目覚ましを止めて、布団から出て、顔を洗い、歯を磨き、髪を整え、着替えて、朝食をとり、忘れ物を確認して、靴を履いて家を出る。日本語なら何も考えずにこなしているこの流れを、英語で口に出せるでしょうか。

「起きる」は wake up なのか get up なのか。「着る」は put on なのか wear なのか。「持っていく」は take なのか bring なのか。教科書で見たことはあるのに、いざ言おうとすると手が止まる。この引っかかりは、単語を知らないから起こるのではありません。動作の順番と一緒に覚えていないことが原因です。

この記事では、朝の一連の動作を時系列に並べ、そのまま口に出せる形の英語表現、家族同士の会話スキット、日本語話者が特につまずく使い分け、そして覚えた表現を独り言や英語日記でアウトプットに変える手順までをひと続きで扱います。読み終えたときには、明日の朝の自分の行動を英語でつぶやける状態になっているはずです。

なお、朝の表現は使う動詞が基本語ばかりなので、独学でも十分に伸ばせます。発音やリズムを直してもらいたい段階になったら英語教室のようにネイティブと話せる環境を組み合わせるのも一つの方法です。まずは、実際の会話がどう流れるのかを見てみましょう。

朝日が差し込む寝室のベッドの端に座り、両腕を上に伸ばして伸びをしている東アジア系の大人
目が覚めた瞬間から、英語の練習は始められます
目次 [ close ]
  1. 朝の英語は「動作の順番」で覚えると口から出る
  2. 会話例:起きてから家を出るまでの朝のスキット
  3. 目が覚めてから布団を出るまでの表現
    1. wake up と get up は同じではない
    2. 目覚まし・二度寝・寝過ごしの言い方
    3. 寝起きの体調と気分を伝える
    4. 布団を出た直後の小さな動作
  4. 洗面・歯磨き・髪を整えるときの英語
    1. 顔を洗う・シャワーを浴びる
    2. 歯を磨く
    3. 髪を整える・寝癖を直す
    4. メイク・コンタクト・身だしなみ
  5. 着替えの英語:get dressed / put on / wear の使い分け
  6. 朝食まわりの英語と「モノを主語にする」発想
    1. モノを主語にすると英語らしくなる
  7. 出発前のやり取り:忘れ物・天気・持ち物の英語
    1. 忘れ物の確認
    2. 天気の話と傘
    3. take と bring を間違えない
    4. 呼ばれたら I'm coming. と答える
    5. Don't forget to ~ と I will の受け答え
    6. 家を出る瞬間のひとこと
  8. 家族を起こす・送り出す側のフレーズ
  9. 間違えやすいポイントの総点検
  10. 声に出す練習:朝のフレーズの発音とリズム
    1. つながる音を意識する
    2. 強弱のリズムを作る
    3. 3ステップの音読手順
  11. 独り言と英語日記で定着させる7日間の進め方
    1. ステップ1:動作をその場で実況する
    2. ステップ2:夜に3文だけ書く
    3. ステップ3:情報を少しずつ足す
    4. 1週間の練習メニュー例
  12. 朝の英語表現に関するよくある質問
  13. 明日の朝、一言つぶやくところから

朝の英語は「動作の順番」で覚えると口から出る

この章の要点
  • 朝の表現は単語帳のように五十音順で覚えるのではなく、実際の動作の順番どおりに並べて覚える
  • 毎朝同じ順番で同じ動作をするため、前の動作が次の英語を思い出す手がかりになる
  • 使う動詞は wake up / wash / brush / put on / have / take など基本語が中心で、新しく覚える語はごく少ない
  • 「起きる→洗う→整える→着替える→食べる→確認する→出る」の8ステップが記事全体の骨組みになる

朝の英語を身につける最短ルートは、表現を動作の順番ごと丸ごと覚えることです。バラバラの単語として暗記すると、必要な場面で引き出せません。

理由は記憶の仕組みにあります。人は文脈のない情報を思い出すのが苦手で、逆に「次に何が起こるか」という流れがあると驚くほどスムーズに引き出せます。朝の行動は毎日ほぼ同じ順番で繰り返されるため、この流れ自体が強力なフックになります。顔を洗ったら次は歯を磨く。だから wash my face の次には brush my teeth が自然に出てくる、という状態を作るわけです。

具体的には、朝を次の8ステップに分解します。

  1. 目が覚める(wake up / turn off the alarm / get out of bed)
  2. 顔を洗う・シャワーを浴びる(wash my face / take a shower)
  3. 歯を磨く(brush my teeth / floss)
  4. 髪を整える(brush my hair / do my hair)
  5. 着替える(get dressed / put on ~)
  6. 朝食をとる(have breakfast / make coffee)
  7. 持ち物を確認する(Do you have ~? / Don’t forget ~)
  8. 家を出る(put on my shoes / I’m off!)

この8ステップに登場する動詞を数えてみると、中学校で習う範囲をほとんど超えません。難しい単語は不要で、それでいて「英語で自分のことを話す」練習になる。これが朝のルーティンが教材として優れている理由です。

では、この8ステップが実際の会話ではどう現れるのでしょうか。まずは家庭内のやり取りを一つ、通しで見てみます。

会話例:起きてから家を出るまでの朝のスキット

この章の要点
  • 母(Mother)と息子(Son)の練習用スキットで、朝の会話の典型的な流れをつかむ
  • 登場する表現は wake up、have breakfast、get dressed、put on、take、Don’t forget to ~ など基本形ばかり
  • まず英語だけで読み、次に和訳で確認し、最後に声に出す三段階で使うのが効果的

朝の会話の全体像を先につかんでおくと、あとに続く個別表現の位置づけがはっきりします。以下は、平日の朝に家庭で交わされるやり取りを想定した練習用のスキットです。

会話スキット(英語)
The son wakes up in the morning. His mother is in the kitchen.

Mother: Have breakfast soon.
Son: All right, I’m coming in a minute.
Mother: You look pale. Are you OK?
Son: I don’t feel good. I stayed up too late.
Mother: That’s too bad. But coffee wakes you up.

After breakfast, he washes his face and brushes his teeth. And then he combs his hair and gets dressed. He puts on his shoes.

Mother: Have you got your lunch box? It might rain today, so take your umbrella with you. And don’t forget to take out the garbage.
Son: OK, I will.
Mother: Have a good day!
Son: Thanks. See you tonight.

日本語訳
息子が朝、目を覚ます。母親は台所にいる。

母:すぐに朝ごはん食べなさい。
息子:わかった、すぐ行くよ。
母:顔色が悪いわよ。大丈夫?
息子:あまり調子が良くない。夜更かししすぎた。
母:それはいけないわね。でもコーヒーを飲めば目が覚めるわよ。

朝食後、彼は顔を洗い、歯を磨く。それから髪をとかして身支度をする。靴を履く。

母:お弁当は持った?今日は雨が降りそうだから、傘を持っていってね。それと、ゴミ出しを忘れないで。
息子:わかった、そうする。
母:いってらっしゃい!
息子:ありがとう。また今夜。

使う場面
家族やルームメイトと暮らしている朝の場面全般。ホームステイ先での朝、寮生活、英語圏での短期滞在でもほぼそのまま使えます。
注意点
Have breakfast soon. のように動詞の原形で始める形は命令・指示の形です。家族間なら自然ですが、初対面の相手や職場では Would you like some breakfast? のようにやわらげます。
発音・ニュアンス
朝の会話は早口で、語尾が飲み込まれがちです。I’m coming in a minute. は「アイム カミン ナ ミニッ」のようにつながります。一語ずつ切らず、ひと息で言う練習をすると聞き取りも同時に伸びます。

短いやり取りですが、この中には日常会話の骨格が詰まっています。wake up と get up の違い、come の方向感覚、put on の使い方、take と bring の対比、Don’t forget to ~ による依頼、I will による受け答え。10行足らずで6つの文法ポイントが回収できるのが、生活英語の効率の良さです。

スキットに出てきた表現を、ひとことメモの形で整理しておきます。

  • wake up:目が覚める
  • have breakfast:朝食を食べる
  • be coming:相手のいる場所へ向かうところだ
  • in a minute:すぐに
  • pale:(顔が)青白い、血の気がない
  • stay up late:夜更かしする
  • brush one’s teeth:歯を磨く
  • comb one’s hair:髪の毛をとかす
  • and then:そのあとで
  • get dressed:身支度をする、服を着る
  • put on one’s shoes:靴を履く
  • lunch box:弁当(容器と中身の両方を指せる)
  • might:〜かもしれない
  • take:(今いる場所から離れて)持っていく
  • Don’t forget to ~:忘れずに〜してください
  • take out the garbage:ゴミを出す
  • I will:直前に言われたことに対して「そうするよ」と答える形

ここから先は、この流れを時間軸に沿って一つずつ分解していきます。まずは、いちばん最初の関門である「目が覚めてから布団を出るまで」です。

目が覚めてから布団を出るまでの表現

この章の要点
  • 日本語の「起きる」は英語では wake up(目が覚める)と get up(体を起こす)の二段階に分かれる
  • 「布団から出る」は get out of bed、「二度寝する」は go back to sleep が定番の形
  • 寝過ごしは oversleep、目覚ましに気づかず寝るのは sleep through my alarm
  • 寝起きの体調は good ではなく feel を使って表す

朝の英語で最初につまずくのは、たいてい「起きる」です。ここを整理しておくと、その後の表現が一気に楽になります。

白い洗面台で両手に水をすくって顔を洗う人物と、洗面台横に立てられた歯ブラシとタオル
動作と英語を同時に結びつけると、記憶が反射に変わります

wake up と get up は同じではない

結論から言えば、wake up は目が覚める瞬間、get up は体を起こして床を離れる動作です。日本語の「起きる」は一語でこの両方を担っていますが、英語では明確に分かれています。

この区別があるおかげで、日本語では説明が必要な状況をそのまま英語にできます。「6時に目は覚めたけど、実際に起きたのは6時半」という、多くの人にとって現実的な朝の描写です。

フレーズ
I woke up at six, but I didn’t get up until six thirty.
日本語訳
6時に目が覚めたけれど、6時半まで起きなかった。
使う場面
朝の様子を説明するとき、英語日記の一文目、雑談で「今朝どうだった?」と聞かれたときの返答。
注意点・誤用例
「6時に起きた」を I got up at six. と言うと「6時に床を離れた」の意味になります。目が覚めただけなら woke up。過去形は wake→woke、get→got で、I wake up yesterday. のような時制の混在は避けます。
発音・ニュアンス
woke up は「ウォウカップ」とつながります。didn’t get up は「ディドゥン ゲラップ」のように t が弱まり、get up の t は日本語の「ラ」に近い音になることが多いです。

関連する言い回しも、まとめて口に慣らしておきましょう。

  • I usually wake up before my alarm goes off.(いつも目覚ましが鳴る前に目が覚める。)
  • I opened my eyes and stared at the ceiling for a while.(目を開けて、しばらく天井を見ていた。)
  • I’m an early riser.(早起きだ。)
  • I woke up in the middle of the night.(夜中に目が覚めた。)

「布団から出る」は get out of bed が定番です。get out of ~ は「〜から出る」という汎用の型なので、get out of the car(車から降りる)、get out of the shower(シャワーから出る)、get out of trouble(困った状況から抜け出す)にも応用が利きます。

  • I don’t want to get out of bed.(布団から出たくない。)
  • Getting out of bed in winter takes real willpower.(冬に布団から出るのは本当に気力がいる。)
  • I dragged myself out of bed.(やっとの思いで起き出した。)
  • I lay in bed for another ten minutes.(あと10分ベッドで横になっていた。)

目覚まし・二度寝・寝過ごしの言い方

目覚ましまわりは、朝の話題としていちばん共感を呼ぶ領域です。ここが言えるだけで雑談が続きます。

フレーズ
I hit the snooze button three times.
日本語訳
スヌーズボタンを3回押した。
使う場面
遅刻しそうになった朝の説明、英語日記、「朝が苦手」という話題での自己開示。
注意点・誤用例
「押す」を push で言っても通じますが、この場面では hit が自然です。press the snooze button も可。snooze を「スヌーズ機能」として I snoozed my alarm. と動詞で使う言い方も広く使われます。
発音・ニュアンス
snooze は「スヌーズ」と最後を濁らせます。three times を強めに言うと「そんなに押したのか」という自嘲のニュアンスが出て、会話が盛り上がります。
  • I turned off the alarm.(目覚ましを止めた。)
  • I slept through my alarm.(目覚ましに気づかず寝ていた。)
  • I overslept this morning.(今朝は寝過ごした。)
  • I almost overslept.(寝過ごすところだった。)
  • I went back to sleep.(二度寝してしまった。)
  • I fell back to sleep again.(また寝入ってしまった。)
  • I set three alarms, but it didn’t work.(目覚ましを3つかけたのに効果がなかった。)
  • My alarm didn’t go off.(目覚ましが鳴らなかった。)

睡眠の質も一緒に言えるようにすると、話が一段深まります。I slept well.(よく寝た)、I had a good sleep.(ぐっすり眠れた)、I couldn’t sleep well last night.(昨夜はよく眠れなかった)、I only got four hours of sleep.(4時間しか寝ていない)、I tossed and turned all night.(一晩中寝返りを打っていた)。

注意点

「二度寝した」を I slept twice. と言うと「2回眠った」という奇妙な意味になり、意図が伝わりません。二度寝は go back to sleep または fall back to sleep を使います。また、oversleep は「予定より長く寝てしまう」という一語なので、I overslept too much time. のように余計な語を足す必要はありません。

寝起きの体調と気分を伝える

スキットで母が使った You look pale.(顔色が悪いわよ)は、家族の様子を気にかけるときのごく自然な一言です。look+形容詞で「〜に見える」となるため、You look tired.(疲れて見える)、You look sleepy.(眠そうね)、You look great today.(今日は元気そうね)と、形容詞を入れ替えるだけで応用できます。

寝起きのぼんやり感を表す語も便利です。

  • I’m still half asleep.(まだ半分寝ている。)
  • I feel groggy this morning.(今朝は頭がぼんやりする。)
  • I’m not a morning person.(朝型ではない。)
  • I need coffee before I can function.(コーヒーを飲まないとまともに動けない。)
  • My eyes are still closed.(まだ目が開かない。)
  • I feel refreshed.(すっきりしている。)

体調を伝えるときに注意したいのは、good と feel の使い分けです。I’m not good. でも気持ちは伝わりますが、より自然なのは I don’t feel good. や I’m not feeling well. です。I’m not good. は「(能力的に)得意ではない」と受け取られる余地があるため、体調の話では feel を使う、と覚えておくと誤解されません。

なお、飲みすぎた翌朝の「二日酔い」は名詞の hangover を使って I have a hangover.、形容詞の hungover を使って I’m hungover. と言います。会話では後者のほうがよく耳にします。My head is pounding.(頭が割れそう)を添えると臨場感が出ます。

布団を出た直後の小さな動作

起き上がってから洗面所に向かうまでの数分間も、英語にできる動作の宝庫です。

  • I stretched in bed.(ベッドで伸びをした。)
  • I opened the curtains.(カーテンを開けた。)※ブラインドなら I opened the blinds.
  • I made my bed.(ベッドを整えた。)
  • I folded up my futon.(布団をたたんだ。)
  • I put on my slippers.(スリッパを履いた。)
  • I drank a glass of water.(水を一杯飲んだ。)
  • I checked my phone first thing.(起きてすぐスマホを見た。)
  • I avoid social media in the morning.(朝はSNSを見ないようにしている。)
  • I let the dog out.(犬を外に出した。)

ここまでで、布団を出るところまでたどり着きました。次は洗面所での動作です。歯の複数形や、髪をとかす動詞の選び方など、細かいけれど間違えやすいポイントが集まっています。

洗面・歯磨き・髪を整えるときの英語

この章の要点
  • 顔を洗うは wash my face、シャワーは take a shower(英国では have a shower も一般的)
  • 歯磨きは brush my teeth。teeth は複数形で、tooth にすると歯が一本になる
  • 髪はくしなら comb、ブラシなら brush、髪型を作るなら do my hair / style my hair
  • 寝癖は bedhead という便利な語で言い表せる

洗面所での動作は、動詞と体の部位をセットで覚えるのが早道です。日本語では「洗う」「磨く」「とかす」と別の動詞を使い分けますが、英語は wash / brush / comb の三つでほぼ足ります。

顔を洗う・シャワーを浴びる

フレーズ
I washed my face with cold water.
日本語訳
冷たい水で顔を洗った。
使う場面
朝の習慣を説明するとき、眠気を覚ます方法を話すとき、スキンケアの話題。
注意点・誤用例
my を落として I washed face. とすると不自然です。体の部位には所有格を付けるのが基本。洗顔料は face wash または cleanser で、soap(石けん)とは区別されます。
発音・ニュアンス
washed の語尾は「ト」に近い無声音で「ウォッシュト」。with cold water は「ウィズ コウルド ウォーラ」のように d が軽く落ちます。
  • I worked the face wash into a lather.(洗顔料を泡立てた。)
  • I splashed water on my face.(顔に水をかけた。)
  • I took a shower.(シャワーを浴びた。)※英国英語では have a shower も一般的
  • I take a cold shower every morning.(毎朝、冷水シャワーを浴びる。)
  • I washed my hair.(髪を洗った。)
  • I dried my hair with a hairdryer.(ドライヤーで髪を乾かした。)
  • I shaved.(ひげを剃った。)
  • I put on lotion.(化粧水をつけた。)

朝にシャワーを浴びる習慣は英語圏でとても一般的で、morning shower という言い方が日常に定着しています。「夜に入るか朝に浴びるか」は雑談の定番ネタなので、I’m a morning shower person.(朝シャワー派です)と言えると会話が続きます。

歯を磨く

フレーズ
I brushed my teeth for two minutes.
日本語訳
2分間歯を磨いた。
使う場面
朝晩の習慣を説明するとき、子どもに歯磨きを促すとき(Did you brush your teeth?)。
注意点・誤用例
brush my tooth は誤りで、歯が一本だけという意味になってしまいます。必ず teeth。歯ブラシは toothbrush、歯磨き粉は toothpaste で、こちらは単数形の tooth を使う点も対比で覚えると混乱しません。
発音・ニュアンス
teeth の th は舌先を軽く上前歯に当てて息を出す無声音です。日本語の「ティース」より息が抜ける音になります。brushed my は「ブラシュトゥマイ」と一息でつなげます。
  • I flossed.(フロスをした。)
  • I rinsed my mouth.(口をすすいだ。)
  • I used mouthwash.(マウスウォッシュを使った。)
  • I cleaned my teeth.(歯をきれいにした。)※brush が出てこないときの代替
  • I ran out of toothpaste.(歯磨き粉を切らしてしまった。)

髪を整える・寝癖を直す

comb my hair はくしでとかす動作、brush my hair はブラシでとかす動作です。日常会話では brush のほうが登場頻度が高く、道具を意識せず「髪をとかす」と言いたいときにも使われます。髪型を作り込む場合は do my hair や style my hair が便利です。

  • I brushed my hair.(髪をとかした。)
  • I did my hair.(髪をセットした。)
  • I tied my hair back.(髪を後ろで結んだ。)
  • I put my hair up.(髪をまとめた。)
  • I braided my daughter’s hair.(娘の髪を三つ編みにした。)
  • I parted my hair on the side.(髪を横分けにした。)
フレーズ
I have terrible bedhead this morning.
日本語訳
今朝はひどい寝癖がついている。
使う場面
家族やルームメイトとの軽いやり取り、オンライン会議前の一言、鏡を見たときの独り言。
注意点・誤用例
sleeping hair のような直訳では通じません。bedhead(bed hair とも)を使います。数えられない扱いが基本なので a bedhead とはあまり言いません。
発音・ニュアンス
「ベッドヘッド」と前を強めに。くだけた口語表現で、自分をからかうような軽い調子で使うのが自然です。
  • My hair is sticking up.(髪がはねている。)
  • I smoothed down my bedhead.(寝癖を直した。)
  • I fixed my hair.(髪を直した。)
  • I wet my hair down.(髪を濡らして押さえた。)

メイク・コンタクト・身だしなみ

  • I put on makeup. / I did my makeup.(メイクをした。)
  • I drew my eyebrows.(眉を描いた。)
  • I curled my eyelashes with an eyelash curler.(ビューラーでまつげをカールした。)
  • I put in my contact lenses.(コンタクトレンズを入れた。)
  • I put on sunscreen.(日焼け止めを塗った。)
  • I weighed myself.(体重を測った。)
  • I clipped my nails.(爪を切った。)

コンタクトレンズは put on ではなく put in を使う点が面白いところです。目の「中に」入れるので in。眼鏡なら put on my glasses になります。前置詞が動作のイメージをそのまま表しているので、理屈で押さえると忘れにくくなります。

身支度が整ってきました。次は多くの学習者が迷う「着る」の英語です。put on と wear の違いをここではっきりさせておきます。

着替えの英語:get dressed / put on / wear の使い分け

この章の要点
  • get dressed は着替えるという一連の動作、be dressed は着終わっている状態
  • put on は身につける瞬間の動作、wear は身につけている状態
  • 別の服に着替えるなら get changed / change clothes
  • 日本語の「履く・着る・かぶる・する」はほぼすべて put on / wear で足りる

結論を先に言うと、この領域は「動作か状態か」という一つの軸で整理できます。この軸さえ握れば、迷いはほぼなくなります。

get dressed は着る動作そのものを指します。I got dressed quickly.(急いで着替えた)。これに対して be dressed は着ている状態で、I was already dressed when he arrived.(彼が来たときにはもう着替え終わっていた)。get changed や change clothes は「別の服に着替える」で、I got changed after the run.(走った後に着替えた)のように使います。

フレーズ
I took off my pajamas and got dressed.
日本語訳
パジャマを脱いで、着替えた。
使う場面
朝の流れを説明するとき、英語日記、子どもに身支度を促す場面(Go get dressed.)。
注意点・誤用例
I dressed. だけでも文法的には成り立ちますが、日常会話では get dressed がに自然です。また、I wore my shirt this morning. は「今朝シャツを着ていた」という状態の描写になり、「着替えた」という動作にはなりません。
発音・ニュアンス
took off は「トゥッコフ」とつながります。got dressed は d が二つ続くため、「ガッドレスト」のように前の t が飲み込まれます。

put on と wear の違いも、同じ「動作か状態か」で説明できます。put on は身につける瞬間、wear は身につけている状態です。

  • I put on my shoes.(靴を履いた=動作)
  • I’m wearing sneakers today.(今日はスニーカーを履いている=状態)
  • I put on my jacket and left.(上着を着て出た。)
  • She wears glasses.(彼女は眼鏡をかけている。)
注意点

I’m putting on my coat.(今コートを着ているところ)と I’m wearing a coat.(コートを着ている状態)は、進行形にすると意味がまったく変わります。相手に「今どんな服装か」を伝えたいときに putting on を使うと、着替えの最中だと受け取られます。服装の説明では wear を選んでください。

日本語では「履く」「着る」「かぶる」「する」「つける」と対象によって動詞が変わりますが、英語は put on と wear がほぼすべてを引き受けてくれます。put on my socks(靴下)、put on my hat(帽子)、put on my glasses(眼鏡)、put on my watch(腕時計)、put on my mask(マスク)、put on my tie(ネクタイ)と、目的語を入れ替えるだけで済みます。これは日本語話者にとって、むしろ楽なポイントです。

「身支度をする」をひとことで言うなら get ready も使えます。I’m getting ready for work.(仕事に行く準備をしている)、Are you ready to go?(出る準備できた?)のように、朝の家庭では毎日のように登場する形です。

もし get ready が思い出せなくても構いません。I washed my face. I brushed my teeth. I put on my clothes. と実際にしたことを並べれば十分に伝わります。ぴったりの一語を探して黙り込むより、知っている基本語でつないだほうが会話は前に進みます。

着替えが終われば、次は朝食です。ここには日本語話者が最も苦手とする英語の発想が一つ隠れています。

朝食まわりの英語と「モノを主語にする」発想

この章の要点
  • 朝食は have breakfast が基本形で、eat breakfast も同じように使える
  • 「朝食に〜を食べた」は for breakfast を添えるだけ
  • Coffee wakes you up. のようにモノを主語にすると英語らしい文になる
  • 冷蔵庫は会話では fridge、朝食を抜くのは skip breakfast
平日の朝のキッチンで、お弁当箱を手にした母親と制服姿でトーストとコーヒーを前に座る息子
朝食とお弁当の受け渡しは、家庭内英語の宝庫です

朝食を語る英語は、have breakfast という一つの形を覚えればすぐ広がります。冠詞が付かない点だけ押さえておけば、あとは目的語や修飾語を足していくだけです。

フレーズ
I had toast and eggs for breakfast.
日本語訳
朝食にトーストと卵を食べた。
使う場面
What did you have for breakfast? と聞かれたときの返答、英語日記、食習慣の話題。
注意点・誤用例
I had a breakfast. のように a を付けるのは不自然です。また toast は数えられない扱いなので、一枚を指すなら a piece of toast、a slice of toast と言います。two toasts は誤りです。
発音・ニュアンス
breakfast は break の部分を強く、fast は弱く「ブレックファスト」。had toast は d と t が隣り合うため「ハットウスト」のようにまとまって聞こえます。
  • I had breakfast at seven.(7時に朝食をとった。)
  • I skipped breakfast today.(今日は朝食を抜いた。)
  • I grabbed a quick bite.(急いで軽く食べた。)
  • I made coffee.(コーヒーを入れた。)
  • I poured myself a cup of coffee.(自分にコーヒーを一杯注いだ。)
  • I got the milk out of the fridge.(冷蔵庫から牛乳を取り出した。)
  • I toasted some bread.(パンを焼いた。)
  • I took my supplements.(サプリを飲んだ。)
  • I did the dishes before leaving.(出る前に食器を洗った。)
  • I ate cereal standing up.(立ったままシリアルを食べた。)

冷蔵庫は refrigerator が正式な語ですが、会話ではほぼ fridge が使われます。硬い語をわざわざ選ぶより、日常語を使ったほうが自然に響く典型例です。

モノを主語にすると英語らしくなる

スキットの中で母が言った But coffee wakes you up.(でもコーヒーを飲めば目が覚めるわよ)は、日本語話者が自力ではなかなか作れない英語の代表例です。

日本語では「コーヒーを飲めば目が覚める」と人を主語にして考えます。しかし英語では、モノを主語にして「コーヒーがあなたを目覚めさせる」と表現できます。この発想に慣れると、英語らしい文が一気に増えます。

フレーズ
Coffee wakes you up.
日本語訳
コーヒーを飲めば目が覚めるよ。(直訳:コーヒーがあなたを目覚めさせる)
使う場面
眠そうな相手に飲み物を勧めるとき、朝の習慣について話すとき。
注意点・誤用例
If you drink coffee, you will wake up. でも間違いではありませんが、長く説明的になります。同じ発想で The noise woke me up.(その音で目が覚めた)、This song always cheers me up.(この曲を聞くと元気になる)と応用してみてください。
発音・ニュアンス
wakes you up は「ウェイクシュアップ」のようにつながります。断定的すぎない軽い助言のトーンで、家庭内の会話にぴったりです。

朝食を終えたら、いよいよ家を出る準備です。ここが朝でいちばん慌ただしく、そして使えるフレーズが最も多い場面になります。

出発前のやり取り:忘れ物・天気・持ち物の英語

この章の要点
  • 持ち物確認は Do you have ~? が基本。英国英語では Have you got ~? も一般的
  • take は話し手から離れて持っていく、bring は話し手のほうへ持ってくる
  • 呼ばれて返事をするときは I’m coming.(I’m going. は別の場所へ行く意味になる)
  • Don’t forget to+動詞の原形で「忘れずに〜して」、返事は OK, I will.

この時間帯のフレーズは、家族と暮らしていれば毎日使うことになります。逆に言えば、覚えれば毎日使って定着させられる領域です。

忘れ物の確認

フレーズ
Do you have your lunch box? / Have you got your lunch box?
日本語訳
お弁当は持った?
使う場面
子どもや同居人を送り出す直前、旅行前の荷物確認。
注意点・誤用例
have got は主に英国英語で、米国英語では Do you have ~? が一般的です。意味は同じなので、どちらか一方を使えれば問題ありません。Did you have your lunch box? にすると「お弁当を食べた?」に近い意味になり、意図がずれます。
発音・ニュアンス
Have you got は「ハヴユガッ」と短くつながり、Do you have は「ジュハヴ」に近く聞こえることもあります。文末を上げ調子にすると自然な確認の響きになります。
  • Do you have everything?(全部持った?)
  • Did you get your wallet?(財布は持った?)
  • Don’t forget your umbrella.(傘を忘れないで。)
  • I forgot my house key.(家の鍵を忘れた。)
  • I’m looking for my phone.(スマホを探している。)
  • I packed my bag last night.(昨夜のうちに荷物をまとめた。)
  • My phone is about to die.(スマホの充電が切れそう。)
  • I left my charger at home.(充電器を家に置いてきた。)

お弁当は lunch box が容器と中身の両方を指せる便利な語です。地域によって packed lunch、bag lunch、sack lunch という言い方もあり、日本式の弁当は bento としてそのまま英語に入っています。I make bento boxes for my kids every morning.(毎朝子どもたちの弁当を作る)は、そのまま通じる英語です。

天気の話と傘

It might rain today. の might は「〜かもしれない」という控えめな推量です。断定を避けたいときに重宝します。

  • It might rain later.(後で雨が降るかもしれない。)
  • It looks like rain.(雨になりそう。)
  • It’s supposed to rain this afternoon.(午後は雨の予報だ。)
  • There’s a chance of rain.(雨の可能性がある。)
  • Take your umbrella just in case.(念のため傘を持っていって。)
  • It’s freezing out there.(外はすごく寒い。)
  • It’s already hot outside.(外はもう暑い。)
  • You’ll need a jacket today.(今日は上着が必要だよ。)

take と bring を間違えない

So take your umbrella with you. の take は「(今いる場所から離れて)持っていく」。反対に bring は「話し手のいる場所へ持ってくる」です。判断基準は話し手の位置にあります。

フレーズ
Take your umbrella with you.
日本語訳
傘を持っていってね。
使う場面
家族を送り出すとき、天気が崩れそうな朝、外出する相手への声かけ。
注意点・誤用例
Bring your umbrella with you. と言うと「(私のいるここへ)傘を持ってきて」という響きになり、送り出す場面ではずれます。相手が自分から離れていくなら take、こちらへ来るなら bring です。Bring me the newspaper.(新聞を持ってきて)は bring が正解です。
発音・ニュアンス
with you は「ウィズュー」とつながります。with you を省いて Take your umbrella. でも通じますが、付けると「身につけて持っていく」感じが強まります。
  • Take this to the office.(これを会社へ持っていって。)
  • Bring me the newspaper.(新聞を持ってきて。)
  • I’ll take my lunch with me.(お弁当を持っていく。)
  • Can you bring your laptop tomorrow?(明日ノートパソコンを持ってきてくれる?)

呼ばれたら I’m coming. と答える

同じ「基準点」の理屈で、スキットの I’m coming in a minute. も理解できます。日本語では「(今から台所へ)行くよ」と言いますが、英語では相手のいる場所へ向かうときは go ではなく come を使います。

注意点

呼ばれたときに I’m going. と答えると、「(どこか別の場所へ)出かけるところだ」という意味に受け取られる可能性があります。相手のところへ向かう返事は I’m coming! が定番です。急いでいる場合は Coming! の一語だけでも十分自然に通じます。

Don’t forget to ~ と I will の受け答え

フレーズ
Don’t forget to take out the garbage. — OK, I will.
日本語訳
ゴミを出すのを忘れないで。—— わかった、そうする。
使う場面
家事の分担を確認するとき、家を出る相手に用事を頼むとき。
注意点・誤用例
Don’t forget の後ろに動詞を置くときは to が必要です(Don’t forget to lock the door.)。名詞を続けるときは to は不要(Don’t forget your keys.)。返事の I will. は I will take out the garbage. の後半を省いた形で、Yes, I do. とは言いません。
発音・ニュアンス
Don’t forget to は「ドンフォゲッタ」とまとまります。I will. は will を強めに言うと「ちゃんとやるよ」という意思が伝わります。

断るときや交渉するときの返しも覚えておくと、やり取りが一往復で終わりません。I won’t forget.(忘れないよ)、Actually, can you do it today?(今日は代わりにやってくれる?)、I’ll do it when I get back.(帰ってからやるよ)。

ゴミ出しは take out the garbage が基本形です。地域によって take out the rubbish、put out the bins という言い方もあります。回収の仕組みも国や地域で異なり、家の前の道路際に大きなゴミ箱を出す方式では put the bins out by the curb(ゴミ箱を道路際に出す)という言い方が生活に根づいています。

家を出る瞬間のひとこと

フレーズ
I’m off! — Have a good day!
日本語訳
行ってきます! —— いってらっしゃい!(いい一日を!)
使う場面
玄関を出るとき、オフィスから退勤するとき。ホームステイ先でも毎日使えます。
注意点・誤用例
日本語の「行ってきます」「行ってらっしゃい」に完全に対応する英語はありません。直訳を探すより、Bye! / See you later! / Have a good day! という定型を場面ごとに覚えるほうが実用的です。
発音・ニュアンス
I’m off! は「アイモフ」と一気に。軽やかで元気な調子が合います。Have a good day! は good を高く長めに言うと温かい響きになります。
  • I’m heading out now.(今出るところ。)
  • I’m leaving!(出るね!)
  • Take care!(気をつけてね。)
  • See you tonight.(また今夜。)
  • I’m running late.(遅れそう。)
  • I have to catch the 7:40 train.(7時40分の電車に乗らないと。)
  • I locked the door.(鍵をかけた。)
  • I missed my train.(電車に乗り遅れた。)
  • I walked to the station.(駅まで歩いた。)
  • I go to work at eight.(8時に出勤する。)

ここまでは主に「自分の朝」を語る表現でした。次は立場を入れ替えて、家族を起こしたり送り出したりする側のフレーズを見ていきます。

家族を起こす・送り出す側のフレーズ

この章の要点
  • It’s time to+動詞の原形は「〜する時間だよ」の万能型。会話では It’s が省かれることも多い
  • 相手を起こすのは wake ~ up、自分が目覚めるのは wake up と区別する
  • 急かす表現は Hurry up. / We’re leaving in five minutes. などが定番

子どもや同居人を起こす立場なら、こちらの表現群が毎朝の武器になります。動詞の原形で始まる短い形が中心なので、覚える負担は軽いはずです。

フレーズ
Time to get up! You’re going to be late.
日本語訳
起きる時間だよ!遅れちゃうよ。
使う場面
子どもを起こすとき、同居人に声をかけるとき、ホームステイ先で同年代の相手を起こすとき。
注意点・誤用例
相手を起こす動作は wake ~ up で、目的語が代名詞なら wake me up / wake him up と間に入れます。Wake up him. は不自然です。また、目上の人や客に対しては Excuse me, it’s seven o’clock. のようにやわらげます。
発音・ニュアンス
Time to get up! は「タイムタゲラップ」と一息で。You’re going to be late. は口語で「ユア ガナ ビ レイト」となります。
  • Wake up! It’s already seven.(起きて!もう7時だよ。)
  • Wake up and wash your face.(起きて顔を洗いなさい。)
  • It’s time to go.(もう行く時間だよ。)
  • Hurry up, we’re leaving in five minutes.(急いで、5分後に出るよ。)
  • Did you brush your teeth?(歯磨きした?)
  • Put on your shoes, please.(靴を履いてね。)
  • Go get dressed.(着替えてきて。)
  • Eat up, we don’t have much time.(食べちゃって、あまり時間がないよ。)
  • I woke my kids up at seven.(7時に子どもたちを起こした。)
  • I’m going to take my son to daycare.(息子を保育園に送っていく。)
  • I’m going to feed the baby.(赤ちゃんに授乳する。)
  • Can you wake me up at six tomorrow?(明日6時に起こしてくれる?)

It’s time to+動詞の原形は、応用範囲が非常に広い型です。It’s time to go to bed.(寝る時間だよ)、It’s time to study.(勉強する時間だよ)、It’s time to leave.(出る時間だよ)と、朝以外の場面でも一日中使えます。会話ではしばしば It’s が省かれて Time to go! となります。

ここまでで表現はかなり揃いました。ただ、覚えた表現を実際に使う段階では、決まったところでつまずく人が多いのも事実です。次に、間違えやすい箇所をまとめて点検しておきましょう。

間違えやすいポイントの総点検

この章の要点
  • 体調は feel、歯は複数形、返事は come、持ち物は基準点、着るは動作と状態で判断する
  • 誤りのパターンは日本語の直訳から生まれることが多い
  • 間違いを恐れて黙るより、基本語をつないで伝えるほうが会話は前に進む

朝の英語でつまずきやすい箇所は、実はそれほど多くありません。以下の8点を押さえておけば、大きな誤解は避けられます。

  1. 体調を言うときは good ではなく feel。I’m not good. より I don’t feel good. / I’m not feeling well.
  2. 歯は複数形。brush my tooth ではなく brush my teeth。
  3. 呼ばれて返事をするときは come。I’m coming. が正解で、I’m going. は別の場所へ出かける意味になる。
  4. 持ち物の移動は基準点で決まる。相手から離れていくなら take、こちらへ来るなら bring。
  5. put on は動作、wear は状態。I’m putting on my coat. と I’m wearing a coat. は別の意味。
  6. get up と wake up を混同しない。目が覚めるのが wake up、体を起こすのが get up。
  7. 二度寝は sleep twice ではなく go back to sleep / fall back to sleep。
  8. シャワーは enter や wash ではなく take a shower / have a shower。
注意点

家族間では自然な命令形(Have breakfast soon. / Put on your shoes.)を、職場や初対面の相手に使うと唐突で失礼に響くことがあります。相手との距離がある場面では、Would you like ~? / Could you ~? / Do you want to ~? のように依頼や提案の形に変えてください。同じ内容でも、形を選ぶだけで印象は大きく変わります。

「髪を洗う」は wash my hair が最も自然です。shampoo my hair とも言えますが、日常では wash が優勢です。細かい語彙よりも、基本動詞の使い分けのほうが伝わり方に影響します。

文法の点検が済んだら、次は音です。表現を知っていても発音のリズムが日本語のままだと、相手に届きにくくなります。

声に出す練習:朝のフレーズの発音とリズム

この章の要点
  • 朝のフレーズは短いので、音の連結(リンキング)練習に向いている
  • 子音+母音は必ずつながる。woke up、get up、put on がその代表
  • 強く読むのは動詞と名詞、弱くするのは前置詞・代名詞・冠詞
  • 1フレーズ3回ずつ、鏡の前で口の形を確認しながら言う

朝の表現は語数が少ないため、発音練習の素材として理想的です。長い文と違って途中で息が切れず、音のつながりだけに集中できます。

つながる音を意識する

英語は、前の語の終わりが子音で次の語の始まりが母音のとき、必ずつながって聞こえます。朝のフレーズはこの組み合わせの宝庫です。

  • woke up →「ウォウカップ」(k と u がつながる)
  • get up →「ゲラップ」(t が軽い d や r に近い音になる)
  • put on →「プロン」に近い音(t が弱まり on とつながる)
  • washed my face →「ウォッシュトゥマイフェイス」(一息で)
  • brush my teeth →「ブラシュマイティース」(my を弱く)
  • take it with you →「テイキッウィズュー」
  • turn off the alarm →「ターノフ ジ アラーム」

強弱のリズムを作る

日本語は一音ずつほぼ均等に発音しますが、英語は強い音と弱い音の落差でリズムを作ります。原則として、意味を担う動詞と名詞を強く、文法をつなぐ前置詞・代名詞・冠詞は弱く短く読みます。

たとえば I brushed my teeth for two minutes. なら、強く読むのは brushed、teeth、two、minutes。I、my、for はほとんど聞こえない程度に弱めます。全部をはっきり言わないほうが、かえって伝わりやすくなります。

3ステップの音読手順

  1. まず日本語訳を見て意味を確認し、英語を目で追いながら1回ゆっくり読む。
  2. 次に、強く読む語に印を付けたつもりで、強弱を大げさに付けて2回読む。
  3. 最後にテキストを見ずに、動作をしながら口に出す(顔を洗いながら I’m washing my face. と言う)。

この3ステップを1フレーズにつき1分もかけずに回せます。朝の身支度の時間そのものが練習時間になるので、机に向かう時間を新たに確保する必要がありません。

では、この「動作しながら英語を言う」練習を、どう毎日の習慣に落とし込めばよいのでしょうか。具体的な進め方を見ていきます。

独り言と英語日記で定着させる7日間の進め方

この章の要点
  • 覚えた表現は「その場で実況する独り言」で動作と結びつける
  • 英語日記は3文から始め、時刻・気分・天気を少しずつ足していく
  • 1週間ごとにテーマを絞ると挫折しにくい(今週は目覚まし、来週は身支度)
  • 思い出せない表現があっても、知っている基本語で言い換えれば伝わる
朝の光が差す木製デスクに置かれた白紙の開いたノートとペン、湯気の立つコーヒーカップ
3文から始める英語日記が、覚えた表現を使える形に変えます

覚えた表現は、口に出さないと定着しません。もっとも手軽な方法が独り言と英語日記です。どちらも相手を必要とせず、今朝から始められます。

ステップ1:動作をその場で実況する

朝の動作を、しているそのときに英語で言います。顔を洗いながら I’m washing my face.、着替えながら I’m getting dressed.、玄関で I’m putting on my shoes.。

この方法の強みは、動作と英語が身体感覚で結びつく点です。頭の中で日本語から訳す工程が省かれ、記憶が「知識」から「反射」に変わっていきます。声を出しにくい環境なら、口の形だけ動かす、あるいは心の中でつぶやくだけでも効果があります。

ステップ2:夜に3文だけ書く

一日を終える前に、その朝のことを3文だけ書きます。最初は驚くほど短くて構いません。

英語日記の例(初日)
I woke up at seven. I got out of bed and washed my face. Then I got dressed.
日本語訳
7時に目が覚めた。布団から出て顔を洗った。それから着替えた。
使う場面
学習を始めた初日から1週間ほど。ノートでもスマホのメモでも構いません。
注意点
完璧な文法を目指すと続きません。過去形が不安なときは現在形で書いてもよく、あとで直せば十分です。長く書こうとして手が止まるのがいちばんの失敗要因です。
発音・ニュアンス
書いたら必ず一度音読します。Then は「ゼン」と最初の音を軽く濁らせ、次の文へのつなぎとして少し高めに読みます。

ステップ3:情報を少しずつ足す

3文が書けるようになったら、時刻、気分、天気、そのとき考えていたことを足していきます。同じ朝の出来事でも、情報を加えるだけで文章に厚みが出ます。

英語日記の例(1週間後)
I woke up at six thirty, but I hit the snooze button twice. I finally got out of bed at seven. I felt a bit groggy, so I skipped breakfast and just made coffee. It looked like rain, so I took my umbrella with me.
日本語訳
6時半に目が覚めたが、スヌーズを2回押した。結局7時に布団から出た。少し頭がぼんやりしていたので、朝食は抜いてコーヒーだけ作った。雨になりそうだったので、傘を持っていった。
使う場面
3文の日記が習慣になったあと。so や but でつなぐ練習も同時にできます。
注意点
一文を長くしすぎると構造が崩れます。so、but、and then で区切り、一文に情報を二つまでにとどめると読み返しやすくなります。
発音・ニュアンス
but I hit は「バライヒット」のようにつながります。finally を強めに読むと「やっと起きた」という気持ちがそのまま音に乗ります。

1週間の練習メニュー例

一度に全部を覚えようとすると挫折します。テーマを区切って、自分の朝で試す範囲を少しずつ広げてください。

  1. 1日目:目が覚めた瞬間だけ英語にする(I woke up at ~. / I hit the snooze button.)
  2. 2日目:布団を出るまでを追加(I got out of bed. / I opened the curtains.)
  3. 3日目:洗面所の動作を追加(I washed my face. / I brushed my teeth.)
  4. 4日目:着替えを追加(I got dressed. / I put on my shirt.)
  5. 5日目:朝食を追加(I had toast for breakfast. / I made coffee.)
  6. 6日目:出発前の確認を追加(Do I have everything? / I took my umbrella.)
  7. 7日目:1日目から6日目までを通して一気に言い、日記にまとめる

7日目に通しで言えれば、朝の流れがひと続きの英語になっています。表現を一つも思い出せない朝があっても構いません。「何をした?どこで?その次は?」と動作を分解すれば、知っている基本語だけで朝の流れは伝えられます。

なお、routine という語は「日々繰り返されること」を指す名詞・形容詞で、カタカナの「ルーティンワーク」に近い感覚です。意図的に続けている習慣にも、惰性的で退屈な繰り返しにも使えるため、文脈によっては少しネガティブに響く場合があります。

ちなみに夜の習慣を表すなら、night routine より evening routine のほうが収まりのよい場面が多いです。evening はおおよそ夕方から就寝までを指し、night は日没から日の出までを指すため、夕方から始まる一連の行動には evening が合います。

独り言と日記でアウトプットの土台ができたら、次は誰かに聞いてもらう段階です。発音のリズムや自然な言い回しは、実際にやり取りする中でこそ磨かれていきます。話す相手を作りたいときは、こうした場を活用するのも選択肢の一つです。

最後に、学習を進める中でよく出てくる疑問に答えておきます。

朝の英語表現に関するよくある質問

この章の要点
  • wake up と get up、put on と wear の違いは「瞬間か状態か」で判断する
  • 「行ってきます」に対応する英語はなく、場面ごとの定型を覚えるのが実用的
  • 米国英語と英国英語の差は、どちらか一方を使えれば支障ない

「朝6時に起きた」は wake up と get up のどちらを使いますか?

目が覚めた時刻を言いたいなら I woke up at six.、実際に布団を出た時刻なら I got up at six. です。日本語の「起きた」はどちらの意味にもなるため、伝えたいのが「目が覚めた瞬間」か「体を起こした動作」かで選んでください。両方を言うなら I woke up at six but I didn’t get up until six thirty. のように並べます。

put on と wear はどう使い分ければよいですか?

put on は身につける瞬間の動作、wear は身につけている状態を表します。玄関で靴を履く動作は I put on my shoes.、今日の服装を説明するなら I’m wearing sneakers today. になります。進行形にすると差がはっきりし、I’m putting on my coat. は着替えの最中、I’m wearing a coat. はすでに着ている状態を指します。

「行ってきます」「行ってらっしゃい」は英語でどう言いますか?

完全に対応する英語はありません。出かける側は I’m off! / I’m heading out. / Bye, see you later! を、送り出す側は Have a good day! / Take care! / See you tonight. を使うのが最も近い習慣です。文化的な差なので、直訳を探すより場面ごとの定型として覚えるほうが実用的です。

呼ばれたときに I’m going. と答えるのは間違いですか?

相手のいる場所へ向かう返事としては不適切です。英語では話し手が相手の位置に向かうとき come を使うため、I’m coming! が正解になります。I’m going. と答えると「どこか別の場所へ出かける」という意味に受け取られる可能性があります。急いでいるときは Coming! の一語でも自然に通じます。

take と bring を間違えると通じませんか?

文脈から意図は推測されることが多いものの、方向が逆になるため誤解の余地が生まれます。判断基準は話し手の位置で、相手が自分から離れていくなら take、こちらへ向かってくるなら bring です。送り出す場面では Take your umbrella with you.、自分のところへ持ってきてほしいときは Bring me the newspaper. となります。

Do you have ~? と Have you got ~? はどちらを覚えるべきですか?

意味は同じで、どちらか一方を使えれば支障ありません。Have you got ~? は主に英国英語で、米国英語では Do you have ~? が一般的です。学習の負担を減らすなら Do you have ~? を主に使い、Have you got ~? は聞いて理解できる状態にしておく、という分け方が現実的です。

朝の表現を覚えるのに、毎日どのくらい時間が必要ですか?

机に向かう時間を新たに確保する必要はありません。身支度をしながら動作を実況する独り言なら追加時間はゼロで、夜に3文の日記を書くのも数分で終わります。負担が軽いぶん続けやすく、朝の動作は毎日必ず繰り返されるため復習の機会も自然に確保できます。ただし習得のペースは人それぞれなので、自分の生活に合う量から始めてください。

morning routine と daily routine はどう違いますか?

morning routine は朝の一連の習慣を、daily routine は一日全体の習慣を指します。夜の習慣について話すときは night routine より evening routine のほうが合う場面が多く、evening は夕方から就寝までを、night は日没から日の出までを指すためです。なお routine には「惰性的な繰り返し」という含みもあるため、文脈によってはやや退屈な響きになることがあります。

明日の朝、一言つぶやくところから

この章の要点
  • 朝の英語は生活に直結しているため、覚えたその日から使える
  • 短い会話一つの中に、日常英語の骨格となる文法が詰まっている
  • 週ごとにテーマを区切れば、無理なく一日の前半を英語で語れるようになる

朝の英語は、生活に直結しているぶん、覚えたその日から使えます。教材を探す必要もなく、素材は毎朝自動的に供給されます。

記事の冒頭で読んだ短いスキットの中にも、wake up と get up の違い、come の方向感覚、put on の使い方、take と bring の対比、Don’t forget to ~ による依頼、I will の受け答えといった、日常会話の骨格が詰まっていました。生活英語は効率がいいのです。

一気に全部を覚えようとしなくても大丈夫です。今週は目覚まし関連だけ、来週は身支度だけ、と区切って自分の朝で試していけば、気づいたときには一日の前半をすべて英語で語れるようになっています。

明日の朝、目が覚めた瞬間に一言だけ、I woke up. とつぶやいてみるところから始めてみてください。その一言が、朝の時間を英語の練習場に変えていきます。