「アメリカ」は英語でAmericaじゃない?ネイティブが使う正しい呼び方徹底解説【the States/U.S./USAの違いからLA略称まで】
「アメリカ旅行の計画を立てている」「アメリカ人の友達ができた」「ビジネスでアメリカ英語を使う機会がある」…様々な場面で「アメリカ」という言葉を使いますよね。多くの日本人は、学校で習った通り “America” という単語を使っているのではないでしょうか?しかし、ネイティブスピーカーは日常会話で “America” を国名として使うことは意外と少ない、という事実をご存知でしたか?
「え?じゃあなんて呼べばいいの?」「”America” だと失礼にあたる?」「”the States” って聞いたことあるけど、どう違うの?」
そんな疑問を持つあなたのために、この記事ではネイティブスピーカーが実際に使っている「アメリカ」の様々な英語表現を徹底的に解説します。この記事を読めば、以下の点が明確になります。
- なぜ “America” だけでは不十分なのか、その理由
- ネイティブが使う “the States”, “the U.S.”, “USA” の正しいニュアンスと使い分け
- “America” が特定の文脈で使われるケース
- 日本人が間違えやすい「ロサンゼルス」の略称など、関連表現の注意点
今日からあなたも、状況に合わせて最適な「アメリカ」の英語表現を使いこなせるようになりましょう!

ネイティブが使う様々な「アメリカ」の表現をマスターしよう
レッスンの内容
なぜ「America」だけでは不十分なのか?
まず、なぜ私たちが慣れ親しんだ “America” という言葉だけでは、ネイティブとのコミュニケーションにおいて不十分な場合があるのでしょうか。それには、地理的な意味合いと、ネイティブスピーカーの言語感覚が関係しています。
地理的な「アメリカ」と国名の「アメリカ」
英語で “America” という言葉は、文脈によっては非常に広範囲を指すことがあります。最も広い意味では、北アメリカ大陸 (North America) と南アメリカ大陸 (South America) の両方を含む「アメリカ大陸全体」を指す場合があるのです。
地理の授業を思い出してみてください。世界には五大陸(または六大陸、七大陸)がありますが、その中に「アメリカ大陸」が含まれていますよね。この大陸には、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン…など、多くの国が存在します。
そのため、単に “America” と言った場合、聞き手によっては「アメリカ大陸のどこの国のこと?」と疑問に思う可能性があるのです。もちろん、会話の流れで「アメリカ合衆国」のことを指していると理解される場合がほとんどですが、厳密には “America” = 「アメリカ合衆国」ではないという点をまず押さえておきましょう。

“America” は大陸全体を指すことも
ネイティブスピーカーが感じる「America」のニュアンス
地理的な理由に加えて、ネイティブスピーカー、特にアメリカ合衆国の人々(以下、アメリカ人)の言語感覚も影響しています。
多くのアメリカ人は、自分たちの国のことを指すときに、”America” よりも “the States” や “the U.S.” といった表現を好んで使います。これは日常会話において、より一般的で自然な響きを持つからです。
例えるなら、日本人が自分の国を「日本国」と呼ぶよりも「日本」と呼ぶ方が一般的なのに似ています。さらに砕けた言い方として「ウチの国」と言うような感覚に近いのが “the States” かもしれません。
“America” という言葉には、後述するように、やや大仰な響きや、政治的・文化的な強い意味合いを感じる人もいます。そのため、普段の何気ない会話では、より具体的で、かつコンパクトな “the States” や “the U.S.” が選ばれやすいのです。
考えてみよう!
もし外国人に「あなたの国はどこですか?」と聞かれて、「日本国出身です」と答えたら、少し硬い印象を与えませんか? それと同じように、アメリカ人が “I’m from America.” と言うと、少しだけフォーマルに聞こえたり、場合によっては少し不自然に聞こえたりすることがあるのです。
「America」が誤解を招く可能性のあるケース
特に注意が必要なのは、アメリカ大陸の他の国の人々(カナダ人、メキシコ人、ブラジル人など)と話すときです。
彼らにとって “America” は自分たちも含む「アメリカ大陸」を指す言葉であり、「アメリカ合衆国」だけを “America” と呼ぶことに違和感を覚える人もいます。自分たちのアイデンティティも「アメリカン(アメリカ大陸の住人)」であると考えている人もいるためです。
もちろん、悪意がないことは理解してくれるでしょうが、より正確で、相手への配慮を示すためには、”the States” や “the U.S.” を使う方が無難な場合が多いと言えます。
国際的な会議や、多様なバックグラウンドを持つ人々が集まる場では、特に意識すると良いでしょう。
ネイティブが日常で使う「アメリカ」の呼び方:the States, the U.S., USA
では、ネイティブスピーカーは具体的にどのように「アメリカ合衆国」を表現しているのでしょうか。主に使われるのは以下の3つです。それぞれのニュアンスと使い方を見ていきましょう。

日常会話では “the States” や “the U.S.” がよく使われる
最もカジュアル? “the States” の使い方と例文
the States
これは、非常に一般的で、ややカジュアルな響きを持つ表現です。「合衆国」を構成する「州 (State)」が集まっていることから来ています。特にアメリカ人同士の会話や、親しい間柄でよく使われます。
- ニュアンス: カジュアル、親しみを込めて、日常的
- 使われる場面: 日常会話、友人との会話、旅行の話など
- 注意点: 必ず定冠詞の “the” が付きます。”States” だけでは通じません。フォーマルな文書ではあまり使われません。
例文 (Examples):
A: Where did you go for vacation?
B: I went back to the States to visit my family.
(A: 休暇はどこへ行ったの? B: 家族に会いにアメリカに帰ったんだ。)
A: Is he American?
B: Yeah, he just moved here from the States last month.
(A: 彼はアメリカ人? B: うん、先月アメリカから引っ越してきたばかりだよ。)
I miss living in the States sometimes.
(時々アメリカでの生活が恋しくなるよ。)
バランスの取れた “the U.S.” の使い方と例文
the U.S. / the US
これは “the United States” の略語で、会話でも書き言葉でも非常によく使われる、バランスの取れた表現です。”the States” よりは少しだけフォーマルな響きがありますが、硬すぎることはなく、様々な場面で使うことができます。
ピリオドを付けるか付けないか (U.S. vs US) は、スタイルガイドや個人の好みによりますが、どちらも広く使われています。(一般的に、アメリカ英語ではピリオドを付ける傾向、イギリス英語では付けない傾向がありますが、絶対ではありません。)
- ニュアンス: 標準的、ややフォーマル、万能
- 使われる場面: 日常会話、ニュース、ビジネス、公的な文書、学術論文など幅広い
- 注意点: こちらも通常、定冠詞の “the” が付きます。形容詞的に使う場合(例: U.S. government)は “the” は付きません。
例文 (Examples):
A: Where are you originally from?
B: I’m from the U.S., specifically from Texas.
(A: もともとのご出身はどちらですか? B: アメリカです。具体的にはテキサスです。)
Many international students study in the U.S. every year.
(毎年多くの留学生がアメリカで学んでいます。)
The U.S. economy showed signs of recovery.
(アメリカ経済は回復の兆しを見せた。)
スポーツやブランドでお馴染み “USA” の使い方と例文
USA / U.S.A.
“USA” は “United States of America” の頭文字を取った略語です。これは、特に国を代表するチーム(スポーツなど)や、製品の原産国表示、愛国的な文脈でよく見られます。
会話で国名を指すときに “USA” を使うこともありますが、”the States” や “the U.S.” ほど頻繁ではありません。少し力強い響きや、公式なイメージがあります。
ピリオドの有無 (USA vs U.S.A.) は “U.S.” と同様に、どちらの形式も見られます。
- ニュアンス: 公式、愛国的、スポーツ関連、ブランド関連、力強い
- 使われる場面: スポーツの応援 (USA! USA!)、製品表示 (Made in USA)、国名のリスト、地図、政府機関の名称の一部など
- 注意点: 会話で単に国を指す場合、”the U.S.” の方が自然なことが多いです。定冠詞 “the” は通常付けません(例: “He lives in USA.” とはあまり言わず、”He lives in the USA.” も稀。”He lives in the U.S.” が一般的)。
例文 (Examples):
Team USA won the gold medal in basketball.
(アメリカ代表チームがバスケットボールで金メダルを獲得した。)
This product is proudly made in the USA.
(この製品は誇りあるアメリカ製です。) ※”Made in the USA” は定型句
A: Which countries are participating?
B: Canada, Mexico, and the USA.
(A: どの国が参加しますか? B: カナダ、メキシコ、アメリカです。) ※リストアップする際には使われる
正式名称 “the United States of America” はいつ使う?
the United States of America
これはアメリカ合衆国の正式名称です。日常会話で使われることはほとんどありません。
主に、非常にフォーマルな場面、公式な文書、法律、国際条約、歴史的な文脈などで使用されます。大統領の演説など、厳粛な場面で国の正式名称を述べる際にも使われます。
使用場面の例:
- パスポートや公文書での国名表記
- 国際連合などの国際機関での公式な言及
- 憲法や法律の条文
- 歴史的な宣言や文書 (例: アメリカ独立宣言)
- 非常にフォーマルな式典や演説
まとめ:3つの表現の使い分けマップ
ここまでの内容を表にまとめてみましょう。
表現 | ニュアンス | 主な用途 | “the” の要否 |
---|---|---|---|
the States | カジュアル、日常的 | 日常会話、友人との会話 | 必須 |
the U.S. / the US | 標準的、ややフォーマル、万能 | 会話、ニュース、ビジネス、文書 | 通常必須 (形容詞用法除く) |
USA / U.S.A. | 公式、愛国的、力強い | スポーツ、ブランド、リスト、地図 | 通常不要 (Made in the USAなど例外あり) |
the United States of America | 非常にフォーマル、公式 | 公文書、法律、条約、式典 | 必須 |
America | 地理的(大陸)、政治的、文化的 | 政治演説、文化論、(文脈により)国名 | 文脈による (国名の意では通常不要) |
この表を参考に、場面に応じて最適な表現を選べるように練習してみましょう。
文脈が鍵!「America」が使われる特別な場面
ここまで、「日常会話では “America” はあまり使われない」と説明してきましたが、もちろん “America” が全く使われないわけではありません。特定の文脈、特に感情や理念、アイデンティティが込められる場面では、”America” という言葉が意図的に選ばれることがあります。
政治的なスローガンとしての「America」 (Make America Great Again)
記憶に新しい例としては、ドナルド・トランプ前大統領が掲げたスローガン “Make America Great Again” (MAGA) があります。
もしこれが “Make the States Great Again” や “Make the U.S. Great Again” だったら、どうでしょうか? 少し締まりがなく、訴求力も弱く感じませんか?
ここで使われる “America” は、単なる地理的な国家を指すだけでなく、「偉大なるアメリカ」という理想像や、国民の団結、歴史的な価値観といった、より抽象的で感情的な概念を含んでいます。政治的なメッセージとして人々の心に強く訴えかけるために、”America” という言葉が効果的に使われた例と言えるでしょう。
他の政治家の演説や、国家的な行事のスピーチなどでも、国民の誇りや団結を呼びかける際に “America” が用いられることがあります。
他の例:
God Bless America. (アメリカに神のご加護を)
→ 演説の締めなどでよく使われる、愛国的な表現。
This is not just about party, this is about America.
→ これは単なる政党の問題ではなく、アメリカ全体の問題なのだ、という主張。
誇りや愛国心を示す「America」
政治的な文脈以外でも、アメリカ人としてのアイデンティティや誇り、愛国心を示す際に “America” が使われることがあります。
例えば、アメリカの文化や価値観について語る時、あるいは国の歴史や功績について触れる時などです。「アメリカンドリーム (American Dream)」や「アメリカンウェイ (American Way of Life)」といった言葉にも “America” が含まれていますね。
この場合の “America” は、国土や政府といった具体的なものだけでなく、自由、機会、多様性といった、アメリカという国が象徴する理念を指していることが多いです。
文化や歴史を語る上での「America」
文学、音楽、映画などの文化的なテーマや、歴史的な出来事について語る際にも “America” は頻繁に登場します。
例えば、「20世紀のアメリカ文学 (20th Century American Literature)」や「南北戦争時代のアメリカ (America during the Civil War)」のように、特定の時代や分野における「アメリカ」という文脈で使われます。
このように、”America” は単なる国名としてだけでなく、文脈によって様々な意味合いや感情が込められる、豊かで多層的な言葉なのです。だからこそ、ネイティブスピーカーは日常的な場面では、より具体的で誤解の少ない “the States” や “the U.S.” を好んで使う傾向がある、と理解すると良いでしょう。
【要注意】日本人が間違えやすいアメリカ関連の英語表現
「アメリカ」の呼び方以外にも、アメリカの地名などに関して、日本人が使いがちな表現がネイティブには通じにくかったり、誤解されたりすることがあります。ここでは代表的な例を2つ見ていきましょう。
「ロス」は通じない!「ロサンゼルス」の正しい略称「LA」
多くの日本人が、カリフォルニア州にある大都市 Los Angeles を「ロス」と略して呼びます。「ロス旅行」「ロス出張」など、日常的に使われていますよね。
しかし、この「ロス」という略し方は、ネイティブスピーカーにはほぼ通じません!
ネイティブスピーカー(特にアメリカ人)は、Los Angeles のことをアルファベットの頭文字をとって LA (エル・エー) と呼ぶのが一般的です。
例文 (Examples):
A: Where in California do you live?
B: I live in LA.
(A: カリフォルニアのどこに住んでいるの? B: LAだよ。)
We’re flying to LA next week.
(来週LAに飛行機で行くんだ。)

「ロス」ではなく「LA」と覚えよう!
なぜ「ロス (Loss)」が通じにくいのか?
なぜ「ロス」では通じないのでしょうか? 主な理由は以下の2つです。
- 発音の問題: 日本語の「ロス」の発音は、Los Angeles の “Los” ([lɔs] または [loʊs]) とは少し異なります。さらに重要なのは、ネイティブは都市名をそのように略す習慣がないという点です。
- 意味の問題: 英語で “loss” ([lɔs]) という単語は「損失」「喪失」「敗北」といった全く別の意味を持ちます。そのため、「ロス」と聞くと、文脈によってはそちらの意味に捉えられてしまい、混乱を招く可能性があります。
「ロスに行った」と言おうとして “I went to Loss.” と言ってしまうと、「私は損失に行った(?)」や「私は敗北に行った(?)」のような、意味不明な文になってしまうのです。
Los Angeles について話すときは、フルネームで “Los Angeles” と言うか、略称の “LA” を使うようにしましょう。
「ニューヨーク」は「NY」?都市名の略称ルールを探る
では、Los Angeles を LA と略すなら、New York City は NYC や NY (エヌ・ワイ) と略すのが一般的なのでしょうか?
答えは、「文脈によるが、会話ではフルネームが多い」です。
確かに、書き言葉や、特に州名 (New York State) と区別する必要がある場合、あるいは住所表記などでは NYC という略称が使われます。また、州名の New York を NY と略すことは非常に一般的です(例: NY, NY → ニューヨーク州ニューヨーク市)。
しかし、日常会話で単に「ニューヨーク市」のことを指す場合、“New York” や “New York City” とフルネームで言うことが LA と比較して圧倒的に多いです。”I’m going to NY.” のように言う人もいますが、”I’m going to New York.” の方がより自然に聞こえる場合が多いでしょう。
なぜ LA は略称が一般的なのに、New York はそうでもないのでしょうか?明確なルールはありませんが、以下のような理由が考えられます。
- 音節の数: “Los Angeles” は4音節または5音節でやや長いため、2音節の “LA” に略すメリットが大きい。一方、”New York” は2音節で比較的短いため、そのまま言うことが多い。
- 州名との区別: New York は都市名と州名が同じため、明確にするために “New York City” や “NYC” が使われることがある。Los Angeles にはその必要がない。
- 慣習: 単純に、言語的な慣習として LA は略称が定着し、New York はフルネームが定着した。
ポイント:
- Los Angeles → LA (会話で一般的)
- New York City → New York / New York City (会話で一般的), NYC (書き言葉や区別のため)
- New York (State) → NY (略称として一般的)
他の主要都市の略称もチェック! (シカゴ、サンフランシスコなど)
他のアメリカの主要都市ではどうでしょうか?
- Chicago (シカゴ): 略称はあまり一般的ではありません。フルネームで Chicago と呼びます。ニックネームとして “The Windy City” などはありますが、LA や SF のようなアルファベット略称は通常使いません。
- San Francisco (サンフランシスコ): SF (エス・エフ) という略称が LA と同じくらいよく使われます。フルネームの “San Francisco” ももちろん使われます。ニックネームとして “Frisco” や “The City” と呼ばれることもありますが、SF が最も一般的で確実な略称です。
- Washington D.C. (ワシントンD.C.): D.C. (ディー・シー) と略すのが非常に一般的です。単に “Washington” と言うと、ワシントン州 (Washington State) と混同される可能性があるため、”D.C.” を付けるか、”Washington D.C.” とフルで言うことが多いです。
- Philadelphia (フィラデルフィア): Philly (フィリー) という愛称のような略称が非常によく使われます。フルネームよりも Philly の方が会話では多いかもしれません。
- Boston (ボストン): 略称はあまり一般的ではなく、Boston とフルネームで呼びます。
このように、都市によって略称の使われ方は様々です。慣れないうちはフルネームで言うのが最も安全ですが、よく使われる LA, SF, D.C., Philly あたりは覚えておくと便利でしょう。
さらに深く知る!アメリカ関連の英語知識
ここまで、「アメリカ」の呼び方や都市名の略称について見てきました。さらに理解を深めるために、関連する英語表現もいくつかご紹介します。
「アメリカ人」を指す言葉 (American, Yankee, etc.) のニュアンスと注意点
「アメリカ合衆国」の人々を指す最も一般的な言葉は American です。これは名詞(アメリカ人)としても、形容詞(アメリカの)としても使えます。
例文 (Examples):
He is an American. (彼はアメリカ人です。 – 名詞)
She loves American movies. (彼女はアメリカ映画が好きです。 – 形容詞)
ただし、前述の通り “America” が大陸全体を指す場合があることから、南米など他のアメリカ大陸の国の人々の中には、”American” という言葉が「アメリカ合衆国」の国民だけを指すことに、やや否定的な感情を持つ人もいる点には留意が必要です(彼らもまた “American” (アメリカ大陸の住人) であるため)。しかし、一般的には “American” = 「アメリカ合衆国(出身)の」という意味で広く受け入れられています。
他に Yankee (ヤンキー) という言葉を聞いたことがあるかもしれません。この言葉は非常に文脈依存的で、注意が必要な言葉です。
- アメリカ国外: しばしばアメリカ人全体に対する軽蔑的・侮蔑的な呼称として使われます。”Yankee go home!” (ヤンキー帰れ!) のような使われ方です。
- アメリカ国内 (特に南部): 元々は北部出身者を指す言葉で、南北戦争の名残から、南部の人々が北部の人々を指して使うことがあります。必ずしも侮蔑的ではありませんが、部外者が使うと奇妙に聞こえる場合があります。
- アメリカ国内 (スポーツ): New York Yankees (ニューヨーク・ヤンキース) というメジャーリーグの球団名として非常に有名です。この文脈では全くネガティブな意味はありません。
結論として、自ら “Yankee” という言葉を使ってアメリカ人を指すのは避けた方が無難です。最も中立的で一般的なのは American です。
アメリカの州名の英語略称一覧 (主要州)
アメリカは50の州 (State) から成り立っています。それぞれの州には、郵便などで使われる2文字の公式略称 (Postal Abbreviation) があります。いくつか主要な州の例を見てみましょう。
州名 (State Name) | 2文字略称 (Abbreviation) | 主要都市 (Major City) |
---|---|---|
California | CA | Los Angeles (LA), San Francisco (SF), San Diego |
New York | NY | New York City (NYC), Buffalo |
Texas | TX | Houston, Dallas, Austin |
Florida | FL | Miami, Orlando |
Illinois | IL | Chicago |
Pennsylvania | PA | Philadelphia (Philly), Pittsburgh |
Washington | WA | Seattle |
Massachusetts | MA | Boston |
Nevada | NV | Las Vegas |
Hawaii | HI | Honolulu |
住所を書く際や、場所を簡潔に示す際によく使われます。旅行の際などに目にすることも多いでしょう。
「北米」「南米」はどう言う? (North America, South America)
最後に、地理的な「アメリカ大陸」の英語表現を確認しておきましょう。
- North America (北アメリカ): カナダ、アメリカ合衆国、メキシコなどを含む大陸。
- South America (南アメリカ): ブラジル、アルゼンチン、ペルーなどを含む大陸。
- Central America (中央アメリカ/中米): 地理的には North America の一部ですが、文化的に区別されることが多い地域。グアテマラ、コスタリカなど。
- Latin America (ラテンアメリカ): メキシコ以南の、主にスペイン語やポルトガル語が話されるアメリカ大陸の国々を指す文化的な区分。
- The Americas (アメリカ大陸): North America と South America を合わせた大陸全体を指す場合に使われる表現。
このように、地理的な範囲や文化的な区分によって様々な表現があります。「アメリカ合衆国」とこれらの表現を混同しないように注意しましょう。
まとめ:これで完璧!「アメリカ」の英語表現を自信を持って使いこなそう
今回は、私たちが普段何気なく使っている「アメリカ」という言葉の、英語での正しい呼び方やニュアンスの違いについて、深く掘り下げてきました。
最後に重要なポイントをまとめます。
おさらい:アメリカの英語表現 使い分けのポイント
- “America” は地理的な「アメリカ大陸」を指したり、政治的・文化的な強い意味合いを持つことがある。
- 日常会話で「アメリカ合衆国」を指す場合、ネイティブは “the States” (カジュアル) や “the U.S.” (標準的・万能) を使うことが多い。
- “USA” はスポーツ、ブランド、公式リストなどでよく使われ、力強い響きを持つ。
- 正式名称 “the United States of America” は非常にフォーマルな場面限定。
- 「ロサンゼルス」の略称は「ロス」ではなく “LA”。
- 「ニューヨーク」は会話では “New York” / “New York City” が一般的 (NYC は書き言葉など)。
- 「アメリカ人」は “American” が最も一般的で無難 (“Yankee” は注意)。
これらの違いを理解し、文脈に合わせて適切な表現を選ぶことで、あなたの英語はより自然で、ネイティブスピーカーに近いものになります。自信を持ってコミュニケーションが取れるよう、ぜひ実際の会話やライティングで使ってみてくださいね。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、意識して使い分けるうちに、きっと自然に身についていくはずです。Good luck!