英語の受動態(受け身)完全攻略ガイド!基本から応用、苦手克服まで徹底解説
ネイティブはいつ使う?豊富な例文と時制別マスター法で「される」表現を自由自在に!
レッスンの内容
- 1 はじめに:なぜ英語の「受動態」でつまずくのか?
- 2 そもそも受動態(受け身)とは?能動態との違い
- 3 ネイティブはいつ受動態を使う?6つの主なシチュエーション
- 4 受動態の作り方【基本マスター編】
- 5 時制別!受動態の作り方と使い方【応用編】
- 5.1 現在形: 主語 + am/is/are + 過去分詞
- 5.2 過去形: 主語 + was/were + 過去分詞
- 5.3 未来形: 主語 + will be + 過去分詞 / 主語 + be going to be + 過去分詞
- 5.4 現在進行形: 主語 + am/is/are + being + 過去分詞
- 5.5 過去進行形: 主語 + was/were + being + 過去分詞
- 5.6 現在完了形: 主語 + have/has + been + 過去分詞
- 5.7 過去完了形: 主語 + had + been + 過去分詞
- 5.8 助動詞 + 受動態: 主語 + 助動詞 + be + 過去分詞
- 6 受動態の否定文・疑問文の作り方
- 7 「by」だけじゃない!受動態で使われる前置詞
- 8 注意!受動態にできない動詞たち
- 9 書き換えで特に注意!発展的な受動態パターン
- 10 受動態を使いこなすためのヒント
- 11 まとめ:受動態を味方につけて、英語表現を豊かに!
はじめに:なぜ英語の「受動態」でつまずくのか?
英語学習を進める上で、多くの人が「壁」として感じがちな文法項目、それが「受動態(受け身)」ではないでしょうか。「be動詞 + 過去分詞」という形は知っていても、
- 「そもそも、どんな時に使うのが自然なの?」
- 「時制が変わると、どう形が変わるんだっけ?」
- 「by 以外の前置詞が出てくると混乱する…」
- 「使役動詞や知覚動詞の受動態は、特に難しい!」
といった疑問や苦手意識を持つ方は少なくありません。
しかし、受動態は英語でコミュニケーションをとる上で非常に重要かつ便利な表現です。ネイティブスピーカーは日常会話からビジネス、ニュース、学術論文まで、あらゆる場面で自然に受動態を使いこなしています。受動態を理解し、使いこなせるようになることで、あなたの英語表現の幅は格段に広がり、より正確でニュアンス豊かなコミュニケーションが可能になります。
この記事では、そんな受動態への苦手意識を克服し、自信を持って使いこなせるようになることを目指します。受動態の基本的な考え方から、様々な時制での作り方、ネイティブが使う自然なシチュエーション、間違いやすいポイント、そして応用的な使い方まで、豊富な例文とともに徹底的に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたは受動態の達人になっているはずです!
そもそも受動態(受け身)とは?能動態との違い
受動態を理解する第一歩は、「能動態」との違いを把握することです。
- 能動態 (Active Voice): 主語が「〜する」という動作を行う文。誰が何をしたかを明確に示します。
例: Shelley wrote this letter. (シェリーがこの手紙を書いた) - 受動態 (Passive Voice): 主語が「〜される」という動作を受ける文。何がどうされたかに焦点を当てます。
例: This letter was written by Shelley. (この手紙はシェリーによって書かれた)
能動態では動作主である「Shelley」が主語ですが、受動態では動作の対象である「This letter」が主語になっています。このように、文の中で何に焦点を当てたいかによって、能動態と受動態を使い分けるのが基本です。
ネイティブはいつ受動態を使う?6つの主なシチュエーション
では、具体的にどのような場面で受動態が使われるのでしょうか? ネイティブスピーカーが受動態を好んで使う主な理由・状況を見ていきましょう。
1. 行為者(誰がしたか)が不明・重要でない・あえて言わない場合
誰がその動作を行ったのか分からない、あるいは文脈上重要ではない、または意図的に伏せたい場合に受動態が使われます。「何がどうされたか」という事実だけを伝えたい場合に便利です。
例文:
– My bike was stolen last night. (昨夜、私の自転車が盗まれた) ← 誰が盗んだか不明
– This bridge was built in 1950. (この橋は1950年に建設された) ← 誰が建てたかは重要でない
– Mistakes were made. (間違いがなされました) ← 誰が間違いを犯したか、あえて言及しない(責任回避のニュアンスも)
2. 行為者(主語)が非常に長い場合
能動態にすると主語が長くなりすぎて文のバランスが悪くなる(頭でっかちになる)場合、受動態にして目的語を主語にすることがあります。英語では長い主語は避けられる傾向があります。
能動態(主語が長い):
A famous architect who won numerous awards designed this beautiful museum.
(数々の賞を受賞した有名な建築家が、この美しい美術館を設計した)
受動態(バランスが良い):
This beautiful museum was designed by a famous architect who won numerous awards.
(この美しい美術館は、数々の賞を受賞した有名な建築家によって設計された)
3. 受け手(何がされたか)を強調したい場合
文の主役を、動作の受け手(能動態の目的語)にしたい場合に受動態を使います。ニュース報道などで、被害や影響を受けた対象を強調する際によく見られます。
例文:
– The new software was released yesterday. (新しいソフトウェアが昨日リリースされた) ← ソフトウェアが話題の中心
– Thousands of people were affected by the earthquake. (何千人もの人々がその地震の影響を受けた) ← 被災者が焦点
4. 一般的な事実・ルール・習慣などを客観的に述べる場合
世間一般で言われていること、広く知られている事実、規則、手順などを述べるときに受動態が使われます。これにより、特定の個人の意見ではなく、客観的な情報であるというニュアンスが出ます。”It is said that…”(〜と言われている)、”It is known that…”(〜と知られている)、”It is believed that…”(〜と信じられている)などの構文は頻出です。
例文:
– It is said that practice makes perfect. (練習が完璧を生むと言われている)
– Smoking is prohibited in this building. (この建物内では喫煙は禁止されています)
– English is spoken all over the world. (英語は世界中で話されている)
5. 感情表現 (be interested in, be surprised at など)
感情を表す動詞の多くは、受動態の形で「〜させられる」という意味合いで使われ、結果的に形容詞のように機能します。これは、英語では感情は何か外的要因によって「引き起こされる」ものだと捉える傾向があるためです。主語は通常「人」になります。
例文:
– I am interested in Japanese history. (私は日本の歴史に興味がある) ← 歴史が私に興味を「起こさせている」
– She was surprised at the news. (彼女はその知らせに驚いた) ← 知らせが彼女を「驚かせた」
– He is excited about the trip. (彼はその旅行にワクワクしている) ← 旅行が彼を「興奮させている」
– We were satisfied with the result. (我々はその結果に満足した) ← 結果が我々を「満足させた」
6. 科学論文・レポート・フォーマルな文書
客観性や普遍性が重視される学術論文や公的な文書では、動作主(研究者など)を主語にする能動態よりも、実験や結果そのものに焦点を当てる受動態が好んで用いられます。
例文:
– The samples were analyzed using spectroscopy. (サンプルは分光法を用いて分析された)
– Further research is needed to confirm these findings. (これらの所見を確認するためには、さらなる研究が必要とされる)
受動態の作り方【基本マスター編】
受動態の基本的な形は 「主語 + be動詞 + 過去分詞 (+ by 行為者)」 です。能動態の文から受動態の文へ書き換える手順を見ていきましょう。
能動態の文: Ken uses this computer. (ケンはこのコンピューターを使う)
- 能動態の目的語 (this computer) を受動態の主語にする。
- 能動態の動詞 (uses) を「be動詞 + 過去分詞」の形に変える。時制と主語に合わせて be動詞 (is) を選び、動詞を過去分詞 (used) にする。→ is used
- 能動態の主語 (Ken) を「by + 行為者」の形にして文末(または動詞の後)に置く。→ by Ken
受動態の文: This computer is used by Ken. (このコンピューターはケンによって使われる)
ポイント:
- Be動詞は、受動態の主語と時制に合わせて am, is, are, was, were などを使い分けます。
- 過去分詞は、規則動詞の場合は -ed をつけ、不規則動詞の場合は独自の形(例: write → written, eat → eaten)を覚える必要があります。
- 「by + 行為者」は、行為者が不明な場合、文脈から明らかな場合、または重要でない場合には省略されることが非常に多いです。
基本例文:
– 能動態: Many people love this song. (多くの人がこの歌を愛している)
受動態: This song is loved by many people. (この歌は多くの人に愛されている)
– 能動態: Someone broke the window. (誰かが窓を割った)
受動態: The window was broken. (窓が割られた) ← by someone は通常省略
– 能動態: Shakespeare wrote Hamlet. (シェイクスピアはハムレットを書いた)
受動態: Hamlet was written by Shakespeare. (ハムレットはシェイクスピアによって書かれた)

能動態と受動態では、文の焦点が変わります
時制別!受動態の作り方と使い方【応用編】
受動態は、能動態と同じように様々な時制で使うことができます。be動詞の部分を変化させるのがポイントです。
現在形: 主語 + am/is/are + 過去分詞
現在の習慣、事実、状態などを表します。
例文:
– This room is cleaned every day. (この部屋は毎日掃除される)
– Rice is grown in many parts of Asia. (米はアジアの多くの地域で栽培されている)
過去形: 主語 + was/were + 過去分詞
過去のある時点での出来事や状態を表します。
例文:
– The meeting was canceled yesterday. (会議は昨日キャンセルされた)
– These photos were taken during my trip to Italy. (これらの写真はイタリア旅行中に撮られた)
未来形: 主語 + will be + 過去分詞 / 主語 + be going to be + 過去分詞
未来の出来事や予定を表します。”will” は意志や予測、”be going to” は既に決まっている予定や計画に使われる傾向があります。
例文:
– The results will be announced next week. (結果は来週発表されるだろう)
– A new library is going to be built next year. (新しい図書館が来年建設される予定だ)
現在進行形: 主語 + am/is/are + being + 過去分詞
「今まさに〜されている」という進行中の動作を表します。be動詞とbeingが続く形に注意しましょう。
例文:
– The road is being repaired now. (道路は現在修復中です)
– Dinner is being prepared in the kitchen. (夕食がキッチンで準備されているところです)
過去進行形: 主語 + was/were + being + 過去分詞
過去のある時点で「〜されていた」という進行中の動作を表します。
例文:
– The stadium was being built when I visited the city last year. (昨年その街を訪れたとき、スタジアムは建設中だった)
– My car was being fixed, so I took the bus. (私の車は修理中だったので、バスに乗った)
現在完了形: 主語 + have/has + been + 過去分詞
過去から現在までの動作の完了・結果・経験・継続を表します。
例文:
– The package has just been delivered. (荷物はちょうど配達されたところだ) [完了・結果]
– This temple has been visited by millions of people. (この寺は何百万人もの人々によって訪れられたことがある) [経験]
– This song has been loved for generations. (この歌は何世代にもわたって愛され続けている) [継続]
過去完了形: 主語 + had + been + 過去分詞
過去のある時点よりもさらに前の動作の完了・結果・経験・継続を表します(大過去)。
例文:
– The report had already been submitted when the manager asked for it. (部長がそれを求めたとき、レポートは既に提出されていた)
– The house had been vacant for years before it was sold. (その家は売却されるまで何年も空き家だった)
助動詞 + 受動態: 主語 + 助動詞 + be + 過去分詞
can, may, must, should などの助動詞の後ろに「be + 過去分詞」を続けます。
例文:
– This task can be done easily. (この仕事は簡単にできる)
– The rules must be followed by everyone. (ルールは全員によって守られなければならない)
– Your order should be delivered within three days. (ご注文品は3日以内に配達されるはずです)

時制に合わせてbe動詞の形を正しく変化させましょう
受動態の否定文・疑問文の作り方
受動態の文を否定文や疑問文にするのも簡単です。基本的には be動詞や助動詞のルールに従います。
否定文: be動詞 / 助動詞 + not
be動詞または助動詞の直後に “not” を置きます。
例文:
– 肯定文: The window was broken. (窓が割られた)
否定文: The window was not (wasn’t) broken. (窓は割られなかった)
– 肯定文: English is spoken here. (ここでは英語が話されている)
否定文: English is not (isn’t) spoken here. (ここでは英語は話されていない)
– 肯定文: The work will be finished tomorrow. (仕事は明日終わるだろう)
否定文: The work will not (won’t) be finished tomorrow. (仕事は明日終わらないだろう)
– 肯定文: The door should be locked. (ドアは施錠されるべきだ)
否定文: The door should not (shouldn’t) be locked. (ドアは施錠されるべきではない)
疑問文: Be動詞 / 助動詞を主語の前に
Yes/No疑問文では、be動詞または助動詞を文頭に移動させます。Wh疑問文では、Wh疑問詞を文頭に置き、その後に be動詞/助動詞 + 主語 + 過去分詞 …? と続けます。
例文 (Yes/No疑問文):
– Was the window broken? (窓は割られましたか?)
– Yes, it was. / No, it wasn’t.
– Is English spoken here? (ここでは英語は話されていますか?)
– Yes, it is. / No, it isn’t.
– Will the work be finished tomorrow? (仕事は明日終わりますか?)
– Yes, it will. / No, it won’t.
例文 (Wh疑問文):
– When was the window broken? (窓はいつ割られましたか?)
– Why was the meeting canceled? (なぜ会議はキャンセルされたのですか?)
– How can this problem be solved? (この問題はどうすれば解決できますか?)
– Who was this book written by? / By whom was this book written? (この本は誰によって書かれましたか?)
「by」だけじゃない!受動態で使われる前置詞
受動態の文では、行為者を示す「by」以外にも、様々な前置詞が使われます。これらは特定の動詞とセットで使われることが多いので、イディオムとして覚えてしまうのが効果的です。
by: 行為者を示す
最も基本的な前置詞で、「〜によって」という動作主を表します。
例文: The novel was written by a famous author. (その小説は有名な作家によって書かれた)
with: 道具・材料を示す
動作に使われた具体的な道具や材料を示します。「〜で」「〜を使って」といった意味合いです。また、「〜で覆われている」「〜で満たされている」といった状態を表す際にも使われます。
例文:
– The letter was written with a pencil. (その手紙は鉛筆で書かれた) [道具]
– The mountain is covered with snow. (その山は雪で覆われている) [状態]
– The basket was filled with fruit. (そのカゴは果物で満たされていた) [状態]
in: 材料・分野・感情・場所など
興味・関心の対象となる分野、感情、または事故や天候など、ある状況の中に巻き込まれるような場合に用いられます。
例文:
– I am interested in psychology. (私は心理学に興味がある) [分野]
– He was caught in a traffic jam. (彼は交通渋滞に巻き込まれた) [状況]
– The actor is involved in a scandal. (その俳優はスキャンダルに関与している) [状況]
at: 感情・目標・場所など
驚きや失望などの感情の原因や、目標となる対象、特定の場所を示す際に使われます。
例文:
– We were surprised at his sudden resignation. (我々は彼の突然の辞任に驚いた) [感情の原因]
– The criticism was aimed at the government. (その批判は政府に向けられたものだった) [目標]
– The conference will be held at the Grand Hotel. (会議はグランドホテルで開催される) [場所]
of: 材料・起源・構成など
製品の材料(見た目で判別できる場合)、構成要素、起源などを示します。
例文:
– This desk is made of wood. (この机は木でできている) [材料 – 見た目でわかる]
– The team is composed of five members. (そのチームは5人のメンバーで構成されている) [構成]
– She is well thought of by her colleagues. (彼女は同僚たちから高く評価されている) [評判]
from: 材料(加工されて変化した場合)
製品の材料(加工によって元の形質が失われている場合)を示します。
例文:
– Wine is made from grapes. (ワインはブドウから作られる) [材料 – 加工で変化]
– Cheese is made from milk. (チーズは牛乳から作られる) [材料 – 加工で変化]
made of と made from の違い: 見た目や触感で材料がわかる場合は “of”、加工によって材料の性質が変わってしまった場合は “from” を使うのが一般的です。
to: 対象・比較など
「〜に知られている」「〜と結婚している」など、特定の対象や比較相手を示す際に使われます。
例文:
– He is known to everyone in the town. (彼は町の皆に知られている) [対象]
– She is married to a doctor. (彼女は医者と結婚している) [対象]
– This brand is preferred to others by young people. (このブランドは若者によって他のものより好まれている) [比較]

動詞とセットで前置詞を覚えましょう
注意!受動態にできない動詞たち
全ての動詞が受動態になれるわけではありません。特に以下の種類の動詞は注意が必要です。
1. 自動詞 (Intransitive Verbs)
目的語を取らない動詞(自動詞)は、受動態の主語になるべき目的語が存在しないため、基本的に受動態にできません。
例:
– go, come, arrive, leave, walk, run, sleep, cry, laugh, smile, happen, occur, appear, disappear, exist, die, live, rise, fall など。
– 誤: He was arrived at the station.
正: He arrived at the station. (彼は駅に到着した)
– 誤: The accident was happened yesterday.
正: The accident happened yesterday. (その事故は昨日起こった)
※ただし、一部の自動詞は前置詞と結びついて他動詞句(群動詞)となり、受動態を作ることがあります (例: The bed was slept in. – 口語的)。
2. 状態を表す他動詞の一部 (Stative Verbs)
目的語を取る他動詞であっても、動作ではなく状態を表す一部の動詞は、通常受動態では使われません。
例:
– have (持っている), possess (所有している)
– resemble (似ている)
– lack (欠いている)
– fit (サイズが合う), suit (似合う)
– cost (費用がかかる)
– 誤: A new car is had by him.
正: He has a new car. (彼は新しい車を持っている)
– 誤: His father is resembled by him.
正: He resembles his father. (彼は父親に似ている)
書き換えで特に注意!発展的な受動態パターン
能動態から受動態への書き換えで、特に間違いやすいパターンを見ていきましょう。ここをマスターすれば、受動態への理解がさらに深まります。
1. SVOO(第4文型)の受動態
SVOO(主語 + 動詞 + 間接目的語(人) + 直接目的語(物))の文型では、「人」と「物」の2つの目的語があります。どちらを主語にするかで、受動態の形が2種類作れる場合があります。
① 「人」を主語にする場合: O(人) + be動詞 + 過去分詞 + O(物) (+ by S)
② 「物」を主語にする場合: O(物) + be動詞 + 過去分詞 + to/for + O(人) (+ by S)
「物」を主語にする場合、動詞の種類によって「人」の前に to または for が必要になります。
例文 (give 型 – to を使う):
能動態: He gave me a book. (彼は私に本をくれた)
受動態① (人): I was given a book by him. (私は彼から本を与えられた)
受動態② (物): A book was given to me by him. (本が彼によって私に与えられた)
例文 (buy 型 – for を使う):
能動態: My father bought me a camera. (父は私にカメラを買ってくれた)
受動態① (人): I was bought a camera by my father. (私は父にカメラを買ってもらった)
受動態② (物): A camera was bought for me by my father. (カメラが父によって私のために買われた)
注意点: buy, make, cook, find, get など「相手のために」というニュアンスの動詞は “for” を使います。give, send, tell, teach, show などは “to” を使います。また、動詞によっては「人」を主語にする受動態が不自然になる場合もあります(特に buy 型)。
2. SVOC(第5文型)の受動態
SVOC(主語 + 動詞 + 目的語 + 補語)の文型では、目的語が受動態の主語になり、補語はそのまま後に続きます。特に、使役動詞や知覚動詞の場合は、補語の形に注意が必要です。
基本形: O + be動詞 + 過去分詞 + C (+ by S)
例文 (補語が名詞/形容詞):
能動態: We call him Ken. (私たちは彼をケンと呼ぶ)
受動態: He is called Ken (by us). (彼はケンと呼ばれている)
能動態: The news made her happy. (その知らせは彼女を幸せにした)
受動態: She was made happy by the news. (彼女はその知らせによって幸せになった)
使役動詞 (make, let, have) の受動態:
- make O do → be made to do: 原形不定詞が to不定詞になります。
能動態: My boss made me work late. (上司は私に遅くまで働かせた)
受動態: I was made to work late by my boss. (私は上司に遅くまで働かされた) - let O do → be allowed to do: “let” は受動態にできないため、”allow” を使って言い換えます。
能動態: My parents let me go abroad. (両親は私に海外へ行かせてくれた)
受動態: I was allowed to go abroad by my parents. (私は両親に海外へ行くことを許された) - have O do → 受動態不可: 通常 “have” はこの意味では受動態にしません。”be asked to do”, “be told to do” などで言い換えることがあります。
能動態: I had him repair the computer. (私は彼にコンピューターを修理させた)
(受動態にするなら) → He was asked to repair the computer by me. (彼は私にコンピューターを修理するよう頼まれた)
知覚動詞 (see, hear, feel など) の受動態:
- see O do → be seen to do: 使役動詞 make と同様に、原形不定詞が to不定詞になります。
能動態: I saw him enter the room. (私は彼が部屋に入るのを見た)
受動態: He was seen to enter the room. (彼が部屋に入るところを目撃された) - see O doing → be seen doing: 現在分詞 (-ing) はそのまま使います。
能動態: I saw him entering the room. (私は彼が部屋に入っていくところを見た)
受動態: He was seen entering the room. (彼が部屋に入っていくところを目撃された) - see O done → be seen done: 過去分詞もそのまま使います。
能動態: I heard my name called. (私は自分の名前が呼ばれるのを聞いた)
受動態: My name was heard called. (私の名前が呼ばれるのが聞かれた – 少し不自然な場合もある)
3. 群動詞(句動詞)の受動態
“look after” (世話をする), “laugh at” (〜を笑う), “speak to” (〜に話しかける), “take care of” (〜の世話をする) のような「動詞 + 前置詞/副詞」のセット(群動詞)を受動態にする場合、セットを崩さずにそのまま使います。前置詞が二つ続くように見えても間違いではありません。
例文:
– 能動態: Everyone laughed at his joke. (みんなが彼の冗談を笑った)
受動態: His joke was laughed at by everyone. (彼の冗談はみんなに笑われた) ← at を省略しない!
– 能動態: A nurse took care of the patient. (看護師がその患者の世話をした)
受動態: The patient was taken care of by a nurse. (その患者は看護師によって世話された) ← of を省略しない!
– 能動態: We must deal with this problem immediately. (我々はこの問題にすぐ対処しなければならない)
受動態: This problem must be dealt with immediately. (この問題はすぐに対処されなければならない) ← with を省略しない!
受動態を使いこなすためのヒント
- 文脈で判断する: 能動態と受動態のどちらがより自然で、伝えたい意図に合っているかを常に考えましょう。「誰が」を強調したいなら能動態、「何が」を強調したいなら受動態、という基本を意識します。
- ライティングでの活用: 客観的な文章(レポート、ニュース記事など)では受動態が効果的です。また、同じ主語が続くのを避け、文の流れをスムーズにするためにも使えます。
- スピーキングでの注意点: 会話では能動態の方が直接的で分かりやすいことが多いですが、行為者をぼかしたい場合や、受け手を強調したい自然な流れでは受動態も使われます。使いすぎると回りくどい印象になることもあります。
- よくある間違いを意識する: be動詞の時制ミス、過去分詞の形の誤り、群動詞の前置詞の脱落、使役・知覚動詞の to不定詞のつけ忘れなどは特に注意が必要です。
- たくさん触れて、使ってみる: 英語の文章を読んだり聞いたりする中で、受動態がどのように使われているかに注意を払いましょう。そして、間違いを恐れずに自分でも英作文や会話で使ってみることが、体得への一番の近道です。
まとめ:受動態を味方につけて、英語表現を豊かに!
今回は、英語の受動態(受け身)について、基本から応用まで詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをまとめます。
- 受動態は「主語 + be動詞 + 過去分詞 (+ by 行為者)」が基本形。
- 「何が/誰が 〜される」に焦点を当てたい時に使う。
- 行為者が不明・重要でない場合や、受け手を強調したい場合などに効果的。
- 時制に合わせて be動詞を変化させる。進行形・完了形もマスターしよう。
- 否定文・疑問文は be動詞/助動詞のルールに従う。
- 前置詞は “by” 以外も多数。動詞との組み合わせ(イディオム)で覚える。
- 自動詞や一部の状態動詞は受動態にできない。
- SVOO、SVOC(特に使役・知覚動詞)、群動詞の受動態は注意が必要。
受動態は、最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、使いこなせるようになれば、より正確で洗練された英語表現が可能になります。この記事で学んだ知識を土台にして、実際の英文にたくさん触れ、積極的にアウトプットする練習を重ねてみてください。受動態は決して怖いものではありません。あなたの英語力を一段階引き上げるための、強力なツールとなるはずです。
Keep practicing, and you’ll master the passive voice!