様々な支払方法が確立し、ライフスタイルに合わせて選べるようになりました。今回は、支払い方法に関する英語表現について学びましょう。
渡航中に役立つ会話表現だけでなく、知識として身に付けておきたい単語や海外の支払事情についても解説します。
レッスンの内容
さまざまな支払い方法と英語表現
英語で「支払い」を意味する名詞は Payment で、これを動詞として使う場合には Make a payment と表現します。こちらは比較的かしこまった言い方で、日常会話ではあまり使いません。友人や家族との会話では Pay を使いましょう。
I will make a payment after meeting.
会議の後で、お支払いします。
I’ll pay when I get home.
家に着いたら払うね。
「支払い方法」は英語で“Payment methods”や“Payment options”と表現します。
Payment に、Methods(方法・手段)や Options(選択肢)といった意味の名詞を付けた単語で、ビジネスシーンなどのかしこまった場で良く使われます。
実際にお店で支払い方法について話をするシチュエーションを意識しながら、支払いに関する英語表現を学んでいきましょう。
あなたの支払い方法は何ですか?尋ねる英語表現
店員側が支払い方法を尋ねる時は、以下の2つのフレーズが定番です。
How will you pay?
どのようにお支払いしますか?
How do you want to pay?
どのように支払いたいですか?
「支払い方法」という単語は使わずに、How(どのように)+ Pay(払う)の形で表現するのが一般的です。
この支払い方法は使えますか?尋ねる英語表現
こちらから特定の支払い方法が使えるかどうかを尋ねる時には、Accept や Use を使います。
Do you accept ○○?
○○は許可されていますか?(使えますか?)
Can I use ○○?
○○を使うことは可能ですか?
このフレーズは、○○の部分にどの支払い方法を入れても、問題なく相手に伝えることができるので覚えておきましょう。
カジュアル過ぎず、かといって不自然にかしこまった言い方でもないので、どのような場面でも使える表現です。
支払いに関する知っておきたいその他の表現
通販サイトなどインターネット上の決済には「支払い情報:Payment Information」という言葉が使われることもあります。
今回のテーマは「支払い方法」ですが、支払いに関するその他の英語表現も併せて覚えておくと役に立ちますよ。
【支払いに関する覚えておきたい英語表現】
- Payment date、Date of payment 支払い日
- Debit 引き落とし
- Paid 支払い済み
- Unpaid 未払い
- Payment deadline、Payment due date 支払い期限
- Split the bill 割り勘
- Treat おごり
- NO split 個別会計お断り(張り紙などに使われるフレーズ)
- Receipt レシート
支払い方法とその英語表現
ここからは「現金」「カード」「電子マネー」3つの支払い方法を使う時の例文や、覚えて置きたい表現について解説します。
どの支払い方法を選ぶかによって、前置詞や表現が微妙に異なってきます。繰り返し例文を声に出し練習しながら覚えていきましょう。
現金(Cash)での支払い
現金は英語で“Cash”です。それぞれのお金は「Bill:紙幣」「Coins:貨幣」と表現します。
Cash please.
現金でお願いします。
I’ll pay in cash.
私は現金で支払います。
前者の方がカジュアルで後者の方が丁寧な印象を与えますが、どちらも決して失礼な表現ではありません。Cash に付ける前置詞は“㏌”である点を間違えないようにしましょう。
また、お釣りはChange と表現します。この Change には、交換や少額のお金という意味もあります。
That’s $2 change.
2ドルのおつりです。
You forgot your change!
お釣りを忘れていますよ!
カード(Card)での支払い
カード類は英語で“Card”です。支払いに使えるカードには様々な種類があります。どのようなカードでも Card と表現するのが一般的です。
- Credit card:クレジットカード
- Debit card:デビットカード
- Prepaid card:プリペイドカード
I’ll pay by card.
私はカードで支払います。
I’ll pay with card.
私はカードで支払います。
By card please.
カードでお願いします。
Cash の場合は前置詞が in でしたが、Card の場合には by と with を使うことができます。どちらでも意味は同じですので、自分の言いやすい方で覚えましょう。
上記のような言い方をした場合、見慣れないカードだと「Debit or credit?」や「What kind of card is this?」と聞かれることがあります。これは、提示したカードが何カードなのかを尋ねていますので、カードの名称を答えましょう。
A:Debit or credit?
デビットとクレジットどっち?
B:Credit.
クレジットです。
A:What kind of card is this?
これは、何カードですか?(どんな種類のカードですか?)
B:This is a credit card.
これはクレジットカードです。
日本のクレジットカードは、アニメのキャラクターやイラストがデザインされているものも多く、海外の人からするとおもちゃのカードに見えることもあるそうです。
また、この質問に対してカード会社名(VISA、Master、JCBなど)を答える間違いが多く見られます。何のカードであるかを聞いているだけなので、間違えてカードブランドを答えないように注意しましょう。
QR決済や電子マネーでの支払い
国内でも利用者の多いQRコード決済や電子マネーは、英語で以下のように表現します。
- QR code payment:QR決済
- E-money / Electronic money:電子マネー
QRコードや電子マネーでの会計をしたい時には「Suicaでお願いします」のように使いたい決済サービスの名称を伝えるのが一般的です。これは英語でも同じで、決済サービスの名称をレジで伝えましょう。
Apple pay please.
アップルペイでお願いします。
Can I use Google pay?
グーグルペイは使えますか?
日本では、多くのお店がQRコード決済や電子マネーによる支払いに対応しています。しかし渡航先によっては、このような支払い方法がほとんど普及していない地域もあります。
また、小規模なお店や屋台・出店などでは使えない場合が多いので注意しましょう。
国による違いとその英語表現
日本と諸外国では、支払い事情が大きく異なります。最も確実なのは現地の通貨(現金)を用意して行くことです。しかし、慣れない紙幣やコインを使いこなすのは大変ですし、防犯等の観点からも現金のみで渡航するのはおすすめできません。
渡航先のキャッシュレス事情について、事前にきちんと下調べをしておきましょう。その上で、現金と併用しながら上手に支払いができるとスマートですね。
日本と世界のキャッシュレス事情
日本国内には様々な種類の電子マネーやQRコード決済がありますが、海外ではキャッシュレス決済といえばカード類が主流となっているため、日本ほどシェア率は高くありません。
日本ではカード払いというとクレジットカードというイメージが強いですが、ヨーロッパでは、カードといったらデビットカードというくらい、圧倒的なシェア率で普及しています。
アメリカやカナダでも、クレジットカードと並んで非常に多くの人がデビットカードを保有しています。
電子マネーについては、SuicaやPASMOのような交通系ICが流通している国は多々あります。但し、日本のようにコンビニやスーパーでも交通系ICで決済できるというものではなく、公共交通機関に限定されています。
QRコード決済については、中国や韓国などアジア圏を中心に多くの人が利用しています。但し、欧米諸国ではあまり見かけません。
英語表現の違い:アメリカ英語とイギリス英語
「アメリカ英語」と「イギリス英語」は、同じ英語でも細かい点で表現の仕方や発音が異なる傾向にあります。支払い関する英語にフォーカスして両英語の違いを解説します。
今回紹介している3つの単語は、アメリカ英語とイギリス英語で違いがあることは非常に有名です。そのため、アメリカでイギリス流の表現をしたとしても、全く通じないということはないため安心してください。
覚える余裕のある方は、渡航先に応じて上手に使い分けてみるのも良いでしょう。
お会計
- アメリカ英語:Check
- イギリス英語:Bill
アメリカ英語で会計は「Check」ですが、イギリス英語では「Bill」と言います。レストランなどで会計をお願いするシーンなど、日常会話でも頻繁に使う単語なので是非覚えておきましょう。
Can I get the check, please?
お会計お願いします。(アメリカ英語)
Can I have the bill, please?
お会計お願いします。
紙幣
- アメリカ英語:Bill
- イギリス英語:Note
お札・紙幣を意味する単語もまた、アメリカ英語とイギリス英語とで全く異なります。
注目したいのが「Bill」です。Bill は、アメリカ英語では「お札・紙幣」という意味ですが、イギリスでは「お会計」という意味になります。それぞれお金にまつわるワードではあるものの、異なる意味になってしまうのが非常に興味深いですね。
A ten dollar bill
10ドル紙幣(アメリカ英語)
A ten pound note
10ポンド紙幣(イギリス英語)
小切手
- アメリカ英語:Check
- イギリス英語:Cheque
日常会話で使うことは少ないですが「小切手」という単語は、発音はほとんど同じですが、スペルに違いがあります。
会話例から学ぶレジでの英語表現
Nanaがレジスタッフ(Cashier)と会話をしています。
Nana:Check, please.
お会計お願いします。
Cashier:Yes, just a moment.
はい。少し待ってください。
Thanks for waiting!
お待たせしました!
Nana:No worries.
大丈夫ですよ。
Cashier:That will be thirty dollars.
お会計は30ドルです。
Nana:I’ll pay by credit card.
クレジットカードで払います。
Cashier:Please input your PIN code.
暗証番号を入力してください。
Please come again. Have a nice day!
またお越しください。良い1日を!
Nana:Thanks, you too.
ありがとう。貴方もね。
ポイント
出てきた単語や表現をおさらいしましょう。
Check お会計
No worries. 大丈夫です。(問題ないです。)
No problem と同じ意味ですが、カジュアルな印象を与えるフレーズです。待たせてしまってすみませんという声かけに対して、別に気にしていませんよという気持ちを伝えています。
PIN code 暗証番号
クレジットカードと現金についての会話
Tomがレストランでお会計をしています。
Restaurant Staff:It’s 10 dollars.
レストランスタッフ:10ドルです。
Tom:Is tax included in the price?
そのお代は税金込みですか?
R.S.:Yes, it is.
はい、そうです。
Tom:Oh sorry, I have just a little money. By card please.
すみませんが、現金を少ししか持っていなくて。クレジットカードで払います。
R.S.:Sorry, we don’t accept credit cards here.
申し訳ございませんが、当店はクレジットカードの使用ができません。
Tom:Let me see. Well, I think it’s enough to spend all the coins. Is it OK?
え~と。あ~小銭も含めれば足りそうだな。細かくなっても良いですか?
R.S.:I guess we have no choice.
仕方ないですね。
Tom:Thank you. Please keep the change as a tip
ありがとうございます。お釣りはチップとして取っておいてください。
R.S.:There are many shops around here that do not accept cards. So, I think it is better to take cash.
このあたりの店はカードが使えない場所も多いんです。現金を持っていた方が良いと思いますよ。
Tom:Thank you for the advice. I’m sorry for bothering you.
教えてくれてありがとう。お手数おかけしました。
ポイント
出てきた単語や表現をおさらいしましょう。
Tax 税金
We have no choice. 仕方ない、そうせざるをえない
この場合は、店員さん個人の意見というよりも「店として」の意見であるため We が使われています。全力で納得はできないものの、受け入れなければならないというシーンで、非常によく使われるフレーズです。
例)I have no choice but to buy a new laptop. 新しいノートパソコンを買わなければなりません。
例)You have no choice. You were drunk and broke it, right? しょうがないよ。酔っぱらって壊しちゃったんでしょ?
Keep the change お釣りは取っておいて(お釣りはいりません)
「お釣りはいらないよ」と言いたい時の定番フレーズです。しかし、見た目からも分かるように命令文のような形であり、言い方によっては上から目線に感じられてしまうこともあるため、注意が必要です。
丁寧に伝えたい時には、Please をつけましょう。今回の例のように文末に as a tip を付けると、より丁寧さが増します。
チップ制度とは?
現金は、チップを払う際にも必要となってきます。渡航先にチップを払う文化がある場合には、買い物に使う現金にプラスしてチップとして払う分も考えて用意しておきましょう。
チップは英語で書くと Tip です。名詞であると同時に、チップを払うという意味での動詞としても使えます。
注意したいのが発音で、正しくはチップではありません。チップと言うと「Chip」になってしまうので、Tip と言いたい場合には T をしっかりと意識して「típ(ティップ)」と言いましょう。
チップについては、以前の記事でも取りあげていますので、こちらも是非参考にしてください。
ホテルチェックアウト時の注意点
ホテルをチェックアウトする際、精算をしようとしたら「どうも思ったよりも値段が高い」という事もあるでしょう。英語だからといって躊躇せずに、分からない点はしっかりと確認してから支払いましょう。
会話例
Customer:I’d like to check out.
客:チェックアウトをしたいのですが。
Receptionist:Certainly, sir. What is your room number?
受付:かしこまりました。部屋番号はいくつですか?
Customer:Well…It’s 2021.
え~と、2021です。
Receptionist:All right. That comes to $380.45.
承知しました。380.45ドルでございます。
Customer:What? Why is it so much?
何ですって?なぜそんなに高いのですか?
Receptionist:Well, you made 4 long-distance calls to Japan.
そうですね、日本へ4度長距離電話をおかけになっております。
Customer:Oh, that’s true. But I think they weren’t so long calls. I’m not sure how long they were, but I can’t understand it.
ああ、確かに。でも、それがそんなに長電話だとは思えません。どれくらいの時間話していたかは分かりませんが、どうも理解できません。
Receptionist:You also had a bottle of wine and a can of beer, sir.
お客様はボトルワイン1本と缶ビール1本もお飲みになっています。
Customer:Oh…well, that’s true. Sorry, I forgot about that.
ああ…そうでした。すみません、そのことを忘れていました。
Receptionist:OK. So that’s $380.45, sir.
そうでしたか。そういうわけで380.45ドルとなっております。
Customer: I see.
分かりました。
まとめ
支払いに関する英語表現について理解は深まりましたか?海外でもレジ付近に対応している支払い方法のステッカーや看板があるはずなのでチェックしてみましょう。
それではまた、See you!