【完全ガイド】英語で救急車を呼ぶ!緊急時に命を救う必須フレーズ・会話例文集
海外旅行中や留学先で、もし自分や周りの人が突然倒れたら…?考えただけで冷や汗が出ますよね。「救急車を呼びたいけど、英語でなんて言えばいいんだろう?」「パニックで言葉が出てこなかったらどうしよう?」そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際に、緊急時に正確な情報を伝えられるかどうかは、その後の対応に大きく影響します。一刻を争う状況で、言葉の壁によって貴重な時間を失うわけにはいきません。この記事では、海外で救急車を呼ぶ際に必要な英語フレーズや会話の流れを、誰にでも分かりやすく、そして具体的に解説します。この記事を最後まで読めば、万が一の事態に直面しても、落ち着いて命を救う行動が取れるようになります。緊急時のコミュニケーションには、やはり基本的な英会話力が不可欠です。もし、基礎からしっかりと英語を学びたいと考えているなら、信頼できる英会話スクールで学ぶのも一つの方法です。
レッスンの内容
まずはこれだけ覚えよう!英語で「救急車を呼んで」と伝える基本フレーズ
緊急事態が発生したとき、まず一番大切なのは助けを求めることです。パニックになっても、これから紹介する基本的なフレーズさえ覚えておけば、最初の重要な一歩を踏み出すことができます。
周囲の人に助けを求める場合
もし周りに人がいるなら、大声で助けを求めましょう。遠慮している場合ではありません。シンプルかつ力強く伝えることが重要です。
基本フレーズ:
Call an ambulance! (救急車を呼んで!)
これが最も直接的で分かりやすい表現です。「please」をつける余裕があればより丁寧になりますが、緊急時には必須ではありません。
その他の表現:
- Someone, call 911! (誰か、911番に電話して!) ※アメリカの場合
- Help! We need an ambulance! (助けて!救急車が必要です!)
- Please call for help! (助けを呼んでください!)
特定の誰かにお願いする場合は、相手を指差して「You! Call an ambulance! (あなた!救急車を呼んで!)」と言うと、より確実に行動を促せます。
自分で電話をかける場合
周りに誰もいない、または自分が電話をかける必要がある場合は、落ち着いて緊急通報番号にダイヤルし、最初のオペレーターに要件を伝えます。
オペレーターへの第一声:
I need an ambulance. (救急車が必要です。)
シンプルに、必要なものを伝えましょう。「I’d like to call an ambulance.」よりも直接的で緊急性が伝わります。
状況を付け加える場合:
- There’s an emergency. I need an ambulance. (緊急事態です。救急車が必要です。)
- Hello, I’m reporting a medical emergency. (もしもし、医療的な緊急事態を報告します。)
【要注意】「Call me an ambulance」はなぜ間違い?
英語学習者が陥りやすい有名な間違いが「Call me an ambulance」です。これは文法的には正しいのですが、意味が全く異なってしまいます。
誤った表現: Call me an ambulance.
→ 意味: 「私を救急車と呼んでください。」
これは、第五文型(S+V+O+C)の構文で、「me」が「an ambulance」である、という意味になってしまいます。自己紹介で「私は救急車です」と言っているような、非常に奇妙な響きになります。
正しい表現: Call an ambulance for me.
→ 意味: 「私のために救急車を呼んでください。」
誰かのために呼んでほしい場合は、for + (人) を使います。この「for」があるかないかで、意味が天と地ほど変わってしまうので、絶対に間違えないようにしましょう。緊急時に焦っていても、「Call an ambulance!」とシンプルに叫ぶのが最も安全で確実です。
【ステップ別】緊急通報(911・999)で使える英会話シミュレーション

オペレーターは冷静なプロです。落ち着いて質問に答えましょう。
実際に緊急通報すると、オペレーター(dispatcher)から矢継ぎ早に質問されます。パニックにならず、落ち着いて一つずつ答えることが重要です。ここでは、アメリカの「911」を例に、通報から救急車到着までの流れをシミュレーションしてみましょう。
ステップ1: 緊急事態であることを伝える
電話がつながると、まずオペレーターが場所と用件を確認してきます。
Operator: 911, what’s your emergency?
(911です。緊急事態ですか?)
You: I need an ambulance. There’s been a car accident.
(救急車が必要です。交通事故がありました。)
最初に「Ambulance (救急車)」「Police (警察)」「Fire (消防)」のどれが必要かを伝えるのが一般的です。「What’s your emergency?」は「どうしましたか?」という意味なので、何があったかを簡潔に述べましょう。
ステップ2: 必要なサービス(救急車)を伝える
多くの場合はステップ1で伝わりますが、改めて「何が必要か」を明確に伝えることが重要です。医療的な緊急事態であることを強調しましょう。
Operator: Okay, do you need medical assistance?
(わかりました、医療支援が必要ですか?)
You: Yes, we need an ambulance right away.
(はい、すぐに救急車が必要です。)
「Medical assistance」「paramedics(救急隊員)」も「救急車」と同じ文脈で使われます。「Right away」や「Immediately」(どちらも「すぐに」という意味)といった言葉を加えると、緊急性がより伝わります。
ステップ3: 状況と症状を正確に伝える
オペレーターは、救急隊員が現場に到着する前に状況を把握するため、具体的な質問をしてきます。聞かれたことに簡潔に、そして正直に答えましょう。
Operator: Tell me exactly what happened.
(何があったか正確に教えてください。)
You: A man collapsed on the street. He is unconscious and not breathing.
(男性が道で倒れました。意識がなく、呼吸もしていません。)
Operator: How old is he, approximately?
(彼はおおよそ何歳くらいですか?)
You: I think he’s in his 60s.
(60代くらいだと思います。)
Operator: Is he bleeding?
(出血はありますか?)
You: No, I don’t see any blood.
(いいえ、血は見えません。)
わかる範囲で構いません。わからない場合は「I don’t know」や「I’m not sure」と正直に伝えましょう。推測で不正確な情報を与えるのは避けるべきです。
ステップ4: 現在地(場所)を明確に伝える
最も重要な情報の一つが場所(ロケーション)です。住所がわかる場合は、番地から正確に伝えましょう。
Operator: What’s your location? / What’s the address of the emergency?
(現在地はどこですか? / 現場の住所は?)
You: We are at 123 Main Street. It’s in front of the public library.
(住所はメインストリート123番地です。公立図書館の前です。)
Operator: Can you repeat that? Is it Main Street?
(もう一度お願いします。メインストリートですか?)
You: Yes, M-A-I-N, Main Street.
(はい、M-A-I-Nのメインストリートです。)
住所がわからない場合は、近くの大きな建物(例: a big hotel, a famous restaurant)、交差点の名前(例: at the corner of 5th Avenue and 10th Street)、公園の名前などを伝えましょう。聞き間違いを防ぐために、通りの名前などをスペルアウト(一文字ずつ読む)すると非常に親切です。
ステップ5: 指示を仰ぎ、電話を切らない
オペレーターは、救急車が到着するまでの間、電話越しに応急手当の指示(CPRなど)をしてくれることがあります。また、絶対にオペレーターが許可するまで電話を切ってはいけません。
Operator: Okay, help is on the way. Stay on the line with me. I’ll tell you what to do next.
(わかりました、救助は向かっています。電話を切らないでください。次に何をすべきかお伝えします。)
You: Okay, I’m listening.
(わかりました、聞いています。)
重要ポイント:
オペレーターから「You can hang up now. (もう電話を切ってもいいですよ)」と言われるまで、絶対に電話を切らないでください。状況が変化した場合に、すぐに追加情報を伝えることができます。
症状や状況を伝えるための重要ボキャブラリー&フレーズ集

具体的な症状を伝えるボキャブラリーが、迅速な処置につながります。
オペレーターや救急隊員に、患者の状態をできるだけ正確に伝えるための単語やフレーズです。これらを知っているだけで、伝えられる情報量が格段に増えます。
意識・呼吸に関する症状
- Unconscious (アンコンシャス): 意識がない
- Not breathing (ノット・ブリージング): 呼吸をしていない
- Having trouble breathing / Difficulty breathing (ハヴィング・トラブル・ブリージング / ディフィカルティ・ブリージング): 呼吸困難
- Gasping for air (ギャスピング・フォー・エア): あえいでいる
- Choking (チョーキング): 喉をつまらせている、窒息している
- Fainted / Passed out (フェインティッド / パスト・アウト): 気を失った、失神した
- Dizzy / Light-headed (ディズィー / ライトヘデッド): めまいがする
- Confused (コンフューズド): 意識が混濁している、混乱している
- Having a seizure (ハヴィング・ア・シージャー): けいれんを起こしている
例文:
“My husband is unconscious after a fall.” (夫が転倒後、意識がありません。)
“He’s awake, but he’s having trouble breathing.” (彼の意識はありますが、呼吸が苦しそうです。)
怪我・外傷に関する症状
- Bleeding heavily (ブリーディング・ヘヴィリー): 大量に出血している
- A deep cut (ア・ディープ・カット): 深い切り傷
- Broken bone / Fracture (ブロークン・ボーン / フラクチャー): 骨折
- A serious burn (ア・シリアス・バーン): 重度のやけど
- Head injury (ヘッド・インジャリー): 頭部の怪我
- Cannot move his leg (キャノット・ムーブ・ヒズ・レッグ): 彼の足を動かせない
- In a lot of pain (イン・ア・ロット・オブ・ペイン): とても痛がっている
例文:
“She has a deep cut on her arm and it’s bleeding heavily.” (彼女は腕に深い切り傷を負い、ひどく出血しています。)
“I think my arm is broken. I can’t move it.” (腕を骨折したと思います。動かせません。)
病気・体調不良に関する症状
- Chest pain (チェスト・ペイン): 胸の痛み
- Severe headache (シビア・ヘッドエイク): ひどい頭痛
- Allergic reaction (アレルギーック・リアクション): アレルギー反応
- Vomiting (ヴォミッティング): 嘔吐している
- High fever (ハイ・フィーバー): 高熱
- Possible heart attack (ポッシブル・ハート・アタック): 心臓発作の可能性がある
- Possible stroke (ポッシブル・ストローク): 脳卒中の可能性がある
* Sudden severe abdominal pain (サドゥン・シビア・アブドミナル・ペイン): 突然の激しい腹痛
例文:
“He is complaining of severe chest pain.” (彼はひどい胸の痛みを訴えています。)
“I think I’m having an allergic reaction to something I ate.” (食べたものに対してアレルギー反応が出ていると思います。)
事故の種類を説明する表現
- Car accident / Car crash (カー・アクシデント / カー・クラッシュ): 自動車事故
- He was hit by a car. (ヒー・ワズ・ヒット・バイ・ア・カー): 彼は車にはねられた。
- Fall from a height (フォール・フロム・ア・ハイト): 高い所からの転落
- Fire (ファイア): 火事
- Explosion (エクスプロージョン): 爆発
例文:
“There was a serious car accident at the intersection.” (交差点で深刻な自動車事故がありました。)
【場面別】救急車を呼ぶ際のリアルな英会話例文
ここでは、より具体的な4つのシチュエーションを想定し、通報者(You)とオペレーター(Operator)の会話を詳しく見ていきましょう。
例文1: 交通事故を目撃した場合
Operator: 911, what’s your emergency?
You: I need to report a car accident. A car hit a pedestrian.
Operator: Okay, what is your location?
You: We’re on Park Avenue, near the corner of 2nd Street. In front of the big bank.
Operator: Is the person conscious?
You: No, he is unconscious. He’s not moving.
Operator: Is he breathing?
You: I… I’m not sure. I think so, but it’s very shallow.
Operator: Is there any severe bleeding?
You: Yes, he has a head injury and is bleeding a lot.
Operator: Okay, we’re sending an ambulance and police right now. Don’t move him. Stay on the line.
You: Okay, I’ll stay here.
例文2: 家族が家で倒れた場合
Operator: 911, what’s your emergency?
You: My father just collapsed! I need an ambulance!
Operator: Okay, ma’am, calm down. What’s your address?
You: It’s 455 Oak Street, Apartment 3B.
Operator: Is he awake?
You: No, he’s unconscious.
Operator: Is he breathing?
You: No, I don’t think he’s breathing! What should I do?
Operator: Okay, I’m going to help you. I’m dispatching an ambulance now. Listen to my instructions carefully. I’ll guide you through CPR. Have you ever done it before?
You: No, never!
Operator: That’s okay. I’ll tell you exactly what to do…
例文3: レストランで人が窒息した場合
Operator: 911, what’s your emergency?
You: A woman is choking in a restaurant! We need help!
Operator: What’s the name and address of the restaurant?
You: It’s “The Italian Place” on 789 Broadway.
Operator: Is she breathing at all?
You: No, she can’t breathe or talk. She’s pointing to her throat. Her face is turning blue!
Operator: Is anyone there who knows the Heimlich maneuver?
You: I’m asking… Yes! A man is doing it now!
Operator: Okay, that’s good. We have a unit on the way. Keep me updated on her condition.
You: Okay… it’s not working! She’s losing consciousness!
Operator: Okay, help is almost there. Tell them to lay her on the floor gently.
例文4: 自分が急な腹痛に襲われた場合
Operator: 911, what’s your emergency?
You: Hello, I need an ambulance for myself.
Operator: Okay, what’s happening?
You: I have a sudden, severe pain in my abdomen. It’s on the lower right side. I can’t stand up.
Operator: What is your address?
You: I’m at the Grand Hotel, Room 502. 1500 Sunset Boulevard.
Operator: Do you have any other symptoms? Fever, nausea?
You: I feel very nauseous and dizzy. I have a bit of a fever.
Operator: Do you have any known medical conditions or allergies?
You: No, I don’t think so.
Operator: Okay, we’re sending paramedics to you. Is the door to your room unlocked?
You: I will unlock it now. Please hurry.
救急隊員が到着してから使える英語フレーズ

救急隊員には、持病やアレルギーなど正確な情報を伝えましょう。
救急隊員(Paramedics)が到着したら、彼らからの質問に答え、必要な情報を伝えます。オペレーターに話した内容と重複することもありますが、正確な処置のために重要です。
状況を再度説明する
- He collapsed about 10 minutes ago. (彼は10分ほど前に倒れました。)
- I found her lying on the floor. (彼女が床に倒れているのを見つけました。)
- The pain started suddenly. (痛みは突然始まりました。)
- This is what happened… (何があったかというと…)
持病やアレルギーを伝える
これは非常に重要な情報です。持病(Medical conditions)、服用中の薬(Medication)、アレルギー(Allergies)は必ず伝えましょう。
- He has a history of heart disease. (彼には心臓病の既往歴があります。)
- She is diabetic. (彼女は糖尿病です。)
- I’m taking blood pressure medication. (私は血圧の薬を飲んでいます。)
- He is allergic to penicillin. (彼はペニシリンアレルギーです。)
- I have no known allergies. (把握しているアレルギーはありません。)
緊急時カードの準備
持病やアレルギーがある方は、英語で記載したカードを財布に入れておくと、万が一意識がない場合でも情報を伝えることができ、非常に役立ちます。
質問に答える・質問する
救急隊員は様々な質問をしてきます。冷静に答えましょう。
- When did the symptoms start? (症状はいつ始まりましたか?)
- Can you describe the pain? (痛みを説明できますか?) (例: sharp pain (鋭い痛み), dull ache (鈍い痛み))
- Has this ever happened before? (以前にも同じことがありましたか?)
また、自分から質問することも大切です。
- Is he going to be okay? (彼は大丈夫でしょうか?)
- Which hospital are you taking him to? (どこの病院に彼を連れて行きますか?)
- Can I go with him in the ambulance? (救急車に同乗してもいいですか?)
海外で慌てないために知っておきたい!救急車に関する豆知識
緊急時の対応は国によって異なります。基本的な知識を持っておくことで、さらに落ち着いて行動できます。
主要国の緊急通報用電話番号
日本の「119」のように、国ごとに緊急通報用の番号が定められています。滞在する国の番号は必ず事前に確認しておきましょう。
- アメリカ、カナダ: 911
- イギリス: 999 または 112
- オーストラリア: 000
- ニュージーランド: 111
- ヨーロッパ(EU加盟国)共通: 112
※112は多くの国で利用できる国際的な緊急通報番号で、携帯電話からならSIMカードがなくても発信できることが多いです。
救急車は有料?海外の医療事情
日本では救急車の利用は無料ですが、海外では有料の国がほとんどです。特にアメリカでは、救急車の利用だけで数万円から数十万円という高額な請求が来ることも珍しくありません。
「料金が怖いから救急車を呼ばない」というのは絶対に避けるべきですが、こういう事情があることは知っておきましょう。そのためにも、海外渡航前には必ず海外旅行保険に加入することが極めて重要です。
旅行保険の重要性と連絡先
海外旅行保険に加入していれば、高額な医療費や救急車の費用をカバーしてくれます。多くの保険会社は24時間対応の日本語アシスタンスサービスを提供しており、緊急時には電話で医療機関の紹介や通訳サービスを受けられることもあります。
保険証券やアシスタンスサービスの連絡先は、すぐに取り出せるようにスマートフォンに保存したり、紙に印刷して財布に入れたりしておきましょう。
まとめ:いざという時のために、今日からできる準備
この記事では、英語で救急車を呼ぶための具体的なフレーズや会話の流れを詳しく解説しました。緊急事態はいつどこで起こるかわかりません。最後に、万が一の事態に備えて今日からできることをまとめておきましょう。
- 基本フレーズを声に出して練習する: 「Call an ambulance!」「I need an ambulance.」といった基本的なフレーズは、頭で覚えるだけでなく、実際に声に出して練習しておくと、いざという時に口から出やすくなります。
- 滞在先の緊急通報番号を確認する: 旅行や留学に行く前には、必ずその国の緊急通報番号(911、999など)を確認し、携帯電話に登録しておきましょう。
- 自宅やホテルの住所を英語でメモしておく: すぐに場所を伝えられるよう、住所や目印を英語で書いたメモを用意しておくと安心です。
- 海外旅行保険に必ず加入する: 高額な医療費に備えるため、補償内容が充実した海外旅行保険に加入し、緊急連絡先を常に携帯しましょう。
準備と知識があれば、パニックを最小限に抑え、冷静に対処することができます。この記事が、あなたの海外での安全な滞在の一助となれば幸いです。