ネイティブはこう使う!意味が全く違う頻出英単語8選【例文・会話例で学ぶ多義語】
英語学習を進めていくと、「知っている単語のはずなのに、文脈に当てはまらない…」という壁にぶつかることがあります。それは、多くの英単語が複数の意味を持つ「多義語」だからです。特に、それぞれの意味が全く異なるニュアンスを持つ単語は、英会話の理解度を左右する大きなポイントになります。
この記事では、ネイティブの日常会話で頻繁に使われる重要な多義語を8つ厳選し、その核心的な意味や使い分けのコツを例文と共に徹底解説します。単語の知識を深めることは、より自然で豊かなコミュニケーションへの第一歩です。もし本気で会話力を向上させたいなら、英語教室などで実践的なトレーニングを積むことも非常に効果的ですよ。
レッスンの内容
英語の「多義語」とは?知らないと会話でつまずく理由
多義語とは、1つの言葉で複数の意味や使い方を持つ言葉のことです。これは英語に限った話ではなく、私たちの使う日本語にも数多く存在します。
日本語にもある多義語の例
例えば、以下のような言葉は日常的に使われる多義語です。
単語 | 意味の例 |
---|---|
適当 | ①合致する、ふさわしい (例: 適当な人材) ②いい加減、大雑把 (例: 適当な仕事) |
甘い | ①糖分がある (例: ケーキが甘い) ②厳しくない (例: 考えが甘い) ③緩い (例: ネジが甘い) |
なぜ英語の多義語学習が重要なのか?
日本語の「適当」のように、持つ意味が正反対とも言える多義語は、文脈理解の鍵を握ります。一つの意味しか知らないと、相手の言っていることを全く逆の意味で捉えてしまう危険性があるのです。これは英語でも同様で、特に基本的な単語ほど多くの意味を持つ傾向があります。多義語を制する者は、英会話を制すると言っても過言ではありません。
ネイティブが日常で使う!意味が大きく異なる重要多義語8選
日常会話でよく使われる多義語の中で、特に意味のニュアンスが大きく異なるものを8個紹介します。これらの単語が持つ複数の意味と、その使われ方を例文を交えて分かりやすく解説します。
1. Right(右・正しい・権利・まさに)
最も有名な多義語の一つ。コアとなるのは「正しさ・正常さ」のイメージです。人間は右利きが多いため、「正しい方の手」が「右手」となり、「右」という意味に派生したと言われています。

「Right」の代表的な二つの意味、「右」と「正しい」。
That’s right.
その通り。(正しい)Turn right at the next corner.
次の角を右に曲がってください。(右)Everyone has the right to free speech.
誰もが言論の自由の権利を持っている。(権利)I’ll be right back.
すぐに戻ります。(まさに、すぐに)
2. Hot(熱い・辛い・セクシーな・話題の)
Hot のコアは「熱を帯びている」イメージ。物理的な熱さだけでなく、人の興奮や熱狂、注目度といった比喩的な「熱」にも使われます。
Be careful, the soup is hot.
気をつけて、スープが熱いですよ。(熱い)This curry is too hot for me.
このカレーは私には辛すぎる。(辛い)That actor is so hot.
あの俳優、すごくセクシーだ。(魅力的な、セクシーな)This new video game is a hot topic right now.
この新作ゲームは今、話題沸騰中です。(話題の)
3. Season(季節・時期・味付けする)
名詞では「季節」ですが、動詞になると「味付けする」という意味に。これは、特定の時期(旬)に採れるハーブやスパイスで食べ物を風味豊かにしたことから、「時期のもの」→「味付け」へと意味が発展しました。
My favorite season is autumn.
私の好きな季節は秋です。(季節)It’s almost the rainy season.
もうすぐ梅雨の時期です。(時期)She seasoned the chicken with salt and pepper.
彼女は鶏肉に塩コショウで味付けをした。(味付けする)What seasonings do you need?
何の調味料が必要ですか?(関連語:調味料)
4. Book(本・予約する)
「本」という意味の Book が動詞になると「予約する」になるのは、かつて予約を台帳(本)に書き込んで管理していたことに由来します。

台帳(Book)に書き込むことから、「予約する」という意味が生まれました。
I’m reading an interesting book.
面白い本を読んでいます。(本)I’d like to book a flight to Hawaii.
ハワイ行きのフライトを予約したいです。(予約する)The hotel is fully booked.
そのホテルは予約でいっぱいです。(予約された)
5. Mean(意味する・意地悪な・手段)
動詞では「意味する」、形容詞では「意地悪な」、名詞では「手段」と品詞によって意味が大きく変わります。特に形容詞の「意地悪な」は会話で頻出するので要注意です。
What does this word mean?
この単語はどういう意味ですか?(意味する)Don’t be so mean to your sister.
妹にそんなに意地悪しちゃだめだよ。(意地悪な)I didn’t mean to hurt you.
あなたを傷つけるつもりはありませんでした。(~するつもり)A car is a means of transportation.
車は交通手段です。(手段)
6. Pretty(可愛い・まあまあ、かなり)
形容詞の「可愛い」は有名ですが、ネイティブの会話では副詞の「まあまあ、かなり」という使い方が圧倒的に多く使われます。Very ほど強くなく、a little よりは強い、という絶妙なニュアンスです。
That’s a pretty dress.
それは可愛いドレスですね。(可愛い)The movie was pretty good.
その映画は、まあまあ良かったよ。(まあまあ、かなり)I’m pretty sure he will come.
彼が来るって、まあまあ確信してるよ。(かなり)
7. Run(走る・経営する・流れる)
Run のコアは「(ある経路に沿って)継続して機能する・動く」イメージ。人や動物が「走る」だけでなく、水が「流れる」、ビジネスが「運営される」、バスが「運行する」など、様々な主語で使われます。
I run five kilometers every morning.
私は毎朝5キロ走ります。(走る)She runs her own company.
彼女は自分の会社を経営しています。(経営する)My nose is running.
鼻水が出ています。(流れる)The bus runs every 20 minutes.
そのバスは20分おきに運行しています。(運行する)
8. Sound(音・~そうだ・健全な)
名詞では「音」ですが、動詞では「~のように聞こえる、~そうだ」、形容詞では「健全な、しっかりした」という意味で使われます。特に “Sounds good.” は相づちの定番フレーズです。
I heard a strange sound outside.
外で変な音が聞こえた。(音)Your idea sounds interesting.
あなたのアイデアは面白そうですね。(~そうだ)He has a sound knowledge of history.
彼は歴史に関するしっかりした知識を持っている。(健全な、しっかりした)A: “Let’s go for lunch.” B: “Sounds good!”
A:「ランチ行こうよ」 B:「いいね!」
【会話で実践】多義語は実際のトークでどう使われる?
AyaとBillが多義語について話しています。会話の中で多義語がどのように使われるか見てみましょう。
Bill: Hey, Aya! Do you know what a multiple-meaning word is?
(やぁ、アヤ!多義語って知ってる?)Aya: Let me see… “Multiple meaning,” so it’s a word with several meanings, right?
(えっと…「複数の意味」だから、いくつかの意味を持つ言葉ってこと、で合ってる?)Bill: Exactly! For example, the word “gift” has more than one meaning.
(その通り!例えば「gift」という単語にたくさんの意味があるんだよ。)Aya: I see. I know it means “present.” What else does it mean?
(へぇ~「プレゼント」って意味は知ってるけど。他にどんな意味があるの?)Bill: It can also mean “talent” or “ability”. For example, ”He has a gift for music.”
(他には、「才能」とか「能力」っていう意味もあるよ。例えば「彼は音楽の才能がある」とかね。)Aya: That makes sense! Good to know.
(なるほどね!知れて良かった。)
会話の重要フレーズ解説
- Multiple: 「複数の、多数の」。ビジネスや科学の文脈でもよく使われます。
- Good to know: 「知れて良かった、教えてくれてありがとう」。有益な情報を得た時に使える便利な相づちです。
会話で意味が分からない時に役立つ!失礼のない聞き返し方
多義語に限らず、会話で相手の言っていることが理解できない場面は必ずあります。そんな時、曖昧にせず、積極的に質問することが英語力向上の鍵です。

「どういう意味?」と聞くことは、コミュニケーションを深める第一歩です。
丁寧な聞き返しフレーズ
相手に失礼なく、もう一度説明をお願いしたい時に使えるフレーズです。
Sorry, I’m not sure what you mean.
(すみません、どういう意味かよく分かりませんでした。)Could you explain what “〇〇” means?
(〇〇がどういう意味か説明していただけますか?)What do you mean by that?
(それはどういう意味ですか?)
これはNG!失礼に聞こえる可能性のある聞き返し方
一方で、以下の表現は言い方や状況によっては「あなたの言っていることは理解不能だ」という強い非難のニュアンスに聞こえる可能性があるので注意しましょう。
I don’t understand you.
I don’t get it.
多義語のニュアンスを掴むための上級テクニック:英英辞典の活用法
なぜ英英辞典が効果的なのか?
英語学習があるレベルに達したら、英和辞典だけでなく英英辞典を使うことを強くお勧めします。英和辞典は素早く意味を知るのに便利ですが、訳語だけでは微妙なニュアンスが伝わりきらないことがあります。英英辞典で「英語を英語で」理解することで、単語の持つ本来のイメージ(コアニュアンス)を掴むことができ、応用力が格段にアップします。
英英辞典の活用具体例:「Right」を調べてみよう
例えば、オックスフォード英英辞典で「Right」を調べると、以下のように解説されています。
1. true or correct as a fact
(事実として真実または正しい)→ That’s the right answer.2. morally good or acceptable
(道徳的に良い、または受け入れられる)→ Doing the right thing.3. on or towards the side of your body that is towards the east when you are facing north
(北を向いた時に東側にある体の方、またはその方向)→ My right eye.
このように、単語の意味をより本質的に、そして豊富な用例と共に学べるのが英英辞典の最大のメリットです。
まとめ
多義語は、一見すると英語学習者を悩ませる厄介な存在に思えるかもしれません。しかし、一つの単語が持つ意味の広がりや、その背景にある文化的な由来を知ることは、非常に知的で楽しいプロセスです。今回紹介した8つの単語を皮切りに、ぜひ様々な多義語の世界を探求してみてください。単語の本当の顔を知ることで、あなたの英語はより深く、より豊かなものになるはずです。
それではまた、See you!