【英語の使い分け】”used to”と過去形の違いとは?ネイティブのニュアンスを例文で徹底解説!

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【英語の使い分け】”used to”と過去形の違いとは?ネイティブのニュアンスを例文で徹底解説!

古いアルバムを開いて、「昔はよくここで遊んだなあ」「この頃は髪が長かったんだ」なんて、懐かしい気持ちになることはありませんか?そんな「昔は~だった(でも今は違う)」という気持ち、英語で自然に表現できていますか?単純な過去形だけでなく、「used to」というフレーズを使いこなすことで、あなたの英語は一気にネイティブらしい深みを増します。この記事では、多くの学習者がつまずきやすい「used to」と「過去形」の決定的な違いから、混同しやすい「be used to」との見分け方、さらには知識を定着させる練習問題まで、豊富な例文と共に徹底的に解説します。表現の幅を広げたい方は、英会話マンツーマンS1でネイティブ講師と昔の思い出を語り合う練習をするのも効果的です。

レッスンの内容

「昔は~だった」を英語でどう言う?まずは基本の単純過去形

まず基本として、過去に起こった出来事を表現するのが「過去形」です。動詞の語尾に “ed” をつけたり、不規則動詞を変化させたりすることで、「~した」「~だった」という事実を述べることができます。

単純過去形のポイント

過去のある時点での「事実」や「行動」を淡々と述べるのが役割です。その行動が習慣だったのか、一回きりだったのか、そして「今はどうなのか」という情報までは含みません。

I lived in London. (私はロンドンに住んでいました)

→ ロンドンに住んでいた、という過去の事実。今も住んでいる可能性も、いない可能性も、この文だけでは分かりません。

I watched a mystery movie yesterday. (私は昨日ミステリー映画を見ました)

→ 昨日、映画を見たという単発の行動。

He gave me flowers. (彼は私に花をくれた)

→ 花をくれた、という過去の事実。

“used to” が持つ「今は違う」という重要なニュアンス

一方で、”used to” は単なる過去の事実を述べるだけではありません。そこには「昔はそうだったけれど、今はもう違う」という、現在との明確な対比のニュアンスが含まれています。これが “used to” を理解する上で最も重要なポイントです。”used to” は主に「過去の習慣」と「過去の状態」の2つの意味で使われます。

used toが過去の習慣で現在は違うことを示すタイムラインの図解

「used to」は、現在まで続いていない過去の出来事を表します

①「過去の習慣」を表す “used to”

「以前はよく~したものだ」と、過去に繰り返し行っていた習慣を表現します。そして、その習慣は現在はもうない、ということが暗に示されます。

I used to watch mystery movies. (私は昔よくミステリー映画を見ていました)

→ 昔は習慣的に見ていたけれど、今はもう見ていない、というニュアンス。

He used to give me flowers every anniversary. (彼は昔、記念日にはいつも花をくれた)

→ 今はもうくれない、という寂しさや変化が感じられます。

We used to hang out around here after school. (昔は放課後によくこの辺りで遊んだものだ)

→ 今はもうそんな風に遊ぶことはない、という懐かしさが漂います。

②「過去の状態」を表す “used to”

「以前は~だった」「かつては~があった」と、過去の継続的な状態を表現します。これも同様に、現在はその状態ではないことを意味します。

I used to live in London. (私は以前ロンドンに住んでいました)

→ 今はロンドンには住んでいない、という事実が明確に伝わります。

This building used to be a hair salon. (この建物は、以前はヘアサロンでした)

→ 今はもうヘアサロンではない、という変化を示します。

She used to have long hair. (彼女は昔、髪が長かった)

→ 今はもう長くない、ということが分かります。

【徹底比較】”used to” と過去形、ネイティブはどう使い分ける?

「今は違う」というニュアンス以外にも、ネイティブがこの2つを使い分けるポイントがいくつかあります。

ポイント1:1回きりの出来事には “used to” は使えない

“used to” は過去の「習慣」や「継続的な状態」を表すため、過去に一度だけ起こった出来事には使えません。その場合は必ず過去形を使います。

I went to Paris last year. (去年パリに行きました)

I used to go to Paris last year.

ポイント2:期間や回数が明確な場合は「過去形」が自然

「5年間」「3回」のように、過去の行動の期間や回数を具体的に示す場合は、過去形を使うのが一般的です。”used to” は、期間が曖昧な「昔はよく~」というニュアンスで使われることが多いです。

I lived in London for five years. (私はロンドンに5年間住んでいました)

🔺 I used to live in London for five years. (文法的に間違いではないが、少し不自然に聞こえることがある)

We went to that cafe three times. (私たちはそのカフェに3回行きました)

We used to go to that cafe three times.

ポイント3:「懐かしさ」や「変化」の感情を乗せるなら “used to”

単純に事実を伝えたいなら過去形、そこに「昔はよかったなあ…」「今は変わってしまったなあ…」といった感情的なニュアンスを加えたいなら “used to” が最適です。思い出話をする際には、”used to” を使うことで、その場の雰囲気がより豊かになります。

中級者向け!過去の習慣を表す “would” と “used to” の違い

「過去の習慣」を表す際、”used to” の代わりに “would” を使うこともできます。ただし、”would” には使えない場面があるので注意が必要です。

“would” のルール

「過去の習慣的な行動」にしか使えません。「過去の状態」(live, be, have など)には使えないのが “used to” との大きな違いです。

When I was a child, I would often play in this park. (= I used to play…)

(子供の頃、よくこの公園で遊んだものだ)

There would be a big tree here. (ここには大きな木があったものだ)

→ 状態なので There used to be a big tree here. が正しい。

“would” は、物語を語るような、より情緒的で文学的な響きを持つことがあります。

頻出の疑問を解決!”used to” の否定文と疑問文の作り方

肯定文だけでなく、否定文と疑問文の形もしっかりマスターしておきましょう。

否定文:「~したものではなかった」

didn’t use to ~ の形を使います。”did” が過去を表すので、”use” は原形に戻るのがポイントです。(口語では “used to” のまま使われることもあります)

I didn’t use to like tomatoes, but now I love them. (昔はトマトが好きではなかったけど、今は大好きです)

She didn’t use to be so shy. (彼女は昔はあんなに内気ではありませんでした)

疑問文:「昔は~していましたか?」

Did you use to ~? の形を使います。これも同様に “use” は原形になります。

Did you use to play the piano? (昔、ピアノを弾いていましたか?)

A: Yes, I did. / B: No, I didn’t.

What kind of music did you use to listen to? (昔はどんな音楽を聴いていましたか?)

【最重要】”be used to” と “get used to” との違いをマスターする

スペルが似ているため、多くの学習者が “used to” と混同してしまう最重要表現が “be used to” です。意味が全く異なるので、ここでしっかり区別しましょう。

used to と be used to の意味の違いを示すイラスト

「過去の話」と「慣れの話」は全くの別物です!

be used to ~ing:「~することに慣れている」

現在の「状態」を表します。”to” の後ろには名詞か動名詞(~ing)が来るのが特徴です。

I am used to living in Shanghai. (私は上海での生活に慣れています)

She is used to speaking English. (彼女は英語を話すのに慣れています)

get used to ~ing:「~することに慣れる」

“be” の代わりに “get” を使うと、「慣れていない状態」から「慣れている状態」への「変化」を表すことができます。「だんだん慣れてきた」というプロセスを示す表現です。

I’m getting used to my new job. (新しい仕事に慣れてきているところです)

You will get used to the cold weather soon. (すぐに寒い気候に慣れますよ)

会話で実践!”used to” を使って思い出を語ろう

知識をインプットしたら、実際の会話でどのように使われるかを見てみましょう。

カフェで窓の外を見ながら思い出を語り合う二人の女性

懐かしい場所を訪れると、”used to” を使った会話が弾みます

Emi: I haven’t been to this area in such a long time.

(この辺に来るのも本当に久しぶりだわ)

Sarah: I know, right? We used to hang out around here all the time after school.

(本当ね。昔は放課後、いつもこの辺りで遊んだよね?)

Emi: Oh, that’s right! I miss those days.

(そうだった!あの頃が懐かしいわ)

Sarah: Look! That building used to be a hair salon where my sister worked.

(見て!あの建物、昔は私のお姉ちゃんが働いてたヘアサロンだったんだよ)

Emi: Wow, you have a good memory!

(わあ、よく覚えているね!)

Sarah: I’m confident in my memory! Anyway, would you like to get some tea here?

(記憶力には自信があるの!ところで、ここでお茶でもしない?)

Emi: Sounds good!

(いいね!)

【知識を定着】”used to”マスタードリル&練習問題

ここまでの解説で、”used to” の基本的なルールとニュアンスは掴めたはずです。最後は、実際に問題を解いて知識を完全に定着させましょう。解答と詳しい解説も付いているので、ぜひ挑戦してみてください。

ドリル1:過去形 or “used to”? 選択問題

以下の文脈において、( ) 内のどちらの表現がより自然かを選びましょう。

  1. My father ( smoked / used to smoke ), but he quit last year.
  2. I ( visited / used to visit ) my grandmother in the hospital yesterday.
  3. This shop ( was / used to be ) a bookstore. Now it’s a convenience store.
  4. She ( worked / used to work ) as a teacher for ten years before she became a writer.
  5. We ( ate / used to eat ) pizza for dinner last night.

解答と解説

  1. used to smoke → 「しかし彼は去年やめた」とあるため、「今は吸わない」という対比が明確です。過去の習慣を表す “used to” が最適です。
  2. visited → 「昨日」という明確な過去の一点での、一回きりの行動なので、単純過去形を使います。
  3. used to be → 「今はコンビニだ」という現在の状態との対比があるため、「かつては~だった」を意味する “used to be” が最も自然です。
  4. worked → 「10年間」という具体的な期間が示されているため、単純過去形の方がより自然に響きます。
  5. ate → 「昨夜」という一回きりの出来事なので、単純過去形が正解です。

ドリル2:否定文・疑問文への書き換え練習

以下の肯定文を、指示に従って否定文または疑問文に書き換えてみましょう。

  1. He used to live in this town. → (否定文に)
  2. They used to be close friends. → (疑問文に)
  3. I used to play video games a lot. → (「何を」と尋ねる疑問文に)

解答と解説

  1. He didn’t use to live in this town. → “didn’t” を使い、”use” は原形に戻します。
  2. Did they use to be close friends? → 文頭に “Did” を置き、”use” を原形にします。
  3. What did you use to play a lot? → 疑問詞 “What” を文頭に置き、その後は通常の疑問文の語順 “did you use to…?” と続けます。

ドリル3:”be used to” との混同注意!間違い探し

以下の文には1つだけ、文法的に間違っているか、文脈に合わないものがあります。それを選び、正しく直してみましょう。

  1. I am used to getting up early.
  2. She used to the noise from the construction site.
  3. They used to work together in the same office.

解答と解説

間違いは B です。

解説: 「工事現場からの騒音に慣れている」という現在の状態を言いたい文脈です。そのため、「~に慣れている」を意味する “be used to” を使う必要があります。”to” の後ろは名詞 “the noise” なので、形は問題ありませんが、”be” 動詞が抜けています。

正: She is used to the noise from the construction site.

A「早起きに慣れている」と C「昔、同じオフィスで働いていた」は正しい文です。

まとめ:”used to” を使いこなして表現力を豊かに!

今回は、”used to” と過去形の違いを中心に、過去を表現するための様々な英語表現を、練習問題も含めて深く掘り下げてきました。

この記事のポイント

  • 単純過去形は、過去の事実を述べる。
  • “used to” は、「過去の習慣・状態」と「現在の違い」を同時に示す、ニュアンス豊かな表現。
  • 1回きりの出来事や、期間・回数が明確な場合は過去形が好まれる。
  • 否定文は “didn’t use to”、疑問文は “Did you use to…?” の形を覚える。
  • “be used to ~ing” (~に慣れている) とは意味が全く違うので、混同しないように注意!
  • 実際に問題を解いてアウトプットすることで、知識は確実に定着する。

“used to” は、ネイティブの日常会話や映画、ドラマなどで本当によく使われる便利な表現です。最初は難しく感じるかもしれませんが、意識して使っていくうちに、過去についての表現力が格段にアップし、会話に深みと感情を込められるようになります。ぜひ、あなた自身の思い出を語る際に使ってみてください。

それではまた、See you!

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オリビア (Olivia) この記事を書いた人

英語講師として10年以上の指導経験を持つ。イギリスにルーツを持ち、多様な文化背景を活かした視点からの英語指導が得意。実践的な英会話力の育成はもちろん、丁寧な発音・文法指導で学習者の目標達成をサポートすることに情熱を注ぐ。
自身の経験に基づき、キャリアアップや異文化理解に繋がる英語学習のヒント、言語を通したコミュニケーションの魅力などを発信していく。モットーは「楽しく、着実に」。教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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