英語で「お疲れ様」は?ネイティブが使う労い・挨拶フレーズ完全ガイド
日本語の「お疲れ様」にピッタリの英語はない!ビジネス・日常・メール…シーン別にネイティブが使う感謝・労い・挨拶の英語表現を徹底解説!
レッスンの内容
はじめに:英語に「お疲れ様」はない!?その理由と代替表現をマスター!
職場で同僚とすれ違う時、仕事を終えて退社する時、プロジェクトをやり遂げた仲間を労う時… 日本語の「お疲れ様」は、本当に様々な場面で使える魔法の言葉ですよね。相手への気遣いや感謝、共感、挨拶など、多くの意味をこの一言で表現できます。
しかし、英語でコミュニケーションをとる際、「『お疲れ様』って英語でなんて言うんだろう?」と困った経験はありませんか?それもそのはず、実は英語には、日本語の「お疲れ様」と全く同じように、あらゆる場面で使える万能な直訳表現が存在しないのです!
「えっ、じゃあ英語圏の人はどうやって相手を労ったり、挨拶したりするの?」と疑問に思いますよね。英語では、日本語の「お疲れ様」が持つ様々な意味合いを、状況や伝えたい気持ちに応じて、より具体的な言葉で表現します。
この記事では、そんな英語の「お疲れ様」に代わる表現を徹底的に解説します!
これを読めば、あなたも英語での気遣いマスターに!
- なぜ英語に直訳の「お疲れ様」がないのか?日本語との文化・表現の違いを解説。
- シーン別!ネイティブが使う代替フレーズを網羅:
- 相手の努力や成果を労う時(Good job! Thank you for~ など)
- オフィスですれ違う時の挨拶(How are you? など)
- 退社時の挨拶(See you! Have a good evening! など)
- 共同作業が終わった時の達成感・感謝を表す時(We made it! など)
- メールで使える「お疲れ様です」「お世話になっております」に代わる表現。
- 英語で気遣いを伝える際の注意点と文化的背景。
- 実践練習で使い方をしっかり定着!
この記事を読めば、「お疲れ様」と言いたい様々な場面で、自信を持って適切な英語表現を選べるようになります。状況に応じた自然な英語で、相手への気遣いをスマートに伝えましょう!
なぜ英語に直訳の「お疲れ様」がない?日本語との文化・表現の違い
英語に「お疲れ様」の直訳がない理由を理解するために、まずは日本語の「お疲れ様」が持つ意味の広さと、英語圏の文化との違いを見てみましょう。
日本語「お疲れ様」の多機能性
私たちが普段何気なく使っている「お疲れ様」は、実は以下のような非常に多くの機能を持っています。
- 労い: 相手の労働や努力に対するねぎらい。「大変でしたね」「ご苦労様」
- 感謝: 相手の働きや協力に対するお礼。「ありがとう」
- 挨拶: オフィスですれ違う時、会議の開始・終了時、退社時などの定型的な挨拶。「こんにちは」「さようなら」
- 共感: 相手の状況や苦労への理解を示す。「大変ですね」「お察しします」
- 終了の合図: 会議や仕事の区切りを示す。
このように、一つの言葉で様々なニュアンスを伝えられる、非常に便利で独特な表現なのです。
英語圏の文化と表現の違い
一方、英語圏の文化では、一般的に以下のような傾向があります。
- 具体的な表現: 曖昧さを避け、状況や伝えたい意図に応じて、より具体的で直接的な言葉を選ぶ傾向があります。「労い」「感謝」「挨拶」などを一つの言葉でまとめて表現することは稀です。
- 個人主義: 日本のような集団主義よりも、個人の自立性や成果が重視される傾向があります。「相手の疲れを察して労う」という文化が日本ほど強くないため、「お疲れ様」という概念自体が生まれにくかったと考えられます。
- 成果を褒める文化: 努力の過程よりも、具体的な成果や貢献に対して「Good job!」「Well done!」のように直接的に褒めることが一般的です。
このような文化的な背景から、英語には日本語の「お疲れ様」のように多機能で便利な万能フレーズが存在しないのです。そのため、英語で「お疲れ様」の気持ちを伝えたい場合は、「今、自分は相手に何を伝えたいのか?(労い?感謝?挨拶?)」を考え、それに合った具体的な英語表現を選ぶ必要があります。
シーン別!ネイティブが使う「お疲れ様」の代わりの英語表現
では、具体的にどのような英語表現を使えば、「お疲れ様」の気持ちを伝えられるのでしょうか?様々なシチュエーション別に見ていきましょう。
① 相手の努力や成果を労う時
仕事やプロジェクトを終えた同僚や部下、何かをやり遂げた相手に対して、労いや賞賛の気持ちを伝えたい場合の表現です。

成果を具体的に褒めるのが英語流!
【労い・賞賛のフレーズ】
-
Good job! / Well done! / Great work! / Nice work!
よくやった! / 素晴らしい仕事だ! / いい仕事だね!
(※注意! 基本的に同僚や目下の人に対して使います。目上の人には使いません。) -
You did a great job! / Excellent work!
素晴らしい仕事をしましたね! / 優秀な出来栄えです!(上記より少し丁寧) -
Thank you for your hard work. / I appreciate your hard work.
大変な仕事(努力)をありがとう。 / あなたの頑張りに感謝します。(感謝を強調) -
Thank you for your effort.
努力してくれてありがとう。 -
You must be tired. / You’ve got to be tired.
疲れているでしょう。 / お疲れでしょう。(相手の疲れを気遣う。目上の人にも使えるが、親しい間柄で) -
You’ve worked hard today.
今日はよく働きましたね。/ 今日は大変でしたね。 -
Get some rest. / You should get some rest.
少し休んでください。/ 休んだ方がいいですよ。
② オフィスですれ違う時の挨拶
廊下やエレベーターなどで同僚や上司とすれ違う際の、日本語の「お疲れ様です」に代わる軽い挨拶です。

すれ違い時の挨拶は “How’s it going?” などが自然
【軽い挨拶フレーズ】
- Hi! / Hello!
やあ! / こんにちは! (最もシンプル) - How are you (doing)? / How’s it going?
調子はどう? / うまくいってる? (定番の挨拶。返答は “Good, thanks. You?” など) - Good morning / afternoon / evening.
おはようございます / こんにちは / こんばんは。(時間帯に応じた丁寧な挨拶) - Keeping busy? / Busy day?
忙しそうだね? / 忙しい一日?(相手が忙しそうに見える時に) - Are you all right?
元気? / 調子どう? (※主にイギリス英語。他の地域では「大丈夫?」と心配しているように聞こえるので注意) - What are you up to?
何してるの? / 最近どう?(カジュアル。親しい同僚などに)
③ 退社時の挨拶
仕事を終えて帰る際の挨拶です。残っている人への気遣いの言葉も一緒に覚えましょう。
【自分が帰る時の挨拶】
- Bye! / See you! / See you tomorrow (or Monday, next week, etc.).
バイバイ! / またね! / また明日(月曜日に、来週)! - Have a good evening. / Have a good night.
良い夜を。 - Have a good weekend.
良い週末を。(金曜などに) - I’m leaving now. / I’m heading out. / I’m off.
もう帰ります。/ 出ます。/ 失礼します。(自分が帰ることを伝える) - I’m leaving for the day, [Boss’s name].
[上司の名前]さん、本日はこれで失礼します。(上司への丁寧な報告)
【残る人への声かけ】
- Take care.
気をつけてね。/ 元気でね。 - Don’t work too hard.
あまり働きすぎないでね。/ 無理しないでね。 - See you tomorrow.
また明日。
④ 共同作業が終わった時
チームでプロジェクトなどを終えた時の達成感や、協力への感謝を示す表現です。
- We did it! / We made it!
やったね! / やり遂げたね! - Good teamwork, everyone!
皆さん、良いチームワークでした! - Thanks for your help. / Thanks for everything.
手伝ってくれてありがとう。/ 色々ありがとう。 - I couldn’t have done it without you.
あなたなしではできませんでした。 - Let’s grab a drink sometime to celebrate!
お祝いに今度一杯飲みに行きましょう!
メールで使える「お疲れ様です」「お世話になっております」表現
ビジネスメールの冒頭で使う日本語の「お疲れ様です」や「お世話になっております」も、英語に直接対応する決まり文句はありません。代わりに、相手の状況を気遣う丁寧な挨拶文を使います。

メールの冒頭は “Hope you are doing well.” などで始めよう
【メールの冒頭挨拶】
- Hi [相手の名前], / Dear [相手の名前],
(最も一般的。Dearの方が少しフォーマル) - Hope you are doing well. / I hope this email finds you well.
お元気でお過ごしのことと存じます。(定番の丁寧な書き出し) - Hope you had a good weekend/holiday.
良い週末/休暇を過ごされたことと思います。(週明けや休暇明けに) - It was nice talking to you earlier.
先ほどはお話しできて良かったです。(電話の後などに) - Thank you for your email / quick response.
メール(迅速なご返信)ありがとうございます。(返信の場合) - Thank you for reaching out. / Thank you for contacting us. / Thank you for getting in touch.
ご連絡ありがとうございます。(相手からの最初の連絡に対して)
これらの挨拶の後、すぐに本題に入ります。
【メールの結び】
- Thank you for your time and consideration.
お時間とご配慮をいただきありがとうございます。 - Thank you for your cooperation.
ご協力ありがとうございます。 - Best regards, / Kind regards, / Regards,
敬具(一般的) - Sincerely,
敬具(よりフォーマル)
文化的背景:英語圏の職場文化とコミュニケーション
「お疲れ様」という表現がない背景には、文化的な違いも影響しています。
- 仕事とプライベートの区別: 英語圏では、日本に比べて仕事とプライベートをはっきり分ける意識が強い傾向があります。終業時間になれば、残っている同僚に過度に気を遣うことなく、自分の時間を大切にするという考え方が一般的です。そのため、退社時の挨拶も比較的シンプルです。
- 結果・成果の重視: プロセスや努力そのものを労う「お疲れ様」よりも、具体的な成果や貢献に対して「Good job!」と直接的に評価・賞賛するコミュニケーションが好まれます。
- フラットな関係性(の場合も): 役職に関わらず、ファーストネームで呼び合うなど、比較的フラットな関係性の職場も多くあります(もちろん、業界や企業文化によります)。そのため、過度に丁寧すぎる表現が逆に距離を感じさせることもあります。
もちろん、相手への気遣いや感謝を示すことは重要ですが、その表現方法が日本とは異なることを理解しておくことが大切です。
ここに注意!英語で気遣いを伝える際のNG表現
良かれと思って使った表現が、意図せず失礼にあたる可能性もあります。以下の点に注意しましょう。
- “You are tired.” の直訳: 日本語の「お疲れ様です」を直訳して “You are tired.” と言うのは避けましょう。「あなたは疲れている」と断定的に聞こえ、相手によっては「余計なお世話だ」「失礼だ」と感じる可能性があります。気遣うなら “You must be tired.” のように推量の形を使うのがベターです。
- “Good job!” を目上の人に: 前述の通り、「Good job!」や「Well done!」は基本的に目下や同僚に対して使う言葉です。上司や目上の人に使うと、上から目線で評価しているように聞こえ、大変失礼にあたります。目上の人には「Thank you for your help/support/advice.」のように感謝を伝えるのが適切です。
- 過度な心配や同情: 相手の状況を過度に心配したり、同情しすぎたりする表現も、場合によっては相手の能力を低く見ていると受け取られる可能性があります。相手との関係性に合わせて、適切な距離感を保つことが大切です。
実践練習:フレーズ選択クイズ&ロールプレイ
学んだ表現を使ってみましょう。
【フレーズ選択クイズ】次の状況で、より適切な表現を選びましょう。
- 部下が難しいプロジェクトを成功させた時にかける言葉: (a) How are you doing? (b) Excellent work! (c) See you tomorrow.
- エレベーターで乗り合わせたあまり話したことのない同僚への挨拶: (a) Good job! (b) You must be tired. (c) Hi, how’s it going?
- 金曜日の退社時に、残っている同僚にかける言葉: (a) Hope you are doing well. (b) Have a good weekend! (c) Thank you for getting in touch.
- 初めてメールを送る相手への冒頭の挨拶: (a) Hi John, (b) What are you up to? (c) Dear Mr. Smith, Hope this email finds you well.
- 遅くまで残業している同僚への気遣いの言葉: (a) Well done! (b) Don’t work too hard. (c) I’m heading out.
【ロールプレイ】オフィスでの退社挨拶
あなたが仕事を終えて帰るところです。まだ残っている同僚のBさんに声をかけます。
あなた:(帰ることを伝える挨拶)
Bさん:(返事の挨拶)
あなた:(Bさんを気遣う一言)
(解答例は下にスクロール)
【フレーズ選択クイズ 解答例】
- 1. (b) Excellent work! (または Good job! など)
- 2. (c) Hi, how’s it going? (または他の軽い挨拶)
- 3. (b) Have a good weekend!
- 4. (c) Dear Mr. Smith, Hope this email finds you well.
- 5. (b) Don’t work too hard. (または Take care. など)
【ロールプレイ 解答例】
あなた:I’m leaving now. / I’m heading out.
Bさん:Okay, see you tomorrow! / Alright, take care!
あなた:You too. Don’t work too hard! / Have a good evening!
まとめ:「お疲れ様」の気持ちを、状況に応じた英語で伝えよう
日本語の「お疲れ様」という便利な言葉に相当する英語表現はありませんが、その代わりに、状況や伝えたい気持ちに応じて様々な英語フレーズを使い分けることで、相手への気遣いや感謝、労いの気持ちを伝えることができます。
この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ実践で使ってみてください。
- 「お疲れ様」の直訳はない!伝えたい気持ち(労い、感謝、挨拶など)を明確に。
- 労いは”Good job!”(目下へ)や”Thank you for your hard work.”
- 挨拶は”How are you?”や”Good evening.”
- 退社時は”See you!”や”Have a good night.”
- メールでは”Hope you are doing well.”など丁寧な挨拶を。
- 相手との関係性やTPOを考えて表現を選ぶ。
最初は難しく感じるかもしれませんが、具体的な言葉で気持ちを伝える練習を重ねることで、英語でのコミュニケーションはよりスムーズで、心のこもったものになるはずです。
相手への気遣いを忘れずに、自信を持って英語でのコミュニケーションを楽しんでくださいね!