英検とTOEICは何が違う?それぞれの英語レベルと難易度を解説!

    1. 英語検定

    国内でメジャーな英語の検定は「英検」と「TOEIC」です。これらの検定の合格に必要とされる英語力の目安と難易度について分かりやすく解説していきます。

    また、語学留学や海外での終活に役立つ英語資格についてもふれていますので参考にしてください。

    英検:国内最大級の英語資格試験

    英検とは「実用英語技能検定」の略で、年間1億人以上が受験する国内最大級の英語資格試験です。

    海外での知名度はなく「英検〇級を持っている」と言っても英語力を理解してもらうことはできません。

    しかしながら入試や単位認定において英検取得者を優遇する高校や大学が多いことなどから、小学生から大人まで幅広い年齢層の人が受験しています。

    5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級と7つのレベルが設けられており、それぞれ「筆記」「リスニング」を一次試験・「面接(3級から)」を二次試験として総合的な英語力を測る試験となっています。

    受験料2,500円~11,800円(受験する級により変動)
    試験頻度年3回(1,5,10月)
    適用地域日本

    各級に求められる英語力や目安となる語彙力について確認しましょう。

    英検5級

    英語レベル中学初級程度
    出題傾向趣味、家族、スポーツなど身近な話題
    推奨語彙量300~600
    出題形式筆記、リスニング、録音形式のスピーキング

    英語学習者が最初に目指すべきレベルのテストで、英語基礎がメインです。

    長文を読み内容を理解するという項目はなく、文章の構造の基本(主語の理解や文法)・動詞の変化の仕方・イラストに合った内容を選ぶといった問題が出題されます。

    英検4級

    英語レベル中学中級程度
    出題傾向身近な話題でより実用性に富んだ内容
    推奨語彙量600~1300
    出題形式筆記、リスニング、録音形式のスピーキング

    穴埋め問題や文の並び替えといった基礎的な英語力が問われる問題はもちろん、ポスターやメールの内容を読み取る長文読解に近い問題が出題されます。

    全体的に単語数が増えてくるため、しっかりと過去問等での対策が必要です。

    英検3級

    英語レベル中学卒業程度
    出題傾向日常トピックだけでなく海外の文化や教育なども
    推奨語彙量1250~2100
    出題形式筆記、リスニング、面接

    英語の基礎が定着し、日常的に使われる英単語や表現が問題なく理解できるレベルが求められます。問題文のテーマも、身近なものから若干視野を広げた内容にまで及びます。

    また、2次試験として試験官との1対1の面接試験もあるため、自己紹介や簡単な会話ができるよう発音の練習も必要です。

    英検2級・準2級

    英語レベル高校中級~高校卒業程度
    出題傾向環境、科学、医療など社会性のある内容
    推奨語彙量2600~5100
    出題形式筆記、リスニング、面接

    2級や準2級からは、センター試験対策や留学・単位認定などにも役立つようになってくるでしょう。

    長文の穴埋め問題や難易度の高い文構造も出てくるため、日常的なトピックだけでなく専門的な場面で使われる英語にも対応できる能力が求められます。

    英検1級・準1級

    英語レベル大学中級~大学上級程度
    出題傾向英作文、スピーチなど発信力と実践力を問う内容
    推奨語彙量7500~15000
    出題形式筆記、リスニング、面接

    「話す」「聞く」「書く」「読む」という全ての項目において、不自由なく英語を使いこなせるだけの能力が問われます。

    一般的な日常の会話では使われない様な難易度の高い単語や専門的な用語まで幅広い知識量が求められるでしょう。

    TOEIC

    TOEIC とは

    TOEIC とは「Test of English for International Communication」の頭文字をとった略称で、トイックやトーイックと読みます。

    直訳すると「国際的な意思疎通のための英語試験」となり、日常生活やグローバルビジネスにおける生きた英語の力を測定する世界共通のテストです。

    日本の TOEIC 試験に関する幅広い業務を担う国際ビジネスコミュニケーション協会では、TOEIC の国別平均スコアを公表しており、世界各国様々な地域で TOEIC が認知され活用されていることが伺えます。

    英検や漢検のように、特定の級を受験して総合的な英語力を試すスタイルではありません。

    「どの英語力を測りたいか」「目的とするシーンは何か」によって5つの種類のテストが用意されており、何点取れたか(スコア)で自身のレベルを測る形式です。

    種類・TOEIC Listening & Reading Test
    ・TOEIC Speaking & Writing Tests
    ・TOEIC Speaking Test
    ・TOEIC Bridge Listening & Reading Tests
    ・TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests
    受験料4,950円~10,450円(試験の種類により異なる)
    試験頻度年10回程度
    適用地域世界160ヵ国

    5種類のテストそれぞれの特徴と内容、スコアごとの英語レベル目安を確認しましょう。

    TOEIC Listening & Reading Test

    一般的に「TOEIC」というと、この TOEIC Listening & Reading Test のことを指し、受験者全体の約8割~9割を占めています。

    最高スコア990点(200問)
    特徴トータルで約2時間と最も長い
    難易度目安中級~上級者向け
    出題形式リスニング100問、リーディング100問

    入試や就職、留学、海外赴任など、様々なシーンで役に立つ実用性の高い試験です。自身のスキルアップのために英語の資格試験をと考えている方には、最適でしょう。

    TOEIC Speaking & Writing Tests

    日本人が苦手とする、「話す・書く」といったアウトプット力が試され、一般的な TOEIC よりもワンランク上の上級者向けのテストです。

    最高スコア400点(19問)
    特徴ビジネスシーンに特化
    ある程度のパソコンスキルも必要
    難易度目安英語上級者向け
    出題形式スピーキング、ライティング

    よりビジネス色の強いトピックから出題され、ビジネスシーンでの実践力を問われます。

    パソコンを使った試験となっており、指示にあわせて文章の入力や音声の吹きこみなどを時間内に行う必要があるため、最低限度のパソコンスキルも求められます。

    英会話

    TOEIC Speaking Test

    英語を伝える能力や表現力に特化した試験です。5種類の TOEIC 試験の中では、最もマイナーで受験生もあまり多くありません。

    最高スコア200点(11問)
    特徴試験時間は20分と最も短い
    試験会場でPCを通して行う
    難易度目安中級
    出題形式スピーキング

    写真や文章を聞いて、自分なりの表現を使って回答していくスタイルのため、決まった正解がなく自由度が高いのが特徴です。

    イントネーションなど抑揚の付け方や、相手に伝わりやすい表現ができるかなどもポイントとなります。

    TOEIC Bridge Listening & Reading Tests

    TOEIC Bridge とは初学者向けの TOEIC のことで、全部で2種類あります。通常のTOEICと比べて、単語や問題で扱うトピックが易しく設定されており、日常にスポットを当てた分かりやすい内容です。

    TOEIC Bridge Listening & Reading Tests」では、初級・中級レベルの英語の聞き取り能力や読み取り能力を測ることができます。

    最高スコア100点(100問)
    特徴マークシート方式
    基礎固めができていればOK
    難易度目安英語初心者向け
    出題形式リスニング、リーディング

    基本的な英文法や単語がメインとなっており、難解な表現が出題されることはほとんどありません。英語学習の基礎とも言える、中学英語が理解できていればある程度の点数はおさえられるでしょう。

    TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests

    同じく英語初学者向けの試験で、話す力・書く力といった発信力を測ることができるのが「TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests」です。

    ビジネスシーンを意識した幅広い内容から出題される通常試験と比べて、日常的なトピックから出題されるため、まだビジネスを想定できない小中学生でも受験しやすいでしょう。

    最高スコア100点(17問)
    特徴試験会場のパソコンを使う
    所要時間も短め(50分程度)
    難易度目安英語初心者向け
    出題形式スピーキング、ライティング

    1つの目安として、TOEIC Bridge で85点を取れれば通常の TOEICを受けるレベルに十分達しているといわれています。

    初めから TOEIC に向けた試験勉強をするのも良いですが、まずは自分の英語力を試してみたいという方には、本試験への橋渡しとして TOEIC Bridge を受けてみるのもおすすめです。

    TOEFL

    他にもある英語の検定

    英検や TOEIC ほど日本での知名度は高くありませんが、他にも日本で受験できる英語の検定は数多く存在します。

    その中でも、世界的に名が通っており留学や海外での就活に役立つものを3つ紹介していきます。

    TOEFL(トーフル)

    TOEFL とは正式名称は Test of English as a Foreign Language で、直訳すると「英語を母国語としない人々のための英語テスト」です。

    アメリカ合衆国の教育団体が制作した試験で、英語の4技能「読む」「聞く」「話す」「書く」の能力を測定します。

    世界の多くの国で高い知名度を誇る英語試験の1つで、特に欧米では最も有名な英語資格として認知されています。

    そのため海外留学や移住の際には、TOEFLの受験スコア提示が義務化されているケースもあることなどから、近年日本国内でも注目度が高まっている検定です。

    ビジネスシーンを意識したTOEICとは異なり、内容は日常から歴史学までアカデミックに出題されるため総合的な難易度はかなり高く英語上級者向けです。

    CASEC(キャセック)

    CASEC とは正式名称を Computerized Assessment System for English Communication といい、直訳すると「英語コミュニケーションのためのコンピュータ評価試験」です。

    インターネット環境があれば、時間・場所を問わずいつでも受講することができることに加え、受講者の能力に合わせて問題の難易度が変化する次世代型の試験です。

    総合の点数だけでなく「語彙力」「表現力」「聞き取り力」それぞれの評価とアドバイスが書かれたレポートを受け取れます。

    TOEIC TOEFL 等他の英語試験の目安スコアも算出してくれるなど、自身の英語レベルを詳しく診断できるのが特徴です。

    IELTS(アイエルツ)

    IELTS とは正式名称は Test of English as a Foreign Language で、直訳すると「国際的な英語語学力を測る試験」となります。

    TOEFL TOEIC がアメリカ系の英語試験であるのに対して、IELTS はアクセントや表現方法などイギリス系の英語力が求められます。

    「聞く」「読む」「書く」「話す」の4技能全ての能力を測定できる試験内容となっており、筆記試験だけでなく試験官と1対1での面接もあります。

    英語でのディスカッションを求められるなど本格的な英語力が試されるでしょう。

    まとめ

    英語力をつけるために日々努力していく中で、検定の受験は自分のレベルや得意・不得意分野を客観視できる有効的な手段です。

    国内での知名度が高く、様々な優遇が受けられる「英検」や「TOEIC」はもちろんですが、その他にも英語力を試す様々な検定が存在します。

    興味がわいたものがあれば、是非積極的にチャレンジしてみましょう。それではまた、See you!

    ※記載の内容は2022年12月現在の情報です。

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