「英語を続けたいのに、参考書を開く時間が取れない」「三日書いて、四日目にやめてしまった」。英語日記に興味を持つ人の多くが、この二つのつまずきを経験しています。原因は意志の弱さではなく、書き始める型を持っていないことにあります。
英語日記は、教材を買わなくても、テストがなくても、うまく書けなくても誰にも怒られない学習法です。それでいて単語・文法・表現力・発想力を同時に動かすため、机に向かう時間が短い人ほど費用対効果が高くなります。必要なのはノート一冊か、スマートフォンのメモ画面だけです。
この記事では、日付と天気の書き方から、三文で完成する手順、そのまま真似できる実例日記と添削例、感情・体調・場所別の表現集、初心者がつまずく文法の落とし穴、書くことがない日のお題まで、順番にたどれる形で並べています。読み終えたその日の夜から、一行目が書けるようになっているはずです。独学で行き詰まったときの選択肢として英語教室で添削を受ける方法にも、後半で触れます。
まずは、そもそもなぜ日記が英語力に効くのか。ここが納得できていないと、忙しい日に手が止まります。
英語日記が英語力を押し上げる五つの理由
- 日記で集まる語彙は「自分がよく使う語」に偏るため、覚えた分だけそのまま使える
- 会話と違って時間制限がないので、初心者でも辞書を引きながら考え抜いたアウトプットができる
- 時制・冠詞・単数複数のあやふやな部分が、書くたびに目に見える形であぶり出される
- 数か月続けると、市販のフレーズ集にはない「自分専用の言いたいこと集」が手元に残る
英語日記の効果は、大きく五つに整理できます。どれも「書く」という行為そのものから自然に生まれるもので、特別な工夫を足す必要はありません。
1. 生活に密着した語彙が自然に定着する
日記で身につく語彙には、はっきりした特徴があります。単語帳に載っている汎用的な語ではなく、自分がよく使う語ばかりが集まるのです。
理由は単純で、日記の題材が自分の生活だからです。満員電車で通勤する人は a crowded train を、子育て中の人は diaper(おむつ)や nap(昼寝)を、営業職の人は client や proposal を繰り返し書くことになります。
使用頻度の高い語から順に覚えていくため、投じた労力に対する回収率が高くなります。感情表現も同じです。「なんとなくモヤモヤした」「思っていたよりよかった」といった自分の口ぐせに近い言い方こそ、会話で真っ先に必要になります。
2. 自分のペースでアウトプットできる
日記は、初心者にとって最も気楽なアウトプットの場です。相手がいないため、納得できるまで辞書を引き、言い回しを比べ、何度でも書き直せます。
英会話では相手を待たせられないので、どうしても知っている表現の使い回しになります。その場をしのげてしまうため、自分の弱点が見えにくいという弱みもあります。
書く場合は逃げ道がありません。「祖父母の家に寄った」を英語にしようとして、visit と drop by のどちらが近いのか、grandparents’ house の所有格をどう置くのかで手が止まる。その止まった箇所が、そのまま伸びしろになります。
3. 英語に触れる時間が自動的に増える
語学の伸びは、接触量にほぼ比例します。週に一度まとめて数時間机に向かうよりも、一日五分を三百六十五日積み上げたほうが、語彙も語感も深く根を張ります。
スクールに週一回通っているとして、残りの六日をまったく英語なしで過ごすのか、五分だけでも英語で考えるのか。一年後の差は無視できない大きさになります。
しかも日記は好きなことを書けるので、勉強しているという感覚が薄れます。学習が続くかどうかは意志の強さよりも苦しくないかどうかで決まる面が大きく、その点で日記は有利です。
4. あやふやな文法が可視化される
日記を一本書くには、時制・語順・冠詞・単数複数・前置詞の知識をすべて動員します。「知っているつもりだったのに、いざ書くと手が止まる」箇所が必ず出てきます。
たとえば昨日の出来事を書けば、不規則動詞と嫌でも向き合うことになります。go / went、eat / ate、sleep / slept、oversleep / overslept。文脈のなかで何度も書けば、暗記カードでの丸暗記より定着します。
5. 自分専用のフレーズ集ができあがる
数か月続けると、ノートやアプリのなかに「自分が言いたいことの英語版」が大量に蓄積されます。市販のフレーズ集には載っていない、自分の生活に固有の言い方が並ぶわけです。
これは会話の準備としてきわめて実用的です。実際に話す場面で「前に書いたあの表現」がそのまま口から出てくるようになると、日記は記録から練習台へと役割を変えます。
効果が見えたところで、次に必要なのは道具です。ここでの選び方が、続くかどうかを静かに左右します。
書き始める前にそろえる三つの道具
- 道具は「紙のノート」「スマホのアプリ」「辞書」の三つで足りる
- 初心者には一日一ページ型より、数行しか書けない小さめのフォーマットが向いている
- 和英辞典だけに頼ると直訳的になりやすいので、英英辞典や類義語辞典を併用する
- 発音機能つきの辞書を選ぶと、後半で扱う音読練習にそのまま使える
そろえるものは多くありません。ただし、自分に合ったものを選べているかどうかで継続率が変わります。

紙のノート
紙の最大の利点は、積み上げが目に見えることです。新しいノートを一冊おろすと気持ちが切り替わり、ページが埋まっていく手ごたえが励みになります。
人に見せて添削してもらいやすいのも紙の強みです。赤字が入ったページはそのまま復習教材になり、後から見返したときに自分の癖が一目で分かります。
選ぶときの注意は一点だけ。一日一ページの日記帳は、空白が多いと罪悪感につながります。初心者には数行しか書けない小さめのノートのほうが向いています。通勤中に書きたいなら、手帳サイズが扱いやすいでしょう。
スマートフォンのアプリ
机に向かう時間が取りにくい人、電車が混んでいてノートを広げられない人には、スマホのほうが現実的です。辞書・翻訳・添削機能が同じ画面で完結します。
写真を貼れるアプリなら、その日の風景と英文がセットで残ります。絵と英文を結びつけておくと、思い出すときの手がかりが増え、後で読み返す楽しみも生まれます。
英英辞典とオンライン辞書
手持ちの語彙だけで書き切るのは難しいので、辞書は必須です。ここで和英辞典だけに頼ると、直訳的で不自然な英語になりがちです。
英英辞典を併用し、その語がどんな場面で使われるのかを確認する癖をつけると、表現の幅が広がります。類義語辞典も効果的で、good ばかりだった感想が pleasant、satisfying、encouraging へと分岐していきます。
道具がそろったら、いよいよ書き方です。迷わないための型を、三段階で決めてしまいましょう。
三文で完成する英語日記の書き方の手順
- 「日付と天気」「出来事」「感想」の三段構えにすれば、毎日ゼロから考えずに済む
- 日付はイギリス式(23rd May)とアメリカ式(May 23rd)のどちらでもよいが、一冊の中では統一する
- 出来事は一日を全部書かず、印象に残った場面を一つか二つに絞る
- 感想に5W1Hを一つ足すだけで、書ける量が自然に増える
何を書くか迷う時間が、離脱のいちばんの原因です。そこで型を固定します。日付と天気・出来事・感想の三段構えにすると、考える負担がほぼ消えます。
ステップ1:日付・曜日・天気を書く
最初は事実だけを書く工程です。頭を使わずに書き始められるため、助走として優れています。ここを飛ばさないことが、実は継続の鍵になります。
日付の表記は英米で語順が違います。イギリス式は日・月・年の順で、5月23日なら 23rd May。アメリカ式は月・日の順で May 23rd です。個人の日記なのでどちらでも構いませんが、統一しておくと読み返しやすくなります。
日にちには序数を使います。1st、2nd、3rd、4th…と続き、21st、22nd、23rd のように末尾の数字に応じて形が変わります。数字だけの略式なら 23/5 や 5/23 でも問題ありません。
曜日を添えると、後から読み返したときに生活のリズムが見えてきます。省略形を使えば手間もかかりません。
- Monday(Mon)月曜日
- Tuesday(Tue)火曜日
- Wednesday(Wed)水曜日
- Thursday(Thu)木曜日
- Friday(Fri)金曜日
- Saturday(Sat)土曜日
- Sunday(Sun)日曜日
天気の語彙は、意外と知らないものが出てきます。まずは十語ほど押さえておけば、一年の大半をカバーできます。
- sunny / fine 晴れ
- cloudy 曇り
- rainy 雨
- snowy 雪
- windy 風が強い
- foggy 霧
- stormy 嵐
- thundery 雷が鳴っている
- partly cloudy 晴れ時々曇り
- cloudy and later rainy 曇りのち雨
気温や体感を足すと、同じ「晴れ」でも情景が変わります。次の八語は使い回しがききます。
- hot 暑い
- warm 暖かい
- cool 涼しい
- cold 寒い
- freezing 凍えるほど寒い
- humid 湿気が多い
- muggy 蒸し暑い
- dry 乾燥している
慣れてきたら、天気を一文にしてみます。単語の羅列から一段抜け出す練習になります。
- フレーズ
- The sky was clear with a gentle breeze.
- 日本語訳
- 雲のない空で、そよ風が吹いていた。
- 使う場面
- sunny だけでは物足りない日、散歩や外出の記録の一行目に置くと、その日の空気感まで残る。
- 注意点・誤用例
- ×The sky was clean.(clean は「汚れがない」で、空模様には使わない)/breeze は数えられる名詞なので a を落とさない。強風なら a strong wind に置き換える。
- 発音・ニュアンス
- ザ スカイ ワズ クリア/ウィズ ア ジェントゥル ブリーズ。was clear はつなげて「ワズクリア」、with a は「ウィザ」と一息に。breeze の語尾は濁った「ズ」で伸ばす。
海外の天気予報サイトを眺めると、細かい表現がいくらでも見つかります。イギリスでは灰色の雲と黒い雲でマークの意味が変わり、雨粒と日差しが同時に描かれた記号もあります。天気が変わりやすい土地の事情まで、天気表現からうかがえるわけです。
ステップ2:その日の出来事を書く
出来事は、全部書こうとすると必ず挫折します。一日を頭から振り返り、印象に残った場面を一つか二つ切り取るのが正解です。
朝からの流れを追う書き方も、慣れないうちは扱いやすい方法です。時間順に並べるだけで文がつながります。
- フレーズ
- Today, I got up at seven. I ate cereal and yogurt for breakfast. After that, I went for a walk.
- 日本語訳
- 今日は七時に起きた。朝食にシリアルとヨーグルトを食べた。そのあと散歩に出かけた。
- 使う場面
- 特別な出来事がなかった日。起床・食事・移動の三点だけで三文がそろうため、書くことがない日の保険になる。
- 注意点・誤用例
- ×I got up seven.(at が必要)/×for a breakfast(食事名に a はつけない)/go for a walk と take a walk はほぼ同義だが、a を落として ×went for walk とはしない。
- 発音・ニュアンス
- got up at は「ガラッパッ」とひとかたまりに崩れる。yogurt は米式「ヨウガート」、英式「ヨガット」。after that は「アフタ ザッ」と語尾を軽く落とす。
一場面だけを取り出す書き方も覚えておきましょう。次の二文は、そのまま日付の下に置けば日記が成立します。
- Today I went to see a movie with my friend after work.(仕事の後、友達と映画を見に行った)
- I visited my grandparents’ house today.(今日は祖父母の家を訪ねた)
ここで意識したいのは、日本語では省略される情報を英語では言葉にしなければならない点です。「友人に会った」だけなら簡単でも、どこで会い、何をしたのかまで書こうとすると急に難しくなります。
実際に初心者が書きがちな文と、ネイティブスピーカーに整えてもらった文を並べてみます。違いを見比べると、直すべき癖が四つ見えてきます。
- 添削前(よくある書き方)
- I met my friend Yuki, today. We went to pancake shop in Omotesando. Yuki found Omotesando pancake shop from SNS. Pancake is fantastic. We were very happy.
- 添削後(自然な形)
- I met my friend Yuki today. We went to a pancake shop in Omotesando. Yuki found it on social media. The pancakes are fantastic there. We had a great time.
- 日本語訳
- 今日は友人のユウキに会った。表参道のパンケーキ屋に行った。ユウキがSNSで見つけた店だ。あそこのパンケーキは絶品で、とても楽しい時間を過ごした。
- 修正点
- ①pancake shop には冠詞 a が必要 ②SNS は和製英語なので social media が自然 ③店の名物として語るなら The pancakes are と複数形 ④「楽しかった」は We had a great time. の定型で表せる
- 発音・ニュアンス
- had a great time は「ハダ グレイッタイム」とつなげる。We were very happy. でも通じるが、定型の had a great time のほうが会話でも即座に出やすい。
from SNS という書き方は、日本語で考えてから英語に置き換えたときに出てきます。SNS は英語圏では一般的な略語ではないため、social media を使ってください。同様に、コンセントは outlet(英式は socket)、マンションは apartment または condo、ノートパソコンは laptop、サラリーマンは office worker です。日記に登場しやすい身近な語ほど和製英語が混ざるため、書いた後に「これは英語として通じるか」と一度立ち止まる癖が効きます。
ステップ3:感想と気持ちを書く
出来事だけで終わらせず、自分の反応を足します。ここが日記のいちばんおいしい部分で、感情語のストックが増えていきます。
- フレーズ
- While I was watching a movie, I fell asleep. I was exhausted because I worked so hard this week.
- 日本語訳
- 映画を見ている途中で寝てしまった。今週は働きづめで疲れ切っていた。
- 使う場面
- 出来事に理由を添えたいとき。because を一つ足すだけで、一文が二文分の情報量になる。
- 注意点・誤用例
- ×I was slept.(fall asleep は自動詞で受動態にしない)/×I was exhausting.(-ing は「人を疲れさせる」側の意味。人の状態は -ed)/fall asleep は「眠りに落ちる」、sleep は「眠っている状態」で別物。
- 発音・ニュアンス
- exhausted は「イグゾースティッド」で、頭の ex は「エグズ」ではなく「イグゾ」。fell asleep は「フェラスリープ」とつなげる。tired より疲労度が強い語。
- フレーズ
- Today I watched a drama on Netflix. It was exciting and I can’t wait for the next season.
- 日本語訳
- 今日は配信サービスでドラマを見た。おもしろくて、次のシーズンが待ちきれない。
- 使う場面
- 家で過ごした日。作品名と感想、次への期待の三点で日記が組み立つ。
- 注意点・誤用例
- ×I can’t wait the next season.(wait for の for を落とさない)/作品の性質を語るので It was exciting.(-ing)が正しく、I was exciting. は「私は人をわくわくさせる存在だ」になる。
- 発音・ニュアンス
- can’t wait for は「キャンウェイッフォー」と一息で。I can’t wait. 単独でも「楽しみでたまらない」という定番の言い方になる。
感想を書くときは、なるべく前向きな視点を探すのがおすすめです。「今日の仕事は疲れた」で終えるより、「疲れたけれど、土曜日が楽しみだ」まで書いたほうが、読み返したときに続ける気力が湧きます。
もう一歩踏み込むなら、5W1H を自分に問いかけてみてください。What(何をした)、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰と)、Why(なぜ)、How(どのように)。
「映画を見た」の一文が、誰と・どの映画館で・なぜその作品を選び・どんな気分だったかまで広がります。質問を一つ足すだけで、書ける量は勝手に増えていきます。
では、この三ステップで実際に書くと、どれくらいの分量になるのでしょうか。二人分の日記例で確かめてみます。
実例で見る英語日記と押さえたい表現
- 実例はいずれも中学校で習う文型だけで書かれている
- 四文でも「朝・昼・感想・これからの予定」と時間の流れは十分に残せる
- 絵文字や記号を使ってもよく、読み返して楽しいことを最優先にする
- 実例から拾える定型表現は、そのまま会話でも使える形になっている
慣れるまでは単語を調べたり言い回しを考えたりで手間取るため、長文はおすすめしません。三文から始めて少しずつ増やすのが現実的な進め方です。

実例1:四文でまとまる一日
- 日記本文
- 10th April, Sunny
I didn’t have time, so I went to work without eating breakfast.
I had lunch with a colleague at a hamburger shop in front of the station.
It was better than I thought, so I’m going to invite my family next time.
There are two more days until my day off. I’ll do my best! - 日本語訳
- 4月10日 晴れ/時間がなくて朝ごはんを食べずに会社に行った。/昼は同僚と、駅前のハンバーガー屋に行った。/思っていたよりおいしかったので、今度は家族を誘って行こう。/あと二日で休みだ。頑張るぞ。
- 使う場面
- 平日の一日。朝の出来事、昼の出来事、感想、これからの予定という並びで、四文でも時間の流れが残る。
- 注意点・誤用例
- ×without eat breakfast(without の後ろは -ing 形)/×in front of station(the が必要)/two more days の語順を ×more two days としない。
- 発音・ニュアンス
- didn’t have は「ディドゥンハヴ」と t をほぼ飲み込む。in front of は「インフロンタヴ」。I’ll do my best! は自分を励ます独り言として自然に使える。
実例2:仕事と家族が並ぶ一日
- 日記本文
- 10th April, Warm
A new project started today. I want to do my best and achieve results.
I was a little nervous because there were a lot of people I met for the first time.
I found a delicious-looking cake shop on my way home.
I bought a cake and went home, and my family was happy.
I’m going to go to the park with them on the weekend. - 日本語訳
- 4月10日 暖かい/今日から新しいプロジェクトが始まった。頑張って結果を残したい。/はじめて会う人が多くて、少し緊張した。/帰りにおいしそうなケーキ屋を見つけた。/買って帰ったら、家族が喜んでくれた。/週末は一緒に公園に行こう。
- 使う場面
- 仕事の話から家族の話まで、気持ちが動いた場面を並べる書き方。難しい構文は一つも使われていない。
- 注意点・誤用例
- ×on my way to home(home は副詞なので to は不要)/×for the first time meeting people の語順崩れに注意/my family は集合として単数扱いで was も可。
- 発音・ニュアンス
- delicious-looking は前半の -li- に強勢を置き「ディリシャス ルッキング」。a little nervous は「アリロゥ ナーヴァス」と崩れる。
実例から拾いたい四つの表現
二つの日記には、日常でも使い回せる定型がいくつも埋まっています。順に確認しておきましょう。
- フレーズ
- It’s better than I thought.
- 日本語訳
- 思っていたよりも良かった。
- 使う場面
- 店・料理・映画の感想。過去のことなら It was better than I expected.、逆の意味なら It wasn’t as good as I thought. と言い換えられる。
- 注意点・誤用例
- 無表情で言うと「期待していなかった」という含みが前に出ることがある。会話では喜んだ表情を添えると意図が正しく伝わる。
- 発音・ニュアンス
- than I は「ザナイ」とつながる。better の tt は米式では「ベラー」に近い弾き音になる。
- フレーズ
- on my way home
- 日本語訳
- 帰り道に
- 使う場面
- 移動中の出来事を書くとき。on my way to school(学校に向かう道)、on my way to the office(会社に向かう道)と応用できる。
- 注意点・誤用例
- ×on my way to home。home は副詞なので to を入れない。ただし to my parents’ home のように所有格がつく場合は to が必要になる。
- 発音・ニュアンス
- 「オンマイウェイホウム」と四語を一息で。my は弱く「マ」に近づく。
残る二つも押さえておきましょう。achieve results(結果を残す)は仕事の話題で使いやすい組み合わせで、get results、produce results も同じ方向で使えます。
delicious-looking(おいしそうな)は「〜そうに見える」を表す便利な作りです。expensive-looking(高そうな)、healthy-looking(健康そうな)、tired-looking(疲れて見える)と応用でき、ハイフンでつなぐのが正式な書き方です。
では、自分の一日を書くときに必要な語彙を、場面別にまとめて手元に置いておきましょう。
そのまま使える英語日記の表現集と単語リスト
- 「Today was a ○○.」の型を覚えれば、一日を一言で要約できる
- 感情語は -ed と -ing の使い分けを間違えると意味が反転する
- 体調表現は stomachache を headache や toothache に差し替えるだけで応用がきく
- 穴埋め型の一文を十二個持っておくと、疲れている日でも手が動く
語彙は場面ごとにまとめて覚えると、書く瞬間に思い出しやすくなります。ここから先は、必要なときに戻ってくる辞書代わりに使ってください。
一日を一言で表す
「今日はこんな日だった」と冒頭に置くなら Today was a ○○. の型が便利です。名詞を入れるときは a が必要になります。
- good day 良い日
- busy day 忙しい日
- long day 長く感じた日
- quiet day 静かな日
- tough day 大変な日
- disaster 最悪の一日
形容詞を単独で置くなら a を外します。Today was awesome.(最高だった)、Today was rough.(きつかった)、Today was productive.(はかどった)のように使えます。
感情の表現
- happy うれしい I was so happy to see him today.(今日、彼に会えてとてもうれしかった)
- excited わくわくする I was excited when I watched the game.(試合を見てわくわくした)
- relaxed くつろいだ I was relaxed at home with a cup of tea.(家でお茶を飲んでくつろいだ)
- sad 悲しい I was sad that my favorite ramen restaurant was closed.(お気に入りのラーメン屋が閉まっていて悲しかった)
- annoyed イライラした I was annoyed when my boss asked me to do an urgent job after 6 p.m.(上司が午後六時以降に急ぎの仕事を頼んできてイライラした)
- surprised 驚いた I was surprised at the news.(その知らせに驚いた)
- lonely 寂しい I felt a little lonely on the long train ride.(長い電車移動で少し寂しかった)
- refreshed 気分がすっきりした I felt refreshed after a hot bath.(熱い風呂に入ってすっきりした)
- proud 誇らしい I was proud of myself for finishing the report.(報告書を仕上げられて自分を誇らしく思った)
- disappointed 残念だった I was disappointed because the event was canceled.(催しが中止になって残念だった)
excite、bore、interest、surprise、tire のような感情動詞は、-ed と -ing で意味が反転します。人の気持ちを表すときは -ed、物や出来事の性質を表すときは -ing です。I was exciting. と書くと「私は人をわくわくさせる存在だ」、I was boring. は「私は退屈な人間だ」という意味になってしまいます。自分の気持ちを書く日記では -ed が基本、と覚えておくと事故が減ります。
体調の表現
- I’m fine today. 今日は元気だ(fine は「天気が良い」の意味も持つ)
- I felt so good. 体調がよかった
- I didn’t feel good. 体調が悪かった
- She looked tired all day long. 彼女は一日中疲れているように見えた
- I was sick this morning. 今朝は調子が悪かった
- I had a fever, so I stayed home. 熱があったので家にいた
- I had a stomachache and went to see a doctor. お腹が痛くて病院に行った
- I had a headache. 頭痛がした
- I felt dizzy. めまいがした
- I caught a cold. 風邪をひいた
- I was sleepy during the meeting. 会議中、眠かった
- My shoulders were stiff. 肩がこっていた
stomachache を headache、toothache、backache に差し替えれば、体の不調はほぼ言い表せます。日記は過去形を使う場面が多いため、had、felt、caught といった不規則変化を身につける良い機会になります。
場所の表現
- I went to English school after work. 仕事の後、英会話スクールに行った(建物ではなく目的を指す場合、school に冠詞は不要)
- I left the office on time. 定時に退社した(leave office は「役職を退く」の意味になるので the が重要)
- I met a famous actress at Tokyo Station by chance. 偶然、有名女優に東京駅で出会った
- I found a nice cafe near the office and had lunch there. 会社の近くに素敵なカフェを見つけて昼食をとった
- We made a list before going to the supermarket. スーパーに行く前にリストを作った
- I got some headache tablets at a drugstore. 薬局で頭痛薬を買った(イギリス英語では chemist’s や pharmacy が一般的)
- I went shopping at a department store and came home with nothing. 百貨店に出かけたが、何も買わずに帰ってきた
- I studied in the library in the afternoon. 午後は図書館で勉強した(建物の内部で作業するので at ではなく in)
買い物の言い方には差があります。go shopping は「店に出かける」、do the shopping は「生活必需品を買う」というニュアンスです。
暮らしと仕事によく出る語
- meeting 会議
- boss 上司
- colleague 同僚
- class 授業
- part-time job アルバイト、パート
- a crowded train 満員電車
- homework 宿題
- overtime 残業
- on time 時間どおりに
- be crowded 混雑している
- social media SNS
- parents / grandparents / uncle / aunt / cousin 家族の呼び方
- zoo / aquarium / station / cafe / supermarket / pharmacy / department store よく行く場所
よく使う動詞と過去形
- eat → ate 食べる
- sleep → slept 寝る
- oversleep → overslept 寝坊する
- play → played 遊ぶ
- study → studied 勉強する
- travel → travelled(英式)/traveled(米式) 旅行する
- enjoy → enjoyed 楽しむ
- arrive at → arrived at 〜に着く
- dress up → dressed up おしゃれをする
- run → ran 走る
- go shopping → went shopping 買い物に行く
- take a walk → took a walk 散歩する
- take a bath → took a bath 入浴する
- talk with → talked with 〜と話す
- cook → cooked 料理する
- help → helped 手伝う
- call → called 電話する
- eat out → ate out 外食する
- spend + -ing → spent + -ing 〜して過ごす
- walk the dog → walked the dog 犬を散歩させる
穴埋めで一行完成する型
空欄を埋めるだけで文が完成する型を持っておくと、疲れている日でも手が動きます。十二個の型をノートの表紙裏に写しておくと便利です。
- It was ______ today. 今日は______だった。
- I went to ______ with ______ today. 今日は______と______に行った。
- I ate ______ for breakfast / lunch / dinner. 朝食/昼食/夕食に______を食べた。
- I got up at ______ today. 今日は______時に起きた。
- I spent the evening ______ing. 夜は______して過ごした。
- We had a great time. 素敵な時間を過ごした。
- That made me happy. それがうれしかった。
- I want to go there again someday. いつかまた行きたい。
- What a letdown. がっかりだ。
- It takes about ______ minutes on foot from my house. 家から歩いて______分ほどかかる。
- I had my hair cut yesterday. 昨日、髪を切った。
- I’m looking forward to ______. ______が楽しみだ。
書けるようになったら、次はその文を声に出す段階です。日記が会話に変わる瞬間を見ていきます。
書いた日記を声に出す——場面別の会話例と発音練習
- 日記の内容は、そのまま会話の話題として使い回せる
- 音読は単語ごとに切らず、意味のかたまり(チャンク)で区切る
- got up at、had a、want to のような崩れ方を知ると、聞き取りも同時に楽になる
- 話そうとして詰まった表現は、その晩の日記の題材にする
書いた文章は、口に出した瞬間に会話の材料へ変わります。文字にした段階で構文と語彙を整理しているため、話す準備がすでに半分終わっているからです。
会話例1:カフェで注文する
- 会話
- 店員:Hi, what can I get for you?
学習者:Could I have a pancake set and a coffee, please?
店員:Sure. For here or to go?
学習者:For here, please.
店員:It’ll be about ten minutes.
学習者:No problem. Thank you. - 日本語訳
- 店員:ご注文は何にしますか。/学習者:パンケーキセットとコーヒーをお願いします。/店員:かしこまりました。店内でお召し上がりですか、お持ち帰りですか。/学習者:店内でお願いします。/店員:十分ほどかかります。/学習者:大丈夫です。ありがとう。
- 日記への書き換え
- I ordered a pancake set and a coffee at a cafe. It took about ten minutes, but it was worth the wait.(カフェでパンケーキセットとコーヒーを注文した。十分ほど待ったが、待った価値があった。)
- 注意点・誤用例
- ×I want a coffee. は場面によって直接的に響く。Could I have 〜, please? のほうが無難。テイクアウトは英式では takeaway、米式では to go で、×take out は通じにくいことがある。
- 発音・ニュアンス
- Could I have は「クダイハヴ」。For here or to go? は「フォヒア オ トゥゴウ」と早口で来るので、かたまりで覚えておくと聞き取れる。
会話例2:レッスンで前日の日記を話す
- 会話
- 講師:How was your weekend?
学習者:It was nice. I visited my grandparents on Saturday.
講師:That sounds lovely. What did you do there?
学習者:We had lunch together and looked at old photos. I felt relaxed.
講師:Great. Can you say that again using “spent”?
学習者:I spent the afternoon looking at old photos with my grandparents. - 日本語訳
- 講師:週末はどうでしたか。/学習者:良かったです。土曜日に祖父母を訪ねました。/講師:素敵ですね。そこで何をしましたか。/学習者:一緒に昼食をとって、古い写真を見ました。くつろげました。/講師:いいですね。spent を使って言い換えられますか。/学習者:祖父母と古い写真を見ながら午後を過ごしました。
- 使う場面
- レッスン冒頭の雑談。前日の日記をそのまま話題にすれば、話すことを探す時間がゼロになる。
- 注意点・誤用例
- ×I spent the afternoon to look at photos.(spend + -ing が正しい形)/×I visited to my grandparents.(visit は他動詞で to は不要)
- 発音・ニュアンス
- What did you do は「ワッディジュドゥー」。That sounds lovely. は英式で好まれる相づちで、米式なら That sounds nice. が自然。
会話例3:同僚と天気の話をする
- 会話
- 同僚:It’s so muggy today, isn’t it?
学習者:Yes, it is. I got soaked on my way to the office.
同僚:Did you forget your umbrella?
学習者:I left it on the train yesterday.
同僚:Oh no. I hope it clears up this afternoon. - 日本語訳
- 同僚:今日は蒸し暑いですね。/学習者:本当ですね。会社に来る途中でびしょ濡れになりました。/同僚:傘を忘れたんですか。/学習者:昨日、電車に置いてきてしまって。/同僚:それは大変。午後には晴れるといいですね。
- 日記への書き換え
- It was muggy and rainy today. I got soaked on my way to the office because I left my umbrella on the train yesterday.(今日は蒸し暑くて雨だった。昨日電車に傘を置いてきたので、出社途中でびしょ濡れになった。)
- 注意点・誤用例
- ×I forgot my umbrella on the train.(置き忘れた場所を言うときは leave を使う)/clear up は「天気が回復する」で、clean up(片付ける)と混同しない。
- 発音・ニュアンス
- isn’t it? は「イズニッ」と語尾を軽く上げる。got soaked は「ガッ ソウクト」で、soaked の語尾は無声の「クト」。
音読の区切り方を覚える
音読するときは、単語を一つずつ区切らず、意味のかたまりで読みます。この区切り方を身につけると、書く力が話す力へ直結します。
- I found a delicious-looking cake shop / on my way home.
- I had lunch with a colleague / at a hamburger shop / in front of the station.
- I was a little nervous / because there were a lot of people / I met for the first time.
崩れ方の代表例も押さえておきましょう。got up at →「ガラッパッ」、had a →「ハダ」、want to →「ワナ」、a lot of →「アロッタ」。自分が書いた文で崩し方を練習すると、聞き取りも同時に楽になります。
発音が不安な語は、辞書の音声機能で確認してから読みます。三文だけなら音読は一分で終わるので、書いた直後に続けて行うのが習慣化しやすい形です。
ここまでで書き方と使い方が見えました。次に、いちばん多い相談である「続かない」への対策を組み立てます。
三日坊主を防ぐ続け方と一週間の復習計画
- 「三文書けたら合格」という低い基準を先に決めてしまう
- 既にある習慣(歯磨き、帰りの電車)にくっつけると定着しやすい
- 主語を I 以外に変えると、動詞の形も語彙も自然に広がる
- 翌日の読み返しと音読、週末の見直しを組み合わせると復習が回る
続かない原因は、たいてい「一日の目標が高すぎること」です。基準を下げるだけで、驚くほど途切れにくくなります。
三文から始めて、増やす努力はしない
最初から立派な文章を書こうとすると、辞書を引く時間が長くなって嫌になります。三文書けたらその日は合格、という基準にしておけば、忙しい日でもハードルを越えられます。
分量は書き慣れるにつれて勝手に増えます。増やす努力は不要と割り切ってしまうほうが、長く続きます。
書く時間と場所を固定する
「帰りの電車で」「歯を磨いた後で」のように、既にある習慣にくっつけると定着しやすくなります。行動の直後に別の行動を差し込む形が、いちばん抵抗が少ない方法です。
時間を決めずに「いつか書く」と考えていると、書かない日が積み重なります。逆に、書けなかった日を責める必要もありません。翌日また開けば、習慣は復活します。
気に入った環境と道具をそろえる
好きなノート、好きなペン、好きな席。形から入るのは決して軽い話ではなく、続けるための現実的な工夫です。
ページの装飾、シール、その日の写真。自分流にカスタマイズすると、ノートを開くのが楽しみになります。楽しみがあるかどうかが、五分の確保を左右します。
主語に変化をつける
自分の日記帳なので、どうしても I が多くなります。My colleague said…、She looked…、Everyone was… のように視点を移すと、動詞の形も語彙も変わります。
三人称単数の s に気を配る機会も増えるため、文法練習としての密度が上がります。「今日の一文は誰かを主語にする」と決めておくのも一案です。
例文をまねる
最初のうちは、例文をそのまま真似して単語だけ入れ替えるやり方で十分です。オリジナルの構文をひねり出す必要はありません。
大切なのは、読むだけで終わらせないことです。実際に自分の手で書き出すと、記憶への残り方が変わります。
一週間で回す復習の型
書きっぱなしにすると、同じ間違いを固めてしまいます。次の流れなら、一日あたり数分の追加で復習が回ります。
- 書いた直後:三文を声に出して一回読む(約一分)
- 翌日の朝:前日の分を読み返し、直したい箇所に印をつける(約一分)
- 水曜と土曜:印をつけた箇所を辞書で確認し、正しい形を余白に書き足す(約五分)
- 週末:一週間分を通読し、繰り返し出てきた語や表現をノート最終ページの自分用リストに転記する(約十分)
- 月に一度:一か月前の日記を音読し、以前より速く読めるかを確かめる
添削してもらう
独学だけで進めると、自分の癖には気づけません。少し自信がついてきたら、スクールの講師、オンラインのレッスン、英文添削サービスなどを使って直してもらうと、不自然さが目に見える形になります。
添削された箇所は、その日の学習ポイントとして別に書き写しておくと復習しやすくなります。指摘が三回続いた項目は、自分の弱点として重点的に扱いましょう。
完璧を目指さない
文法が怪しくても、単語が思い出せなくても、書いたこと自体に価値があります。分からない部分は日本語のまま残し、後で調べる印をつけておけば十分です。
「間違ったまま書くのが怖い」という気持ちが、いちばん学習を止めます。日記は提出物ではないので、赤点はありません。
続ける準備が整ったところで、初心者が特につまずきやすい文法の急所を確認しておきましょう。
初心者がつまずきやすい文法の落とし穴と直し方
- 冠詞は「初出は a、既出や特定できるものは the」から始めれば十分
- 数えられるものを漠然と語るときは複数形が基本
- home、there、abroad などの副詞には前置詞をつけない
- 日記は過去形が基本だが、今も変わらない事実は現在形で書く
つまずく箇所は、驚くほど共通しています。七つの急所を知っておくだけで、書きながら自分で直せるようになります。
1. 冠詞の抜け
日本語には冠詞がないため、a / an / the が落ちやすくなります。初めて話題にする数えられる名詞には a、すでに触れたものや特定できるものには the を置きます。
I found a nice cafe. → The cafe was quiet. という流れを何度も書けば、感覚がつかめてきます。二文セットで練習するのが近道です。
2. 単数と複数
The pancake is fantastic. と書くと、一枚のパンケーキの話になります。店の名物として語るなら The pancakes are fantastic. です。
数えられるものを漠然と語るときは複数形が基本、と覚えておくと事故が減ります。I like dog. と書くと意味が大きく変わってしまうことも、同じ理屈です。
3. 和製英語の混入
SNS は social media、コンセントは outlet、マンションは apartment または condo、ノートパソコンは laptop、ワイシャツは dress shirt。日記に登場しやすい語こそ混ざりやすいところです。
4. 前置詞の要不要
home、there、abroad、downtown などの副詞には前置詞をつけません。I went home.(家に帰った)、I got home at eight.(八時に帰宅した)が正しい形です。
なお go home は「家に向かう動作」、get home は「家に着く」に重心があります。日記では両方を使い分けられると、時間の流れが正確に書けます。
5. 時制の混在
日記は基本的に過去形ですが、今も変わらない事実は現在形で書きます。I went to a new bakery. The bread there is amazing.(新しいパン屋に行った。あそこのパンは絶品だ。)という混在は自然です。
避けたいのは、同じ出来事のなかで went と go が混ざる形です。一段落を書き終えたら、動詞の形だけを目で追って確認する習慣をつけましょう。
6. meet と see の使い分け
初対面や約束して会う場合は meet、たまたま見かけたり顔を合わせたりする場合は see を使います。I saw my neighbour along the way and said hello.(途中で近所の人に会って、あいさつをした。)
つづりにも英米差があります。neighbour は英式、neighbor は米式。どちらでもよいので、一冊のなかで統一しておくと読み返しやすくなります。
7. 日本語から訳そうとして手が止まる
日本語で長い文を思いついてから訳すと、必ず行き詰まります。先に「言いたいことの核」だけを取り出し、知っている語で言い切るほうが早く、しかも英語らしくなります。
「思い出に残る一日になった」を訳せなくても、It was a special day. で目的は果たせます。言い切れる範囲で書くのが、初心者にとって最も現実的な戦略です。
日記を人に読ませたり、内容をそのまま会話で使う場合には、相手への言い方にも配慮が必要です。You should have told me earlier.(もっと早く言ってくれればよかったのに)や You are wrong. は、書くぶんには問題なくても、口に出すと強い非難に聞こえます。会話で使うなら I wish I had known earlier. や I see it differently. のように、主語を自分に移した言い方へ置き換えてください。日記に書いた本音と、外向きの表現は別物として扱うのが安全です。
文法の急所を押さえたら、あとは題材の確保です。何もない日の備えを用意しておきましょう。
書くことがない日のお題三十本
- お題を用意しておくと、出来事に乏しい日でも空白にならない
- 初級・中級・上級の三段階から、その日の気力に応じて選ぶ
- 同じお題を数か月後に書き直すと、自分の伸びが数字ではなく実感で分かる
何も起きなかった日ほど、書く題材に困ります。あらかじめお題を持っておけば、その日も三文で終えられます。
初級向け(十本)
- 今日食べたもの三つ
- 今日の天気と服装
- 今日会った人
- 今日いちばん笑ったこと
- 明日やりたいこと
- 今いる部屋にあるもの五つ
- 今日の移動手段と所要時間
- 好きな飲み物とその理由
- 今週の予定を一つ
- 今日聞いた音楽
中級向け(十本)
- 最近見た映画やドラマの感想
- 今月の目標とその進み具合
- 行ってみたい場所とその理由
- 子どものころの思い出
- 自分の一日のルーティン
- 最近覚えた英単語とその使いどころ
- 季節の変わり目に感じること
- 家族や友人に感謝していること
- 今の仕事や勉強で難しい部分
- 休日の理想の過ごし方
上級向け(十本)
- 最近の出来事について思うこと
- 五年後の自分への手紙
- 悩んでいることとその整理
- 好きな作品を人に薦める文章
- 英語学習の振り返り
- 自分の考えが変わった経験
- 住んでいる街の良いところと課題
- 誰かに助けられた出来事
- 失敗から学んだこと
- 十年後に残したい習慣
同じお題を何か月か後にもう一度書いてみると、以前より速く、豊かに書けるようになっているのが分かります。この比較ほど励みになるものはありません。
最後に、日記を書くだけで終わらせず、話す力につなげる道筋を確認しておきます。
まとめ:日記を会話につなげる次の一歩
- 書いた内容を翌日の会話で話すと、書く力と話す力が同じ線でつながる
- 話そうとして詰まった表現は、その晩の日記の題材にする
- 自分の癖に気づくには、第三者の目を一度入れるのが早い
日記の効果を大きくしたいなら、書いたものを話す材料として使い回すのが近道です。書く・話す・書くという往復が生まれると、伸び方が変わります。

具体的な手順はごく単純です。前日に書いた内容を、レッスンや友人との会話でそのまま話してみます。文字にした段階で構文と語彙を整理しているため、口から出やすい状態になっています。
逆に、話そうとして詰まった表現は、その晩の日記のテーマにします。詰まった箇所こそ次の題材という循環ができれば、教材を探す手間もなくなります。
一人で続けていて壁を感じたら、第三者の目を一度入れてみるのも選択肢です。自分では気づけない癖や、自然な言い換えの候補が見えてきます。
最後に、初心者からよく寄せられる疑問をまとめました。書き始める前の不安は、ここで解消しておきましょう。
英語日記のよくある質問(FAQ)
- 分量・辞書の使い方・添削の有無など、始める前の不安を八つの質問で整理
- 迷ったときは「三文書く」「日本語を残す」の二点に立ち返れば前に進める
英語日記は一日どれくらい書けばよいですか。
三文で十分です。日付と天気、出来事、感想の三点がそろえば、日記としての形は整います。慣れてくると自然に増えていくため、量を増やす努力は不要です。時間の目安としては五分程度に収めると、忙しい日でも途切れにくくなります。
辞書や翻訳ツールを使って書くのは良くないことですか。
使って構いません。ただし出てきた英文をそのまま写すだけでは記憶に残りにくいので、なぜその語順や冠詞になるのかを一度確認してから書き写してください。和英辞典だけに頼ると直訳的になりやすいため、英英辞典や類義語辞典を併用すると表現の幅が広がります。
英語で書けない部分は日本語で書いてもよいですか。
問題ありません。書けない箇所を日本語のまま残し、印をつけておけば、後で調べる課題リストになります。すべてを英語にしようとして手が止まるほうが損失が大きいので、まず書き切ることを優先してください。
日付はイギリス式とアメリカ式のどちらで書けばよいですか。
個人の日記なのでどちらでも構いません。イギリス式は日・月の順で 23rd May、アメリカ式は月・日の順で May 23rd となります。大切なのは一冊のなかで統一することで、混在すると読み返したときに日付を誤読しやすくなります。数字だけの略式なら 23/5 や 5/23 でも問題ありません。
添削してもらわないと意味がないのでしょうか。
添削がなくても、書く行為そのものに語彙と文法を動かす効果があります。ただし独学だけを続けると同じ間違いを固めてしまうことがあるため、少し慣れた段階で講師や添削サービスに見てもらうと、自分では気づけない不自然さが見えてきます。指摘された箇所は別に書き写しておくと復習しやすくなります。
紙のノートとスマートフォンのアプリはどちらが向いていますか。
生活リズムで選んでください。積み上げが目に見えることや、人に見せて直してもらいやすい点では紙が優れています。移動中に書きたい人、辞書や写真を同じ画面で扱いたい人にはアプリが向いています。どちらか一方に決める必要はなく、平日はスマホ、休日は紙という併用も現実的です。
数日書けなかった日が続いたら、やめたほうがよいですか。
<p style=”color: #333333; font-size: 1em; line-hei
ふやだった表現に気づいて復習する機会にもなり、まったく知らなかった言い方に出会うきっかけにもなります。
必要なものは、ノート一冊かスマホのアプリ、それに一日五分だけです。お金をかけずに続けられるのが、この学習法の大きな利点です。
最初はシンプルな文章でかまいません。三文が五文になり、五文が一段落になり、やがて辞書を引く回数が減っていきます。慣れてきたら、書いた文章を声に出して読んでみてください。
今日の天気を一語書くところから、始めてみましょう。それではまた、See you!

