こんにちは。日本の国民的な飲み物は日本茶ですね。そしてイギリスの国民的な飲み物は紅茶です。
イギリスでは、ペットボトルでは飲み歩きませんが、紅茶を飲む回数は多く、飲む時間によって名前が決まっています。
軽食が決まっている紅茶タイム
朝一番に飲む紅茶の名前は、アーリーモーニングティーです。そして夜に飲む紅茶はハイティー。紅茶には飲む時間によって名前があります。
なかでも有名なのが、アフタヌーンティーではないでしょうか。お夕飯の前に飲む紅茶です。
会話
イギリスで暮らすエマとお母さんが、アフタヌーンティーをしようと、話をしています。
アフタヌーンティーは軽食も含まれており、紅茶を飲むだけではありません。では、アフタヌーンティーに欠かせない軽食はいったいなんなのでしょうか。
会話をみてみましょう。
Mother: It is still not time for dinner, but aren’t you hungry Emma?
まだお夕飯の時間じゃないけれど、お腹空いていない、エマ?
Emma: Yes, I am. Why don’t we have an afternoon tea?
そうだね。アフタヌーンティーでもしない?
Mother: That’s a great idea. Let’s go to the kitchen and make an arrangement.
それはいい考えだね。キッチンに行って、準備を始めよう。
Emma: What shall are we put on the cake stand?
ケーキスタンドに何をのせようか?
Mother: We should be putting on the cucumber sandwiches, and scones.
きゅうりのサンドイッチとスコーンは、乗せなくちゃね。
Emma: There is one more plate to put something on. Do we have cakes?
もう一つ何かを乗せるお皿があるよ。ケーキはある?
Mother: No, we don’t have cakes. There are only scones which I made yesterday. Let’s go see the cupboard to find desserts.
いいえ、ケーキはないわ。昨日作ったスコーンしかないの。戸棚に行ってデザートを見つけてきましょう。
Emma: Mammy, I found plums. How about this?
ママ、プラム見つけたよ。これはどう?
Mother: Sounds nice. Which drink would you like to drink, an orange juice or an apple juice?
それいいわね。どっちの飲み物が飲みたい、オレンジジュース、それともリンゴジュース?
Emma: I want an apple juice.
リンゴジュースがいいな。
Mother: Okay, please wait on the sofa. I prepare it in a minute.
わかったわ、ソファーで待っていて。直ぐに準備するから。
【伝統を受け継ぐ軽食】
アフタヌーンティーに欠かせない軽食は、きゅうりのサンドイッチ、スコーン、ケーキ、そしてフルーツです。
エマの家にはサンドイッチ、スコーン、そしてフルーツがありました。残念ながらケーキはなかったようです。
ポイント
では、会話で出てきた単語や言い回しをみましょう。
- afternoon tea アフタヌーンティー
日本では喫茶店の店舗名になるほど、よく知られた名前です。
- cake stand ケーキスタンド
「ケーキの売店」という意味もありますが、2段や3段にお皿が重なったタワー上のケーキ皿、という意味もあります。
- We should be putting on the cucumber sandwiches, and scones. きゅうりのサンドイッチとスコーンは、乗せなくちゃね。
“Should be”で「しなくてはいけない」、つまり、外せないという意味になります。和訳の仕方や意味のとらえ方は、
- cupboard 戸棚
食器や食料品などを入れる戸棚をさします。
- plum プラム
- I prepare it in a minute. 直ぐに準備するから。
“In a minute”で「直ぐに」という意味を持っています。
伝統には歴史あり
生野菜のサンドイッチ
アフタヌーンティーで食べる軽食には、決まりがあります。会話の中でもでてきましたが、新鮮な生野菜のサンドイッチです。新鮮な生野菜、の部分が大事です。
紅茶がイギリスに普及した17世紀では、紅茶は貴族がたしなむ飲み物でした。17世紀です。日本でいえば、江戸時代の初期の頃です。
お金持ちの特権
紅茶は入手が難しく、貴族のみしか飲めない飲み物でした。そのような人たちが飲む飲み物ですので、軽食も贅が尽くされています。
交通網が発達していなかった時代に、自分が管理する敷地で取れた野菜を生のままで食べる、これはお金持ちにしかできませんでした。
その為アフタヌーンティーには、生野菜が入ったサンドイッチは必要不可欠だったのです。
時代が流れ、産業革命後に一般市民も飲めるように広まりました。軽食の伝統も紅茶と共にそのまま一般市民にも守られました。
国民的な飲み物へ
日本茶も紅茶も高級な飲み物から、一般に広がっていき、そこから国民的な飲み物になりました。しかし一般に広まっても、受け継がれる伝統はあります。>
アフタヌーンティーの軽食がそうでしたし、日本茶でも茶請けは昔から和菓子が一番なのは、ご存じの通りです。
もちろん伝統だけが全てではないですが、昔から受け継がれている伝統には、受け継がれる理由があります。
滞在した国で「なんで?」と思うようなことがあったら、調べてみてもいいかもしれません。伝統から知る歴史の知識で、その国をさらに好きになれるかもしれません。
それではまた、See you!