駅のホームで「Excuse me…」と声をかけられて、頭が真っ白になった経験はないでしょうか。相手が指さしているのは路線図。言いたいことは山ほどあるのに、口から出てくるのは「ええと…」だけ。そんな気まずさを、もう味わわなくて済むようにするのがこの記事の目的です。
結論を先にお伝えします。英語で乗り換えを案内するのに、難しい構文はいりません。take・get off at・change trains の三つを組み合わせるだけで、目的地までの道順はほぼ伝わります。
この記事では、実際の駅の会話をまるごと再現しながら、transfer と change trains の使い分け、駅数や所要時間の言い方、山手線の内回り・外回りの説明方法、そして相手からの質問を聞き取るコツまで順番に積み上げていきます。読み終えたころには、声をかけられても落ち着いて口が動く状態になっているはずです。基礎から会話練習まで体系的に取り組みたい方は、英語教室のような場で実際に声に出す機会を作るのも近道になります。
まずは、駅のホームで皇居への行き方を尋ねられた場面から見ていきましょう。この短い会話の中に、乗り換え案内に必要な要素がほぼすべて詰まっています。
駅のホームでの会話|皇居への行き方を案内する
- 案内の流れは「乗る電車→降りる駅→駅数と時間→乗り換え駅と路線→注意点」の5手順
- 使う動詞は take / get off at / change trains の三つでほぼ足りる
- 一文を短く切り、相手が復唱できる余白を作ると伝わりやすい
- 行き先が変わっても同じ型を当てはめれば応用できる
最初に完成形を見てしまうのが、いちばん早い理解の道です。以下は、学習者が駅のホームで外国籍の方に声をかけられ、皇居までの道順を案内する場面です。
- 場面設定
- A learner is at the platform.(学習者は駅のホームにいます。)
- 会話(英語)
- 旅行者: Excuse me. Could you tell me how to get to the Imperial Palace?
学習者: Well, first, take the next train and get off at Shinagawa Station.
旅行者: I see. How many stops are there from here?
学習者: There are five stops. It’ll take about 15 minutes. Next, change trains at Shinagawa Station.
旅行者: So, I’ll change trains at Shinagawa Station.
学習者: Yes, and you can take the Yamanote Line there. Get off at Tokyo Station. You can walk to the Imperial Palace. Please take the counter-clockwise train of that line.
旅行者: What is that?
学習者: The Yamanote Line has clockwise and counter-clockwise trains. Be careful not to take the clockwise train.
旅行者: Thank you.
学習者: You’re welcome. - 日本語訳
- 旅行者: すみません。皇居へはどのように行ったらいいのか教えていただけますか?
学習者: ええと、まず次の電車に乗って品川駅で降りてください。
旅行者: はい。ここから駅はいくつありますか?
学習者: 5駅あります。約15分かかります。次に、品川駅で乗り換えます。
旅行者: 品川駅で乗り換えるんですね。
学習者: はい、そしてそこで山手線に乗ります。東京駅で降りてください。皇居へは歩いて行けます。山手線の内回り(反時計回り)の電車に乗ってください。
旅行者: それは何のことですか?
学習者: 山手線には外回りと内回りがあります。外回りに乗らないように注意してください。
旅行者: ありがとうございます。
学習者: どういたしまして。 - 使う場面
- 駅のホームや改札付近で、目的地までの道順を尋ねられたとき。乗り換えが1回ある標準的なパターンです。
- 注意点
- change trains の trains は複数形です。単数の change train と言うと不自然に響きます。また、降りる駅を示す前置詞は at で固定です。
- 発音・ニュアンス
- get off at は「ゲット・オフ・アット」と切らず、「ゲロファッ(ト)」のようにつなげて言うと自然です。Well, first, … と冒頭で一拍置くと、考えている時間が稼げて相手も待ってくれます。
会話に出てきた語句を、先に押さえておきましょう。ここが土台になります。
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| platform | 駅のホーム |
| Imperial Palace | 皇居 |
| take | (乗り物に)乗る |
| get off | 降りる |
| How many stops | いくつの駅 |
| change trains | 乗り換える |
| counter-clockwise | 反時計回り(山手線の内回り) |
| clockwise | 時計回り(山手線の外回り) |
この会話でやっていることを分解すると、五つの手順に整理できます。①乗る電車を指定する(take)②降りる駅を指定する(get off at)③駅数と所要時間を伝える(stops / It’ll take)④乗り換え駅と路線を伝える(change trains at / take the ~ Line)⑤注意点を添える(Be careful not to ~)。
この順番を型として覚えてしまえば、行き先が浅草でも新宿でも、同じ流れで案内できます。中身を入れ替えるだけの穴埋めだと考えると、心理的な負担がぐっと軽くなります。
では、この型の中心にある「乗り換える」という動詞から、詳しく見ていきましょう。実は英語には三つの選択肢があります。
「乗り換える」を表す英語は三つある
- transfer は名詞・動詞どちらでも使え、交通手段をまたぐ移動にも対応する
- change trains は「列車を替える」動作そのものを表す日常表現
- switch はややカジュアルだが案内では十分通じる
- 駅名だけなら change trains at ~、路線名まで言うなら transfer to the ~ Line
日本語の「乗り換える」に当たる英語は、主に transfer、change trains、switch の三つです。どれを使っても通じますが、それぞれが持っている感覚は少し違います。使い分けの軸を先に示すと、交通手段をまたぐなら transfer、列車どうしなら change trainsです。

transfer:路線や交通手段を移る
transfer は名詞でも動詞でも使えます。名詞なら「乗り換え・乗り継ぎ」、動詞なら「乗り換える」です。電車から電車だけでなく、地下鉄からバス、鉄道から空港連絡バスといった別の交通手段への移動にも使えるのが、この語の強みです。
- フレーズ
- You need to transfer at Shinjuku.
- 日本語訳
- 新宿で乗り換える必要があります。
- 使う場面
- 乗り換えが必要だという事実だけを、まず端的に伝えたいとき。路線名は後から足せます。
- 注意点
- 場所を言うときは at、乗り換え先の路線を言うときは to です。transfer to Shinjuku とすると「新宿へ移動する」ような響きになり、意図がぼやけます。
- 発音・ニュアンス
- 動詞の transfer は後ろ寄りのアクセント /trænsˈfɜːr/。「トランスファー」と平らに言うより、trans を短く詰めて fer を強めると伝わります。
- フレーズ
- Transfer to the Ginza Line at Ginza Station.
- 日本語訳
- 銀座駅で銀座線に乗り換えてください。
- 使う場面
- 乗り換え先の路線名と駅名を、一文でまとめて伝えたいとき。地下鉄の多い都心部で出番が多い型です。
- 注意点
- 語順は「路線(to)→ 場所(at)」が自然です。また路線名には the が付きます。the Ginza Line のように定冠詞を忘れないようにします。
- フレーズ
- Is there a transfer to the airport bus?
- 日本語訳
- 空港バスへの乗り換えはありますか?
- 使う場面
- 自分が旅行者として尋ねる側のとき。電車からバスへ、というように手段が変わる乗り継ぎを確認できます。
- 注意点
- この a transfer は名詞です。名詞のときのアクセントは前寄りの /ˈtrænsfɜːr/ になり、動詞とは位置が変わります。
なぜ transfer がこれほど広く使えるのか。語源をたどると trans-(越えて・向こう側へ)+ fer(運ぶ)で、中心にあるのは「一方からもう一方へ移し運ぶ」というイメージです。
だからこそ、電車の乗り換えだけでなく、部署の異動(transfer to another department)、口座間の送金(bank transfer)、電話の転送(transfer a call)にも同じ単語が使われます。「AからBへ移す」が共通の核だと押さえておけば、初めて見る用法にも対応できます。
change trains:列車を替える動作
change trains は、いま乗っている列車から別の列車へ乗り替える動作を、そのまま言い表す日常表現です。冒頭の会話で使われていたのもこちらでした。
- フレーズ
- Change trains at Shinagawa Station.
- 日本語訳
- 品川駅で乗り換えてください。
- 使う場面
- 乗り換える駅だけをはっきり伝えたいとき。路線名がすぐ出てこなくても、駅名だけで案内が成立します。
- 注意点
- 誤用例は change train at Shinagawa。trains の s が落ちると不自然です。ひとかたまりの音として覚えるのが安全策です。
- 発音・ニュアンス
- change trains は「チェインジュ・トレインズ」と区切らず、「チェインジトレインズ」と一息で。命令形なので、語尾を少し上げて言うと柔らかく響きます。
- フレーズ
- Do I have to change trains?
- 日本語訳
- 電車を乗り換えなければなりませんか?
- 使う場面
- 自分が海外で尋ねる側のとき。まずこの一言で、乗り換えの有無という最重要情報を確認できます。
- 注意点
- Do I need to transfer? と言い換えても同じ意味です。疑問文でも trains は複数形のままです。
- フレーズ
- You don’t need to change trains.
- 日本語訳
- 乗り換える必要はありません。
- 使う場面
- 直通で行けるとき。相手をいちばん安心させられる一文なので、最初に言ってあげると親切です。
- 発音・ニュアンス
- don’t need to は「ドンニードゥ」とつながります。No need to change trains. と短く言っても自然です。
ここで見落としやすいのが、trains が複数形になる点です。「今乗っている電車」と「次に乗る電車」の二本を入れ替える動作なので、英語では複数形が自然になります。
同じ理屈で、飛行機なら change planes、バスなら change buses になります。二つを入れ替えるから複数形という理屈で覚えておくと、乗り物が変わっても迷いません。
change train と単数で言ってしまうと不自然に響きます。ただし、乗り換え先の路線を明示したいときは trains を使わず change to ~ の形になります。Change to the Yamanote Line at Tokyo Station.(東京駅で山手線に乗り換えてください。)のように、路線名が入ると trains は消えます。この切り替えを混同して Change trains to the Yamanote Line. と言うと重複した印象になるので、どちらか一方に絞りましょう。
change to の形も、あわせて確認しておきます。Change from the subway to a bus at the next stop.(次の停留所で地下鉄からバスに乗り換えてください。)のように、from と to を並べれば「何から何へ」も表現できます。
switch:口語的に「切り替える」
switch も乗り換えを表せます。ややカジュアルな響きですが、案内では十分に使えます。At Shinjuku Station, switch to the Yamanote Line heading for Ebisu.(新宿駅で恵比寿方面行きの山手線に乗り換えてください。)のように、transfer to と同じ形で使えるのが便利な点です。
ただし駅の掲示や車内アナウンスで switch を見ることはほとんどありません。話し言葉の選択肢として持っておき、書くときは transfer か change を選ぶ、という整理でよいでしょう。
三つの使い分けの目安
ここまでを一覧にまとめます。迷ったときは、この表の右列をそのまま口に出せば案内が成立します。
| 日本語 | 自然な英語 | 例 |
|---|---|---|
| 乗り換え(名詞) | a transfer | one transfer(乗り換え1回) |
| 乗り換える | transfer | transfer at Shinagawa |
| 電車を乗り換える | change trains | change trains at Shinagawa |
| ○○線に乗り換える | change to / transfer to the ~ Line | change to the Yamanote Line |
| 乗換駅 | transfer station / interchange | a major transfer station |
案内する側としては、駅名を添えるだけなら change trains at ~、路線名まで伝えるなら transfer to the ~ Line at ~ の二つを持っておけば、ほとんどの場面をさばけます。
では、乗り換えの前後に必ず必要になる「乗る」「降りる」はどう言うのでしょうか。ここが固まっていないと、案内は組み立てられません。
「乗る」「降りる」を正確に伝える
- 乗るは take(路線を利用する)と get on(車両に乗り込む)で使い分ける
- 降りる駅を示す前置詞は at で固定、電車から降りるなら get off the train
- 案内では take の出番がに多い
- 乗り過ごしへの備えも一言添えると親切
乗り換え案内が成立する前提は、乗る・降りるの動詞が固まっていることです。ここが揺らぐと、せっかく change trains を覚えても文が組み立てられません。
乗る:take と get on
- フレーズ
- Take the Chuo Line at platform number 5.
- 日本語訳
- 5番線から中央線に乗ってください。
- 使う場面
- 乗る路線と番線をセットで伝えるとき。番線まで言えると、相手は迷わずホームにたどり着けます。
- 注意点
- 番線は platform number 5 のほか track 5 とも言います。number を省いて platform 5 でも通じます。
- 発音・ニュアンス
- 数字はゆっくり、はっきり。5 と 9 は聞き間違いが起きやすいので、指で示しながら言うと確実です。
- フレーズ
- Get on the train at the front car.
- 日本語訳
- 先頭車両から乗ってください。
- 使う場面
- 乗る車両の位置まで指定したいとき。降車駅の階段や乗換口が近い車両を教えると、とても喜ばれます。
- 注意点
- get on は「その車両に乗り込む」身体的な動作です。路線を選ぶ話なら take を使います。
take は「その路線・その電車を利用する」という選択のニュアンス、get on は「車両に乗り込む」という身体的な動作を表します。案内では take のほうがに出番が多く、take the next train、take the Yamanote Line、take a taxi と幅広く使えます。
整理すると、take は手段を選ぶ、get on は体を動かすという違いです。take a train なら「電車という手段を使う」、get on the train なら「目の前のその電車に乗り込む」と考えると混乱しません。
降りる:get off
- フレーズ
- Get off at Tokyo Station.
- 日本語訳
- 東京駅で降りてください。
- 使う場面
- 降車駅を指定するとき。案内のあらゆる場面で使う、最重要フレーズの一つです。
- 注意点
- 誤用例は get off in Tokyo Station と get off from the train。駅名の前は at、電車から降りるなら前置詞なしの get off the train が標準です。
- 発音・ニュアンス
- get off at は三語がつながって「ゲロファッ」に近い音になります。駅名の部分だけをはっきり強めると伝わります。
You need to get off at Nihonbashi Station.(日本橋駅で降りる必要があります。)のように need to を添えると、必須の行動だと強調できます。命令形が強く響かないか気になるときにも便利な形です。
乗り過ごす・乗り間違える
案内した後の「万一」に備える一言も、覚えておくと相手の不安が減ります。Don’t miss your stop.(降りる駅を乗り過ごさないでください。)は、混雑した電車に乗ってもらうときに添えたい表現です。
If you miss it, get off at the next stop and come back one station.(乗り過ごしたら次の駅で降りて、一駅戻ってください。)まで言えれば、相手はかなり安心します。逆方向の電車に乗ろうとしている人を見かけたときは、You’re on the wrong train.(電車を間違えています。)と早めに声をかけましょう。
動詞が揃ったところで、次は相手からよく聞かれる「あと何駅ですか」「どのくらいかかりますか」への答え方を見ていきます。
駅数・所要時間・方面を伝える
- 駅数は stop(s) で数え、施設としての駅は station を使う
- 所要時間は It’ll take about ~ minutes. を型として覚える
- 方面は heading for / going toward / bound for で表す
- 快速や特急など種別を伝えないと通過事故が起きる
道順を伝えたあと、相手はほぼ必ず「どのくらいで着くのか」を知りたがります。数字を答えられるだけで、案内の説得力は一段上がります。
駅がいくつあるか
冒頭の会話にあった There are five stops. のように、駅数は stop(s) で数えます。相手からは How many stops are there from here?(ここから何駅ですか)と聞かれます。
- フレーズ
- It is the third stop from here.
It’s about five stops to Tokyo Station.
It’s two stops away. - 日本語訳
- ここから3番目の駅です。/東京駅までは5駅ほどです。/2駅先です。
- 使う場面
- 駅数を尋ねられたとき。序数(third)と基数(five stops)のどちらでも答えられます。
- 注意点
- 正確な数に自信がなければ about を付けます。断定してずれるより、about five stops のほうが親切です。
所要時間
所要時間は It takes ~ / It’ll take ~ / in ~ minutes のいずれかで表せます。全部を使い分けられなくても構いません。まず It’ll take about ~ minutes. を口が覚えるまで言えるようにしておきましょう。
- フレーズ
- It’ll take about 15 minutes.
It takes about 30 minutes from here.
You will be there in 10 minutes. - 日本語訳
- 約15分かかります。/ここから約30分かかります。/10分で着きます。
- 使う場面
- 所要時間を伝えるとき。乗り換え時間の余裕を伝えるなら You’ll have about five minutes to change trains.(乗り換えに5分ほどあります。)が便利です。
- 注意点
- 時間を聞かれたら It’ll take ~、駅数を聞かれたら It’s ~ stops と対応させます。How long と How many stops の答えを混ぜないよう意識します。
- 発音・ニュアンス
- It’ll は「イトゥル」と軽く。about は「アバウ」程度に弱め、数字と minutes を強く言うと聞き取りやすくなります。
「〜方面行き」の伝え方
日本の駅は同じホームから逆方向の電車が出ることもあり、方面の伝達が非常に重要です。路線名や train のあとに、行き先情報を足す形で表します。
- フレーズ
- Take the train heading for Yokohama.
You should take the Takasaki Line going toward Tokyo.
Take the train bound for Odawara. - 日本語訳
- 横浜方面行きの電車に乗ってください。/東京方面行きの高崎線に乗ってください。/小田原行きの電車に乗ってください。
- 使う場面
- 上下線が同じホームに来る駅や、方向を間違えやすい路線を案内するとき。
- 注意点
- bound for は車内アナウンスや電光掲示板でも使われるため、相手にとって聞き慣れた形です。地下鉄では northbound、southbound という言い方も通じます。
種別を伝える
日本の鉄道でとくに事故が起きやすいのが、列車の種別です。まず語彙を押さえましょう。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| local train | 各駅停車 |
| rapid train | 快速 |
| express train | 急行 |
| limited express | 特急 |
| through service | 直通運転 |
| direct train | 直通列車 |
Take the local train, and transfer to the express at Central Station.(各駅停車に乗って、中央駅で急行に乗り換えてください。)のように、種別と乗り換えを組み合わせた案内もよく必要になります。
種別の説明を省くと、快速や特急に乗って目的の駅を通過してしまうという事故が起きます。The rapid train doesn’t stop at that station.(快速はその駅には停まりません。)や This train doesn’t stop there.(この電車はそこには停まりません。)は、必ず言えるようにしておきたい一文です。日本の駅名表示は種別ごとに停車駅が変わるため、初めて来た人には判断がつきません。
ここまでで部品が揃いました。次は、それらを相手が混乱しない順番で並べる方法を見ていきます。
順路を順番に組み立てる型
- first / next / then / finally を骨組みにして一文ずつ短く切る
- 長い一文は話す側も聞く側も混乱させる
- 相手が復唱できる余白を作ると誤解が減る
- 路線図を一緒に見て指で示すのが最強の補助手段
乗り換えが二回以上あると、情報の順番が案内の成否を決めます。first、next、then、finallyを骨組みにして、一文ずつ短く切るのがコツです。
- フレーズ
- First, take the Marunouchi Line at Tokyo Station. Next, transfer to the Ginza Line at Ginza Station. Then, get off at Toranomon Station.
- 日本語訳
- まず東京駅で丸ノ内線に乗り、銀座駅で銀座線に乗り換えて、虎ノ門駅で降りてください。
- 使う場面
- 乗り換えが2回以上ある複雑な経路を案内するとき。地下鉄同士の乗り換えでよく使います。
- 注意点
- and や after that でつなげて一文にしないこと。文が長くなるほど、相手の記憶に残る情報は減ります。
- 発音・ニュアンス
- First, / Next, / Then, の後で必ず一拍置きます。この間が、相手にとってのメモを取る時間になります。
冒頭の会話でも Well, first, … / Next, … と区切られていて、旅行者が So, I’ll change trains at Shinagawa Station.(品川で乗り換えるんですね)と確認を返せる余白がありました。
案内は独演ではありません。相手に一区切りずつ復唱させる余裕を持たせたほうが、確実に伝わります。区切りを助ける短いフレーズも覚えておきましょう。
- フレーズ
- Are you with me so far?
Let me repeat that.
Would you like me to write it down?
May I take a look at your map? - 日本語訳
- ここまで大丈夫ですか?/もう一度言いますね。/書いて渡しましょうか?/地図を見せていただけますか?
- 使う場面
- 説明の途中で相手の理解を確かめたいとき、あるいは語彙が足りず視覚的な助けが欲しいとき。
- 注意点
- Do you understand? は場合によって「理解できていますか」と上から響くことがあります。Are you with me so far? のほうが柔らかい印象です。
路線図やスマートフォンの画面を一緒に見ながら指で示すと、語彙が足りなくても伝わります。Can I see your map? と一言添えて駅名を指差すだけで、誤解はぐっと減ります。
さて、日本で案内するときの最大の難所が次に控えています。環状線の方向です。
山手線の内回り・外回りをどう説明するか
- inner / outer の直訳では初来日の人にまず伝わらない
- clockwise(外回り)/ counter-clockwise(内回り)が理解されやすい
- イギリス英語では anticlockwise も使われる
- 最も確実なのは方向ではなく経由駅・次の停車駅で伝えること
日本語の「内回り・外回り」を inner / outer と直訳しても、初めて来た人にはまず伝わりません。日本の環状線に慣れた人だけが共有している概念だからです。
冒頭の会話で使われていた clockwise(時計回り=外回り)と counter-clockwise(反時計回り=内回り)は、路線図の見た目とそのまま結びつくため、はるかに理解されやすい説明です。
- フレーズ
- The Yamanote Line has clockwise and counter-clockwise trains.
Please take the counter-clockwise train.
Be careful not to take the clockwise train. - 日本語訳
- 山手線には外回りと内回りがあります。/内回りの電車に乗ってください。/外回りに乗らないように注意してください。
- 使う場面
- 山手線や大阪環状線など、環状路線の方向を伝えるとき。路線図を指でなぞりながら言うと、格段に伝わります。
- 注意点
- 日本の駅の英語表示では「内回り」が inner circle と書かれていることもあり、口頭説明と表示がずれる場合があります。表示を一緒に確認するのが安全です。
- 発音・ニュアンス
- counter-clockwise は counter を強めに。イギリス英語では anticlockwise が使われますが、どちらでも通じます。
それでも相手が戸惑ったときは、方向ではなく経由駅で伝えるのがもっとも確実です。「次に停まる駅の名前」で確認させるという発想に切り替えましょう。
Take the train that goes to Shibuya first, not Ueno.(上野ではなく、先に渋谷へ向かう電車に乗ってください。)や Check the next station on the display. It should say Shinjuku.(表示の次の駅を確認してください。新宿と出ているはずです。)が使えます。
抽象的な方向の説明より、目に見える駅名で確認してもらうほうが実用的です。環状線に限らず、方面が二つある路線ではこの伝え方が役に立ちます。
逆に、乗り換えが不要なときはどう言えばよいでしょうか。実はこちらのほうが、相手を安心させる効果は大きいのです。
乗り換えが不要なときの案内
- 乗り換え不要なら最初にはっきり伝えると相手は安心する
- You don’t need to change trains. / It’s a direct train. が定番
- 尋ねる側なら Do I need to transfer? が最初の一言
- just take ~ の形で「乗るだけ」を強調できる
乗り換えなしで行ける場合は、はっきりそう伝えると相手はとても安心します。乗り換えの不安が消えるだけで、旅の心理的な負担は大きく減るからです。
- フレーズ
- You don’t need to change trains.
No need to transfer to other trains.
To get there, just take the Sobu Line.
It’s a direct train.
This train goes straight to Yokohama. - 日本語訳
- 電車を乗り換える必要はありません。/他の電車に乗り換える必要はありません。/そこへは総武線に乗るだけです。/直通電車です。/この電車は横浜まで直通で行きます。
- 使う場面
- 直通で行ける経路を案内するとき。案内の冒頭でこれを言うと、相手の緊張がほどけます。
- 注意点
- 直通運転の路線では、途中で行き先が分かれる列車もあります。直通だと伝えるときは、行き先表示の確認も一緒に促すと安全です。
- 発音・ニュアンス
- just を少し強めると「乗るだけでいい」という安心感が伝わります。goes straight to は「直通で行く」という口語的な言い方です。
自分が旅行者として尋ねる側なら、Is it a direct train?(直通ですか?)や Do I need to transfer?(乗り換えは必要ですか?)が最初の一言になります。この二つを持っているだけで、海外の駅での不安はかなり減ります。
では、実際に乗り換えが必要な場合、相手は駅の中を歩かなければなりません。その工程を説明する表現に移ります。
駅の構内を移動してもらうときの表現
- 乗り換えには「別のホームまで歩く」工程が含まれる
- follow the signs for ~ が万能な言い方
- 改札を出るかどうかは必ず伝えるべき情報
- 時間があるなら Please follow me. が最強の一言
乗り換えは「別のホームまで歩く」工程を含みます。ここが説明できないと、案内が途中で止まってしまいます。

- フレーズ
- Go up the stairs and follow the signs for the Yamanote Line.
- 日本語訳
- 階段を上がって、山手線の表示に従ってください。
- 使う場面
- 構内の細かい道順を全部説明しきれないとき。表示に委ねてしまえるので、もっとも実用的な言い方です。
- 注意点
- signs for ~ の前置詞は for です。signs of ~ にすると「〜の兆候」という別の意味になってしまいます。
- 発音・ニュアンス
- follow the signs は「フォロウダサインズ」とつなげます。路線名の部分をはっきり言えば、あとは相手が表示で確認できます。
- フレーズ
- Go straight and turn right at the exit over there. You will see the platform.
Take the escalator down to platform number 3.
It’s a cross-platform transfer, so you just walk to the other side. - 日本語訳
- まっすぐ進んで、あちらの出口を右に曲がると、ホームがあります。/エスカレーターで3番線まで降りてください。/同じホームの反対側での乗り換えなので、向かい側へ歩くだけです。
- 使う場面
- 階段やエスカレーターの上下、同一ホーム乗り換えなど、構内の移動を具体的に伝えるとき。
- 注意点
- cross-platform transfer は「向かい側のホームに歩くだけ」というありがたい情報です。該当する乗り換えなら必ず伝えましょう。
改札を出る必要があるかどうかは、絶対に伝えるべき情報です。You’ll need to exit the station and enter through the other gate.(いったん改札を出て、別の改札から入り直す必要があります。)を伝えずに送り出すと、相手は改札の前で立ち往生します。逆に不要な場合は You don’t have to go through the gate.(改札を通る必要はありません。)と明言しましょう。
構内案内で使う語をまとめておきます。ここを押さえておけば、駅のどの場所を指しても言葉が出てきます。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| exit | 出口 |
| ticket gate / fare gate | 改札口 |
| ticket office | 切符売り場 |
| ticket vending machine | 券売機 |
| route map | 路線図 |
| platform number 3 / track 3 | 3番線 |
| subway / underground | 地下鉄 |
| station staff | 駅員 |
| information desk | 案内所 |
| transfer station / interchange | 乗換駅 |
| connecting train | 接続列車 |
| go upstairs | 上の階へ行く |
| over there | あちらに |
そして、時間に余裕があるときの最強のフレーズがこれです。I will show you the platform. Please follow me.(ホームまで案内します。ついてきてください。)と申し出れば、言葉が足りなくても目的は達成できます。
ところで、案内は話す力から始まるわけではありません。まず相手の質問を聞き取れることが出発点です。
聞かれる側として、質問を聞き取る
- 定番の質問の型を知っておくと頭が真っ白にならない
- 聞き取れなかったら遠慮なく聞き返してよい
- 相手の行き先を復唱して確認すると精度が上がる
- 質問の種類ごとに答え方をセットで覚える
案内は話す力より、聞く力から始まります。声をかけられたとき、相手が使う定番の言い方を知っておけば、動揺せずに対応できます。
- よく聞かれる質問
- Could you tell me how to get to the Imperial Palace?
How do I get to Tokyo Station?
Which line should I take?
Where should I change trains?
Which line should I transfer to? - 日本語訳
- 皇居への行き方を教えていただけますか?/東京駅へはどう行けばいいですか?/どの路線に乗ればいいですか?/どこで乗り換えればいいですか?/何線に乗り換えればいいですか?
- 答え方の対応
- Which line なら Take the ~ Line.、Where should I change なら Change trains at ~ Station.、Which line … transfer to なら Transfer to the ~ Line. と、質問の語をそのまま使って返せます。
- 注意点
- 聞き取りの鍵は文末の地名です。文頭の Could you tell me … は定型なので、後半の駅名や施設名に集中して聞くと理解しやすくなります。
- 乗り換え条件を尋ねる質問
- How many transfers are there?
How much time do I have to transfer?
Does this train stop at Ueno?
Do I need another ticket to transfer? - 日本語訳
- 乗り換えは何回ありますか?/乗り換え時間はどのくらいありますか?/この電車は上野に停まりますか?/乗り換えには別の切符が必要ですか?
- 使う場面
- 相手が乗り換えの回数や運賃を気にしているとき。自分が海外で尋ねる側になったときも、そのまま使えます。
- 注意点
- 切符や運賃について確信がないときは、断定せずに駅員に確認を促しましょう。誤った運賃案内は相手を困らせます。
聞き取れなかったときは、遠慮なく確認して構いません。Sorry, could you say that again?(もう一度おっしゃっていただけますか?)は、失礼にはあたりません。
むしろ、行き先を確かめずに答え始めるほうが危険です。Where do you want to go?(どこへ行きたいのですか?)や What station are you going to?(どの駅に行くのですか?)で、まず目的地を確定させましょう。
そして You are going to Yoyogi Station, right?(代々木駅に行くのですね?)と復唱して確認するだけで、案内の精度は大きく上がります。聞き返しは親切さの一部だと考えてください。
ここまで駅での言い方を積み上げてきました。次に、日本の鉄道特有の事情を英語でどう補足するかを見ていきます。
日本と海外で「乗り換え」の中身が違う
- 日本は同じ駅名でも会社や路線が違い、改札の扱いが複雑
- 徒歩の所要時間を添えると相手の見通しが立つ
- 鉄道会社が変わると新しい切符が必要になる場合がある
- 海外では transfer が無料の乗り継ぎを指すこともある
日本の鉄道は、同じ駅名でも会社や路線が違い、改札を出ないまま長い通路を歩く乗り換えが当たり前にあります。逆に、駅名が同じでもいったん外に出て別の入口から入り直す必要がある場合もあります。
この構造は初めて来た人には想像しにくいものです。だからこそ、案内に次のひと言を足すと親切さが際立ちます。
- フレーズ
- You don’t have to go through the gate.
This transfer takes about seven minutes on foot.
It’s a different railway company, so you’ll need a new ticket.
You can use the same IC card. - 日本語訳
- 改札を通る必要はありません。/この乗り換えは歩いて7分ほどかかります。/別の鉄道会社なので、新しい切符が必要です。/同じICカードで通せます。
- 使う場面
- 大規模駅での乗り換えや、私鉄と地下鉄をまたぐ経路を案内するとき。徒歩時間を添えると乗り換え時間の見通しが立ちます。
- 注意点
- 運賃や改札の扱いは路線や区間によって異なります。確信が持てないときは断定せず、駅員や窓口での確認を勧めるのが安全です。
- 発音・ニュアンス
- on foot は「徒歩で」の定番表現。by foot と言う人もいますが、標準は on foot です。
運賃制度も国によって違います。海外の都市交通では transfer が無料の乗り継ぎを意味する場合と、追加の運賃が必要な場合があります。
表示に transfer と書かれているだけで追加料金なしとは判断できません。旅行者としては Do I need another ticket to transfer? と確認するのが確実です。
こうした語の使われ方には、地域による違いもあります。次はアメリカ英語とイギリス英語の傾向を整理します。
米英差と、駅で見かける英語表記
- アメリカ英語は transfer、イギリス英語は change が主役
- どちらも通じるので、その土地の表示に合わせれば十分
- 空港の乗り継ぎは connection がよく使われる
- 掲示の定番表記を知っておくと案内の裏付けになる
アメリカ英語の都市交通案内では transfer が広く使われ、Transfer to the A train. のように乗り換え先を to で示す形が一般的です。
イギリス英語では change が主役で、Change at Oxford for trains to London.(ロンドン方面はオックスフォードで乗り換え)のような掲示やアナウンスをよく見かけます。どちらも通じるので厳密に使い分ける必要はなく、その土地の表示に合わせれば十分です。
駅や空港で目にする表記も押さえておくと、案内の裏付けになります。相手が見ている掲示と自分の言葉が一致すれば、理解は一気に進みます。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| Transfer / Transfers | 乗り換え・乗り換え案内 |
| Change here for ~ | ~方面はこちらで乗り換え |
| Interchange | 乗換駅・路線間の接続 |
| Connections | 接続・乗り継ぎ(空港で頻出) |
| Connecting train | 接続列車 |
| No transfer required | 乗り換え不要 |
| Through service | 直通運転 |
空港の乗り継ぎは transfer よりも connection が使われることが多く、I have a connecting flight to Bangkok.(バンコクへの乗り継ぎ便があります。)や I missed my connection.(乗り継ぎに間に合いませんでした。)のように言います。
覚えておくと会話が伸びる関連語も並べておきます。direct train(直通列車)、transfer time(乗り換え時間)、cross-platform transfer(同一ホームでの乗り換え)、last connection(最終接続)、miss a connection(乗り継ぎに間に合わない)、delay(遅延)、out of service(運休)。
語彙が増えてきたところで、ここからは実際にやってしまいがちな間違いを潰していきます。
つまずきやすい間違い
- change train ではなく change trains(複数形)
- get off from the train の from は不要
- transfer は場所なら at、路線なら to
- stop と station、How long と How many stops を混同しない
案内の場面で起きがちなずれを、一つずつ整理しておきます。ここを押さえておけば、伝わり方が明らかに変わります。
change train ではなく change trains。二本の電車を入れ替えるので複数形が基本です。路線名を言うときだけ change to the ~ Line の形になり、trains は現れません。この二つの形を混ぜて change trains to the ~ Line と言うと重複した印象を与えます。
get off from the train は不要な from が入った形です。電車から降りるなら get off the train、駅で降りるなら get off at ~ Station が標準です。乗り物には前置詞なし、駅には atと整理しておきましょう。
transfer の直後に来る at と to も混同しやすい部分です。場所を言うなら transfer at Shinagawa、路線を言うなら transfer to the Yamanote Line。両方言うなら transfer to the Yamanote Line at Shinagawa の順になります。
「〜線」には the を付けます。the Yamanote Line、the Ginza Line のように定冠詞が付くのが原則です。会話では落としても通じますが、掲示の英語では the が入っています。
inner / outer loop という直訳は伝わりにくい表現です。環状線の内回り・外回りは clockwise / counter-clockwise、あるいは経由駅で説明したほうが確実に伝わります。
stop と station の使い分けも意識しましょう。駅数を数えるときは stop(s)、施設としての駅は station です。two stops away(2駅先)と at the next station(次の駅で)を混ぜないようにします。
最後に、How long と How many stops の混同です。時間なら How long does it take?、駅数なら How many stops is it? と尋ねます。答える側も、時間を聞かれたら It’ll take about ~、駅数を聞かれたら It’s ~ stops と対応させます。
とはいえ、どうしても案内できない場面もあります。そのときの伝え方も用意しておきましょう。
わからないときの誠実な伝え方
- 曖昧に答えるより、わからないと伝えたほうが親切
- 代わりの手段(駅員・案内所)を示すのがセット
- 一緒に駅員のところまで歩くだけでも十分な助けになる
- 別れぎわの一言でやり取りが気持ちよく締まる
案内できないこともあります。曖昧に答えて相手を迷わせるより、はっきり伝えたうえで代わりの手段を示すほうが、結果的にずっと親切です。
- フレーズ
- I’m sorry, but I can’t help you.
I don’t know how to get there.
I’m not familiar with this area.
I will ask the station staff.
The information desk is over there. They speak English. - 日本語訳
- ごめんなさい、お手伝いできません。/そこへの行き方はわかりません。/この辺りには詳しくないんです。/駅員に聞いてみます。/あちらに案内所があります。英語が話せます。
- 使う場面
- 経路に自信がないとき、その地域に不案内なとき。代替手段を添えるとセットで完成します。
- 注意点
- I can’t help you. だけで終えると突き放した印象になります。but the information desk is over there. のように、次の手を必ず添えましょう。
- 発音・ニュアンス
- I’m sorry, but … の but の後で少し間を置くと、申し訳なさが自然に伝わります。
一緒に駅員のところまで歩くだけでも、相手にとっては十分な助けになります。Let me ask her.(彼女に聞いてみますね。)と言って動き出せば、言葉の壁は関係なくなります。
別れぎわのひと言
案内の最後に短い言葉を添えると、やり取りが気持ちよく締まります。Thank you. に対しては You’re welcome. / No problem. / Not at all. のいずれでも構いません。
- フレーズ
- Have a nice day.
Enjoy your trip.
Enjoy the Imperial Palace.
Take care.
I hope you find it easily. - 日本語訳
- よい一日を。/旅行を楽しんでください。/皇居を楽しんでください。/気をつけて。/すぐに見つかるといいですね。
- 使う場面
- 案内を終えて別れるとき。Enjoy the ~ のように相手の目的地を入れると、ぐっと個別的で温かい印象になります。
- 注意点
- 長い挨拶は不要です。一言だけ、笑顔で添えるのがちょうどよい分量です。
ここまでの内容を、そのまま口に出せる形にまとめておきます。声に出して練習するのが、いちばん定着の早い方法です。
まとめ:そのまま使える案内テンプレートと練習メニュー
- 駅名を入れ替えるだけで使える型を5つ用意
- 尋ねる側は「必要性→場所→路線」の三段階で確認する
- 音読は自分の最寄り駅を入れて練習すると実戦的
- 1週間の練習計画で take / get off at / change trains を体に入れる
行き先と駅名を入れ替えるだけで使える型を置いておきます。声に出して練習しておくと、実際に声をかけられたときに口が動きます。

- テンプレート1|最初の電車と降車駅
- Take the next train and get off at ○○ Station. It’s ~ stops from here, about ~ minutes.
(次の電車に乗って○○駅で降りてください。ここから~駅、約~分です。) - テンプレート2|乗り換えと方面
- Then change trains at ○○ and take the △△ Line bound for □□.
(そして○○で乗り換えて、□□方面行きの△△線に乗ってください。) - テンプレート3|最終の降車と徒歩
- Get off at ×× Station. It’s about a five-minute walk from there.
(××駅で降りてください。そこから徒歩5分ほどです。) - テンプレート4|注意喚起
- Be careful not to take the rapid train. It doesn’t stop there.
(快速に乗らないよう気をつけてください。そこには停まりません。) - テンプレート5|乗り換え不要
- You don’t need to change trains. It’s a direct train.
(乗り換えは不要です。直通電車です。) - 使い方
- ○○や△△に、自分の最寄り駅と近隣の路線名を入れて音読します。実際に案内する可能性が高い経路で練習するのが、いちばん役に立ちます。
自分が海外で尋ねる側になったときは、三段階で確認すると漏れがありません。Do I need to transfer?(必要性)→ Where should I transfer?(場所)→ Which line should I transfer to?(路線)の順です。
1週間で口を慣らす練習の流れ
読んで理解しただけでは、駅で口は動きません。1日10分程度で回せる練習の流れを置いておきます。
- 1日目:take / get off at / change trains の三つを、それぞれ自分の最寄り駅を入れて10回ずつ音読する。
- 2日目:所要時間と駅数の型(It’ll take about ~ minutes. / It’s ~ stops.)を、数字を変えながら言い換える。
- 3日目:方面の言い方(heading for / bound for)を、実在の路線の行き先を入れて練習する。
- 4日目:テンプレート1〜3をつなげて、乗り換え1回の案内を通しで言い切る。
- 5日目:相手の質問(Which line should I take? など)を音声で聞き、即座に答える練習をする。
- 6日目:わからないときの伝え方と別れぎわの一言を加え、最初から最後まで通す。
- 7日目:自宅の最寄り駅から主要観光地までの経路を、実際に路線図を見ながら英語で説明してみる。
7日目の練習が終わったころには、駅で声をかけられても最初の一文が自然に出てくる感覚が生まれているはずです。あとは場数を踏むだけです。
とはいえ、一人で音読していると発音や自然さの確認が難しい部分も出てきます。実際に相手のいる環境で口に出す機会があると、定着の速度は変わってきます。
最後に、よく寄せられる疑問をまとめて解消しておきます。
よくある質問(FAQ)
- transfer と change trains の選び方に迷ったときの判断基準
- 複数形や前置詞の細かい疑問への回答
- 咄嗟に言葉が出ないときの対処法
transfer と change trains、どちらを使えばいいですか?
電車から電車への乗り換えなら、どちらでも通じます。判断に迷うときは、駅名だけを伝えるなら change trains at ~、乗り換え先の路線名まで伝えるなら transfer to the ~ Line at ~ を選ぶと自然です。電車からバス、鉄道から空港連絡バスのように交通手段が変わる場合は transfer のほうが適しています。名詞として「乗り換え1回」のように回数を言うときも transfer を使います。
なぜ change trains の trains は複数形なのですか?
今乗っている電車と次に乗る電車、二本を入れ替える動作だからです。英語では対象が二つあるため複数形が自然になります。同じ理屈で、飛行機なら change planes、バスなら change buses になります。ただし乗り換え先の路線名を言うときは change to the ~ Line の形になり、trains は現れません。change trains をひとかたまりの音として覚えてしまうのが安全です。
降りる駅を言うときの前置詞は at と in のどちらですか?
駅名の前は at です。Get off at Tokyo Station. が標準で、get off in Tokyo Station は不自然に響きます。また、電車から降りるという場合は前置詞を入れず get off the train と言います。get off from the train の from は不要です。地点として捉えるなら at、乗り物から離れる動作なら前置詞なしと整理しておくと迷いません。
山手線の内回り・外回りは英語でどう説明すればいいですか?
clockwise が外回り、counter-clockwise が内回りです。inner / outer と直訳しても初めて来た人には伝わりにくいため、時計回りという言い方のほうが理解されやすくなります。イギリス英語では anticlockwise も使われます。それでも相手が戸惑うときは、Take the train that goes to Shibuya first, not Ueno. のように経由駅で伝えるか、Check the next station on the display. と表示の確認を促すのが最も確実です。

