「トイレに行く」の英語表現:文化・場面別ガイド

  1. 日常会話で覚える英単語

人間が生活する上で体に不要な排泄物を出す(トイレに行く事)は欠かせません。「トイレに行きます」というセリフは英語でも様々な表現があり、時と場合によっていろいろと変化します。

TPOをわきまえて、適切な言い方ができるよう学んでいきましょう。

トイレの英語での基本的な表現

まず日本語では「トイレ」といいますが、これは英語の Toilet の末尾の t を発音しない形とした和製英語です。トイレに置く紙のことを「トイレットペーパー」といいますが、こちらは英語と同様に Toilet と発音していますよね。

ちなみに、トイレットペーパーのことは英語で Toilet paper Toilet roll といいます。

日本語でも「トイレ」はいろんな言い方がありますね。お手洗い・化粧室・便所・厠など様々で、小さい子は普通に「おしっこ」ともいいます。

小さい子供が「化粧室に行く」というのもおかしいですし、大人が会社で「おしっこに行く」というのもおかしいものです。時と場合によって変化する言い方は、間違えて使うと相手にとってとても失礼になります。

そして「トイレ」という言葉自体、なかなか人前ではあまり使いたくない言葉なので、しっかりと様々な言い方を覚えておきましょう。

トイレについて英語で会話

Toilet・Bathroom・Restroom の違い

日本語でも様々な表現があるように、英語にも「トイレ」を表現する単語がいくつかあります。まずは、代表的な3つの単語 ToiletBathroomRestroom の違いを確認しましょう。

それぞれの単語について英和辞典で調べると以下のように説明されています。

単語意味例文
Toilet名詞:便所・トイレ・便器
形容詞:トイレ用の~
I want to go to the toilet. 私はトイレに行きたいです。
Can I want to go to the toilet. トイレを借りても良いですか?
He is in the toilet now. 彼は今トイレに行っています。
Bathroom名詞:浴室・便所・トイレShe is in the bathroom. 彼女はお風呂場に居ます。
Where is the bathroom? トイレはどちらですか?
Restroom名詞:手洗い場・お手洗い・便所Over there is the restroom. お手洗いはこの先です。
I use the restroom in my office. 会社のトイレを使う。

いずれの単語も使い方に違いはなく、どれを当てはめても文章として成り立つことが分かります。また、意味にも大きな違いは感じられません。

しかし英語のネイティブスピーカーは、これら3つの単語をきちんと使い分けています。単に「英語が話せる」という段階から「シチュエーションや相手によって使い分けができるナチュラルな英会話」を目指す方は、細かいニュアンスの違いをしっかりと理解しましょう。

単語ニュアンスの違い
Toilet「トイレ・便所」の直接的な表現。品がないという印象を与えることもある。
Bathroom基本は「お風呂周り全体」を指す単語。疑問文として使う時には「お手洗い」の意味で使われることも多い。
Restroom「外のトイレ」を意味するアメリカ英語。「お手洗い」に近いニュアンスで、下品な印象を与えない。

Toilet は日本語の「トイレ」と同じで直接的な表現です。家族や親しい友人など「トイレ行く」と気軽に言える間柄であれば「I go to toilet.」で問題ありません。

また、トイレ掃除(Do toilet cleaning)やトイレの電気(Light in the toilet)など、自分が行く行かない関係なくトイレという場所の話をする時は、Toilet を使います。

Bathroom は基本的には「バスルーム(トイレ、洗面所、お風呂)」という意味です。日本では、お風呂場とトイレがそれぞれ独立していますが、海外ではトイレ・洗面所・お風呂をまとめてバスルームと呼びます。

Bathroom と言うことで水回り全般が集約した部屋を意味することになるため、Toilet よりも間接的にトイレを表現することができます。

Restroomは「お手洗い」を意味するアメリカ英語独特の表現です。但し、レストラン・会社・ショッピングセンター・ホテルなど公共のトイレを意味し、家庭のトイレに対しては使いません。丁寧さの度合いとしては Bathroom と同程度です。

トイレを表すその他の表現

 ToiletBathroomRestroom 以外にも、英語でトイレを表す単語は他にもたくさんあります。それぞれのニュアンスの違いや使い方について、例文を交えて解説します。

Washroom

「洗面室」に近いニュアンスの単語です。単に「トイレ」と言うと単に便器のある部屋をイメージしますが、「洗面室」と言うとトイレと手洗い場がセットになっている感じがしませんか?

感覚としてはそれに近く、手洗い場が完備されたエリアを指して Washroom と言います。先ほど紹介した Bathroom と同義語と考えても良いでしょう。

Excuse me, where is a washroom?

すみません、洗面室(トイレ)はどちらですか?

The washroom is left ahead at the corner.

お手洗いは、突き当たりの左角です。

Lavatory

洗面所、化粧室、お手洗いという意味を持つ単語です。主に、飛行機や電車など公共交通機関に備え付けてある簡易的なトイレや、不特定多数が使うトイレを指して使うことが多く、家のトイレに対しては使いません。

実際、飛行機の中にあるトイレのドアに「Lavatory」と書かれているのを見かけたことがある方も多いはずです。

The lavatory is not available right now.

このトイレは現在使用できません。

The lavatory is in use.

ここのトイレは使用中だ。

I don’t like a seat close to the lavatory.

トイレの近くの席では困ります。

Powder room

女性用の化粧室や手洗い場を指す言葉です。日本でも「トイレ」という直接的な表現ではなく「化粧室」や「お化粧室」と間接的な表現をすることがありますよね。女性限定ではありますが、少し品のある言い方をしたい時に使いましょう。

Where is a powder room?

お化粧室(トイレ)はどちらですか?

Excuse me, I need to go to the powder room.

ちょっとお化粧室へ行ってきます。

Men’s room / Ladies’ room

本来、部屋という意味の Room ですが、性別とセットで使うことで男性用トイレ・女性用トイレという意味で使うことができます。口語としても使えますし、トイレのドアに書かれていることも多いでしょう。場合によっては、更衣室を表すこともあります。

高級なホテルやレストランなど、フォーマルな場では Men’s roomではなく Gentleman’s room が使われることがあります。しかし Ladies’ room については他の表現になることはなく Women’s room とは言いませんので注意してください。

The ladies’ room is on the 2rd and the men’s room on the 3th floor.

女性用トイレは2階に、男性用トイレは3階です。

The men’s room is on the left, and the women’s is on the right.

向かって左手が男子トイレ、右手が女子トイレです。

Potty

本来は「おまる」という意味の単語ですが、幼児語や赤ちゃん言葉で「おトイレ」と言いたい時にも Potty を使います。映画やドラマでも、幼稚園や保育園の先生やお母さんなど、小さな子供に対しては Bath room よりも Potty を使っている場面が多いことが分かるでしょう。

You wanna go potty?

おトイレ行く?

My son is being potty trained.

うちの子、いまトイレトレーニング中なんです。

日本では、トイレのことを「WC」と表現することがありますが、これは Water Closet の略称で「水洗式便所」を意味します。実はこの表現は世界的にもほとんどの国で使われておらず、日本に来た海外の方が「え?」と驚くポイントの1つだといわれています。

WC がトイレを意味しているということは伝わります。しかし、現在はトイレ=水洗トイレであることは多くの人が認識していますので、あえて Water Closet という必要がなくなっているのです。

水洗トイレが普及し始めた時代は、多くの国で使われていた表現ですが、WC という表記でトイレを表しているのは世界的にも日本だけではないかと言われています。

フォーマルなトイレの表現

丁寧な表現とその使用場面

話が盛り上がっている途中であったり、ビジネス相手でありあまり面識がない人々に直接「トイレ」というのは、失礼であったり恥ずかしい言い方です。しかし自然の摂理ですから、どうしてもトイレに行かなくてはならない場合があります。

先ほど紹介した ToiletBathroomRestroom のような「トイレ」を意味する単語を含めずとも「トイレに行く」ことが相手に伝わる、そんな英語表現をまとめました。

ビジネスシーンでの適切な表現

One minute, I’ll be right back. 

ちょっとすみません、すぐ戻ります。

Please excuse me. I need to freshen up. 

ちょっとすみません、気分転換させてください。

I’d like to wash my hands.

手を洗いたいです。

I need to go wash my hands.

手を洗いにいかなければなりません。

CanMay / CouldI be excused?

ちょっと失礼してもよいですか?

I need to excuse myself.

少々失礼しますね。

直訳すると「トイレに行くこと」を伝えている文章には見えませんが、これらはいずれも間接的にトイレに用を足しにいくことを伝えている文章です。かしこまった表現ではないので、ビジネスシーンでなく日常会話の中で使ってもOKです。

女性向けのエレガントな表現

Will you excuse myself, please?

ちょっと失礼させていただいてもよろしいです?

Excuse me, while I go powder my nose. 

お化粧直しをする間、少し失礼します。

I’m going to go powder my nose.

お化粧直しをしてきます。

下の2つは、化粧を理由に席を外すような言い回しとなっていますが、トイレのみでお化粧直しをしない時でも使ってOKです。

カジュアルなトイレの表現

家族や友達とのカジュアルな表現

家族や友達同士であれば「トイレ(ToiletBathroomRestroom)」と直接的に使用した文で問題ありません。発言者が子どもである場合や小さな子に対して話しかける場合には、より直接的な表現を使うこともあるでしょう。

日常的に使えるカジュアルな表現を、シチュエーション別に紹介します。

親しい友人とのコミュニケーション

One minute, I need to go to the bathroom. 

ちょっとまって、トイレに行きたい。

I’ll dash to the bathroom.

ダッシュでトイレ行ってくるわ。

I gotta go to the bathroom!

ちょっとトイレ!

Time for pee.

おしっこしてくるわ。

直接的なので、ビジネスシーンや高級なレストランなどオフィシャルな場での使用は適切ではありません。品がない、マナーがなってないという印象を与えてしまうでしょう。あくまでも、家庭内や友人同士など親しい間柄での使用に留めておきましょう。

子供向けの直接的な表現

I need to go pee.

おしっこに行きたいの。

Tell me if you want to potty.

おトイレ行きたくなったら教えてね。

Let’s go to the potty.

おトイレ行こうか。

I’m going for a pee.

おしっこ行ってくる。

I’m bursting!

もう漏れちゃう!

これらの文章は子ども向けの表現であるものの、仲がいい友達に対しても問題なく使える文でもあります。この文を使う友達、というのはとても仲がいい友達ということですね。

会話文

EmiCatherineが会話をしています。

Emi:Suddenly, I need to go to the bathroom.

なんだか急にトイレに行きたくなっちゃった。

Catherine:What’s wrong? Is your stomach upset?

どうしたの?お腹でも壊したの?

Emi:The lunch I ate earlier was a little salty. I seem to have drunk too much water.

さっきのランチ、少ししょっぱくて。水を飲み過ぎたみたい。

Catherine:That’s true. That tasted too strong.

確かに、味が濃かったわね。

Emi:Can I just drop by that convenience store?

あそこのコンビニ寄ってもいいかな?

Catherine:Of course.

もちろん。

ポイント

会話で出てきた単語や表現をおさらいしましょう。

Stomach upset お腹を壊す

直訳すると「お腹怒る」となってしまいますが、お腹の調子が悪いことを表現する定番フレーズです。腹痛や胃痛など痛みに限定した表現ではなく、ムカつき・食あたりなど腹部全般の調子が優れないことを意味します。

I seem to ~ ~みたいだ、~のようです。

Strong (味が)濃い

強いという意味の単語ですが、味に対して使うと「濃い」という意味になります。反対に、味が薄いことは「Taste bland:淡白な味」や「Too bland:薄すぎる」と表現します。

アメリカとイギリスのトイレの表現

イギリスとアメリカでの使い分け

同じ日本国内でも地域によって言い方やイントネーションが変わるように、イギリスとアメリカでは英語の表現に違いがいくつもあります。トイレに関する表現にも、違いがありますので確認していきましょう。

まず、トイレを表す表現としてイギリスでは Toilet 、アメリカでは BathroomRestroom がよく使われます。

  • イギリス: I go to the toilet.
  • アメリカ: I got to the bathroom.

アメリカでは Toilet と言ってしまうと、直接的すぎて下品だと捉えられてしまいます。そのため、Bathroom Restroom という表現が好まれます。

一方でイギリス英語は直接的な表現を好む傾向にあり、Toilet と言ってもマナー違反にはなりません。

イギリスではトイレのことを Loo と呼ぶこともあります。イギリス英語を使う、アイルランドやオーストラリア・ニュージーランドでは多くの人が使う言葉なので認知度も高いですが、アメリカ英語を使う地域では伝わりにくいでしょう。

I need the loo!

私はトイレに行きたい!

Where’s the loo?

トイレはどこですか?

トイレに関するその他の表現

紹介しきれなかったトイレに関する、単語や表現をまとめて紹介します。いざと言う時にスッと出てくるよう、繰り返し声に出して覚えておきましょう

【単語】

  • Temporary toilets 仮設トイレ
  • Accessible BathroomAccessible toilet 多目的トイレ
  • Family Restroom 多目的トイレ(小さな子を連れた人用)
  • Toilet 便器(洋式トイレ)
  • Urinal 便器(男性用トイレ)
  • Toilet seat 便座
  • Sanitary box 生理用品用ゴミ箱
  • Toilet brush トイレブラシ
  • Toilet bowl cleaner トイレ洗剤
  • Air freshener 消臭剤、芳香剤

【表現】

Need to go to the bathroom a lot トイレが近い

例)If I drink coffee, I need to go to the bathroom a lot. コーヒーを飲むと、トイレが近くなります。

Do you feel like going to the restroom? トイレに行かなくても大丈夫?

Flush the toilet トイレを流す

例)Did you remember to flush the toilet? トイレを流すの忘れてない?

I’m in here. / Busy! 入ってます。(ドアをノックされた時の返答)

Bathroom breakComfort break トイレ休憩

例)We are going to have a 10 minute comfort break now. 今から10分間、トイレ休憩にします。

I am holding it. トイレを我慢している。

The toilet is clogged up. このトイレは詰まっています。

I’m in charge of cleaning the toilet. トイレ掃除の当番は私です。

まとめ

ここまでで「トイレ」に関する単語として紹介したのは

  • 単語:Toilet・Bathroom・Restroom
  • 表現:I’ll be right back・I need to freshen up・I go powder my nose

などです。

日本語と同じように、伝える相手・自分の年齢・シチュエーションによって英語も様々な言い方があることがお分かりいただけたと思います。

躊躇する内容だからこそ、適切に使う必要があるトピックです自分が使う必要がある例文を覚えておき、必ず言えるようにしておきましょう。

それではまた、See you!

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