こんにちは。アメリカ人が好きなお菓子といえば、チョコレートチップクッキーやパイがあげられるのではないでしょうか。どちらも美味しく、世界中でもとても愛されているお菓子ですね。
今回はパイについて考えてみたいと思います。
パイといったらどんなパイ?
アメリカでパイといったらたいてい「チェリー・パイ」、「アップル・パイ」と「パンプキン・パイ」が、まずあげられるのではないでしょうか。こ
れらはアメリカ人が大好きなパイですが、それ以外にも”American Pie”といったら「アメリカらしい」という意味があります。ことわざでは
As American as apple pie
きわめてアメリカ的な
というものも、あるぐらいです。
代表的な例でいえば1971年に Don McLean、ドン・マックリーンがリリースした”American Pie”という曲です。
3人の音楽家、”Ritchie Valens”「リッチ―・ヴァレンス」、”Buddy Holly”「バディ・ホリー」、”Big Bopper”「ビッグ・ホッパー」が乗った飛行機が墜落したことを悲しみ、そしてその後の音楽家についても歌ったとても有名な曲です。
またこの曲は2000年にマドンナがカバーして再度世界中で有名になりました。
American Pieの歌詞(一部)
では、この American Pie の曲の一部をみてみましょう。
But February made me shiver
だけど2月の寒さに僕は打ち震えた
With every paper I’d deliver
新聞を配達した時
Bad news on the doorstep
玄関先の訃報が
I couldn’t take one more step
僕を一歩も動かせなくしてしまった
I can’t remember if I cried when I read about his widowed bride
未亡人となってしまった花嫁の記事を読んだとき 泣いたかどうかなんて覚えていない
But something touched me deep inside
だけど何かが心の奥深くに触れたんだ
The day the music died
その日音楽は死んだ
So bye, bye, Miss American Pie
だからさよなら ミス・アメリカン・パイ
Drove my Chevy to the levee but the levee was dry
土手までシボレーを走らせたけど そこはもうつまらない場所だった
And them good ole boys were drinking whiskey’n rye
古き良き青年たちがウィスキーにライを飲んでいた
Singin’ this’ll be the day that I die
「今日 俺が死ぬ日になるだろう」と歌いながら
This’ll be the day that I die
「今日 俺が死ぬ日になるだろう」
音楽で時代の変化を伝える曲
ドン・マクリーンは少年の頃新聞配達をしており、その新聞にて音楽家の死を知ったことが歌詞になっていますが、いかに少年の心を引き裂いたかがわかります。
また、第二節では亡くなった一人のミュージシャンの妻が妊娠していたことも伝えており、さらに「音楽が死んだ日」とは、この飛行機事故が起きた1959年2月3日を指しています。
「さよならミス・アメリカン・パイ」とは音楽家を乗せた飛行機を指しており、お酒を飲んで故人を偲ぶこともアメリカらしい追悼の仕方です。
またこの歌詞は丁寧に韻を踏んでいます。
第一節の shiver、deliver と doorstep、step
第二節の bride、inside、died
そして第三節の Pie、dry、rye、die、die
世界で多くの人間に愛されたこの歌の歌詞は、2015年に18ページにもわたる歌詞のオリジナル原稿が、ニューヨークの競売にて120万ドル(約1億4,400万円)で落札されています。
歌詞を競売に出した理由としてドン・マクリーンは、20世紀後半でのアメリカの激変を、歌詞を通しつつさらに戒めも含めて触れてほしいと思ったからと、インタビューで答えています。
アメリカを示すのに”American Pie”を使用していることから、いかにアメリカ人がパイと一緒に生きてきたかがわかります。
アメリカ人はどんなパイが好き?
さて、多くのアメリカ人に
What is your favorite pie?
あなたの一番好きなパイは何?
と聞くと、たいてい
An apple pie.
アップル・パイ
という答えが帰ってきます。
でも「チェリー・パイ」じゃないの?と思う人が多いのではないでしょうか。
アメリカでカフェや洋菓子店に行くと、必ずと言っていいほどチェリー・パイが置いてあります。
そのため「多くのアメリカ人が好んで食べる」と思ってしまいがちですが、実は現代のアメリカ人にとって「チェリー・パイはおばあちゃんちのお菓子」という認識なのです。
やはりアメリカ人の好きなパイは「アップル・パイ」が正しい答えのようです。しかしアメリカの歴史と共に受け継がれたおばあちゃんのチェリー・パイは、まさにアメリカの味。いつか食べてみたいものですね。
それではまた、See you!