英語で「なぜ?」に完璧に答える!理由・原因を伝える表現マスターガイド決定版|ネイティブ級の使い分け術

  1. 英語勉強・基本

英語で「なぜ?」に完璧に答える!理由・原因を伝える表現マスターガイド決定版|ネイティブ級の使い分け術

「どうしてそうなったの?」「なぜそう思うの?」日常会話からビジネスシーンまで、私たちは常に理由を尋ね、理由を説明する必要に迫られます。英語でこの「理由」を的確に、そして相手に誤解なく伝える能力は、円滑なコミュニケーションを築き、深い信頼関係を育む上で欠かせないスキルです。単に “because” を繰り返すだけでは、あなたの思考の深さやニュアンスは伝わりません。この記事では、基本的な表現からフォーマルな言い回し、さらにはネイティブスピーカーが使い分ける細かなニュアンスまで、英語の「理由・原因」を伝える表現を網羅的に解説します。8000字を超えるボリュームで、あなたの英語表現力を飛躍的に向上させるヒントが満載です。さあ、理由を伝える英語の達人を目指しましょう!

レッスンの内容

なぜ英語で「理由」を的確に伝えるスキルが不可欠なのか?

コミュニケーションにおいて、「理由」を明確にすることは、単に情報を伝達する以上の意味を持ちます。それは相手に対する配慮であり、自身の思考プロセスを共有する行為でもあります。ここでは、なぜ英語で理由を的確に伝えるスキルがそれほど重要なのか、その核心に迫ります。

コミュニケーションを円滑にする「理由」の力

私たちが誰かと対話する際、相手の言動や意見に対して「なぜ?」という疑問を抱くのは自然なことです。その疑問に対して明確な理由が示されることで、納得感が生まれ、会話はスムーズに進行します。例えば、会議で新しい提案をする際、その提案に至った背景や理由を具体的に説明すれば、他の参加者は提案の意図を理解しやすくなり、建設的な議論へと発展するでしょう。逆に理由が曖昧だと、不信感や混乱を招きかねません。

  • 相手の理解を助け、誤解を減らす。
  • 議論を深め、より良い結論を導く。
  • 共感や協力を得やすくなる。

このように、理由を伝えることは、コミュニケーションの潤滑油としての役割を果たすのです。

誤解を防ぎ、信頼を築く論理的な説明

特に異文化間コミュニケーションにおいては、価値観や常識が異なるため、行動や意見の背後にある理由を丁寧に説明することが極めて重要です。日本では「言わなくてもわかる」という暗黙の了解が通用する場面もありますが、英語圏では論理的で明確な説明が好まれます。理由をきちんと述べることで、「この人は筋道を立てて物事を考える人だ」「誠実に対応してくれる人だ」という印象を与え、相手からの信頼を得やすくなります。逆に、理由の説明を怠ると、無責任、あるいは何かを隠していると誤解されるリスクすらあります。

例:納期遅延を報告する際に、「The shipment will be delayed.(配送が遅れます)」とだけ伝えるのではなく、「The shipment will be delayed because of unforeseen production issues at the factory. We anticipate a new delivery date of…(工場の予期せぬ生産トラブルのため、配送が遅延いたします。新しい配送予定日は…を見込んでおります)」と理由と具体的な情報を加えることで、相手の不満を和らげ、状況への理解を促すことができます。

ビジネスから日常まで広がる「理由表現」の活躍場面

理由を説明するスキルは、特定の場面に限らず、あらゆるシーンで求められます。

  • ビジネスシーン: 交渉、プレゼンテーション、報告書作成、顧客対応、部下への指示など。
  • アカデミックシーン: 論文作成、ディベート、研究発表など。
  • 日常生活: 友人との会話、意見交換、家族への説明、招待を断る際など。

これらの場面で適切な理由表現を使い分けることができれば、あなたの英語コミュニケーション能力は格段に向上し、より豊かで実りある人間関係を築くことができるでしょう。

辞書でbecauseの単語が開かれており、例文の吹き出しが添えられている学術的なイメージ

基本的な「なぜなら」の表現は、英語コミュニケーションの土台です。

基本の「なぜなら」を徹底攻略!because, so, as, since の正しい理解と使い方

英語で理由を述べる際、まず頭に浮かぶのは “because” かもしれません。しかし、それ以外にも “so”, “as”, “since” といった基本的な単語があり、それぞれが持つニュアンスや使われる文脈が異なります。これらの使い分けをマスターすることが、自然で論理的な英語表現への第一歩です。

“because” – 最も万能な理由の表現とそのバリエーション

“because” は、理由や原因を直接的かつ明確に示したいときに使われる最も一般的な接続詞です。会話でも書き言葉でも幅広く用いられ、Why疑問文への応答としても定番です。

文頭・文中・文末での使い方とニュアンス

“because” は文の様々な位置に置くことができますが、それによってニュアンスが若干変わることがあります。

  • 文頭 (Because + 理由節, + 結果節): 理由を特に強調したい場合に使われます。理由節の終わりにはコンマが必要です。
    Example: Because it was raining heavily, we decided to cancel the picnic.
    (雨が激しく降っていたので、私たちはピクニックを中止することにしました。)
  • 文中 (結果節 + because + 理由節): 最も一般的な形で、結果の後に理由を続けます。この場合、通常 “because” の前にコンマは不要です。
    Example: I didn’t go to the party because I was feeling unwell.
    (気分が悪かったので、パーティーには行きませんでした。)
  • 文末 (理由のみを答える場合): Whyで聞かれたことに対し、理由だけを簡潔に述べる際に使います。
    Example: A: Why are you late? B: Because the train was delayed.
    (A: なぜ遅れたのですか? B: 電車が遅れたからです。)

“because of” との違いと名詞との連携

“because” が接続詞として後に「主語 + 動詞」を含む節を導くのに対し、“because of” は前置詞句であり、後には名詞(句)が続きます。「〜が原因で」「〜のために」という意味を表します。

Incorrect: The game was postponed because the bad weather.
Correct: The game was postponed because of the bad weather.
(悪天候のため、試合は延期されました。)
Correct (using “because”): The game was postponed because the weather was bad.
(天気が悪かったので、試合は延期されました。)

“It’s because…” 構文の活用シーン

相手の発言や状況を受けて、「それは〜だからだ」と理由を明確に提示する際に “It’s because…” という形がよく使われます。この “It” は前の文脈全体を指します。

Example:
A: You seem very happy today.
B: It’s because I passed my exam!
(A: 今日はとても嬉しそうですね。 B: 試験に合格したからです!)

“because” の使い方一つとっても、文脈や強調したいポイントによって形を選ぶことが大切です。多くの例文に触れ、その感覚を掴んでいきましょう。

“so” – 結果を強調する「だから」の自然な使い方

“so” は「だから」「それで」という意味で、前に述べられた理由や状況から導かれる結果を示します。主に会話で使われ、話の流れをスムーズにつなぐ役割を果たします。

“because” との決定的な違いと文構造

“because” が理由を導入するのに対し、”so” は結果を導入します。つまり、情報の順序が逆になります。

  • Because: [理由], [結果]. または [結果] because [理由].
  • So: [理由/状況], so [結果].

Example with “because”:
Because I studied hard, I passed the test.
I passed the test because I studied hard.
(一生懸命勉強したので、テストに合格しました。)

Example with “so”:
I studied hard, so I passed the test.
(一生懸命勉強しました。だからテストに合格しました。)

“so” を使うと、話が自然な流れで結果へと進む印象を与えます。

会話でのスムーズな繋ぎ言葉としての “so”

“so” は単に結果を示すだけでなく、会話の冒頭で話を切り出したり、前の話題を受けて新しい展開に繋げたりする際にもよく使われます。「ええと」「それでね」といったニュアンスです。

Example:
A: It’s really hot today, isn’t it?
B: Yeah. So, what are you planning to do this afternoon?
(A: 今日は本当に暑いですね。 B: ええ。それで、今日の午後は何をする予定ですか?)

“so” は非常に用途の広い単語ですが、理由と結果の関係を意識して使うことが重要です。

“as” と “since” – フォーマルさと既知の理由を示すニュアンス

“as” と “since” も理由を示す接続詞ですが、”because” よりもややフォーマルな響きを持ちます。また、聞き手が既に知っている情報や、自明の理由を述べる際に使われることが多いのが特徴です。理由そのものよりも、そこから導かれる主節の内容に焦点が置かれます。

文脈で使い分ける “as” の多義性

“as” は理由以外にも「〜とき」「〜につれて」「〜のように」など多くの意味を持つため、文脈から判断する必要があります。理由を示す “as” は、比較的軽い、補足的な理由を提示する際に使われる傾向があります。

Example (Reason):
As it’s getting late, I think I should go home.
(遅くなってきたので、もう帰った方がいいと思います。)
Example (Time):
He arrived as I was leaving.
(私が出かけるときに彼が到着した。)

理由を強調したい場合は “because” を使う方が明確です。

“since” が持つ時間的経過と理由の二重の意味

“since” も「〜以来」という時間的な意味と、「〜なので」という理由の意味を持ちます。理由を示す “since” は、聞き手が納得しやすい、あるいは既に知っているであろう前提を理由として述べる場合に適しています。

Example (Reason):
Since everyone is here, let’s start the meeting.
(全員揃っていますので、会議を始めましょう。)
Example (Time):
I haven’t seen him since last year.
(昨年以来、彼に会っていません。)

ビジネス文書やアカデミックな場面での活用例

“as” や “since” は、”because” よりも客観的で控えめな印象を与えることがあるため、ビジネスレターや報告書、学術論文などで好んで使われることがあります。ただし、理由を明確に主張したい場合は、やはり “because” が最も直接的です。

ビジネスメールの例:
As you requested, I have attached the revised proposal.
(ご要望の通り、修正案を添付いたしました。)
Since the deadline is approaching, we kindly ask for your prompt attention to this matter.
(締め切りが近づいておりますので、本件につきまして迅速なご対応をお願い申し上げます。)

これらの基本表現をしっかりと押さえることで、より nuanced (ニュアンスに富んだ) な理由説明が可能になります。

日常会話が弾む!カジュアルな「理由・原因」の英語フレーズ集

友人や家族とのリラックスした会話では、よりくだけた表現が自然です。ここでは、日常的によく使われるカジュアルな理由・原因のフレーズを見ていきましょう。これらを使いこなせれば、あなたの英会話はもっとスムーズで生き生きとしたものになるはずです。

“that’s why” – 「そういうわけで」と納得感を示す便利な一言

“that’s why” は「それが理由で〜だ」「だから〜なのだ」という意味で、前の文脈で述べられた事柄を受けて、その結果や結論を導く際に使われます。”that is the reason why” の省略形と考えると理解しやすいでしょう。相手に「なるほど、そういうことか」と納得感を与える効果があります。

Example:
A: I didn’t sleep well last night.
B: Ah, that’s why you look so tired.
(A: 昨夜あまり眠れなかったんだ。 B: ああ、だからそんなに疲れた顔をしているんだね。)

会話の相槌としても非常に便利で、相手の話をよく聞いていることを示すこともできます。

ポイント: “that’s why” の後には、結果を表す文(主語+動詞)が続きます。前の文で理由が述べられ、”that’s why” でそれを受けて結果を繋げるという流れを意識しましょう。

“‘cause / cuz / cos” – くだけた会話の定番短縮形

“‘cause” (または cuz, cos) は “because” の非常にカジュアルな短縮形です。友人同士の会話やSNSのコメントなど、インフォーマルな場面で頻繁に使われます。発音も短く「カズ」や「コズ」のように聞こえます。書き言葉としては、フォーマルな文書やビジネスメールでは避けるべきですが、親しい間柄のメッセージでは問題ありません。

Example:
A: Why didn’t you come to the party?
B: ‘Cause I had to study for an exam.
(A: なんでパーティーに来なかったの? B: 試験勉強しなきゃいけなかったからだよ。)

Example (SNS):
Can’t make it tonight, cuz I’m feeling a bit sick. 😞
(今夜は行けないや、ちょっと気分が悪いんだ。😞)

これらの短縮形を知っていると、ネイティブの早い会話が聞き取りやすくなるというメリットもあります。

“The reason (why) is that…” – 少し丁寧に理由を切り出す時

“The reason is that…” や “The reason why … is that…” は、「その理由は〜ということです」と、理由を少し強調して、あるいは改めて説明したいときに使われる表現です。”because” 単体よりも少し丁寧な印象を与えます。日常会話でも使われますが、”because” よりは少し改まったニュアンスです。

Example:
I decided to change my job. The reason is that I wanted to try something new.
(転職することにしました。その理由は、何か新しいことに挑戦したかったからです。)

“The reason why … is because …” という形も耳にすることがありますが、文法的には “The reason is that…” または “The reason why … is…” の方がより正確だとされています。ただし、会話では “reason is because” も許容される傾向にあります。

“and” を使った間接的な理由の示唆

接続詞の “and” は、直接的な理由を示すわけではありませんが、文脈によっては「そしてその結果として」というニュアンスを含み、間接的に理由を示唆することがあります。これは特に、ある行動を促すような場合に用いられます。

Example:
Study hard, and you will pass the exam.
(一生懸命勉強しなさい、そうすれば試験に合格するでしょう。)
この文は、「もし一生懸命勉強すれば(理由)、試験に合格するだろう(結果)」という意味合いを含んでいます。

Take this medicine, and you’ll feel better soon.
(この薬を飲みなさい、そうすればすぐによくなりますよ。)

このように、”and” が命令文や提案の後に続く場合、前の行動が望ましい結果を引き出す「理由」となることを暗示します。非常に自然な言い回しの一つです。

ビジネスパーソンが会議でグラフを指し示しながら説得力のある説明をしているフォーマルなシーン

フォーマルな場面では、より精緻な理由表現が求められます。

知的で説得力が増す!フォーマルな「理由・結果」の英語表現

ビジネス文書、学術論文、公式なスピーチなど、フォーマルな場面では、より正確で論理的な言葉遣いが求められます。ここでは、そうした状況で「理由」や「結果」を効果的に伝えるための洗練された英語表現を紹介します。これらの表現を使いこなすことで、あなたの意見や主張はより知的で説得力のあるものになるでしょう。

“therefore” – 論理的な帰結を示す「それゆえに」

“therefore” は、前に述べた事柄から論理的に導かれる結論や結果を示す際に使われる副詞です。「それゆえに」「したがって」と訳され、フォーマルな文脈で非常によく用いられます。文頭、文中、文末に置くことができますが、文頭やセミコロンの後で使われることが多いです。

文頭: The company has invested heavily in new technology. Therefore, productivity is expected to increase significantly.
(その会社は新技術に多額の投資をしました。それゆえに、生産性の大幅な向上が期待されます。)
セミコロンの後: The evidence was overwhelming; therefore, the jury found the defendant guilty.
(証拠は圧倒的でした。したがって、陪審は被告を有罪と判断しました。)
文中 (コンマで挟む): She is an expert in this field and has, therefore, been asked to lead the project.
(彼女はこの分野の専門家であり、それゆえ、プロジェクトのリーダーを依頼されました。)

“therefore” は、明確な因果関係を示し、論理的な流れを強調するのに役立ちます。

“consequently” – 直接的な結果を強調する「その結果として」

“consequently” は「その結果として」「結果的に」という意味で、ある出来事や行動が直接引き起こした結果を示す際に使われます。”therefore” と似ていますが、”consequently” の方がより直接的な結果や影響を強調するニュアンスがあります。これもフォーマルな表現です。

Example:
He overslept this morning. Consequently, he was late for the important meeting.
(彼は今朝寝坊しました。その結果として、重要な会議に遅刻しました。)

The company failed to secure enough funding. Consequently, the new project had to be abandoned.
(その会社は十分な資金を確保できませんでした。結果的に、新しいプロジェクトは中止せざるを得ませんでした。)

“consequently” は、特にネガティブな結果や予期せぬ結果を述べる際にもよく用いられます。

“hence” と “thus” – やや硬いが簡潔な「したがって」

“hence” と “thus” は、”therefore” と同様に「したがって」「それゆえに」という意味を表すフォーマルな副詞です。これらは “therefore” よりもさらに硬い、あるいは文語的な響きを持ち、特に学術論文や非常に改まったビジネス文書で見られます。しばしば簡潔さを好む文脈で使われます。

  • Hence: しばしば未来の結果や含意を示唆する際に使われます。「ここから〜ということになる」というニュアンスも持ちます。
    Example: The customer base has expanded rapidly, hence the need for more support staff.
    (顧客基盤が急速に拡大しました。したがって、より多くのサポートスタッフが必要となります。)
  • Thus: しばしば「このようにして」「かくして」という意味合いも持ち、直前の記述をまとめる形で結論を導く際に使われます。
    Example: The experiment was repeated multiple times with consistent results, thus confirming our initial hypothesis.
    (その実験は一貫した結果で複数回繰り返され、このようにして我々の初期仮説が確認されました。)

“hence” や “thus” は、日常会話ではほとんど使われませんが、格調高い文章を書く際には有効な選択肢となります。

“accordingly” – 状況に応じた対応を示す「それに応じて」

“accordingly” は「それに応じて」「状況に合わせて」「したがって」という意味で、前に述べられた状況や理由に基づいて、それにふさわしい行動や対応が取られたことを示す際に使われます。他の結果を示す副詞と比べて、「適切な対応」というニュアンスが強いのが特徴です。

Example:
The client requested several changes to the design. We revised the plan accordingly.
(クライアントはデザインにいくつかの変更を要求しました。私たちはそれに応じて計画を修正しました。)

The weather forecast predicted heavy rain, so they planned their outdoor event accordingly.
(天気予報は大雨を予測していたので、彼らはそれに応じて屋外イベントを計画しました。)

これらの副詞の文中での正しい配置と句読点

“therefore”, “consequently”, “hence”, “thus”, “accordingly” などの接続副詞は、文中で使う際の位置と句読点に注意が必要です。

  • 文頭: 副詞の後にコンマを置きます。(例: Therefore, we decided…
  • 接続詞の後 (and, but など): 副詞の後にコンマを置きます。(例: …and, therefore, we decided…
  • セミコロンの後: 前の文と密接に関連する独立した文を繋ぐ場合、セミコロンの後に置き、その後にコンマを続けます。(例: The costs were too high; consequently, the project was cancelled.
  • 文中 (主語と動詞の間など): 副詞の前後にコンマを置きます。(例: The team, thus, achieved its goal.

これらのフォーマルな表現を正しく使うことで、あなたの英語はより論理的で洗練されたものになります。文脈に応じて適切なものを選び、説得力のあるコミュニケーションを目指しましょう。

原因と結果を明確に!前置詞・前置詞句による理由の表現

これまで見てきた接続詞や副詞の他に、前置詞や前置詞句を使って理由や原因を示すこともできます。これらの表現は、後に名詞や名詞句が続くのが特徴です。具体的で簡潔な理由提示に役立ちます。

“due to” と “owing to” – ネガティブな原因を示すフォーマル表現

“due to” と “owing to” は、どちらも「〜が原因で」「〜のために」という意味を表し、特に好ましくない結果やネガティブな状況の原因を示す際に使われることが多い、ややフォーマルな表現です。後には名詞(句)が続きます。

“due to” の後に名詞が続く形

“due to” は、伝統的には形容詞句として機能し、「〜に起因する」という意味で be動詞の後に置かれたり、名詞を修飾したりすることが多いとされてきました。しかし現代英語では、文頭で副詞句的に「〜のために」という意味で使われることも一般的になっています。

Example (be動詞の後):
The delay was due to mechanical failure.
(その遅延は機械の故障が原因でした。)

Example (文頭):
Due to heavy fog, most flights have been cancelled.
(濃霧のため、ほとんどのフライトが欠航となっています。)

“owing to” の書き言葉としての特徴

“owing to” も「〜のために」「〜が原因で」という意味で “due to” とほぼ同義ですが、一般的に “due to” よりも書き言葉で使われる傾向があり、文頭で副詞句として使われることが多いです。

Example:
Owing to a lack of funding, the research project could not continue.
(資金不足のため、その研究プロジェクトは継続できませんでした。)

使い分けのポイント: “due to” と “owing to” は非常に似ていますが、迷った場合は “due to” の方がやや幅広く使えます。”owing to” は少し硬い印象を与えることがあります。

“thanks to” – ポジティブな理由・おかげを示す表現

“thanks to” は「〜のおかげで」「〜のせいで(皮肉も込めて)」という意味で、良い結果をもたらした原因や理由を示す際に使われます。ポジティブなニュアンスが基本ですが、皮肉を込めてネガティブな状況に使うこともあります。

Example (Positive):
Thanks to your help, we were able to finish the project on time.
(あなたのおかげで、私たちはプロジェクトを時間通りに終えることができました。)

Example (Ironic/Negative):
Thanks to the traffic jam, I missed my flight.
(交通渋滞のせいで、飛行機に乗り遅れたよ。)

文脈からポジティブかネガティブかを判断する必要があります。

“as a result of” – 中立的な「〜の結果として」

“as a result of” は「〜の結果として」という意味で、ある出来事や行動が引き起こした結果を中立的に示す際に使われます。ポジティブ、ネガティブどちらの結果にも使え、比較的フォーマルな表現です。

Example:
As a result of the new marketing strategy, sales have increased by 20%.
(新しいマーケティング戦略の結果として、売上が20%増加しました。)

He lost his job as a result of the company’s restructuring.
(彼は会社のリストラの結果として職を失いました。)

“caused by” – 直接的な原因を示す「〜によって引き起こされた」

“caused by” は、「〜によって引き起こされた」という意味で、特定の結果が何によって直接もたらされたのかを明確に示す受動態の表現です。問題や損害の原因を特定する際によく使われます。

Example:
The widespread power outage was caused by a severe storm.
(広範囲にわたる停電は、激しい嵐によって引き起こされました。)

Many health problems are caused by a poor diet and lack of exercise.
(多くの健康問題は、不適切な食事と運動不足によって引き起こされます。)

これらの前置詞・前置詞句は、文を簡潔にし、原因と結果の関係を明確にするのに役立ちます。後に続くのが名詞句である点をしっかり意識して使いましょう。

様々なアイコンや矢印が絡み合い、コミュニケーションの複雑さと多様な表現の必要性を示唆する抽象的なイメージ

理由を伝える表現の使い分けは、コミュニケーションの鍵となります。

英語の理由説明で失敗しない!ネイティブが教える使い分けの秘訣と注意点

これまで多くの理由・原因を示す英語表現を見てきましたが、それらを効果的に使い分けるには、単語の意味だけでなく、ニュアンスや文脈を理解することが不可欠です。ここでは、ネイティブスピーカーがどのようにこれらの表現を使い分けているのか、そして英語で理由を説明する際に陥りがちな罠を避けるための秘訣と注意点を解説します。

ポジティブな理由 vs ネガティブな理由 – 表現選びのポイント

理由の内容がポジティブかネガティブかによって、適した表現が異なります。

  • ポジティブな理由・結果:
    • thanks to“: 「〜のおかげで」と感謝の意を込めて。
    • “because”, “so”, “as”, “since” なども中立的に使えますが、文脈でポジティブな結果を導けます。
  • ネガティブな理由・結果:
    • due to“, “owing to“: しばしば問題や困難の原因を示します。
    • unfortunately, because…“: 「残念ながら〜という理由で」と明確にネガティブな状況を伝える。
    • “The accident happened as a result of negligence.” (怠慢の結果として事故が起きた) のように、”as a result of” もネガティブな文脈で使われます。

例えば、「彼の努力のおかげで成功した」なら “Thanks to his efforts, we succeeded.” が自然ですが、「彼の怠慢が原因で失敗した」なら “We failed due to his negligence.” や “His negligence caused us to fail.” の方が適切です。

理由の「強さ」と「直接性」で変わる単語選び

理由の述べ方には、その理由がどれだけ直接的で強い影響力を持つかによって、使うべき単語が変わってきます。

  • 直接的で強い理由: “because” は最も直接的です。”The primary reason is…” (主な理由は…) や “This is directly caused by…” (これは直接〜によって引き起こされる) のように、強調する言葉と組み合わせることもあります。
  • 間接的、あるいは補足的な理由: “as” や “since” は、聞き手が既に知っているか、それほど重要ではない背景情報として理由を提示する際に使われることがあります。
  • 結果を強調したい場合: “so”, “therefore”, “consequently” などは、理由よりもその結果に焦点を当てます。

例えば、会議に遅刻した理由を説明する際、単に「電車が遅れた」という事実だけなら “I’m late because the train was delayed.” で十分ですが、その遅延が予測不可能で非常に深刻だったことを伝えたい場合は、詳細を付け加えるか、言葉を選んで強調する必要があります。

誤解を生みやすい “because” の多義的な解釈とその回避策

元原稿でも触れられていたように、”I don’t like her because she’s rich.” のような文は、「彼女が金持ちだから好きではない」とも「金持ちだからという理由で彼女を好きなわけではない(他の理由で好きだ)」とも解釈できてしまいます。このような曖昧さを避けるには、以下のような工夫が有効です。

  • 文を分ける: “I don’t like her. It’s because she’s rich.” (彼女が好きではない。それは彼女が金持ちだからだ。)
  • 理由を先に述べる: “Because she’s rich, I don’t like her.” (彼女が金持ちだから、彼女が好きではない。)
  • “not just because” / “it’s not because” を使う:
    I like her, but it’s not just because she’s rich.” (彼女が好きだが、それは単に彼女が金持ちだからというだけではない。)
    I don’t dislike him just because he made a mistake.” (彼がミスをしたからというだけで彼を嫌いなわけではない。)

明確なコミュニケーションのためには、誤解の余地を減らす努力が重要です。

“so that” を用いた「目的」と「結果」の表現

“so that” は「〜するために」(目的)や、「その結果として〜できるように」(結果)という意味で使われる接続詞句です。理由と似ていますが、未来の行動や意図、あるいはある行動がもたらす結果や可能性を示します。”that” は省略されることもあります。

目的 (can/will/may を伴うことが多い):
I study English every day so that I can communicate with people from different countries.
(異文化の人々とコミュニケーションが取れるように、毎日英語を勉強しています。)
He spoke slowly so that everyone could understand him.
(皆が理解できるように、彼はゆっくり話しました。)

結果 (特に書き言葉で、過去形と結びつくことも):
She saved money diligently for years, so that eventually she could buy her own house.
(彼女は何年も熱心に貯金し、その結果ついに自分の家を買うことができた。)

“so that” は、単なる理由だけでなく、行動の意図やそれが目指す結果を伝えたい場合に非常に有効です。

主観的な理由 vs 客観的な事実 – ニュアンスの違いを出す

理由を述べる際、それが個人的な意見や感情に基づくものなのか、それとも客観的な事実に基づくものなのかによって、表現の仕方にニュアンスの違いが出ます。

  • 主観的な理由: “I think…”, “I feel…”, “In my opinion, it’s because…” などの表現を伴うことが多いです。
    I didn’t enjoy the movie because, personally, I found the plot too complicated.” (個人的にプロットが複雑すぎると感じたので、その映画は楽しめませんでした。)
  • 客観的な事実に基づく理由: “The data shows that…”, “It is a well-known fact that…”, “Evidence suggests…” などの表現や、より直接的な因果関係を示す言葉 (caused by, due to など) が使われます。
    The project was delayed due to unforeseen technical difficulties documented in the report.” (報告書に記録されている予期せぬ技術的困難が原因で、プロジェクトは遅延しました。)

自分の主張の根拠が主観的なものか客観的なものかを意識し、適切な言葉を選ぶことで、より説得力のある説明が可能になります。

シーン別実践トレーニング!理由を述べる英語表現の応用

これまでに学んだ様々な理由・原因の表現を、実際のコミュニケーションシーンでどのように活かせるかを見ていきましょう。ビジネスメールから日常会話まで、具体的な場面を想定して、効果的なフレーズの使い方を練習します。

ビジネスメールで失礼なく理由を伝えるフレーズ

ビジネスメールでは、明確さ、丁寧さ、そしてプロフェッショナリズムが求められます。理由を伝える際も、相手に失礼な印象を与えないよう配慮が必要です。

依頼を断る際の理由:
“Thank you for your invitation. Unfortunately, I will be unable to attend due to a prior commitment that day.”
(ご招待ありがとうございます。残念ながら、その日は先約がございまして出席することができません。)
“We appreciate your proposal. However, after careful consideration, we have decided not to proceed at this time as it does not align with our current strategic priorities.
(ご提案ありがとうございます。しかしながら、慎重に検討した結果、現状の我々の戦略的優先事項と合致しないため、今回は見送らせていただくことになりました。)

遅延や問題発生の理由:
“Please accept our apologies for the delay in shipment. This was caused by unexpected logistical issues with our supplier.”
(発送遅延につきまして、深くお詫び申し上げます。これは、弊社の供給業者における予期せぬ物流問題が原因でございました。)
“We are writing to inform you that there will be a slight adjustment to the project timeline. The reason for this is the recent change in project scope requested by the client.”
(プロジェクトのスケジュールに若干の調整が生じますことをお知らせいたします。この理由は、クライアント様から要求された最近のプロジェクト範囲の変更によるものです。)

ポイントは、具体的かつ簡潔に、そして可能な限り客観的な理由を述べることです。感情的な表現は避け、解決策や今後の対応についても触れると、よりプロフェッショナルな印象を与えます。

プレゼンテーションで聴衆を納得させる論理的な説明法

プレゼンテーションでは、聴衆を説得し、提案や分析に納得してもらうために、論理的な理由付けが不可欠です。フォーマルな接続詞や副詞を効果的に使いましょう。

“Our sales figures have shown a steady increase over the past quarter. This is primarily because of our new targeted marketing campaign. Therefore, we propose to allocate more budget to this initiative.”
(当社の売上高は過去四半期にわたり着実な増加を示しています。これは主に、新たなターゲットマーケティングキャンペーンによるものです。したがって、この取り組みにより多くの予算を割り当てることを提案します。)

“As you can see from the data, customer satisfaction has declined slightly. We believe this is due to recent changes in our support system. Consequently, we are implementing immediate measures to address these concerns.”
(データからご覧いただけるように、顧客満足度がわずかに低下しています。これは、最近のサポートシステムの変更が原因であると考えております。その結果として、これらの懸念に対処するための即時措置を実施しています。)

理由 (Evidence/Reason) → 主張 (Claim) → 結論 (Conclusion/Proposal) という流れを意識し、”therefore”, “consequently”, “thus”, “hence” といった言葉で論理的な繋がりを明確にすると、説得力が増します。

アカデミックライティングにおける厳密な因果関係の記述

学術論文やレポートでは、主張の根拠となる理由や、現象間の因果関係を厳密かつ客観的に記述する必要があります。曖昧な表現は避け、正確な言葉を選びましょう。

“The observed increase in temperature can be attributed to rising greenhouse gas emissions. Hence, urgent action is required to mitigate further warming.”
(観測された気温の上昇は、温室効果ガス排出量の増加に起因すると考えられる。したがって、さらなる温暖化を緩和するための緊急の行動が必要である。)
“Several studies have indicated a correlation between X and Y. This is because Z factor influences both variables. Thus, it can be posited that…”
(いくつかの研究はXとYの間の相関関係を示している。これはZ因子が両方の変数に影響を与えるためである。したがって、…と仮定することができる。)

“be attributed to” (〜に起因する), “be correlated with” (〜と相関がある), “be a contributing factor to” (〜の一因である) など、因果関係や関連性を示す専門的な表現も活用しましょう。

日常の雑談でスムーズに「どうして?」に答えるコツ

友人とのカジュアルな会話では、あまり堅苦しくならず、自然に理由を伝えることが大切です。短く、分かりやすい表現を心がけましょう。

A: You look happy! What’s up?
B: I just got a promotion at work! That’s why I’m so cheerful.
(A: 嬉しそうだね!何かあった? B: 仕事で昇進したんだ!だからこんなにご機嫌なのさ。)

A: Why are you learning Japanese?
B: ‘Cause I’m planning to visit Japan next year, and I really want to be able to talk to local people.
(A: どうして日本語を勉強しているの? B: 来年日本に行く予定で、現地の人と話せるようになりたいからだよ。)

A: Sorry I’m late.
B: No problem. What happened?
A: My alarm didn’t go off. So, I overslept.
(A: 遅れてごめん。 B: 大丈夫だよ。どうしたの? A: 目覚ましが鳴らなかったんだ。それで寝坊しちゃって。)

“‘cause”, “so”, “that’s why” などをスムーズに使いこなし、会話のリズムを止めないようにすることがポイントです。時にはジェスチャーや表情も理由を伝える助けになります。

まとめ:理由を伝える英語力を磨き、コミュニケーションの達人へ

この記事では、英語で「理由」や「原因」を伝えるための多様な表現を、基本的なものからフォーマルなもの、カジュアルな言い回しまで幅広く掘り下げてきました。 “because” の奥深い使い方から、”therefore”, “consequently” といった洗練された接続副詞、さらには “due to”, “thanks to” のような便利な前置詞句まで、それぞれのニュアンスと適切な使用シーンを理解いただけたことと思います。

理由を的確に伝える能力は、単に語彙力があるというだけでなく、論理的思考力と相手への配慮を示すコミュニケーションスキルの中核です。なぜそう考えるのか、なぜその行動を取るのかを明確にすることで、誤解を防ぎ、信頼関係を築き、より建設的な対話を生み出すことができます。

重要なのは、これらの表現をただ暗記するだけでなく、実際の会話や文章作成の中で積極的に使ってみることです。最初はぎこちなくても、繰り返し実践するうちに、自然と文脈に合った言葉が選べるようになるでしょう。特に、

  • 理由の種類(ポジティブかネガティブか)
  • 理由の強さ直接性
  • 会話のフォーマル度(ビジネスか日常か)
  • 伝えたいニュアンス(客観的事実か主観的意見か)

これらを意識することで、あなたの英語表現はより豊かで、説得力のあるものへと進化していくはずです。このガイドが、あなたが英語でのコミュニケーション能力をさらに高め、国際的な舞台で自信を持って意見を発信するための一助となれば幸いです。

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オリビア (Olivia) この記事を書いた人

英語講師として10年以上の指導経験を持つ。イギリスにルーツを持ち、多様な文化背景を活かした視点からの英語指導が得意。実践的な英会話力の育成はもちろん、丁寧な発音・文法指導で学習者の目標達成をサポートすることに情熱を注ぐ。
自身の経験に基づき、キャリアアップや異文化理解に繋がる英語学習のヒント、言語を通したコミュニケーションの魅力などを発信していく。モットーは「楽しく、着実に」。教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

  
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