【2025年版】オーストラリア旅行のハエ対策完全ガイド!なぜ多い?時期・服装・最強グッズまで徹底解説

  1. 日常会話で覚える英単語

【2025年版】オーストラリア旅行のハエ対策完全ガイド!なぜ多い?時期・服装・最強グッズまで徹底解説

こんにちは!オーストラリアといえば、コアラやカンガルーといった可愛らしい動物たち、そして壮大な自然が魅力的な人気の旅行先ですよね。日本との時差が少ないことも、気軽に訪れられる理由の一つです。しかし、この美しい国には、多くの旅行者を悩ませる「小さな訪問者」がいます。それは、おびただしい数のハエ。この記事では、なぜオーストラリアでハエが大量発生するのか、その驚きの歴史的背景から、旅行を快適に楽しむための季節別・エリア別の完全対策ガイド、さらにはハエ以外の注意すべき生き物まで、あなたの旅を万全にサポートする情報を徹底的に解説します。

オーストラリアを旅していると、現地の人々が顔の周りでひらひらと手を振る、独特の仕草を頻繁に目にすることでしょう。これは「オージー・サルート(Aussie Salute)」と呼ばれる、オーストラリアの非公式な挨拶。もちろん、本当の挨拶ではなく、顔にまとわりつくハエを追い払うための行動です。この国ではあまりにも日常的な光景なため、ユーモアを込めてそう呼ばれているのです。こうした現地の文化やスラングを知ると、旅は一層面白くなります。もし、より深く文化を理解したいなら、英会話マンツーマンS1のようなサービスで語学力を磨いておくと、現地の人々とのコミュニケーションがさらに楽しくなるかもしれませんね。

なぜオーストラリアはハエが多いのか?その驚くべき歴史的背景

オーストラリアのハエ問題、特に旅行者を悩ませる「ブッシュフライ(Musca vetustissima)」の大量発生は、実はオーストラリア大陸が本来持っていた生態系だけが原因ではありません。その根源には、ヨーロッパからの入植という歴史的な出来事が深く関わっています。

原因はヨーロッパからの入植者にあった?

1788年、最初のヨーロッパ人入植者たちがオーストラリアに到着した際、彼らは家畜である牛を大陸に持ち込みました 。これが、後に大陸全土を覆うことになるハエ問題の引き金となったのです。

オーストラリアには元々、カンガルーやワラビーといった有袋類が生息していました。これらの在来動物のフンは、小さく、硬く、乾燥しているのが特徴です。そして、オーストラリア固有のフンコロガシ(糞虫)たちは、この有袋類のフンを専門に処理するように進化してきました 。

生態系のバランスを崩した「牛のフン」問題

問題は、持ち込まれた牛のフンが、有袋類のフンとは全く性質が異なっていたことでした。牛のフンは大きく、柔らかく、水分を豊富に含んでいます。オーストラリア在来のフンコロガシたちは、この未知のフンを分解・処理することができず、広大な牧草地には牛のフンが手付かずのまま何ヶ月も、時には何年も放置されるという異常事態が発生したのです [1, 2]。

この放置された大量のフンは、ブッシュフライにとって、まさに天国のような環境でした。彼らは湿った動物のフンに卵を産み付け、繁殖します。天敵や競合相手がいない状況で、無限とも思える繁殖場所を手に入れたブッシュフライは、爆発的にその数を増やし、オーストラリア全土を悩ませる「厄介者」としての地位を確立してしまったのです。

広大なオーストラリアの牧草地で草を食む牛の群れ。この牛のフンがハエ大量発生の原因となった。

ヨーロッパから持ち込まれた牛。そのフンが、オーストラリアの生態系を大きく変えることになりました。

救世主は小さなヒーロー!フンコロガシが果たした大役

この国家的なハエ問題に終止符を打つべく、壮大なプロジェクトが始動しました。主役は、なんと海外からやってきた小さな「フンコロガシ」たちです。

1960年代、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の科学者ジョージ・ボネミッサ博士の発案により、「オーストラリア糞虫プロジェクト」が開始されました [1, 6]。計画は、牛のような大型草食動物と共に進化した、アフリカやヨーロッパ原産のフンコロガシをオーストラリアに導入するというもの。彼らは牛のフンを素早く分解し、地中に埋める能力に長けていました。

このプロジェクトは大成功を収めます。導入されたフンコロガシたちは、牛のフンを驚異的なスピードで処理し、ブッシュフライの繁殖場所を根本から奪い去りました。これにより、ハエの数は劇的に減少したのです [7, 1]。

さらに、このプロジェクトはハエの減少以外にも、多くの恩恵をもたらしました。

  • 土壌の改善: フンを地中に埋めることで、土壌が豊かになり、牧草の生育が促進されました。
  • 水質汚染の防止: 地表のフンが減ることで、雨による栄養分の河川への流出が抑えられました。
  • 家畜の健康増進: フンを媒介とする寄生虫のサイクルを断ち切り、家畜の健康状態も改善されました。

現在でも、オーストラリアのハエは多いと感じられますが、このフンコロガシたちの活躍がなければ、その数は比較にならないほど甚大だったことでしょう。彼らはまさに、オーストラリアの生態系と農業を救った「小さな英雄」なのです。

フンを懸命に転がすフンコロガシのクローズアップ写真。この小さな昆虫がオーストラリアの環境問題を解決した。

オーストラリアの環境を救った英雄、フンコロガシ。その働きは計り知れません。

【旅行計画の鍵】ハエが少ない時期はいつ?季節とエリア別徹底ガイド

フンコロガシのおかげでハエは減ったとはいえ、依然として旅行者にとっては悩みの種。しかし、訪れる「季節」と「エリア」を賢く選ぶことで、ハエとの遭遇率をぐっと下げることができます。

ウルル(エアーズロック)など内陸部のベストシーズン

ウルルをはじめとする乾燥した内陸部(アウトバック)では、ハエは水分を求めて活動します。彼らは人間の汗や涙、唾液に含まれる水分に強く引き寄せられるため、特に人の顔周りに執拗に集まってきます [12]。

  • ハエのピークシーズン(要注意): 気温が高く乾燥する10月~3月の夏季。この時期はハエの活動が最も活発になり、大量発生します。
  • ハエが少ないシーズン(おすすめ): 気温が下がる5月~8月の冬季。ハエの活動が鈍るため、非常に快適に観光できます。星空観測にも最適な時期です。

シドニー、メルボルンなど都市部の状況

シドニーやメルボルンなどの主要都市部では、内陸部ほどハエ問題は深刻ではありません。しかし、やはり季節による変動はあります。

  • ハエが増える時期: 暖かく湿度も上がる9月~2月の春から夏にかけて。特に雨の後に気温が上がるとハエが孵化し、一時的に数が増えることがあります]。公園でのピクニックやオープンカフェなどでは、多少気になるかもしれません。
  • 快適な時期: 涼しくなる3月~8月の秋から冬にかけては、都市部でハエに悩まされることはほとんどありません。
オーストラリア ハエのリスク&旅行プランナー
エリア ピークシーズン(高リスク) オフシーズン(低リスク) 主な対策
内陸部(ウルル等) 10月~3月(夏) 5月~8月(冬) ハエよけネットは必須。
冬の旅行が最も快適。
地方・農業地帯 9月~4月(春~秋) 6月~8月(冬) 虫除けスプレーを携帯。
屋外活動ではネットも有効。
主要沿岸都市 9月~2月(春・夏) 3月~8月(秋・冬) 概ね問題なし。
公園などではスプレーが役立つ。

もう怖くない!オーストラリア旅行のハエ対策完全マニュアル

ハエの多い時期やエリアを訪れる場合でも、適切な対策をすれば心配は無用です。ここでは、効果実証済みの対策を3つのステップでご紹介します。

ステップ1:物理的にシャットアウト!最強の防御策

特にハエが猛威を振るうウルル周辺では、何よりも効果的なのが物理的なバリアです。

  • ハエよけネット(Fly Net Hat): これぞ最強のアイテム。帽子の上からすっぽりかぶるメッシュ状のネットで、顔周りへのハエの侵入を完全に防ぎます。視界も良好で、これを被ればウルルの絶景を心置きなく楽しめます。現地でも購入できますが、割高なことが多いので日本から持参するのがおすすめです。
  • サングラス: 目はハエが特に狙う場所の一つ。サングラスは、目への侵入を防ぐのに非常に有効です。
ウルルの壮大な景色を背景に、ハエよけネット付きの帽子をかぶって笑顔でポーズをとる日本人観光客。

ハエよけネットがあれば、ウルルでの記念撮影も快適です!

ステップ2:服装で差がつく!ハエを寄せ付けない色の選び方

意外と知られていませんが、服装の色もハエ対策に影響します。研究によると、一部の吸血性のハエ(マーチフライなど)は、特に濃い青色に強く引き寄せられることが分かっています。蚊も同様に濃い色を好む傾向があります。

そのため、屋外で活動する際は、白やベージュ、カーキといった明るい色の、肌の露出が少ないゆったりとした服装を心がけましょう。これだけで、虫が寄ってくる確率を下げることができます。

ステップ3:科学の力に頼る!効果的な虫除けスプレー

日本の虫除けはオーストラリアの虫には効きにくいことがあるため、現地での購入がおすすめです [28]。オーストラリアの保健当局が推奨している、最も効果的で安全な有効成分は以下の2つです。

DEET(ディート)

長年の実績がある非常に効果的な成分。濃度が高いほど効果の持続時間が長くなりますが、肌への刺激を考慮し、子供には低濃度のものを選ぶなど、製品の指示に従ってください [25, 29]。

Picaridin(ピカリジン)

DEETに匹敵する効果を持ちながら、匂いが少なく、肌への刺激も少ないとされる比較的新しい成分。プラスチック製品を溶かす心配もありません [25, 29]。

これらの成分が含まれた製品は、現地のスーパーマーケットや薬局(Chemist)で簡単に見つかります。「Bushman」や「Aerogard」、「RID」といったブランドが人気です。

ハエだけじゃない!知っておきたいオーストラリアの危険生物と対策

オーストラリア旅行では、ハエ以外にも注意すべき生き物がいます。過度に恐れる必要はありませんが、正しい知識を持つことが安全な旅につながります。

蚊が媒介する感染症:ロスリバー熱とバーマフォレスト熱

オーストラリアで最も一般的な蚊媒介感染症が、ロスリバーウイルス(RRV)とバーマフォレストウイルス(BFV)です。これらのウイルスに感染すると、発熱、発疹、そして数週間から数ヶ月続くこともある関節痛などの症状が現れます。

  • 対策: ワクチンはないため、予防はハエ対策と同様、蚊に刺されないことが最も重要です。DEETやピカリジンを含む虫除けスプレーの使用、夜明けや夕暮れ時の屋外活動を避ける、長袖長ズボンを着用するなどの対策を徹底しましょう。

毒グモ:セアカゴケグモとシドニーファネルウェブスパイダー

オーストラリアには毒グモも生息していますが、有効な抗毒素(血清)が開発されており、1980年以降、クモによる死亡例はありません。正しい知識で冷静に対処しましょう。

セアカゴケグモ(Redback Spider)

メスの背中にある赤い模様が特徴。物置や屋外の家具の下、植木鉢の裏など、乾燥した場所に不規則な形の巣を作ります。おとなしいクモで、直接触らない限り咬まれることは稀です。

シドニーファネルウェブスパイダー(Sydney Funnel-web Spider)

攻撃的な性質を持つ毒グモ。シドニー近郊の湿った土の中や岩の下などに、入り口に糸を張り巡らせた巣穴を作ります。特に雨の後、オスがメスを探して歩き回り、家屋に侵入することがあります。

  • 対策: 屋外に置いた靴を履く前には中を確認する、庭仕事では手袋を着用するなど、基本的な注意を怠らないようにしましょう。万が一咬まれた場合は、慌てずに患部を洗い、すぐに病院を受診してください。可能であれば、咬んだクモを持参すると診断の助けになります 。

まとめ:正しい知識でオーストラリアの大自然を満喫しよう

オーストラリアのハエ問題は、単なる不快な現象ではなく、国の歴史や生態系の変化が絡んだ奥深い物語を持っています。そして、科学の力と人々の努力によって、その問題は大きく改善されてきました。

旅行者である私たちができることは、この国の自然環境をリスペクトし、正しい知識を持って準備することです。ハエの少ない季節を選び、適切な対策グッズを揃え、危険な生き物への対処法を知っておけば、オーストラリアの旅は間違いなく安全で、忘れられない素晴らしい体験になるはずです。

それではまた、See you!

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オリビア (Olivia) この記事を書いた人

英語講師として10年以上の指導経験を持つ。イギリスにルーツを持ち、多様な文化背景を活かした視点からの英語指導が得意。実践的な英会話力の育成はもちろん、丁寧な発音・文法指導で学習者の目標達成をサポートすることに情熱を注ぐ。
自身の経験に基づき、キャリアアップや異文化理解に繋がる英語学習のヒント、言語を通したコミュニケーションの魅力などを発信していく。モットーは「楽しく、着実に」。教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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