宿泊前の問い合わせや、宿泊中に要望を伝える際など、英語でホテルのフロントに連絡をする機会は多々あります。
そんな時スムーズにやりとりできるよう、シチュエーションごとの使える英語表現や正しく自分の状況を説明するための例文を学んでいきましょう。
レッスンの内容
電話コミュニケーションの3つのコツ
英語での電話は、英語力がある程度あっても苦手に感じる人は多いといわれています。相手の表情やジェスチャーなどからの情報がなく、声だけでのやりとりになるためハードルが高いと感じる方も少なくありません。
そんな英語での電話コミュニケーションをスムーズに進めるため、以下の3つのポイントをおさえて話をしてください。
- はっきりと丁寧に
- 分からない時は遠慮せずに聞き返す
- 希望をしっかりと伝える
電話だとついつい早口になりがちです。急がずゆっくりでいいので綺麗に丁寧に発音することを心がけてください。そして、聞き取れない・分からないと感じた時は、遠慮せずに聞き返す勇気を持つのも大切です。
日本人の感覚からすると「何度も聞き返すのは失礼」と委縮してしまいがちですが、ホテルのフロントにかけた電話など、予約やお金に関わる分からない点をうやむやにするのはNGです。
後から「やっぱりもう一度聞こう!」と思っても、次の担当者に前回の内容から改めて説明するのは大変ですので、1度の電話でスッキリと解決させましょう。
また、こちらの希望や要望など伝えたい事柄を、しっかりと伝えることも大切です。遠まわしな表現ではなく、言いたいことは完結に分かりやすくダイレクトに伝えるよう心がけてください。
フレンドリーな始まり方:よく使う挨拶
日本語では「もしもし」や「お忙しいところすみません」といった言葉で会話をスタートさせることが多いですが、英語では「Hello!」と言います。時間帯やどのような相手であっても、Hello で失礼だと感じることはありません。
Hello. I would like to book your room.
こんにちは。予約をお願いしたいのですが。
Hello. This is Hanako. Is this ABC hotel’s phone number?
こんにちは私は花子です。ABCホテルの電話番号でよろしいでしょうか?
I would like to confirm about my reservation.
予約について確認したいことがあるのですが。
May I ask you a question?
質問したいことがあるのですが、よろしいでしょうか?
準備は大事!スムーズなコミュニケーションのための事前準備
英語での電話は「不慣れで不安…」と感じる方は、上記の3つのポイントと合わせてしっかりとした“事前準備”をしておくことも大切です。
伝えたいことに関する単語や表現を複数メモにとっておくことで、緊張している中でも言葉に詰まることなくスムーズに会話を進めることができるでしょう。また、電話を切る前に内容をこちらから復唱して確認するのもおすすめです。
事前に知っておくと便利な表現やフレーズを紹介します。
My English isn’t so good so feel free to ask me if there is anything unclear.
英語があまり得意ではないので、不明瞭な点があったら遠慮なく言ってください。
Please excuse me for my poor English.
英語を間違えてしまうこともありますが容赦してください。
Could you speak a little bit slower?
もう少しゆっくりと話してくれますか?
Do you mean that ~?
~という意味ですか?・~という事ですか?
Let me confirm one thing.
1つ確認しておきたいのですが。
Can I ask you a few questions?
いくつか質問しても良いですか?
名前のスペルを聞かれる
日本人をはじめとしたアジア圏の名前や住所などは、英語圏の人からすると聞き取りにくく感じようで、名前のスペルを聞かれることは多々あります。
名前を何度も言うよりも、一度言って聞きとってもらえないようならスペルを伝えた方が早く正確に相手に認識してもらえるでしょう。
How do you spell your name?
名前のスペルはどのように書きますか?
May I have the spelling please?
お名前のスペルをいただけますか?
My name is Tarou. T-A-R-O-U.
私の名前は太郎です。TAROUです。
My name is Tarou. T as in tall, A as in apple, R as in red, O as in October, U as in union.
私の名前は太郎です。“T”は Tall、“A”は Apple、“R”は Red、“O”は October、“U”はUnion の頭文字です。
スペルを伝える際の「例え」には、NATOで決められたルールが存在します。しかし、そのルールに則った単語を使わなくても「国名、月名、地名、数字、曜日名」など多くの人が知っていて聞き取りやすいものであればOKです。
自分の名前のスペルを伝えられるようにしておくと便利ですよ。
スペル | 例 | スペル | 例 |
A | Apple、America、August | N | November、New York |
B | Book、Blue、Bed、Big | O | October、Oil |
C | China、Canada | P | Paris、Pizza、Piano |
D | December、Denmark | Q | Quebec、Queen |
E | Eight、England | R | Rome、Room、Russia |
F | France、Five | S | Sunday、Sunny |
G | Good、Germany | T | Tuesday、Tokyo |
H | House、Home | U | University、Uncle |
I | Italy、Internet、India | V | Violin、Vegetable |
J | June、July、Japan | W | Wednesday、Water、Win |
K | Kitchen、Key | X | X-ray |
L | London、Lake | Y | Yellow、Young |
M | Monday、Mother | Z | Zoo、Zero |
英語で宿泊前の連絡
ホテルのフロントへの電話連絡で最も多いシチュエーションは「宿泊前」でしょう。実際に予約を取りたい時や、宿泊を検討している段階でホテルに直接聞いてみたいことがある場合など、シーンごとの会話例や表現を紹介します。
予約をとる時
ホテルの予約は、英語で Reservation や Booking と表現します。どちらを使っても問題ありません。電話をかけて、いきなり「予約を取りたい」と伝えてもよいのですが、空き状況を確認してから予約に進むのがスマートです。
実際のホテルの従業員(Hotel staff)とお客さん(Customer)の会話例を確認しましょう。
Hotel staff:May I help you ?
ご用件をお伺いします。
Customer:Do you have any vacancies from September 2 to 5 ?
9月の2日から5日に空きはありますか?
Hotel staff:How many persons?
何名様でしょう?
Customer:For 2 persons.
2人です。
Hotel staff:Let me check on that. I’ll just be a moment.
確認いたしますので、お待ちください。
That time is currently available.
現段階での空室はございます。
Customer:Thank you. I’d like a non smoking and a twin-bedded room.
ありがとうございます。禁煙でツインベッドの部屋を希望します。
Hotel staff:Sure. It’s 90 dollars per night.
かしこまりました。一泊あたり90ドルです。
Customer:Okay. I’ll take it.
分かりました。それでお願いします。
Hotel staff:May I have your name please?
お名前をお伺いしてもよろしいですか?
Customer:I’m Tarou Suzuki.
私は鈴木太郎です。
Hotel staff:Okay. So, you can check in from 3pm. We are looking forward to see you.
かしこまりました。チェックインは午後の3時からになります。お待ちしております。
Customer:Thank you.
ありがとうございました。
空室状況や部屋の希望を伝える時に役立つ単語や例文
上記の会話例に加えて、予約時に知っておくと便利な表現や言い回しを紹介します。
- Vacancies / Available 空き部屋
- Room with a nice view 長めの良い部屋
- Room with a bathtub バスタブ(湯船)のある部屋
- Smoking room 喫煙できる部屋
- Single room シングルベッドの部屋
- Double room ダブルベッドの部屋
Is breakfast included?
朝食代は含まれていますか?
How much is it per person?
一人当たりいくらですか?
How much is a three night stay?
3泊でいくらになりますか?
I would like to stay for tonight.
今晩泊まりたいのですが。
Do you have a room that is a little inexpensive?
もう少し安い部屋はありますか?
Can you send a confirmation email, please?
予約の確認メールを送ってもらえますか?
ホテルのサービスや施設について質問する時
予約前に尋ねておきたいことがある場合には、下記のような表現を使って質問をしていきます。最初に、宿泊を検討していることなどを伝えるとスムーズに会話が進みます。
I would like to stay at your hotel. May I ask you some questions?
そちらのホテルを利用しようと思っているのですが、いくつか質問してもいいですか?
I’m going on a trip to Hong Kong next month, so I’m looking for a hotel.
来月香港へ行くので、ホテルを探しているところです。
I have a few questions, can I ask them?
いくつか教えてほしいことがあるのですがお尋ねしてもいいですか?
話を聞いた上で予約をするかどうかを検討する場合には、下記の表現がおすすめです。
Let me think about it.
検討してみます。
Thank you for letting me know.
教えてくれてありがとうございます。
I‘ll think about it and get back to you.
検討してまた連絡します。
ホテルのサービスや施設についての役立つ表現
ホテルのサービスや設備についての問い合わせに役立つ単語や例文をまとめました。
- Parking lot 駐車場
- The nearest station 最寄駅
- Room service ルームサービス
- Large public bath 大浴場
- Coin laundry コインランドリー
Do you offer shuttle bus service from the airport?
空港からのシャトルバスはありますか?
We share a bed with 5 years one’s child. Is there any additional charge?
5歳の子供が1人添い寝するのですが、追加料金はかかりますか?
Can I see the ocean from the room?
部屋から海は見えますか?
宿泊中の連絡
宿泊中に追加でサービスを利用したい場合やアメニティの依頼など、わざわざフロントに出向かなくても電話でお願いすることが可能です。部屋に備え付けてある電話から、フロントにかけてみましょう。
フロントに繋がる番号は、電話の近くやチェックイン時にもらう案内に記載があるはずです。下記の記載例を参考にしてください。
- Front desk / Reception desk フロント
- Front desk number フロントの電話番号
- Extension 内線
- In room telephone 室内電話
アメニティや設備の利用に関する疑問やリクエスト
日本では、歯ブラシやカミソリ・ヘアブラシのような使い捨てグッズを“アメニティ”と呼びますが、これは英語の Amenity とは少し意味合いが異なります。
Amenity の本来の意味は「(設備の)心地よさ・快適さ」であり、その施設内で快適に過ごすためのアイテム全般を指す言葉です。そのため使い捨てグッズだけでなく、テレビやWi-Fi・冷蔵庫といった家電製品も意味合いに含まれてしまいます。
使い捨ての洗面用品には Toiletries が最適です。必要な物が決まっている場合には、具体的なアイテム名を伝えるのも良いでしょう。
Are there any toiletries provided?
アメニティグッツ(洗面用品)はありますか?
Can I have a razor?
髭剃りをもらえますか?
Can I have some extra shampoo?
シャンプーを追加でもらえますか?
I would like to take ○○.
○○を頂きたいのですが。
アメニティや設備についての役立つ表現
ホテルのアメニティや設備についての問い合わせに役立つ単語や例文をまとめました。
- Comb くし
- Hairband ヘアバンド
- Hairdryer ヘアドライヤー
- Clothes hanger ハンガー
- Slipper スリッパ
Could I get new towels please?
新しいタオルをもらえますか?
不具合やトラブルの報告方法と的確な表現
宿泊している部屋や滞在中のトラブルについて連絡する際は、言いたいことを簡潔に伝えて対応を仰ぎましょう。
The ○○ in my room is broken.
部屋の○○が壊れています。
The ○○ in my room is not working.
部屋の○○が動きません。
Could you do something about it?
対応していただけますか?
不具合やトラブルについての役立つ表現
滞在中のトラブルや設備の不具合の問い合わせに役立つ単語や例文をまとめました。
- Air conditioner エアコン
- Dust ホコリ
- Dirt 汚れ
- Weird noises 妙な音
- Clogged 詰まる
There is no hot water in the bathroom.
お風呂場でお湯が出ません。
Can you tell me the password for the internet?
インターネット(Wi-Fi)のパスワードを教えてください。
People in the next room are very noisy.
隣の部屋の音がとてもうるさいです。
宿泊後の問い合わせ
宿泊後にホテルへ問い合わせをする際には、自分が「〇月〇日に〇号室に泊まった客である」ということを正しく伝える事からスタートしましょう。その上で、自分の要望や希望することを伝えて対応を仰いでください。
I was staying your hotel from September 2 to 5.
そちらのホテルを9月2日~5日に利用した者です。
May I ask you something?
お伺いしたいことがありまして。
I checked out of your hotel yesterday
昨日、そちらのホテルをチェックアウトした者です。
I stayed a room 605.
605号室に泊まりました。
忘れ物をしてしまった場合
忘れ物については、できるだけ詳しく伝えることを心がけて下さい。アクセサリーやベルトといった大雑把な表現ではなく、色・素材・大きさ・ブランド名(あれば)・置いた場所など思い出せる範囲で具体的に伝えましょう。
I left something in the room.
部屋に忘れ物をしてしまいました。
Would you please check it for me?
確認していただくことはできますか?
I think I left my keycase in my room.
部屋にキーケースを忘れてしまったと思うのです。
Its color is red, it feels a little usable, and it has three keys.
色は赤で、ちょっと使用感があって、3つの鍵がついています。
I think I put it on the table next to the bed.
ベッド横のテーブルに置いたと思います。
忘れ物があった場合には、感謝を伝え「着払い」か「取りに行く」を選びます。帰国前でホテルまで取りに行った場合には、フロントスタッフへのチップも忘れずに渡しましょう。
Would you please send it to my home address?
私の家に送っていただけますか?
I will come back to pick it up today.
今日、取りに伺います。
まとめ
予約を取る際や予約の変更など宿泊前の問い合わせはもちろん、宿泊中の質問やトラブルや宿泊後の連絡など、ホテルのフロントに電話をかける機会は多いものです。
電話での対応をスムーズにこなすため、今回紹介した英語表現や例文を是非役立ててください。
それではまた、See you!