こんにちは。日本人にとって英語の種類と言えば、イギリスで使われる「イギリス英語」とアメリカで使われる「アメリカ英語」がメインでしょう。どちらも日本人にとっては、使われる地方が違うだけの、「方言」のようなものです。
移動と共に変化する言語
しかし実際には料理と同じで、使われる場所が変われば言語も変化していきます。
アメリカ英語も、もとはイギリスから来た英語から変化しています。そしてアメリカ以外で使われている英語も、その場所に応じて変化しています。
イギリスやアメリカ以外では、どのように英語が変化しているのでしょうか。
会話
オーストラリアに留学にいったヒカリと、外国人教師として働いているウィリアム先生の会話をみてみましょう。
Mr. Williams: Hi, Hikari. Would you do me a favor?
ウィリアム先生:こんにちは、ヒカリ。お願いごとをしてもいいですか?
Hikari: What do you want me to do, Mr. Williams?
何をすればいいのでしょうか、ウィリアム先生?
Mr. Williams: I want to you to write an essay about the difference of Australian English and American English.
あなたにオーストラリア英語とアメリカ英語の違いについて、小論文を書いてもらいたいのです。
Hikari: That sounds difficult for me.
なんだか難しそうです。
Mr. Williams: I can help you. One of my friends asked me to attend one of my students for the speech contest. I thought you can be the suitable student.
助けますよ。私の友人の一人から、私の生徒の中で一人、弁論大会に参加してくれないかと頼まれてしまいまして。あなたがふさわしいと思ったのです。
Hikari: Then I will try. But what should I write about? I have no idea.
それならばやってみます。でも何について書けばいいのでしょうか?全然わかりません。
Mr. Williams: What was the biggest impression you have got from the Australians words?
オーストラリア人の言葉から何が一番印象にのこりましたか?
Hikari: That is “Aussie Beef!” I knew the word “Aussie Beef” in Japan, but I didn’t know that “Aussie” is the omit word of Australia.
それは「オージー・ビーフ」です。日本で「オージー・ビーフ」という言葉はしっていましたが、「オージー」がオーストラリアの省略語だとは知らなかったのです。
Mr. Williams: That’s the good point! Many Australians love to omit the words. Did you hear any other omitted words?
それはいいポイントです!たくさんのオーストラリア人は単語を省略するのが大好きです。他にも何か省略された言葉をききましたか?
Hikari: Well, I heard “Biccy” many times in school. It is biscuit in Australian English.
そうですね、学校でよく「ビッキー」を聞きました。オーストラリア英語で「ビスケット」ですよね。
Mr. Williams: Then you have an idea for the essay. Let’s write it by yourself and show it to me when you finished. Make it better together.
これで小論文のアイディアができましたね。あなた一人で書いてみて下さい、そして書き終わったら私のところに持ってきてください。一緒に良くしていきましょう。
オーストラリア英語は、略語が多く存在するように変化したみたいですね。
ポイント
会話ででてきた単語や言い回しをみてみましょう。
- Would you do me a favor? お願いごとをしてもいいですか?
直訳をすると「私に親切にしてくれませんか?」となりますが、お願いごとをしたい時に良く使う言い回しです。
- essay 小論文、エッセイ
日本語で小論文やエッセイというと少し軽い論評に感じられますが、欧米では”essay”は学術論文から小論文など、幅広く活用されています。
- speech contest 弁論大会
- suitable ふさわしい、適切な
- I have no idea 全然わからない、全くわからない
お手上げの状態の時に使われる言い回しです。
- omit 省略する
日本語に似た特徴のオーストラリア英語
英語で「省略する」にあたる言葉は”slang”、「スラング」になりますが、オーストラリア英語では、決してはしたない言葉や若者言葉ではありません。ほとんどのオーストラリア人が使っています。
ですが書き言葉としては省略した形では使用しません。なかなかむずかしいですが、紹介した会話ではあえて”omit”という単語を使いました。”Aussie”や”Biccy”の他にも、
- cuppa → cup of tea
- arvo → afternoon
- Ta → Thank you
などがあり、また省略する特徴として、語尾に”ie”をつける事も多いです。”Aussie”などがそれにあたります。オーストラリア英語もオーストラリアでは”Aussie English”になります。
省略する事が大好きなオーストラリア人は、なんでも言葉を短くしたがる日本人と似ています。日本人も単語を短くする傾向がありますが、日本語では話す言葉でも略語はスラングに近いので、注意する必要がありますね。
それではまた、See you!