楽しく英語学習をするにあたって、“料理”というツールを取り入れてみるのもおすすめです。素材・器具・味・香り・触感など様々な単語を、楽しみながら学べるはずです。
ハンバーグの作り方を通して、日常会話でも使える英語表現を学習していきましょう。
レッスンの内容
料理と英語学習
英語のレシピに触れることは、生きた英語を学ぶ非常に効率の良い手段です。ビジネス用語や専門用語とは違って難易度が高すぎる単語は少なく、主にネイティブが普段使いする実用性の高い表現や言い回しで構成されています。
また、和製英語に気が付くきっかけになるのもポイントです。
- Green pepper / Bell pepper ピーマン
- Sauce ドレッシング
- Microwave 電子レンジ
- Sugar less ノンシュガー
- Cling film、Cling wrap ラップ
- Blender ミキサー
- Stove コンロ
このように一見すると英語のような言葉も、実は和製英語だったというケースは多々あります。料理と英語学習を組み合わせると、和製英語の発見という面でも役に立つのでおすすめです。
料理動画での学習
インターネット上には、様々な料理動画が投稿されています。中には日本語と英語に対応したものもあり、英語学習のツールとして非常に役に立ちます。
料理動画で学習するメリットは、比較的スローなテンポでセリフが進んでいく点です。ドラマや映画のように会話が続くのではなく、調理の仕方を視聴者が聞き取りやすいような丁寧な英語で説明しています。まさに英語学習中級者向きといっていいでしょう。
海外の料理番組では、郷土料理や家庭料理など国や地域ごとの特徴あるメニューが紹介されていることもあります。
英語学習は継続が大切ですが、毎日同じような勉強を続けるのは中々難しいものです。煮詰まったと感じた時や、今日はつかれていてやる気が出ないと感じた時のリフレッシュ手段としても、英語の料理動画はピッタリです。
ハンバーグ作りの基本的なステップ
まず「ハンバーグ」という言葉が和製英語であるということを知らない方も多いのではないでしょうか?英語にはハンバーグという単語はありません。Hamburger stake と表現し「ハンバーガーの中のお肉(パティ)の部分のようなステーキ」という意味で使われています。
そんなハンバーグ作りの基本的なステップは以下の通りです。
【How to make a hamburger stake.】
(ハンバーグの作り方)
Cut a half onion into small peaces.
玉ねぎを半分に切ってから、みじん切りにします。
Until it becomes transparent. Before it turns brown.
玉ねぎの色が透明になるまで炒め、茶色くなってしまう前に火を止めます。
Mix well the breadcrumbs soaked in milk with the meat and fried onions.
牛乳に浸しておいたパン粉と肉、炒めた玉ねぎをよく混ぜ合わせます。
Shape the meat into a ball form and press it
お肉をボール形に丸めてから、平たくつぶして成形する。
Put some oil in the pan and fry the patty.
フライパンに油をひいて、パティ(肉)を焼く。
After one side has turned brown, flip it.
焼き面が茶色くなったら、ひっくり返す。
Cover and heated the meat thoroughly.
蓋をして中までしっかり火を通す。
Pour some sauce on top.
ソースを上からかけたら完成。
後述の会話文では、料理教室での一コマに見立て作り方の行程を盛り込んだ例文を紹介しています。併せて参考にしてください。
ハンバーグ作りで使用する主要な語彙と表現
ハンバーグ作りで使う主要な語彙の中で、中級~上級者向けの単語や表現をまとめて紹介します。例文も交えて意味や使い方を確認しましょう。
【単語】
- Bread crumbs パン粉
- Soak 浸す
- Make sure to soak the dishes in water. お皿は水に浸して置いてね。
- Finely 細かく
- Beaten egg 溶き卵
- Minced meat ひき肉
- Mixture of ground beef and pork (牛と豚の)合い挽き肉
- Chop 切る、刻む
通常「切る」という単語は Cut と表現します。Cut は料理中に包丁で野菜や肉を切る以外にも、ハサミで切る・切り離すという意味を持っています。一方で Chop は、細かく刻む・削るなど、切り方に統一性なく細かい状態にする様子を表します。
【表現】
Let it sit overnight 一晩座らせる/寝かせる
Let it rest 休ませる/寝かせる
日本語では比ゆ表現として「寝る」が使われていますが、英語では「座る」や「休む」を使います。料理において、味や素材同士をなじませる工程を指して使う言葉です。
A nip of~ 一掴みの
Flip over ひっくり返す
Oil into the pan 油をひく
Heat up 温める
例)Heat this up, please. 温めてください。(コンビニなどで使えるフレーズ)
例)I heated up the soup in the microwave. 私はスープを電子レンジで温めました。
Turn off the heat 火を止める
英語でのレシピの読み方
英語で書かれたレシピをスムーズに読み理解するためには、料理に関する主要な語彙や表現を理解する必要があります。これらはレシピを理解する際だけでなく、レストランで食事を楽しむシーンやホームパーティーで料理が振る舞われるシーンなど、日常的な場面でも役に立つでしょう。
覚えておきたい単語や表現を、ジャンル別に紹介します。
料理用具と調理法
【調理用品 Cooking too】
- Kitchen knife 小さめの家庭用包丁
- Cleaver 肉切り用などの大きめの包丁
- Cutting board、Chopping board 包丁
- Pressure cooker 圧力鍋
- Colander 水切りざる
- Whisk、Hand mixer 泡だて器
- Measuring cup 計量カップ
- Rice cooker 炊飯器
アメリカでは、玉ねぎを切る際に目を保護するためのオニオンゴーグル(Onion goggles)なるキッチン用品が人気です。日本ではあまり見かけませんが、海外に行くと一家に1つゴーグルがあることも珍しくありません。
【調理法 Cooking method/Cookery】
- Stew 煮る(カレーやシチューなどを煮込む)
- Simmer 煮る(ソース作りなどで沸騰させない程度に煮ること)
- Stir fry 炒める
- Fry (フライパンで油を敷いて)焼く
- Deep fry 揚げる
同じ Fry という単語でも、そのまま使うか別の単語とセットで使うのかによって、意味する調理法が大きく変わってきます。
- Grill (網などを使って直火で)焼く
- Bake (オーブンで)焼きあげる(お菓子やパン)
- Roast (オーブンで)焼く(野菜や肉)
- Steam 蒸す
- Peal 皮をむく
- Mash つぶす
- Slice 薄切り、スライス
- Mince みじん切り千切り
- Cut it in half 半分に切る
- Cut it into 〇pieces 〇等分に切る
電子レンジは英語で Microwave です。実はこの単語は動詞としても使うことができ「電子レンジで温める」という意味をもちます。
I microwaved it for thirty seconds. 私はこれをレンジで30秒温めた。
Can you microwave it? これを電子レンジで温めてくれる?
また、日本では電子レンジで加熱することを「チンする」と表現します。英語では「Nuke」という動詞を使って表現します。
Nuke and eat it for dinner.
夜ご飯はチンして食べてね。
Can you nuke it?
これチンしてくれる?
量と温度の表現
【分量 Amount】
- Teaspoon(略称:tsp)小さじ
- Tablespoon(略称:tbsp)大さじ
- A pinch of ひとつまみ、少々
具体的な分量の指定がなく、自分の感覚で量を測る(入れる)ことを、日本語では「目分量」といいます。英語での表現も非常に似ていて、Eyeball や By eye と表記します。
本来 Eyeball は「目玉・眼球」という意味ですが、「目分量・目測」という意味で日常的によく使われる単語ですので覚えておきましょう。
Just eyeball it.
目分量で入れる。
My mother always cooks by eye.
私の母は、いつも目分量で料理を作ります。
【温度 Temperature】
- High heat 強火
- Medium heat 中火
- Low heat 弱火
- Come to a boil 沸騰
- Steaming 湯気
- Piping hot あつあつ
- Tepid、Room temperature 常温
- Cool down、cool off 冷ます
- Ice cold よく冷やす、ギンギンに冷たい
- Freeze 凍らせる
- body temperature 人肌
熱いという意味の Hot には、辛いというニュアンスもあります。特に料理について話しているシーンではどちらの意味が分からなくなってしまいがちなので、「温度が」や「できたてで」など温度の話をしていることが相手に伝わるような文章で話す工夫をしましょう。
色と食感の表現
【彩り Color scheme】
- Golden brown きつね色
- Brown 焼き色
- Skin is crispy 焦げ目をつける
日本では魚の身の色で「白身魚」「赤みの魚」とジャンル分けをすることがあります。しかし海外では日本ほど食用魚の種類が多くないので、このような色によるジャンル分けはほとんどありません。具体的な魚の名前を言って伝えることがおすすめです。
【食感 Texture】
- Crispy、Crusty パリパリ、カリカリ
- Flaky サクサク
- Crunchy ザクザク
- Chewy もっちりとした
- Fluffly ふわふわ
- Mushy ドロドロ
- Sticky ネバネバ
- Jiggly 弾力のある、プルプル
会話例
さて、ケンイチが料理教室(Cooking class)でこれから料理を始めようとしています。先生(Teacher)との会話を覗いてみましょう。
Kenichi is at the cooking class.
ケンイチが料理教室に居ます。
Teacher:Everyone, we will make the hamburger stake today.
皆さん、今日はハンバーグを作っていきましょう。
All the ingredients are on the table. From left to right, minced meat, breadcrumbs, onion, milk, salt, pepper, egg, worcester sauce, and ketchup here.
材料はすべてテーブルの上に用意してあります。左から、挽き肉・パン粉・タマネギ・牛乳・塩・こしょう・卵・ウスターソース・ケチャップです。
Kenichi:Teacher, I don’t have ketchup on my desk.
先生、僕の机にはケチャップが無いようです。
Teacher:Oh, sorry Kenichi. I’ll prepare it as soon as I’m done, okay?
あぁケンイチさん、ごめんなさいね。説明が終わったら、すぐに用意するわね。
Kenichi:Thank you.
ありがとうございます。
Teacher:First, soak the breadcrumbs in milk to soften it. Meanwhile, chop the onion.
まずは、パン粉を柔らかくするために牛乳に浸しておきます。その間に玉ねぎを刻んでいきましょう。
Kenichi:I see.
わかりました。
Teacher:When chopping onions, it’s easy to do it like this.
玉ねぎのみじん切りをする時には、このようにやると簡単にできますよ。
Kenichi:Ohh that makes sense!
なるほど!
Teacher:Your eyes will be soaked, but please cut them carefully into small pieces.
目がしみるでしょうけど、丁寧に細かく切ってくださいね。
Kenichi:Can I put chopped onions in this bowl?
切った玉ねぎは、このボウルにいれていいですか?
Teacher:Pour the oil into the pan and heat it up. And, stir fry the onions and then let them cool.
フライパンに油を引いて、温めてください。そして玉ねぎは、炒めてからそのまま冷ましておきます。
Kenichi:Until when should I stir fry it?
いつまで炒めますか?
Teacher:Until it becomes transparent. Before it turns brown, turn off the heat.
透明になるまで炒めます。茶色くなる前に、火を止めてください。
Kenichi:Turn off the heat, Ok.
火を消す、よしっ。
Teacher:Mix the meat and breadcrumbs in a bowl.
肉と先ほどのパン粉をボウルに入れて混ぜ合わせます。
Kenichi:With my hand?
手で混ぜるのですか?
Teacher:Yes. When mixed, adds salt, pepper, stir fried onions, and eggs.
そうですよ。混ざってきたら、塩・コショウ・炒めた玉ねぎ・卵も入れてください。
When you’re done mixing, cover with plastic film, and let it sit in a refrigerator for an hour.
混ぜ終わりましたら、それをラップで覆い、冷蔵庫に1時間入れておきます。
Kenichi:Making hamburgers is pretty tough.
ハンバーグ作りってなかなか難しいなぁ。
Teacher:All that’s left is to lay it down and bake it. You can almost eat a delicious hamburger.
あとはねかせて焼くだけです。あとちょっとで美味しいハンバーグが食べられますよ。
Kenichi:I just cannot wait! Take notes so I can make them at home!
楽しみです。家でも作れるように、メモを取っておこう!
ポイント
会話で出てきた単語や表現をおさらいしましょう。
Ingredients 材料・原料・成分
料理のための材料を表現したい時は、この単語を使いましょう。「材料」を意味する単語として Material もありますが、こちらは資材や素材など食品以外のものに対して使います。
例)Soya beans are the main ingredient of Tofu. 豆腐の主原料は大豆です。
例)Construction material 建築用の材料
From left to right 左から順に、向かって左から
直訳すると「左から右へ」となりますが、「左から順に~、左から説明すると~」という意味で使われる定番フレーズです。スピーチや会議などでも違和感なく使える表現なので、ぜひ覚えておきましょう。
Prepare 準備する、用意する
今回は料理教室というオフィシャルな場であるため、先生は Prepare を使っています。友人や家族との会話などカジュアルなシーンでは、同じ意味の単語 Get ready を使用すると良いでしょう。
例)I have to prepare lunch. 私は、お昼ご飯の準備をしなくてはならない。
例)I have to get lunch ready. お昼ご飯の準備をしなくちゃ。
Meanwhile その間に、そうしているうちに
類語に Meantime があります。辞書を引くと「その間」と出ますが、こちらは隙間の時間という意味合いが強い単語です。
今回の例では、パン粉を浸ける&玉ねぎを切るが同時進行ですので、Meanwhile が適切です。Meantime は同時進行で起こる事柄に対しては使われず、あくまでも事柄と事柄の隙間・合間というニュアンスになってしまいます。
例)Meanwhile, let’s have some coffee. その間、コーヒーでも飲んでましょう。(人を待っている時など)
例)I’ll cook dinner, meanwhile you should get a little sleep. 私が夕食を作るから、あなたはその間少し眠っていて。
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まとめ
いかがでしたか?ハンバーグは老若男女問わず多くの人に愛される定番の家庭料理です。美味しい料理を作り、楽しみながら英語の勉強に活かしていきましょう。
それではまた、See you!