駅のホームで複雑な路線図を見上げて困っている外国人観光客や、改札口の前でスマートフォンと頭上の案内標識を交互に見比べながら立ち止まっている旅行者の姿を見かける機会が増えています。声をかけて助けてあげたい気持ちはあるのに、「乗り換えるは transfer なのか、それとも change なのか」「何番線や方面はどう言えば伝わるのか」と頭の中で英単語を迷っているうちに、そのまま通り過ぎてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
電車の乗り換え案内に必要な英語表現は、実は複雑な構文を覚える必要はありません。「どの電車に乗るか」「どこで降りて乗り換えるか」「何番線に向かうか」という3つの骨組みさえ整っていれば、中学レベルの平易な英単語だけでも確実に目的地までのルートを案内できます。基礎をしっかり固めたい方は、日常会話の瞬発力を養う英語教室の活用も視野に入れつつ、まずは駅でそのまま使える基本パターンを身につけていきましょう。
この記事では、駅構内や車内で道や乗り換えを尋ねられた瞬間にそのまま口から出せる実用フレーズ、紛らわしい動詞の使い分け、快速や各駅停車といった列車種別の説明手順、そして海外旅行先で自分が尋ねる側の表現までを一気通貫で網羅しました。最後まで読み進めることで、駅で英語で声をかけられても焦らず落ち着いて対応できるようになります。
電車の乗り換えを英語で案内する基本会話の流れ
- 案内の骨組みは「乗る路線」「乗り換え駅」「降りる駅」の3要素で完結する
- 情報を1文に詰め込まず、短い文を順序立てて並べることが伝達の近道
- 聞き手の理解を確認しながら一歩ずつ進めることで不安を解消できる
駅で外国人に声をかけられたとき、最初から流暢な長文を話そうとする必要はまったくありません。案内を確実に相手へ届けるための秘訣は、相手の目的地を確認して乗るべき路線を1つずつ順番に伝えるというシンプルな情報伝達にあります。
まずは、秋葉原駅への行き方を尋ねられた場面を想定した基本の対話例を見てみましょう。どのような順序で言葉が交わされているかに注目してください。
- フレーズ
- Tourist: Excuse me. How do I get to Akihabara Station from here?
You: Well, to get to Akihabara Station, you have to go to Shinbashi first.
Tourist: Shinbashi?
You: From here, take the Ginza Line to Shinbashi Station.
Tourist: The Ginza Line to Shinbashi. How many stops are there from here?
You: It’s three stops away. Then switch to the Yamanote Line at Shinbashi Station.
Tourist: Yamanote. I see.
You: The trains of Yamanote Line come frequently.
Tourist: I’ve got on that train once. Thank you.
You: Welcome. Take care. - 日本語訳
- 旅行者: すみません。ここから秋葉原駅へ行くにはどうしたら良いですか?
あなた: ええと、秋葉原駅へは、始めに新橋へ行く必要があります。
旅行者: 新橋ですか?
あなた: ここからは、銀座線で新橋駅へ行きます。
旅行者: 銀座線で新橋ですね。ここからいくつ駅がありますか?
あなた: 3番目の駅です。それから、新橋駅で山手線に乗り換えます。
旅行者: 山手線ですね。分かりました。
あなた: 山手線の電車は頻繁に来ますよ。
旅行者: 以前その電車に乗ったことがあります。ありがとうございます。
あなた: どういたしまして。お気をつけて。 - 使う場面
- 駅構内の改札前やホームで旅行者に乗り換えルートを順序立てて教える場面
- 発音・ニュアンス
- Shinbashi や Akihabara などの固有名詞は区切って明瞭に発音し、stops away や switch to の連結を滑らかに発声します。
会話の流れを見ると、あなたが提供している情報は「目的地の確認」「最初に乗る電車」「降りる駅と駅数」「次の乗り換え先」という明確なステップに分かれています。この基本ステップを踏むだけで、相手の頭の中に移動ルートの地図が自然と形作られます。
では、具体的に「乗り換える」という動作を英語で表現するとき、どのような動詞を選べばよいのでしょうか。ネイティブスピーカーが使う代表的な単語の違いについて見ていきましょう。
「乗り換える」を表す3大動詞の使い分けとニュアンス
- change trains は日常会話で最も自然で確実な表現(trainsは必ず複数形)
- transfer to は駅の案内放送や標識で多用されるややフォーマルな語
- switch to は口頭で「それから〜線に移る」と軽く言い添える際に最適

日本語の「乗り換える」に該当する英語には、主に change trains、transfer、switch の3つが存在します。いずれを使っても相手に意図は通じますが、それぞれが持つ語感や文法上のルールを理解しておくことで、より自然で正確な案内表現を即座に選べるようになります。
change trains:口頭会話で最も頻出する万能表現
日常会話で「電車を乗り換える」と言いたいとき、第一候補となるのが change trains です。最も親しみやすく、世界中どこの英語話者に対しても確実に意図が伝わります。
- フレーズ
- You need to change trains at Shinagawa.
Change trains at Shibuya for the Inokashira Line.
Do I have to change trains? - 日本語訳
- 品川で電車を乗り換える必要があります。
井の頭線へは渋谷で乗り換えてください。
乗り換えは必要ですか? - 使う場面
- 乗り換えが必要な駅を相手に伝えるとき、または乗り換えの有無を尋ねるとき全般
change train と単数形にしたり、change the train と冠詞を付けたりするのは不自然です。現在乗っている電車から次の電車へと2本の列車が関わるため、必ず複数形の「change trains」とセットで覚えてください。特定の路線名を後ろに続けたい場合は「change to the ○○ Line」と前置詞 to を補います。
transfer to:案内放送や標識で使われるやや硬めの表現
transfer は、駅のアナウンスや車内電光掲示板、公式な案内板などで頻繁に目にする語です。口頭会話でも問題なく使えますが、change trains と比較すると少し改まった響きを持ちます。アメリカ英語圏で特に好まれる傾向があり、名詞として「乗り換え(乗換口:transfer gate)」を指す際にも広く活用されます。
- フレーズ
- Transfer to the Namboku Line at Yotsuya.
You should transfer to another train.
Where should I transfer? - 日本語訳
- 四ツ谷で南北線に乗り換えてください。
別の電車に乗り換える必要があります。
どこで乗り換えるべきですか? - 注意点・誤用例
- 誤用例: × Transfer the Namboku Line.(to が抜けているため非文となります。乗り換え先を述べる際は必ず transfer to を使用してください)
switch to:道順の説明で軽やかに切り替える表現
switch は「スイッチを切り替える」という語源の通り、移動の経路を別の電車へ切り替えるニュアンスを軽やかに表します。「そこで〜線に切り替えて乗る」と会話の中でテンポよく指示を補足したい場合に非常に便利です。
- フレーズ
- Then switch to the Yamanote Line at Shinbashi Station.
At Shinjuku Station, switch to the Yamanote Line heading for Ebisu.
Switch to the local train at Musashi-Kosugi. - 日本語訳
- それから新橋駅で山手線に乗り換えます。
新宿駅で恵比寿方面行きの山手線に乗り換えてください。
武蔵小杉で各駅停車に乗り換えてください。 - 使う場面
- First 〜, Then switch to 〜 と複数の工程を連続して指示する際のつなぎ表現として重宝します。
乗り換えの動詞を整理したところで、次は電車案内を構成するうえで欠かせない「乗る」「降りる」を表す基本動詞と前置詞のルールを確認していきましょう。
「乗る」「降りる」を正確に伝える必須動詞と前置詞ルール
- 路線や手段として「利用する」なら take、車内に「乗り込む」動作なら get on
- 電車から「降りる」は get off を使い、降車駅には前置詞 at を添える
- 立って歩ける乗り物(電車・バス)は on/off、座って潜り込む乗り物(タクシー)は in/out
電車の案内において、実は乗り換えの動詞よりも口にする回数が多いのが「乗る」「降りる」の指示です。状況に応じて動詞を適切に使い分けることで、曖昧さのない明確な行動指示を相手に伝えることができます。
take / get on / get off の役割分担
最も汎用性が高いのは take です。「どの電車・路線を利用するか」という交通手段の選択を表すため、路線名や列車種別を指定するときには常に take を優先します。一方で get on は「物理的に車両のドアを通って乗り込む」瞬間的な動作を表し、get off は「車両からホームへ降りる」動作を表します。
- フレーズ
- Take the Chuo Line at platform number 5.
Get on the train at the front of the platform.
You need to get off at Nihombashi Station.
Get off two stops from here. - 日本語訳
- 5番線から中央線に乗ってください。
ホームの前方から電車に乗ってください。
日本橋駅で降りる必要があります。
ここから2つ目の駅で降りてください。 - 注意点・誤用例
- 誤用例: × Please ride the Chuo Line.(ride は自転車や馬にまたがるイメージが強く、公共交通機関の路線案内では不自然です。必ず take を使いましょう)
乗り物の種類による on/off と in/out の境界線
英語では乗り物の構造によって乗降の前置詞が明確に分かれます。車内を直立して歩くことができる大型の乗り物(電車、地下鉄、バス、飛行機、船)には on / off を適用します。一方、体をかがめて座席に滑り込むような小型の乗り物(タクシー、自家用車)には in / out of を使います。
旅行者が大きなスーツケースを持っており、電車の乗り換えよりもタクシー利用が適していると判断した場合は、「If you have heavy luggage, you can get in a taxi outside the east exit.(重い荷物があるなら、東口の外でタクシーに乗るのも便利ですよ)」のように案内すると非常に親切です。
動詞と前置詞の使い分けを理解したら、次は駅構内で外国人旅行者が特に迷いやすい「番線」「方面」「路線名」の具体的な伝え方を身につけていきましょう。
番線・方面・路線名を迷わず伝える具体パターン
- 番線は platform number 3 や Track 4 で表現し、案内板の表記に合わせる
- 方面は bound for を軸に、going toward や heading for で補強する
- 環状線は inner loop / outer loop より「主要駅名方面」を添えた方が確実

日本の主要駅は同一ホームの両側に異なる路線の電車が発着したり、同じ番線から時間帯によって行き先が枝分かれしたりすることが珍しくありません。方面や番線の説明を疎かにしてしまうと、旅行者が逆方向の電車に乗り込んでしまうリスクが高まります。
番線の言い方:platform と track の使い分け
駅の乗り場を指す英語は platform number ○、または track ○ が基本です。日本の駅構内サインやアナウンスでは「Platform 3」のように platform が標準的に用いられているため、目の前の看板を指差しながら platform number 3 と伝えるのが最も誤解を生みません。
- フレーズ
- Your train leaves from platform number 4.
Go to track 2. The next train arrives in three minutes. - 日本語訳
- あなたの乗る電車は4番線から発車します。
2番線へ行ってください。次の電車は3分で到着します。
「〜方面行き」を伝える bound for とそのバリエーション
電車の先頭や側面の電光表示器、駅の案内放送で最も多用される公式表現が bound for 〜(〜行き・〜方面行き) です。旅行者は案内表示の文字を探しているため、bound for を使って終点や主要駅の名前を教えてあげると、手元の情報と即座に照合できます。
- フレーズ
- Take the train bound for Yokohama.
Take the JR Yamanote Line going toward Tokyo.
You should take the Takasaki Line heading for Omiya. - 日本語訳
- 横浜行きの電車に乗ってください。
JR山手線の東京方面行きに乗ってください。
大宮方面行きの高崎線に乗る必要があります。 - 使う場面
- 同一ホームで上り・下りの両方が発着する駅や、途中で分岐する路線で正しい方向を伝える場面
環状線の案内:内回り・外回りをどう伝えるか
JR山手線や大阪環状線のようなループ路線(loop line)では、内回り(inner loop)や外回り(outer loop)という直訳表現を使うと、土地勘のない旅行者はかえって混乱してしまいます。時計回り・反時計回りという視覚的な表現を用いるか、経由する主要駅の名前を併記するのが最も確実です。
「The Yamanote Line is a loop line. Take the one going toward Shibuya and Shinjuku.(山手線は環状線です。渋谷・新宿方面行きに乗ってください)」と具体例を挙げると、駅の頭上掲示板に書かれた駅名と照らし合わせることができるため、迷う心配がありません。
乗るべき方向を伝えた後は、目的地までに通過する駅の数や所要時間の目安を提示して、乗車中の不安を取り除いてあげましょう。
駅数・所要時間・乗換なしを説明する安心フレーズ
- 駅数は「数字+stops away」または「the 序数+stop」で端的に伝える
- 所要時間は It takes about 〜 や You’ll be there in 〜 を使う
- 乗り換え不要な直通列車は direct train や stay on を活用する
電車に乗った旅行者が最も気にするのは、「あとどれくらいで着くのか」「降りる駅を見逃さないか」という点です。駅数や時間をあらかじめ知らせておくことで、旅行者は車内で安心して過ごすことができます。
何駅目かを伝える数字表現
停車駅を数える単位には stop(s) を使用します。最も手軽で聞き取りやすいのは「It’s three stops away.(3駅先です)」という形です。区間を区切って案内したい場合は from 〜 to 〜 を組み合わせることで、複雑な経路も整理して伝えられます。
- フレーズ
- It’s three stops away.
It is the third stop from here.
It’s about five stops to Tokyo Station.
It is 4 stops from Hamamatsucho to Kanda, and 1 stop from Kanda to Ochanomizu. - 日本語訳
- 3つ目の駅です。
ここから3番目の駅です。
東京駅までは5駅ほどです。
浜松町から神田まで4駅、神田から御茶ノ水まで1駅です。
所要時間と歩行移動を伝える表現
巨大ターミナル駅では、電車の乗車時間だけでなく「ホーム間の徒歩移動時間」が乗り換えの成否を分けます。移動時間を伝える定番フレーズを覚えておきましょう。
- フレーズ
- It takes about 15 minutes.
It’ll take you around 30 minutes including the transfer.
The transfer takes about five minutes on foot.
You’ll be there in 10 minutes. - 日本語訳
- 15分ほどかかります。
乗り換えを含めて30分くらいかかります。
乗り換えには徒歩5分ほどかかります。
10分で目的地に着きますよ。
乗り換えが不要なときの伝え方
目的地まで直通運転している場合、乗り換えが不要である旨を伝えることは、不慣れな旅行者にとって最大の安心材料となります。
- フレーズ
- You don’t need to change trains.
No need to transfer. It’s a direct train.
This train goes straight through to Yokohama.
Just stay on this train until the last stop. - 日本語訳
- 乗り換えは必要ありません。
乗り換えなしです。直通電車ですよ。
この電車は横浜まで直通で行きます。
終点までこの電車にずっと乗っていてください。 - 発音・ニュアンス
- stay on は「降りずに乗り続ける」という意味で非常に頻繁に使われる口語表現です。
日本の鉄道には、途中の主要駅を境に会社や路線名が自動的に切り替わる「相互直通運転」が多数存在します。車内アナウンスの路線名が変わって焦って降りてしまわないよう、「The line name changes at Meguro, but you don’t have to get off. Just stay on.(目黒で路線名が変わりますが、降りる必要はありません。そのまま乗っていてください)」と一言添えてあげると非常に親切です。
次に、快速や急行など、旅行者が誤って乗り込んで通過駅に連れて行かれがちな「列車種別」の注意点と説明方法について見ていきましょう。
快速・各停・特急の違いを英語で説明する技術
- 各駅停車は local train、快速は rapid train、特急は limited express
- 快速や急行は一部の駅を通過するため「skips some stations」で説明
- 特急に必要な追加料金は「requires an extra fee/ticket」と注意喚起する
日本の鉄道を初めて利用する外国人旅行者が最も頻繁にトラブルに巻き込まれるのが、同一ホームに異なる種別の列車が次々とやってくる点です。目的地が小さな駅であるにもかかわらず、先に来た快速や特急に飛び乗ってしまい、目的の駅を通過してしまうケースが後を絶ちません。
列車種別の英語一覧表
駅の電光掲示板に表示される英語表記は各鉄道会社でおおむね統一されています。まずは基本単語の組み合わせを押さえておきましょう。
列車種別の基本英語表現
・各駅停車: local train
・快速: rapid train
・急行: express train
・準急: semi-express train
・特急: limited express (train)
・新幹線: bullet train / Shinkansen
通過駅や追加料金に関する実践フレーズ
種別の名称を教えるだけでなく、その電車に乗ってよいのか待つべきなのかをはっきり指示することが重要です。
- フレーズ
- This is a rapid train. It doesn’t stop at your station.
You need the local train—the one that stops at every station.
This rapid train skips some stations. Just get off at Nakano.
The limited express requires an extra fee.
Make sure to sit in the non-reserved section. - 日本語訳
- これは快速です。あなたの目的地には止まりません。
各駅停車に乗る必要があります。すべての駅に止まる電車です。
この快速電車はいくつかの駅を通過します。中野で降りてください。
特急には別料金(特急券)が必要です。
自由席車両に座るようにしてください。 - 使う場面
- ホームで電車を待っている際に、目の前の列車に飛び乗ろうとしている人を制止して正しい列車を案内する場面
海外の都市交通には特急券のような二重運賃システムが存在しない地域も多くあります。特急(limited express)に乗る際は、通常の乗車券やICカードのほかに特急指定席券や自由席特急券が別途必要になる旨を「You’ll need an extra ticket」とはっきり伝えないと、車内トラブルの原因になります。
電車の種類を見分ける方法を伝えたら、次は駅構内の地下道や階段を迷わず移動してもらうための「道案内フレーズ」を確認しましょう。
駅構内の階段・改札・サイン案内をスムーズに行う表現
- 階段やエスカレーターの上下動は go upstairs / downstairs や take the elevator
- 目印となるサインの色や路線記号を「Follow the orange signs」のように提示
- 同じ方向なら「Follow me」や「Shall we walk together?」で先導するのが最も親切
迷路のように入り組んだ駅構内では、言葉による抽象的な道案内よりも、視覚的な目印や上下階の移動方向を明確に指示する方がに早く伝わります。
構内の方向と上下移動を伝える必須表現
直進、右左折、階段やエスカレーターの利用を組み合わせたシンプルな表現をマスターしておきましょう。
- フレーズ
- Go straight and turn right at the exit over there. You’ll see the platform.
The Ginza Line platform is downstairs.
Go up the stairs and cross over to the other side.
Take the escalator to the second floor.
There’s an elevator next to the ticket gate. - 日本語訳
- まっすぐ行って、あちらの出口を右に曲がるとホームがあります。
銀座線のホームは下の階です。
階段を上って反対側へ渡ってください。
エスカレーターで2階へ上がってください。
改札の隣にエレベーターがあります。
案内板の色やマークを使った誘導
日本の地下鉄やJR各線には、それぞれシンボルカラーやアルファベット記号(ナンバリング)が割り振られています。これらを案内に組み込むと、英語の看板を読めない旅行者でも迷わず移動できます。
「Follow the orange signs for the Ginza Line. Look for the circle with the letter G.(銀座線へはオレンジ色の案内標識をたどってください。Gという文字の入った丸いマークを探してください)」と伝えると、旅行者は頭上のサインだけを目印に進むことができます。
一緒の方向なら迷わず先導する
もし自分自身も同じ方面へ向かう場合や、改札を共にする場合は、口頭で長々と説明するよりも一緒に行ってしまうのが最善の解決策です。
- フレーズ
- I’m going that way too. I’ll show you the platform. Follow me.
It’s on my way. Shall we walk together? - 日本語訳
- 私も同じ方向へ行きます。ホームまでご案内しますよ。ついてきてください。
通り道なので、一緒に行きましょうか?
構内の案内を終えたら、次は乗換案内を伝える際の手順の組み立て方と、1文を短く区切る文章構成の工夫について掘り下げていきます。
複数の乗り換えを順序立てて説明する接続表現の技術
- 順序を表す First, Then, After that, Finally の4語を軸に展開する
- 1文に複数の情報を詰め込まず、短文をテンポよく積み重ねる
- 口頭説明だけでなくスマートフォンの画面やメモ書きを併用して確認する

乗り換えが2回以上発生するルートを案内する際、文法的に正しくても1つの文に情報を詰め込みすぎると、聞き手の記憶容量を超えてしまいます。伝わる案内の極意は、1つの文に含める指示を1つだけに絞り、接続詞で橋渡しすることです。
順序を明確にする接続詞の黄金パターン
以下の4つの単語を文頭に置くだけで、相手は今どの段階の話を聞いているのかを正確に把握できます。
・First, take the Marunouchi Line at Tokyo Station.(まず東京駅で丸ノ内線に乗ります)
・Then transfer to the Ginza Line at Ginza Station.(それから銀座駅で銀座線に乗り換えます)
・After that, take the train bound for Shibuya.(そのあと、渋谷行きの電車に乗ってください)
・Finally, get off at Toranomon Station.(最後に虎ノ門駅で降ります)
長文と短文の比較:伝わりやすさの実験
関係代名詞 and や which でつなげた長い一文と、ピリオドで区切った短い文の連続を比較してみましょう。
△ 詰め込みすぎた例:
Take the Ginza Line to Shinbashi and change to the Yamanote Line going toward Tokyo and get off at Akihabara which is the fourth stop.
◯ 短く区切った推奨例:
Take the Ginza Line to Shinbashi.(一拍置く)
It’s three stops away.(相手がうなずくのを確認)
At Shinbashi, change to the Yamanote Line.(一拍置く)
Take the train going toward Tokyo.(一拍置く)
Akihabara is the fourth stop.
短い文を並べることで、相手は「OK」「I see」と相槌を打つ余裕が生まれ、どの部分で疑問が生じたかをその場で確認できます。
相手への説明を終えたら、正しく理解できたかを確認し、温かい挨拶で会話を締めくくる表現を見ていきましょう。
理解確認と別れの挨拶で印象を高めるコミュニケーション
- 説明後は Does that make sense? や Would you like me to write it down? で確認
- 自分が分からない時は無理に教えず Let me check on my phone や駅員を頼る
- 別れ際には Have a good trip や Take care を添えて温かく見送る
道を教えた後に「相手が本当に納得しているか」を確かめ、別れ際に心地よい言葉をかけることで、やり取り全体の満足度が大きく向上します。
理解を確認する実践フレーズ
- フレーズ
- Does that make sense?
Would you like me to write it down?
Let me show you on the map.
Can I see your map? - 日本語訳
- 分かりましたでしょうか?
紙かスマホに書いてお渡ししましょうか?
地図でお見せしましょう。
手持ちの地図を見せてもらえますか?
紙やスマホのメモに「Ginza Line → Shinbashi → Yamanote Line → Akihabara」と矢印で書いて渡す手法は、言語の壁を完全に超越するため極めて実用的です。
道が分からないときの正直で親切な対処法
自分自身が不慣れな土地で尋ねられた場合、無理に不確実な案内をする必要はありません。「分からないから何もしない」のではなく、「分からないから一緒に調べる」という姿勢を示すことが最も大切です。
- フレーズ
- I’m sorry, I’m not familiar with this area.
Let me check on my phone.
I’ll ask the station staff for you.
The information desk is over there. They speak English. - 日本語訳
- すみません、この辺りの地理には詳しくないんです。
私のスマートフォンで調べてみますね。
駅員さんに聞いてあげます。
あちらに観光案内所があります。英語が通じますよ。
会話を心地よく締めくくる別れの言葉
- フレーズ
- Have a good trip.
Enjoy your stay in Japan.
Take care.
You’re welcome. Good luck! - 日本語訳
- 良いご旅行を。
日本での滞在を楽しんでくださいね。
お気をつけて。
どういたしまして。無事に着くことを祈っています!
ここまで電車の乗り換え案内に必要なあらゆる表現を確認してきました。最後に、学習者が疑問に感じやすいポイントをQ&A形式で整理して復習しましょう。
電車の乗り換え英語に関するよくある質問(Q&A)
- 路線名の冠詞 the は付けるのが基本だが会話では文脈で伝わる
- 「乗り過ごした」と言われた場合の対処フレーズを押さえておく
- 沈黙を恐れず短文とジェスチャーを組み合わせることが重要
change trains と transfer はどちらを優先して覚えるべきですか?
口頭で案内する際は、日常会話として最も自然な change trains をまず優先して身につけるのが確実です。世界中どこの英語話者にも違和感なく通じます。一方の transfer は、駅構内の「乗換改札(transfer gate)」などの名詞表現や車内アナウンスの聞き取り用として理解できるようにしておくと便利です。
路線名を言うときに the は必ず付けなければいけませんか?
文法的には the Yamanote Line や the Ginza Line のように定冠詞 the を付けるのが原則です。ただし実際の駅頭でのスピーキングにおいて、うっかり the が抜けてしまっても相手に意味は完全に通じます。冠詞の有無を気にして発話が止まるくらいであれば、そのまま路線名を発音することを優先してください。
日本の「3番線」は platform と track のどちらで表現すべきですか?
日本の駅構内においては platform number 3、あるいは単に Platform 3 と伝えるのが最も適しています。駅の頭上吊り下げ看板や電光掲示板にも「Platform 3」と印字されているため、旅行者が看板と照らし合わせて確認しやすいためです。アメリカ英語圏では Track 3 も非常によく使われます。
旅行者から「電車を乗り過ごしてしまった」と言われたら何と返せばよいですか?
「You went too far. Get off at the next station and take the train going back.(乗り過ごしましたね。次の駅で降りて、戻る方向の電車に乗ってください)」と答えます。日本の改札内であれば反対方向のホームへ渡って引き返すことができるため、「Don’t worry, you can take the opposite train.」と安心させてあげてください。
英語が出てこなくて頭が真っ白になってしまった時はどうすればいいですか?
焦って黙り込む必要はありません。「Just a moment, please.(少々お待ちください)」と断りを入れてからスマートフォンの乗換検索画面を見せるか、「Let’s ask the station staff together.(一緒に駅員さんに聞きましょう)」と声をかけて窓口へ連れて行くだけで十分な親切になります。旅行者が求めているのは完璧な英語ではなく、目的地への正しい道筋です。

