海外のサイトで注文した荷物を開けた瞬間、手が止まったことはないでしょうか。カップに大きなヒビが入っている、届いたセーターが注文した色とまったく違う、写真で見たものとは別物のような質感——楽しみにしていた時間が、一気に気の重い作業に変わる瞬間です。
この記事では、そのまま差し替えて使えるメールの型、店頭で口に出すひと言、店員から飛んでくる質問への答え方、返品ポリシーに並ぶ英語表記の読み方、そして日本語話者がやりがちな誤用までを順番に並べていきます。
読み終えたときに手元に残るのは、暗記した単語ではなく「四つの情報を落とさず伝える段取り」です。独学で不安な部分を人に聞きながら固めたい場合は、英語教室のような対話の場を併用すると、言い回しの強さの調整まで確認できます。

- 返品の英語は「五つの単語の切り分け」から始まる
- 海外通販の問い合わせメールは四つのブロックで組み立てる
- 状況を具体的に伝える語彙を持っておく
- 店頭で「返品したい」と伝えるときの切り出し方
- 店員の質問と、断られたときの受け答え
- 会話の中で拾える自然な言い方
- 英語圏では返品のハードルが日本より低い
- 返品ポリシーの英語表記を読み解く
- 日本語話者がつまずきやすいポイント
- 返信が来ない・話が進まないときの押し方
- 口に馴染ませる発音とリズムの練習
- 7日間で使える状態にする練習プラン
- 返品・返金・交換のよくある疑問
- 同じ商品ではなく別の商品に変えたいときは何と言えばよいですか
- 返送料は自分が払うことになるのですか
- broken と doesn’t work はどちらを使えばよいですか
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:落ち着いて四点を伝えれば、返品は難しくない
返品の英語は「五つの単語の切り分け」から始まる
そこで多くの人が最初につまずくのは、英語力そのものではありません。「どこから書き出せばいいのか」「強く言いすぎて揉めないか」「そもそも返品できる商品なのか」という段取りの不安です。実際のところ、海外のショップは声を上げなければ動きませんが、必要な情報を落ち着いて並べれば、驚くほどあっさり返金や交換に応じてくれることも珍しくありません。
まずは、すべての土台になる単語の切り分けから始めましょう。ここを曖昧にしたままメールを書くと、やり取りが何往復も増えてしまいます。
- 日本語の「返品」は、英語では return(返す行為)・refund(返金)・exchange(交換)・replacement(代替品)・store credit(店舗クレジット)に分かれる
- 最初のひと言に「返す」と「希望する対応」をセットで入れると、やり取りの往復が激減する
- 依頼の基本形は I’d like to ~ に固定しておけば、店頭でもメールでも強すぎない
- return / take back / send back は、店に持ち込むのか郵送するのかで選び分ける
返品の英語が難しく感じられる最大の理由は、語彙の量ではなく分類のずれにあります。日本語では「返品したい」のひと言で返す行為も返金の希望も同時に表せますが、英語は動作ごとに単語が分かれています。
ここを押さえておくと、店員の質問の意図がその場で読めるようになります。逆に曖昧なまま話すと、必ず「どちらをご希望ですか」と聞き返され、会話が振り出しに戻ります。
return / refund / exchange / replacement / store credit
五つの単語の役割は、次のように整理できます。どれも返品の場面に出てきますが、指している対象がまったく違います。
- return:商品を店または発送元に返す行為そのもの。手続きの入口を指す言葉です。
- refund:支払ったお金を返してもらうこと。つまり返金という結果を指します。
- exchange:別のサイズ・色・商品と取り替えること。物と物の交換です。
- replacement:同じ商品の代替品。壊れていた場合に「新品を送り直してほしい」ときに使います。
- store credit:現金ではなく、その店で使える残高やギフトカードでの払い戻しです。
この違いを無視して return だけで押し通すと、相手には「返しました。それで?」という情報しか届きません。だからこそ、希望をセットで伝えるのが最短ルートになります。
- フレーズ
- I’d like to return this and get a refund.
- 日本語訳
- これを返品して、返金をお願いしたいです。
- 使う場面
- 店頭のレジやカスタマーサービスカウンターで、現物とレシートを差し出しながら言う最初のひと言。メールでも冒頭の希望表明にそのまま使えます。
- 注意点・誤用例
- 「I’d like to refund this.」は誤り。refund を動詞で使うと「返金する側」の動作になってしまうため、返金を受ける側は get a refund や have a refund の形にします。
- 発音・ニュアンス
- 名詞の refund は「リーファンド」と前を強く読みます(/ˈriːfʌnd/)。I’d like to は「アイドライクトゥ」とつなげ、d をはっきり出すと would が伝わります。
- フレーズ
- I’d like to exchange this for a different size.
- 日本語訳
- これを別のサイズと交換したいです。
- 使う場面
- 商品自体に不満はなく、サイズや色だけを変えたいとき。在庫確認が必要になるので、希望するサイズを一緒に言えると話が早くなります。
- 注意点・誤用例
- 「exchange this to a large」は前置詞の誤り。AをBに替えるときは exchange A for B と for を使います。
- 発音・ニュアンス
- exchange は後ろの -change を強く読みます(/ɪksˈtʃeɪndʒ/)。「エクスチェンジ」と平らに読むと聞き取られにくいので、チェインの部分を長めに。
- フレーズ
- Could you send me a replacement instead?
- 日本語訳
- 代わりに代替品を送っていただけますか。
- 使う場面
- 同じ商品がどうしても欲しいのに、届いたものが割れていた・動かないというとき。返金よりも代替品のほうが店側の負担が小さく、通りやすいこともあります。
- 注意点・誤用例
- replacement は「同じ商品の代わり」を指します。別の商品に変えたい場合は exchange を使い、something else of the same value(同額の別商品)などと具体的に添えます。
- 発音・ニュアンス
- replacement は /rɪˈpleɪsmənt/ で、プレイの部分に強勢。Could you ~ instead? は「本来はこうしてほしい」という希望を穏やかに示す形です。
可否を確認したいだけの段階なら、短い疑問文で足ります。Can I return this?(これを返品できますか)と Is this item refundable?(この商品は返品・返金できますか)は、ニュアンスの差がほとんどありません。口に出しやすい方を自分の定番にしてしまって構いません。
丁寧さには段差がある
同じ「返金してほしい」でも、語形によって相手に届く印象は大きく変わります。返品は相手に手間をかける依頼なので、段差を知っておくと無駄な摩擦を避けられます。
- I want a refund.:意味は通じますが、口調によっては苛立ちをぶつけている響きになります。
- I’d like a refund, please.:もっとも無難で、店頭でもメールでも使える標準形です。
- Could I get a refund on this?:許可を求める形にすることで、さらに柔らかくなります。
- Would it be possible to get a refund?:かなり丁寧。条件が微妙で交渉が必要な場面に向きます。
I’d like to ~ は I would like to ~ の短縮形で、「できれば〜したい」という控えめな気持ちを含みます。want to ~ より一段柔らかく、依頼のニュアンスが自然に出るため、返品交渉の基本形はこれで固定しておくと安心です。
「I want a refund!」と言い切る形は、英語では感情を前面に出した要求として受け取られやすく、対応する担当者を防御的にさせます。こちらに正当な理由があっても、最初の一手は I’d like ~ か Could I ~ にとどめておくほうが、結果として手続きが早く済みます。
return / take back / send back を場面で選ぶ
「返す」に当たる表現も、移動の方向によって自然な語が変わります。書き言葉と話し言葉の差も含めて押さえておきましょう。
- return the item:最も中立的で、メールでも会話でも使える標準表現です。
- take it back:店に持って行って返すという物理的な動きを含む口語です。
- send it back:郵送で送り返すこと。通販の返品はこちらが実態に合います。
通販なら I’ll send it back to you.、実店舗に足を運ぶなら I’m going to take it back to the store. が自然です。なお店員側が主語になる take back は「引き取る」の意味になり、We can’t take back opened items.(開封済みの商品は引き取れません)のように使われます。

単語の切り分けができたら、次は実際の一通目です。海外通販で最初に送るメールの型を、件名から締めの一文まで順に組み立てていきましょう。
海外通販の問い合わせメールは四つのブロックで組み立てる
- 件名は「何が起きたか+注文番号」で言い切ると、初回返信の中身が濃くなる
- 本文は「何をいつ買ったか→何が起きたか→どうしてほしいか→次に何をすべきか」の順に並べる
- 写真の添付と「返送する意思がある」の一文が、対応速度を左右する
- 日付は月を英字で書き、注文確認メールへの返信として送るのが最も確実
メールで最も大切なのは、流暢さではなく明確さです。遠回しな不満を長く書くより、希望する対応を短く明記したほうが、担当者は一度で判断できます。
サポート窓口は毎日膨大な件数を処理しています。読み手が探している情報を、探さなくても目に入る位置に置く——これが返品メールの設計思想です。
件名で状況を言い切る
件名が空欄や Hello だけだと、優先度の低い問い合わせとして後回しにされることがあります。件名の段階で内容が読めるようにしておきましょう。
- The item I purchased was broken.(購入した商品が壊れていました)
- The product is stained.(商品が汚れています)
- Request for Return – Order #12345(返品のお願い/注文番号12345)
- Wrong item received – Order #12345(誤った商品が届きました)
- Damaged item on arrival – Order #12345(到着時に商品が破損していました)
- Missing item in delivery – Order #12345(配送物に商品の欠品があります)
件名に注文番号を入れておくと、担当者が履歴を検索したうえで返信できます。件名に注文番号を添えるだけで、一往復分の時間が節約できると考えてください。
本文を組み立てる四つのブロック
返品依頼の本文は、次の順番に並べるだけで整います。英語の難易度を上げる必要はありません。
- 何をいつ買ったか(商品名・注文番号・注文日)
- 何が起きたか(破損・汚損・誤配送・不動作)
- どうしてほしいか(refund か exchange か replacement か)
- 次に何をすればいいか聞く(返送先・返送方法・送料負担)
冒頭の呼びかけは、担当者名がわからなければ Dear Customer Support, や To Whom It May Concern, で問題ありません。ショップ名をそのまま Dear ABC Store, と書いても失礼にはあたりません。
そのまま使える例文:商品が壊れていた場合
- 件名
- The item I purchased was broken. – Order #○○○
- 本文
- Dear Customer Support,
The item you sent was broken. The product doesn’t work.
I would like to request a refund.
Order Number: ○○○
Order Date: MAR. 01Please tell me how to return the product.
Best regards,
(your name) - 日本語訳
- 件名:購入した商品が壊れていました。/ご担当者様。送られてきた商品が壊れていました。動きません。返金を希望します。注文番号:○○○、注文日:3月1日。返送方法も教えてください。よろしくお願いします。
- 使う場面
- 食器や家電など、物理的な破損と機能不良が同時に起きているとき。短くても四つのブロックが揃っているため、一通目としてそのまま使えます。
- 注意点・誤用例
- 「The item you send was broken.」は時制の誤り。送られてきたのは過去の出来事なので、send の過去形 sent を使います。現在形にすると、これから送られる商品の話に読めてしまいます。
- 発音・ニュアンス
- 電話で伝える場合、broken は「ブロウクン」と最初を強く、doesn’t work は work を強めに落とします。I would like to request ~ は I’d like ~ よりやや硬く、書面向きの響きです。
そのまま使える例文:商品が汚れていた場合
- 件名
- The product is stained. – Order #○○○
- 本文
- Dear Customer Support,
I received the bag I ordered, but I discovered that it was damaged, as you can see in the attached photos.
Please send me a replacement or issue a refund. I’m willing to return it to you, so please let me know what to do.
Order Number: ○○○
Order Date: MAR. 01Regards,
(your name) - 日本語訳
- 件名:商品が汚れていました。/注文したバッグを受け取りましたが、添付の写真でご確認いただけるとおり傷み(汚れ)がありました。新しいものと交換するか、返金をお願いしたいです。返送する意思はありますので、どうすればよいか教えてください。
- 使う場面
- 衣類・バッグ・靴など、汚れやシミが問題になる商品。写真があると説明の手間が一気に減るので、必ず添付してから送ります。
- 注意点・誤用例
- issue a refund は「返金を処理する」という店側の動作を表す定型句です。ここを refund me と書くと直接的に響くため、issue a refund か process a refund にしておくと穏やかです。
- 発音・ニュアンス
- stained は「ステインド」で一音節。I’m willing to ~ は「こちらも協力する用意がある」という前向きな姿勢を示し、クレームの色を薄める働きをします。
そのまま使える例文:注文と違う商品が届いた場合
- フレーズ
- I ordered a navy sweater (item #A-102), but I received a black one instead.
Would you please send me the correct item as soon as possible?
Please also let me know whether I should return the wrong item, and who will cover the return shipping cost. - 日本語訳
- ネイビーのセーター(商品番号A-102)を注文しましたが、届いたのは黒でした。至急、正しい商品を送っていただけますか。誤って届いた商品を返送すべきかどうか、また返送料はどちらの負担になるかも教えてください。
- 使う場面
- 色・サイズ・型番の誤配送。店側のミスが明らかな場面なので、返送料の負担を最初に確認しておくのが定石です。
- 注意点・誤用例
- 「I received a black.」のように名詞が抜けると不自然です。前に出た名詞を繰り返さずに指すときは one を使い、a black one とします。
- 発音・ニュアンス
- Would you please ~? は Please send ~ より一段柔らかい依頼形。as soon as possible は書面では急ぎを示す定型で、無礼にはなりません。
そのまま使える例文:サイズが合わない・気が変わった場合
不良品ではなく自分の都合で返す場合も、理由をぼかさず正直に書くほうがスムーズです。英語圏では「サイズが合わなかった」「思っていたものと違った」は十分に通る理由として扱われます。
- フレーズ
- I purchased a pair of jeans on your online shop the other day. However, I would like to return them as they were not the size I expected.
I’m looking forward to hearing from you whether this is possible. - 日本語訳
- 先日そちらのオンラインショップでジーンズを購入しましたが、思っていたサイズと違ったため返品したいです。返品が可能かどうか、お返事をお待ちしています。
- 使う場面
- 商品に欠陥はなく、自己都合で返したいとき。可否の確認から入っているため、返品不可の店に対しても角が立ちません。
- 注意点・誤用例
- jeans や trousers は二本脚で一着なので複数扱いです。I’d like to return it ではなく return them とし、数えるときは a pair of jeans と表します。
- 発音・ニュアンス
- the other day は「先日」。However, を文頭に置くと、前文との対比がはっきりし、事務的で落ち着いた印象になります。
注文情報は箇条で添える
本文の最後に注文の詳細を並べておくと、担当者が照合しやすくなります。次の項目をそのまま書き写して埋めるだけで十分です。
- Customer Name: (first name) (last name)
- Customer ID: xxxxxx
- Order ID / Order Number: xxxxxx
- Item Name / Product ID: xxxxxx
- Date of Order: mm/dd/yyyy
- Payment Method: credit card / PayPal など
日付の書式は国によって順序が変わるため、MAR. 01 のように月を英字で書くと取り違えが起きません。注文確認メールや発送通知メールが手元にあるなら、そのメールに返信する形で書き足すのが最も確実です。履歴が自動的に付くので、注文の特定に手間がかかりません。
写真を添えると話が早い
破損や汚れは、言葉で説明するより画像のほうがに速く伝わります。箱の外観、緩衝材の状態、商品の損傷部分、送り状のラベルを撮っておきましょう。
- Please see the attached photos.(添付の写真をご覧ください)
- I have attached three photos showing the damage.(破損の様子がわかる写真を3枚添付しました)
- The box itself was also crushed when it arrived.(届いた時点で外箱も潰れていました)
- I can send more photos if needed.(必要であれば追加の写真も送れます)
「返す意思がある」と明記する
内容は簡潔に、そのうえで商品を返送する意思をはっきり書き添えると効果があります。無償でもう一つ送らせようとしているのではなく、本当に困っているだけだという姿勢が伝わるからです。
- I’m ready to send the item back at any time.(いつでも商品を返送できます)
- Please let me know the return address and the procedure.(返送先住所と手続きを教えてください)
- Please let me know how to proceed with the return.(返品の手続き方法を教えてください)
- I have kept the original packaging.(元の梱包材は保管しています)
締めの一文とお礼
- I’m looking forward to hearing from you.(お返事をお待ちしています)
- I’d appreciate it if you could give me a reply.(お返事いただけると助かります)
- Thank you for your time and assistance.(お手数をおかけしますが、よろしくお願いします)
- I appreciate your prompt attention to this matter.(迅速なご対応に感謝します)
結語は Best regards, Kind regards, Regards, のいずれかで問題ありません。ここまで揃えば一通目は完成です。では、状況をもう一段細かく説明したいときに使う語彙を見ていきましょう。
状況を具体的に伝える語彙を持っておく
- 破損・不良・相違・不足の四系統で語彙を整理すると、症状の説明が一発で決まる
- defective と faulty は「不良品」として返品理由になりやすい強い単語
- 数や部位を添えると、店側が代替対応を即決しやすくなる
同じ「壊れている」でも、割れているのか動かないのかで店の対応は変わります。症状を一語で言い当てられると、やり取りの往復が減ります。
破損・不良を表す語彙
- Scratch 傷(表面のこすれ傷)
- Completely damaged 完全に壊れている
- During shipping 輸送中に
- Defective / Faulty 不良品(前者は米、後者は英でよく使われます)
- Several cracks 複数のヒビ
- Early failure / Initial defect 初期不良
- Stain シミ、汚れ
- Torn 破れている
- Dent へこみ
- Missing parts 部品が足りない
- Leaking 液漏れしている
- Peeling 剥がれている
このうちdefective と faultyは、返品理由として最も通りが良い単語です。感情的な言葉を足さずにこの一語を置くだけで、店側は不良品対応の手順に乗せてくれます。
相違・不足を表す語彙
- Wrong size / Wrong color 間違ったサイズ/色
- Correct item 正しい商品
- Different from the listing 掲載内容と異なる
- Not as described 説明どおりではない(マーケットプレイスの定型表現)
- Incomplete order 注文の一部が欠品している
- Counterfeit / Not authentic 偽物・正規品ではない
そのまま使える一文
- Not the same product as in the picture.(写真と違う商品です)
- I looked at it carefully, and it was torn.(よく見たら破れていました)
- It didn’t come with an instruction manual.(説明書が入っていませんでした)
- It looks completely different from the picture.(写真と全然違います)
- Is this really a new item?(これは本当に新品ですか)
- I would like to return it for a refund.(返品しますので、返金をお願いします)
- It seems to have been damaged during shipping.(輸送中に破損したようです)
- The item stopped working after one day.(一日使ったら動かなくなりました)
- Two of the six glasses arrived cracked.(6個のうち2個にヒビが入って届きました)
- One of the two items in my order is missing.(注文した2点のうち1点が入っていません)
「I looked at carefully」のように目的語が抜けると英文として不自然になります。look at は後ろに対象が必要なので、I looked at it carefully と it を必ず入れてください。同様に I checked carefully は目的語なしでも成立するため、迷ったら check を使う手もあります。
語彙が揃えばメールは怖くありません。ここからは、現地の店舗に足を運んで口頭で伝える場面に切り替えます。

店頭で「返品したい」と伝えるときの切り出し方
- Excuse me, I’d like to return this ~. の一文で用件は十分に伝わる
- 「AをBに交換する」は exchange A for B。前置詞は to ではなく for
- 理由は短く事実だけ。長く説明しなくても手続きは進む
店頭では、最初のひと言で用件が伝わるかどうかが勝負です。長い前置きは不要で、返したいという事実と商品名を並べるだけで足ります。
切り出しの一言
- Excuse me, I’d like to return this hat.(すみません、この帽子を返品したいのですが)
- Hi, I need to return this. Here’s the receipt.(これを返品したいのですが。レシートはこちらです)
- I’d like to exchange this shirt for a bigger one.(このシャツをもっと大きいサイズと交換したいです)
- I’d like to exchange this dress for another color.(このワンピースを別の色に交換したいです)
- I got the wrong size for this T-shirt. Could you exchange it for a large, please?(Tシャツのサイズを間違えました。Lサイズに替えていただけますか)
- Is this the right counter for returns?(返品はこちらの窓口で合っていますか)
交換を頼むときの形はexchange A for Bで固定です。日本語の「AをBに」から to を選んでしまいがちなので、for とセットで音ごと覚えてしまうのが早道です。
理由の説明
理由は一文で構いません。詳しく語るほど伝わるわけではなく、むしろ事実だけを短く置いたほうが手続きは早く進みます。
- It didn’t fit.(サイズが合いませんでした)
- It was already out of order when I bought it.(買った時点ですでに壊れていました)
- I found it was broken.(壊れているのを見つけました)
- These clothes haven’t been worn.(一度も着ていません)
- I bought this by mistake.(間違って購入してしまいました)
- I’d like to change this for another color.(別の色のものに変えてほしいです)
- I lost my receipt.(レシートをなくしました)
- I need to return this product; it’s faulty.(これは不良品なので返品したいです)
- It was a gift, and I already have one.(贈り物なのですが、同じものを持っています)
- I just changed my mind.(気が変わっただけです)
最後の I just changed my mind. は、日本では言いづらい理由ですが、アメリカなどでは立派な返品理由として通用します。取り繕った理由を無理に英語にするより、正直に伝えたほうが会話が短く済みます。
- フレーズ
- Excuse me, I’d like to return this jacket. Here’s the receipt.
- 日本語訳
- すみません、このジャケットを返品したいのですが。レシートはこちらです。
- 使う場面
- レジやサービスカウンターでの第一声。商品とレシートを同時に差し出すことで、言葉が足りなくても状況が伝わります。
- 注意点・誤用例
- 「I want to return this, OK?」のように確認を付けると、押しの強い印象になります。Excuse me で切り出し、I’d like to ~ に続ける形が最も無理がありません。
- 発音・ニュアンス
- receipt は p を読まず「リシート」(/rɪˈsiːt/)。Here’s the receipt. は語尾を下げて言い切ると落ち着いて聞こえます。
用件を伝えたら、次は相手の言葉を受け取る番です。店員から飛んでくる質問は、実はほぼ決まった型に収まっています。
店員の質問と、断られたときの受け答え
- 聞かれるのは「レシート」「理由」「購入日」「返金か交換か」「支払いカード」のほぼ五つ
- 断り文句を知っておくと、その場で状況を素早く理解できる
- 返金が難しいときは store credit を代替案として自分から提案できる
聞き取りの不安は、質問のパターンを先に知っておくだけで大きく下がります。返品カウンターの会話は定型が多く、予測が効く場面です。
店員から聞かれる質問
- Can I have the receipt?(レシートを見せていただけますか)
- May I ask why you are returning it?(返品の理由を伺ってもよろしいですか)
- When did you buy this product?(いつご購入されましたか)
- Would you like a refund or an exchange?(返金と交換のどちらをご希望ですか)
- Do you have the card you paid with?(お支払いに使ったカードはお持ちですか)
- Do you have the original packaging?(元の箱や袋はお持ちですか)
- I’ll bring you a new one right away.(すぐに新しいものをお持ちします)
断られる場合の言い方
- I’m sorry, but we can’t accept returns on sale items.(申し訳ありませんが、セール品の返品はお受けできません)
- We can’t give you a refund without a receipt.(レシートがないと返金できません)
- I’m sorry, all sales are final.(申し訳ありませんが、返品・返金はお受けしておりません)
- We can only offer store credit in this case.(この場合は店舗クレジットでのご対応になります)
- The return window has already closed.(返品可能な期間が過ぎています)
返金が難しいと言われたときは、Would store credit be possible instead?(代わりに店舗クレジットでも構いませんか)と自分から提案してみる手があります。店側が判断しやすい選択肢を示すことで、話が前に進むことがあります。
店員と学習者のやり取り(返金を希望する場面)
- 学習者
- Excuse me, I’d like to return this blender. It stopped working after one day.
(すみません、このブレンダーを返品したいのですが。一日使ったら動かなくなりました) - 店員
- I’m sorry to hear that. Can I have the receipt, please?
(それは申し訳ありません。レシートをお願いできますか) - 学習者
- Sure, here you are. I bought it last Friday.
(はい、こちらです。先週の金曜日に買いました) - 店員
- Thank you. Would you like a refund or an exchange?
(ありがとうございます。返金と交換のどちらをご希望ですか) - 学習者
- I’d like a refund, please. I paid by credit card.
(返金をお願いします。クレジットカードで支払いました) - 店員
- No problem. The refund will be issued to the original payment method. It usually takes 5 to 10 business days.
(かしこまりました。返金はお支払いに使われた手段へ行われます。通常5〜10営業日かかります) - 使う場面
- 購入後まもない家電の不良。症状・購入日・希望・支払い方法という順で答えれば、この流れから外れることはほとんどありません。
- 注意点・誤用例
- 「I paid with credit card.」は冠詞が抜けています。by credit card、または with a credit card とします。business days は「営業日」で、土日祝を含みません。
店員と学習者のやり取り(サイズ交換を希望する場面)
- 学習者
- Hi, I’d like to exchange this shirt for a size medium. It didn’t fit.
(このシャツをMサイズに交換したいのですが。サイズが合わなかったので) - 店員
- Of course. Are the tags still attached?
(承知しました。タグはまだ付いていますか) - 学習者
- Yes, and it hasn’t been worn.
(はい、一度も着ていません) - 店員
- Let me check if we have that size in stock. One moment, please.
(そのサイズの在庫を確認します。少しお待ちください) - 学習者
- Thank you. If it’s out of stock, could I get a refund instead?
(ありがとうございます。在庫がなければ、代わりに返金にしていただけますか) - 使う場面
- 衣類のサイズ交換。在庫がない場合の代替案を自分から示しておくと、二度足を運ぶ手間を防げます。
- 発音・ニュアンス
- out of stock は「アウロブストック」とつながります。If it’s ~, could I ~? の形は、条件付きの依頼として非常に使い勝手が良い型です。
やり取りの型が見えたところで、日常会話のなかに現れる自然な言い方も拾っておきましょう。返品の話題は友人との会話にもよく登場します。
会話の中で拾える自然な言い方
- How come は Why よりも詰め寄る感じを抑えて理由を尋ねられる
- fit はサイズ、suit はデザインや雰囲気。observation の観点が違う
- stain・dirty・scratch は汚れの種類で選び分ける
- 別れ際の「行ってきます」は I’m off. や See you later. で代用する
友人同士の短い会話には、テンプレートには出てこない生きた表現が詰まっています。次のやり取りを声に出して読んでみてください。
- 学習者
- Hi. Going shopping?
(こんにちは。買い物に行くの?) - 友人
- No, I’m not going shopping. I’m just going to return this item.
(いえ、買い物じゃないの。これを返品しに行くところ) - 学習者
- Wow. It’s so nice, right? How come you’re returning it?
(とっても素敵じゃない。どうして返品しちゃうの?) - 友人
- When I saw it in the shop, I thought it was very nice. But when I wore it at home, it didn’t fit on me. And there is a stain here.
(お店で見たときは素敵だと思ったの。でも家で着てみたら合わなくて。それに、ここに汚れもあるの) - 学習者
- You’re right! I hope you’ll be able to get a better one.
(本当だ。もっと良いものが見つかるといいね) - 友人
- Thank you. I’m off!
(ありがとう。行ってくるね) - 使う場面
- 友人や同僚との立ち話。返品は日常の用事として気軽に話題にされるため、こうした短い応答の型を覚えておくと会話が途切れません。
How come(どうして)
Why よりも、詰め寄る感じを抑えて理由を尋ねたいときに便利な表現です。語順が疑問文にならず、How come + 主語 + 動詞 になるのが特徴です。
例として、How come you’re late?(どうして遅れたの)、How come they didn’t accept the return?(どうして返品を受けてもらえなかったの)のように使います。カジュアルな場面向きなので、店員に理由を尋ねるときは May I ask why ~? を選びます。
fit と suit の違い
fit はサイズや寸法が合っているかという観点の「合う」です。デザインや雰囲気が似合うと言いたいときは suit や look good on you を使います。
These shoes don’t fit.(この靴はサイズが合わない)と、That color really suits you.(その色、本当に似合っているね)を並べて覚えると差がはっきりします。fit はサイズ、suit は印象という切り分けを頭に置いておけば、返品理由の説明でも迷いません。
stain / dirty / scratch の選び分け
stain は液体などが染み込んだ汚れを指します。ほこりや泥で表面が汚れている場合は dirty、擦り傷なら scratch と、汚れの種類で語を選び分けます。
There’s a stain on the sleeve.(袖にシミがあります)、The surface is scratched.(表面に傷があります)のように、部位を添えると店側が現物を確認しやすくなります。
I’m off!(行ってくるね)
日本語の「行ってきます」にぴったり対応する英語はありません。別れ際には I’m off.(もう行くね)や See you later.(またあとで)を使うのが一般的です。
ところで、こうした会話が成り立つ背景には、英語圏の返品文化そのものがあります。日本との感覚の違いを知っておくと、必要以上に身構えずに済みます。
英語圏では返品のハードルが日本より低い
- アメリカやカナダでは返品が日常的な行為として売り場に組み込まれている
- 返品専用の窓口(returns counter)が設けられている店もある
- ただし寛容さは無制限ではなく、乱用する客への制限を設ける小売業者も増えている
アメリカやカナダなどは、返品のハードルが日本と比べてかなり低いのが特徴です。値札を取って数回着た服でも交換できることがあり、日本にも進出しているコストコでは、開封して口をつけた食品でも返品が認められる場合があります。
店舗によってはreturns counterという返品専用の窓口が設けられているほど、返品は日常の手続きとして扱われています。だからこそ、こちらが恐縮しすぎる必要はありません。
そのため「気に入らないかもしれないけれど安いからとりあえず買っておく」という考え方を持つ人も少なくありません。売り手側も返品を織り込んだうえで価格や在庫を設計しているため、レシートと現物を持って行けばスムーズに応じてもらえる傾向にあります。
寛容さは無制限ではありません。返品権を乱用する客のアカウントを制限する小売業者も増えており、店ごとのポリシーを確認しておくのが安全です。「返すつもりで買う」を前提にした買い物は、国や店によってはトラブルの種になります。
では、その「店ごとのポリシー」はどこを読めばわかるのでしょうか。商品ページやレシートの裏に並ぶ英語表記を読み解いていきます。
返品ポリシーの英語表記を読み解く
- Final sale や As-is の表記があれば、そもそも返品の対象外
- Restocking fee や RMA は、費用と手順に直結する重要語
- 返送料と関税の扱いは、初回メールで質問しておくと後で揉めにくい
表記の意味を知っておくと、そもそも返品できるのかどうかを自分で判断できます。ここを読めるだけで、無駄なメールを書く時間が減ります。
期間と条件を示す表記
- Return policy 返品規定
- Within 30 days of purchase / delivery 購入日/配達日から30日以内
- Final sale / No returns or exchanges 返品・交換不可
- As-is 現状渡し(返品不可の中古品などに付く)
- Original packaging / tags attached 元の梱包のまま/タグが付いた状態で
- Unopened / Unused 未開封/未使用
- Return window 返品可能な期間
Final saleと書かれた商品は、割引の代わりに返品権を手放している扱いになります。購入前にこの表記を確認する習慣をつけておくと、後悔する買い物が減ります。
費用と手順に関わる表記
- Restocking fee 返品手数料(商品代金の一定割合が差し引かれる)
- RMA (Return Merchandise Authorization) 返品承認番号。これを取得してから送り返す仕組みの店が多い
- Prepaid return label 送料元払いの返送用ラベル
- Store credit only 現金返金はなく店舗クレジットのみ
- Refund will be issued to the original payment method 支払いに使った手段へ返金される
- Price tag 値札
- Receipt レシート
送料・関税について確認する質問
海外通販で見落としやすいのが、返送料の負担と関税・輸入消費税の扱いです。次の質問を初回メールで投げておくと、あとで揉めにくくなります。
- Who is responsible for the return shipping cost?(返送料はどちらの負担になりますか)
- Will the shipping fee I paid also be refunded?(支払った送料も返金されますか)
- Could you send me a prepaid return label?(送料元払いの返送ラベルを送っていただけますか)
- Do I need an RMA number before sending it back?(返送前に返品承認番号は必要ですか)
- Is there a restocking fee for this return?(この返品に手数料はかかりますか)
- Which carrier should I use to send it back?(返送はどの配送業者を使えばよいですか)
- フレーズ
- Do I need an RMA number before sending it back?
- 日本語訳
- 返送する前に返品承認番号は必要ですか。
- 使う場面
- 家電・PC周辺機器・サプライ品など、返品手順が厳格に決まっている業種。番号なしで送ると受取拒否や返金遅延の原因になります。
- 注意点・誤用例
- 承認番号を取らずに自己判断で返送するのは避けてください。番号が箱に書かれていないと、倉庫で誰の返品か特定できず、処理が止まることがあります。
- 発音・ニュアンス
- RMA は一文字ずつ「アール・エム・エー」と読みます。Do I need ~ before ~ing? は手順確認の定型で、事務的なやり取りに最適です。
ここまでで表現と知識は揃いました。続いて、日本語話者が実際につまずきやすい箇所を先回りして潰しておきましょう。
日本語話者がつまずきやすいポイント
- broken・doesn’t work・out of order・faulty は指す状態が違う
- 届いた商品の話は過去形でそろえる
- Please ~ の命令形より Could you please ~? のほうが穏やかに届く
- complaint を前面に出すと、担当者は防御的になる
誤用の多くは、語彙力の不足ではなく日本語の発想をそのまま置き換えたことによって起きます。以下の五点を確認しておけば、送信前のチェックが一気に楽になります。
broken / doesn’t work / out of order / faulty の違い
broken は物理的に割れている、折れている状態を指します。doesn’t work は形は無事でも機能しない状態です。
out of order は本来、設備や機械が使用不能であることを表し、券売機やエレベーターの表示に使われる語です。商品について言うなら It wasn’t working when I got it. のほうが自然に響きます。
faulty(英)と defective(米)はどちらも「不良品」で、返品理由として最も通りが良い単語です。症状が複合している場合は、The screen is cracked and it doesn’t turn on. のように二つ並べると正確に伝わります。
時制のずれ
届いた商品について話すのは過去の出来事なので、The item you sent was broken. It arrived damaged. と過去形でそろえるのが基本です。
The item you send としてしまうと、これから送られる商品の話に聞こえます。一方、今も壊れたままだという状態を強調したいときは The item is still broken. と現在形にする手もあります。
Please の位置と強さ
Please send me a refund. は命令文の丁寧形なので、状況によっては上から要求している響きになります。Could you please issue a refund? と疑問形にするだけで、印象はかなり穏やかになります。
I want to make a complaint.(クレームを入れたい)から書き始めると、担当者は防御的な構えに入ります。事実と希望を先に置き、感情表現は最小限にとどめたほうが、実際の解決は早く進みます。強い言葉は、返信がないまま時間が経ってからの最終手段として残しておくのが賢明です。
refund の品詞と、謝りすぎない姿勢
refund は名詞としても動詞としても使えますが、買い手側は名詞で使うのが定番です。I’d like a refund. が自然で、Please refund me. は少し直接的に響きます。
また、I’m sorry to bother you, but… を毎回つける必要はありません。不良品への対応は買い手の当然の権利なので、Thank you for your help in advance. のような前向きな一文で締めるほうが、やり取りが気持ちよく進みます。
それでも、丁寧に書いたのに返信が来ないことはあります。次はその場合の押し方です。
返信が来ない・話が進まないときの押し方
- 3〜5営業日待って音沙汰がなければ、同じスレッドで追いかける
- 期限を添えると、担当者が優先順位を上げやすくなる
- 買い手保護制度には申請期限があるため、早めに確認しておく
海外のサポートは返信までに数日かかることが普通です。すぐに催促するより、営業日の感覚を持って待つほうが結果的に早く進みます。
それでも動かないときは、新規メールを立てるのではなく同じスレッドで追いかけるのが基本です。経緯が一覧で読めるため、担当者が代わっても状況が伝わります。
- I emailed you a week ago regarding order #12345, but I haven’t heard back yet.(1週間前に注文番号12345についてメールしましたが、まだお返事をいただけていません)
- I’m following up on my previous message below.(下記の前回のメールについて、確認のご連絡です)
- Could you please update me on the status of my return?(返品の進捗を教えていただけますか)
- I’d appreciate a reply by the end of this week.(今週末までにお返事をいただけると助かります)
- Has my returned item arrived at your warehouse yet?(返送した商品は倉庫に届いていますか)
それでも進展がない場合の次の手段にも、決まった言い方があります。
- If I don’t hear from you, I will have to open a dispute through PayPal.(お返事がない場合、PayPalで異議申し立てを行わざるを得ません)
- I will file a claim with my credit card company.(クレジットカード会社に申し立てを行います)
- I’d prefer to resolve this directly with you.(できればそちらと直接解決したいと考えています)
最後の一文を添えると、脅しではなく穏便に済ませたい姿勢が伝わり、対応が急に進むことがあります。なお chargeback(カード会社経由の返金請求)や、大手マーケットプレイスの買い手保護制度は、多くの場合に申請期限が定められています。やり取りが長引きそうなら、期限を先に確認しておくと安心です。
ここまで読み進めたなら、あとは口と手に馴染ませる段階です。短時間でできる練習の手順を用意しました。
口に馴染ませる発音とリズムの練習
- refund は名詞と動詞で強勢の位置が変わる
- receipt の p は読まない。exchange は後半に強勢
- 塊で区切って読むと、緊張していても伝わる英語になる
店頭で言葉が出てこなくなるのは、単語を知らないからではなく、音として練習していないからです。返品の場面に出る語は数が限られているので、まとめて口慣らししてしまいましょう。
強勢に注意したい七つの単語
- refund(名詞) /ˈriːfʌnd/ 「リー」を強く。I’d like a refund. のときはこちら。
- refund(動詞) /rɪˈfʌnd/ 「ファンド」を強く。店側の動作を表す形です。
- exchange /ɪksˈtʃeɪndʒ/ 「チェインジ」を強く長めに。
- receipt /rɪˈsiːt/ p は読まない。「レシート」より「リシート」に近い音。
- defective /dɪˈfektɪv/ 「フェク」を強く。
- replacement /rɪˈpleɪsmənt/ 「プレイス」を強く。
- damaged /ˈdæmɪdʒd/ 語尾は「ヂド」と短く収める。
特にrefund の強勢は、名詞と動詞で移動します。買い手として使うのは名詞形なので、「リー」を強く出す音を体に入れておけば十分です。
塊で区切って読む練習
長い文をそのまま読もうとすると息が続きません。次のように意味の塊で区切って、区切りごとに一拍おく読み方を試してください。
- Excuse me, / I’d like to return this jacket. / It didn’t fit.
- I ordered a navy sweater, / but I received a black one / instead.
- Could you please let me know / how to proceed with the return?
- Two of the six glasses / arrived cracked, / as you can see in the photos.
区切りを置くと、相手も内容を処理しやすくなります。速く話す必要はまったくなく、むしろゆっくり区切るほうが相手の聞き返しが減ります。
声に出して定着させる三つのステップ
- 日本語訳を見て、対応する英文を口に出す(見ずに言えるか確認する)
- 英文を見ながら、区切りごとに区切って音読する(3回)
- 店員役の質問を自分で言い、それに答える形で一人二役をやる
この三ステップを、返品・交換・返金それぞれで一通りやれば十分です。では、練習をいつやるかを具体的に決めてしまいましょう。

7日間で使える状態にする練習プラン
- 一日10分、7日間で「メール1通+店頭の会話1本」を自力で組める状態を目指す
- 暗記ではなく、四つのブロックを埋める練習に時間を使う
- 最後にテンプレートを自分の言葉で書き直し、メモに保存しておく
読んだだけの知識は、必要な場面で出てきません。次の7日分は、いずれも10分程度で終わる作業量に設計しています。
1日目:五つの単語を自分の言葉で説明する
return / refund / exchange / replacement / store credit の違いを、何も見ずに日本語で説明してみます。説明できない単語があれば、その項目だけ読み返します。
2日目:件名を10本書く
破損・汚れ・誤配送・欠品・サイズ違いの5パターンについて、それぞれ2本ずつ件名を書きます。注文番号を必ず入れる練習です。
3日目:四つのブロックを埋めてメールを1通作る
実際に買った商品を想定して、購入情報・症状・希望・次の確認事項を並べます。この日はテンプレートを見ながらで構いません。
4日目:症状の語彙を声に出す
破損・不良・相違・不足の語彙を、日本語→英語の順で口に出します。scratch、dent、torn、missing parts、not as described の五つは特に使用頻度が高いので優先します。
5日目:店頭の第一声を一人二役で練習する
Excuse me, I’d like to return this ~. から始めて、店員役の質問(レシート・理由・購入日・返金か交換か)に自分で答えます。答えは一文で構いません。
6日目:返品ポリシーを実際に読む
よく使うショップの返品規定のページを開き、期間・条件・費用の三点を探します。Final sale や restocking fee の表記があるかを確認する練習です。
7日目:テンプレートを自分用に書き直す
この記事の例文を土台に、自分の名前や住所の欄を埋めた雛形を作り、スマートフォンのメモに保存します。声に出して読むところまでやっておけば、実際の場面で固まりません。
ひとりで進めてみて、言い方の強さや自然さに確信が持てないときは、実際に相手のいる場で試してみるのが手っ取り早い方法です。店員役を相手にした練習は、独学では再現しにくい部分でもあります。
最後に、返品の場面でよく寄せられる疑問をまとめておきます。細かいところでつまずいたときは、ここから探してください。
返品・返金・交換のよくある疑問
気が楽です。It usually takes 5 to 10 business days.(通常5〜10営業日かかります)のような答えが返ってきます。カード会社の締め日の関係で、明細への反映がさらに遅れることもあります。
同じ商品ではなく別の商品に変えたいときは何と言えばよいですか
Instead of the same item, could I exchange it for something else of the same value?(同じ商品ではなく、同額の別商品と交換できますか)と尋ねます。差額が出る場合は、Can I pay the difference?(差額を支払えますか)と続けると話が早くなります。
返送料は自分が払うことになるのですか
店側のミスや不良品であれば店が負担することが多く、自己都合の返品では買い手負担になるのが一般的です。判断は店のポリシーによるため、Who is responsible for the return shipping cost?(返送料はどちらの負担になりますか)と初回のメールで確認しておくのが確実です。
broken と doesn’t work はどちらを使えばよいですか
割れている・折れているという物理的な破損なら broken、外見は無事でも機能しないなら doesn’t work を使います。両方に当てはまる場合は、The screen is cracked and it doesn’t turn on.(画面が割れていて、電源も入りません)のように並べると正確に伝わります。
強く言わないと対応してもらえないのではないですか
強い語調よりも、注文番号・症状・希望・写真が揃っているかどうかが対応速度に影響します。I’d like ~ や Could you please ~? で十分に伝わるため、感情表現は最小限にとどめ、事実と希望を先に置く書き方のほうが解決は早く進みます。
store credit とは何ですか
現金やカードへの返金ではなく、その店で使える残高やギフトカードの形で払い戻しを受ける方式です。レシートがない場合やセール品の場合に、返金の代替として提示されることがあります。Store credit only と書かれていれば、現金返金は行われません。
よくある質問(FAQ)
まとめ:落ち着いて四点を伝えれば、返品は難しくない
- 必要なのは流暢さではなく、四つの情報を落とさない段取り
- 件名に注文番号、本文に写真と返送意思を添えるだけで対応が変わる
- 不良品に当たったことに引け目を感じる必要はない
返品や交換は、できるだけ手短に、気持ちよく終えたい手続きです。そのために必要なのは流暢な英語ではなく、「いつ・何を買ったか」「何が起きたか」「どうしてほしいか」「次にどうすればいいか」の四点を落とさずに伝える段取りです。
件名で状況を示し、注文番号と写真を添え、返送する意思をひと言添える。この型さえ手元にあれば、慣れない相手とのやり取りでも主導権を失いません。店頭でも同じで、現物とレシートを差し出しながら I’d like to return this. と言えば、そこから先は店員が手続きを進めてくれます。
不良品に当たるのは運が悪いだけで、こちらに引け目はありません。今日拾った単語とフレーズを自分の言葉として使い回しながら、必要なときに堂々と声を上げてください。
それではまた、See you!

