英語のレシピで料理をつくる

  1. 会話で学ぶ英語表現

海外で生活することになると、その国のスーパーで食材を購入し、その国仕様のキッチンで料理をしなくてはなりません。

そこで今回は、英語圏での料理やレシピの読み方にスポットをあて、解説していきます。

英語のレシピで料理をつくる

日本とアメリカ:キッチンの違い

海外へ行くとさまざまな部分で文化の違いを感じ、そのギャップに驚く方も多いでしょう。キッチンも違いが多いポイントの一つです。

まず、日本のキッチンは身長160センチ~170センチくらいの人が使いやすいような仕様になっています。

一方で平均身長が日本よりも高いアメリカやヨーロッパでは、その国の平均身長に合わせた仕様になっているため、日本人からすると若干の使いにくさを感じることもあるでしょう。

また、家電製品が埋め込み型になっていることが多いという点も、特徴の一つです。オーブンや食器洗浄乾燥機はもちろんのこと、冷蔵庫やワインクーラーまで埋め込みとなっている家庭も多いそうです。

加えて、家自体が日本と比べて広いので、キッチンも広々としていて作業スペースが広めに確保されている傾向にあります。

光が射してくる開かれた日本語。

レシピは英語で「Recipe」「Directions

レシピは調理法・調理手順という意味で、日本でもすっかり定着している言葉です。アルファベットで書くと Recipe で、正しい発音はレイセピといった感じで日本語とは若干異なるので注意しましょう。

英語では調理法のことを Directions と表現することもあります。使い方や意味は Recipe とほとんど変わりません。インターネットで調理法を検索する際などは、Directions も試してみてください。

My mother taught me this recipe.

このレシピは母から教わったものです。

Directions:Chicken soboro

鶏そぼろの作り方

また、キッチンで使う家電製品のことは Kitchen appliances と表現します。

Appliance 自体は、機器や装置といった意味を持つ単語ですが、家電や電化製品といった意味でも使われます。

Appliance(発音記号:ʌˈplaɪʌns

Home appliances

家電製品

I want new kitchen appliances as soon as they are released.

新しいキッチン家電が出ると、すぐ欲しくなってしまう。

キッチン、料理関連の英単語

  • Refrigerator、Fridge 冷蔵庫
  • Freezer 冷凍庫
  • Oven オーブン
  • Dishwasher 食器洗い乾燥機
  • Stove コンロ
  • Mixer、Blender ミキサー
  • Electric kettle 電気ケトル
  • Whisk 泡だて器
  • Ladle おたま
  • Turner フライ返し
  • Lid 蓋
  • Mixing bowl ボウル
  • Cutting board まな板
  • Plastic container タッパー
  • Kitchen chopsticks 菜箸
  • Dish、Plate 皿
  • Home cooking 家庭料理
  • Standard recipe 定番料理
  • Recipe in no time 時短レシピ
エプロン姿でハンドミキサーを持つ日本語。

レシピでよく見る英語表現

日本語でも「ひとつまみ」や「合い挽き」といったレシピや調理工程の説明ならではの表現が多々あります。英語のレシピでも、日常会話ではあまり耳にしない単語や表現が使われています。

比較的良く出てくる、ぜひとも覚えておきたい5つの表現をまとめました。例文を参考に使い方や意味をマスターしてください。

To taste:適量、お好みで

直訳すると「味わう」ですが、レシピでは「適量・好みに合わせて」という意味で使われている表現です。レシピ本や料理動画など様々なシーンで非常によく使われる言い回しなので、英語のレシピで料理をしたい方は必ず覚えておきましょう。

使い方としては「Add ○○ to taste.」の形が基本で、○○の部分に加える調味料の名前が入ります。

Add salt to taste.

適量の塩を入れます。

Add dried parsley to taste.

お好みでドライパセリを入れます。

Bite sized pieces:食べやすい大きさ、一口大

レシピにてよく見る「食べやすい大きさ」という表現は、「Bite sized pieces(噛むサイズのかけら)」と書いて表現します。

グミやチョコレートといったお菓子のパッケージやファーストフードの広告で使われることもあり、ポイっと口に入れられる大きさ・手軽さを印象付けるイディオムです。

Cut the cheese into bite-sized pieces.

チーズを食べやすい大きさに切ります。

The cookies are bite size and perfect for on the go.

このクッキーは一口サイズで持ち歩きに丁度いい大きさです。

Properly:しっかりと

適切に、正確に、行儀よく、といった意味を持つ単語ですが、レシピにおいては「しっかりと・十分に」というニュアンスで使われます。

火の通し加減や、焼き目の付け方、煮込む時間など、じっくりと丁寧に作業する必要がある工程の説明に適した単語です。

Properly cooled in the refrigerator before cutting into pieces.

冷蔵庫でしっかりと冷やしてから切り分けます。

Cook the meat properly.

肉にしっかりと火を通す。

似た意味の単語に「Thoroughly(徹底的に、とことん)」がありますが、こちらもレシピ上では Properly と同じ意味で使われています。

Drain the ~:~の水を切る

水洗いした野菜や麺類、豆腐やヨーグルトなどの水分を取り除くことは、Drain を使って表現します。

日本語でドレインは、排水や雨水といった意味で使われていますが、英単語の正しい意味は「排出、水を切って乾かす、水をはかす」です。

Drain the noodles

麺の水気を切る

Drain the boiled potatoes and put in a bowl.

ゆでたジャガイモは、水気を切ってボウルにいれます。

Melt、Dissolve:溶ける、溶かす

溶かしバターや、砂糖を溶かすなど、レシピでは「溶ける」というワードがたくさん出てきます。日本語では溶けるは1つの単語ですが、英語では主に2つの単語を使い分けています。

「個体が液体になる」という意味での溶けるでは、Melt が使われます。バターやチョコレート、アイスクリーム、氷など、温度の変化によって該当の物質自体が溶ける様子を表す単語です。

Tip into a bowl and mix with the melted butter.

材料をボウルに入れて、溶かしバターを加えて混ぜます。

Stir in the melted chocolate and blend well.

最後に、溶かしたチョコレートを加えて丁寧に混ぜ合わせます。

一方で、水に溶かす、お湯に溶かすなど、「液体に別のものを溶けこませる」といったシーンでは Dissolve を使います。

Stir until the stock cubes are dissolved.

コンソメキューブが溶けきるまで混ぜます。

The sugar is properly dissolved, reduce the heat.

砂糖がしっかりと溶けたら、火を弱めます。

Golden brown:焼き目、焼き色

日本のレシピでは、きれいな焼き色がつくことを「きつね色になる」と表現することがあります。Golden brown はまさにその英語版です。

こんがりと揚がった綺麗な色、美味しそうな焼き色といったポジティブな意味の表現で、レシピはもちろん料理の誉め言葉としても使われます。

Bake for another 5 minutes until golden-brown and crisp.

カリっときつね色になるまで5分ほど焼いていきます。

Once the chicken is golden brown, add enough broth to cover it and let it simmer.

鶏肉に焼き色がついたら、ブイヤベースを注いで弱火で煮詰めていきます。

キッチンで 2 つの木のスプーンを持ち、料理を学ぶ少年。

会話

Erikとお母さん(Mother)が一緒に料理をしています。

Erik:I want to cook delicious food for my grandpa and grandma. And, I want them to be happy.

美味しい料理を作って、おじいちゃんとおばあちゃんに喜んでもらうぞ~!

Mother:Wash the vegetables and then peel them. Don’t use detergent.

野菜は洗ってから皮を剥いてね。洗剤は使わないで。

Erik:Would it look delicious if I cut it bigger?

大きめにカットした方が美味しそうに見えるかな?

Mother:I see. I think it’s better to cut it a little smaller so that it’s easier to eat.

そうね。でも食べやすさを考えたら、もう少し小さくてもいいかもしれないわ。

Erik:Ok, mom. How about like this?

わかったよ。このくらいはどうかな?

Mother:It’s nice. If you cut it into small pieces, it will be easier to cook. I’m sure it’s going to be delicious.

いいと思うわ。小さめの方が、火も通りやすいのよ。きっと美味しく仕上がるわ。

Erik:I cut it all up and put it in a pot. All that is left is put the lid and cook on low heat.

全部切って、お鍋に入れたよ。後は蓋をして煮込むだけ!

Mother:That’s right. Don’t forget skim the scum off the top.

そうね。灰汁をとるのを忘れないでね。

ErikIt smells good. Is it coming? Is it coming?

いいにおいがしてきたよ。まだかな?まだかな?

Mother:It makes me hungry!

お母さんも、お腹がすいてきちゃった!

ポイント

会話に出てきた単語や表現をおさらいしましょう。

Peel 皮をむく

Peel は野菜や果物の皮をむくという意味でつかわれる単語です。口語では、Off と組み合わせて「服を脱ぐ」という意味でも使われます。キッチン用品のピーラーも、この Peel からネーミングされています。

例)Peel the shell of an egg. 卵の殻をむく。

例)Peel off and dive into a river. 服を脱いで川に飛び込む。

Detergent 洗剤

洗濯用、食器用、掃除用、さまざまなシーンで使われる洗剤を総称した言い方です。より具体的に言いたい場合には「Laundry detergent(洗濯洗剤)」や「Dishwashing detergent(食器洗い用洗剤)」など、前に用途を付け足してあげましょう。

Look delicious 美味しそうに見える

Easy to eat 食べやすい

All that is left ~ 後は~だけ

日常会話でも非常によく使われる慣用句です。Is の部分を過去形にすることで、「あとは~だけだった。」という表現にも使えます。

例)All that is left is to sleep. 後は寝るだけです。

例)I’m ready, all that is left is play. 準備は整った、あとはやるだけ。

例)All that was left was to wait for her to come back. 後は彼女の帰りを待つだけだった。

Put the lid 蓋をする

Cook on low heat (弱火でじっくり)煮込む

Scum 灰汁(あく)

日本語が書かれたクッキーのトレイを持つ女性。

実際のレシピを見てみよう

Toll House Chocolate Chip Cookie 

トールハウスチョコレートチップクッキー

【Ingredients 材料】

  • 2 1/4cups all-purpose flour  中力粉 2 1/4カップ
  • 1 teaspoon baking powder  ベーキングパウダー 小さじ1
  • 1 teaspoon salt  塩 小さじ1
  • 1 cup butter (softened)  柔らかくしたバター 1カップ
  • 3/4 cup granulated sugar  グラニュー糖 3/4カップ
  • 3/4 cup brown sugar 三温糖 3/4カップ
  • 1 teaspoon vanilla extract バニラエッセンス 小さじ1
  • 2 large eggs 卵(大) 2個
  • 2 cups 12oz semisweet chocolate chips  セミスイートチョコチップ 2カップ12オンス
  • 1 cup shopped nut きざんだナッツ 1カップ

【Preparation 作り方】

①Heat oven to 375F°

オーブンを375F°に温める。

②Mix flour, baking soda and salt in a small ball.

中力粉、ベーキングパウダーと塩を小さなボールで混ぜる。

③Mix butter, granulated sugar, brown sugar, and vanilla extract in a large mixing bowl, until it gets creamy.

バター、グラニュー糖、三温糖とバニラエッセンスを大きなボールでクリーム状になるまで混ぜる。

④Add eggs, one at a time and mix well in each adding.

卵を1つずつ入れ、毎回しっかり混ぜる。

⑤Add chocolate chips and nuts and mix.

チョコレートチップとナッツを混ぜる。

⑥Add flours mixture (2) gradually.

(2)の小麦粉を混ぜたものを徐々に混ぜる。

⑦Hold teaspoon in each hand and take 1 scoop of (6).  Drop it roundly onto the backing sheet.  Repeat is until the backing sheet gets full.

各手に小さじを持ち、(6)を1さじすくう。ベーキングシートの上に丸く落とす。ベーキングシートがいっぱいになるまで繰り返す。

⑧Bake it in the oven for 9 to 11 minutes, the cookie will become golden brown.

クッキーがきつね色になるまで、9~11分ほどオーブンで温める。

⑨Cool the cookies on baking sheet for some minutes.  Remove them to wire racks to cool down completely.

ベーキングシートの上で数分クッキーを冷ます。ワイヤーラックにクッキーを移して完全に冷ます。

ポイント

レシピに出てきた単語や表現を確認しましょう。

12oz 12オンス

カップは日本でも目盛のついた容器に表示がありますが、オンスの表記がある計量器はなかなかありません。この場合はグラムに変換する必要があります。1ozが約28gなので、12ozはだいたい340gになります。

All purpose flour 中力粉、準強力粉

日本ではあまり目にしませんが、アメリカでは中力粉が普通に売られています。

Brown sugar 三温糖

三温糖とは日本独自の砂糖です。白い砂糖を精製した後の糖液を繰り返し煮詰めて作るため、薄い茶色をしています。甘みは強くしっかりとした味わいで、海外でも様々な料理で使われています。地域によっては“Yellow soft sugar”と表現することもあります。

Gradually 徐々に

Gradually は、徐々に・だんだんと・少しずつと、次第に変化している様子を表す英単語です。Little by little も同じ意味の表現ではありますが、若干口語に近くカジュアルな印象を与えます。

例)They gradually got closer. 彼らはだんだん仲良くなっていった。

例)I will gradually get used to that. 少しずつ慣れてきました。

トールハウスチョコレートチップクッキーって何?

今や世界中にあるチョコレートチップクッキーですが、発祥はアメリカだといわれています。

元々アメリカではチョコクッキーはあくまでもチョコ味のクッキーでした。しかしチョコレートを細かく刻んで混ぜなかったため溶け残ってしまい、チョコ味ではなくチョコレートチップ入りのクッキーが誕生しました。

このお菓子を作ったのは”Toll House Inn”という民宿で働いていた女性、Ruth Wakefield、ルース・ウェイクフィールドさんです。民宿の名前を付け、チョコレート会社のネスレに1ドルでレシピを売りました。

ネスレは自社のチョコチップの箱にこのレシピを掲載し、世界中に広めました。ネスレが彼女に支払った対価は1ドルと一生分のチョコレートですが、こんなに広まるとは思わなかったのでしょうね。

現在では手作りお菓子の定番として、多くの家庭で親しまれています。

今回紹介したレシピは、小麦粉は約110g、砂糖やバターは180g使っています。日本ではだいたいバター100gで作るレシピが多いので、日本でのレシピの2倍になります。さすがはビッグサイズのアメリカ!といった印象を受けますね。

まとめ

英語のレシピで料理を作ると、日常会話ではあまり使わない単語や表現が学語彙力アップにつながります。日本料理のメニューが、英語レシピだとどのように表現されているかを見てみるのも面白いかもしれません。

それではまた、See you!

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