「次の会議、議事録お願いね」——その一言が英語の会議で飛んできたとき、頭の中が真っ白になった経験はありませんか。聞き取るだけでも精一杯なのに、要点を判断して、英語に置き換えて、しかも自分も発言しなければならない。難しく感じるのは、あなたの英語力が足りないからではありません。

実際の英文議事録を分解してみると、そこに求められているのは流暢な英作文ではありません。決まった枠に、決まった種類の情報を、短く落とし込む作業です。関係代名詞も分詞構文も、ほとんど出てきません。

この記事では、英文議事録に入れるべき項目、そのままコピーして使えるテンプレート、和訳付きの実例、会議中に使える確認フレーズ、送付メールのひな型までを一通りそろえました。読み終わる頃には、次の会議で「I’ll take the minutes.」と手を挙げられる状態を目指します。英語での実務対応に本格的に取り組みたい方は、英語教室でのアウトプット練習も選択肢のひとつです。

まずは、そもそも議事録が英語で何と呼ばれるのかというところから確認していきましょう。

目次 [ close ]
  1. 議事録は英語で"minutes"——語源に書き方のヒントがある
    1. minutes 以外の呼び方も知っておく
    2. 議事録まわりで頻出する動詞表現
  2. 話しながら書く——難易度を上げている本当の原因
    1. 負荷を下げる方向ははっきりしている
  3. 社内議事録の実例と和訳を読み解く
    1. 会議前に決まっている部分と、当日書く部分を色分けする
  4. 議事録は箇条書きが基本——美文は求められていない
    1. 最重要は5W1H、予算が絡むなら5W2H
  5. 英文議事録に入れる項目を1つずつ確認する
    1. 会議名(Title of the meeting)
    2. 日時(Date and time)
    3. 場所(Place / Venue)
    4. 出席者・欠席者(Attendees / Absentees)
    5. 会議の目的(Meeting purpose)
    6. 議題(Agenda / Contents)
    7. 決定事項(Decisions made)
    8. 議事メモ(Notes / Discussion points)
    9. 未決定事項(Open issues / Pending items)
    10. アクションアイテム(Action items / Next steps)
    11. 今後のスケジュール(Next meeting)
  6. コピーして使える汎用テンプレート
    1. 会議の種類に応じて足し引きする
  7. 会議前にやっておくこと——出来の8割は準備で決まる
    1. 目的と議題を確定させる
    2. 参加者リストを作る
    3. 関連資料に目を通す
    4. フォーマットを開いておく
    5. 録音手段を用意する
  8. 書くときに意識したい五つのポイント
    1. 会議が終わったらすぐ着手する
    2. 逐語記録ではなく要約する
    3. 過去形と客観表現で統一する
    4. 短く、平易な語を選ぶ
    5. 見た目を整える
  9. 議事録を引き受けるときの英会話スクリプト
  10. 5W2Hで使える表現集
    1. Who(誰が)
    2. When(いつ)
    3. Where(どこで)
    4. What(何を・何が)
    5. Why(なぜ)
    6. How(どのように)
    7. How much / How many(いくら・いくつ)
  11. 聞き取れなかったときの確認フレーズ
    1. 名前のつづりを確認するときの実践的な言い方
  12. 議事録を送るメールの例文
    1. 確定期限を切る一文を足す
  13. つまずきやすい点と回避策
    1. 主語が抜けたまま書いてしまう
    2. 日付の形式が混ざる
    3. 期限が「asap」で終わっている
    4. 議論の途中経過を全部書いてしまう
    5. 固有名詞のつづり間違い
    6. 共有が遅れる
  14. 書き起こしツールで負荷を下げる
    1. ツールに任せられる部分と、任せられない部分
  15. 挑戦したほうが得るものが大きい理由
  16. 次の会議までにできる7日間の練習プラン
    1. 1日目:自分用テンプレートを作る
    2. 2日目:日本語の会議で穴埋め練習
    3. 3日目:確認フレーズを音読する
    4. 4日目:報告動詞の型を書き換える
    5. 5日目:送付メールのひな型を作る
    6. 6日目:過去の英文議事録を読む
    7. 7日目:15分の模擬記録
  17. よくある質問

議事録は英語で”minutes”——語源に書き方のヒントがある

この章の要点
  • 議事録は英語で minutes。議事録の意味では常に複数形で使う
  • 語源はラテン語の minuta(小さい)。「短く凝縮した記録」が本来の姿
  • 正式記録は minutes、社内メモは meeting notes と使い分ける組織もある
  • take / write up / circulate / approve the minutes の4動詞を先に覚える

議事録は英語で minutes といいます。時間の単位である「分」とまったく同じつづりですが、議事録の意味で使うときは常に複数形です。単数形の minutes、つまり minute には「ごく小さい」という形容詞の意味もあり、こちらは「マイニュート」と発音されます。

なぜ「分」と「議事録」が同じ単語なのか。どちらもラテン語の minuta(小さい)を語源としているためです。紙が貴重だった時代、議会の記録は小さな書体でびっしりと書き留められました。minuta scriptura(小さく書かれた記録)という表現の前半だけが残り、minutes になったと言われています。

この語源は、そのまま英文議事録の作法を表しています。求められているのは長い説明文ではなく、コンパクトに凝縮された記録だということです。書き方に迷ったときは、この原点に立ち返ると判断しやすくなります。

minutes 以外の呼び方も知っておく

フォーマルな場面では record of proceedings という表現が使われます。取締役会や株主総会など、法的な位置づけを持つ記録に用いられることが多い言い方です。

一方、簡易なメモ書きに近いものは meeting notesconference note と呼ばれます。取締役会などの正式な記録は minutes、社内の打ち合わせメモは notes と明確に使い分ける組織もあるため、自社の慣習を先に確認しておくと安心です。

フレーズ
Could you take the minutes today?
日本語訳
今日の議事録をお願いできますか。
使う場面
会議の冒頭、進行役が記録係を指名するときの定番表現。自分が言われる側になることが多い一文です。
注意点・誤用例
×Could you take the minute? と単数にすると「1分もらえますか」のような別の意味に読まれます。議事録の意味では必ず minutes と複数形にします。
発音・ニュアンス
「ミニッツ」と、最初の mi を強く短く。語尾の ts をはっきり出すと聞き取ってもらいやすくなります。Could you 〜 は丁寧な依頼で、断る余地を残した言い方です。

議事録まわりで頻出する動詞表現

minutes は単独で使うより、決まった動詞とセットで登場します。次の5つを先に覚えておくと、会議中の指示を聞き逃しません。

  • take the minutes:議事録を取る
  • write up the minutes:議事録を清書する、まとめる
  • circulate the minutes:議事録を関係者に回覧・配布する
  • approve the minutes:(次回会議の冒頭で)前回議事録を承認する
  • Minutes by: Tanaka:議事録作成者は田中

英語圏の定例会議では、冒頭でまず前回の minutes を確認し、内容に異議がなければ承認してから本題に入る進行が一般的です。この流れを知っておくと、議事録が単なるメモではないことが実感できます。合意事項を裏づける記録として扱われているのです。

用語の輪郭が見えたところで、次はこの作業がなぜこれほど難しく感じられるのか、その正体を分解していきます。

話しながら書く——難易度を上げている本当の原因

この章の要点
  • 難しさの原因は英語力ではなく「参加者と記録係の兼務」にある
  • 専任の記録係がいる会議のほうが例外的
  • 負荷を下げる方向は「その場で考えて書く量を減らす」の一点
  • 会議前に埋められる欄を埋め、当日は穴埋めだけにする

議事録とは、数人で打ち合わせをする際に作られる、その内容を示した書類です。打ち合わせの最中に作成し、終わり次第できるだけ早く参加者や関係者に配布します。ここまでは日本語でも英語でも変わりません。

社運を左右する経営会議や国会のような場では、参加者とは別に専任の記録係が置かれます。しかし一般的な社内打ち合わせでは、参加者の誰かが議事録を兼務するのが普通です。

つまり、記録者も当事者として発言し、判断を求められる。これが難易度を押し上げている最大の原因です。英語だから難しいのではなく、二つの役割を同時にこなしているから難しいのです。

負荷を下げる方向ははっきりしている

原因が分かれば、対策も見えてきます。「その場で考えて書く量」を減らせばよいのです。

会議前に埋められる欄はすべて埋めておき、当日は空欄を穴埋めするだけの状態に持ち込む。この発想は日本語の議事録でも有効ですが、英語では効果が段違いです。母語ではない言語で「ゼロから文を組み立てる」作業が、そのまま削減できるからです。

では、実際の英文議事録はどのくらいの分量で、そのうちどこまでが事前に用意できる部分なのでしょうか。次の実例で確かめてみます。

罫線と空欄だけの白紙の議事録フォーム、ボールペン、資料、コーヒーカップが並ぶデスクの俯瞰写真
会議前にフォーマットを開いておくだけで、当日の作業量は大きく変わります

社内議事録の実例と和訳を読み解く

この章の要点
  • 実例のうち、タイトル・日時・場所・出席者・議題見出しは事前に確定している
  • 当日書き加えるのは「各議題の中身」「新規事案」「次回予定」の三つだけ
  • 矢印や記号で因果関係を示す書き方が実務では通用する

展示会での会社紹介について話し合った社内打ち合わせの議事録を例に見てみます。まずは英文をそのまま読んでみてください。

英文議事録の実例
Company Displacement at Exhibition (28 Apr.)

Date and time: 15 Feb. 2019, 10:00 a.m. – 11:00 a.m. (JST)
Place: Conference room 2
Members Present: Mr. Anderson Public Relations Manager, Ms. Brown General Affairs Sectional Chief, Mr. Kimura Development and Designing Sectional Chief, Tanaka recorder
Members Absent: Mr. Watanabe Development and Designing Manager

Meeting Purpose: Confirmation of responsible group and present condition

Contents:

1. The high torque DC motor (Development and Designing)
– Section 1 is in charge
– Display motors are prepared

2. The stepping motor for smartphone camera (Development and Designing)
– Section 3 is in charge
– Trouble in step movement → try to solve in 01 Mar.
– Job offer → no good candidate, keep offering

3. The vibration motor (Development and Designing)
– Section 4 is in charge
– Display motors are under production, arrives here in 25 Feb.

4. Movie of the company introduction (Public Relations)
– Still under editing
– Delay in schedule → planning to increase staff in group

New issue:
– Check the width of the display space → 22 Feb.

Next Schedule: Quick meeting in 03 Mar.

日本語訳
展示会(4月28日)での会社案内

日時:2019年2月15日 午前10時〜11時(日本時間)
場所:第二会議室
出席者:アンダーソン広報部長、ブラウン総務部課長、木村開発設計部課長、田中(記)
欠席者:渡辺開発設計部長

目的:担当部署と現状の確認

内容

1. 高トルクDCモーター(開発設計)
– 第1課担当
– 設置用モーターは準備済み

2. スマートフォンカメラ用のステッピングモーター(開発設計)
– 第3課担当
– ステップ移動で問題あり→3月1日までに解決予定
– 求人→良い候補者なし、求人は継続

3. 振動モーター(開発設計)
– 第4課担当
– 設置用モーターは製造中→2月25日に到着予定

4. 会社説明の映像(広報)
– 編集中
– 予定より遅延→グループに人員を増やす予定

新しい事案
– 展示スペースの幅を調べる→2月22日まで

次回の予定:3月3日に簡単な打ち合わせ

使う場面
部署をまたいだ社内の進捗確認会議。決定事項よりも「誰が担当か」「今どういう状態か」を共有することが主眼の会議で、この形式がそのまま使えます。

会議前に決まっている部分と、当日書く部分を色分けする

こうして並べると「書くことが多すぎる」と感じるかもしれません。しかし冷静に見てください。

打ち合わせのタイトル、日時、場所、出席予定者、そして Contents の1から4という議題の見出しまでは、会議が始まる前にすでに決まっています。ここはすべて事前に打ち込んでおける部分です。

当日その場で書き加えるのは、各議題にぶら下がる内容、新しく出た事案、そして次回の予定だけ。自分も議論に加わりながら記録するのは、実質この三つに絞られます。全体の分量に対して、リアルタイムで生み出す部分はごく一部にすぎません。

とはいえ、その三つを英語で書くのが大変なのではないか。そう思った方は、次の章で書き方の水準を確かめてください。

議事録は箇条書きが基本——美文は求められていない

この章の要点
  • 実例の大半は短い箇条書き。関係代名詞も分詞構文も出てこない
  • 矢印や記号で因果関係を示す書き方が実務では通用する
  • 最重要は5W1H(予算が絡むなら5W2H)が後から確認できること
  • 文法の完璧さより、事実関係の欠落がないほうが重要

先ほどの英文をもう一度読み返してみてください。使われている表現は、驚くほど単純です。

  • Section 1 is in charge(第1課が担当)
  • Display motors are prepared(展示用モーターは準備済み)
  • Still under editing(まだ編集中)
  • Delay in schedule → planning to increase staff in group(予定より遅延→グループの人員増を計画)

必要な部分だけを抜き出した箇条書きがほとんどで、凝った構文はどこにもありません。関係代名詞も分詞構文も登場しません。矢印で因果関係を示している箇所さえあります。

つまり、完成された美文を作る必要がないのです。学校の試験でさんざん悩まされた部分は、ここでは求められていません。

最重要は5W1H、予算が絡むなら5W2H

議事録で最も大事なのは、誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのようにという5W1Hが、後から読んで確認できることです。

予算や数量が絡む会議では、これに How much / How many を足した5W2Hで捉えると抜けが減ります。金額と個数は、後から「あれはいくらだったか」と必ず問い合わせが来る項目だからです。

文法的な完璧さより、事実関係の欠落がないことのほうがはるかに重要です。三単現のsが抜けていても業務は回りますが、担当者名が抜けていると仕事は止まります。

注意点

箇条書きでよい、記号を使ってよいというのは「社内向けの実務メモ」の話です。取締役会や株主総会など、法的な効力を持つ正式な議事録では、完全な文で記述し、決議の文言を正確に残すことが求められる場合があります。どちらの性格の文書を作っているのか、引き受ける段階で確認してください。

書き方の水準が分かったところで、次は「何を書くか」、つまり構成項目を一つずつ見ていきます。

英文議事録に入れる項目を1つずつ確認する

この章の要点
  • 基本項目は会議名・日時・場所・出席者・目的・議題・決定事項・議事メモ・未決定事項・アクションアイテム・次回予定
  • 日付は英米で並びが異なるため、文書内で必ず統一する
  • アクションアイテムは「誰が・いつまでに・何を」の三点セットが絶対条件
  • 役職名・部署名は社内の公式英語名称を優先する

汎用的な構成は次のとおりです。すべての会議で全項目が必要になるわけではありませんが、テンプレートとして持っておけば、会議の性質に応じて取捨選択するだけで済みます。

会議名(Title of the meeting)

何についての会議だったのかが一目で分かる名前を付けます。後からファイルを検索して探すことを考えると、抽象的な Meeting より具体的な名詞句のほうが便利です。

  • Market Trends Review(市場動向のレビュー)
  • Long-Term Strategic Planning(長期戦略計画)
  • Risk Management Planning(リスク管理計画)
  • Q3 Sales Review(第3四半期営業レビュー)
  • Weekly Project Sync(週次プロジェクト定例)
  • Kickoff Meeting for the New Portal Site(新ポータルサイト立ち上げ会議)

日時(Date and time)

英米で日付の並び順が異なるため、混在させないことが鉄則です。

形式 並び 2003年10月21日の場合
イギリス式 日→月→年 21 October 2003 / 21/10/2003
アメリカ式 月→日→,年 October 21, 2003 / 10/21/2003

どちらも誤りではありません。ただし数字だけの表記は取り違えの温床です。10/21 と 21/10 は、読み手の出身地によって別の日付になります。

注意点

05/06/2024 のような表記は、アメリカ式なら5月6日、イギリス式なら6月5日です。納期や締切の日付でこれが起きると実害が出ます。相手が海外拠点なら、月名をつづりで書く 6 May 2024 や May 6, 2024 の形式にしてください。数字だけの表記は社内の同一拠点内に限るのが安全です。

時刻は午前・午後を明示した12時間表記が読みやすく、拠点をまたぐ会議ではタイムゾーンも必ず添えます

  • 10:00 a.m. – 11:00 a.m. (JST)
  • 2:00 p.m. – 3:30 p.m. (PST)
  • 9:00 a.m. – 10:00 a.m. (GMT) / 6:00 p.m. – 7:00 p.m. (JST)

複数拠点が参加する会議では、三つ目のように両方の現地時刻を併記しておくと親切です。次回会議の日程調整でも同じ書き方が使えます。

場所(Place / Venue)

Conference Room 2、Meeting Room A のように記載します。オンライン会議ならプラットフォーム名を書けば十分です。

  • Conference Room 2, Head Office(本社 第2会議室)
  • Online (Zoom)(オンライン/Zoom)
  • Meeting Room A and Microsoft Teams(会議室Aとオンラインのハイブリッド)

出席者・欠席者(Attendees / Absentees)

出席者は Attendees または Members present、欠席者は Absent、Absentees、Members not present と書きます。氏名の前後に役職や部署を添えるのが一般的です。

社内の気心の知れたメンバー同士なら Mr. / Ms. を省略しても構いません。ただし社外の方や役員が同席する場では、敬称とフルネーム、所属を正式に記載します。

議事録作成者を明示しておくと、後から問い合わせ先がはっきりします。Minutes by: TanakaRecorder: Tanaka、あるいは実例のように名前の後ろに recorder と添える形でも通じます。会議の招集者を Meeting called by: として書き添える様式もよく使われます。

主な役職の英訳は次のとおりです。

日本語 英語
取締役社長 President
取締役・役員 Director
部長 General Manager
課長 Manager
主任 Section Chief

部署名にも定型があります。

日本語 英語
営業部 Sales Department
経理部 Accounting Department
広報部 Public Relations Department
総務部 General Affairs Department
購買部 Purchasing Department
技術部 Engineering Department
人事部 Human Resources Department
開発設計部 Development and Designing Department

社内で公式の英文名称が定められている場合は、必ずそちらを優先してください。名刺やウェブサイトの英語版を確認するのが確実です。役職の英訳は企業ごとの裁量が大きく、同じ「部長」でも General Manager と Director が併存することは珍しくありません。

会議の目的(Meeting purpose)

「To + 動詞の原形」で簡潔に書きます。目的が一行あるだけで、読み手はその後の記述をどの観点で追えばよいかが分かります。

  • To discuss the new pricing structure(新しい価格体系について議論するため)
  • To decide on the vendor for the next phase(次フェーズの委託先を決定するため)
  • To report the progress of the pilot test(試験導入の進捗を報告するため)
  • To brainstorm ideas for the booth design(ブース設計のアイデアを出し合うため)
  • To define the scope of the project(プロジェクトの範囲を定義するため)
  • To review the results of the customer survey(顧客調査の結果を確認するため)

議題(Agenda / Contents)

会議で扱う項目です。前もって共有されているのが普通なので、そのまま貼り付ければ準備完了です。

各議題の下に、話し合われた要点をぶら下げていきます。結論を先に、背景を後に置くと読み手の負担が減ります。読む人の多くは、その議題で何が決まったのかを先に知りたいからです。

決定事項(Decisions made)

その会議で確定した内容だけを切り出して書きます。読み飛ばされないよう独立した見出しを立てるのが望ましく、太字や下線で強調するのも有効です。

  • It was agreed that the launch would be postponed to June.(発売を6月に延期することで合意した)
  • The team decided to go with Vendor B.(チームはB社を採用することを決定した)
  • Approved: the attached schedule.(承認:添付のスケジュール)
  • No objections were raised regarding the revised budget.(修正予算について異議は出なかった)

採決を取った場合は賛否の内訳も残します。Approved by 4 votes to 1, with 1 abstention.(賛成4、反対1、棄権1で可決)のように記録しておくと、後日「なぜこの案になったのか」を遡って説明できます。

採用されなかった案とその理由を一行残しておくのも実務的です。同じ議論の蒸し返しを防げます。

議事メモ(Notes / Discussion points)

決定に至らなかった意見や、判断材料として共有された情報を残す欄です。質疑応答の形で書くと流れが伝わります。

議事メモの書き方例
Is the new system ready for use?
– Tested and proven at GA. No problem.
– Not ready at 3 branch offices. GA team will finish the setup by 15 Sep.
日本語訳
新システムは使える状態か。
-総務部では検証済みで問題なし。
-3支店で未対応。総務チームが9月15日までに設定を完了予定。
使う場面
質問が出て、複数の回答が返ってきた場面。問いを一行立て、その下に回答をぶら下げると、議論の構造がそのまま残ります。
注意点・誤用例
GA のような社内略語は、初出時に General Affairs と正式名称を添えます。社外に転送される可能性を考えると、略語だけの記載は避けたいところです。

専門的な議論があった場合は、一行の補足を添えておくと、会議に出ていない人が読んでも意図をつかめます。

未決定事項(Open issues / Pending items)

その場で結論が出なかった事項です。放置されやすい部分なので、担当者と期限をセットで書き留めます。

先ほどの実例にあった New issue: Check the width of the display space → 22 Feb. がこれに当たります。矢印一本で期限を示す簡潔な書き方です。

アクションアイテム(Action items / Next steps)

「誰が」「いつまでに」「何を」の三点をそろえるのが絶対条件です。主語を人名にし、動詞を to 不定詞で続ける書き方が読みやすく、そのままタスク管理表に転記できます。

  • Ayako: to prepare the manuals by 22 Sep(あやこ:9月22日までにマニュアルを準備)
  • Bob: to set up briefings for managers by 29 Sep(ボブ:9月29日までに管理職向け説明会を設定)
  • All: to upload related documents to the intranet; due today(全員:関連資料を社内サイトへ本日中に掲載)

前回の議事録のアクションアイテムがどうなったかを冒頭に置く様式もあります。Action items from the previous meeting として、実施済みか未着手かを一行ずつ追記すると、進捗管理の資料としても機能します。

今後のスケジュール(Next meeting)

次回の開催が決まっていれば、日時・場所・主な議題を書きます。決まっていなければ To be scheduled.TBD(To be determined)で構いません。日付の表記形式は本文と統一します。

項目が出そろいました。次はこれらを一つにまとめた、そのまま使えるテンプレートを示します。

コピーして使える汎用テンプレート

この章の要点
  • 会議前にこの形を用意し、埋められる欄を先に埋めておく
  • 定例会議には「前回宿題」と「指標確認」を足す
  • ブレストでは Decisions と Action items だけに絞る

会議前にこの形を開いておき、確定している情報を先に流し込んでおきます。

[Title of meeting]

Purpose: [why this meeting is happening]
Date and time: [date] [time] ([time zone])
Location: [venue or platform]
Meeting called by: [name]
Minutes by: [name]

Attendees:
- [name, title, department]
- [name, title, department]

Absent:
- [name, title, department]

Agenda items:
1. [agenda item]
   - [main point discussed]
   - [main point discussed]
2. [agenda item]
   - [main point discussed]

Decisions:
- [decision made]

Open issues:
- [issue] — [owner] — [due date]

Action items:
- [owner]: to [action] by [due date]

Next meeting: [date, time, place]

会議の種類に応じて足し引きする

進捗確認が中心の定例会議なら、ここに Review metrics and KPIs(指標の確認)や Action items from the previous meeting(前回宿題の消化状況)を足すと、報告資料としてそのまま使えます。

逆に短時間のブレインストーミングでは、Decisions と Action items だけに絞ったほうが実用的です。アイデア出しの会議で全発言を追いかけると、書くことが目的化してしまいます。

テンプレートが手に入ったら、次は会議前の準備です。ここが議事録の出来を決めます。

会議前にやっておくこと——出来の8割は準備で決まる

この章の要点
  • 目的と議題を確定させ、時間配分まで把握しておく
  • 参加者の氏名・役職・部署は事前に打ち込み、つづりも控える
  • 関連資料に目を通し、頻出語彙をメモの端に並べておく
  • 録音する場合は必ず参加者全員の許可を取る

議事録の出来は、英語力よりも準備でほぼ決まります。会議が始まってからできることは限られているからです。

目的と議題を確定させる

何を決める会議なのかが曖昧なままだと、記録の取捨選択もできません。目的が「決定」なのか「報告」なのか「アイデア出し」なのかで、残すべき情報が変わります。

議題の順序と、各項目に割く時間の目安まで押さえておくと、会議の流れを予測しながら聞けます。予測できていれば、聞き取りの負荷も下がります。

参加者リストを作る

氏名だけでなく役職と所属部署まで確認し、あらかじめ打ち込んでおきます。初対面の相手が多い会議では、名前のつづりを事前に控えておくと当日慌てません。

会議招集メールの宛先欄や、社内の人事システムが情報源として使えます。オンライン会議なら、参加者の表示名からも確認できます。

関連資料に目を通す

事前配布の報告書や仕様書を読んでおくと、会議中に専門用語が飛び交っても意味を推測できます。知っている単語は、知らない単語よりはるかに聞き取りやすくなります。

頻出しそうな語彙をメモの端に並べておくのも有効です。製品名、プロジェクト名、部門の略称などは、あらかじめ手元にあれば書き写すだけで済みます。

フォーマットを開いておく

空欄を埋めるだけの状態にしておけば、当日の作業量は劇的に減ります。会議が始まってからファイルを探すようでは、冒頭の重要なやり取りを取りこぼします。

録音手段を用意する

ボイスレコーダーやスマートフォンの録音機能を使えば、聞き逃した箇所を後から確認できます。機器の不具合や電池切れに備え、二重に備えておくと安心です。

注意点

録音前には必ず参加者全員の許可を取ってください。オンライン会議の録画機能を使う場合も同様です。無断録音は信頼関係を損なうだけでなく、社内規程や契約で禁じられている場合があります。Would you mind if I record this meeting for the minutes?(議事録のために録音してもよろしいでしょうか)と一言確認するだけで済みます。

準備が整いました。次は実際に書くときの判断基準です。

書くときに意識したい五つのポイント

この章の要点
  • 会議直後に着手する。理想は当日中、遅くとも翌営業日
  • 逐語記録ではなく要約する。基準は「なければ後で困るか」
  • 動詞は過去形、発言者を主語に立てて客観性を保つ
  • 難解な語を避け、短く平易に書く
  • 表記の統一と誤字確認を送付前に必ず行う

会議が終わったらすぐ着手する

記憶が鮮明なうちにまとめるほど精度が上がります。メモが飛んでいる箇所も、直後なら要点を思い出せます。

配布が早ければ早いほど、決定事項がすぐ業務に反映されるという実利もあります。理想は当日中、遅くとも翌営業日までです。

逐語記録ではなく要約する

発言をそのまま書き起こす必要はありません。議事録は会議の要約であり、出席者が内容を思い出すため、そして欠席者や上位者が経緯を把握するための文書です。

判断に迷ったら「その情報がなければ後で困るか」を基準にしてください。困らないなら書かない。この一つの問いで、大半の取捨選択は片づきます。

過去形と客観表現で統一する

済んだ会議の記録なので、動詞は過去形が基本です。発言者を主語に立て、報告動詞でつなぐと客観性が保てます。

フレーズ
Mr. Sato reported that sales had increased by 8% year on year.
日本語訳
佐藤氏は、売上が前年同期比で8%増加したと報告した。
使う場面
数値を伴う報告を記録するとき。reported that の型に当てはめれば、内容だけ差し替えて何度でも使えます。
注意点・誤用例
reported that sales increased と現在完了や現在形を混ぜても意味は通じますが、文書内で時制がばらつくと読みにくくなります。過去形(必要に応じて過去完了)で通すのが無難です。
発音・ニュアンス
year on year は「イヤー・オン・イヤー」。YoY と略記されることもあります。report は「事実を伝える」中立的な動詞で、書き手の評価を含みません。

同じ型で使える報告動詞をいくつか挙げておきます。

  • Ms. Lee raised a concern about the delivery lead time.(リー氏は納期について懸念を示した)
  • The team confirmed that the prototype would arrive by 25 Feb.(チームは試作品が2月25日までに届くと確認した)
  • Mr. Cruz proposed extending the trial period by two weeks.(クルーズ氏は試用期間の2週間延長を提案した)
  • Ms. Ito pointed out that the budget had not been approved.(伊藤氏は予算が未承認であることを指摘した)
  • Mr. Park requested additional data from the sales team.(パク氏は営業チームに追加データを要請した)
注意点

自分の感想や推測(I think 〜 / It seems that 〜)は原則として入れません。議事録は記録であって意見表明の場ではなく、書き手の主観が混ざると文書の信頼性が下がります。どうしても補足が必要なら Note: として本文と明確に区別してください。また He didn’t seem convinced.(彼は納得していないようだった)のような態度の推測も、当人が読んだときに問題になり得ます。

短く、平易な語を選ぶ

難解な単語を使っても伝わりやすさは上がりません。むしろ読み手の負担が増えるだけです。

日本語 避けたい書き方 望ましい書き方
関係者に重要な優先事項を伝えた The stakeholders were apprised of the strategic imperatives. We informed the stakeholders about the key priorities.
運営改善のために協力する We will synergize our efforts to optimize operational efficiency. We will work together to improve operations.
想定外の問題が発生した The project encountered several unanticipated contingencies. We faced some unexpected issues during the project.
実施には規則の遵守が必要 Implementation will necessitate compliance with regulatory frameworks. We need to follow the implementation rules.

副詞や形容詞は最小限に。長文を避けて箇条書きで並べ、略語が出てきたら初出時に正式名称を添えます。読み手には英語が母語ではない人も含まれる、という前提で書くと自然に平易になります。

見た目を整える

箇条書きと番号付きリストが混在していないか、インデントの深さが揃っているか、日付の表記が統一されているかを送付前に確認します。

決定事項と期限は太字にするなど、視覚的な優先順位を付けると読み落としが減ります。スペルミスや固有名詞の誤りは信頼性を損なうので、送信前に必ず一度読み返してください。

ここまでは書く技術の話でした。では、そもそも議事録係を引き受ける場面では何と言えばよいのでしょうか。

議事録を引き受けるときの英会話スクリプト

この章の要点
  • やり取りは短いので丸暗記が早い
  • I’ll take the minutes. だけでも十分に伝わる
  • 手を挙げる/自分から申し出る/すでに取っていると伝える、の3パターン

書く前に、まず引き受ける場面があります。短いやり取りなので、丸暗記してしまうのが早道です。

会話例1:募集に手を挙げる
進行役:Would someone like to volunteer to take the minutes?
学習者:I’ll do it.
進行役:Thank you.
日本語訳
進行役:どなたか議事録を担当していただけますか。
学習者:私がやります。
進行役:ありがとうございます。
使う場面
会議の冒頭、全体に向けて記録係が募られたとき。沈黙が流れがちな場面なので、短く即答できると印象がよくなります。
発音・ニュアンス
I’ll do it. は「アイル・ドゥーイッ」と do it をつなげて発音すると自然です。short and confident に言い切るのがコツで、語尾を上げると自信のなさが伝わります。
会話例2:自分から申し出る
学習者:Should I take the minutes?
参加者一同:Would you mind? Thanks.
日本語訳
学習者:議事録は私が取りましょうか。
参加者一同:お願いできますか。ありがとうございます。
使う場面
誰も記録を取っていない様子で会議が進みそうなとき。自分から確認すると、後から「記録がない」という事態を防げます。
注意点・誤用例
返ってくる Would you mind? は「お願いしてもよいですか」という依頼です。mind に引きずられて No と答えると誤解を招きかねないので、Sure. や No problem. と返すのが安全です。
会話例3:すでに取っていることを伝える
進行役:Is anyone taking the minutes?
学習者:I’m doing them today.
進行役:Excellent. Thank you.
日本語訳
進行役:誰か議事録を取っていますか。
学習者:今日は私が担当しています。
進行役:助かります。ありがとう。
注意点・誤用例
them は the minutes を受けた代名詞なので複数形です。I’m doing it. としても通じますが、minutes を複数扱いする感覚を身につけるうえでは them が自然です。

凝った言い回しは不要です。シンプルに I’ll take the minutes.(私が議事録を書きます)と言い切るだけでも十分に伝わります。

引き受けたら、いよいよ本番です。次は記録すべき情報の型ごとに、そのまま流用できる表現をまとめます。

会議室でタブレットにメモを取る東アジア系の男性と、壁掛けディスプレイに映るオンライン参加者たち
拠点をまたぐハイブリッド会議では、タイムゾーンと参加形態の記載が欠かせません

5W2Hで使える表現集

この章の要点
  • 記録すべき情報の型ごとに、流用できる言い回しを持っておく
  • 担当を示すのは be responsible for / be in charge of / be assigned to
  • 期限は due date / deadline / by+日付 の3系統で表せる
  • 金額と数量は5W2Hの2Hとして必ず拾う

Who(誰が)

  • Ms. Akimoto is responsible for this project.(このプロジェクトの責任者は秋元さん)
  • Mr. Green is in charge of the sales department.(グリーンさんが営業部を担当)
  • Report the progress of the project to Mr. Kuroda.(進捗は黒田さんに報告)
  • Mr. Okada is assigned to manage costs.(岡田さんがコスト管理を担当)

be responsible for は責任の所在、be in charge of は管掌範囲、be assigned to は割り当てられた役割、というニュアンスの違いがあります。迷ったら in charge of が最も広く使えます。

When(いつ)

  • The due date is this Friday.(期日は今週金曜)
  • The preparation of the sales material is due to be completed this week.(販促資材の準備は今週中に完了予定)
  • The trade show will start on Friday 27th September.(展示会は9月27日金曜開始)
  • The application form must be submitted before 00:00 on Oct 11.(申込は10月11日0時まで)
  • The deadline for the manuscript is the 11th of Oct.(原稿の締切は10月11日)
注意点

by と until の混同に注意してください。submit by Friday は「金曜までに提出する」(その時点までに一度行えばよい)、work until Friday は「金曜まで続ける」(継続)です。締切を示すときは by を使います。また before 00:00 on Oct 11 のような表記は、10日の終わりなのか11日の終わりなのかで解釈が割れることがあるため、by the end of Oct 10 のように言い換えると誤解が減ります。

Where(どこで)

  • On his business trip next month, Mr. Kato will visit Sapporo, Matsumoto and Nagoya.(来月の出張で加藤さんは札幌・松本・名古屋を訪問)
  • The meeting will be held in Conference Room 3.(会議は第3会議室で開催)
  • The workshop will take place online via Teams.(研修はTeamsを使ってオンラインで実施)

What(何を・何が)

  • Action items are as follows.(実施事項は以下のとおり)
  • There are three remaining issues.(未解決の課題が3件)
  • Survey items are revised.(調査項目を更新)
  • The following points were confirmed.(以下の点を確認した)

Why(なぜ)

  • The reason for this decision is a lack of resources.(この決定の理由はリソース不足)
  • Due to the delay of the shipment, they could not deliver the product last Tuesday.(出荷遅延のため、先週火曜に納品できなかった)
  • The proposal was rejected because of the cost.(コストを理由に提案は見送られた)

How(どのように)

  • Please proceed with the research with the agents in China.(中国の代理店と調査を進めてください)
  • The rollout will be done in three phases.(展開は3段階で実施)
  • The issue will be escalated to the management team.(本件は経営層に上申される)

How much / How many(いくら・いくつ)

  • The total budget has been reduced to 300,000 JPY.(総予算は30万円に削減)
  • There will be five reviews before the product is launched.(発売までにレビューを5回実施)
  • The unit price was set at 1,200 JPY per piece.(単価は1個あたり1,200円に設定)

金額を書くときは通貨コード(JPY、USD、EUR)を添えます。$ 記号だけでは米ドルか他のドルか判別できないためです。桁区切りのカンマも忘れずに入れてください。

表現の型は手に入りました。しかし会議中には、そもそも聞き取れないという事態が必ず起こります。次はその対処法です。

聞き取れなかったときの確認フレーズ

この章の要点
  • 議事録を任された人には、その場で確認する権利がある
  • 曖昧なまま書き残すほうがよほど問題になる
  • 終盤にアクションアイテムを読み上げると認識のずれが消える

聞き返すのは恥ずかしいと感じるかもしれません。しかし議事録を任された人には、その場で確認する権利があります。むしろ、曖昧なまま書き残すほうがよほど問題です。

  • Sorry, could you repeat the last point?(すみません、最後の点をもう一度)
  • Just to confirm, the deadline is May 10, correct?(確認ですが、期限は5月10日でよろしいですか)
  • Could you spell your name for me?(お名前のつづりを教えていただけますか)
  • Who will be responsible for that?(それは誰が担当になりますか)
  • Let me summarize what we’ve agreed so far.(ここまでの合意事項を整理させてください)
  • I’d like to make sure I’ve got this right — we’re moving the review to next week?(確認させてください。レビューを来週に移すということですね)
フレーズ
Before we finish, can I read back the action items?
日本語訳
終わる前に、実施事項を読み上げてもよろしいですか。
使う場面
会議の終盤。全員がまだその場にいるうちに、担当と期限の認識を揃えられます。後から修正依頼を受ける手間も大きく減ります。
注意点・誤用例
read back は「読み上げて確認する」という定型表現です。read again だと単に「もう一度読む」になり、確認のニュアンスが弱まります。時間が押している場合は I’ll send the action items right after this meeting.(会議後すぐに実施事項をお送りします)と切り替えます。
発音・ニュアンス
Before we finish は「ビフォーウィ・フィニッシュ」とひとかたまりで。会議の流れを止める切り出しなので、少し声を張って明瞭に言うと届きます。

この一言は特に効果的です。その場で全員の認識が揃い、後の修正依頼もぐっと減ります。

名前のつづりを確認するときの実践的な言い方

固有名詞の誤記は信頼を損ないます。聞き取れなかったときは、遠慮なく確認してください。

  • Could you spell that for me, please?(つづりを教えていただけますか)
  • Is that C as in Charlie, or S as in Sierra?(チャーリーのC、それともシエラのS、どちらでしょうか)
  • Sorry, is it Katharine with an “a” or Katherine with an “e”?(Katharine と Katherine、どちらのつづりでしょうか)

電話や音声の悪いオンライン会議では、A as in Alpha のように単語を使って一文字ずつ伝える方法が使われます。自分の名前も同じ要領で伝えられるよう準備しておくと便利です。

会議が終わりました。しかし、仕事はまだ終わりではありません。

議事録を送るメールの例文

この章の要点
  • ひな型を一つ作り、差し替えるだけの状態にしておく
  • 件名に日付と会議名を入れると後から検索しやすい
  • 修正の期限を切ると、いつまでも確定しない事態を避けられる
  • 関連資料は添付かリンクで一緒に渡す

会議後、できるだけ早く配布するところまでが仕事です。文面はひな型を一つ作っておき、必要箇所だけ差し替えれば毎回考える必要はありません。

送付メールの例文
Subject: 12 Sep Attendance Management System Mtg. Minutes

Dear all,

Thank you for your time today to meet about the new attendance management system.
Please find attached the minutes of the meeting.
I’d appreciate it if you could let me know if I’ve left anything out or made any mistakes.
Please feel free to ask further questions.

There are some action items written at the bottom of the minutes.
Please be sure to check them and not to miss any deadlines.

Best regards,
Eri Takahashi

日本語訳
件名:9/12 勤怠管理システム会議 議事録

皆さま

本日は新しい勤怠管理システムの件でお時間をいただきありがとうございました。
添付の議事録をご確認ください。
記載漏れや誤りがありましたらお知らせいただけますと幸いです。
ご質問がありましたらお気軽にご返信ください。

議事録の末尾に実施事項を記載しています。
ご確認のうえ、それぞれの期限にご留意ください。

よろしくお願いいたします。
高橋絵里

使う場面
会議当日または翌営業日に、参加者と関係者へ議事録を配布するとき。件名に日付と会議名を入れておくと、後からメールボックスを検索して探せます。
注意点・誤用例
Please find attached 〜 は添付を知らせる定型句です。Attached please find 〜 という語順もありますが、やや古風な響きになります。Dear all は社内向けで、社外を含む場合は Dear all, / Hello everyone, のほか、宛先を明示した書き出しにするのが丁寧です。

確定期限を切る一文を足す

修正の期限を切りたい場合は、次の一文を足します。

  • If I don’t hear from you by Friday, I’ll consider these minutes final.(金曜までにご連絡がなければ確定とみなします)
  • Please send me any corrections by 5:00 p.m. on 14 Sep.(修正は9月14日午後5時までにお送りください)

これがないと、いつまでも確定しない議事録が宙に浮きます。会議で言及された資料、スケジュール表、課題管理表などがあれば、あわせて添付するかリンクを貼っておくと、読み手が全体像をつかみやすくなります。

ここまでの流れを一通り押さえれば形にはなります。ただ、初めての人が踏みやすい落とし穴がいくつかあります。

つまずきやすい点と回避策

この章の要点
  • 主語の欠落、日付形式の混在、asapでの締めが三大ミス
  • 途中経過の書きすぎで決定事項が埋もれる
  • 固有名詞の誤記と共有の遅れは信頼に直結する
  • 社外秘の扱いと宛先範囲を送信前に確認する

主語が抜けたまま書いてしまう

「対応する」とだけ書かれても、誰が対応するのか分かりません。日本語では主語を省略しても通じますが、その感覚のまま英語で書くと担当不明のタスクが量産されます。

×Will fix the bug by Friday. → ○Mr. Tanaka: to fix the bug by Friday. のように、担当者名を必ず添えます

日付の形式が混ざる

本文はイギリス式、末尾はアメリカ式といった混在は誤解を招きます。文書内で一つに統一してください。テンプレートの段階で形式を決めておけば、その場で迷いません。

期限が「asap」で終わっている

As soon as possible は期限ではありません。人によって「今日中」にも「来週中」にもなります。具体的な日付に置き換えてください。会議中に日付が出なかったなら、その場で確認するチャンスです。

議論の途中経過を全部書いてしまう

撤回された案や脱線した雑談まで残すと、肝心の決定事項が埋もれます。丁寧に書いたつもりが、かえって読まれない文書になってしまうのは残念な結果です。

固有名詞のつづり間違い

人名・製品名・社名の誤記は信頼を損ないます。事前に用意した参加者リストと照合し、送信前に固有名詞だけを目で追う確認をしておくと安心です。

共有が遅れる

数日置くと記憶が薄れ、指摘も入りにくくなり、決定事項の実行も遅れます。完璧を目指して寝かせるより、8割の完成度で早く出して修正を受けるほうが実務では機能します。

注意点

社外秘の扱いを忘れないでください。売上数値、価格、人事、未公開の計画などが含まれる場合、宛先の範囲と Confidential の表示を確認してから送ります。宛先に社外のアドレスが混ざっていないか、転送を想定した内容になっているかを送信前に必ず見直してください。一度送ったメールは取り消せません。

それでも手が回らないと感じる場面はあります。そんなときに頼れる道具の話をしておきます。

書き起こしツールで負荷を下げる

この章の要点
  • 音声を自動でテキスト化するサービスは聞き逃しの不安を減らす
  • 生成されたテキストはあくまで素材。編集は人の判断が必要
  • 専門用語と固有名詞は誤変換されやすい
  • 録音や外部送信は社内規程の確認が必須

初めて英語で議事録を担当する場合、メモを取るだけで手一杯になりがちです。音声を自動でテキスト化するサービスを併用すると、聞き逃しの不安が大きく減ります。

Web会議システムと連携してリアルタイムで書き起こしと翻訳を行うもの、録音・編集・要約・共有を一つで完結できるもの、話者を識別しながら英語の発話をテキスト化するものなど、選択肢は複数あります。無料枠を設けているサービスも多いため、まずは社内の小規模な会議で試してみるのが現実的です。

ツールに任せられる部分と、任せられない部分

生成されたテキストはあくまで素材です。専門用語や固有名詞は誤変換されやすく、そのまま配布すると誤情報が独り歩きします。

要点を選び、決定事項を整理し、担当と期限を明示する部分は人の判断が必要です。ツールは書き取りの負荷を肩代わりしてくれますが、議事録の価値を決めるのは編集の部分だという前提は忘れないでおきたいところです。

注意点

録音や外部サービスへのデータ送信は、社内規程で制限されている場合があります。顧客情報や機密情報を含む会議では特に慎重な判断が必要です。導入前に必ず情報システム部門や上長に確認してください。

道具の話まで来ました。最後に、そもそもなぜこの仕事を引き受ける価値があるのかを整理しておきます。

挑戦したほうが得るものが大きい理由

この章の要点
  • 要約するには議論の構造を理解する必要があり、聞く力が鍛えられる
  • 確認する必要があるため、発言の機会が自然に増える
  • 必要なのは完璧な英作文力ではなく、型と準備と割り切り

英語の議事録は、負荷が高い代わりに見返りの大きい仕事です。会議の内容を要約するには、議論の構造を理解しなければなりません。

記録係を務めると、否応なく集中して聞くことになります。リスニング力と業務語彙が同時に鍛えられ、しかもそれが業務時間内に起きます。

分からない点をその場で確認する必要があるため、発言の機会も自然に増えます。決定事項と担当と期限を一枚にまとめて共有する人は、チーム内での存在感も高まります。

必要なのは完璧な英作文力ではなく、型と準備、そして短く書く割り切りです。フォーマットを用意し、埋められる欄を先に埋め、当日は空欄を穴埋めする。5W2Hが後から確認できれば、それで議事録の役目は果たせます。

オフィスの窓辺でタブレットを手に、落ち着いた表情で立つ東アジア系のビジネスパーソン
一度やり切ると、次の会議への向き合い方が変わります

次の会議までにできる7日間の練習プラン

この章の要点
  • テンプレート作成から始め、日本語会議での練習を挟む
  • 音読で口を慣らし、確認フレーズを反射的に出せる状態にする
  • 1日15分程度で、次の会議までに一通り回せる構成

読んだだけでは身につきません。次の会議までに、順を追って手を動かしておきましょう。

1日目:自分用テンプレートを作る

この記事のテンプレートをコピーし、自社の会議に合わせて項目を調整します。よく出る部署名と役職名も、公式の英語表記を調べて一緒に書き込んでおきます。一度作れば、あとは毎回使い回せます。

2日目:日本語の会議で穴埋め練習

日本語の社内会議で、作ったテンプレートに英語で記入してみます。聞き取りの負荷がない状態で、要約と英語化だけに集中できます。完成度は問いません。

3日目:確認フレーズを音読する

Sorry, could you repeat the last point? などの確認フレーズを、声に出して10回ずつ読みます。とっさに出るかどうかは、口が覚えているかで決まります。

4日目:報告動詞の型を書き換える

reported that / raised a concern about / confirmed that の型を使い、直近の会議の内容を5文書いてみます。主語を人名にする感覚が身につきます。

5日目:送付メールのひな型を作る

この記事の例文をベースに、自分の署名まで入れた完成形をメールソフトの下書きに保存します。当日はコピーして差し替えるだけです。

6日目:過去の英文議事録を読む

社内に過去の英文議事録があれば探して読みます。自社で好まれる書式や語彙が分かり、それに合わせるだけで違和感のない文書になります。

7日目:15分の模擬記録

英語のニュース番組やウェビナーを15分聞き、テンプレートに要点を書き取ります。話す速度は実際の会議より速いことが多いので、良い負荷になります。

よくある質問

この章の要点
  • 実務でつまずきやすい疑問への回答をまとめた
  • 用語の使い分け、時制、分量、修正依頼への対応などを整理

議事録は英語で minutes と minute のどちらが正しいですか

議事録の意味では常に複数形の minutes を使います。単数形の minute は時間の「分」、または「ごく小さい」という意味の形容詞になり、議事録の意味にはなりません。take the minutes、write up the minutes のように、動詞とセットで複数形のまま覚えてしまうのが確実です。

minutes と meeting notes はどう使い分けますか

一般に minutes は正式な記録、meeting notes は簡易なメモに近い位置づけです。取締役会などの公式な会議は minutes、社内の打ち合わせは notes と明確に区別する組織もあります。フォーマルな場面では record of proceedings という表現が使われることもあります。自社にどちらの慣習があるかを先に確認しておくと迷いません。

英文議事録の時制は過去形で統一すべきですか

済んだ会議の記録なので、動詞は過去形が基本です。Mr. Sato reported that sales had increased by 8% year on year. のように、報告動詞を過去形にし、その内容を過去完了で受ける形が読みやすくなります。ただし次回以降の予定やアクションアイテムは、by 22 Sep のような期限表記や to 不定詞で書くのが一般的で、必ずしも過去形にはなりません。文書内で時制がばらつかないよう、書き終えたら通しで確認してください。

日付はイギリス式とアメリカ式のどちらで書けばよいですか

どちらも誤りではないため、文書内で統一されていることが最も重要です。イギリス式は日から始めて 21 October 2003、アメリカ式は月から始めて October 21, 2003 と書きます。数字だけの 10/21 と 21/10 は読み手によって別の日付に解釈されるため、海外拠点とのやり取りでは月名をつづりで書く 21 Oct. 2003 の形式が安全です。

会議中に聞き取れなかった箇所はどうすればよいですか

その場で確認するのが最善です。Sorry, could you repeat the last point? や Just to confirm, the deadline is May 10, correct? といった短い確認フレーズを使います。議事録を任された人には確認する権利があり、曖昧なまま記録するほうが後々の問題になります。会議の終盤に Before we finish, can I read back the action items? と申し出れば、担当と期限の認識をその場で全員と揃えられます。

英文議事録はどのくらいの分量が適切ですか

明確な基準はありませんが、逐語記録にせず要約することが原則です。判断基準は「その情報がなければ後で困るか」の一点で、困らない情報は書きません。撤回された案や脱線した話まで残すと、肝心の決定事項が埋もれます。一般的な社内会議であれば、決定事項とアクションアイテムが一目で分かる分量に収まっていれば十分に機能します。

アクションアイテムはどう書けば伝わりますか

「誰が」「いつまでに」「何を」の三点をそろえるのが絶対条件です。Ayako: to prepare the manuals by 22 Sep のように、人名を主語にして to 不定詞で動作を続ける形が読みやすく、そのままタスク管理表に転記できます。期限を asap と書くのは避け、必ず具体的な日付に置き換えてください。

議事録を送った後に修正依頼が来たらどうしますか

修正を反映し、更新版であることを明示して再送します。送付メールの段階で If I don’t hear from you by Friday, I’ll consider these minutes final. のように確定期限を書いておくと、修正が延々と続く事態を避けられます。修正依頼は文書の質を上げる材料なので、指摘をもらえること自体は歓迎してよい状況です。

書き起こしツールに任せてしまってもよいですか

聞き取りの補助としては有効ですが、生成されたテキストはあくまで素材です。専門用語や固有名詞は誤変換されやすく、そのまま配布すると誤情報が広がる恐れがあります。要点を選び、決定事項を整理し、担当と期限を明示する編集作業は人が担う必要があります。また録音や外部サービスへのデータ送信が社内規程で制限されている場合があるため、利用前に必ず確認してください。

役職名の英訳は何を基準に決めればよいですか

社内で公式の英文名称が定められている場合は、必ずそちらを優先します。名刺やウェブサイトの英語版が確実な情報源です。一般的な対応としては、取締役社長が President、取締役がDirector、部長が General Manager、課長が Manager、主任が Section Chief となりますが、企業ごとの裁量が大きく、同じ役職でも複数の英訳が併存することは珍しくありません。

型は手元にそろいました。あとは一度やってみるだけです。次の会議で機会があれば、I’ll take the minutes.「私が議事録を書きます」と手を挙げてみてください。

それではまた、See you!