海外旅行先での食事や、外国人の友人とのディナー。メニューを見ながら「もしアレルギーの原因になる食材が入っていたらどうしよう」「自分の体質をどうやって英語で正確に伝えればいいのだろう」と不安を感じた経験はありませんか?

食物アレルギーについて英語で話すとき、単に「Peanut, no」のように単語を並べるだけでは不十分です。名詞の allergy と形容詞の allergic をどう使い分けるのか、原因となる食べ物の前にどの前置詞を置くのか、そして単数形と複数形のどちらを選ぶのかによって、相手への伝わり方は大きく変わります。

また、「食べられない」という日本語には、医学的なアレルギー、食物不耐症、宗教上の制限、菜食主義、単なる好き嫌いなど、さまざまな理由が含まれます。英語では、それぞれを明確に言い分けます。医学的なアレルギーなのに「I don’t like peanuts.」と言えば、単なる好き嫌いだと受け取られかねません。自分の身を守るためには、正確な表現を知っておく必要があります。実践的な会話力を身につけたい方は、英語教室でネイティブスピーカーとロールプレイを行うのも非常に有効な手段です。

この記事では、食物アレルギーについて自分の言葉で話せるようになるために、単語の選び方、文法、発音、ニュアンス、そしてレストランでの実践的な会話の組み立て方を、豊富な例文とともに順を追って見ていきます。

目次 [ close ]
  1. 「アレルギー」は英語で?allergy・allergic・allergenの品詞と違い
    1. allergy(名詞)の使い方と発音
    2. allergic(形容詞)の使い方と発音
    3. allergen(アレルゲン)は原因物質を指す名詞
  2. 食材名は単数形と複数形のどちらを使うのが正解?
    1. 数えられない名詞(常に単数形で扱う)
    2. 複数形がよく使われる名詞
  3. 主なアレルゲンの英語と範囲の違い
    1. peanut(ピーナッツ)と tree nuts(木の実類)
    2. shellfish(甲殻類・貝類)とその種類
    3. milk(牛乳)と dairy(乳製品)
    4. wheat(小麦)と gluten(グルテン)
    5. buckwheat(そば)
  4. allergy・intolerance・sensitivity・dislikeの違いを言い分ける
    1. intolerance(不耐症)
    2. sensitivity(過敏性)
    3. can't eat / don't eat / don't like の違い
  5. レストランでアレルゲンの有無を確認・注文する英語
    1. 原材料が含まれているかを尋ねる(contain / have)
    2. 特定の食材を抜いてもらう(without)
    3. 微量混入(cross-contact)の危険性を確認する
    4. ベジタリアン・ヴィーガン料理の落とし穴
  6. 重症度と具体的な症状を伝える英語表現
    1. アレルギーの程度を表す形容詞
    2. 具体的な症状を表す単語と組み合わせ
    3. 緊急時:呼吸の苦しさを伝える
  7. 友人やゲストに食物アレルギーがないか尋ねる英語
    1. 最も明確で標準的な聞き方
    2. アレルギー以外の制限(宗教や主義)も聞きたい場合
    3. 丁寧に事前にお願いする(Please let me know)
  8. 【総仕上げ】レストランでの会話例と自己説明テンプレート
    1. レストランでの注文会話ロールプレイ
    2. 自分専用の自己説明テンプレート
  9. 食物アレルギーの英語表現に関するQ&A

「アレルギー」は英語で?allergy・allergic・allergenの品詞と違い

この章の要点
  • allergy は「アレルギー(名詞)」。have a 〜 allergy の形で使う。
  • allergic は「アレルギーがある(形容詞)」。be allergic to 〜 の形で使う。
  • allergen は「アレルギー反応の原因となる物質(名詞)」。
  • 日本語の「アレルギー」という発音は英語圏では通じない。

まずは基本となる英単語の品詞と使い方を区別することから始めましょう。日本語では名詞も形容詞も「アレルギー」の一言で済ませてしまいますが、英語では明確に異なる単語を使います。

allergy(名詞)の使い方と発音

英語の allergy は「アレルギー」または「アレルギー疾患」を表す名詞です。病気や体質について使うため、動詞の have(持つ)と組み合わせるのが基本です。

ここで注意したいのが発音です。日本語の「アレルギー」はドイツ語の Allergie に由来しています。英語では全く発音が異なり、最初の「ア(ALL)」に強いアクセントを置きます。「アラジー」または「アレジー」のように聞こえ、語尾は「ギー」ではなく「ジー」となります。

フレーズ
I have a milk allergy.
日本語訳
私は牛乳アレルギーです。
使う場面
自分がどのようなアレルギー疾患を持っているかを相手に伝える場面。名詞の前に食材名を置くことで、「牛乳アレルギー」という一つの概念を表します。
注意点・誤用例
「I am a milk allergy.」とは言いません。これでは「私自身が牛乳アレルギーという病気そのものです」というおかしな意味になってしまいます。
フレーズ
He developed a shellfish allergy as an adult.
日本語訳
彼は大人になってから甲殻類アレルギーを発症しました。
発音・ニュアンス
develop(発症する)という動詞を使うことで、後天的にアレルギー体質になったことを表現できます。

allergic(形容詞)の使い方と発音

日常会話で「私、〇〇アレルギーなんです」と短く伝える際によく使われるのが、形容詞の allergic です。「be allergic to + 原因」という形をとります。この to は「〜に対して」という方向を示す前置詞です。

発音は、名詞の allergy とはアクセントの位置が変わります。中央の「ラー(LER)」の部分が強くなり、「アラージック」のように発音します。会話では「allergic to」をひとまとまりにして流れるように言うと自然です。

フレーズ
I’m allergic to eggs.
日本語訳
私は卵にアレルギーがあります。
注意点・誤用例
「I’m allergy to eggs.」と言うのは文法的に誤りです。名詞の allergy は to を伴って「I have an allergy to eggs.」とするか、形容詞にして「I’m allergic to eggs.」とするかのどちらかにしましょう。
フレーズ
Are you allergic to anything?
日本語訳
何かにアレルギーがありますか。
使う場面
友人を食事に招待した時や、手料理を振る舞う前に、相手の体質を確認するための定番の質問です。

allergen(アレルゲン)は原因物質を指す名詞

allergy が人間の体にある状態を指すのに対し、allergen は反応を引き起こす原因となる物質そのものを指します。複数形は allergens となります。

フレーズ
The label lists several allergens.
日本語訳
ラベルには複数のアレルゲンが記載されています。
使う場面
スーパーで食品の成分表示を確認している時。商品パッケージには「contains allergens: milk, soy」のように表記されていることがよくあります。
メニューのアレルゲン表示アイコンを指差している様子
メニューにあるアレルゲンアイコンは注文時の重要な指標になります。

品詞の違いを押さえたところで、次は「どんな食材にアレルギーがあるのか」を伝える際の、食材名の単数形・複数形のルールについて見ていきましょう。

食材名は単数形と複数形のどちらを使うのが正解?

この章の要点
  • milk, wheat, soy など「数えられない名詞」は常に単数形で使う。
  • eggs, peanuts など「種類全般」を表す数えられる名詞は複数形が自然。
  • ただし、allergy の直前で修飾語として働く場合は、常に単数形(an egg allergy)になる。

英語では、食材によって自然な形が異なります。日本人学習者がよく迷うのが「peanuts には s をつけるのに、milk には s をつけないのはなぜ?」という点です。これは、その名詞が数えられるか(可算名詞)、数えられないか(不可算名詞)によります。

数えられない名詞(常に単数形で扱う)

液体や粉末、または集合的に捉えられる食材は、一般的に複数形の s をつけません。

  • milk(牛乳)
  • dairy(乳製品)
  • wheat(小麦)
  • gluten(グルテン)
  • soy(大豆、大豆由来食品)
  • shellfish(甲殻類や貝類)
フレーズ
I’m allergic to wheat and shellfish.
日本語訳
私は小麦と甲殻類にアレルギーがあります。
注意点・誤用例
shellfish には語尾に s がありませんが、エビやカニなどを集合的に表す言葉なので、このままの形で使います。「shellfishes」とは言いません。

複数形がよく使われる名詞

個数として数えられる食べ物の「種類全般」についてアレルギーがあると言う場合は、複数形にするのが自然です。「1つの卵」にだけアレルギーがあるわけではないからです。

  • eggs(卵)
  • peanuts(ピーナッツ)
  • almonds(アーモンド)
  • walnuts(クルミ)
フレーズ
He’s allergic to almonds and walnuts.
日本語訳
彼はアーモンドとクルミにアレルギーがあります。
発音・ニュアンス
almond の l は発音せず、「アーモンド」のように発音します。walnut は「ウォールナッツ」です。

ただし、大きな例外があります。allergy という名詞の直前に置いて修飾語として働く場合は、原則として単数形になります。

  • an egg allergy(卵アレルギー)※an eggs allergy とは言わない
  • a peanut allergy(ピーナッツアレルギー)

したがって、「I’m allergic to eggs.」と「I have an egg allergy.」はどちらも正しく自然な文となります。

単数・複数のルールを理解したら、次は「どの食材」にアレルギーがあるのか、より細かな分類と英単語の範囲を見ていきましょう。

主なアレルゲンの英語と範囲の違い

この章の要点
  • peanuts(ピーナッツ/落花生)と tree nuts(木の実類)は区別されることが多い。
  • shellfish は甲殻類と貝類を広く指す。エビだけなら shrimp と言う。
  • milk は牛乳そのもの、dairy はチーズやバターを含む乳製品全般を指す。
  • wheat(小麦)と gluten(グルテン)はイコールではない。
  • buckwheat は「そば」であり、小麦ではない。

食材を英語にする際、日本語の感覚で大まかに伝えてしまうと、相手に誤解を与えたり、安全な食べ物まで制限されてしまったりすることがあります。英語圏でのカテゴリー分けを知っておきましょう。

peanut(ピーナッツ)と tree nuts(木の実類)

英語圏では、地面の下で育つ peanut(落花生)と、木になる tree nuts(アーモンド、クルミ、カシューナッツ、ピスタチオなど)を分けて考えます。

フレーズ
I’m allergic to peanuts, but I can eat tree nuts.
日本語訳
ピーナッツにはアレルギーがありますが、木の実類は食べられます。
注意点・誤用例
単に「nuts」と言うと範囲が曖昧になり、ピーナッツが含まれるかどうかが不明確になる可能性があります。自分に必要な範囲を具体的に述べることが大切です。

shellfish(甲殻類・貝類)とその種類

shellfish は、エビ(shrimp / prawn)、カニ(crab)、ロブスター(lobster)などの甲殻類から、カキ(oysters)、二枚貝(clams)などの貝類までを広く指す言葉です。

フレーズ
I’m allergic to shrimp and crab, but other shellfish are fine.
日本語訳
エビとカニにアレルギーがありますが、他の甲殻類・貝類は大丈夫です。
使う場面
シーフードレストランで、特定の種類だけを避けたい場合に具体的に指定します。

milk(牛乳)と dairy(乳製品)

milk は牛乳や乳そのもの、dairy はバター、チーズ、クリーム、ヨーグルトなどを含む乳製品という広いカテゴリーです。会話で乳製品全般を避ける必要があると伝えるなら、allergic to dairy や avoid dairy products が便利です。

フレーズ
I need to avoid all dairy products.
日本語訳
すべての乳製品を避ける必要があります。
発音・ニュアンス
dairy(デアリー)と daily(デイリー:毎日の)は発音が似ているので、Rの音をしっかり意識しましょう。

wheat(小麦)と gluten(グルテン)

小麦(wheat)アレルギーと、グルテン(gluten:小麦などに含まれるたんぱく質)を避けるセリアック病などは、医学的に異なるものです。商品の表示基準は国や地域によって異なるため、「gluten-free(グルテンフリー)」と書いてあっても「wheat-free(小麦不使用)」とは限らないことに注意が必要です。

フレーズ
I have a wheat allergy. Gluten-free does not always mean wheat-free for me.
日本語訳
私は小麦アレルギーがあります。私の場合、グルテンフリーが必ずしも小麦不使用を意味するわけではありません。

buckwheat(そば)

名前に wheat(小麦)が入っていますが、buckwheat は「そば」のことであり、小麦とは別の植物です。

フレーズ
Does this contain buckwheat flour?
日本語訳
これはそば粉を含んでいますか。

食材の名前を正しく把握できたら、次はアレルギーとそれ以外の「食べられない理由」を英語でどう言い分けるかを学びましょう。

allergy・intolerance・sensitivity・dislikeの違いを言い分ける

この章の要点
  • allergy は免疫系が関係する医学的なアレルギー。
  • intolerance は成分をうまく処理できない「不耐症(例:乳糖不耐症)」。
  • sensitivity は「過敏性(例:カフェインに敏感)」。
  • don’t like(好きではない)はアレルギーの文脈では絶対に使わない。

英語圏では、レストランで注文する際に「それはアレルギーですか、それとも好みですか?(Is it an allergy or a preference?)」と聞かれることがよくあります。これは意地悪で聞いているのではなく、キッチンのオペレーション(まな板や包丁を変える必要があるかなど)を判断するための重要な確認です。

intolerance(不耐症)

特定の成分を消化吸収できない体質のことです。代表的なのが乳糖不耐症(lactose intolerance)です。牛乳を飲むとお腹を下してしまう場合でも、免疫反応である牛乳アレルギー(milk allergy)とは区別して伝えます。

フレーズ
I’m lactose intolerant.
日本語訳
私は乳糖不耐症です。
使う場面
カフェでラテを注文する際などに、牛乳を豆乳やオーツミルクに変更してほしい理由として伝えます。

sensitivity(過敏性)

特定の食品添加物やカフェインなどに対して、敏感に反応して体調を崩しやすいことを表します。

フレーズ
I have a sensitivity to artificial colorings.
日本語訳
人工着色料に敏感です(過敏症です)。

can’t eat / don’t eat / don’t like の違い

「I can’t eat peanuts.(ピーナッツは食べられません)」は、理由がアレルギーなのか、宗教なのか、歯の治療中だからなのかが分かりません。アレルギーの場合は前述の I’m allergic to 〜 を使いましょう。

「I don’t eat meat.(肉は食べません)」は、自らの意思や習慣としての菜食主義(ベジタリアン)などを表すのに適しています。

一番危険なのが、アレルギーなのに「I don’t like shellfish.(甲殻類が好きではありません)」と言ってしまうことです。これは単なる好みの問題とみなされ、スープの出汁として使われてしまうなどの事故につながります。

注意点

もし店員から「Is it an allergy or a preference?」と聞かれたら、アレルギーの場合は明確に「It’s a medically diagnosed allergy.(医師に診断されたアレルギーです)」または「It’s an allergy, not a preference.(好みではなく、アレルギーです)」と答えましょう。

キッチンで成分表示ラベルを一緒に確認する友人同士
友人との食事でも、ラベルを一緒に確認して正確な情報を共有することが安心につながります。

では、実際にレストランで自分の体質を伝え、安全な食事を注文するにはどのような英語を使えばよいのでしょうか?次の章で詳しく見ていきます。

レストランでアレルゲンの有無を確認・注文する英語

この章の要点
  • 原材料に含まれるか聞く時は Does this contain 〜? または have 〜 in it を使う。
  • 特定の食材を抜いてほしい時は Can you make this without 〜? を使う。
  • 器具の使い回し(cross-contact)による微量混入のリスクも事前に確認する。
  • ヴィーガン料理=アレルギー対応ではないことに注意する。

レストランでの注文は、アレルギーを持つ人にとって最も緊張する瞬間です。ここでは、メニューの成分を確認し、安全に調理してもらうための具体的なフレーズを学びます。

原材料が含まれているかを尋ねる(contain / have)

メニューに詳しい記載がない場合は、contain(成分として含む)や have in it を使って質問します。

フレーズ
Does the sauce contain dairy?
日本語訳
そのソースには乳製品が含まれていますか。
注意点・誤用例
三人称単数の疑問文なので、Does this contains…? ではなく、動詞を原形にして Does this contain…? とします。
フレーズ
Does this soup have milk in it?
日本語訳
このスープには牛乳が入っていますか。
発音・ニュアンス
contain よりも口語的で、カジュアルなレストランでよく使われる自然な表現です。
フレーズ
Is there any wheat in this dish?
日本語訳
この料理に小麦は入っていますか。
注意点・誤用例
wheat は数えられない名詞なので、Are there any wheat…? ではなく Is there any wheat…? と単数扱いにします。peanuts などの複数形名詞の場合は Are there any peanuts…? となります。

特定の食材を抜いてもらう(without)

特定の食材を使わずに調理してほしい場合は、without(〜なしで)を使います。

フレーズ
Could you make it without cheese? I have a milk allergy.
日本語訳
チーズなしで作っていただけますか?私は牛乳アレルギーがあります。
使う場面
サラダやサンドイッチなどを注文する際、トッピングやソースを抜いてほしい時に。必ず「アレルギーがあるから」という理由を添えることで、キッチン側の対応が慎重になります。

微量混入(cross-contact)の危険性を確認する

重度のアレルギーを持つ方にとって、アレルゲンそのものを食べないのと同じくらい重要なのが、調理器具の共有による微量混入を防ぐことです。アメリカ英語のアレルギー関連資料では、これを cross-contact と呼びます(食中毒などの原因となる細菌汚染 cross-contamination と区別して使われることが多いです)。

フレーズ
Do you use the same pan for dishes with peanuts?
日本語訳
ピーナッツを使う料理と同じフライパンを使いますか。
使う場面
中華料理や鉄板焼きなど、調理器具を使い回す可能性が高いレストランで、交差混入のリスクを確認する際に使います。
フレーズ
Even a small amount left on a utensil can cause a severe reaction.
日本語訳
調理器具に残った少量でも、重い反応が出ることがあります。

ベジタリアン・ヴィーガン料理の落とし穴

海外のレストランでは、菜食主義者向けのメニューが充実しています。しかし、食事に関するカテゴリーを混同すると大変危険です。

  • vegetarian(ベジタリアン):肉や魚は食べないが、牛乳、バター、チーズ、卵は使うことが多い。
  • vegan(ヴィーガン):動物由来の食品(乳や卵を含む)を原材料として使わない。

「乳アレルギーだからヴィーガンメニューを頼めば安全」と思い込みがちですが、ヴィーガン料理はあくまで「食のスタイル」であり、医学的なアレルギー対応食ではありません。同じキッチンで乳製品を扱っていれば、交差混入のリスクがあります。

フレーズ
I know it’s vegan, but I have a severe milk allergy. Is it specifically dairy-free and prepared separately?
日本語訳
ヴィーガン料理なのは分かっていますが、私には重い牛乳アレルギーがあります。乳製品不使用として、別に調理されていますか。
カフェのカウンター越しにシェフに笑顔で要望を伝える旅行者
店員とのコミュニケーションは、ためらわずに明確に伝えることが重要です。

自分の要望を伝えるだけでなく、いざ症状が出てしまった時のために、症状や重症度を表す英語も知っておく必要があります。次に見ていきましょう。

重症度と具体的な症状を伝える英語表現

この章の要点
  • アレルギーの程度は mild(軽い)、severe(重い)、life-threatening(命に関わる)で表す。
  • かゆみは itchy、発疹は rash、じんましんは hives、腫れは swelling。
  • 息苦しい時は I’m having trouble breathing. と進行形で伝える。
  • 一般論は現在形、今起きていることは現在進行形で話す。

「アレルギーがある」だけでなく、それがどの程度危険なのか、どんな症状が出るのかを説明することで、相手も事の重大さを理解しやすくなります。

アレルギーの程度を表す形容詞

allergy の前に形容詞をつけることで、程度を表現します。

  • a mild allergy:軽いアレルギー
  • a severe allergy:重いアレルギー
  • a life-threatening allergy:命に関わるアレルギー
フレーズ
I have a severe peanut allergy. My allergy is potentially life-threatening.
日本語訳
重いピーナッツアレルギーがあります。私のアレルギーは命に関わる可能性があります。

具体的な症状を表す単語と組み合わせ

症状の単語は、どの動詞(have, get, feel など)と組み合わせるかをセットで覚えると会話で使いやすくなります。

1. itchy(かゆい:形容詞) / itching(かゆみ:名詞)

フレーズ
My throat feels itchy. The reaction usually starts with itching.
日本語訳
喉がかゆい感じがします。反応は通常、かゆみから始まります。

2. rash(発疹) / hives(じんましん)

フレーズ
When I eat eggs, I get a rash around my mouth. I get hives after eating shrimp.
日本語訳
卵を食べると口の周りに発疹が出ます。エビを食べるとじんましんが出ます。
発音・ニュアンス
hives は通常、複数形として扱われます。「じんましんが急に出る」は break out in hives と表現することもあります。

3. swelling(腫れ:名詞) / swollen(腫れた:形容詞)

フレーズ
My lips are swollen. My face is starting to swell.
日本語訳
唇が腫れています。顔が腫れ始めています。

4. nausea(吐き気:名詞) / nauseous(吐き気がする:形容詞)

フレーズ
I feel nauseous.
日本語訳
吐き気がします。
注意点・誤用例
nausea は数えられない名詞なので、通常は I have a nausea とは言いません。I have nausea または I feel nauseous と言います。

緊急時:呼吸の苦しさを伝える

アナフィラキシーなどによる呼吸困難は、一刻を争います。医学用語(dyspnea)を知らなくても、簡単な単語で緊急事態を伝えられます。

フレーズ
I’m having trouble breathing. My throat feels tight.
日本語訳
息苦しいです。喉が締め付けられる感じがします。
使う場面
今まさに症状が起きていることを強調するため、現在進行形(having trouble / are swelling / starting to feel sick)を使います。周囲に救急車を呼んでもらう(Please call an ambulance.)必要があるレベルです。

一方で、普段起きる一般的な症状を説明する場合は、現在形(I get hives.)を使い、過去に一度だけ起きた出来事なら過去形(I developed hives.)を使います。時制を使い分けることで、緊急度が相手に正確に伝わります。

友人やゲストに食物アレルギーがないか尋ねる英語

この章の要点
  • Do you have any food allergies? は最も明確で標準的な質問。
  • Is there anything you can’t eat? だと「嫌いなもの」も含まれてしまう。
  • 宗教や菜食も考慮するなら or dietary restrictions(食事制限)を付け加える。
  • Please let me know if 〜 で「〜なら教えてください」と柔らかくお願いできる。

自分がアレルギーを持っている場合だけでなく、外国人の友人を自宅に招いて手料理を振る舞う時や、一緒にレストランを選ぶ時に、相手に食べられないものがないかを確認するホスピタリティも大切です。

最も明確で標準的な聞き方

フレーズ
Do you have any food allergies?
日本語訳
何か食物アレルギーはありますか。
発音・ニュアンス
医学的なアレルギーの有無を尋ねる、明確で自然な質問です。any があるため、相手は一つでも複数でも答えやすくなります。

アレルギー以外の制限(宗教や主義)も聞きたい場合

「Is there anything you can’t eat?(何か食べられないものはありますか)」だけだと、「ピーマンが嫌い」といった軽い好みの問題も引き出してしまいます。アレルギーと、宗教・健康上・主義による食事制限の両方をフォーマルに確認したい場合は、次のように聞くのがベストです。

フレーズ
Do you have any food allergies or dietary restrictions?
日本語訳
食物アレルギーや食事上の制限はありますか。
使う場面
パーティーの招待状や、ディナーの予約を取る前に相手に確認する時。dietary restrictions(ダイエタリー・リストリクションズ)は「食事制限」を意味する非常に便利な言葉です。

丁寧に事前にお願いする(Please let me know)

フレーズ
Please let me know if you have any food allergies.
日本語訳
食物アレルギーがあれば教えてください。
発音・ニュアンス
please let me know は、命令するような響き(Tell me)を避けながら、「知らせてください」と柔らかく頼める大人の表現です。メールやメッセージでもよく使われます。

【総仕上げ】レストランでの会話例と自己説明テンプレート

この章の要点
  • 情報を整理し、論理的な順番で説明することが信頼につながる。
  • 1.前置きとアレルゲン提示 → 2.程度の説明 → 3.具体的な要望の順で伝える。
  • 丸暗記ではなく、自分の状況に合わせて単語を入れ替えて練習する。

ここまで学んだ単語や文法を組み合わせて、実際のレストランでのやり取りの例を見てみましょう。そして、自分専用の「自己説明テンプレート」を作りましょう。

レストランでの注文会話ロールプレイ

客の Dylan(ディラン)と、店員(Server)の会話です。

会話例
Dylan: Before I choose, I should let you know that I have a milk allergy.
(選ぶ前に、牛乳アレルギーがあることをお伝えしておきます。)

Server: Thank you for telling me. Are you allergic to all dairy products?
(教えてくださってありがとうございます。すべての乳製品にアレルギーがありますか。)

Dylan: Yes. Milk, butter, cream, and cheese can all cause a reaction.
(はい。牛乳、バター、クリーム、チーズのいずれでも反応が出る可能性があります。)

Server: In that case, let me check which dishes can be prepared without dairy.
(それでしたら、乳製品なしで用意できる料理を確認させてください。)

Dylan: Thank you. I was looking at this soup. Does it contain milk or cream?
(ありがとうございます。このスープが気になっています。牛乳かクリームが含まれていますか。)

Server: I’m not sure, so I’ll ask the kitchen.
(はっきり分からないので、厨房に確認します。)

Dylan: I appreciate that. Even a small amount can make me sick.
(助かります。少量でも具合が悪くなる可能性があります。)

Dylanは「I should let you know that…(〜ということをお伝えしておきます)」という丁寧な前置きを使ってアレルギーを申告し、さらに「Even a small amount can make me sick.(少量でも具合が悪くなる)」と危険性を論理的に伝えています。これにより、店員も真剣に対応してくれています。

自分専用の自己説明テンプレート

以下の順番で文章を組み立てると、英語ネイティブにもプロフェッショナルで深刻な印象を与え、配慮を引き出すことができます。

  1. 前置きとアレルゲンの提示:I should let you know that I have a (食材名) allergy. / I’m allergic to (食材名).
  2. 程度の説明:Even a small amount can cause a severe reaction.(少量でも重い反応が出ます。)
  3. 具体的な要望:So please make sure my meal is prepared without (食材名) and avoid cross-contact.(だから、私の食事は〇〇抜きで用意し、交差混入を避けてください。)
テンプレート例(ピーナッツアレルギーの場合)
Before I order, I should let you know that I have a severe peanut allergy. Even a small amount can cause breathing problems, so please make sure my meal is prepared without peanuts and avoid cross-contact.
日本語訳
注文の前に、重いピーナッツアレルギーがあることをお伝えしておきます。少量でも呼吸困難を引き起こす可能性があるため、私の食事はピーナッツなしで用意し、他の調理器具からの混入も避けるようにしてください。

このテンプレートの「peanut」をご自身のアレルゲン(milk や shellfish など)に替え、「breathing problems」を実際の症状(hives など)に入れ替えるだけで、世界中どこへ行っても通じる立派な自己説明文が完成します。いざという時にスムーズに口から出るよう、何度も声に出して練習しておきましょう。

食物アレルギーの英語表現に関するQ&A

Q. 小麦アレルギーとグルテンフリーは同じ意味として伝わりますか?

A. 必ずしも同じではありません。gluten-free(グルテンを含まない)と表示されていても、製造過程で微量のwheat(小麦)が混入している可能性があります。小麦アレルギーがある場合は、「I have a wheat allergy.」と直接伝えることが最も安全です。

Q. 友達を食事に招く際、アレルギーがあるか尋ねる丁寧な英語は何ですか?

A. 「Do you have any food allergies or dietary restrictions?(食物アレルギーや食事上の制限はありますか?)」が最も丁寧で自然です。dietary restrictions を加えることで、宗教上の理由やベジタリアンなど、アレルギー以外の理由も聞き出しやすくなります。

Q. カフェインを避けている場合も、アレルギーと言って良いですか?

A. カフェインの場合は通常アレルギーとは呼ばず、「I’m sensitive to caffeine.(カフェインに過敏です)」や「I try to avoid caffeine.(カフェインを控えています)」と表現します。飲み物を注文する際は「Do you have any decaf or caffeine-free drinks?(デカフェかカフェインフリーの飲み物はありますか?)」と尋ねましょう。なお、decaf(デカフェ)はカフェインを大部分取り除いたものであり、完全にゼロ(caffeine-free)とは限らないことに注意してください。

Q. 英語の「dairy-free」は乳アレルギーの人にとって完全に安全ですか?

A. dairy-free(乳製品不使用)の表記であっても、製造ラインを共有していることによる交差混入(cross-contact)の可能性があります。重度のアレルギーをお持ちの方は、表記を過信せず「Is it prepared in a facility that also processes dairy?(乳製品も扱う工場で製造されていますか?)」と確認することをおすすめします。

Q. 「そばアレルギー」は英語でどう言いますか?

A. そばは英語で buckwheat(バックウィート)と言います。名前に wheat(小麦)が入っていますが、小麦とは別の植物です。「I’m allergic to buckwheat.(そばにアレルギーがあります)」と伝えてください。

Q. “I’m allergy to peanuts.” という文はなぜ間違っているのですか?

A. allergy は名詞であるため、「私=アレルギーという病気」という意味になってしまい文法的に不自然だからです。名詞のまま使うなら「I have a peanut allergy.」、形容詞を使うなら「I’m allergic to peanuts.」とするのが正しい英語です。