旅先や留学先で体調を崩したとき、いちばん困るのは「どこがどう悪いのか」を言葉にできないことです。胃のあたりを押さえてみても、それが痛みなのか、吐き気なのか、重苦しいだけなのかは相手に伝わりません。

逆に、単語をひとつ知っているだけで診察が一気に前に進むこともあります。症状を言えるかどうかは語学力より語彙の準備で決まる、というのが医療の場面の実際です。

この記事では、まず「具合が悪い」をテーマにした二つの会話から入り、そこに出てきた表現をひとつずつ確認しながら、症状の語彙と五つの文型、病院や薬局でのやりとり、相手を気遣う言い方まで広げていきます。声に出して読める形にしてありますので、口を動かしながら読み進めてください。読み終わったときには、受付から診察、薬の受け取りまでの流れを英語で一通りたどれる状態になっているはずです。

発音の確認や、実際の診察を想定したやりとりの練習まで踏み込みたい場合は、英語教室のように相手役がいる環境を併用すると、口が動くまでの時間が短くなります。まずは自分ひとりでできる範囲から始めましょう。

診察室で患者が額に手を当てながら症状を伝え、白衣の医師がメモを取りながら聞いている様子
症状を言葉にできれば、診察は驚くほどスムーズに進む
目次 [ close ]
  1. まず押さえる全体像:症状を伝える英語は「四語+五型」で足りる
  2. 会話例1:友人の具合が悪そうなとき
    1. 会話例1に出てきた語句
  3. 会話例2:症状がいくつも重なっているとき
    1. 会話例2に出てきた語句
  4. 「具合が悪い」の言い分け:feel well・feel bad・feel sick・under the weather
    1. I don't feel well. ─ もっとも汎用的
    2. I feel bad. ─ 文脈に注意が必要
    3. I feel sick. ─ 吐き気を含むことがある
    4. under the weather ─ 「なんとなく不調」
    5. sick と ill の違い
    6. 「風邪をひく」の言い方
  5. 症状を伝える五つの文型
    1. 型1:I have a + ○○ache(〜が痛い)
    2. 型2:I have a + 症状
    3. 型3:I have + 症状(a がつかないもの)
    4. 型4:I feel + 形容詞
    5. 型5:○○ hurts / My ○○ is 〜(部位を主語にする)
  6. 部位別・分野別の症状語彙
    1. 風邪・インフルエンザなどの一般的な症状
    2. 消化器の症状
    3. 頭・神経・精神の症状
    4. 呼吸器・循環器の症状
    5. 筋肉・関節・骨の症状
    6. 皮膚の症状
    7. 目・耳・歯
  7. pain・ache・sore・hurt の違いと痛みの性状
  8. 「いつから」「どのくらい」を伝える
  9. 体温と熱の伝え方
  10. 病院で聞かれる質問と答え方
    1. 受付で
    2. 診察で
    3. 診察中の指示でよく使われる表現
  11. 薬局・薬・診療科の表現
    1. 診療科の名前
  12. 相手を気遣う・休みを伝える表現
    1. 様子を尋ねる
    2. いたわる・励ます
    3. 休む連絡をする
  13. 日本語からの直訳でつまずきやすい点
  14. 発音と音読の練習メニュー
    1. 発音でつまずきやすい語
    2. 7日間の進め方の一例
  15. 短い練習ダイアログ
    1. 風邪の症状で受診する場面
    2. お腹の症状で受診する場面
    3. けが・薬局の場面
  16. よくある質問

まず押さえる全体像:症状を伝える英語は「四語+五型」で足りる

この章の要点
  • 最優先で覚えるのは「I don’t feel well.」「It hurts here.」「since yesterday」「about a 7」の四つ
  • 症状の言い方は I have a 〜ache/I have a 〜/I have 〜/I feel 〜/部位 hurts の五型に整理できる
  • 症状名・部位・いつから・どのくらいの強さ、の四情報がそろえば診察は進む

体調不良を英語で伝えるとき、覚える量は思っているより少なくて済みます。医療の場面で求められているのは流暢さではなく、症状名・場所・時間・強さという四つの情報だからです。

理由は、問診の構造が世界のどこでもほぼ共通しているからです。医師や看護師は「何が起きているか」「どこか」「いつから」「どれくらいひどいか」を順番に確認していきます。つまり、その四つに対応する言い方を持っていれば、文法が崩れていても診察は前に進みます。

具体例を挙げます。「I don’t feel well.(具合がよくありません)」「It hurts here.(ここが痛いです)」と指をさし、「Since yesterday.(昨日から)」「About a 7.(10段階で7くらい)」と続ける。これだけで、体調不良の訴え・部位・発症時期・重症度が伝わります。完璧な文より、四つの断片のほうが実戦では役に立ちます。

そのうえで、症状の言い方は五つの型に整理できます。型を知っていれば、知らない症状名に出会っても当てはめて言えるようになります。まずは会話の中で、これらの表現が実際にどう並ぶのかを見ていきましょう。

会話例1:友人の具合が悪そうなとき

この章の要点
  • What’s wrong? で声をかけ、Shall I take you to a doctor? で申し出る流れを覚える
  • 看護師の Let me check your temperature. と医師の What are your symptoms? は定番の問いかけ
  • 付き添い役・患者役・医療者役の三方向から音読すると、どの立場になっても対応できる

最初の場面は、友人の様子がおかしいことに気づき、声をかけて病院へ連れて行くところまでです。登場する立場は、あなた(付き添い)、友人(患者)、看護師、医師の四つです。

あなた(付き添い)
What’s wrong with you?(どうかしたの?)
友人(患者)
I feel bad.(気分が悪いんだ。)
あなた(付き添い)
Shall I take you to a doctor by car?(車でお医者さんまで連れて行きましょうか?)
友人(患者)
Yes, please.(うん、お願い。)
場面転換
……At a hospital……(病院にて)
看護師
Let me check your temperature.(体温を測らせてください。)
場面転換
……A moment later……(少しして)
看護師
It’s 38.0℃. You have a fever.(38度です。熱がありますね。)
医師
What are your symptoms?(どのような症状がありますか?)
友人(患者)
I have a headache and feel nauseous.(頭痛がするのと、吐き気がします。)
医師
Are you taking any medication regularly?(何か常用している薬はありますか?)
友人(患者)
No, I’m not.(いいえ、ありません。)
医師
Do you have an appetite?(食欲はありますか?)
友人(患者)
Not at all.(全くありません。)
医師
Take this pill and sleep tight.(この錠剤を飲んで、よく寝てください。)
友人(患者)
I see. Thanks.(分かりました。ありがとうございます。)

会話例1に出てきた語句

  • wrong:「悪い」。What’s wrong? で「どうかしたの?」
  • feel bad:「体調が悪い」
  • Shall I 〜?:「〜しましょうか?」
  • take+人+to 〜:「〜へ人を連れて行く」
  • Let me 〜:「私に〜させてください」
  • temperature:「温度」「体温」
  • a moment later:「少しして」
  • :degrees「度」(ディグリーズ)
  • Celsius:「セ氏」(セルシアス)
  • have a fever:「熱がある」
  • symptom:「症状」(シンプトム)
  • headache:「頭痛」(ヘッデイク)
  • nauseous:「吐き気をもよおす」(ノーシャス)
  • medication:「薬剤」
  • regularly:「定期的に」
  • appetite:「食欲」(アピタイト)
  • Not at all.:「全くない」。強い打ち消し
  • pill:「錠剤」
  • sleep tight:「熟睡する」
  • I see.:「分かりました」

この会話の価値は、四つの立場のせりふが一度に手に入ることです。自分が患者になることもあれば、付き添いとして通訳のような役をすることもあります。役を替えて三回ずつ音読すると、場面ごとの言い回しが口に残ります。

では、症状がいくつも重なっているときはどう言えばよいのでしょうか。次の会話で確認します。

会話例2:症状がいくつも重なっているとき

この章の要点
  • 複数の症状は and でつなぎ、I have 〜 と 部位 hurts を混ぜて並べればよい
  • You look pale.(顔色が悪いよ)は相手の異変に気づいたときの定番
  • インフルエンザは the flu、はやっているは be going around

次は、学習者が友人に自分の状態を訴えている場面です。頭痛、関節痛、めまい、発熱、発汗と、症状が重なっているときの並べ方が詰まっています。

友人
What’s the matter? You look pale.(どうかしたの?顔色が悪いよ。)
学習者
I feel sick. I have a headache.(具合が悪いの。頭痛がするの。)
友人
Do you?(そうなの?)
学習者
And my joints hurt. My head is spinning.(それに、関節が痛むの。頭がくらくらするわ。)
友人
Do you have a fever?(熱はある?)
学習者
Yes, I have a high fever. I have a fever with temperatures above 38 degrees Celsius. And I’m burning up and sweating.(ええ、高い熱が出ているわ。セ氏38度以上の熱があるの。身体は熱いし、汗は出るし。)
友人
That’s bad. I’ve heard the flu is going around. I’ll call the doctor.(それはまずいね。インフルエンザがはやっていると聞いている。医者に電話をしよう。)

会話例2に出てきた語句

  • condition:「状態」「体調」
  • matter:「問題」
  • pale:「(顔色などが)青白い」
  • Do you?:前文を受けて「そうなの?」と聞き返す
  • joint:「関節」
  • hurt:「痛む」
  • spin:「くるくる回る」
  • fever:「熱」
  • above 〜:「〜よりも上の」
  • degree:「度」
  • burn up:「(高熱などで)身体が燃えるようだ」
  • sweat:「汗をかく」
  • I’ve heard 〜:「〜ということを聞いた」
  • the flu:「インフルエンザ」。influenza の略で the をつける
  • be going around:「はやっている」

注目したいのは、症状の並べ方です。I have a headache.(I have 型)、My joints hurt.(部位を主語にする型)、My head is spinning.(部位+be動詞型)、I’m burning up and sweating.(状態を述べる型)が、and で自然につながっています。型をそろえる必要はないと知っておくと、話すときの心理的な負担が減ります。

注意点

インフルエンザの略語は flu と綴ります。flue は「煙突の煙道」を指すまったく別の単語です。問診票やメールで書くときに混同すると意味が通じなくなるので、綴りをセットで覚えてください。

ところで、二つの会話には I feel bad. と I feel sick. という似た表現が出てきました。この違いを放置すると、思わぬ誤解につながります。次の章で整理します。

「具合が悪い」の言い分け:feel well・feel bad・feel sick・under the weather

この章の要点
  • もっとも誤解が少ないのは I don’t feel well. / I’m not feeling well.
  • feel bad は「申し訳ない」の意味にもなるため、症状を続けて言うと安全
  • under the weather は軽い不調専用。重い病状の説明には向かない

「具合が悪い」に当たる英語は複数あり、深刻さの度合いや地域によって選び方が変わります。迷ったときの基準を先に示すと、I don’t feel well. が最も安全です。

I don’t feel well. ─ もっとも汎用的

フレーズ
I don’t feel well. / I’m not feeling well.
日本語訳
体調がよくありません。/今、調子が出ません。
使う場面
職場での申し出、ホテルのフロント、病院の受付、友人への説明。原因が分からない段階でも使える。
注意点・誤用例
×I don’t feel good at English.(体調ではなく「苦手」の意味に取られる)。体調の話なら well を使う。
発音・ニュアンス
「アイ ドンフィール ウェル」。don’t feel は続けて発音される。進行形の I’m not feeling well. は「今この瞬間」の一時的な不調を強める。

I feel bad. ─ 文脈に注意が必要

会話例1で使われている I feel bad. は「気分が悪い」「体調が悪い」の意味で通じます。ただし feel bad には「申し訳なく思う」「後ろめたい」という意味もあります。I feel bad about canceling our plans.(予定をキャンセルして申し訳ない)が典型です。

体調のことだと確実に伝えたいときは、I feel bad. I have a headache. のように具体的な症状をすぐ続けてください。症状名が一語添わるだけで、誤解の余地はなくなります。

I feel sick. ─ 吐き気を含むことがある

I feel sick. は「具合が悪い」ですが、イギリス英語圏では「吐きそう」の意味に取られることが多い表現です。アメリカ英語では「病気っぽい、調子が悪い」が中心で、吐き気を明示するなら I feel sick to my stomach. や I feel nauseous. を使います。

地域差があると知っておくと、相手が急に洗面所へ案内しようとしても慌てずに済みます。

under the weather ─ 「なんとなく不調」

フレーズ
I’m feeling a bit under the weather.
日本語訳
ちょっと体調がすっきりしません。
使う場面
風邪気味、疲れ、二日酔い、気分が沈んでいるなど、原因がはっきりしない不調。誘いを断るとき、早退を申し出るとき。
注意点
診察室で使うと軽症の印象を与えてしまう。高熱や強い痛みがあるときは症状名を直接言う。
発音・ニュアンス
「アンダ ザ ウェザ」とひと息で。a bit や a little を添えると「ちょっと」の加減が出る。語源は帆船時代、荒天で船酔いした船員が甲板の下で休んだ状況に由来すると言われる。
  • I’m feeling a bit under the weather. I think I’m catching a cold.(ちょっと体調不良です。風邪を引きかけているかも。)
  • I’ve been feeling under the weather all week.(今週はずっと調子が出ません。)
  • He was feeling a bit under the weather, so he went home early.(彼は少し具合が悪くて早退しました。)

sick と ill の違い

アメリカ英語では日常的な病気全般に sick を使い、ill は少し硬い、あるいは深刻な印象を与えます。イギリス英語では ill が「体調が悪い」の標準で、sick は「吐き気がある」に寄ります。どちらの地域でも誤解なく通じるのは、やはり I don’t feel well. です。

「風邪をひく」の言い方

  • I caught a cold.(風邪をひきました)
  • I came down with a cold.(風邪をひきました)
  • I caught the flu. / I came down with the flu.(インフルエンザにかかりました)
  • I think I’m coming down with something.(何かにかかりかけている気がします)

come down with は「(病気に)かかる」を表す句動詞で、症状が出始めた段階を言うのに便利です。病名が特定できていないときの something という言い方は、実際の会話で非常によく使われます。

ノート、電子体温計、錠剤のシート、水の入ったグラスとブランケットが置かれた机を真上から撮影した様子
体温計と薬、そして自分用のフレーズメモ。備えは元気なうちに整えておく

「具合が悪い」の言い方が定まったら、次は中身です。どの症状をどの型で言うのかを整理していきます。

症状を伝える五つの文型

この章の要点
  • 型1 I have a 〜ache/型2 I have a +症状/型3 I have +症状(a なし)/型4 I feel +形容詞/型5 部位を主語にする
  • a がつくかどうかは、数えられるかたちのある症状か否かで分かれる
  • -ish を足すと「〜っぽい」が言える(feverish など)

症状の言い方は、五つの型に当てはめて覚えると迷いません。型で覚える利点は、初めて聞いた症状名でもすぐ文にできる点です。

型1:I have a + ○○ache(〜が痛い)

痛みの定番は、部位に -ache をつけた名詞です。a を落とさないことが最大の注意点です。

  • headache(頭痛/ヘッデイク)
  • stomachache(腹痛・胃痛/スタマケイク)
  • backache(背中の痛み)
  • earache(耳の痛み)
  • toothache(歯痛)

強さを添えるなら、a slight headache(軽い頭痛)、a bad headache/a terrible headache(ひどい頭痛)、a splitting headache(割れるような頭痛)と表現できます。

型2:I have a + 症状

  • I have a cold.(風邪をひいています)
  • I have a fever.(熱があります)
  • I have a runny nose.(鼻水が出ます)
  • I have a stuffy nose.(鼻が詰まっています)
  • I have a sore throat.(喉が痛いです)
  • I have a cough.(咳が出ます)
  • I have a rash.(発疹が出ています)

型3:I have + 症状(a がつかないもの)

  • I have the chills.(寒気がします)
  • I have hiccups.(しゃっくりが出ます)
  • I have no energy.(だるくて力が出ません)
  • I have no appetite.(食欲がありません)
  • I have diarrhea.(下痢です)※「便秘です」は I’m constipated.
  • I have hay fever.(花粉症です)※「〜アレルギーです」は I’m allergic to __.

型4:I feel + 形容詞

  • I feel dizzy.(めまいがします)
  • I feel nauseous.(吐き気がします)
  • I feel tired. / I feel fatigued.(疲れています)
  • I feel weak.(力が入りません)
  • I feel feverish.(熱っぽいです)
  • I feel chilly.(寒気がします)

形容詞の語尾に -ish をつけると「〜っぽい」のニュアンスが出ます。feverish(熱っぽい)はその代表で、childish(子どもっぽい)、greenish(緑がかった)、seven-ish(7時ごろ)と同じ発想です。診断がつく前の曖昧な段階を伝えるのに向いています。

型5:○○ hurts / My ○○ is 〜(部位を主語にする)

会話例2の My joints hurt.(関節が痛む)のように、体の部位を主語にする言い方も頻繁に使われます。単語が出てこないときは、指をさして It hurts here. と言えば十分に伝わります。

  • My throat hurts.(喉が痛いです)
  • My knee hurts when I walk.(歩くと膝が痛みます)
  • It hurts here.(ここが痛いです)※指さしながら
  • My ankle is swollen.(足首が腫れています)
  • My head is spinning.(頭がくらくらします)

「どこが痛いか分からない」ときは I have pain all over.(全身が痛みます)や I ache all over.(体の節々が痛みます)が使えます。五つの型を押さえたところで、埋め込む語彙を分野別に増やしていきましょう。

部位別・分野別の症状語彙

この章の要点
  • 語彙は診療科ごとにまとめて覚えると、いざというとき取り出しやすい
  • 自分の持病や不安のある部位から先に覚えると実用性が高い
  • 胸痛・強い息苦しさ・片側の脱力などは最優先で伝える

ここからは分野別の語彙です。全部を一度に覚える必要はありません。自分に起こりやすい症状から手をつけるのが現実的です。

風邪・インフルエンザなどの一般的な症状

英語 日本語 補足
fever 発熱 high fever は高熱、low-grade fever は微熱
cough dry cough(乾いた咳)/chesty cough(痰のからむ咳)
sore throat 喉の痛み strep throat は溶連菌による咽頭炎
runny nose 鼻水 nasal discharge は診療記録寄りの語
stuffy nose / nasal congestion 鼻づまり 前者は口語、後者は医学寄り
sneezing くしゃみ アレルギーの確認でも使う
fatigue 倦怠感 tiredness よりやや専門的
body aches 体の節々の痛み インフルエンザで頻出
chills 悪寒 fever とセットで訴えることが多い
phlegm 色(yellow / green)も伝えると有用

消化器の症状

英語 日本語 補足
nausea 吐き気 feel nauseous で「吐き気がする」
vomiting 嘔吐 I threw up twice. のように回数を添える
diarrhea 下痢 watery diarrhea は水のような下痢
constipation 便秘 最終排便日を聞かれることがある
abdominal pain 腹痛 upper / lower / left / right で部位を示す
bloating 膨満感 お腹が張る感じ
heartburn 胸やけ acid reflux(逆流)と関連
loss of appetite 食欲不振 I have no appetite. と同義
blood in my stool 血便 見たままを伝えれば十分

頭・神経・精神の症状

英語 日本語 補足
migraine 偏頭痛 片側が脈打つように痛むタイプ
dizziness めまい vertigo は回転性、lightheadedness は立ちくらみ
numbness しびれ 片側だけなら要注意のサイン
tremor 震え 安静時か動作時かを聞かれる
insomnia 不眠 寝つけない・途中で目が覚める等を区別
anxiety 不安 息苦しさや動悸を伴うことがある
memory loss 記憶障害 急に起きたのか徐々にかが重要
seizure けいれん発作 緊急性が高い

呼吸器・循環器の症状

英語 日本語 補足
chest pain 胸の痛み 刺すような/圧迫されるような、を伝える
shortness of breath 息切れ・呼吸困難 I have trouble breathing. とも言う
palpitations 動悸 My heart is racing. でも通じる
wheezing 息をするとヒューヒュー鳴る 喘息で典型的
swelling / edema むくみ 足首やすねを押して確認される
注意点

胸の痛み、強い息苦しさ、意識が遠のく感じ、片側の脱力やろれつの回りにくさは、いずれも緊急性の高いサインです。順番を待たず最初に伝えるべき症状で、I have severe chest pain.(強い胸の痛みがあります)や I think I’m going to pass out.(気を失いそうです)のように率直に言ってかまいません。遠慮は身を危うくします。

筋肉・関節・骨の症状

英語 日本語 補足
back pain 腰痛・背中の痛み lower back pain は腰
joint pain 関節痛 どの関節かを添える
stiffness こわばり 朝のこわばりは関節の病気の手がかり
muscle cramp 筋肉のけいれん・こむら返り ふくらはぎに多い
sprain 捻挫 strain(筋を痛める)と区別
fracture 骨折 I might have broken my wrist. でも可

皮膚の症状

英語 日本語 補足
rash 発疹 かゆみの有無、広がり方を伝える
itching / itchy かゆみ/かゆい It’s very itchy. と程度を添える
hives じんましん アレルギー反応で出やすい
bruise あざ・打撲 ぶつけた覚えがあるかを聞かれる
blister 水ぶくれ やけど、靴ずれ
burn やけど 程度は degree で表す
cut / wound 切り傷・傷 深さと出血量を伝える

目・耳・歯

  • My eyes are itchy and watery.(目がかゆくて涙が出ます)
  • My eyes are bloodshot.(目が赤いです)
  • My ears are ringing.(耳鳴りがします)
  • My ear feels blocked.(耳が詰まった感じがします)
  • I have a cavity.(虫歯があります)
  • My gums are bleeding.(歯茎から血が出ます)

語彙が増えると、次に迷うのが「痛み」を表す語の使い分けです。pain、ache、sore、hurt の四語を整理しておきましょう。

pain・ache・sore・hurt の違いと痛みの性状

この章の要点
  • pain は名詞、ache は鈍く続く痛み、sore は形容詞で触ると痛む、hurt は動詞
  • My back hurts.(背中が痛い)と I hurt my back.(背中を痛めた)は主語で意味が変わる
  • sharp / dull / throbbing などの性状語を添えると診察が速く進む

痛みを表す語が四つもあるのは、英語が痛みの質を区別しているからです。品詞と痛みの質の二軸で覚えると混乱しません。

pain は名詞で、痛みそのものを指します。鋭さや強さの幅が広く、I have a sharp pain in my side.(脇腹に鋭い痛みがあります)のように形容詞と組み合わせて使います。

ache は鈍く持続する痛みです。headache、stomachache のように複合語になるほか、My legs ache.(脚が重く痛む)と動詞でも使えます。

sore は形容詞で、触ると痛む、炎症でヒリヒリするという感覚です。sore throat(喉の痛み)、sore muscles(筋肉痛)が典型で、運動後の筋肉痛は I’m sore from yesterday’s workout. と言います。

hurt は動詞で、「痛む」「痛める」の両方に使えます。My back hurts.(背中が痛い)と I hurt my back.(背中を痛めた)では、主語が変わるだけで意味が大きく変わります。

フレーズ
I have a throbbing pain in my temple.
日本語訳
こめかみに脈打つような痛みがあります。
使う場面
頭痛の種類を聞かれたとき。偏頭痛かどうかの判断材料になるため、性状を伝えると診察が速い。
注意点・誤用例
×I have a throbbing hurt.(hurt は動詞中心で、この形では使わない)。名詞として痛みを言うなら pain。
発音・ニュアンス
throbbing は「スロビン」に近く、th は舌先を軽く歯に当てる。temple(テンプル)は「こめかみ」で、寺院と同じ綴り。

痛みの性状を表す形容詞も押さえておきましょう。sharp(鋭い)、dull(鈍い)、throbbing(脈打つような)、burning(焼けるような)、stabbing(刺すような)、cramping(締めつけるような)、shooting(走るような)、tight(締まる感じ)です。性状が一語添わるだけで、医師が想定する病気の候補は大きく絞られます。

では、症状名と性状が言えたとして、次に必ず聞かれるのは何でしょうか。「いつから」と「どのくらい」です。

「いつから」「どのくらい」を伝える

この章の要点
  • since+時点、for+期間 の二つで発症時期はほぼ言い切れる
  • 持続性は It’s constant. / It comes and goes. の二択で表せる
  • 強さは On a scale of 1 to 10 で数字にすると世界中で通用する

症状名を言えても、経過が伝わらないと診断は進みません。理由は、同じ頭痛でも「今朝から急に」と「三か月前からずっと」では考える病気がまったく違うからです。

  • I’ve had a fever since yesterday.(昨日から熱があります)
  • I’ve been coughing for about a week.(1週間ほど咳が続いています)
  • The pain started suddenly about an hour ago.(1時間ほど前に急に痛み出しました)
  • It comes and goes.(痛みは出たり引いたりします)
  • It’s constant.(ずっと続いています)
  • It’s getting worse.(悪化しています)
  • It’s a little better than yesterday.(昨日より少しよくなりました)
  • It hurts more when I move.(動かすと痛みが増します)
  • It gets better when I lie down.(横になると楽になります)

強さは数字で答えるのが最も確実です。On a scale of 1 to 10, it’s about a 7.(1から10で言うと7くらいです)という言い方は、どの国の診療現場でも通用します。形容詞より数字のほうが、痛みの共有には向いています。

フレーズ
It started three days ago and it’s getting worse.
日本語訳
3日前に始まって、だんだん悪くなっています。
使う場面
When did the symptoms start? と聞かれた直後。発症時期と経過を一文でまとめて答えられる。
注意点・誤用例
×It started since three days ago.(since は時点、ago と併用しない)。since yesterday か three days ago のどちらかを選ぶ。
発音・ニュアンス
getting worse は「ゲティン ワース」。悪化を伝える言い方なので、医療者はこの語を聞くと優先度を上げて考える。

体温と熱の伝え方

この章の要点
  • 38.0℃ は thirty-eight degrees Celsius と読む
  • アメリカでは華氏(Fahrenheit)が主流。37.0℃≒98.6°F を目安に持つ
  • 単位を明示して言えば、換算できなくても誤解されない

会話例に出てきた 38.0℃ は thirty-eight degrees Celsius と読みます。Celsius は「セルシアス」に近い音です。アメリカでは華氏(Fahrenheit/ファーレンハイト)が使われるため、換算の感覚も持っておくと安心です。

摂氏 華氏(概算) 目安
37.0℃ 98.6°F 平熱の目安
37.5℃ 99.5°F 微熱
38.0℃ 100.4°F 発熱
39.0℃ 102.2°F 高熱

換算式は「℉ = ℃ × 1.8 + 32」です。数字が思い出せないときは I have a fever of thirty-eight degrees Celsius. と単位を口に出すだけで誤解は防げます。

熱の言い回しのバリエーションも押さえておきましょう。I have a high fever.(高熱があります)、I have a low-grade fever.(微熱があります)、I’m burning up.(体が熱くてたまりません)、My fever went down.(熱が下がりました)、My fever spiked last night.(昨夜、熱が急に上がりました)などです。

自分の症状を言う準備が整いました。次は、相手から飛んでくる質問への備えです。聞き取りの負担は、先に知っておくだけで大きく減ります。

病院で聞かれる質問と答え方

この章の要点
  • 受付では予約・保険・初診の三点が必ず確認される
  • 診察の質問は症状・時期・部位・持続・持病・薬・アレルギーの順で来る
  • 聞き取れないときは Could you write that down? が有効

受付から診察までの流れで飛んでくる質問は、ほぼ決まっています。質問を先に知っておくことが、聞き取りの不安を減らす一番の方法です。

受付で

  • Do you have an appointment?(予約はありますか)→ No, I don’t. Is it possible to see a doctor today?
  • Do you have insurance?(保険はありますか)→ I have travel insurance. / Here’s my insurance card.
  • Have you been here before?(当院は初めてですか)→ This is my first visit.
  • Please fill out this form.(この用紙にご記入ください)→ Could you help me with this part?

診察で

  • What brings you in today? / What seems to be the problem?(今日はどうされましたか)
  • What symptoms are you experiencing?(どのような症状がありますか)
  • When did the symptoms start?(症状はいつからですか)
  • Where exactly does it hurt?(正確にはどこが痛みますか)
  • Is the pain constant or does it come and go?(痛みは続いていますか、断続的ですか)
  • Does anything make it better or worse?(楽になったり悪化したりする要因はありますか)
  • Do you have any medical conditions?(持病はありますか)
  • Are you currently taking any medications?(現在服用中の薬はありますか)
  • Do you have any allergies?(アレルギーはありますか)
  • Are you pregnant or breastfeeding?(妊娠中または授乳中ですか)

答えに使えるフレーズも用意しておきましょう。自分に当てはまるものだけ選んで、声に出して覚えておけば十分です。

  • I have high blood pressure.(高血圧です)
  • I take medication for asthma.(喘息の薬を飲んでいます)
  • I’m allergic to penicillin.(ペニシリンにアレルギーがあります)
  • I have no known allergies.(既知のアレルギーはありません)
  • Could you speak more slowly, please?(もう少しゆっくり話していただけますか)
  • Could you write that down?(それを書いていただけますか)
  • Can you point to where it hurts? と聞かれたら、指さしで答えれば十分です。

診察中の指示でよく使われる表現

  • Let me check your temperature.(体温を測ります)
  • Take a deep breath.(深呼吸してください)
  • Roll up your sleeve.(袖をまくってください)
  • Lie down on the bed.(ベッドに横になってください)
  • Open your mouth and say “ah.”(口を開けて「アー」と言ってください)
  • Does it hurt when I press here?(ここを押すと痛みますか)
  • We’ll need to run some tests.(いくつか検査が必要です)
  • I’ll prescribe you some medicine.(お薬を処方します)
注意点

聞き取れないまま Yes. と答えるのは避けてください。特にアレルギーや妊娠の確認は安全に直結する質問です。分からなければ I’m sorry, I didn’t catch that. Could you repeat it?(すみません、聞き取れませんでした。もう一度お願いできますか)と伝えるほうが、結果的に早く終わります。

薬局のカウンターで客が処方箋を差し出し、制服を着た薬剤師が服用方法を説明している様子
薬局では服用回数と副作用の二点を必ず確認する

薬局・薬・診療科の表現

この章の要点
  • 処方箋の薬は fill this prescription、市販薬は over the counter
  • 服用回数・副作用・併用の可否は必ず確認する
  • 科名が分からなければ Which department should I go to? と尋ねる

処方薬を受け取る場所は、アメリカでは pharmacy、イギリスでは chemist’s と呼ばれることがあります。看板の語が違っても役割は同じです。

  • I’d like to fill this prescription.(この処方箋の薬をお願いします)
  • Do you have anything for a sore throat?(喉の痛みに効くものはありますか)
  • Is this available over the counter?(これは処方箋なしで買えますか)
  • How often should I take this?(どれくらいの間隔で飲めばいいですか)
  • Take one tablet three times a day after meals.(1錠を1日3回、食後に服用してください)
  • Are there any side effects?(副作用はありますか)
  • Does this make you drowsy?(これは眠くなりますか)
  • Can I take this with other medication?(他の薬と併用できますか)

薬の形状を表す語も押さえておくと、棚の前で迷いません。pill/tablet(錠剤)、capsule(カプセル)、powder(粉薬)、syrup(シロップ)、ointment(塗り薬)、eye drops(目薬)、patch(貼り薬)、painkiller(痛み止め)、antibiotics(抗生物質)、fever reducer(解熱剤)、cough syrup(咳止めシロップ)です。

診療科の名前

適切な窓口にたどり着くために、科名も知っておくと役立ちます。internal medicine(内科)、surgery(外科)、pediatrics(小児科)、orthopedics(整形外科)、dermatology(皮膚科)、ophthalmology(眼科)、ENT または otolaryngology(耳鼻咽喉科)、dentistry(歯科)、obstetrics and gynecology(産婦人科)、psychiatry(精神科)、emergency room/ER(救急外来)。

迷ったら Which department should I go to? と尋ねれば案内してもらえます。症状を一言添えると、より正確に振り分けてもらえます。

相手を気遣う・休みを伝える表現

この章の要点
  • 声をかけるなら What’s wrong? / Are you feeling okay?
  • 「お大事に」は Take care of yourself. / Get well soon.
  • 病欠の連絡は I’m calling in sick today. が定型

自分が病気になるだけでなく、周囲が体調を崩す場面もあります。気遣いの一言が言えると、関係はぐっと近くなります。

様子を尋ねる

  • What’s wrong? / What’s the matter?(どうかしたの?)
  • Are you feeling okay?(大丈夫?)
  • You look pale.(顔色が悪いよ)
  • You don’t look so good.(あまり調子がよくなさそうだね)
  • How are you feeling today?(今日の調子はどう?)

いたわる・励ます

  • Get well soon.(早くよくなってね)
  • Take care of yourself.(お大事に)
  • I hope you feel better soon.(早く回復されますように)
  • Get plenty of rest.(ゆっくり休んでね)
  • Let me know if you need anything.(何か必要なら言ってね)
  • Shall I take you to a doctor?(病院に連れて行こうか?)

職場や学校向けにはもう少し丁寧な言い方が好まれます。I hope you feel better soon. は上司にも同僚にも使える無難な一文です。

休む連絡をする

  • I’m not feeling well, so I’d like to take the day off.(体調がよくないので、今日はお休みをいただきたいです)
  • I’m calling in sick today.(今日は病欠の連絡です)
  • I have a doctor’s appointment this afternoon.(午後に通院の予定があります)
  • I’ll work from home today if that’s okay.(差し支えなければ今日は在宅で働きます)

ここまでで表現はそろいました。ただ、日本語の発想をそのまま英語にすると通じにくくなる箇所がいくつかあります。落とし穴を先に見ておきましょう。

日本語からの直訳でつまずきやすい点

この章の要点
  • 「体調が悪い」を My condition is bad. とは言わない
  • 「薬を飲む」は drink ではなく take
  • go to hospital は入院を連想させるため、軽い受診なら see a doctor

直訳がつまずくのは、日本語と英語で語の縄張りが違うためです。代表的なものを順に押さえておきます。

「体調が悪い」を My condition is bad. と言わない。condition は経済状況や天候、物の状態などに広く使う語で、体調不良の定型表現ではありません。I’m not feeling well. が自然です。ただし「体の状態について話す」と説明的に述べる文脈なら、talking about her condition のように問題なく使えます。

「頭痛」に a を忘れない。I have headache. ではなく I have a headache. です。一方 diarrhea、nausea、fatigue といった不可算名詞には a をつけません。

fever は数字と結びつける。日本語の「熱っぽい」をそのまま I have a hot body. と言っても伝わりません。I feel feverish. か I have a slight fever. を使います。

「風邪」は a cold、「インフルエンザ」は the flu。冠詞が違うので、音のかたまりで覚えるのが早道です。

注意点

「薬を飲む」は drink ではなく take です。×I drank my medicine. は不自然に響きます。take medicine、take a pill が正しい形です。また go to hospital は英語圏では「入院するほどの状態」を連想させるため、軽い受診なら see a doctor や go to the clinic を選ぶほうが自然です。

「吐き気がする」は I’m nauseous. でも I feel nauseous. でもかまいません。ただし I’m sick. だけでは「病気です」か「吐きそう」か曖昧になるため、状況に応じて言い換えてください。

注意点

痛みを我慢して I’m fine. と答えてしまうと、必要な処置が受けられないことがあります。診察の場では遠慮が不利に働きます。痛みや不安は、数字と言葉で具体的に伝えてください。それが自分を守ることにつながります。

発音と音読の練習メニュー

この章の要点
  • つまずきやすい語(nauseous, phlegm, diarrhea など)は音を先に固める
  • 身体感覚と結びつけて発音すると、いざというとき取り出しやすい
  • 1日10分、7日間で会話例2本と四情報を口に乗せる進め方

難しい単語は、何度も口に出して言ってみるのが結局いちばん確実です。そのとき、症状そのものを頭に思い描きながら発音すると記憶に残りやすくなります。

nauseous(ノーシャス)と言いながら胃のむかつきを想像する、throbbing と言いながらこめかみが脈打つ感覚を思い出す。この身体感覚とのひも付けが、体調が悪くて頭が回らないときの取り出しやすさを左右します。

発音でつまずきやすい語

単語 近い音 ポイント
nauseous ノーシャス 最初を伸ばす。ナウシャスと言うと通じにくい
phlegm フレム 語末の g は発音しない
diarrhea ダイアリーア 三つ目の音節を強く
migraine マイグレイン ミグレインではない
stomachache スタマケイク ch は k の音
allergic アラージック 名詞 allergy(アラジー)と強勢の位置が違う
symptom シンプトム p は軽く、最初を強く

7日間の進め方の一例

  1. 1日目:I don’t feel well. / It hurts here. / since yesterday / about a 7 の四つだけを20回声に出す。
  2. 2日目:会話例1を役ごとに三回ずつ音読する。付き添い役から始める。
  3. 3日目:会話例2を音読し、自分の症状に単語を入れ替えて言ってみる。
  4. 4日目:五つの文型に、自分がよくなる症状を当てはめて10文つくる。
  5. 5日目:病院で聞かれる質問を聞き役と答え役で交互に読む。
  6. 6日目:薬局の会話と、持病・アレルギー・常用薬の英語メモを作る。
  7. 7日目:記事末尾の練習ダイアログを、原稿を見ずに再現してみる。

覚える順番にも優先順位があります。まず四つの断片、次に自分の持病やアレルギー、常用薬の名前。この二段階が済んでいれば、緊急時にメモを見せるだけで意思疎通ができます。そのうえで部位別の語彙を少しずつ足していけば十分です。

パスポートと旅行保険の書類の横で、小さなメモカードに持病や常用薬を書き込んでいる手元
持病・アレルギー・常用薬を書いたカードは、言葉が出ないときの保険になる

ひとりでの音読で土台ができたら、相手のいる場で試すと定着が加速します。問診の質問を投げてもらい、詰まりながらでも答える経験を一度しておくと、本番の緊張がまったく違います。

短い練習ダイアログ

この章の要点
  • 風邪・お腹・けがの三場面で、問診の流れをそのまま再現できる
  • 答えは短くてよい。Two days ago. のような単語だけの返答でも成立する
  • 自分の症状に入れ替えて音読するのが最も効果的

覚えた表現を組み合わせて、自分の状況に置き換えて練習してみてください。答えは長くする必要はありません。単語だけの返答でも成立するのが問診の特徴です。

風邪の症状で受診する場面

看護師
What brings you in today?(今日はどうされましたか。)
患者
I have a fever and a sore throat.(熱と喉の痛みがあります。)
看護師
When did the symptoms start?(症状はいつからですか。)
患者
Two days ago.(2日前からです。)
看護師
Do you have any chest pain or shortness of breath?(胸の痛みや息苦しさはありますか。)
患者
No, just fatigue.(いいえ、だるさだけです。)
看護師
Are you taking any medications?(何か薬を飲んでいますか。)
患者
Just over-the-counter cold medicine.(市販の風邪薬だけです。)

お腹の症状で受診する場面

医師
What symptoms are you experiencing?(どのような症状がありますか。)
患者
I’ve had stomach pain and nausea since last night.(昨晩から胃の痛みと吐き気があります。)
医師
Where exactly is the pain?(正確にはどこが痛みますか。)
患者
In my upper right abdomen.(右上の腹部です。)
医師
On a scale of 1 to 10, how bad is it?(1から10で言うとどのくらいですか。)
患者
About a 7.(7くらいです。)
医師
Have you vomited or had diarrhea?(嘔吐や下痢はありましたか。)
患者
I threw up once this morning.(今朝1回吐きました。)

けが・薬局の場面

学習者
I twisted my ankle yesterday. It’s swollen and it hurts when I walk.(昨日足首をひねりました。腫れていて、歩くと痛みます。)
薬剤師
Do you have a prescription, or are you looking for something over the counter?(処方箋はありますか、それとも市販薬をお探しですか。)
学習者
Over the counter, please. Do you have a painkiller and a cold pack?(市販薬でお願いします。痛み止めと冷却材はありますか。)
薬剤師
Take one tablet every six hours with food. Are you allergic to any medication?(1錠を6時間ごとに、食べ物と一緒に飲んでください。お薬のアレルギーはありますか。)
学習者
I have no known allergies. Are there any side effects?(既知のアレルギーはありません。副作用はありますか。)

体調が悪いときは、頭も回りませんし、口も重くなります。そういうときに出てくるのは、日頃から何度も口にした言葉だけです。元気なうちに音読しておくこと、そして保険証や処方薬のリストと一緒に自分用のフレーズメモを持っておくこと。この二つの備えが、海外で体調を崩したときの心細さをかなり小さくしてくれます。

よくある質問

この章の要点
  • 迷いやすい点を七つの質問形式で確認できる
  • 覚える優先順位と、聞き取れないときの対処法も含む

最後に、学習中に質問が集まりやすい点をまとめておきます。読み終えたあと、気になった項目だけ読み返せば復習になります。

「具合が悪い」と伝えるとき、最初に覚えるべき英語はどれですか?

I don’t feel well. です。原因が分からない段階でも使え、地域差による誤解もほとんどありません。そのあとに I have a headache.(頭痛がします)のように症状名を一つ添えると、相手は次の質問に進めます。余裕があれば It hurts here.、since yesterday、about a 7 の三つを足しておくと、部位・時期・強さまで伝わります。

sick と ill はどう使い分けますか?

アメリカ英語では日常的な病気全般に sick を使い、ill は硬い、あるいは深刻な印象を与えます。イギリス英語では ill が体調不良の標準で、sick は吐き気に寄った意味になります。どちらの地域でも無難に通じるのは I don’t feel well. です。吐き気を明示したいときは I feel nauseous. を使うと誤解がありません。

I have a headache の a は省略できますか?

headache は数えられる名詞なので、a が必要です。I have a headache. が正しい形です。一方で diarrhea、nausea、fatigue のような不可算名詞には a をつけません。cold、fever、sore throat、cough、rash は a がつく側、chills や hiccups は複数形で使う側、と三つのグループに分けて覚えると整理しやすくなります。

痛みの強さはどう伝えればいいですか?

On a scale of 1 to 10, it’s about a 7. のように数字で答えるのが最も確実です。形容詞で伝えるなら、a slight pain(軽い痛み)、a bad pain(強い痛み)、a severe pain(激しい痛み)と段階をつけられます。さらに sharp(鋭い)、dull(鈍い)、throbbing(脈打つ)などの性状を添えると、医師が考える病気の候補が絞られます。

体温を伝えるとき、摂氏と華氏のどちらで言えばいいですか?

単位を明示すればどちらでも構いません。I have a fever of thirty-eight degrees Celsius. と言えば誤解されません。アメリカでは華氏が主流なので、37.0℃が約98.6°F、38.0℃が約100.4°Fという目安を覚えておくと会話が速くなります。換算式は℉=℃×1.8+32です。

英語が聞き取れなかったとき、診察中はどう言えばいいですか?

Could you speak more slowly, please? や I’m sorry, I didn’t catch that. Could you repeat it? が使えます。数字や薬の名前など間違えたくない情報は Could you write that down? と頼むのが確実です。分からないまま Yes. と答えるのは避けてください。アレルギーや妊娠の確認は安全に直結します。

「お大事に」は英語でどう言いますか?

Take care of yourself. や Get well soon. が一般的です。少し丁寧にしたいときは I hope you feel better soon. が使えます。加えて Get plenty of rest.(ゆっくり休んでね)や Let me know if you need anything.(何か必要なら言ってね)を添えると、気遣いがより伝わります。