英語の受動態(受け身)完全攻略ガイド!基本から応用、苦手克服まで徹底解説

  1. 英文法

英語の受動態(受け身)完全攻略ガイド!基本から応用、苦手克服まで徹底解説

ネイティブはいつ使う?豊富な例文と時制別マスター法で「される」表現を自由自在に!

レッスンの内容

はじめに:なぜ英語の「受動態」でつまずくのか?

英語学習を進める上で、多くの人が「壁」として感じがちな文法項目、それが「受動態(受け身)」ではないでしょうか。「be動詞 + 過去分詞」という形は知っていても、

  • 「そもそも、どんな時に使うのが自然なの?」
  • 「時制が変わると、どう形が変わるんだっけ?」
  • 「by 以外の前置詞が出てくると混乱する…」
  • 「使役動詞や知覚動詞の受動態は、特に難しい!」

といった疑問や苦手意識を持つ方は少なくありません。

しかし、受動態は英語でコミュニケーションをとる上で非常に重要かつ便利な表現です。ネイティブスピーカーは日常会話からビジネス、ニュース、学術論文まで、あらゆる場面で自然に受動態を使いこなしています。受動態を理解し、使いこなせるようになることで、あなたの英語表現の幅は格段に広がり、より正確でニュアンス豊かなコミュニケーションが可能になります。

この記事では、そんな受動態への苦手意識を克服し、自信を持って使いこなせるようになることを目指します。受動態の基本的な考え方から、様々な時制での作り方、ネイティブが使う自然なシチュエーション、間違いやすいポイント、そして応用的な使い方まで、豊富な例文とともに徹底的に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたは受動態の達人になっているはずです!

そもそも受動態(受け身)とは?能動態との違い

受動態を理解する第一歩は、「能動態」との違いを把握することです。

  • 能動態 (Active Voice): 主語が「〜する」という動作を行う文。誰が何をしたかを明確に示します。
    例: Shelley wrote this letter. (シェリーがこの手紙を書いた)
  • 受動態 (Passive Voice): 主語が「〜される」という動作を受ける文。何がどうされたかに焦点を当てます。
    例: This letter was written by Shelley. (この手紙はシェリーによって書かれた)

能動態では動作主である「Shelley」が主語ですが、受動態では動作の対象である「This letter」が主語になっています。このように、文の中で何に焦点を当てたいかによって、能動態と受動態を使い分けるのが基本です。

ネイティブはいつ受動態を使う?6つの主なシチュエーション

では、具体的にどのような場面で受動態が使われるのでしょうか? ネイティブスピーカーが受動態を好んで使う主な理由・状況を見ていきましょう。

1. 行為者(誰がしたか)が不明・重要でない・あえて言わない場合

誰がその動作を行ったのか分からない、あるいは文脈上重要ではない、または意図的に伏せたい場合に受動態が使われます。「何がどうされたか」という事実だけを伝えたい場合に便利です。

例文:
My bike was stolen last night. (昨夜、私の自転車が盗まれた) ← 誰が盗んだか不明
This bridge was built in 1950. (この橋は1950年に建設された) ← 誰が建てたかは重要でない
Mistakes were made. (間違いがなされました) ← 誰が間違いを犯したか、あえて言及しない(責任回避のニュアンスも)

2. 行為者(主語)が非常に長い場合

能動態にすると主語が長くなりすぎて文のバランスが悪くなる(頭でっかちになる)場合、受動態にして目的語を主語にすることがあります。英語では長い主語は避けられる傾向があります。

能動態(主語が長い):
A famous architect who won numerous awards designed this beautiful museum.
(数々の賞を受賞した有名な建築家が、この美しい美術館を設計した)

受動態(バランスが良い):
This beautiful museum was designed by a famous architect who won numerous awards.
(この美しい美術館は、数々の賞を受賞した有名な建築家によって設計された)

3. 受け手(何がされたか)を強調したい場合

文の主役を、動作の受け手(能動態の目的語)にしたい場合に受動態を使います。ニュース報道などで、被害や影響を受けた対象を強調する際によく見られます。

例文:
The new software was released yesterday. (新しいソフトウェアが昨日リリースされた) ← ソフトウェアが話題の中心
Thousands of people were affected by the earthquake. (何千人もの人々がその地震の影響を受けた) ← 被災者が焦点

4. 一般的な事実・ルール・習慣などを客観的に述べる場合

世間一般で言われていること、広く知られている事実、規則、手順などを述べるときに受動態が使われます。これにより、特定の個人の意見ではなく、客観的な情報であるというニュアンスが出ます。”It is said that…”(〜と言われている)、”It is known that…”(〜と知られている)、”It is believed that…”(〜と信じられている)などの構文は頻出です。

例文:
It is said that practice makes perfect. (練習が完璧を生むと言われている)
Smoking is prohibited in this building. (この建物内では喫煙は禁止されています)
English is spoken all over the world. (英語は世界中で話されている)

5. 感情表現 (be interested in, be surprised at など)

感情を表す動詞の多くは、受動態の形で「〜させられる」という意味合いで使われ、結果的に形容詞のように機能します。これは、英語では感情は何か外的要因によって「引き起こされる」ものだと捉える傾向があるためです。主語は通常「人」になります。

例文:
I am interested in Japanese history. (私は日本の歴史に興味がある) ← 歴史が私に興味を「起こさせている」
She was surprised at the news. (彼女はその知らせに驚いた) ← 知らせが彼女を「驚かせた」
He is excited about the trip. (彼はその旅行にワクワクしている) ← 旅行が彼を「興奮させている」
We were satisfied with the result. (我々はその結果に満足した) ← 結果が我々を「満足させた」

6. 科学論文・レポート・フォーマルな文書

客観性や普遍性が重視される学術論文や公的な文書では、動作主(研究者など)を主語にする能動態よりも、実験や結果そのものに焦点を当てる受動態が好んで用いられます。

例文:
The samples were analyzed using spectroscopy. (サンプルは分光法を用いて分析された)
Further research is needed to confirm these findings. (これらの所見を確認するためには、さらなる研究が必要とされる)

受動態の作り方【基本マスター編】

受動態の基本的な形は 「主語 + be動詞 + 過去分詞 (+ by 行為者)」 です。能動態の文から受動態の文へ書き換える手順を見ていきましょう。

能動態の文: Ken uses this computer. (ケンはこのコンピューターを使う)

  1. 能動態の目的語 (this computer) を受動態の主語にする。
  2. 能動態の動詞 (uses) を「be動詞 + 過去分詞」の形に変える。時制と主語に合わせて be動詞 (is) を選び、動詞を過去分詞 (used) にする。→ is used
  3. 能動態の主語 (Ken) を「by + 行為者」の形にして文末(または動詞の後)に置く。→ by Ken

受動態の文: This computer is used by Ken. (このコンピューターはケンによって使われる)

ポイント:

  • Be動詞は、受動態の主語と時制に合わせて am, is, are, was, were などを使い分けます。
  • 過去分詞は、規則動詞の場合は -ed をつけ、不規則動詞の場合は独自の形(例: write → written, eat → eaten)を覚える必要があります。
  • 「by + 行為者」は、行為者が不明な場合、文脈から明らかな場合、または重要でない場合には省略されることが非常に多いです。

基本例文:
– 能動態: Many people love this song. (多くの人がこの歌を愛している)
受動態: This song is loved by many people. (この歌は多くの人に愛されている)
– 能動態: Someone broke the window. (誰かが窓を割った)
受動態: The window was broken. (窓が割られた) ← by someone は通常省略
– 能動態: Shakespeare wrote Hamlet. (シェイクスピアはハムレットを書いた)
受動態: Hamlet was written by Shakespeare. (ハムレットはシェイクスピアによって書かれた)

能動態と受動態の文構造の違いを図解したイラスト

能動態と受動態では、文の焦点が変わります

時制別!受動態の作り方と使い方【応用編】

受動態は、能動態と同じように様々な時制で使うことができます。be動詞の部分を変化させるのがポイントです。

現在形: 主語 + am/is/are + 過去分詞

現在の習慣、事実、状態などを表します。

例文:
This room is cleaned every day. (この部屋は毎日掃除される)
Rice is grown in many parts of Asia. (米はアジアの多くの地域で栽培されている)

過去形: 主語 + was/were + 過去分詞

過去のある時点での出来事や状態を表します。

例文:
The meeting was canceled yesterday. (会議は昨日キャンセルされた)
These photos were taken during my trip to Italy. (これらの写真はイタリア旅行中に撮られた)

未来形: 主語 + will be + 過去分詞 / 主語 + be going to be + 過去分詞

未来の出来事や予定を表します。”will” は意志や予測、”be going to” は既に決まっている予定や計画に使われる傾向があります。

例文:
The results will be announced next week. (結果は来週発表されるだろう)
A new library is going to be built next year. (新しい図書館が来年建設される予定だ)

現在進行形: 主語 + am/is/are + being + 過去分詞

「今まさに〜されている」という進行中の動作を表します。be動詞とbeingが続く形に注意しましょう。

例文:
The road is being repaired now. (道路は現在修復中です)
Dinner is being prepared in the kitchen. (夕食がキッチンで準備されているところです)

過去進行形: 主語 + was/were + being + 過去分詞

過去のある時点で「〜されていた」という進行中の動作を表します。

例文:
The stadium was being built when I visited the city last year. (昨年その街を訪れたとき、スタジアムは建設中だった)
My car was being fixed, so I took the bus. (私の車は修理中だったので、バスに乗った)

現在完了形: 主語 + have/has + been + 過去分詞

過去から現在までの動作の完了・結果・経験・継続を表します。

例文:
The package has just been delivered. (荷物はちょうど配達されたところだ) [完了・結果] – This temple has been visited by millions of people. (この寺は何百万人もの人々によって訪れられたことがある) [経験] – This song has been loved for generations. (この歌は何世代にもわたって愛され続けている) [継続]

過去完了形: 主語 + had + been + 過去分詞

過去のある時点よりもさらに前の動作の完了・結果・経験・継続を表します(大過去)。

例文:
The report had already been submitted when the manager asked for it. (部長がそれを求めたとき、レポートは既に提出されていた)
The house had been vacant for years before it was sold. (その家は売却されるまで何年も空き家だった)

助動詞 + 受動態: 主語 + 助動詞 + be + 過去分詞

can, may, must, should などの助動詞の後ろに「be + 過去分詞」を続けます。

例文:
This task can be done easily. (この仕事は簡単にできる)
The rules must be followed by everyone. (ルールは全員によって守られなければならない)
Your order should be delivered within three days. (ご注文品は3日以内に配達されるはずです)

様々な時制を表す時計やカレンダーのイメージと受動態の例文

時制に合わせてbe動詞の形を正しく変化させましょう

受動態の否定文・疑問文の作り方

受動態の文を否定文や疑問文にするのも簡単です。基本的には be動詞や助動詞のルールに従います。

否定文: be動詞 / 助動詞 + not

be動詞または助動詞の直後に “not” を置きます。

例文:
– 肯定文: The window was broken. (窓が割られた)
否定文: The window was not (wasn’t) broken. (窓は割られなかった)
– 肯定文: English is spoken here. (ここでは英語が話されている)
否定文: English is not (isn’t) spoken here. (ここでは英語は話されていない)
– 肯定文: The work will be finished tomorrow. (仕事は明日終わるだろう)
否定文: The work will not (won’t) be finished tomorrow. (仕事は明日終わらないだろう)
– 肯定文: The door should be locked. (ドアは施錠されるべきだ)
否定文: The door should not (shouldn’t) be locked. (ドアは施錠されるべきではない)

疑問文: Be動詞 / 助動詞を主語の前に

Yes/No疑問文では、be動詞または助動詞を文頭に移動させます。Wh疑問文では、Wh疑問詞を文頭に置き、その後に be動詞/助動詞 + 主語 + 過去分詞 …? と続けます。

例文 (Yes/No疑問文):
Was the window broken? (窓は割られましたか?)
– Yes, it was. / No, it wasn’t.
Is English spoken here? (ここでは英語は話されていますか?)
– Yes, it is. / No, it isn’t.
Will the work be finished tomorrow? (仕事は明日終わりますか?)
– Yes, it will. / No, it won’t.

例文 (Wh疑問文):
When was the window broken? (窓はいつ割られましたか?)
Why was the meeting canceled? (なぜ会議はキャンセルされたのですか?)
How can this problem be solved? (この問題はどうすれば解決できますか?)
Who was this book written by? / By whom was this book written? (この本は誰によって書かれましたか?)

「by」だけじゃない!受動態で使われる前置詞

受動態の文では、行為者を示す「by」以外にも、様々な前置詞が使われます。これらは特定の動詞とセットで使われることが多いので、イディオムとして覚えてしまうのが効果的です。

by: 行為者を示す

最も基本的な前置詞で、「〜によって」という動作主を表します。

例文: The novel was written by a famous author. (その小説は有名な作家によって書かれた)

with: 道具・材料を示す

動作に使われた具体的な道具や材料を示します。「〜で」「〜を使って」といった意味合いです。また、「〜で覆われている」「〜で満たされている」といった状態を表す際にも使われます。

例文:
The letter was written with a pencil. (その手紙は鉛筆で書かれた) [道具] – The mountain is covered with snow. (その山は雪で覆われている) [状態] – The basket was filled with fruit. (そのカゴは果物で満たされていた) [状態]

in: 材料・分野・感情・場所など

興味・関心の対象となる分野、感情、または事故や天候など、ある状況の中に巻き込まれるような場合に用いられます。

例文:
I am interested in psychology. (私は心理学に興味がある) [分野] – He was caught in a traffic jam. (彼は交通渋滞に巻き込まれた) [状況] – The actor is involved in a scandal. (その俳優はスキャンダルに関与している) [状況]

at: 感情・目標・場所など

驚きや失望などの感情の原因や、目標となる対象、特定の場所を示す際に使われます。

例文:
We were surprised at his sudden resignation. (我々は彼の突然の辞任に驚いた) [感情の原因] – The criticism was aimed at the government. (その批判は政府に向けられたものだった) [目標] – The conference will be held at the Grand Hotel. (会議はグランドホテルで開催される) [場所]

of: 材料・起源・構成など

製品の材料(見た目で判別できる場合)、構成要素、起源などを示します。

例文:
This desk is made of wood. (この机は木でできている) [材料 – 見た目でわかる] – The team is composed of five members. (そのチームは5人のメンバーで構成されている) [構成] – She is well thought of by her colleagues. (彼女は同僚たちから高く評価されている) [評判]

from: 材料(加工されて変化した場合)

製品の材料(加工によって元の形質が失われている場合)を示します。

例文:
Wine is made from grapes. (ワインはブドウから作られる) [材料 – 加工で変化] – Cheese is made from milk. (チーズは牛乳から作られる) [材料 – 加工で変化]

made of と made from の違い: 見た目や触感で材料がわかる場合は “of”、加工によって材料の性質が変わってしまった場合は “from” を使うのが一般的です。

to: 対象・比較など

「〜に知られている」「〜と結婚している」など、特定の対象や比較相手を示す際に使われます。

例文:
He is known to everyone in the town. (彼は町の皆に知られている) [対象] – She is married to a doctor. (彼女は医者と結婚している) [対象] – This brand is preferred to others by young people. (このブランドは若者によって他のものより好まれている) [比較]

受動態で使われる様々な前置詞(by, with, in, at, of, from, to)を示すイラスト

動詞とセットで前置詞を覚えましょう

注意!受動態にできない動詞たち

全ての動詞が受動態になれるわけではありません。特に以下の種類の動詞は注意が必要です。

1. 自動詞 (Intransitive Verbs)

目的語を取らない動詞(自動詞)は、受動態の主語になるべき目的語が存在しないため、基本的に受動態にできません。

例:
go, come, arrive, leave, walk, run, sleep, cry, laugh, smile, happen, occur, appear, disappear, exist, die, live, rise, fall など。
誤: He was arrived at the station.
正: He arrived at the station. (彼は駅に到着した)
誤: The accident was happened yesterday.
正: The accident happened yesterday. (その事故は昨日起こった)

※ただし、一部の自動詞は前置詞と結びついて他動詞句(群動詞)となり、受動態を作ることがあります (例: The bed was slept in. – 口語的)。

2. 状態を表す他動詞の一部 (Stative Verbs)

目的語を取る他動詞であっても、動作ではなく状態を表す一部の動詞は、通常受動態では使われません。

例:
have (持っている), possess (所有している)
resemble (似ている)
lack (欠いている)
fit (サイズが合う), suit (似合う)
cost (費用がかかる)
誤: A new car is had by him.
正: He has a new car. (彼は新しい車を持っている)
誤: His father is resembled by him.
正: He resembles his father. (彼は父親に似ている)

書き換えで特に注意!発展的な受動態パターン

能動態から受動態への書き換えで、特に間違いやすいパターンを見ていきましょう。ここをマスターすれば、受動態への理解がさらに深まります。

1. SVOO(第4文型)の受動態

SVOO(主語 + 動詞 + 間接目的語(人) + 直接目的語(物))の文型では、「人」と「物」の2つの目的語があります。どちらを主語にするかで、受動態の形が2種類作れる場合があります。

① 「人」を主語にする場合: O(人) + be動詞 + 過去分詞 + O(物) (+ by S)

② 「物」を主語にする場合: O(物) + be動詞 + 過去分詞 + to/for + O(人) (+ by S)

「物」を主語にする場合、動詞の種類によって「人」の前に to または for が必要になります。

例文 (give 型 – to を使う):
能動態: He gave me a book. (彼は私に本をくれた)
受動態① (人): I was given a book by him. (私は彼から本を与えられた)
受動態② (物): A book was given to me by him. (本が彼によって私に与えられた)

例文 (buy 型 – for を使う):
能動態: My father bought me a camera. (父は私にカメラを買ってくれた)
受動態① (人): I was bought a camera by my father. (私は父にカメラを買ってもらった)
受動態② (物): A camera was bought for me by my father. (カメラが父によって私のために買われた)

注意点: buy, make, cook, find, get など「相手のために」というニュアンスの動詞は “for” を使います。give, send, tell, teach, show などは “to” を使います。また、動詞によっては「人」を主語にする受動態が不自然になる場合もあります(特に buy 型)。

2. SVOC(第5文型)の受動態

SVOC(主語 + 動詞 + 目的語 + 補語)の文型では、目的語が受動態の主語になり、補語はそのまま後に続きます。特に、使役動詞や知覚動詞の場合は、補語の形に注意が必要です。

基本形: O + be動詞 + 過去分詞 + C (+ by S)

例文 (補語が名詞/形容詞):
能動態: We call him Ken. (私たちは彼をケンと呼ぶ)
受動態: He is called Ken (by us). (彼はケンと呼ばれている)
能動態: The news made her happy. (その知らせは彼女を幸せにした)
受動態: She was made happy by the news. (彼女はその知らせによって幸せになった)

使役動詞 (make, let, have) の受動態:

  • make O do → be made to do: 原形不定詞が to不定詞になります。
    能動態: My boss made me work late. (上司は私に遅くまで働かせた)
    受動態: I was made to work late by my boss. (私は上司に遅くまで働かされた)
  • let O do → be allowed to do: “let” は受動態にできないため、”allow” を使って言い換えます。
    能動態: My parents let me go abroad. (両親は私に海外へ行かせてくれた)
    受動態: I was allowed to go abroad by my parents. (私は両親に海外へ行くことを許された)
  • have O do → 受動態不可: 通常 “have” はこの意味では受動態にしません。”be asked to do”, “be told to do” などで言い換えることがあります。
    能動態: I had him repair the computer. (私は彼にコンピューターを修理させた)
    (受動態にするなら) → He was asked to repair the computer by me. (彼は私にコンピューターを修理するよう頼まれた)

知覚動詞 (see, hear, feel など) の受動態:

  • see O do → be seen to do: 使役動詞 make と同様に、原形不定詞が to不定詞になります。
    能動態: I saw him enter the room. (私は彼が部屋に入るのを見た)
    受動態: He was seen to enter the room. (彼が部屋に入るところを目撃された)
  • see O doing → be seen doing: 現在分詞 (-ing) はそのまま使います。
    能動態: I saw him entering the room. (私は彼が部屋に入っていくところを見た)
    受動態: He was seen entering the room. (彼が部屋に入っていくところを目撃された)
  • see O done → be seen done: 過去分詞もそのまま使います。
    能動態: I heard my name called. (私は自分の名前が呼ばれるのを聞いた)
    受動態: My name was heard called. (私の名前が呼ばれるのが聞かれた – 少し不自然な場合もある)

3. 群動詞(句動詞)の受動態

“look after” (世話をする), “laugh at” (〜を笑う), “speak to” (〜に話しかける), “take care of” (〜の世話をする) のような「動詞 + 前置詞/副詞」のセット(群動詞)を受動態にする場合、セットを崩さずにそのまま使います。前置詞が二つ続くように見えても間違いではありません。

例文:
– 能動態: Everyone laughed at his joke. (みんなが彼の冗談を笑った)
受動態: His joke was laughed at by everyone. (彼の冗談はみんなに笑われた) ← at を省略しない!
– 能動態: A nurse took care of the patient. (看護師がその患者の世話をした)
受動態: The patient was taken care of by a nurse. (その患者は看護師によって世話された) ← of を省略しない!
– 能動態: We must deal with this problem immediately. (我々はこの問題にすぐ対処しなければならない)
受動態: This problem must be dealt with immediately. (この問題はすぐに対処されなければならない) ← with を省略しない!

受動態を使いこなすためのヒント

  • 文脈で判断する: 能動態と受動態のどちらがより自然で、伝えたい意図に合っているかを常に考えましょう。「誰が」を強調したいなら能動態、「何が」を強調したいなら受動態、という基本を意識します。
  • ライティングでの活用: 客観的な文章(レポート、ニュース記事など)では受動態が効果的です。また、同じ主語が続くのを避け、文の流れをスムーズにするためにも使えます。
  • スピーキングでの注意点: 会話では能動態の方が直接的で分かりやすいことが多いですが、行為者をぼかしたい場合や、受け手を強調したい自然な流れでは受動態も使われます。使いすぎると回りくどい印象になることもあります。
  • よくある間違いを意識する: be動詞の時制ミス、過去分詞の形の誤り、群動詞の前置詞の脱落、使役・知覚動詞の to不定詞のつけ忘れなどは特に注意が必要です。
  • たくさん触れて、使ってみる: 英語の文章を読んだり聞いたりする中で、受動態がどのように使われているかに注意を払いましょう。そして、間違いを恐れずに自分でも英作文や会話で使ってみることが、体得への一番の近道です。

まとめ:受動態を味方につけて、英語表現を豊かに!

今回は、英語の受動態(受け身)について、基本から応用まで詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをまとめます。

  • 受動態は「主語 + be動詞 + 過去分詞 (+ by 行為者)」が基本形。
  • 「何が/誰が 〜される」に焦点を当てたい時に使う。
  • 行為者が不明・重要でない場合や、受け手を強調したい場合などに効果的。
  • 時制に合わせて be動詞を変化させる。進行形・完了形もマスターしよう。
  • 否定文・疑問文は be動詞/助動詞のルールに従う。
  • 前置詞は “by” 以外も多数。動詞との組み合わせ(イディオム)で覚える。
  • 自動詞や一部の状態動詞は受動態にできない。
  • SVOO、SVOC(特に使役・知覚動詞)、群動詞の受動態は注意が必要。

受動態は、最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、使いこなせるようになれば、より正確で洗練された英語表現が可能になります。この記事で学んだ知識を土台にして、実際の英文にたくさん触れ、積極的にアウトプットする練習を重ねてみてください。受動態は決して怖いものではありません。あなたの英語力を一段階引き上げるための、強力なツールとなるはずです。

Keep practicing, and you’ll master the passive voice!

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オリビア (Olivia) この記事を書いた人

英語講師として10年以上の指導経験を持つ。イギリスにルーツを持ち、多様な文化背景を活かした視点からの英語指導が得意。実践的な英会話力の育成はもちろん、丁寧な発音・文法指導で学習者の目標達成をサポートすることに情熱を注ぐ。
自身の経験に基づき、キャリアアップや異文化理解に繋がる英語学習のヒント、言語を通したコミュニケーションの魅力などを発信していく。モットーは「楽しく、着実に」。教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

  
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