こんにちは。結婚式といえば、多くの人々に祝ってもらえるとても幸せなお祝いです。
しかし女性の場合昔は自分の家族と離れて嫁ぐ家の人間にならなくてはならず、緊張と不安もいっぱいでした。
各国で違う嫁入り道具
そのような不安と緊張を和らげるのと、また嫁に行く娘のお祝いとして嫁入り道具があります。
日本では、他家に嫁いでも金銭面で困らぬようにと特にお金がある家では、着物がたくさん入ったタンスや鏡台、そしていくらかの金銭も持たせました。
では、海外ではどのような嫁入り道具があったのでしょうか。ロンドンに住むエマとお母さんの会話をみてみましょう。
会話
Emma: Mam, I like the smell of laundry. What did you wash?
お母さん、私洗濯物の匂い大好き。何を洗ったの?
Mother: I washed the sheets of bedding.
お母さん:寝具のシーツを洗ったのよ。
Emma: Our bedding sheets are very elegant. I like the embroidery of the bed cover. I can sleep well with this cover.
私達の寝具シーツはとってもエレガントだよね。私ベッドカバーの刺繍が好き。このベッドカバーでよく眠れるの。
Mother: These bedding sheets are my trousseau. I brought these when I married with your father.
これらの寝具シーツは私の嫁入り道具なのよ。あなたのお父さんと結婚した時にこれらを持ってきたのよ。
It is traditional in England to have bedding sheets as trousseau.
イギリスでは嫁入り道具で寝具シーツをもつことは伝統なのよ。
Emma: Did you embroider by yourself?
刺繍はママ一人でやったの?
Mother: No I didn’t. My mother who is your grandmother and my sister embroidered together. We can buy embroidered bedding sheets now a day.
いいえ、違うわ。私のお母さん、あなたにとってのおばあちゃんと、私の妹と一緒に刺繍をしたの。でも現在だったら刺繍された寝具シーツを買う事が出来るわね。
Emma: Why all embroideries are white? Why didn’t you made them with many colors?
どうして全部の刺繍が白なの?どうしてたくさんの色で作らなかったの?
Mother: The white color is also the traditional color for trousseau. I have one more trousseau. Do you remember my ring with aquamarine?
白い色も嫁入り道具の伝統的な色なのよ。私はもう一つ嫁入り道具を持っているのよ。アクアマリンの指輪を覚えている?
Emma: I remember it. It is very beautiful ring.
覚えているよ。とってもきれいな指輪。
Mother: That ring is also my trousseau. This ring handed down from generation to generation. I will hand it down to Emma or Lorna who married first.
あの指輪も私の嫁入り道具なのよ。この指輪は代々受け継がれているの。エマかローナか最初に結婚した子に手渡すわよ。
Emma: Then I should marry first!
それなら私が最初に結婚しなくちゃ!
エマのお母さんは、白で刺繍がされた寝具カバーと代々受け継がれている指輪が、嫁入り道具だったようです。
ポイント
会話ででてきた単語や言い回しをみてみましょう。
- embroidery 刺繍
- trousseau 嫁入り道具
- aquamarine アクアマリン
- handed down from generation to generation 代々受け継がれた
イギリスの貴族階級では、フリルがついた沢山の下着、ドレス、白い刺繍がされた寝具カバーに、産着、そしてネックレスや指輪などの装飾品を嫁入り道具としてたくさんもたせました。
やはり日本と同じように嫁入り先で身に着けるものに苦労しないように、との願いが込められています。
白い刺繍が施してある寝具のベッドカバーですが、これはコロネット”coronet”、つまり小冠を意味し、モノグラムと王冠を組み合わせた刺繍が好まれたようです。
嫁入り道具は親の気持ち
現在では日本でもイギリスでも、嫁ぎ先に持っていく嫁入り道具は、お嫁さん本人が決めるところが多いです。
日本でもイギリスでも、全く何も持っていかない人もいます。
しかし日本では「鏡台だけは好きな物を選んで持っていく」や、イギリスでも「寝具類は伝統的な刺繍を施す」など、全ての伝統が消えてしまったわけではありません。
どのような物を持って行っても、また持っていかなくても、お嫁に行った後にはやはり両親のありがたみが身に染みるものでしょう。
それではまた、See you!