「あの人に憧れています」「海外で暮らすことに憧れています」と英語で伝えようとして、単語が出てこなかったことはありませんか。辞書を引くと複数の候補が見つかるため、どれを選べば自然なのか迷いやすい言葉です。

英語には、日本語の「憧れる」とすべての場面で一致する一語がありません。相手の能力に感心するのか、お手本にしているのか、その人のようになりたいのか、理想の生活を夢見ているのかによって表現を選びます。

最初に覚えたいのは、admire、look up to、want to be like、dream ofの四つです。この四つを使い分けられるだけでも、人、職業、暮らし、映画の登場人物への憧れをかなり自然に話せます。声に出して練習したい場合は、英語教室で講師との会話に取り入れる方法もあります。

この記事では、表現ごとの意味だけでなく、使う対象、感情の強さ、文法、発音、間違えやすい形まで順番に整理します。最後には会話練習、仮定法、復習メニュー、よくある疑問も用意しています。まずは、「憧れる」という気持ちの中身を分けるところから始めましょう。

目次 [ close ]
  1. 「憧れる」の英語は気持ちを分けて選ぶ
  2. admireは能力や人柄をすばらしいと思う気持ち
    1. the wayを使うと行動の仕方を褒められる
  3. look up toは尊敬する人をお手本にする表現
    1. admireとの違いは「模範」の有無
  4. want to be likeは「その人のようになりたい」
    1. want to beとwant to be likeを区別する
  5. dream ofとI’ve always wanted toで夢や暮らしへの憧れを表す
    1. dream aboutは眠っているときの夢にも使う
    2. I’ve always wanted toは会話で使いやすい
  6. long for・yearn for・aspire toで感情の強さを調整する
    1. aspire toは夢を目標へ変える表現
  7. 対象別に「憧れる」の英語を使い分ける
    1. 家族や身近な人に憧れる
    2. 有名人や物語の登場人物に憧れる
    3. 職業に憧れる
    4. 海外生活や理想の暮らしに憧れる
    5. 外見や持ち物に憧れる
    6. 恋愛上の「憧れの人」
  8. adore・envy・respectとの違いを押さえる
  9. 仮定法で「もし憧れの存在になれたら」を表す
    1. If I wereとIf I wasの違い
    2. 実現可能な未来にはwillを使う
  10. 会話で憧れについて尋ね、理由まで伝える
  11. よくある誤用を自然な英文に直す
    1. admireの前にtoを置かない
    2. dream ofの後ろは-ing形
    3. 軽い希望にlong forを多用しない
    4. adoreとadmireを混同しない
    5. 感情の強さは副詞でも調整できる
  12. 発音練習と一週間の復習メニュー
    1. 置き換え練習
    2. 一週間の実践メニュー
  13. 迷ったときに使える選択手順
  14. 「憧れる」の英語に関するQ&A

「憧れる」の英語は気持ちを分けて選ぶ

この章の要点
  • 日本語の「憧れる」は、尊敬、願望、夢、切望などを含む
  • 対象と気持ちを確認すると、自然な英語を選びやすい

最初の答えはシンプルです。「憧れる」を英語にするときは、単語を直接置き換えるのではなく、何をどう感じているかを考えます。同じ人物について話す場合でも、気持ちによって英文が変わるからです。

たとえば、「姉に憧れている」という日本語には、「姉の強さに感心している」「姉をお手本にしている」「姉のような人になりたい」という複数の意味が考えられます。英語では、それぞれを別の表現で伝えます。

  • I admire my sister.:姉の能力や人柄をすばらしいと思っています。
  • I look up to my sister.:姉を尊敬し、お手本にしています。
  • I want to be like my sister.:姉のような人になりたいです。

一方、「海外生活に憧れている」なら、人への尊敬を表す表現は使いません。I’ve always wanted to live abroad.やI dream of living abroad.が自然です。このように、まず対象が「人」なのか「職業・経験・暮らし」なのかを確認するだけでも候補を絞れます。

表現 中心となる気持ち 主な対象
admire 能力や人柄をすばらしいと思う 人、能力、作品、態度
look up to 尊敬してお手本にする 人
want to be like その人のようになりたい 人、登場人物
dream of 実現したい未来を夢見る 職業、経験、暮らし
have always wanted to 以前から続く願い 行動、旅行、職業
long for / yearn for 手の届きにくいものを切実に求める 自由、平和、故郷、愛情
aspire to 努力を伴う高い目標を持つ 職業、達成、理想像
憧れを表す複数の英語表現をカードで整理する日本人学習者
感心、尊敬、願望、夢を分けると表現を選びやすくなります。

選択に迷ったら、「相手のすばらしさを評価しているのか」「自分も近づきたいのか」「未来の生活を思い描いているのか」と自問してみてください。では、中心となる表現を一つずつ詳しく見ていきましょう。

admireは能力や人柄をすばらしいと思う気持ち

この章の要点
  • admireは能力、人柄、勇気、努力などへの感心を表す
  • 人だけでなく、態度、作品、景色にも使える

admireは、相手の能力や性格、行動を見て「すばらしい」と感じる場合に適しています。日本語では「感心する」「尊敬する」「憧れる」に近く、評価や称賛が中心です。

人を目的語として直接置けるほか、勇気、考え方、仕事ぶりなども目的語にできます。理由を明確にしたいときは、admire+人+for+理由が便利です。

フレーズ
I admire her courage.
日本語訳
私は彼女の勇気をすばらしいと思っています。
使う場面
困難な状況でも行動した人について、その勇気を称賛するときに使います。
注意点・誤用例
I admire to her courage.とはしません。admireは前置詞を挟まず、目的語を直接続けます。
発音・ニュアンス
admireは「アドマイア」に近く、後半のmireを強めます。単なる好みではなく、価値を認めて感心する響きがあります。
フレーズ
I admire my teacher for her patience.
日本語訳
私は先生の忍耐強さに感心しています。
使う場面
先生や同僚などについて、尊敬する具体的な理由まで伝える場面に向いています。
注意点・誤用例
for her patienceのforは「理由」を示します。admire her to her patienceにはしません。
発音・ニュアンス
admire herは区切りすぎず、「アドマイアラー」のようになめらかにつなぐと自然です。

the wayを使うと行動の仕方を褒められる

相手の行動全体に憧れているなら、I admire the way+主語+動詞が役立ちます。日本語の「その人の〜する姿に憧れる」「〜の仕方がすてきだと思う」に近い形です。

  • I admire the way she treats everyone with respect.:彼女が誰にでも敬意を持って接する姿に感心しています。
  • I admire the way he stays calm under pressure.:重圧の中でも冷静でいる彼の姿をすばらしいと思います。
  • I admire your positive attitude.:あなたの前向きな姿勢に感心しています。

なお、admireには、美しいものを眺めて楽しむ意味もあります。We stopped to admire the view.なら「景色を眺めるために立ち止まった」です。したがって、作品に使った場合は「その作品のようになりたい」ではなく、作品を高く評価している意味になります。

look up toは尊敬する人をお手本にする表現

この章の要点
  • look up toは尊敬と模範の気持ちを含む
  • 基本的に人へ使い、物や暮らしには使わない

look up to someoneは、相手を尊敬し、自分が学ぶべきお手本として見ている場合に使います。単に能力を評価するだけでなく、自分もその人に近づきたいという気持ちが感じられる表現です。

フレーズ
I’ve always looked up to my mother.
日本語訳
私はずっと母に憧れ、母をお手本にしてきました。
使う場面
家族、先生、先輩、上司、選手など、長く尊敬している人物について話すときに使えます。
注意点・誤用例
I look up my mother.では意味が変わります。尊敬の意味ではtoを省略できません。
発音・ニュアンス
look up toは「ルック・アップ・トゥ」と一語ずつ切らず、「ルカップトゥ」に近くつなげます。温かい尊敬を表しやすい言い方です。

admireとの違いは「模範」の有無

admireは、すばらしさを認めることが中心です。一方、look up toには、その人物から学びたい、お手本にしたいという方向性があります。

  • I admire her singing voice.:彼女の歌声をすばらしいと思います。
  • I look up to her as a singer.:歌手として彼女を尊敬し、お手本にしています。

有名な選手の技術を見て感心しただけならadmireが合います。その選手の練習姿勢や生き方も含めて自分の模範にしているなら、look up toがよく合います。両方の気持ちがあるなら、I admire her and really look up to her.と続けても自然です。

注意点

look up toの対象は基本的に人です。「都会暮らしに憧れる」をI look up to city life.とは言いません。I dream of living in the city.やI’ve always wanted to live in a big city.を使いましょう。

では、「尊敬している」だけでなく、「その人と同じようになりたい」と直接伝える場合はどうすればよいのでしょうか。次の表現なら、その願いを明確にできます。

want to be likeは「その人のようになりたい」

この章の要点
  • want to be like+人で「その人のようになりたい」
  • want to be+職業なら「その職業になりたい」

相手の性格、生き方、考え方に憧れ、自分も同じような人になりたいなら、want to be like+人が自然です。ポイントは、likeを入れることです。

フレーズ
I want to be like my grandmother.
日本語訳
祖母のような人になりたいです。
使う場面
家族、先生、先輩、著名人、物語の登場人物などを自分の理想像として話す場面です。
注意点・誤用例
I want to be my grandmother.では「祖母本人になりたい」という意味に近づきます。「祖母のように」ならlikeが必要です。
発音・ニュアンス
会話ではwant toが「ウォナ」に近く聞こえることがあります。学習時はまず単語を正確に発音し、その後でなめらかにつなげましょう。

want to beとwant to be likeを区別する

want to be+職業・立場は、その職業や役割になることを望む表現です。want to be like+人は、人物の性質や生き方に近づきたいという意味です。

  • I want to be a teacher.:先生になりたいです。
  • I want to be like my teacher.:先生のような人になりたいです。
  • I want to be a teacher like her.:彼女のような先生になりたいです。

三つ目の文は、職業と理想像を同時に示せる便利な形です。たとえば、I want to be a doctor like him.なら「彼のような医師になりたい」となり、医師という進路と、その人をお手本にする気持ちの両方が伝わります。

注意点

I want her.は「彼女に憧れている」にはなりません。文脈によっては、相手を恋愛対象として求める強い響きになります。尊敬ならI admire her.、お手本ならI look up to her.、同じようになりたいならI want to be like her.を選びます。

dream ofとI’ve always wanted toで夢や暮らしへの憧れを表す

この章の要点
  • dream of doingは将来の夢や理想を表す
  • I’ve always wanted toは以前から続く願いを会話で自然に伝えられる

職業、海外生活、旅行、創作活動などへの憧れには、dream ofがよく合います。頭の中にある理想の未来を思い描く表現で、dream of+名詞または動名詞の形を取ります。

フレーズ
I dream of living by the sea.
日本語訳
海辺で暮らすことを夢見ています。
使う場面
理想の住まいや将来の生活について、夢のある言い方をしたいときに使います。
注意点・誤用例
I dream of live by the sea.は誤りです。ofは前置詞なので、動詞はlivingのように-ing形にします。
発音・ニュアンス
dream ofは「ドリーム・オブ」と離さず、「ドリーマヴ」に近くつなげます。日常的な希望よりも、心に描く夢らしい響きがあります。
  • I dream of becoming an astronaut.:宇宙飛行士になることを夢見ています。
  • She dreams of working in the film industry.:彼女は映画業界で働くことを夢見ています。
  • We dream of owning a small house in the countryside.:私たちは田舎に小さな家を持つことを夢見ています。

dream aboutは眠っているときの夢にも使う

dream aboutは、眠っているときに見た夢にも、起きているときの想像にも使えます。I dreamed about my old school last night.なら「昨夜、昔の学校の夢を見ました」です。

dream ofとdream aboutは意味が重なる場合もありますが、将来実現したい目標をはっきり表すならdream ofが分かりやすい選択です。「宇宙飛行士になる夢」ならdream of becoming an astronautと覚えておくとよいでしょう。

I’ve always wanted toは会話で使いやすい

以前から持ち続けている憧れを伝えるなら、I’ve always wanted to+動詞の原形が自然です。大げさになりにくく、旅行、経験、仕事、生活など幅広い話題に使えます。

フレーズ
I’ve always wanted to see the northern lights.
日本語訳
ずっとオーロラを見てみたいと思っていました。
使う場面
旅行の計画や、いつか経験したいことについて話す日常会話に適しています。
注意点・誤用例
現在完了形なので、過去に生まれた願いが今まで続いていることを示します。過去の一時期だけの夢なら、期間を付けてI wanted to…と表せます。
発音・ニュアンス
I’ve alwaysを「アイヴ・オールウェイズ」とつなぎ、alwaysをやや強く言うと、長く続いてきた願いが伝わります。

I always wanted to be a writer when I was a child.なら「子どものころは、いつも作家になりたいと思っていた」です。この文だけでは、今も作家を目指しているか分かりません。現在まで願いが続くなら、I’ve always wanted to be a writer.が適しています。

long for・yearn for・aspire toで感情の強さを調整する

この章の要点
  • long forとyearn forは強く切実な願いに向く
  • aspire toは努力を伴う高い目標に向く

long forとyearn forは、自由、平和、故郷、愛情などを長く強く求める表現です。軽い希望ではなく、切実さや届きにくさを含むことがあります。

フレーズ
She longs for a peaceful life.
日本語訳
彼女は穏やかな生活を切望しています。
使う場面
現在の状況から離れ、長く求めてきた静かな暮らしを望むような場面です。
注意点・誤用例
新しい小物が欲しい程度の希望に使うと、劇的に聞こえる場合があります。軽い希望ならwantやwould loveが自然です。
発音・ニュアンス
longの語末は「グ」を強く出しすぎず、鼻に響かせます。感情的で、文章や物語にもよくなじむ表現です。

名詞ならlong for peace、行動ならlong to see my family againのように使えます。yearnも同様に、yearn for freedomやyearn to travelという形が可能です。

  • He yearns for freedom.:彼は自由を切実に求めています。
  • They longed for their hometown.:彼らは故郷を恋しく思っていました。
  • She yearns to explore the world.:彼女は世界を探検することを切望しています。

aspire toは夢を目標へ変える表現

aspire toは、価値のある高い目標に向かって努力する姿勢を含みます。「いつかなれたらいい」という希望より、「そこを目指している」という志に近い表現です。

フレーズ
I aspire to become a researcher.
日本語訳
私は研究者になることを志しています。
使う場面
進路、応募書類、面接、スピーチなどで、長期的な目標や向上心を示す場面に合います。
注意点・誤用例
動詞を続けるときはaspire to becomeのようにto不定詞を使います。ここでのtoは不定詞の印です。
発音・ニュアンス
aspireは「アスパイア」に近く、後半を強く読みます。wantより改まっており、目標へ向かう意志が感じられます。

気軽な会話で「先生になりたい」ならI want to be a teacher.で十分です。将来の使命や高い目標として語るなら、I aspire to be a teacher who inspires children.のように表せます。

対象別に「憧れる」の英語を使い分ける

この章の要点
  • 人、職業、暮らし、外見、恋愛では自然な表現が異なる
  • 日本語の文ではなく、実際に伝えたい内容から英文を作る

表現の意味を覚えたら、次は対象ごとに選ぶ練習をしましょう。判断の軸は、尊敬・模範・願望・切望のどれに近いかです。

家族や身近な人に憧れる

  • I admire my friend for never giving up.:決して諦めない友人をすばらしいと思います。
  • I’ve always looked up to my father.:私はずっと父を尊敬し、お手本にしてきました。
  • I want to be a caring person like my grandmother.:祖母のような思いやりのある人になりたいです。

理由まで付けると会話が続きやすくなります。I look up to my older sister because she is calm, honest, and reliable.なら、「姉は冷静で誠実で頼りになるので、お手本にしています」と具体的に伝えられます。

有名人や物語の登場人物に憧れる

  • I admire that actor’s dedication to his work.:あの俳優の仕事への献身に感心しています。
  • She looks up to that singer.:彼女はその歌手を尊敬し、お手本にしています。
  • As a child, I wanted to be like that character.:子どものころ、その登場人物のようになりたいと思っていました。
  • I dreamed of becoming a space explorer.:宇宙探検家になることを夢見ていました。

架空の人物にもadmireやwant to be likeを使えます。勇気を称賛するならadmire、自分もその人物のように行動したいならwant to be likeが自然です。

職業に憧れる

フレーズ
I’ve always wanted to be a pilot.
日本語訳
私はずっとパイロットに憧れてきました。
使う場面
子どものころからの夢や、長く抱いている進路への関心を話す場面です。
注意点・誤用例
職業になる場合はbe a pilotです。特定の人物のようなパイロットになりたいなら、be a pilot like herとします。
発音・ニュアンス
現在まで続く夢を穏やかに伝える表現です。dream ofより会話的で、日常の自己紹介にもなじみます。
  • I want to be a pilot.:パイロットになりたいです。
  • I dream of becoming a pilot.:パイロットになることを夢見ています。
  • I aspire to become a pilot.:パイロットになることを目指しています。

wantは率直な希望、dream ofは心に描く夢、aspire toは努力を伴う志を表します。どれが正しいかではなく、どの気持ちを伝えたいかで選びます。

憧れの人物や職業について英語で会話練習をする日本人学習者と講師
理由を一文加えると、憧れについての会話が広がります。

海外生活や理想の暮らしに憧れる

  • I’ve always wanted to live abroad.:海外で暮らすことにずっと憧れています。
  • She dreams of living in New York.:彼女はニューヨークで暮らすことを夢見ています。
  • I’d love to live by the sea someday.:いつか海辺で暮らせたらすてきだと思います。
  • He longs for a quieter life.:彼はもっと静かな暮らしを切望しています。

I’d love toは、「ぜひそうしたい」「できたらすてきだ」という温かい希望です。dream ofほど夢らしくせず、wantより柔らかく伝えたいときに役立ちます。

外見や持ち物に憧れる

  • I wish I had hair like hers.:彼女のような髪だったらいいのにと思います。
  • I’d love to have a dress like that.:あのようなドレスを持てたらすてきです。
  • I’ve always wanted a house with a large garden.:大きな庭のある家にずっと憧れています。

外見について「自分も同じ特徴を持っていたら」と言うなら、wish+過去形が自然です。admireを使うと、相手の外見を眺めて評価する響きが出る場合があります。自分の願いを明確にするならwishやwould love to haveが分かりやすいでしょう。

恋愛上の「憧れの人」

日本語の「憧れの人」は、尊敬している人物にも、恋愛感情を持つ相手にも使えます。英語では区別が必要です。

  • She is someone I really look up to.:彼女は私が心から尊敬している人です。
  • He is my ideal.:彼は私の理想の人です。
  • I have a crush on him.:私は彼に恋心を抱いています。
注意点

my crushは恋愛上の「好きな人」を表すカジュアルな言い方です。先生や上司を尊敬しているという意味で使うと、恋愛感情があるように受け取られる可能性があります。

adore・envy・respectとの違いを押さえる

この章の要点
  • adoreは強い好意、envyはうらやましさ、respectは敬意を表す
  • 日本語では「憧れる」と訳せても、英語の中心的な意味は異なる

adoreは「大好きでたまらない」という強い好意です。尊敬や目標より、愛着が中心です。I adore that character.なら「その登場人物が大好きです」という意味になります。

envyは、相手が持つ能力、物、状況を自分も欲しいと思う「うらやましさ」です。敬意より比較の気持ちが前に出るため、場面によっては嫉妬に近く聞こえます。

  • I envy her confidence.:彼女の自信がうらやましいです。
  • I admire her confidence.:彼女の自信をすばらしいと思います。
  • I wish I were as confident as she is.:私も彼女と同じくらい自信があればと思います。

相手への肯定的な称賛を伝えたいならadmireが安全です。「私にもそれがあれば」という自分の願いを表すならwishを使えます。

respectは、人格、判断、権利、立場を認めて敬意を払うことです。I respect her decision.は「彼女の決断を尊重します」であり、「彼女のようになりたい」という意味は含みません。

フレーズ
I respect him, but I don’t want to be like him.
日本語訳
彼には敬意を持っていますが、彼のようになりたいわけではありません。
使う場面
敬意と憧れが必ずしも同じではないことを明確にしたい場面です。
注意点・誤用例
respectだけでは、お手本にしている気持ちは明示されません。その意味を加えるならlook up toを使います。
発音・ニュアンス
respectは後半のspectを強く読みます。相手との距離があっても成立する、落ち着いた敬意の表現です。

仮定法で「もし憧れの存在になれたら」を表す

この章の要点
  • 現実と異なる空想はIf+過去形, would+動詞の原形で表す
  • 実現可能な未来条件ではif節に現在形、主節にwillを使う

魔法使いや物語の主人公など、現実とは異なる存在になった自分を想像するなら、仮定法が役立ちます。基本形は、If+主語+過去形, 主語+would+動詞の原形です。

フレーズ
If I were a wizard, I would use magic to help people.
日本語訳
もし私が魔法使いだったら、魔法を使って人々を助けるでしょう。
使う場面
物語の世界や実現しにくい状況について、自由に想像を広げる場面です。
注意点・誤用例
標準的な仮定法では、主語がIでもIf I wereを使います。過去形ですが、過去の出来事を表しているわけではありません。
発音・ニュアンス
If I wereは「イファイ・ワー」に近くつなげます。wouldは強く言いすぎず、後ろの動詞を明瞭に発音します。
  • If I had wings, I would fly around the world.:もし翼があったら、世界中を飛び回るでしょう。
  • If I could use magic, I would make people smile.:もし魔法が使えたら、人々を笑顔にするでしょう。
  • If I were a famous actor, I would support young artists.:もし有名な俳優だったら、若い芸術家を支援するでしょう。

If I wereとIf I wasの違い

If I were you, I would talk to her.は「もし私があなたなら、彼女と話します」です。話し手が相手本人になることは現実にはないため、仮定法のwereを使います。

一方、If I was rude yesterday, I’m sorry.は「もし昨日、私が失礼だったのなら、ごめんなさい」です。実際に失礼だった可能性を残しており、過去の事実が不明という条件なのでwasが自然です。

実現可能な未来にはwillを使う

現実的な進路や将来の行動なら、仮定法ではなく通常の条件文を使えます。If I become a teacher, I will help children enjoy learning.なら、「もし先生になったら、子どもたちが学ぶことを楽しめるようにします」です。

注意点

未来の条件でも、通常はif節にwillを置きません。If she gets into trouble, I will help her.が基本です。If she will get into troubleとはしません。

文法の選択は客観的な確率だけでなく、話し手がどれほど現実的に捉えているかも示します。俳優を現実的な進路として考えるならIf I become an actor、遠い空想として語るならIf I were a famous actorという違いを出せます。

会話で憧れについて尋ね、理由まで伝える

この章の要点
  • 質問もadmire、look up to、role modelで意味を分ける
  • 答えには理由と自分の目標を一文ずつ加える

「誰に憧れていますか」と尋ねたいときも、何を知りたいかによって質問が変わります。相手がすばらしいと思う人物ならWho do you admire?、お手本にしている人物ならWho do you look up to?が自然です。

  • Who do you admire?:誰をすばらしいと思いますか。
  • Who do you look up to?:誰を尊敬し、お手本にしていますか。
  • Who is your role model?:あなたのお手本は誰ですか。
  • Who did you want to be like as a child?:子どものころ、誰のようになりたいと思っていましたか。
  • What did you dream of becoming?:何になることを夢見ていましたか。

答えるときは、人物名や関係だけで終わらせず、becauseで理由を加えると会話が広がります。さらに、自分もどうなりたいかを一文加えると、憧れの中身が具体的になります。

会話
講師:Who do you look up to?
学習者:I look up to my grandmother because she is kind, strong, and honest.
講師:What do you want to learn from her?
学習者:I want to be as calm and caring as she is.
日本語訳
講師:誰を尊敬し、お手本にしていますか。
学習者:祖母です。優しく、強く、誠実だからです。
講師:祖母から何を学びたいですか。
学習者:祖母と同じくらい冷静で思いやりのある人になりたいです。
使う場面
自己紹介、英会話レッスン、友人との価値観についての会話に使えます。
注意点・誤用例
as calm and caring as she isで「彼女と同じくらい冷静で思いやりがある」を表します。最初のasを落とさないようにします。
発音・ニュアンス
質問の最後を極端に上げず、自然に下げると落ち着いた会話になります。becauseの後ろは、性格を表す短い形容詞を並べると話しやすくなります。
会話
講師:Is there a place you’ve always wanted to visit?
学習者:Yes. I’ve always wanted to visit Paris.
講師:What attracts you to the city?
学習者:I admire its architecture, and I’d love to visit its museums.
日本語訳
講師:以前から訪れたいと思っている場所はありますか。
学習者:はい。ずっとパリを訪れたいと思っていました。
講師:その街の何に引かれますか。
学習者:建築がすばらしいと思いますし、美術館にもぜひ行ってみたいです。
使う場面
旅行、文化、建築、美術について話す場面です。憧れの場所を話題にできます。
注意点・誤用例
街そのものをお手本にするわけではないため、I look up to Paris.とは言いません。訪問の願いにはwant to visitを使います。
発音・ニュアンス
What attracts you to…は「何があなたを引き付けますか」という質問です。場所への関心を深掘りする柔らかな尋ね方です。

よくある誤用を自然な英文に直す

この章の要点
  • admireは目的語を直接取り、look up toにはtoが必要
  • dream ofの後ろの動詞は-ing形にする

表現の意味が分かっていても、前置詞や語順を混同すると不自然になります。ここでは、特に起こりやすい誤りを、正しい形と並べて確認します。

admireの前にtoを置かない

  • 誤:I admire to my teacher.
  • 正:I admire my teacher.
  • 正:I look up to my teacher.

admireは人を直接目的語に取ります。一方、look up toは三語で一つの表現なので、toが必要です。admire+人、look up to+人を一組で覚えましょう。

dream ofの後ろは-ing形

  • 誤:I dream of live abroad.
  • 正:I dream of living abroad.
  • 正:I dream of becoming a writer.

ofは前置詞なので、動作を続ける場合は動名詞を置きます。living、traveling、working、becomingのように、-ing形へ変えることが大切です。

軽い希望にlong forを多用しない

  • 大げさに聞こえる場合がある:I long for a new phone.
  • 日常的:I want a new phone.
  • 柔らかな希望:I’d love to get a new phone.

long forは文法的に間違いでなくても、対象によっては感情が重く響きます。長年会えない家族、故郷、自由、平和などにはよく合います。

adoreとadmireを混同しない

  • I adore my teacher.:先生が大好きです。
  • I admire my teacher.:先生の能力や人柄をすばらしいと思います。

adoreは強い好意、admireは称賛や感心です。親しみを伝えたいのか、敬意を伝えたいのかを考えると選びやすくなります。

感情の強さは副詞でも調整できる

  • I really admire her.:彼女に本当に憧れています。
  • I deeply admire her commitment.:彼女の献身に深く感銘を受けています。
  • I’ve always looked up to him.:私はずっと彼をお手本にしてきました。
  • I absolutely adore that character.:その登場人物が大好きでたまりません。

really admireは日常会話で使いやすく、deeply admireは手紙やスピーチにも合う改まった響きです。副詞を増やしすぎず、一つだけ選ぶと英文がすっきりします。

発音練習と一週間の復習メニュー

この章の要点
  • 単語だけでなく、意味のまとまりごと声に出す
  • 自分の憧れに置き換え、短い間隔で繰り返す

表現を会話で使えるようにするには、単語一覧を眺めるだけでなく、自分に関係する文を声に出すことが大切です。長い文を一気に読むのではなく、意味のまとまりで区切ります。

  • I admire her / for her courage.
  • I’ve always looked up to / my older sister.
  • I dream of / living abroad.
  • If I were a pilot, / I would travel around the world.

最初は区切ってゆっくり読み、次に区切りを保ったまま速度を少し上げます。最後に録音して、語尾が消えていないか、前置詞を落としていないかを確認します。ネイティブらしい速さより、意味が明瞭に伝わる発音を優先しましょう。

置き換え練習

次の空欄へ、自分に関係する人物、理由、夢を入れてください。一つの型から複数の文を作ると、単語と文法を同時に定着させやすくなります。

  1. I admire ______ for ______.
  2. I look up to ______ because ______.
  3. I want to be like ______.
  4. I’ve always wanted to ______.
  5. I dream of ______ing.
  6. If I were ______, I would ______.

たとえば、I admire my colleague for her patience.、I look up to my father because he always keeps his promises.、I dream of writing stories for children.のように作れます。事実として自分が感じている内容を使うと、実際の会話でも思い出しやすくなります。

録音機能と復習カードを使って憧れに関する英文を練習する日本人学習者
短い英文を録音し、前置詞や語尾まで確認してみましょう。

一週間の実践メニュー

  1. 一日目:admire、look up to、want to be likeの違いを確認し、それぞれ一文作る。
  2. 二日目:家族や身近な人を題材に、理由をbecauseで加える。
  3. 三日目:dream ofとI’ve always wanted toを使い、旅行や暮らしの願いを三文作る。
  4. 四日目:long for、yearn for、aspire toの強さを比べ、使う場面を日本語で説明する。
  5. 五日目:If I were…, I would…を使い、空想の英文を三文作る。
  6. 六日目:Who do you look up to?への回答を三十秒ほどで話し、録音する。
  7. 七日目:作った文を見ずに話し、言えなかった部分だけ見直す。

復習では、すべてを毎回やり直す必要はありません。迷った表現、前置詞を落とした箇所、発音しにくかったまとまりを優先します。「正解を読む」だけで終えず、一度自分の言葉で答えてから確認する流れが有効です。

迷ったときに使える選択手順

この章の要点
  • 対象が人か、職業・行動・暮らしかを最初に確認する
  • 尊敬、模範、願望、切望、目標のどれかを選ぶ

会話中に迷ったら、次の順番で判断してください。最初に対象を確認し、その後で感情の中身を選べば、候補をすばやく絞れます。

  1. 人の能力や性格をすばらしいと思うなら、admire。
  2. 人を尊敬し、お手本にしているなら、look up to。
  3. その人のようになりたいなら、want to be like。
  4. 職業や立場になりたいなら、want to be。
  5. 将来の夢や理想の生活を思い描くなら、dream of。
  6. 以前から続く願いなら、I’ve always wanted to。
  7. 遠くにあるものを切実に求めるなら、long forまたはyearn for。
  8. 努力を伴う高い目標なら、aspire to。

たとえば、ある物語の主人公について話す場合でも、勇気を称賛するならI admire the character’s courage.、お手本にするならI look up to the character.、同じようになりたいならI want to be like the character.です。

その世界で暮らす夢ならI dream of living in a world like that.、空想をさらに広げるならIf I lived in that world, I would go on an adventure.と表せます。一つの日本語から一つの英単語を探すのではなく、伝えたい気持ちを英文にすることが大切です。

憧れは、ただ遠くから眺める気持ちだけではありません。誰かの勇気を認めること、お手本から学ぶこと、夢を言葉にすること、現実の小さな行動へ移すことも含まれます。まずは自分が憧れている人物や暮らしを一つ選び、今日覚えた形で二文作ってみてください。

I admire her kindness. I want to be as kind as she is.のように、称賛と自分の願いを分けて話せれば、短い英語でも気持ちは具体的に伝わります。

「憧れる」の英語に関するQ&A

この章の要点
  • 疑問が多い表現の違いを短く確認できる
  • 自分の場面に最も近い回答を会話へ取り入れられる

「憧れる」は英語で一語にできますか?

すべての場面で使える一語はありません。能力や人柄への感心ならadmire、人をお手本にするならlook up to、その人のようになりたいならwant to be like、将来の夢ならdream ofが自然です。

admireとlook up toの違いは何ですか?

admireは能力、性格、行動などをすばらしいと思う表現です。look up toは相手を尊敬し、自分のお手本として見る気持ちを含みます。評価が中心ならadmire、模範の気持ちまで伝えるならlook up toが適しています。

「あなたのようになりたい」はI want to be youでよいですか?

通常はI want to be like you.と言います。I want to be you.は「あなた本人になりたい」という強く不自然な響きになることがあります。「あなたのような人」を表すlikeを入れましょう。

dream ofの後ろには動詞の原形を置けますか?

動作を続ける場合は動名詞を使います。「海外で暮らすことを夢見る」はI dream of living abroad.です。I dream of live abroad.とはしません。

海外生活への憧れにlook up toは使えますか?

look up toは基本的に尊敬する人へ使うため、暮らしには使いません。I’ve always wanted to live abroad.やI dream of living abroad.が自然です。

long forとwantはどう使い分けますか?

wantは日常的な希望に幅広く使えます。long forは、自由、平和、故郷などを長く強く求める感情的な表現です。軽い買い物の希望ではwantのほうが自然な場合が多くあります。

「憧れの人」は英語で何と言いますか?

尊敬してお手本にする人ならsomeone I look up toやmy role modelが使えます。恋愛感情を持つ相手ならmy crushが使えますが、意味が異なるため場面に応じて区別が必要です。

If I wereとIf I becomeはどう違いますか?

If I wereは現実と異なる空想や可能性が低い状況を表し、主節にはwouldを使います。If I becomeは実現可能な未来条件を表し、主節にはwillを使えます。