「明日、先方とMTGです」「アポは金曜で確定しました」。社内ではすらすら出てくるのに、英語で「打ち合わせをしましょう」と切り出す瞬間だけ、口が止まる。meeting でいいのか、talk なのか、appointment なのか——その一瞬のためらいに心当たりがあるなら、この記事はまさにあなたのためのものです。

読み終えたときに手元に残るのは、単語の意味の一覧ではありません。打ち合わせを打診する、候補日を出す、変更を頼む、「ただ今打ち合わせ中です」と電話で答える、場を始めて意見を述べて締める、そして自分の担当領域を自分の言葉で説明する。その一連の流れをそのまま口に出せる状態です。

英語に不安があるうちは、得意な同僚に同席してもらうのが一番安心です。ただ、少なくとも自分の担当範囲は自分の口で説明できたほうがいい。相手の質問に通訳を介さず答えられるかどうかで、打ち合わせの密度は驚くほど変わります。声に出して練習する相手がほしくなったら英語教室のような場を使う手もありますが、まずは単語の輪郭をはっきりさせるところから始めましょう。

目次 [ close ]
  1. 「打ち合わせ」を表す英語は一語ではない
  2. Meeting:もっとも汎用的で失敗が少ない
  3. Talk:肩の力を抜いた話し合い
  4. Appointment:日時と場所を約束した面会
  5. 目的で言い分ける五つの語とその周辺
  6. 会議と打ち合わせの違いを英語で伝える
  7. 予定表とチャットで使う略記
  8. 打ち合わせを設定するときのフレーズ
    1. 打診する
    2. 候補日を出す・調整する
    3. 変更・キャンセルを伝える
    4. 事前打ち合わせ・簡単な打ち合わせ
  9. 「打ち合わせ中です」と伝える言い方
  10. 打ち合わせの流れをつくる表現
    1. 始める
    2. 意見を述べる・求める
    3. 賛成・反対・保留
    4. 割り込む・聞き返す
    5. 締める・次につなげる
  11. 技術・開発職が自分の担当を説明する会話例
    1. 会話で押さえたい語と言い回し
    2. 主語は I ではなく We
  12. そのまま使える場面別の会話例
    1. 打ち合わせの相手を探している
    2. 打ち合わせの成果を振り返る
    3. 形式を決める
    4. 所要時間を尋ねる
    5. 会議室を融通してもらう
  13. メールで打ち合わせを依頼・確認する
  14. つまずきやすいポイント
  15. 声に出して整える発音とリズム
  16. 一週間で回す練習プランと次の一歩
  17. まとめ:自分の技術を守るために話す
  18. よくある質問(FAQ)
    1. 「打ち合わせ」は英語で meeting と talk のどちらを使えばよいですか?
    2. appointment と meeting はどう使い分けますか?
    3. 「ただ今打ち合わせ中です」と電話で伝えるには何と言えばよいですか?
    4. discuss about は間違いですか?
    5. 社外メールで MTG と略して書いてもよいですか?
    6. 打ち合わせで聞き取れなかったとき、何と言えば失礼になりませんか?
    7. 主語は I と We のどちらを使うべきですか?

「打ち合わせ」を表す英語は一語ではない

この章の要点
  • 迷ったら meeting を選べば、ほとんどの場面で通じる
  • talk は軽い話し合い、appointment は日時を約束した面会
  • 目的をはっきりさせたいときは discussion / consultation / briefing などで言い分ける
  • 日本語の「打ち合わせ」は幅が広い言葉なので、英語では場の性格を語で示す

先に答えを置きます。迷ったら meeting。これが最も外れにくい選択です。そのうえで、軽さを出したいなら talk、日時を確約した面会なら appointment と広げていけば、実務の大半はカバーできます。

なぜ一語では足りないのでしょうか。日本語の「打ち合わせ」は、廊下での二分の立ち話から、資料を持ち込んで数時間かける協議まで、ひとつの言葉で引き受けてしまう便利さがあります。英語はその幅を複数の語に割り振っているため、日本語からの一対一変換ができないのです。

たとえば同僚に「ちょっと打ち合わせしよう」と言うつもりで I’d like to make an appointment with you. と言えば、相手は面談を申し込まれたように受け取ります。逆に社外の重要な面会を a quick talk と呼べば、軽く扱っている印象になりかねません。語の選択そのものが、場の重さを相手に伝えてしまうわけです。

つまり、単語を覚える作業は「意味を暗記すること」ではなく「場の性格を言い分ける手段を持つこと」です。では、中心となる三語をひとつずつ見ていきましょう。

Meeting:もっとも汎用的で失敗が少ない

この章の要点
  • meeting は「話し合うために人が集まる機会」。2人でも20人でも使える
  • 「打ち合わせをする」は have a meeting / hold a meeting のどちらでも成立
  • hold はやや公式、会話では have / set up / arrange が自然
  • meeting room は打ち合わせ室、conference room は大きめの会議室

meeting を選んでおけば失敗が少ない、という結論には理由があります。この語が指すのは「何かを話し合うために人が集まる機会、またはその場」であり、人数も形式もほとんど問わないからです。

二人だけのオンライン通話でも meeting、部門横断の大人数の場でも meeting。対面かオンラインかも問いません。日本語の「打ち合わせ」と「会議」の両方を引き受けられる、守備範囲の広い語だと考えてください。

フレーズ
I want to have a meeting this afternoon. Is there an open meeting room?
日本語訳
午後に打ち合わせをしたいのですが、空いている会議室はありますか。
使う場面
社内で急ぎの打ち合わせを立てたいとき。総務や同僚に部屋の空きを尋ねる流れで使います。
注意点・誤用例
open は「空いている」の意味。empty room と言うと「家具のない部屋」に近い響きになるため、available room / open room が無難です。
発音・ニュアンス
meeting は「ミーティング」と一音一音置くより、ミーティン(グ)のように語尾を軽く落とすと自然。アメリカ英語では t がら行に近づき「ミーリン」寄りに聞こえます。
フレーズ
Would it be possible to reschedule the meeting with Company A?
日本語訳
A社との打ち合わせの日時を変更していただくことは可能でしょうか。
使う場面
すでに確定した予定をずらしてほしいとき。社外にも上司にも使える丁寧度です。
注意点・誤用例
reschedule は「日程を組み直す」。change the meeting だけでは内容変更とも読めるため、日時なら reschedule、時刻だけなら change the time of… が明確です。
発音・ニュアンス
schedule はアメリカ英語で「スケジュール」、イギリス英語では「シェジュール」に近い音。Would it be possible to… は依頼を最も柔らかく包む型で、断られる余地を残す言い方です。

meeting を使った定番表現は、次のようにまとめて口に入れておくと便利です。

  • We have a meeting scheduled for 3 p.m. today.(今日の15時に打ち合わせが入っています)
  • The slides for the meeting are ready.(打ち合わせ用の資料が用意できました)
  • The agenda for today’s meeting is written in the slides.(本日の打ち合わせのアジェンダは資料に記載しています)
  • You’re not allowed to eat in the meeting room.(会議室での飲食は禁止です)
  • Can you take minutes during the meeting?(打ち合わせの議事録をお願いできますか)

動詞の選び方にも触れておきます。「打ち合わせをする」は have a meeting でも hold a meeting でも成立します。hold のほうがやや公式で、社内通知やメール本文に向いています。会話では have、set up、arrange が軽やかで自然です。

部屋の呼び方も押さえましょう。少人数で使う打ち合わせ室は meeting room、大人数向けの会議室は conference room。オンラインなら a call、a video call、a Zoom call のように形式で呼ぶことが増えています。

では、meeting ほど身構えたくない、廊下で済むような話し合いはどう言えばよいのでしょうか。ここで talk が登場します。

Talk:肩の力を抜いた話し合い

この章の要点
  • 名詞の talk は「話し合い」「ちょっとした打ち合わせ」
  • 会議室を予約せずその場で済ませる軽さが持ち味
  • 社外に Let’s have a talk. だけ言うと重く響くことがある
  • 形式を添えて a quick call と言えば誤解が生まれにくい

talk を選ぶ判断基準はシンプルです。構えず、その場で済む話なら talk が合います。

理由は語感にあります。talk は本来「話す」という動作の語で、名詞にしても「集まりの枠」を強く感じさせません。だから資料も議事録も想起させず、立ち話や短い通話にちょうど収まるのです。

フレーズ
Why don’t we have a little talk to set the details of the reception party?
日本語訳
懇親会の詳細を詰めたいので、少し打ち合わせをしませんか。
使う場面
同僚同士で細部を決めたいとき。a little を挟むことで「短時間で終わります」という含みが出ます。
注意点・誤用例
set the details は「詳細を決める」。decide the details でも通じますが、fix the details は「不具合を直す」と誤解されることがあります。
発音・ニュアンス
Why don’t we… は「ワイドンウィ」と一息で。提案を柔らかくする定番の型で、押しつけがましさが出ません。
  • Let’s have a talk. / Let’s talk about it.(打ち合わせをしましょう)
  • There’s something I need to tell you urgently. Can we have a talk online?(急ぎでお伝えしたいことがあります。オンラインで少し話せますか)
  • I had a productive talk with the vendor yesterday.(昨日、ベンダーと有意義な打ち合わせができました)
注意点

社外の相手に Let’s have a talk. とだけ伝えると、「折り入って話がある」という重い響きに受け取られることがあります。取引先には Could we have a quick call?(短くお電話できますか)のように形式と長さを添えると、余計な緊張を生みません。

軽さの反対側にあるのが、日時をきっちり約束する appointment です。次はこの語の守備範囲を確かめます。

Appointment:日時と場所を約束した面会

この章の要点
  • appointment は「日時を決めて会う約束」そのものを指す
  • 顧客・役職者・専門家との面会に向き、社内の気軽な相談には堅すぎる
  • 「アポを取る」は make an appointment。take an appointment は誤り
  • 英語で I have an appo. とは言わない。書き言葉の略記は appt

appointment を選ぶ場面は、日時が約束として重いときです。医者や美容室の予約にも使う語である点に、その性格がよく表れています。

この語が指しているのは「集まって話す場」ではなく「会う約束」です。だから遅刻や変更の連絡と相性がよく、逆に同僚との雑談混じりの相談に使うと、必要以上に儀式めいて聞こえます。

フレーズ
I’m so sorry. I don’t think I will make it to the appointment. The train’s delayed.
日本語訳
申し訳ありません。電車遅延のため、お約束の時間に間に合いそうにありません。
使う場面
訪問先へ遅刻を伝える電話やメッセージ。遅れる見込みが立った時点で、到着予想時刻も添えると親切です。
注意点・誤用例
make it は「間に合う」「たどり着く」。I can’t make the appointment. でも通じますが、to を入れた make it to… のほうが到着の含みが明確です。
発音・ニュアンス
appointment の強勢は真ん中の「ポイン」。日本語の「アポイントメント」のように平坦に読むと伝わりにくいので、アポ「イン」トメンt と山を作ります。
  • Our appointment with Company C is on Friday. Is that right?(C社とのお約束は金曜日で間違いないでしょうか)
  • Would it be possible to change the time of our appointment?(お約束の時間を変更していただくことは可能でしょうか)
  • Our appointment will be on Wednesday as planned.(水曜日の打ち合わせは予定どおり行います)
  • Let’s make an appointment with the president to talk about the budget for next year.(来期の予算について社長と打ち合わせを設定しましょう)
注意点

日本語の「アポ」は appointment の略ですが、英語で I have an appo. とは言いません。会話では I have an appointment、書き言葉での略記は appt です。また「アポを取る」を take an appointment と直訳するのも誤りで、make an appointment、あるいは set up / arrange a meeting が正しい形です。

三語をおさえたところで、もう一歩踏み込みます。打ち合わせの「目的」を語そのもので示せると、相手の準備が変わります。

目的で言い分ける五つの語とその周辺

この章の要点
  • discussion は意見交換、consultation は専門的な助言のやり取り
  • briefing は一方向の情報共有、debriefing は終了後の振り返り
  • huddle は数分の立ち話、gathering は緩やかな集まり
  • 語で目的を示すと、相手の準備と期待値がそろう

目的を語で示す最大の利点は、相手の準備が変わることです。「決める場」なのか「聞く場」なのかが件名の一語で伝われば、資料も参加者も自然と適切になります。

discussion は意見交換そのものに重心があります。The discussion will revolve around the new product strategy.(この打ち合わせでは新製品の方針を中心に話します)のように使えば、結論より論点を出し合う場だと伝わります。

consultation は専門的な助言を求める、または与える打ち合わせです。The design consultation will take about two hours.(デザインに関する打ち合わせは2時間ほどかかる見込みです)。技術者が客先で相談を受ける形の場によく合います。

briefing は情報伝達や指示のための短い集まり。Tomorrow, there will be a briefing on the security protocols.(明日、セキュリティ手順についての説明があります)。双方向の議論ではなく、一方向の共有が主眼です。

debriefing は終わったあとの振り返りです。After the event, we’ll have a debriefing session.(イベント後に振り返りの打ち合わせを行います)。日本語の「反省会」「事後共有」に近い位置づけになります。

huddle は数分で終わる立ち話の作戦会議。Before the presentation, the team had a quick huddle.(プレゼン前にチームで短い打ち合わせをしました)。ラグビーの円陣が語源で、現場の即席ミーティングにぴったりの語です。

似た語の gathering は人の集まり全般を指します。There’s a team gathering next week to brainstorm new ideas.(来週、新しい案を出し合うチームの集まりがあります)のように、やや緩い催しに使われます。

ノート、無地の付箋、プランナー、コーヒーが並ぶ机を真上から撮った学習用の静物
語の違いは、自分の職場の場面と結び付けて書き出すと定着しやすくなります。

ここまでは語の選択でした。次に、日本語で無意識に使い分けている「会議」と「打ち合わせ」の差を、英語でどう伝えるかを整理します。

会議と打ち合わせの違いを英語で伝える

この章の要点
  • 会議は公式の場。議題・参加者・議事録が構造化されている
  • 打ち合わせは非公式寄り。少人数で、次の動きを決める場になりやすい
  • 英語では formal / official / board を付けて公式性を示す
  • 非公式なら a quick meeting、an informal talk、a working session

英語ではどちらも meeting で片付いてしまうことが多い一方、日本語では「会議」と「打ち合わせ」を無意識に区別しています。この差を言語化しておくと、場の性格を英語で説明できるようになります。

会議は公式の場です。経営や部門方針に影響する議題が事前に設定され、参加者も役職や役割によって決まり、議事録が残ります。進行役がいて、時間配分も構造化されているのが普通でしょう。

打ち合わせは非公式寄りの場です。特定のプロジェクトやタスクに関わる人だけが集まり、規模は小さく、議事録を取らないこともあります。アジェンダはあってもよいし、なくても回ります。結論を出すより、情報を揃えて次の動きを決めることが目的になりがちです。

英語でこの差を伝えたいなら、公式度を語で示すのが手っ取り早い。formal meeting、official meeting、あるいは board meeting のように場の名前を出せば公式性が伝わります。反対に a quick meeting、an informal talk、a working session と言えば非公式さが伝わります。

フレーズ
This is not a decision-making meeting. We’d like to hear your input first.
日本語訳
これは決裁の場ではありません。まず皆さんのご意見を伺いたいと考えています。
使う場面
冒頭で期待値をそろえたいとき。海外の相手が「今日決まるはず」と構えている場合の緩衝材になります。
注意点・誤用例
input は「意見・情報提供」の意味で不可算的に使うのが一般的。your inputs と複数形にすると機械的な入力データの響きが出ます。
発音・ニュアンス
decision-making は「ディシジョンメイキン」と一語のように続けます。We’d like to は「ウィッライクトゥ」と縮めるのが自然です。

場の性格が伝えられるようになったら、日々の予定表の書き方も気になってくるはずです。次は略記を確認します。

予定表とチャットで使う略記

この章の要点
  • MTG は meeting、Appt は appointment の略
  • w/ は with、w/o は without
  • 1:1、TC、biweekly も予定表で頻出
  • 社外メールの本文では略さず meeting と綴る

結論から言えば、略記は社内向けの符号です。読む相手が同じ職場の文化を共有しているときだけ、時間の節約として機能します。

MTG は meeting の略で、小文字の mtg も見かけます。Brainstorm MTG(アイデア出しの打ち合わせ)のように件名として使われます。Appt は appointment の略で、Appt w/ ABC Corp(ABC社と打ち合わせ)のような書き方です。w/ は with、w/o は without を表します。

ほかにも 1:1(ワンオンワン。上司と部下の個別面談)、TC(telephone conference)、biweekly(隔週)などが予定表に並びます。招待メールの件名で見かけたら、その形式と頻度を読み取る手がかりになります。

注意点

社外へのメール本文に MTG と書くのは避けましょう。日本の職場で定着した略記であり、英語圏の相手には省略として認識されない場合があります。文中では meeting、appointment と綴るのが安全です。

語彙と表記の土台ができました。ここから実務の流れに入ります。まずは打ち合わせを立てる場面です。

打ち合わせを設定するときのフレーズ

この章の要点
  • 打診は Could we set up a meeting…? が万能
  • 候補日は3案出し、時間帯表記(JST など)を必ず添える
  • 変更は reschedule、延期は postpone、仮押さえは pencil in
  • 事前打ち合わせは preparatory meeting、短時間なら a quick meeting

設定の場面で押さえるべき順序は、打診、候補日、確定、そして変更です。この四段構えでフレーズを持っておくと、やり取りが途中で止まりません。

打診する

フレーズ
Could we set up a meeting sometime next week?
日本語訳
来週のどこかで打ち合わせを設定できますでしょうか。
使う場面
相手の都合を先に確かめたいとき。sometime を入れると幅を持たせられ、相手が答えやすくなります。
注意点・誤用例
set up a meeting は「打ち合わせの場を整える」。make a meeting とは言わないので注意。設定作業を人に頼むなら arrange を使います。
発音・ニュアンス
Could we は「クッウィ」と軽く。Can we より丁寧で、社外にも上司にも使える中間の距離感です。
  • Steve, could you arrange a meeting with Company A?(スティーブさん、A社との打ち合わせを手配してもらえますか)
  • I’d like to have a call to align on the specifications. Would Thursday work for you?(仕様のすり合わせのために通話を持ちたいのですが、木曜はご都合いかがでしょうか)

候補日を出す・調整する

フレーズ
Would any of these times work for you? Tuesday 10 a.m., Wednesday 2 p.m., or Friday 4 p.m. (JST)
日本語訳
次のいずれかでご都合はいかがでしょうか。火曜10時、水曜14時、金曜16時、いずれも日本時間です。
使う場面
メールで候補を提示するとき。3案に絞ると、相手の返信が一往復で済みます。
注意点・誤用例
時間帯表記を省くと一日ずれる事故が起きます。JST、CET、PST などを必ず添え、相手側の時刻も併記できればさらに安全です。
発音・ニュアンス
work for you は「都合が合う」の定番。口頭では「ワークフォユー」と軽く続け、疑問文の語尾を上げます。
  • I’m afraid I have a conflict at that time. Could we push it back an hour?(その時間は予定が重なっています。1時間後ろにずらせますか)
  • Let’s tentatively pencil it in for Monday and confirm tomorrow.(いったん月曜で仮押さえして、明日確定しましょう)

conflict は「予定の重複」を指す業務語です。忙しさを説明せずに済むので、断りの言い方として使い勝手がよい表現です。

変更・キャンセルを伝える

  • Something urgent has come up. Could we reschedule to another day?(急な用件が入りました。別日に変更できますでしょうか)
  • I’m sorry for the short notice, but I need to cancel today’s meeting.(直前のご連絡で恐縮ですが、本日の打ち合わせをキャンセルさせてください)
  • Let’s postpone the meeting until the test results come in.(試験結果が出るまで打ち合わせを延期しましょう)

short notice は「急な連絡」。I’m sorry for the short notice を先に置くだけで、直前の変更でも印象が大きく変わります。謝罪を一言先に置くのが型です。

事前打ち合わせ・簡単な打ち合わせ

  • We should have a preparatory meeting to brush up our presentation to the client.(事前打ち合わせをして、クライアントへの説明を練り上げましょう)
  • This will be a quick meeting, and I think it will only take about 15 minutes.(簡単な打ち合わせなので、15分程度で終わる見込みです)
  • Can we set up a preparatory meeting with the developers and designers beforehand?(事前に開発とデザインのメンバーで打ち合わせをしておいてよいでしょうか)

所要時間を先に伝えると、相手は参加を判断しやすくなります。では、その打ち合わせ中に外から電話が来たら、どう答えるのがよいでしょうか。

「打ち合わせ中です」と伝える言い方

この章の要点
  • 基本は in a meeting。進行中の強調なら in the middle of a meeting
  • 「〜の間に」は during the meeting
  • 終了見込みと折り返し可否を添えると相手が動ける
  • May I take a message? で用件を預かる

電話対応で最初に必要になるのがこの表現です。使い分けは単純で、状態を言うなら in a meeting、真っ最中を強調するなら in the middle of a meeting、時間の範囲を示すなら during the meeting になります。

フレーズ
I’m sorry, he’s currently in a meeting and cannot take your call. He should be out of the meeting by three. May I take a message?
日本語訳
  • Aaron of HR is in the middle of a meeting at the moment.(人事部のアーロンは、ただいま打ち合わせ中です)
  • Can you take minutes during the meeting?(打ち合わせ中の議事録をお願いできますか)
  • She’s in a meeting until noon. Would you like me to have her call you back?(正午まで打ち合わせ中です。折り返しご連絡させましょうか)

取り次ぎができるようになったら、いよいよ本番です。場を進行する言葉を順に見ていきます。

打ち合わせの流れをつくる表現

この章の要点
  • 開始は Shall we get started? と目的の明示で十分
  • 意見は In my view / From a technical standpoint で立場を示す
  • 反対は I’m afraid… で緩衝材を置く
  • 締めは To recap… と担当・期限の口頭確認

進行に必要な言葉は、実はそれほど多くありません。開始、意見、賛否、確認、締めの五つの引き出しに数フレーズずつ入れておけば、一時間の打ち合わせは回ります。

始める

  • Shall we get started?(始めましょうか)
  • Thank you all for making time today.(本日はお時間をいただきありがとうございます)
  • The purpose of this meeting is to discuss the new project.(本日の目的は新規案件の協議です)
  • Let me go over the agenda first.(まずアジェンダを確認します)
  • We are here today to decide how we start the trial production.(今日は試作の進め方を決めるために集まっています)

agenda は「アジェンダ」ではなく「アジェンダ」の真ん中に強勢を置きます。go over は「ざっと確認する」で、check より柔らかい響きです。

意見を述べる・求める

フレーズ
From a technical standpoint, we’d need at least three months.
日本語訳
技術的な観点では、少なくとも3か月は必要です。
使う場面
短い納期を求められたときに、立場を明示して現実的な見通しを示す場面。感情ではなく根拠に議論を寄せられます。
注意点・誤用例
In my opinion を連発すると主観の印象が強まります。専門領域の話なら standpoint / perspective を使い、判断の土台を示しましょう。
発音・ニュアンス
at least は「アトリースト」とつなげ、least を強めます。we’d need の ‘d を落とすと断定に聞こえるため、控えめに伝えたいときは残します。
  • In my view, the second option is more realistic.(私の見方では、二番目の案のほうが現実的です)
  • What are your thoughts on this?(この点についてどうお考えですか)
  • Any questions so far?(ここまでで質問はありますか)

賛成・反対・保留

  • I agree with you on that point.(その点は同意します)
  • That makes sense, but I have one concern.(理解できますが、一点懸念があります)
  • I’m afraid I see it differently.(恐れ入りますが、私は違う見方です)
  • Let me get back to you on that after checking with our factory.(工場に確認のうえ、改めて回答します)
注意点

反対意見をいきなり No. や That’s wrong. で切り出すと、議論ではなく対立に見えてしまいます。I’m afraid…、I see your point, however…、Could I offer another perspective? のような緩衝材を先に置くと、内容の強さを保ったまま関係を損ねずに済みます。

割り込む・聞き返す

  • May I interrupt you for a moment?(少し割り込んでよろしいですか)
  • Sorry, could you repeat that a little more slowly?(すみません、もう少しゆっくり繰り返していただけますか)
  • Just to make sure I understand, you mean the deadline moves to April?(確認ですが、期限が4月に動くという理解でよいでしょうか)
  • Could you spell that for me?(綴りを教えていただけますか)

聞き取れなかったときに黙って頷くのが、実務でもっとも損をする対応です。確認は失礼ではなく、むしろ責任感の表明として受け取られます。

締める・次につなげる

フレーズ
To recap, we agreed on the following three points. Who will follow up on this by when?
日本語訳
要点を整理すると、次の3点で合意しました。これは誰がいつまでに対応しますか。
使う場面
終了5分前。合意点を読み上げ、担当と期限を口頭で確定させる場面です。
注意点・誤用例
recap は要約の意味。長々と繰り返すのではなく、箇条レベルの短さに留めます。follow up は二語で動詞、名詞では follow-up と綴ります。
発音・ニュアンス
To recap は「トゥリーキャップ」。by when? は語尾を上げ気味にすると催促に聞こえず、確認として自然に届きます。
  • Let’s wrap things up.(そろそろ締めましょう)
  • I’ll send you the minutes and the action items by tomorrow.(議事録と対応事項を明日までにお送りします)
  • Thank you for your time today. I learned a lot from this meeting.(本日はありがとうございました。多くを学べました)
  • Let’s make this meeting ended in success by our meaningful discussion.(有意義な話し合いで、この打ち合わせを成功で終えましょう)

締めで大切なのは、誰がいつまでに何をするかを口頭で確認することです。Who will follow up on this by when? の一言が、あとからの認識違いを防ぎます。

進行の型が見えてきたところで、専門職ならではの場面に進みます。自分の担当領域を自分の言葉で語る会話例です。

技術・開発職が自分の担当を説明する会話例

この章の要点
  • 所属は I’m in the ○○ department、担当は I’m in charge of…
  • in charge of のあとは名詞でも動名詞でも成立
  • 会社同士の話し合いなので主語は We が基本、個人の見解には I
  • 専門語彙は聞き取りから伸びる分野

最後に押さえたいのは、仕様を知っている本人が話すほうが速いということです。営業職は英語に触れる機会が多い分、慣れも早い。一方で、ものづくりを支える技術・開発の担当者が自分の言葉で語れるようになると、打ち合わせの価値は段違いに上がります。

理由は単純です。細部を把握している人が直接答えれば、往復が減り、精度が上がり、相手の信頼も得やすくなります。仕様書を読み上げるだけの伝達では届かない説得力が、そこに生まれます。

小型モータ部品を手に持ち、海外の顧客担当者2名に説明する日本の技術者
担当者が自分の言葉で語ると、打ち合わせの手触りが変わります。
場面
モータを開発する技術担当者が、制御に課題を抱える海外の顧客担当者と初めて技術的な打ち合わせをする場面。
会話例
技術担当者: Hello, nice to meet you. I am in the Development department and I am in charge of researching and designing motors.
(こんにちは、はじめまして。開発部に所属し、モータの研究と設計を担当しています)

顧客担当者: Nice to meet you too. We have some problems about controlling our new machine. It is great to have a meeting with a specialist.
(こちらこそ。新しい機械の制御でいくつか問題を抱えています。専門家と打ち合わせできてうれしいです)

技術担当者: We have already looked at your project and problems, which our sales showed us before.
(弊社の営業から共有された御社の企画と課題は、すでに拝見しています)

技術担当者: We think your main problem is the matching about the power and the size of the motor. Is it correct?
(主な課題はモータの出力とサイズの整合だと考えていますが、合っていますか)

顧客担当者: Yes, it is. Do you have any motor that can fit our project?
(はい、そうです。私たちの企画に合うモータはありますか)

技術担当者: We need to have more discussion. Let’s make this meeting ended in success by our meaningful discussion.
(さらに話し合いが必要です。有意義な議論で、この打ち合わせを成功に導きましょう)

注意点
Is it correct? は認識合わせの確認。相手の課題を先に言葉にして確認する順序が、技術の打ち合わせでは特に効きます。

会話で押さえたい語と言い回し

I am in the Development department.(開発部に所属しています)。「○○部」は「○○ department」です。Sales department(営業部)、Quality Assurance department(品質保証部)、Production Engineering department(生産技術部)のように組み合わせます。I work in… や I belong to… でも通じますが、I’m in… が最も口語的で軽快です。

I am in charge of researching and designing motors.(モータの研究と設計を担当しています)。担当業務を言うときの定番が in charge of です。前置詞 of のあとは名詞または動名詞になるため、in charge of design と in charge of designing のどちらも成り立ちます。

より控えめに言いたいときは I’m responsible for…、チームでの位置づけを示すなら I work on the motor development team. と言い換えられます。名刺の肩書きをそのまま訳すより、何をしている人かを動詞で語るほうが伝わります。

語彙も足しておきましょう。controlling は「制御」、specialist は「専門家」、Is it correct? は「合っていますか」。技術系ならさらに specification(仕様)、tolerance(公差)、durability(耐久性)、torque(トルク)、prototype(試作品)、lead time(納期までの期間)、feasibility(実現可能性)が早い段階で必要になります。専門用語は日本語でも横文字のままのものが多く、聞き取りから先に伸びていく分野です。

主語は I ではなく We

先の会話をもう一度見ると、自分の名前と所属を述べる部分以外、主語は We と You になっています。打ち合わせは個人同士ではなく、会社同士の話し合いだからです。

会話中に I を使ってもさほど問題は起きません。むしろ In my view のように個人の見解として述べたいときは I が適切です。ただしメールや議事録など文書として残るものでは、会社の代表として書く立場になります。

We think…、We would like to propose…、Please let us know… と書く癖をつけておきましょう。逆に、社内の同僚と話す場面で We を多用すると、他人事のように響くことがあります。場の性質で切り替えるのが要点です。

ここからは、日常業務で発生しやすい細かな場面を会話でたどります。

そのまま使える場面別の会話例

この章の要点
  • 相手を探す、成果を振り返る、形式を決める、所要時間を尋ねる、部屋を融通する
  • It shouldn’t take more than… は所要見込みの定番型
  • How is it coming along? で進捗を軽く尋ねられる
  • face-to-face か online かは早めに確認する

打ち合わせそのものより、その前後の短いやり取りで詰まる人が多いものです。ここでは五つの場面を役割名で追いかけます。

打ち合わせの相手を探している

会話例
来訪者: I’m looking for the engineer in charge. Have you seen him?
(担当のエンジニアを探しているのですが、見かけませんでしたか)

同僚: He might be in a meeting right now. Do you want to leave a message for him?
(ただ今打ち合わせ中かもしれません。何かお伝えしましょうか)

来訪者: Then, could you tell him to call me when the meeting is over?
(では、打ち合わせが終わったら連絡するようお伝えいただけますか)

注意点
might be を使うと断定を避けられます。確認していない情報を is で言い切ると、あとで齟齬が生まれます。

打ち合わせの成果を振り返る

会話例
担当者A: The meeting went well, didn’t it?
(今日の打ち合わせはうまくいきましたね)

担当者B: Yes. It looked like they were willing to accept our proposal.
(ええ。先方は提案を受け入れてくれそうでした)

担当者A: We might need to meet up again to talk about some details, but I have a good feeling about it.
(詳細を詰めるためにもう一度必要かもしれませんが、感触は良好です)

発音・ニュアンス
went well は「ウェンウェル」と軽く。didn’t it? の付加疑問は下げ調子で言うと同意を求める柔らかい響きになります。

形式を決める

会話例
担当者A: About the next meeting — do you want to do it face-to-face or online?
(次回の打ち合わせですが、対面とオンラインのどちらにしますか)

担当者B: Can we do it online? Either Zoom or Google Meet would be great.
(オンラインでお願いできますか。いずれかの会議ツールだと助かります)

担当者A: OK, then let’s do it online. I’ll send you an invitation later.
(承知しました。ではオンラインで。後ほど招待をお送りします)

注意点
face-to-face はハイフンでつなぐ形が一般的。in person も同義で使えます。招待は send an invitation が自然で、send an invite は口語寄りです。

所要時間を尋ねる

会話例
担当者A: We’re meeting from six, right? What time is it going to end?
(打ち合わせは18時からですよね。何時ごろ終わりそうですか)

担当者B: I’m not sure, but it shouldn’t take more than an hour.
(はっきりしませんが、1時間以上はかからないと思います)

使う場面
次の予定との兼ね合いを確かめたいとき。It shouldn’t take more than… は所要見込みを伝える便利な型です。

進捗を尋ねる How is it coming along?(進み具合はどうですか)と併せて覚えておくと、打ち合わせ前後の会話が回り出します。

会議室を融通してもらう

会話例
担当者A: It says you have a meeting from ten tomorrow. Could we switch meeting rooms? I need a bigger room for some guests.
(明日10時から打ち合わせと出ていますが、部屋を交換していただけませんか。来客対応で広い部屋が必要でして)

担当者B: Sure, no problem. Can you go ahead and change the room on my calendar?
(構いません。カレンダー上で変更しておいてもらえますか)

注意点
go ahead and… は「そのまま進めてよい」という許可の表現。change だけを頼むより、相手に主導権を渡す響きになります。

口頭のやり取りが固まったら、文面です。メールは型を持っておけば緊張が減ります。

メールで打ち合わせを依頼・確認する

この章の要点
  • 依頼は I am writing to request a meeting regarding… で始める
  • 目的を一文で明示すると、相手の準備が的確になる
  • 確認メールは日付・曜日・時刻・時間帯をすべて書く
  • 終了後は決定事項、宿題、期限、担当者を残す

メールの型は三つで足ります。依頼、確認、御礼と議事録。この三通を用意しておけば、打ち合わせ一件がひととおり回ります。

依頼の書き出しは I am writing to request a meeting regarding the motor specifications.(モータ仕様に関する打ち合わせをお願いしたく連絡しました)。候補日は Would either of the following work for you?(下記のいずれかでご都合はいかがでしょうか)と続け、時間帯表記を必ず添えます。

目的を明示するなら The purpose is to align on the delivery schedule and confirm the test conditions.(納期の認識合わせと試験条件の確認が目的です)。目的の一文があるだけで、相手が持参する資料が変わります。

フレーズ
This is to confirm our meeting on Tuesday, June 9, at 10:00 a.m. JST.
日本語訳
6月9日火曜10時、日本時間での打ち合わせを確認いたします。
使う場面
日程が固まった直後の確認メール。日付・曜日・時刻・時間帯の四点をすべて書き切るのが要点です。
注意点・誤用例
日付表記は国によって順序が異なります。数字だけの表記は避け、月名を綴ると読み違いが起きません。
発音・ニュアンス
This is to confirm… は事務的で中立な書き出し。丁寧さを足したいときは I would like to confirm… に替えます。

終了後は Thank you for your time today. Please find the minutes and action items below.(本日はありがとうございました。議事録と対応事項を以下に記載します)で締め、決定事項、宿題、期限、担当者を箇条で残します。ここまで書いておけば、後日の解釈違いはほぼ防げます。

最後に、実務で繰り返し見かける誤用を潰しておきましょう。ここを直すだけで印象が変わります。

つまずきやすいポイント

この章の要点
  • discuss は他動詞なので about は不要
  • attend は参加、join はオンラインで入る動作
  • 「打ち合わせ通りに」は as discussed in the meeting
  • 曖昧な頷きは合意と受け取られる。持ち帰りは明言する

誤用の多くは、日本語からの直訳と、丁寧さの度合いの取り違えから生まれます。ひとつずつ確認します。

注意点

discuss about は誤りです。discuss は他動詞なので about は不要で、We discussed the schedule. が正しい形。about を付けたい場合は動詞を替えて We talked about the schedule. とします。同様に「〜について説明する」は explain about ではなく explain the details / explain to you です。

appointment と meeting の取り違えも定番です。同僚に I’d like to make an appointment with you. と言うと、面談を申し込むような硬さが出ます。社内は meeting、社外や上位者は appointment がおおよその目安になります。

「アポを取る」の直訳にも注意が必要です。take an appointment ではなく make an appointment、または set up / arrange a meeting を使います。予約の確認は confirm my appointment、取り消しは cancel my appointment です。

join と attend の使い分けも押さえましょう。「打ち合わせに参加する」は attend the meeting、オンラインで入る動作は join the meeting。招待するときは I’ll send you an invitation. が自然です。

「打ち合わせ通りに」は as discussed in the meeting が定番。Please proceed as discussed in the meeting.(打ち合わせで話し合った通りに進めてください)のように使います。メールでは as per our discussion もよく見かけます。

注意点

曖昧に頷いた結果、合意したと受け取られる事故は珍しくありません。社内確認が必要なら I need to check internally before I can commit.(社内確認のうえ回答します)と明言しましょう。持ち帰りは弱さではなく、責任範囲の明示として評価されます。

沈黙の扱いも文化差が出るところです。日本語の打ち合わせでは考える沈黙が許容されますが、英語での場では発言意思がないと解釈されがちです。Let me think about that for a second. と言葉で埋めるだけで、場のリズムを保てます。

では、これらをどう身体に入れるか。音とリズムの練習に移ります。

声に出して整える発音とリズム

この章の要点
  • 強勢の位置を間違えると、単語が通じにくくなる
  • appointment、agenda、schedule は日本語発音の癖が出やすい
  • 句のまとまりで区切ると聞き取ってもらいやすい
  • 録音して聞き返すのが最短の自己修正法

通じにくさの原因は、多くの場合ひとつの音ではなく強勢の位置です。カタカナで覚えた語は平坦になりやすく、相手が単語を拾えません。

打ち合わせで頻出する語の山を確認しましょう。appointment はアポ「イン」トメン。agenda はア「ジェン」ダ。schedule はアメリカ英語で「スケ」ジュール、イギリス英語では「シェ」ジュールに近い音です。specification はスペシフィ「ケー」ション。feasibility はフィージ「ビ」リティ。

次に句のまとまりです。Would it be possible / to reschedule the meeting / with Company A? のように三つの塊で区切ると、息が続き、相手も追いやすくなります。単語ごとに区切るとかえって聞き取りにくくなる点が意外なところです。

練習手順は三段階でどうでしょうか。まず日本語訳を見ずに音読、次にスマートフォンで録音、最後に自分の音を聞いて強勢と区切りだけを直す。意味は分かっている文なので、音に集中できます。

この練習を、実際の予定に紐づけて回していきます。次の章で一週間の型を示します。

一週間で回す練習プランと次の一歩

この章の要点
  • 1日1テーマ、10分の音読と書き出しで回す
  • 自己紹介一文、製品説明三文を先に固める
  • 実際の予定表の件名を英語で書き換えると定着しやすい
  • 週末に録音を聞き返して強勢だけ直す

練習の設計で大事なのは、覚える量ではなく自分の業務に紐づけることです。汎用フレーズを百個並べるより、自分が来週使う十個を口に馴染ませたほうが実戦で出ます。

一日目は所属と担当の一文。I’m in the ○○ department and I’m in charge of ○○. を、自分の部署名と業務で埋めて十回声に出します。ここが詰まると、以降の会話すべてが重くなります。

二日目は設定の型。Could we set up a meeting…? と候補日三案を、実際に来週入っている予定で書いてみます。三日目は変更と延期。reschedule、postpone、short notice を使った三文を用意します。

四日目は電話対応。in a meeting、should be out by…、May I take a message? の三点セットを、実際の同僚の名前で言い換えます。五日目は進行。Shall we get started? から To recap… までを通しで音読します。

六日目は自分の製品や担当領域の説明を三文で。何であるか、何が強みか、どこに注意が必要か。この三文が言えると、質問を受けても押し黙らずに済みます。七日目は録音を聞き返し、強勢と区切りだけを直します。

夜の自宅デスクでヘッドセットを着け、ノートパソコンに向かって英語を練習する人
一日十分でも、声に出した表現は打ち合わせ本番で出てきやすくなります。

とはいえ、ひとりで音読を続けると、通じているかどうかの手応えが得にくいものです。相手のいる場で試したいと感じたら、話す機会を確保する選択もあります。

まとめ:自分の技術を守るために話す

この章の要点
  • 技術の価値を伝える会話力は、技術を守る手立てのひとつ
  • 専門職の語彙は外来語が多く、聞き取りから伸びやすい
  • 所属と担当を一文、製品を三文で言えるところを目標に
  • 打ち合わせの英語は、暗記ではなく持ち場を守る道具

外資系で働く人は英語への抵抗が薄い傾向があります。一方、いわゆる日本企業では、英語を使う営業職が増えてきた反面、技術や開発の現場ではまだ機会が限られているように見えます。

誇れる技術をさらに広く示すには、その中身を一番よく知っている専門職が自分の言葉で語る必要があります。価値を伝えられる人が語るほど、選ばれる可能性は上がります。

国際的な取引の環境も、各国が自国の利益を強く主張する方向へ揺れています。そうした中で自分たちの仕事を守るには、技術そのものを守る手立てが要ります。特許による保護はもちろん大切ですが、価値を相手に伝え、選ばれる立場に立つための会話力も同じくらい効いてきます。

専門職の語彙は日本語でも外来語のままのものが多く、単語から入れば聞き取りが先に伸びることも珍しくありません。まずは自分の所属と担当を一文で言えるようにする。次に、自分の製品の特徴を三文で説明できるようにする。そこまで来れば、打ち合わせで質問を受けても押し黙らずに済みます。

最後に、読み進めながら浮かんだであろう疑問に答えていきます。

よくある質問(FAQ)

この章の要点
  • 単語選びの迷いは meeting を軸に整理する
  • 電話対応と聞き返しは型を持っておけば怖くない
  • 文書では We を主語に、略記は社内限定で使う

「打ち合わせ」は英語で meeting と talk のどちらを使えばよいですか?

迷ったら meeting を選んでください。人数や形式を問わず「話し合うために集まる機会」を指すため、二人のオンライン通話から大人数の場まで幅広く通じます。talk は会議室を予約せずその場で済ませるような軽い話し合いに向く語で、社外の相手に Let’s have a talk. とだけ伝えると重い用件があるように響くことがあります。軽さを出したいときは a quick call や a quick chat のように形式と長さを添えると安全です。

appointment と meeting はどう使い分けますか?

appointment は日時を決めて会う約束そのものを指し、顧客や役職者との面会、医者や美容室の予約などに使います。meeting は話し合う場を指すため、社内の打ち合わせに向きます。目安としては社内は meeting、社外や上位者との面会は appointment です。同僚に I’d like to make an appointment with you. と言うと面談を申し込むような硬さが出るため、その場面では meeting を選びます。

「ただ今打ち合わせ中です」と電話で伝えるには何と言えばよいですか?

He’s currently in a meeting and cannot take your call. が基本形です。真っ最中であることを強調したいときは in the middle of a meeting、時間の範囲を示すときは during the meeting を使います。状況を伝えたあとに He should be out of the meeting by three. のように終了見込みを添え、May I take a message? で用件を預かる流れにすると、相手が次の行動を決められます。

discuss about は間違いですか?

間違いです。discuss は他動詞なので前置詞の about は不要で、We discussed the schedule. が正しい形になります。about を使いたい場合は動詞を替えて We talked about the schedule. とします。名詞の discussion を使うなら a discussion about the schedule や a discussion on the schedule のように前置詞を伴えます。

社外メールで MTG と略して書いてもよいですか?

避けたほうが安全です。MTG は日本の職場で定着した meeting の略記で、英語圏の相手には省略として認識されない場合があります。社内のカレンダーやチャットでは MTG、Appt、w/、1:1、TC、biweekly などの略記が実務的ですが、社外へのメール本文では meeting、appointment と綴ってください。

打ち合わせで聞き取れなかったとき、何と言えば失礼になりませんか?

Sorry, could you repeat that a little more slowly? や Just to make sure I understand, you mean the deadline moves to April? のように、確認したい内容を添えて聞き返すのが最も安全です。固有名詞なら Could you spell that for me? が使えます。黙って頷くと合意したと受け取られる恐れがあるため、確認は失礼ではなく責任感の表明として受け取られると考えてください。

主語は I と We のどちらを使うべきですか?

打ち合わせは会社同士の話し合いなので、基本は We です。特にメールや議事録など文書として残るものでは、We think…、We would like to propose…、Please let us know… と書く癖をつけておくと立場が明確になります。一方で In my view のように個人の見解として述べる場面では I が適切です。社内の同僚と話すときに We を多用すると他人事のように響くことがあるため、場の性質で切り替えてください。

打ち合わせの英語は、暗記した表現をなぞる作業ではなく、自分の持ち場を守るための道具です。meeting、talk、appointment の使い分けから始めて、少しずつ自分の言葉を増やしていってください。

それではまた、See you!