らしいツールです。これからは、恐れることなく、積極的に「もしも」の世界を語ってみてください。あなたの英語表現は、きっとより人間味あふれる、魅力的なものになるはずです。

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オリビア (Olivia) この記事を書いた人

英語講師として10年以上の指導経験を持つ。イギリスにルーツを持ち、多様な文化背景を活かした視点からの英語指導が得意。実践的な英会話力の育成はもちろん、丁寧な発音・文法指導で学習者の目標達成をサポートすることに情熱を注ぐ。
自身の経験に基づき、キャリアアップや異文化理解に繋がる英語学習のヒント、言語を通したコミュニケーションの魅力などを発信していく。モットーは「楽しく、着実に」。教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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