飲みすぎた翌朝、頭が重くて胃がむかむかする。日本ならしじみの味噌汁と梅干しに手が伸びる場面です。ところがその状態を英語で説明しようとすると、「二日酔い」の一語すら出てこない。そんな悔しさを感じたことはないでしょうか。
しかも困るのは、単語を思い出せても文の形を間違えてしまうことです。「I’m hangover.」と言ってしまい、相手が一瞬「?」という顔をする。あの気まずい沈黙は、たった一つのルールを知るだけで避けられます。
この記事では、hangover と hungover の使い分け、発音、症状や酔いの度合いの言い方、イギリス英語らしい口語表現、そして飲みの席と翌朝で使える会話フレーズまでを順番に整理していきます。あわせて、イギリス人が二日酔いの朝に食べるフル・イングリッシュ・ブレックファーストの中身と、世界各国の回復メシもたどります。語彙だけでなく「その先の雑談」まで続けられる状態を目指す構成です。
読み終えたときに、二日酔いの朝でも、飲み会の最中でも、口から自然に英語が出てくる。そんな状態を作るために、まずは土台となる1語から始めましょう。独学の進め方に迷ったら、英語教室のような場で口に出す練習を組み合わせる方法もあります。
「二日酔い」は英語で hangover ─ まずこの1語を確実にする
- 二日酔いを表す基本語は hangover。名詞なので a hangover と数えられる
- 語源は hang(掛ける)+ over(越えて)。前夜のものが翌日まで持ち越されているイメージ
- アクセントは頭の hang。平坦に読むと聞き取ってもらえないことがある
- have なら hangover、be なら hungover。母音の a と u で対応させて覚える
- 動詞のコロケーション(get / suffer from / sleep off など)を押さえると表現の幅が一気に広がる
二日酔いを表す最も基本的な英単語は hangover です。名詞なので a をつけて数えられ、複数形 hangovers も成立します。まずはこの1語を、文の形ごと丸ごと口に入れてしまうのが最短ルートです。
なぜ覚えやすいかというと、語のつくりが日本語の感覚と近いからです。hang は「掛ける、ぶら下げる」、over は「越えて」。つまり前の晩の酒が翌日まで持ち越されて、まだ体にぶら下がっている状態を指します。「宿酔」という漢語の発想とも重なるので、イメージで結びつけられます。
語源のイメージがつかめたら、次は音です。単語を知っていても、発音のリズムがずれていると通じません。

発音とアクセントのポイント
hangover は hang と over に区切って発音すると格段に通じやすくなります。カタカナで近づけるなら「ハェング・オウヴァ」。アメリカ英語でもイギリス英語でも、通じ方に大きな差はありません。
注意したいのはアクセントの位置で、頭の hang を強く読みます。日本語の「ハングオーバー」のように平坦に発音すると、相手が語を拾えないことがあります。最初の音をしっかり立て、後半は軽く流すつもりで言ってみてください。
細かい違いを挙げるなら、イギリス英語は語末の r をはっきり響かせない傾向があるため、over の部分が「オウヴァ」に近く聞こえます。アメリカ英語では「オウヴァー」と r の余韻が残ります。どちらでも問題なく通じるので、聞き取りの参考程度に頭に入れておけば十分です。
音が整ったところで、学習者がいちばんつまずく分岐点に進みます。
hangover(名詞)と hungover(形容詞)の使い分け
この2語の区別が、二日酔い英語の最大の山場です。逆にいえば、ここを押さえてしまえば残りは応用でしかありません。
- I have a hangover.(名詞なので have や get とセット)
- I’m hungover.(形容詞なので be動詞とセット)
覚え方はシンプルです。have なら a のつく hangover、be なら u の hungover。母音の a と u で対応させると、口が勝手に正しい形を選んでくれるようになります。
「I’m hangover.」「I have a hungover.」はどちらも誤りです。前者は「私は二日酔いという物体です」と言っているような不自然さがあり、後者は形容詞に a をつけてしまっています。意味は推測されるので致命的ではありませんが、直しておくと一気に自然な英語になります。
- フレーズ
- I drank too much last night, so I have a terrible hangover.
- 日本語訳
- 昨夜飲みすぎたので、ひどい二日酔いです。
- 使う場面
- 翌朝、同僚や友人に自分の状態を説明するとき。原因(飲みすぎ)と結果(二日酔い)を so でつなぐ形は応用が利きます。
- 注意点・誤用例
- ×I drank too much last night, so I’m hangover. → 形容詞にするなら I’m hungover.。terrible の代わりに bad, awful, massive なども使えます。
- 発音・ニュアンス
- 「ドラェンク・トゥーマッチ」と drank too much をひとかたまりで。terrible hangover は「テリブォ・ハェングオウヴァ」と、terrible の頭を強く。深刻さより自己申告のぼやきに近い軽さで言うのが自然です。
- フレーズ
- I’m so hungover this morning. I can barely think.
- 日本語訳
- 今朝はひどい二日酔いです。頭がほとんど働きません。
- 使う場面
- 親しい同僚や友人とのくだけた会話。so hungover で程度を強めています。
- 注意点・誤用例
- 目上の相手や取引先には、二日酔いを明言せず I’m not feeling great today. とぼかすほうが無難です。hungover は自己申告としては便利ですが、相手に向けて You’re hungover, aren’t you? と使うと詰問に聞こえます。
- 発音・ニュアンス
- hungover は「ハングオウヴァ」。hang とは母音が違い、口をあまり開けずに「ハ」と短く。barely は「ベアリィ」で、can barely think は「ほとんど考えられない」という誇張表現です。
動詞との組み合わせで言えることが一気に増える
hangover には相性のよい動詞がいくつかあります。単語を増やすより、この組み合わせを覚えるほうが会話への効き目が早いはずです。
- have a hangover ─ 二日酔いである(状態)
- get a hangover ─ 二日酔いになる(変化)
- suffer from a hangover ─ 二日酔いで苦しんでいる(やや硬い)
- recover from a hangover ─ 二日酔いから回復する
- cure a hangover ─ 二日酔いを治す
- nurse a hangover ─ 二日酔いをだましだましやり過ごす
- sleep off a hangover ─ 寝て二日酔いを抜く
have は「今そうである」、get は「そうなる」。この対比は日本語の「二日酔いだ」と「二日酔いになる」にそのまま重なります。nurse は本来「看病する」で、抱えたまま静かに時間をやり過ごす感じが出ます。
- フレーズ
- If I mix drinks, I always get a hangover the next day.
- 日本語訳
- ちゃんぽんすると必ず翌日二日酔いになります。
- 使う場面
- 飲みの席で自分の体質や飲み方の傾向を説明するとき。相手に飲み方を尋ねる流れにもつながります。
- 注意点・誤用例
- 「ちゃんぽん」は mix drinks、または drink a combination of spirits。日本語の語感をそのまま英語にしにくいので、句ごと覚えるのが早道です。×mix alcohols は不自然に響きます。
- 発音・ニュアンス
- mix drinks は「ミックス・ドリンクス」と語末の子音をつなげて一息で。always を強めに置くと「毎回そうなんだ」という自己ツッコミの響きが出ます。
- フレーズ
- I haven’t fully recovered from my hangover yet. I’m going to stay in bed and sleep it off.
- 日本語訳
- まだ二日酔いから完全に回復していません。ベッドで寝て酔いを抜くつもりです。
- 使う場面
- 誘いを断るときや、その日の予定を変更してもらうとき。現在完了+yet で「まだ途中」を表しています。
- 注意点・誤用例
- sleep it off の it は二日酔いや酔いを指します。×sleep off it とは語順を入れ替えられません(代名詞は間に挟む)。sleep off the hangover なら名詞は後ろに置けます。
- 発音・ニュアンス
- sleep it off は「スリーピロフ」とつながります。haven’t fully recovered は fully を強調すると「まだ完全ではない」という含みが伝わります。
ここまでで、自分の状態を伝える最低限の装備は整いました。では、ネイティブが雑談で使う「hangover 以外の言い方」はどうなっているのでしょうか。次に見ていきます。
hangover 以外の言い方とイギリス英語のリアルな口語
- morning after は「翌朝の状態」。飲酒以外の出来事の翌朝にも使える
- hangover は薬の副作用や制度の名残という意味も持つため、必要なら alcohol hangover と補う
- booze flu、morning fog、post-bender blues、the shakes はスラング寄り。意味がわかれば十分
- イギリスでよく聞くのは rough と wrecked。rough は婉曲、wrecked は強調
- the hair of the dog は「迎え酒」。表現として知っておくだけで、実践は勧められない
日常会話では hangover 一語でほぼ事足ります。それでも周辺表現を知っておくと、ネイティブ同士の雑談が急に聞き取れるようになります。理由は単純で、彼らは同じ状態を何通りもの言い方で表すからです。
morning after と alcohol hangover
morning after は「翌朝の状態」を指す言い回しです。飲みすぎた翌朝にも、けんかや大きな出来事の直後にも使えます。The morning after is always the worst part.(翌朝がいつもいちばんつらい)のように言います。
alcohol hangover はやや説明的な言い方です。hangover という語は薬の副作用や、大きな出来事のあとに残る余韻・後遺症を指すこともあるため、文脈をはっきりさせたいときに alcohol を添えます。
ちなみに hangover は「時代の名残」「制度の遺物」という意味でも使われます。a hangover from the previous system(前の制度の名残)のような形で、ニュース記事でも見かける用法です。二日酔いの意味しか知らないと読み違えるので、頭の片隅に入れておくと役立ちます。
くだけたスラング表現
くだけた言い方には、booze flu(酒インフル)、morning fog(頭に霧がかかった状態)、post-bender blues(飲み明かしたあとの憂鬱)、the shakes(手の震え)などがあります。どれも比喩がわかりやすく、聞けば意味が想像できるものばかりです。
ただしいずれもスラング寄りです。まずは意味がわかれば十分で、自分から積極的に使う必要はありません。相手や場面を選ばずに連発すると、軽く見られたり、意図せず砕けすぎた印象を与えることがあります。
スラングは「聞いて理解する語彙」と「自分が使う語彙」を分けて管理するのが安全です。とくに職場や初対面の場では、the shakes のように身体症状を指すくだけた表現は、深刻な健康問題を連想させることもあります。迷ったら I’m not feeling great today. のような中立的な言い方に置き換えてください。
イギリスでよく聞く rough と wrecked
イギリス英語圏でとくによく耳にするのが rough と wrecked です。二日酔いという語を使わずに状態を伝えられるため、実用性が非常に高い2語です。
- フレーズ
- I’m feeling a bit rough from last night.
- 日本語訳
- 昨日の夜のせいで、ちょっと調子が悪いんだ。
- 使う場面
- 職場で「二日酔い」と言い切りたくないとき。a bit を入れることで、深刻すぎない自己申告になります。
- 注意点・誤用例
- rough は「粗い、荒れた」が原義で、体調にも使えます。相手に向けて You look rough. と言うと「ひどい顔だね」に近いので、親しい間柄以外では避けたほうが無難です。
- 発音・ニュアンス
- rough は「ラフ」。gh を「フ」と読む点に注意(×ロウグ)。婉曲に「しんどい、だるい」を伝える便利な語です。
- フレーズ
- I was absolutely wrecked yesterday.
- 日本語訳
- 昨日はもうボロボロだった。
- 使う場面
- 友人との振り返り雑談。absolutely を添えると程度が最大級になります。
- 注意点・誤用例
- wreck は「壊す」という動詞なので、wrecked は「体が壊れた」というイメージ。ひどく酔っている状態にも、二日酔いのつらさの強調にも使われます。文脈が薄いと「疲れ果てた」の意味にも取られるため、from last night などを添えると誤解が減ります。
- 発音・ニュアンス
- wrecked は「レクト」。頭の w は発音しません。absolutely は「アブソルートリー」より「アブサルートリィ」に近く、lute を強く。
the hair of the dog は「迎え酒」
hangover の話題で必ず出てくるのが the hair of the dog です。直訳すると「犬の毛」ですが、意味は「迎え酒」。かつて狂犬に噛まれたとき、その犬の毛を傷に当てれば治るという民間信仰があり、そこから「原因になったもので治す」という発想が生まれたとされています。
- フレーズ
- Do you want the hair of the dog?
- 日本語訳
- 迎え酒でもやる?
- 使う場面
- 親しい友人同士の冗談まじりの会話。イディオムとして聞き取れると、映画やドラマの会話が理解しやすくなります。
- 注意点・誤用例
- a hair of the dog that bit you が元の形で、短縮形が定着しています。犬の話をしているわけではないので、直訳で受け取ると会話が迷子になります。
- 発音・ニュアンス
- hair of the が「ヘアロヴザ」とつながります。冗談として投げかけられることが多く、真剣な健康アドバイスではありません。
迎え酒はアルコール分解の負担を先送りにするだけで、体にとってよい方法とは言えません。一時的に症状が和らいだように感じても、飲酒習慣そのものを悪い方向に固定してしまうリスクがあります。表現として知っておくのは楽しいものの、実践は勧められないという前提で覚えてください。
さて、「二日酔いです」と一言伝えたあと、会話は必ず「どんなふうにつらいの?」へ進みます。そこで必要になるのが症状の語彙です。
症状と酔いの段階を英語で言い分ける
- 症状語は headache, nausea, queasy, dizzy, dehydrated などを組み合わせて説明する
- ひどい頭痛は a splitting headache。決まった言い方として覚えると便利
- 酔いの段階は sober → tipsy → buzzed → drunk → hammered / smashed / plastered
- sober は「シラフの」だけでなく「まじめな、冷静な」の意味も持つ
- drunk は be drunk / get drunk の形でまとめて覚えると混乱しない
二日酔いを一語で伝えたあと、具体的にどうつらいのかを説明できると会話が続きます。逆にここで語彙が切れると、相手が気遣いの言葉をかけようとしても話が広がりません。
症状を表す語
- headache ─ 頭痛(a splitting headache でひどい頭痛)
- nausea ─ 吐き気(形容詞は nauseous)
- queasy ─ 気持ちが悪い、むかむかする
- dizzy ─ めまいがする
- dehydrated ─ 脱水状態の
- sensitive to light ─ 光がまぶしく感じる
- My stomach is upset. ─ 胃の調子が悪い
a splitting headache の splitting は「割れるような」。頭が割れるという比喩が日本語と共通しているので、そのまま覚えられます。nausea は名詞、nauseous は形容詞という品詞の対応も、hangover と hungover の関係と同じ構造です。
- フレーズ
- I woke up with a splitting headache and felt queasy all morning.
- 日本語訳
- 割れるような頭痛で目が覚めて、午前中ずっと気持ち悪かったです。
- 使う場面
- 前日の様子を振り返って説明するとき。wake up with +症状 は体調説明の万能パターンです。
- 注意点・誤用例
- ×I felt queasy in all morning. のように前置詞を足す必要はありません。all morning がそのまま副詞句として働きます。queasy は軽いむかつき、nauseous はより明確な吐き気に寄ります。
- 発音・ニュアンス
- queasy は「クウィージィ」。ea は「イー」と伸ばします。woke up with は「ウォウカップウィズ」とつなげると自然です。
酔いの段階を表す語
- sober ─ シラフの、酔っていない
- tipsy ─ ほろ酔いの
- buzzed ─ いい気分になってきた状態
- drunk ─ 酔っている
- hammered / smashed / plastered ─ べろべろに酔った
sober は「まじめな、冷静な」という意味も持つ形容詞で、動詞として sober up(酔いをさます)という形でも使います。a sober assessment(冷静な評価)のような表現も一般的です。
- フレーズ
- Give me a minute to sober up.
- 日本語訳
- ちょっと酔いをさます時間をください。
- 使う場面
- 飲みの席で少し休みたいとき、あるいは席を立って水を飲みたいとき。
- 注意点・誤用例
- sober up は時間の経過で酔いが引くことを指します。コーヒーやシャワーで急に酔いがさめるわけではないため、実際の運転などの判断材料にはできません。
- 発音・ニュアンス
- sober は「ソウバ」。「ソーバー」と伸ばしすぎないほうが伝わります。Give me a minute は「ギミァミニッ」とつなげて軽く。
- フレーズ
- He got drunk at the party and ended up embarrassing himself.
- 日本語訳
- 彼はパーティーで酔っ払って、最後には恥をかいてしまいました。
- 使う場面
- 出来事を第三者について説明するとき。end up +動名詞で「結局〜することになった」を表します。
- 注意点・誤用例
- drunk は drink の過去分詞形と同じ形なので、be drunk / get drunk の形でまとめて覚えると混乱しません。なお本人に向かって You’re drunk. と言い切ると非難に響くことがあります。
- 発音・ニュアンス
- got drunk は「ガッ・ドランク」と t を軽く落とします。tipsy(ティプスィ)は「ほろ酔い」で、かわいらしい響きもあり日常会話によく登場します。
単語が揃ったので、次はそれらが実際の会話でどう組み合わさるのかを見てみましょう。年末のパーティーシーズンを舞台にした、職場のやりとりです。
会話で学ぶ:クリスマスパーティー前のやりとり
- Christmas ball は「舞踏会」より「年末のパーティー」と訳すほうが実態に合う
- パーティーの返答で We を使うのは、配偶者やパートナーとの同伴出席を含むことがある
- upset stomach は胃の不調全般。腹痛は stomachache
- 飲みすぎを避ける定型句は drink in moderation
- 日本食の説明は「固有名詞 + which is 〜」の形が使いやすい
ここからは、イギリスに駐在する日本人の学習者と、現地の同僚という設定でのやりとりです。体調と飲酒の話題から、二日酔い談義へ発展していきます。
- 会話(英語)
- British colleague: Are you going to the Christmas ball?
Japanese colleague: We are planning to go. But I have to be careful because my stomach is a little upset nowadays.
British colleague: Then you should try to be moderate in drinking.
Japanese colleague: I can have a much nicer time with a drink, but I don’t have any food for a hangover at home right now.
British colleague: What do you eat when you have a hangover?
Japanese colleague: In Japan, we eat umeboshi, which is a pickled plum, and drink miso soup with freshwater clams.
British colleague: That’s quite different from what we eat here. We have a typical English breakfast. High protein and greasy food are good for a hangover.
Japanese colleague: It certainly is different. But I think it’s best to eat what you want when you don’t feel well.
British colleague: Indeed, that’s true. - 日本語訳
- 同僚(イギリス人): クリスマスパーティーには行きますか?
学習者(日本人): 参加する予定ですよ。でも最近胃の調子が悪いので、気をつけなければいけないのです。
同僚: それならお酒もほどほどにしないといけませんね。
学習者: お酒があるほうが楽しい時間を過ごせるのですが、二日酔い用の食べ物が今、家にないのですよ。
同僚: 二日酔いのときは何を食べるんですか?
学習者: 日本では梅干しという塩漬けの梅を食べて、しじみの味噌汁を飲みます。
同僚: こちらの食べ物とはずいぶん違いますね。私たちは典型的なイングリッシュ・ブレックファーストを食べます。高たんぱくと油ものが二日酔いにはいいんですよ。
学習者: 確かに違いますね。でも体調が悪いときは、食べたいものを食べるのがいちばんだと思います。
同僚: 確かにそのとおりですね。 - 使う場面
- 年末の社内行事の前後、あるいは飲み会の予定を話す雑談。相手の国の習慣を尋ねる質問がそのまま会話の広げ方になっています。
- 発音・ニュアンス
- Indeed, that’s true. は相手への同意をやわらかく示す返し。丁寧さを保ちつつ会話を締めたいときに便利です。全体として丁寧すぎない、職場の同僚同士の距離感で読むとリズムがつかめます。
表現のポイントを一つずつ
Christmas ball ─ ball がつく集まりは辞書では「舞踏会」と訳されることが多い語です。実際にダンスをする催しもありますが、企業や団体が年末に開く催しを指すときは「パーティー」「宴会」と訳すほうが実態に合います。同じ場面で Christmas party、社内行事なら office party、イギリスでは Christmas do というくだけた言い方も耳にします。
We are planning to go. ─ 日本語訳では主語を省いていますが、原文の主語は We です。海外の仕事関係のパーティーは、配偶者やパートナーを伴って出席するのが礼儀とされる場面が少なくありません。ここでの We は「夫婦そろって参加します」という含みを持っています。招待状に and guest や plus one と書かれていたら、同伴者を連れてよいという意味です。
my stomach is a little upset ─ 「胃の調子が少し悪い」。upset stomach で胃の不調全般を指します。腹痛なら stomachache、下している状態なら have an upset stomach が自然です。upset は「動揺した」の意味が有名ですが、内臓の不調にも広く使えます。
try to be moderate in drinking ─ 「飲むのをほどほどにする」。moderate は「適度な、控えめな」。drink in moderation も同じ意味で、こちらのほうが定型句として使われます。Please drink in moderation. は飲食店の掲示などでも見かける言い回しです。
food for a hangover ─ 会話中では「二日酔い用の食べ物」をこう表しています。hangover food、hangover cure という言い方も一般的で、後者は食べ物だけでなく対処法全般を指します。
freshwater clam ─ しじみ。学術的には corbicula ですが、日常会話では通じにくいため freshwater clam(淡水の貝)と説明するほうが伝わります。あさりは short-neck clam、はまぐりは hard clam などと訳し分けます。
pickled plum ─ 梅干し。umeboshi とそのまま言ったあとに which is a pickled plum と補足する構文は、日本の食べ物を紹介するときの基本形です。関係代名詞 which を使えば、固有名詞のあとに説明をなめらかに足せます。
会話の中で相手が触れていたイングリッシュ・ブレックファースト。日本人にとっては驚きの選択ですが、なぜそれが二日酔いの定番なのでしょうか。
イギリス人の二日酔い対策はフル・イングリッシュ・ブレックファースト
- 日本の味噌汁と梅干しが「引き算」なら、イギリスの答えは完全な「足し算」
- 卵、ベーコン、ソーセージ、ベイクドビーンズ、焼きトマトなどが定番の顔ぶれ
- たんぱく質・脂質・塩分・水分がまとめて摂れることと、心理的な効果が支持の理由
- アルコール分解を早める食べ物は存在しない。時間・水分・休息が基本
- 注文時のカスタマイズが普通に通じる。without や instead of を使う
日本の味噌汁と梅干しが「引き算」の発想だとすれば、イギリスの答えは完全な「足し算」です。ベーコン、ソーセージ、卵、豆。朝から油の香りが立ちのぼる一皿を前に「これが効くんだ」と言うのです。
一皿の中身
フル・イングリッシュ・ブレックファーストは、だいたい次の顔ぶれで構成されます。英語名もあわせて覚えておくと、メニューを読むときに困りません。
- fried egg / scrambled eggs ─ 目玉焼き、スクランブルエッグ
- back bacon ─ イギリス風の厚めのベーコン
- sausages ─ 太めのポークソーセージ
- baked beans ─ インゲン豆のトマトソース煮
- grilled tomatoes ─ 焼きトマト
- mushrooms ─ マッシュルームのソテー
- hash browns / fried bread ─ ハッシュドポテト、揚げパン
- toast with butter ─ バタートースト
- black pudding ─ 豚の血のソーセージ。好き嫌いが分かれる一品
これに紅茶かコーヒーがつきます。皿の上の面積がとにかく広く、初めて見た日本人が「朝からこれを?」と絶句するのは珍しい反応ではありません。ロンドンのカフェや B&B(bed and breakfast)の朝食では標準装備で、週末のブランチや、まさに二日酔いの朝のごちそうとして食べる人が多いようです。
なおスコットランドではハギスやタティスコーン、アイルランドではホワイトプディングやソーダブレッドが加わるなど、地域ごとに顔ぶれが変わります。アイリッシュ・ブレックファーストも見た目はよく似ていますが、細部に土地の個性が出ます。

なぜ二日酔いに効くとされるのか
イギリスでこの朝食が二日酔いの定番とされる理由は、いくつか説明がつきます。まず、たんぱく質と脂質がまとまって摂れることです。
飲酒後は血糖値が下がりやすく、だるさや頭のぼんやり感につながります。しっかりした食事で血糖を戻すと、体感が楽になるという実感があるのでしょう。ベーコンやソーセージには塩分も含まれ、脱水で失われた電解質の補給という側面もあります。
もうひとつは、豆やトマト、マッシュルームなどから水分と食物繊維、カリウムが摂れることです。ベイクドビーンズはたんぱく質と繊維の両方を含みます。皿の上が雑多に見えて、栄養の偏りが結果的に緩和されているのは面白い点です。
そして忘れてはならないのが、心理的な効果です。前の晩に散々な飲み方をした自分を、温かくてボリュームのある一皿が肯定してくれる。「これを食べたら復活する」という信念そのものが、体感を左右している部分は小さくないはずです。
科学的に見れば、アルコール分解を早める食べ物というものは存在しません。時間と水分、そして休息が基本になります。各国の二日酔い食は「回復を早める魔法」ではなく、「つらい朝を乗り切るための儀式」と捉えるほうが実態に近いでしょう。胃腸が弱っているときに脂質の多い食事を無理に詰め込むと、かえって負担になることもあります。
注文で使えるフレーズ
イングリッシュ・ブレックファーストは、実は自分好みに調整できます。B&B でも朝食を出すカフェでも、「嫌いなものを抜く」「好きなものを増やす」という注文が普通に通ります。追加分は別料金になる店もあります。
- フレーズ
- Could I have it without the beans, please?
- 日本語訳
- 豆抜きでお願いできますか?
- 使う場面
- カフェやB&Bで朝食を注文するとき。without +食材 で「〜抜き」を表せます。
- 注意点・誤用例
- ×I don’t want beans. でも意味は通じますが、やや直接的です。Could I have 〜 ? の形にすると角が立ちません。please を文末に添えるのがイギリスでは特に自然です。
- 発音・ニュアンス
- Could I have it は「クダイハヴィッ」と一息で。文末を軽く上げると依頼の柔らかさが出ます。
- フレーズ
- Can I swap the black pudding for extra mushrooms?
- 日本語訳
- ブラックプディングの代わりにマッシュルームを増やせますか?
- 使う場面
- 苦手な具材を別のものに置き換えたいとき。swap A for B の形が便利です。
- 注意点・誤用例
- ×swap A to B ではなく swap A for B。差額が発生する店もあるので、Is there an extra charge?(追加料金はかかりますか)と添えると安心です。
- 発音・ニュアンス
- swap は「スワップ」。extra を強めると「増量してほしい」意図が明確になります。
- フレーズ
- How would you like your eggs? — Fried, please. Sunny side up.
- 日本語訳
- 卵はどうされますか? — 目玉焼きで、片面焼きでお願いします。
- 使う場面
- 朝食の注文で必ず聞かれる定番の質問。答えを用意しておくと固まりません。
- 注意点・誤用例
- 両面焼きなら over easy(半熟)や over hard(固め)。ゆで卵は boiled、落とし卵は poached。Scrambled, please. なども即答できるようにしておくと楽です。
- 発音・ニュアンス
- Sunny side up は「サニィサイダップ」とひとかたまりで。単語で答えて please を添えるだけで十分丁寧です。
量を減らしたいときは Could I have two eggs instead of one?(卵をふたつにできますか)のような追加リクエストや、I’ll have the small breakfast, please. という注文が使えます。small breakfast や half breakfast というメニューを置いている店もあります。ベジタリアン向けの veggie breakfast も一般的で、肉の代わりに豆やアボカド、ハルミチーズが載ります。
現地在住の日本人からは、初対面では「特においしくない」と感じたものの、苦手な具材を抜いて注文するコツを覚え、空腹のタイミングでブランチとして食べるようになったら評価が変わった、という声もあります。慣れとカスタマイズで印象が大きく変わる料理だということです。
逆に、イギリス人に「日本では二日酔いに味噌汁を飲む」と伝えたところ、「あんな匂いの強いもの、二日酔いのときに飲めない」と返された、という話も聞かれます。油と肉の皿を平然と受け入れる人が発酵の香りに怯むというのは、食文化の相対性をよく表しています。ところ変われば常識も変わる、という一言に尽きます。
では、日本とイギリスの間には、どれほど多様な「回復メシ」が存在するのでしょうか。世界を一周してみます。
まとめ:世界各国の二日酔い料理を英語の話題にする

- 世界の二日酔い食は「酸味・水分系」と「こってり・高カロリー系」に大別できる
- ドイツのロールモップス、ポーランドのピクルスの漬け汁は酸味と塩分の系統
- 韓国のヘジャンク(해장국)は「酔いを解くスープ」の意味
- カナダのプーティン、アメリカのプレーリー・オイスターはこってり系の代表
- 手段は違っても、塩分・水分・たんぱく質・カフェインのどれかが軸になっている
日本とイギリスの対比を軸にすると、世界の二日酔い食はおおむね二系統に分けられます。この整理を頭に入れておくと、英語で話題にするときに話がまとまりやすくなります。
酸味と水分でととのえる系
日本の梅干しとしじみの味噌汁は、この系統の代表格です。同じ発想が世界各地にあります。
ドイツでは、ザワークラウトや酢漬けのニシン(ロールモップス)を食べます。塩気と酸味、そして発酵食品という組み合わせは、梅干しと味噌汁の関係にどこか似ています。ロールモップスはピクルスや玉ねぎを巻き込んだ酢漬けニシンで、二日酔いの朝食として親しまれてきました。
ポーランドではピクルスの漬け汁をそのまま飲みます。酸味が強いぶん自然と水を欲するようになり、脱水の改善につながるという説明がなされます。塩分とナトリウムの補給という点でも理にかなっています。
メキシコのメヌードやポソレ、韓国のヘジャンク(해장국/ヘジャングク)は、辛いスープで汗をかいて体を目覚めさせるタイプ。ヘジャンクは直訳すると「酔いを解くスープ」で、名前からして目的がはっきりしています。タイもスパイシーなスープが定番で、辛味と酸味の刺激で食欲を呼び覚まします。
こってり・高カロリー系
イギリスのフル・イングリッシュ・ブレックファーストがこちらの筆頭です。似た発想の料理が各地にあります。
カナダのプーティンは、フライドポテトの上にグレイビーソースとチーズカードをかけた一皿。深夜営業の店で、飲んだあとや翌朝に食べられます。南アフリカではダチョウの卵を使ったオムレツという豪快な選択肢があり、卵に含まれるアミノ酸のシステインが、アルコール代謝で生じるアセトアルデヒドの処理を助けるという説明がしばしば添えられます。
アメリカのプレーリー・オイスター(prairie oyster)は、料理というより飲み物です。グラスに生卵の黄身を落とし、トマトケチャップやトマトジュース、ウスターソース、ビネガー、黒こしょう、ときにタバスコを加えて、黄身を崩さずに一気に飲み干します。見た目が牡蠣に似ていることからこの名がついたとされ、映画や小説にも登場する古典的な強壮ドリンクです。アメリカではほかに、脂っこいダイナーの朝食やブラッディ・マリーも定番です。
イタリアはエスプレッソ一杯という潔いスタイルです。オーストラリアではベジマイトを塗ったトースト、トルコでは羊の胃袋を煮込んだイシュケンベ・チョルバス、ロシアでは塩漬けキュウリの汁が知られています。どれも「その土地で当たり前に手に入るもの」で成り立っている点が共通しています。
並べてみると、塩分・水分・たんぱく質・カフェインという要素のどれかを軸にしている点は共通しています。手段は違っても、体が求めているものは案外似ているのかもしれません。
この分類は英語で話すときにも役立ちます。Hangover food is either sour and light, or greasy and heavy.(二日酔い食は酸っぱくて軽いか、脂っこくて重いかのどちらかだ)と切り出せば、相手の国がどちらなのかを尋ねる流れが自然に作れます。
フレーズ
What do you eat when you have a hangover?
日本語訳
二日酔いのときは何を食べますか?
使う場面
相手の出身国や家庭の習慣を尋ねる雑談。食べ物の話は宗教や政治と違って安全な話題で、初対面でも使いやすい質問です。
注意点・誤用例
飲酒しない相手や、宗教上お酒を口にしない相手には配慮が必要です。Do you drink?(お酒は飲みますか)と先に確認するか、相手が飲酒の話題を出したときに乗る形が無難です。
発音・ニュアンス
What do you は「ワッダユ」と縮めて軽く。when you have a hangover をひとかたまりで言えるよう、区切らずに練習しておくと会話で詰まりません。
相手の習慣を聞いたら、次は自分の国の話をする番です。ここで日本式を説明できるかどうかで、会話が続くかどうかが決まります。
日本の二日酔い食を英語で紹介する
この章の要点
日本食は「固有名詞 + which is 〜」で説明すると伝わりやすい
しじみは freshwater clams、梅干しは salted pickled plum
ウコンは turmeric。飲む前に摂る習慣として説明できる
light(あっさり)と greasy / heavy(脂っこい、重い)が食文化を語る基本の対比
効能は断定せず、be believed to や people say を使って伝える
海外の同僚や友人に日本のやり方を説明する場面は、意外とよくあります。難しい単語は要りません。説明の型をひとつ持っておけば、どんな和食にも応用できます。
その型が「固有名詞をそのまま言って、which is 〜 で補う」形です。umeboshi, which is a pickled plum のように、まず名前を出して直後に説明を足します。相手は新しい語彙を覚えつつ、意味も同時に受け取れます。
フレーズ
In Japan, we usually drink miso soup with freshwater clams. They’re believed to help the liver.
日本語訳
日本ではしじみの味噌汁を飲むのが一般的です。肝臓にいいと言われています。
使う場面
相手に習慣を尋ねられたときの返答。In Japan で始めると、個人の話ではなく文化の話として受け取ってもらえます。
注意点・誤用例
×They cure your liver. のように断定すると誤解を招きます。be believed to(〜と信じられている)や people say that を使えば、言い伝えとして正確に伝えられます。
発音・ニュアンス
freshwater clams は「フレッシュウォータ・クラムズ」。clam の l を飲み込まず、はっきり出すと伝わりやすくなります。
フレーズ
Umeboshi is a salted, pickled plum. It’s very sour and salty, and it wakes you up.
日本語訳
梅干しは塩漬けにした梅です。とても酸っぱくて塩気があり、目が覚めます。
使う場面
相手が知らない食品を紹介するとき。味の説明(sour, salty)を先に伝えると、相手が想像しやすくなります。
注意点・誤用例
プラムと聞くと甘い果物を想像されるため、salted と pickled を必ず添えてください。×dried plum(プルーン)とは別物です。
発音・ニュアンス
sour は「サウァ」。sour と salty を並べて言うときは、どちらも語頭を強めるとリズムが出ます。it wakes you up は「イッ・ウェイクシュアップ」。
フレーズ
We also have drinks called ukon, which is turmeric. Many people drink it before going out. / Japanese hangover food tends to be light and soupy, not greasy.
日本語訳
ウコンという飲み物もあります。ターメリックのことで、飲みに行く前に飲む人が多いです。/日本の二日酔い食は、脂っこいものではなく、あっさりした汁物が多いです。
使う場面
日本式を一言でまとめて伝えるとき。tends to be(〜の傾向がある)は、断定を避けつつ全体像を語れる便利な形です。
注意点・誤用例
light(あっさりした)と greasy / heavy(脂っこい、重い)は食文化を語るときの対比としてそのまま使えます。なおウコン飲料の効果を断定して勧めるのは避け、習慣の紹介にとどめるのが安全です。
発音・ニュアンス
turmeric は「ターマリック」で、頭にアクセント。soupy は「スーピィ」で「汁物っぽい」という便利な形容詞です。
ここまでは翌朝の話でした。しかし本来いちばん役に立つのは、二日酔いにならないための「その場での言い方」です。
飲みの席と翌朝に使える英語
この章の要点
断り方は簡潔でよい。Thanks, I’m good. の一言で十分通じる
pace myself は「自分のペースを守る」。飲みすぎ回避の定番表現
overdo it は「やりすぎる」。飲酒にも仕事にも使える
イギリスでは Cheers! が乾杯にも「ありがとう」にも使われる
「とりあえずビール」に相当する表現はなく、最初から具体的に注文する
二日酔いを未然に防ぐには、その場での言い方を知っておくのが結局いちばん役に立ちます。断り方が言えないまま勧められ続けて、気づけば翌朝つらい、という展開は語彙不足が原因になることも多いのです。
ペースを落とす、断る
I’m going to pace myself tonight. ─ 今夜はペースを抑えるつもりです
I’ll stick to one glass. I have an early start tomorrow. ─ 一杯だけにしておきます。明日は朝が早いので
I’m driving, so just a soft drink for me, thanks. ─ 車なので、ソフトドリンクをお願いします
I’m taking it easy tonight. ─ 今夜は控えめにしています
None for me, thanks. I’m off the booze at the moment. ─ 私は結構です。今はお酒を控えているので
断り方は簡潔で構いません。理由を長々と説明しなくても、Thanks, I’m good. の一言で十分通じます。日本の宴席のように理由を求められる文化ではないため、笑顔で短く返すのが最もスムーズです。
注意点
相手に飲酒を勧め続ける、断った相手に理由を問い詰める、といった振る舞いは英語圏では強い失礼にあたります。健康上の理由や信仰、回復途上といった事情がある可能性を前提に、一度断られたら Of course, no problem. と受け流すのが基本です。逆に自分が勧められた場合も、断ることに引け目を感じる必要はありません。
翌日の言い訳と気遣い
フレーズ
Sorry I’m late. I overdid it last night. / Are you all right? You look a bit rough. / Drink plenty of water and take it easy.
日本語訳
遅れてすみません。昨夜は飲みすぎました。/大丈夫? ちょっとつらそうだね。/水をたくさん飲んで、無理しないで。
使う場面
翌朝の職場や集合場所。自分の状態を伝える表現と、相手を気遣う表現をセットで持っておくと会話が一方通行になりません。
注意点・誤用例
overdo it は「やりすぎる」。飲みすぎにも、働きすぎや運動しすぎにも使える便利な句です。ただし遅刻の理由として飲酒を挙げるのは相手を選びます。上司や取引先には I’m running a bit late, my apologies. のように理由を伏せるほうが無難です。
発音・ニュアンス
overdid は「オウヴァディッド」で did を強く。take it easy は「テイキリーズィ」とつなげます。You look a bit rough. は親しい相手にだけ使う軽口です。
乾杯まわりの言い方
イギリスでは Cheers! が乾杯にも「ありがとう」にも使われます。物を受け取ったとき、ドアを開けてもらったときにも Cheers. と返ってくるので、酒席専用の語だと思っていると戸惑います。
フォーマルな場では Here’s to a great year.(よい一年に乾杯)のように、to のあとに祝う対象を置く形が定番です。Here’s to the team. や Here’s to you. と応用でき、短いスピーチの締めにも使えます。
なお日本の「とりあえずビール」に相当する軽いノリの表現は英語にはありません。A pint of lager, please. のように最初から具体的に注文します。パブでは half(ハーフパイント)を頼めば量を抑えられるので、控えめに飲みたい日はこの一語が味方になります。
英語表現の整理はここまでです。次に、表現とは切り離して、実際の体のことに触れておきます。
つらいときに気をつけたいこと
この章の要点
主な要因は脱水、アセトアルデヒドの影響、血糖値や電解質の乱れ
基本は水分と電解質の補給、そして休養
迎え酒は負担の先送りになるため勧められない
市販薬を使うときは添付文書を確認し、不安があれば薬剤師に相談する
症状が重いときや飲酒が習慣化しているときは、医療者に相談する判断が大切
二日酔いの主な要因は、脱水と、アルコール代謝でできるアセトアルデヒドの影響、そして血糖値や電解質の乱れです。したがって基本になるのは水分と電解質の補給、そして休養です。
経口補水液やスポーツドリンク、味噌汁のような塩分を含む汁物は、この点で理にかなっています。イギリス式の朝食が支持される理由も、結局は塩分とたんぱく質、そして水分を含む豆やトマトが同時に摂れることに帰着します。
避けたほうがよいのは迎え酒です。一時的に症状が和らいだように感じても、体内のアルコール処理を先送りしているだけで、飲酒習慣そのものを悪い方向に固定してしまうリスクもあります。表現として the hair of the dog を知っておくのは構いませんが、実践する必要はありません。
注意点
頭痛薬の中には、空腹時の服用や飲酒直後の服用が胃や肝臓に負担をかけるものがあります。市販薬を使うなら添付文書を確認し、不安があれば薬剤師に相談してください。嘔吐が止まらない、意識がはっきりしない、けいれんがあるといった場合は二日酔いの範囲を超えているので、ためらわずに医療機関にかかるべき状況です。
そもそもの話として、二日酔いになるほどの飲酒が続いているなら、量そのものを見直す合図と考えたほうがいいでしょう。回復食の話題が楽しいのは、あくまで「たまにやってしまった朝」の話だからです。自分の飲み方が気になっている場合は、かかりつけ医や地域の相談窓口に話してみる選択肢もあります。
ここまで読んだ内容を、記憶に残る形にしていきましょう。読み終えてすぐ動けるように、一週間分の練習手順を用意しました。
7日間で口から出るようにする練習プラン
この章の要点
1日10分程度、7日間で「読める語彙」を「言える語彙」に変える
初日は hangover と hungover の2文を音読して型を固める
中盤で症状語と断り方を追加し、最後に会話全体を通す
録音して聞き返すと、アクセント位置のずれに自分で気づける
翌週は場面を入れ替えて再演し、定着を確認する
語彙は読んだだけでは口から出ません。逆に言えば、声に出した回数だけが会話での即答につながります。負担の少ない形で7日間の流れを組みました。
1日10分でも、書いて声に出す習慣が定着を左右します。
1日目から3日目:型を固める
初日は I have a hangover. と I’m hungover. の2文だけを、それぞれ10回ずつ声に出します。頭の hang を強く、hungover の hun は口をあまり開けずに。この2文が反射で出るようになるだけで、実戦での事故がほぼなくなります。
2日目は動詞のコロケーションを足します。get a hangover、sleep it off、recover from a hangover の3つを、自分の実体験に当てはめた文にして書いてみてください。書いた文をそのまま音読するのが要点です。
3日目は症状語です。a splitting headache、queasy、dehydrated を使って、I woke up with 〜 の型で3文作ります。ここまでで「二日酔いです」から「どうつらいか」までを一人で説明できる状態になります。
4日目から5日目:断り方と気遣いを追加
4日目は飲みの席の表現です。I’m going to pace myself tonight. と Thanks, I’m good. を、鏡の前で笑顔とセットにして練習します。断り方は表情と声のトーンが伴わないと硬く聞こえるため、口の形まで含めて練習する価値があります。
5日目は相手への気遣いです。Are you all right? と Drink plenty of water and take it easy. を、間を置かずに続けて言えるようにします。自分のことだけでなく相手を気にかける一言が入ると、会話が一気に温かくなります。
6日目から7日目:会話全体を通して録音する
6日目は、この記事のクリスマスパーティーの会話を、学習者役として通しで音読します。相手のセリフも自分で読み、質問に答える形を体に入れてください。What do you eat when you have a hangover? に3文で答えられれば合格です。
7日目は録音して聞き返します。hangover のアクセントが平坦になっていないか、rough を「ロウグ」と読んでいないか。自分の音を聞くのは気恥ずかしいものですが、ずれに気づく手段としては最も確実です。
翌週は場面を入れ替えて再演します。今度は自分がイギリス人役になり、相手に習慣を尋ねる側で練習してみてください。質問する側の練習をしておくと、実際の会話で沈黙が生まれたときに自分から糸口を作れます。
とはいえ、一人で音読していると「これで本当に通じているのか」が確かめられません。相手のいる場で試す機会を持つと、練習の効率は変わってきます。
覚えたフレーズを会話で試してみる
体が知っているものが、いちばん効く
この章の要点
体調が悪いときは、慣れ親しんだものを食べるのがいちばん納得しやすい
体調不良時に食べたものは、味の記憶まで否定的になりやすい
日本式で物足りない人には、塩気と脂質の系統が合う場合もある
食文化の違いは会話の種として優秀。質問ひとつで相手の食卓が見えてくる
語彙を覚えるだけでなく、その先の話を続けられる状態を目指す
滞在先でその土地の料理を食べるのは旅の醍醐味ですが、体調が悪いときばかりは、自分の体が慣れ親しんだものに勝るものはありません。会話の中で学習者役が言っていたとおり、調子が悪いときは食べたいものを食べるのがいちばんです。
逆に言えば、体調が悪いときに口にしたものは、味の記憶まで否定的になりやすいということでもあります。二日酔いの朝にイングリッシュ・ブレックファーストを完食できる日本人は、おそらく少数派でしょう。
ただ、日本式の回復法で今ひとつ手応えがないという人は、まったく別の方向を試してみる価値があります。塩気と脂質とたんぱく質でエンジンをかけ直すというイギリス流は、味噌汁と梅干しでは物足りないタイプの体質に、意外と合うかもしれません。
そして何より、こうした食文化の違いは会話の種として優秀です。What do you eat when you have a hangover? という質問ひとつで、相手の国の食卓が見えてきます。語彙を覚えるだけでなく、その先の話が続くところまで持っていければ、英語はぐっと楽しくなります。それではまた、See you!
よくある質問
この章の要点
hangover と hungover の使い分けは have と be で判別する
イギリス英語とアメリカ英語で hangover の意味に差はない
職場では二日酔いを明言せず rough やぼかした表現を選ぶ手もある
hangover は「制度の名残」など比喩的な意味でも使われる
気になる点はカードごとに確認して、必要な項目だけ読み返せる
hangover と hungover はどちらを使えばいいですか?
どちらも正しい語で、文の形で決まります。have や get と一緒に使うなら名詞の hangover で、I have a hangover. となります。be動詞と一緒に使うなら形容詞の hungover で、I’m hungover. となります。母音の a と u で対応させて覚えると混同しません。I’m hangover. や I have a hungover. は誤りです。
イギリス英語とアメリカ英語で二日酔いの言い方は違いますか?
基本語はどちらも hangover で、意味の違いはありません。発音はイギリス英語で語末の r を強く響かせない傾向があるため over の部分が軽く聞こえますが、通じ方に大きな差はありません。違いが出るのは口語表現で、イギリス英語圏では rough や wrecked といった語で体調を伝える場面がよく見られます。
職場で二日酔いだと伝えるのは失礼になりませんか?
相手との距離感によります。親しい同僚には I’m a bit hungover. と言っても問題になりにくい一方、上司や取引先には飲酒を明言しないほうが無難です。その場合は I’m not feeling great today. や I’m feeling a bit rough. のようにぼかした言い方が使えます。相手に向かって You’re hungover, aren’t you? と尋ねるのは詰問に響くため避けてください。
the hair of the dog はどういう意味ですか?
「迎え酒」を指すイディオムです。狂犬に噛まれたとき、その犬の毛を傷に当てれば治るという民間信仰から、原因になったもので治すという発想が生まれたとされています。元の形は a hair of the dog that bit you で、短縮形が定着しました。ただし迎え酒はアルコール処理を先送りにするだけで体にとってよい方法とは言えないため、表現として知っておくにとどめるのが適切です。
「ちゃんぽんする」は英語でどう言いますか?
mix drinks が最も一般的で、drink a combination of spirits という説明的な言い方もあります。If I mix drinks, I always get a hangover the next day. のように使います。日本語の語感をそのまま英語に置き換えにくい表現なので、句ごと覚えてしまうのが早道です。mix alcohols という言い方は不自然に響きます。
フル・イングリッシュ・ブレックファーストは注文時に変更できますか?
多くのカフェやB&Bで、苦手な具材を抜いたり別のものに替えたりする注文が通ります。Could I have it without the beans, please? で「豆抜き」、Can I swap the black pudding for extra mushrooms? で「置き換え」を伝えられます。量を控えたいときは small breakfast や half breakfast というメニューがある店もあり、肉を使わない veggie breakfast も一般的です。追加分が別料金になる店もあるため、Is there an extra charge? と確認しておくと安心です。
hangover に二日酔い以外の意味はありますか?
あります。薬の副作用として残るだるさや、大きな出来事のあとに残る余韻や後遺症も hangover で表せます。さらに「時代の名残」「制度の遺物」という意味でも使われ、a hangover from the previous system のような形で報道記事にも登場します。飲酒の話だと明示したいときは alcohol hangover と補うと誤解を避けられます。
「二日酔い」は英語でhangoverに関するよくある質問(FAQ)
Q. なぜ二日酔いに効くとされるのか
イギリスでこの朝食が二日酔いの定番とされる理由は、いくつか説明がつきます。まず、たんぱく質と脂質がまとまって摂れることです。
Q. 「二日酔い」は英語で hangover ─ まずこの1語を確実にするに関する重要ポイントは何ですか?
「二日酔い」は英語で hangover ─ まずこの1語を確実にするの基本ルールや実践的な使い方を押さえることで、自然な中国語表現と文化的背景をスムーズに理解・定着させることができます。
Q. hangover 以外の言い方とイギリス英語のリアルな口語に関する重要ポイントは何ですか?
hangover 以外の言い方とイギリス英語のリアルな口語の基本ルールや実践的な使い方を押さえることで、自然な中国語表現と文化的背景をスムーズに理解・定着させることができます。

