海外の美容院の扉を前にして、足が止まってしまう。留学や旅行、駐在の予定がある人から、そんな声をよく聞きます。「短くしてください」くらいは言えても、「毛先だけ」「量をすいて」「明るめの茶色に染めて」まで英語で伝えられる自信はない、という段階で止まっている人がほとんどです。

実際に困るのは、単語を知らないことよりも「言い方の型」を持っていないことです。サロン英会話は、聞かれる質問も答え方も驚くほどパターン化されています。型を五つか六つ手元に置いておけば、あとは長さと色の語彙を差し替えるだけで通用します。

この記事では、予約から受付、カットとカラーのオーダー、シャンプー台での短い会話、仕上がりの確認、会計とチップまでを、実際の流れどおりに追いかけます。特につまずきやすい「自分で染めた」と「染めてもらった」の言い分け、dye と color と bleach の使い分けは、例文と誤用例をセットで整理しました。読み終えたその日から声に出して練習できるよう、発音のヒントと復習プラン、想定問答も用意しています。学習の伴走者が欲しくなったときは英語教室のような場で会話練習を重ねる方法もありますが、まずは自分の希望を英語に置き換える作業から始めてみましょう。

英語圏のヘアサロンで、東アジア系の女性客がスマートフォンのヘアスタイル写真を見せながらスタイリストに希望を伝えている様子
写真を見せながら希望を伝えれば、語彙の不足は大きく補えます。

まずは美容院での英会話をまるごと体験する

この章の要点
  • サロンで必要なやり取りは「名前と予約時間」「希望のスタイル」「色のイメージ」「所要時間」の四つに集約される
  • 受付では I have an appointment at ~. と名前を告げるだけで十分に通じる
  • スタイリストの決まり文句 How would you like ~? を聞き取れれば、答える準備ができる
  • 会話全体を先に一度体験しておくと、個々のフレーズが記憶に残りやすくなる

細かい表現を覚える前に、サロンでの一連の流れを会話としてひととおり眺めておくのが近道です。全体像が頭に入っていると、あとで学ぶ単語やフレーズが「どの場面で使うのか」という引き出しに自然に収まります。

以下は、予約していた学習者が来店し、カットとカラーを注文するまでの会話例です。役割は「学習者(Learner)」と「美容師(Stylist)」としています。

会話例:At the beauty salon
Learner: I have an appointment at 5:00 today.
Stylist: This way, please. Have a seat, please.
Learner: Thanks.
Stylist: How would you like your hairstyle?
Learner: Well, I’d like to go short like this.
(The learner points to a picture in the hairstyle book.)
Stylist: Are you sure you want to go that short?
Learner: Yes, and could you dye my hair to look like the color in this photo?
Stylist: Oh, I see. That shade is very popular now.
Learner: How long will it take?
Stylist: It’ll take about two and a half hours. Are you in a hurry?
Learner: No, I have enough time.
日本語訳
学習者:今日5時に予約をしてあるのですが。
美容師:こちらへどうぞ。おかけください。
学習者:ありがとう。
美容師:髪型はどのようになさいますか?
学習者:ええと、こんな風に短くしたいです。
(学習者がヘアカタログの写真を指さす)
美容師:本当にそんなに短くしてよろしいですか?
学習者:はい。それから、この写真のような色に染めていただけますか?
美容師:わかりました。その色合いは今とても人気があります。
学習者:どのくらい時間がかかりますか?
美容師:2時間半くらいです。お急ぎですか?
学習者:いいえ、時間はたっぷりあります。
使う場面
予約済みで来店し、カットとカラーの両方を頼むとき。名前と時間を告げてから、写真を見せて希望を伝える流れは、どの国のサロンでもほぼ共通です。
注意点・誤用例
×I have a reservation at 5:00.(ホテルやレストランの席の確保に使う語で、サロンでは不自然)→○I have an appointment at 5:00. また Sit down. は命令的に響くため、接客の返答としては Have a seat. が標準です。
発音・ニュアンス
appointment は「アポイントメント」ではなく「アポイントゥメント」で、強勢は真ん中の point。dye は die と同じ「ダイ」。two and a half hours は「トゥーアナハーフアワーズ」とつながって聞こえます。

この短いやり取りの中に、サロン英会話の骨格がほぼ入っています。名前・スタイル・色・所要時間の四点を英語で言えるかどうかが、満足度を左右します。

会話に出てきた表現を、意味と使いどころで整理しておきます。

  • appointment:予約。人と時間を約束する場面で使い、席や部屋の確保は reservation。
  • beauty salon:美容院。hair salon もほぼ同義。
  • This way, please.:こちらへどうぞ。案内の決まり文句。
  • Have a seat.:おかけください。Sit down. より丁寧。
  • How would you like ~?:~はどのようにいたしましょう。want より丁寧に希望を尋ねる形。
  • point to ~:~を指さす。
  • dye:(髪を)染める。発音は「ダイ」。
  • look like ~:~のように見える。
  • ~and a half hours:~時間半。
  • be in a hurry:急いでいる。
  • enough:十分な。

全体像がつかめたところで、まずは店と担当者の呼び方から順に固めていきましょう。呼び方を間違えると、予約の電話の第一声からつまずいてしまいます。

「美容院」「美容師」を英語で言い分ける

この章の要点
  • 美容院は beauty salon / hair salon が広く通じる。英国圏では beauty parlour や beauty shop も使われる
  • 床屋は barber shop(英 barber’s)で、カット中心・シェービングありの店を指す
  • 働く人は hairdresser が最も一般的。総合サロンでは beautician、設計まで担う人は hair stylist

日本語の「美容院」に対応する英語はひとつではありません。迷ったときは beauty salon か hair salon を選べば、英語圏のどこでもまず通じます。

語が複数ある理由は、地域差と業態差の両方があるからです。アメリカでは hair salon が日常的で、イギリス圏では beauty parlour(parlor)や beauty shop も耳にします。男性の整髪やひげ剃りを行う店は barber shop で、近年は男女問わず利用できる店も増えていますが、原則としてカットとシェービングが中心です。

フレーズ
I’ll go to the beauty salon on Sunday.
I’ve been going to the same barber shop for years.
日本語訳
日曜に美容院に行きます。/もう何年も同じ床屋に通っています。
使う場面
週末の予定を話すとき、行きつけの店を紹介するとき。go to the salon は冠詞 the を付けて「いつも行くあの店」の含みが出ます。
注意点・誤用例
×I’ll go to the beauty house.(そのような言い方はしません)/×I’ll go to the barber to cut my hair.(自分で切る意味に取られることがあるため、to get a haircut が安全)
発音・ニュアンス
salon はアメリカ英語で後ろにアクセントの「サローン」、イギリス英語では前寄りの「サロン」。barber は「バーバー」で r をはっきり出すと通じやすくなります。

働く人の呼び方も押さえておきましょう。最も一般的なのは hairdresser で、エステやメイクまで扱う総合サロンでは beautician が使われます。hair stylist はカットやパーマの技術に加え、撮影やウェディングでスタイルを設計する人という含みがあり、hairdresser とニュアンスが分かれます。床屋の理容師は barber です。

  • I always ask for the most popular hairdresser at that salon.(いつもその店で一番人気の美容師さんを指名しています。)
  • I like my beautician because she knows my favorite style.(担当の美容師さんは好みをわかってくれているので気に入っています。)
  • She’s a hair stylist for fashion shoots.(彼女は撮影のヘアスタイリストです。)
サロンのカウンターに並べられたヘアカットはさみ、コーム、ブラウン系のカラースウォッチ、カラー剤のボウルと刷毛
道具の名前を知っておくと、施術内容の説明も聞き取りやすくなります。

店と人の呼び方が決まったら、次は入口となる予約です。ここは電話やオンラインで済ませる場面が多く、使うフレーズもほぼ固定されています。

予約から受付までの英語

この章の要点
  • 予約は make an appointment。I’d like to make an appointment for ~ が基本の型
  • 変更は reschedule、遅刻は I’m running late、予約なしは walk-in
  • 受付は「予約時間+施術内容+名前」の順に言えば十分
  • ケープがきついときは loosen it up、緩いときは tighten it up

電話で予約を取る

飛び込みで対応してくれる店もありますが、人気店では予約なしだと断られることがあります。予約の名詞は appointment、動詞は make を合わせて make an appointment と覚えます。

会話例:電話予約
Learner: Hello. I’d like to make an appointment for 2 p.m. next Sunday.
Staff: Sure. What would you like to have done?
Learner: I’d like to get my hair cut and colored.
Staff: Do you have a preferred stylist?
Learner: Yes, could I book with Emily?
Staff: May I have your name and phone number?
Learner: My name is … and my number is …
Staff: Thank you. You’re all set.
日本語訳
学習者:もしもし。次の日曜の午後2時に予約をお願いしたいのですが。
スタッフ:かしこまりました。どのような施術をご希望ですか?
学習者:カットとカラーをお願いします。
スタッフ:ご指名はございますか?
学習者:はい、エミリーさんでお願いできますか。
スタッフ:お名前とお電話番号をいただけますか。
学習者:名前は…、番号は…です。
スタッフ:ありがとうございます。ご予約承りました。
使う場面
初めて行く店に電話やオンラインで予約を入れるとき。What would you like to have done? は「何をしてもらいたいか」を尋ねる定型で、カット・カラー・パーマなどを答えます。
注意点・誤用例
×I want to reserve 2 p.m.(席の確保のニュアンスで不自然)→○I’d like to make an appointment for 2 p.m. ×I want to cut my hair.(自分で切る意味)→○I’d like to get my hair cut.
発音・ニュアンス
You’re all set. は「ユーロールセット」とつながり、「手続き完了です」の意味。レジや窓口でも頻出するので、聞こえたら会話が終わった合図と受け取ってかまいません。

日時の変更・キャンセル・遅刻

予定が動いたときの一言も、型で持っておくと落ち着いて対応できます。連絡なしの不来店はキャンセル料が発生する店もあるため、早めの一報が無難です。

  • I’d like to cancel my appointment for Sunday.(日曜の予約をキャンセルしたいのですが。)
  • Could I reschedule my appointment to Friday afternoon?(予約を金曜の午後に変更できますか。)
  • I’m running about fifteen minutes late. Is that all right?(15分ほど遅れそうです。大丈夫でしょうか。)
  • Is there a cancellation fee?(キャンセル料はかかりますか。)
  • Do you have anything earlier?(もっと早い時間は空いていますか。)

予約なしで入るとき

walk-in は「予約なしの客」を指す名詞で、サロンでもレストランでも使われます。店頭で聞くなら次の二つで足ります。

  • Do you take walk-ins?(予約なしでもお願いできますか。)
  • How long is the wait?(どのくらい待ちますか。)
  • Is there any availability today?(今日は空きがありますか。)

当日の受付とケープの調整

来店したら、予約時間と名前を告げるだけで受付は完了します。会話例の一言目がそのまま使えます。

  • I have an appointment for a haircut at two.(2時からカットで予約しています。)
  • Staff: Emily will be with you shortly. Please have a seat.(エミリーが間もなく参ります。おかけになってお待ちください。)
  • It’s a little too tight. Could you loosen it up?(少しきついので、緩めていただけますか。)
  • It’s a little too loose. Could you tighten it up?(少し緩いので、きつくしてください。)

tight と tighten、loose と loosen は形容詞と動詞のペアで覚えると混同しません。ここまでで席に着くまでが完了です。では、いよいよ本題である髪型のオーダーに進みましょう。

髪型をオーダーするときの英語

この章の要点
  • 席に着くと How would you like your hair cut? 型の質問が必ず来る
  • 最短ルートは写真を見せて I’d like my hair cut just like in this picture.
  • 長さは inch や shoulder-length / chin-length など身体の部位で具体化する
  • 前髪は bangs(米)/fringe(英)、すくのは thin out

まず聞かれる決まり文句

最初の質問は、ほぼ次のどれかです。would you like ~ の形を耳が拾えるようになれば、その後の会話は一気に楽になります。

  • How would you like your hair cut?(カットはいかがいたしましょう。)
  • How would you like me to cut your hair?(どのようにカットしましょうか。)
  • What kind of hairstyle would you like?(どんな髪型がよろしいですか。)
  • What are we doing today?(今日はどうされますか。)
  • Just a trim today?(今日は整えるだけですか。)

写真を見せるのが最短ルート

理想の髪型を言葉だけで説明するのは、母語でも難しい作業です。スマートフォンに画像を数枚保存しておき、指さしながら伝えるのが確実です。

フレーズ
I’d like my hair cut just like in this picture.
Could you cut it like this, please?
I’d like my hair to look like this.
日本語訳
この写真のようにカットしてください。/このようにカットしていただけますか。/こんな感じにしてください。
使う場面
画像やカタログを見せながら希望を伝えるとき。I’d like + 目的語 + 過去分詞(have my hair cut)の形は、修理や配達の依頼にも応用できる汎用の型です。
注意点・誤用例
×I’d like my hair cutting like this. /×I want you cut my hair like this.(動詞の形が崩れて伝わりにくい)→○I’d like my hair cut like this. / I’d like you to cut my hair like this.
発音・ニュアンス
I’d like は「アイドライク」と一息で。Could you ~? は語尾を上げると柔らかく、下げると事務的に響きます。依頼では軽く上げるのが自然です。

腕を信頼して任せたいときの言い方も持っておくと、会話が止まりません。

  • I’ll leave it up to you.(お任せします。)
  • What would you recommend for my face shape?(私の顔の形に合うのは何だと思いますか。)
  • I want a completely new look.(がらっと変えたいです。)

長さを具体的に伝える

切りすぎは取り返しがつきません。数字や身体の部位を使って、具体的に言い切るのが安全です。

  • Just a cut, please.(カットだけお願いします。)
  • Just a trim, please. / Can you just trim the ends?(毛先をそろえる程度に。)
  • Just a trim for the split ends.(枝毛だけ切りそろえてください。)
  • Could you cut it about one inch shorter?(1インチほど短くしていただけますか。)
  • Cut about two inches off the back.(後ろを2インチほど切ってください。)
  • About this long.(このくらいの長さで。※手で示しながら)
  • Could you cut it shoulder-length?(肩までの長さにしてください。)
  • Please cut my hair about chin-length.(あごくらいの長さにしてください。)
  • Please don’t cut it too short.(あまり短くしないでください。)
  • I’d like a shorter haircut, please.(短くしたいです。)

英語圏では長さの単位に inch を使うのが基本で、1インチは約2.54センチです。「2センチ切ってください」と言いたいときは about an inch と言い換えるか、Could you take off about two centimeters? と伝えて指で示すと確実です。split ends は枝毛、trim は「切りそろえる」で名詞にも動詞にもなります。

注意点

Cut my hair short. のように動詞だけを短く言うと、命令口調に響くうえ「どこをどれだけ」が伝わりません。切りすぎを防ぐには、Let’s start with less and see how it looks.(まず少なめに切って様子を見ましょう)と最初に添えるのが有効です。一度切った髪は戻らないため、迷ったときは短く指定しすぎないほうが安全です。

前髪の指定

前髪はアメリカ英語で bangs、イギリス英語で fringe です。bangs は前髪という束を指す語なので、常に複数形で使います。

  • I’d like the bangs to cover my eyebrows.(前髪はまゆが隠れるくらいに。)
  • Would you cut my bangs just above my eyebrows?(前髪は眉の少し上まで切ってください。)
  • Could you trim my bangs?(前髪を整えてもらえますか。)
  • I don’t want bangs.(前髪は作らないでください。)
  • Could you cut my bangs a little shorter?(前髪をもう少し短くしていただけますか。)

眉毛は eyebrow、まつ毛は eyelashes です。顔まわりの語彙は、長さの基準としてそのまま使えます。

毛量とレイヤー

日本人の髪は太くて硬く、量が多い人が多いため、「すいてほしい」という要望は特に大切です。「髪をすく」は thin out(まばらにする)を使います。

フレーズ
My hair is too thick. Could you thin it out a little?
I’d like to get my hair thinned out, but I’d like to keep the length.
It gets puffy when it grows out. Can you thin it out a lot?
日本語訳
髪の量が多すぎるので、少しすいていただけますか。/長さは残したまま、軽くしてください。/伸びると広がってしまうので、しっかりすいてもらえますか。
使う場面
毛量が多くて広がる、長さは変えたくないが軽くしたい、伸ばしている途中で整えたいとき。I’m growing my hair out, so could you just trim and thin it out? も便利です。
注意点・誤用例
×Please make my hair thin.(髪そのものを細くする、または薄毛にする響きになる)→○Could you thin it out? thick は「毛量が多い・髪が太い」、thin は「少ない・細い」で、人の体型の話ではないことが文脈で伝わるようにします。
発音・ニュアンス
thin と thick の th は舌先を軽く前歯に当てる無声音。thin out は「シンナウト」とつながります。puffy は「パフィ」で、ふくらむ・広がる感じを表します。

レイヤーを入れたいときは I’d like my hair layered. または I’d like it cut in layers. です。段差の位置を指定したいなら、Could you add layers around my face?(顔まわりにレイヤーを入れてください)と部位を添えます。

ヘアスタイル名の語彙

  • ボブ:bob (cut)
  • ワンレングス:one-length cut / blunt cut
  • レイヤーカット:layered cut
  • シャギー:shag cut / shaggy cut
  • フェザーカット:feather cut
  • ページボーイ:pageboy
  • ポニーテール:ponytail
  • 三つ編み:braid(英 plait)
  • お団子・シニヨン:bun
  • アップスタイル:updo
  • ドレッドヘア:dreadlocks
  • 刈り上げ:undercut / fade
  • ツーブロック:undercut(two block は和製英語で通じません)

カットの語彙がそろったところで、検索の中心にある「染める」に入ります。ここには動詞の使い分けと、使役構文というふたつの山があります。

髪を染めるときの英語:dye・color・tint・bleach の使い分け

この章の要点
  • dye は「染める」全般、color はサロンで好まれる柔らかい言い方
  • tint は軽く色味を足すこと、bleach は色を抜く工程
  • サロンでの依頼は I’d like to get my hair colored. が最も無理のない形
  • 色は明るさ(lighter / darker)と系統(ash, brown, blonde)で伝える
美容師が手袋をした手でカラースウォッチを客の黒髪の横に当て、ライトブラウンとアッシュブラウンを見比べている場面
色見本を見ながら相談すれば、言葉の不足を補って希望に近づけます。

「染める」に当たる動詞は複数あり、意味の重心が少しずつ違います。迷ったら color を使うのが、サロンでは最も無理のない選択です。

dye は最も一般的な「染める」で、薬剤で色を入れる行為全般を指します。color は動詞としても使え、dye より柔らかく響くため、英語圏の美容師は color を好んで使う傾向があります。tint は部分的に色を入れる、あるいは軽く色味を足すこと、bleach は色を抜いて明るくする工程です。

フレーズ
Please dye my hair dark brown.
I’d like to get my hair colored today.
I want to bleach my hair before coloring.
日本語訳
ダークブラウンに染めてください。/今日はカラーをお願いします。/カラーの前にブリーチしたいです。
使う場面
カラーの施術を頼むとき。色名は dye my hair dark brown のように動詞の後ろに直接置けます。丁寧に頼むなら I’d like to have my hair dyed dark brown. の形が使えます。
注意点・誤用例
×I want to color today.(目的語がなく通じない)→○I’d like to get my hair colored today. ×Please coloring my hair.→○Please color my hair. 「カラーリング」という名詞は英語では coloring / hair color です。
発音・ニュアンス
dye は die と同音の「ダイ」。bleach は「ブリーチ」で、長い i の音をしっかり伸ばします。tint は「ティント」。color は米音で「カラー」、英音では「カラ」に近く響きます。

「自分で染めた」のか「染めてもらった」のか

日本語話者がもっともつまずくのがここです。get / have + 目的語 + 過去分詞の形を押さえれば、誤解のない言い方ができます。

I dyed my hair. は文字どおりには「自分で髪を染めた」です。ただし実際の会話では、美容院で染めてもらった場合にもこの形が使われ、「髪の色が変わった」という報告として自然に通じます。厳密に区別しないネイティブも多く、日常会話ではどちらでも問題になりません。

サービスを受けたことを明確に伝えたいなら、使役の have を使った I had my hair dyed. が適します。より口語的なのは I got my hair dyed. で、日常会話ではこちらのほうが頻度が高いくらいです。

  • I dyed my hair.(髪を染めた。自分で染めたとも取れる)
  • I got my hair dyed.(染めてもらった。口語的)
  • I had my hair dyed.(染めてもらった。やや硬い)
  • I’m going to get my hair colored this weekend.(今週末カラーに行く予定です)
  • I got my hair colored at a salon downtown.(街のサロンでカラーをしてもらいました)

同じ理屈が「髪を切る」にも当てはまります。I cut my hair. は本来「自分でハサミを入れた」の意味なので、美容院で切ってもらったなら I got a haircut. や I had my hair cut. のほうが誤解がありません。友達に尋ねるときは Did you get a haircut?(髪切った?)が定番です。

注意点

I want you to dye my hair. は文としては正しいものの、命令に近い直接さがあります。サロンでは Could you dye my hair …? や I’d like to get my hair colored. のように、依頼の形にするほうが関係を悪くしません。また Please dye my hair blonde. とだけ言うと、髪の状態によってはブリーチが必要になり追加料金や時間が発生します。Is bleaching necessary for this color?(この色にはブリーチが必要ですか)と先に確認しておくと行き違いを避けられます。

髪色を伝える語彙

  • 黒髪:black hair
  • 茶髪:brown hair(人を指す名詞は brunette)
  • 金髪:blond hair(男性は blond、女性は blonde と綴り分ける習慣があります)
  • 赤毛:red hair(人は redhead)
  • 白髪:gray hair(英 grey hair)
  • アッシュ系:ash brown / ash gray
  • 明るめ/暗め:lighter / darker
  • 地毛の色:my natural color
  • 色落ちした状態:faded
会話例:カラーの相談
Stylist: What kind of color would you like today?
Learner: I want my hair a light brown. Do you have color samples?
Stylist: Sure, here you go.
Learner: Could you show me the color chart? Maybe two shades lighter than my natural color.
Stylist: This ash brown would suit you.
日本語訳
美容師:本日はどのようなカラーをご希望ですか。
学習者:明るめの茶色にしたいです。カラーサンプルはありますか。
美容師:もちろん、どうぞ。
学習者:カラーチャートを見せていただけますか。地毛より2段階くらい明るい色がいいです。
美容師:このアッシュブラウンが似合いそうですね。
使う場面
色の希望を具体化するとき。two shades lighter(2段階明るく)という言い方は、数字で明るさを共有できるため誤解が少ない表現です。
注意点・誤用例
×I want brown color.(冠詞や語順が崩れて曖昧)→○I’d like a light brown. ×I want my hair yellow.(意図せず不自然な色指定になる)→○I’d like a warm blonde.
発音・ニュアンス
shade は「シェイド」で色の濃淡を指します。ash は「アシュ」、chart は「チャート」。Here you go. は物を渡すときの決まり文句で、「はい、どうぞ」に相当します。

部分染め・ハイライト・白髪染め

全体染め以外のメニューも、名前を知っていればそのまま注文できます。伸びてきた根元だけを染め直すことは root touch-up と呼ばれ、メニュー表にもこの名前で載っています。

  • I want highlights in my hair.(ハイライトを入れてください。)
  • I’d like to get my hair highlighted to brighten it up.(明るくしたいのでハイライトをお願いします。)
  • I want to get my hair streaked blonde.(ブロンドのメッシュを入れてください。)
  • Could you only dye the roots?(根元だけ染めてもらえますか。)
  • I’d like to cover my gray hair.(白髪染めをお願いします。)
  • Just a root touch-up, please.(根元のリタッチだけお願いします。)
  • I’d like balayage.(バレイヤージュにしたいです。)

「メッシュ」は和製英語で、英語では streaks か highlights と言います。balayage はフランス語由来で「バラヤージュ」に近い発音、毛先に向かって自然に明るくする技法です。

仕上がりのイメージをすり合わせる

カラーは仕上がりの差が出やすいので、施術前に一言添えておくと安心です。避けたい方向を伝えておくのも有効です。

  • I don’t want it to look too orange.(オレンジっぽくなりすぎないようにしてください。)
  • Could you keep it natural-looking?(自然な感じに仕上げてもらえますか。)
  • My hair is damaged, so please be gentle with the bleach.(髪が傷んでいるので、ブリーチは控えめにしてください。)
  • How long will the color last?(この色はどのくらい持ちますか。)
  • Will this damage my hair a lot?(これはかなり髪が傷みますか。)
  • I’d like a color like the one in this photo.(この写真のような色にしたいです。)

写真の色を見せて I’d like a color like this one. と伝えるのは、語彙に頼らずイメージを共有できる確実な方法です。では、カラー以外のメニューを頼むときの言い方も見ておきましょう。

パーマ・トリートメント・セットの英語

この章の要点
  • パーマは perm。名詞でも動詞でも使え、permanent とは言わない
  • トリートメントは condition / conditioning treatment が自然
  • 分け目は part(米)/parting(英)、逆毛は tease(米)/backcomb(英)

「パーマ」は perm です。permanent と言うと形容詞になってしまい、意図が伝わりません。発音は「パーム」に近く、r をこもらせるのがポイントです。

会話例:パーマの相談
Learner: I’d like to have my hair permed.
Stylist: When was the last time you got a perm?
Learner: About six months ago.
Stylist: How do you want your curls?
Learner: I want loose curls, not too tight.
日本語訳
学習者:パーマをかけたいです。
美容師:前回パーマをかけたのはいつですか。
学習者:半年ほど前です。
美容師:どんなカールにしますか。
学習者:きつすぎない、緩めのカールがいいです。
使う場面
パーマやストレートを頼むとき。カールの強さは loose(緩い)と tight(きつい)で伝わります。デジタルパーマは I’d like a digital perm.、縮毛矯正は I want my hair straightened. です。
注意点・誤用例
×I want a permanent.(形容詞で意味が通らない)→○I’d like a perm. ×Please straight my hair.(straight は形容詞)→○Please straighten my hair.
発音・ニュアンス
perm は「パーム」、curl は「カール」で l を舌先で終わらせます。loose は「ルース」、lose(失う)と混同しないよう s の音を濁らせないのがコツです。

トリートメントは、英語では treatment より condition を使うほうが自然に響きます。仕上げのセットに関する語彙も合わせて確認しておきましょう。

  • I’d like to have my hair conditioned.(トリートメントをお願いします。)
  • Could you add a deep conditioning treatment?(集中トリートメントを追加できますか。)
  • Where do you want your hair parted?(分け目はどこにしますか。)
  • Part it in the middle, please. / Part it on the right, please.(真ん中で/右側で分けてください。)
  • I want my hair pulled back.(髪を後ろに流してください。)
  • I’d like my hair put up.(アップにしてください。)
  • Could you make it a little fuller on top?(トップを少しふくらませてもらえますか。)
  • Please tease my hair.(逆毛を立ててください。)
  • Don’t put any oil on my hair, please.(オイルは付けないでください。)
  • Could you put some hair gel on it?(ジェルを付けていただけますか。)

メニューを伝え終えたら、あとは施術中です。ここで交わされる会話は短く、答え方も限られています。

シャンプー台と施術中の会話

この章の要点
  • シャンプー中に聞かれるのは主に位置とお湯の温度
  • 「かゆいところはありませんか」は英語圏ではほぼ聞かれない
  • カット中は長さの確認が入るので、This is just fine. などの短い返答を用意する
  • 雑談は出身地や週末の予定が定番。答えを一つ用意しておくと沈黙を避けられる

シャンプー中の会話は、思いのほかシンプルです。聞かれるのは位置と温度だけと考えておけば、慌てずに済みます。

  • Staff: Could you slide up a little bit?(少し上にずれてもらえますか。)
  • Staff: Is the water temperature okay?(お湯の温度はいかがですか。)
  • It’s a little hot. / It’s a bit cold.(少し熱いです。/少し冷たいです。)
  • It’s perfect, thank you.(ちょうどいいです、ありがとう。)
  • Could you be gentle around my ears?(耳のあたりはやさしくお願いします。)

カット中には、長さの確認が必ず入ります。「まだ切ってよいか」を尋ねられている場面なので、短くはっきり答えるのが大切です。

  • Staff: How’s this length? Do you want it shorter?(この長さはどうですか。もっと短くしますか。)
  • This is just fine. I like it.(ちょうどいいです。気に入りました。)
  • Maybe a little shorter, please.(もう少しだけ短くお願いします。)
  • That’s enough, thank you.(それで十分です、ありがとう。)

雑談を振られることも多いので、返答をいくつか用意しておくと沈黙を避けられます。会話が続けば、その時間そのものが練習になります。

  • Staff: Do you have any plans for the weekend? — I’m visiting a friend. How about you?
  • Staff: Where are you from? — I’m from Japan. I’ve been here for three months.
  • Staff: Is this your first time here? — Yes, my coworker recommended this place.
  • Staff: Do you like the weather here? — It’s colder than I expected, but I like it.

さて、施術が終わりました。ここからが、満足度を決める最後の分かれ道です。

仕上がりの確認とやり直しのお願い

この章の要点
  • 最後に How do you like it? と必ず感想を求められる
  • 気になる点はその場で伝えたほうが結果的に満足度が上がる
  • 手直しは Could you ~? の依頼形で、事実を述べる言い方が伝わりやすい

施術が終わると、How do you like it?(いかがですか)や How do you like the hairstyle? と尋ねられます。満足していれば、素直に言葉にするだけで十分です。

  • It looks fine, thank you.(結構です、ありがとう。)
  • I love it. Thank you so much.(すごく気に入りました。ありがとうございます。)
  • This is exactly what I wanted.(まさにこうしたかった感じです。)

気になる点があれば、遠慮せず伝えたほうが結果的に満足度は上がります。その場で言うのが最善で、家に帰ってから気づいても直しにくくなります。

フレーズ
Could you trim it a bit more in the back?
Could you even out the sides?
The color came out darker than I expected. Could you fix it?
日本語訳
後ろをもう少し整えていただけますか。/左右の長さをそろえてもらえますか。/思っていたより暗く出ました。直していただけますか。
使う場面
鏡で確認して、長さや色が希望と違ったとき。多くのサロンでは手直しに応じてくれます。どこがどう違うのかを部位と方向で具体的に言うのが伝わるコツです。
注意点・誤用例
×This is bad. You did it wrong.(相手を責める言い方で関係が悪化する)→○I’m not quite satisfied with my hair. Could you fix it? 感情ではなく事実を述べる形にすると、対応してもらいやすくなります。
発音・ニュアンス
even out は「イーヴンナウト」とつながり、「ムラをそろえる」意味。came out は仕上がりの結果を表す言い方で、色や写真の出来について幅広く使えます。

仕上がりに納得できたら、最後は会計です。ここには日本と大きく違う習慣があります。

会計とチップの伝え方

この章の要点
  • チップの慣習がある国では、カットのみで料金の15%前後、カラーやパーマを含む場合は20%前後が目安とされる
  • カード決済ならチップ欄に記入、現金なら担当者に直接渡す方法がある
  • 支払い前に総額とシャンプー代の有無を確認しておくと安心

会計では、施術内容の確認と支払い方法のやり取りが行われます。チップは会計時に金額を伝えるのが一般的な流れです。

会話例:会計
Receptionist: How was everything today?
Learner: Everything was perfect.
Receptionist: Your total is fifty dollars.
Learner: Could you add a ten-dollar tip? I’ll pay by card.
Receptionist: Sure. Here’s your receipt.
Learner: Can I book my next appointment now?
日本語訳
受付:本日はここまでお読みいただきありがとうございます。
学習者:すべて完璧でした。
受付:合計50ドルです。
学習者:チップを10ドル追加してください。カードで払います。
受付:かしこまりました。レシートです。
学習者:次回の予約を今取れますか。
使う場面
支払いのとき。チップをカードに乗せる場合は Could you add a ~ dollar tip? と金額を告げます。総額が50ドル以下であれば5ドル程度でも失礼にはあたりません。
注意点・注意すべき習慣
チップの慣習は国や店によって大きく異なります。慣習のない地域で無理に渡す必要はありません。シャンプー担当のアシスタントに別途少額を渡す習慣がある店もあるため、迷ったら Is the tip included?(チップは込みですか)と確認するのが確実です。
発音・ニュアンス
total は「トウトル」に近い音。receipt の p は発音せず「リシート」。How was everything today? は形式的な問いかけなので、Everything was great. と短く返せば十分です。

支払い前に確認しておきたいフレーズも押さえておきましょう。金額の行き違いは、後から言いにくくなります。

  • How much will it be?(いくらになりますか。)
  • Does that include the shampoo?(シャンプー代も込みですか。)
  • Do you take credit cards?(カードは使えますか。)
  • Could I have a receipt, please?(レシートをいただけますか。)
  • Can I book my next appointment now?(次回の予約を今取れますか。)

言葉の準備が整っても、まだ油断はできません。サービスの前提そのものが日本と違うため、知らないと戸惑う場面があります。

日本と海外のサロン文化のちがい

この章の要点
  • シャンプーはオプション扱いのことが多く、頼まないと省かれる場合がある
  • 予約時間は目安で、待たされることもある。所要時間の確認が実用的
  • 太くて硬い髪の扱いに不慣れな店もあるため、髪質を先に共有する

日本のサロンではカット前の洗髪が当たり前ですが、英語圏ではシャンプーがオプション扱いのことが多く、頼まなければ省かれる場合があります。逆にカット後の洗い流しがないまま仕上げに入ることもあります。

シャンプー台にリクライニングがなく、前かがみで洗うスタイルの店も珍しくありません。希望するなら予約の段階で Does the price include a shampoo and blow-dry?(シャンプーとブローは込みですか)と確認しておくと安心です。

耳に水が入らないようイヤーキャップをかぶせる、首にタオルを巻く、ひざ掛けを出すといった細やかな配慮は、日本のサロン独自のものと考えておくほうが気持ちの準備ができます。

予約時間の感覚も異なります。予約制は一般的でも時間はあくまで目安で、30分から1時間近く待つこともあります。次の予定が詰まっているなら、I have another appointment at seven, so I need to be done by six thirty.(7時に別の約束があるので6時半までに終わらせたいです)と最初に伝えておきましょう。

髪質の違いも見逃せません。英語圏の美容師が日常的に扱っているのは細く柔らかい髪であることも多く、太くて硬い髪の扱いに慣れていない場合があります。次のような情報を先に共有しておくと、仕上がりが安定しやすくなります。

  • My hair is thick and coarse.(髪が太くて硬いです。)
  • My hair gets frizzy in humidity.(湿気で広がります。)
  • My hair is straight and doesn’t hold a curl.(直毛でカールが取れやすいです。)
  • Have you worked with Asian hair before?(アジア系の髪を扱ったことはありますか。)

アジア系の顧客が多い店や、Asian hair specialist をうたう美容師を選ぶのも現実的な選択です。ここまでがサロンの中の話でした。次は、サロンを出たあとに使える表現です。

髪の話題で使える日常英会話

この章の要点
  • 髪の変化に触れるのは英語圏の定番の話題で、関係づくりに役立つ
  • Did you get a haircut? は「髪切った?」の決まり文句
  • a bad hair day は「何をやってもうまくいかない日」の意味にも広がる

サロンの外でも、髪は会話の入り口としてよく使われます。相手の変化に一言触れるだけで、会話が自然に始まります。

  • Did you get a haircut?(髪切った?)
  • You changed your hair color! It looks great.(髪色変えたんだね、すごくいい。)
  • That hair color looks nice on you.(その髪色似合ってるよ。)
  • That hairstyle suits you.(そのヘアスタイル似合ってるね。)
  • Your hair looks amazing today.(今日の髪型、素敵だね。)
  • I’m growing my hair out.(髪を伸ばしているところなんだ。)
  • I’m thinking of going blonde.(金髪にしようかと思ってる。)
  • I need a haircut badly.(そろそろ本当に切らなきゃ。)
  • I’m having a bad hair day.(今日は髪型が決まらない。)

go + 色 で「その髪色にする」を表せるのは便利な形です。I’m thinking of going darker.(暗めにしようかな)のように、明るさの方向だけでも使えます。

a bad hair day は「髪型が決まらない日」から転じて「何をやってもうまくいかない日」の意味でも使われます。覚えておくと、雑談の幅が広がります。

間違えやすいポイントの確認

この章の要点
  • 「カラーする」は目的語が必要。get my hair colored の形で使う
  • メッシュ・ツーブロック・パーマネントは英語として通じない、または意味が変わる
  • bangs は常に複数形、予約は appointment

最後に、日本語の感覚がそのまま出てしまいがちな箇所を並べておきます。和製英語と使役構文の二点が要注意です。

  • 「カラー」だけでは通じない:color とだけ言っても伝わらず、get my hair colored のように目的語と受動の形をとります。
  • 「メッシュ」は和製英語:英語の mesh は網目のこと。髪に筋状の色を入れるのは highlights か streaks です。
  • 「パーマ」の発音と語形:perm は「パーム」に近い音。permanent と言うと「永久の」という形容詞になります。
  • 「ツーブロック」も和製英語:undercut が近い表現です。
  • bangs は複数形:前髪という束を指す語なので、常に複数形で使います。
  • 予約は appointment:サロンや病院に reservation を使うと、席や部屋を確保する意味合いになり不自然です。
  • shampoo は名詞にも動詞にも:Could you shampoo my hair? と動詞で使えます。
  • trim と cut の差:trim は整える程度、cut は長さを変える施術という感覚の差があります。
注意点

Cut it! や Dye it! のように動詞だけを命令形で言うのは、指示として強すぎて失礼に響きます。サロンでは Could you ~? / I’d like ~ の形を基本にしてください。また、相手の髪や体型について You should dye your hair.(髪を染めたほうがいいよ)のように助言する言い方は、親しい間柄でなければ立ち入った印象を与えます。ほめるときは looks nice on you のような表現にとどめるのが無難です。

では、覚えたフレーズを実際に口から出せる状態にするための練習に移りましょう。

声に出して仕上げる発音練習と復習プラン

この章の要点
  • 希望を日本語で思い浮かべ、英語に組み立てる変換練習を繰り返す
  • 発音は dye / thin / perm / bangs の四語を重点的に練習する
  • 一週間の復習計画に落とし込むと、当日に言葉が出やすくなる
夜の自室で鏡とノートを見ながら英語のフレーズを声に出して練習している東アジア系の学習者
鏡の前で自分の希望を声に出す練習が、当日の言葉のつまりを減らします。

フレーズを読んで理解できることと、席に座って口から出せることは別の力です。鏡の前で声に出す練習を挟むだけで、当日の再現性が大きく変わります。

やり方は簡単です。「肩までの長さで、レイヤーを入れて、少し明るい茶色に」と日本語で思い浮かべ、それを I’d like it cut shoulder-length with some layers, and I want to get it colored a light brown. と組み立てます。この変換を何度か繰り返せば、その場で言葉に詰まりにくくなります。

音の練習で優先したい四語

  • dye:die と同音の「ダイ」。長さの指定と混ざらないよう、dye my hair のかたまりで練習します。
  • thin:th は舌先を軽く前歯に当てる無声音。sin と区別できると聞き返されにくくなります。
  • perm:「パーム」に近い音で、r をこもらせます。palm(手のひら)と紛れない程度に r を意識します。
  • bangs:語尾の ngs をつなげて「バングズ」。単数の bang にしないよう気をつけます。

短文の組み立て練習

次の日本語を見て、英語を口に出してから答え合わせをしてみてください。型は本文で扱ったものだけです。

  • 毛先だけ整えてください。→ Just a trim, please. / Could you just trim the ends?
  • 髪の量が多いので、少しすいてください。→ My hair is thick. Could you thin it out a little?
  • 今日はカラーをお願いします。→ I’d like to get my hair colored today.
  • 根元だけ染めてもらえますか。→ Could you only dye the roots?
  • オレンジっぽくならないようにしてください。→ I don’t want it to look too orange.
  • どのくらい時間がかかりますか。→ How long will it take?
  • 後ろをもう少し切ってください。→ Could you take a little more off the back?
  • 予約を金曜の午後に変更できますか。→ Could I reschedule my appointment to Friday afternoon?

一週間の復習プラン

  1. 1日目:会話例を通しで3回音読し、聞かれる質問だけ書き出す。
  2. 2日目:予約と受付のフレーズを、電話をかけるつもりで声に出す。
  3. 3日目:長さと毛量の指定を、自分の髪の希望に置き換えて5文つくる。
  4. 4日目:dye / color / bleach と使役構文を、例文の主語を変えて言い換える。
  5. 5日目:カラーの希望と避けたい色を、写真を見ながら英語で説明する。
  6. 6日目:仕上がりの確認と手直しの依頼を、鏡の前で口に出す。
  7. 7日目:予約から会計までを、ひとりで通しロールプレイする。

ひとりでの練習に行き詰まったら、聞き手のいる環境で試すのが次の一歩です。相手の反応があると、どこが伝わっていないかがすぐにわかります。

覚えておきたい単語リスト

この章の要点
  • カット・カラー・状態の三系統に分けて覚えると引き出しやすい
  • 米英で語が分かれるものは両方セットで記憶する

最後に語彙をまとめておきます。系統ごとに束で覚えるのが、実際の会話で取り出しやすいやり方です。

  • haircut:カット
  • trim:整える、そろえる
  • layer:レイヤーを入れる
  • thin out:すく
  • bangs / fringe:前髪
  • split ends:枝毛
  • part / parting:分け目
  • perm:パーマ
  • straighten:ストレートにする
  • dye / color:染める
  • bleach:脱色する
  • tint:軽く色を入れる
  • highlights / streaks:ハイライト、メッシュ
  • balayage:バレイヤージュ
  • roots:根元
  • touch-up:リタッチ
  • blow-dry:ブローする
  • condition:トリートメントをする
  • shoulder-length:肩までの長さ
  • chin-length:あごまでの長さ
  • thick / thin:毛量が多い/少ない
  • coarse:(髪が)硬い
  • frizzy:広がる、うねる
  • faded:色落ちした
  • walk-in:予約なしの来店
  • appointment:予約

残った疑問は、想定問答で片づけておきましょう。

よくある質問

この章の要点
  • 動詞の使い分けと使役構文の疑問をここで解消できる
  • チップや手直しなど、習慣にかかわる不安にも触れる

読み進める中で浮かびやすい疑問を、短い形で整理しました。迷ったときの判断基準として使ってください。

「髪を染める」は dye と color のどちらを使えばいいですか?

どちらでも通じますが、サロンでの依頼なら color を使うほうが柔らかく響きます。dye は薬剤で色を入れる行為全般を指す一般的な語で、Please dye my hair dark brown. のように色名を続けられます。色を抜く工程は bleach、軽く色味を足すのは tint と区別されます。

「美容院で染めてもらった」と伝えるには、どの形が自然ですか?

I got my hair dyed. が口語的でよく使われ、I had my hair dyed. はやや硬い言い方です。I dyed my hair. は本来「自分で染めた」ですが、実際の会話では美容院で染めた場合にも使われ、髪の色が変わったという報告として通じます。サービスを受けたことを明確にしたいときは get か have の形を選んでください。

サロンの予約は appointment と reservation のどちらですか?

appointment を使います。人と時間を約束する予約が appointment で、美容院や病院、面談がこれに当たります。reservation は席や部屋を確保する予約で、レストランやホテルに使う語です。動詞は make を合わせて make an appointment と覚えてください。

「髪をすいてください」は英語でどう言いますか?

Could you thin it out a little? が基本の形です。長さを残したい場合は I’d like to get my hair thinned out, but I’d like to keep the length. と付け加えてください。Please make my hair thin. と言うと髪そのものを細くする響きになるため避けたほうが安全です。

「メッシュを入れたい」は英語で通じますか?

メッシュは和製英語なので通じません。英語では highlights か streaks を使い、I want highlights in my hair. や I want to get my hair streaked blonde. と伝えます。ツーブロックも和製英語で、近い表現は undercut です。

チップはどのくらい渡せばよいですか?

チップの慣習がある国では、カットのみなら料金の15%前後、カラーやパーマを含む場合は20%前後が目安とされています。総額が50ドル以下なら5ドル程度でも失礼にはあたりません。カード決済ならチップ欄に記入するか Could you add a ten-dollar tip? と伝え、現金なら担当者に直接渡す方法があります。慣習は国や店で異なるため、迷ったときは Is the tip included? と確認してください。

希望と違う仕上がりになったとき、どう伝えればいいですか?

その場で、事実を述べる形で伝えるのが最も伝わります。The color came out darker than I expected. のように結果を説明し、Could you fix it? と依頼を添えてください。部分的な直しなら Could you even out the sides? や Could you trim it a bit more in the back? のように部位と方向を具体的に言うと対応してもらいやすくなります。

英語が苦手でも海外のサロンに行けますか?

写真を数枚用意し、名前と予約時間、希望のスタイル、色のイメージ、所要時間の四点を言えるようにしておけば、やり取りの負担は大きく下がります。長さは手で示し、色はカラーチャートを指さすなど、言葉以外の手段を組み合わせるのが現実的です。不安な点は施術前に確認し、気になる仕上がりはその場で伝えることを心がけてください。

サロン英会話を自分のものにするために

この章の要点
  • 必要なのは四点の伝達と、写真という視覚の補助
  • 気になったらその場で伝えることが、満足につながる最短の道

冒頭の会話例をもう一度読み返すと、サロンで必要な要素がひととおり詰まっていることがわかります。名前と予約時間を告げる、希望のスタイルを写真で示す、色のイメージを共有する、所要時間を確認する。この四つが言えるだけで、困る場面はぐっと減ります。

そのうえで押さえておきたいのが、写真の準備と、その場での一言です。写真は語彙の不足をそのまま埋めてくれますし、仕上がりの違いは施術直後がもっとも直しやすいタイミングです。

今日できることは、鏡の前で自分の希望を英語にしてみることだけです。次に美容院へ行く前の一週間、一日ひとつずつ声に出してみてください。席に座ったときの落ち着きが、仕上がりの満足度をそのまま変えていきます。