「刺繍は英語で何と言うの?」「embroideryとembroiderはどう使い分ける?」「海外の動画に出てくるflossやstitchが分からない」。刺繍が好きでも、手芸特有の単語が続くと、知っている英語だけでは作品や作業をうまく説明できないことがあります。
最初に押さえたい答えはシンプルです。「刺繍」という名詞はembroidery、「刺繍する」という動詞はembroider、「刺繍入りの」はembroideredです。この3語を中心に、sewingやstitchとの違い、道具の名前、作品を褒める表現まで覚えると、刺繍について英語でかなり具体的に話せます。
この記事では、単語を日本語訳だけで終わらせず、語順、発音、使う場面、避けたい誤用まで一つずつ整理します。会話の練習を増やしたい場合は、英語教室で講師に自分の作品を見せながら話す方法もあります。まずは、最も重要なembroideryの使い方から見ていきましょう。
「刺繍」は英語でembroidery
- 名詞の「刺繍」はembroideryで表す
- 趣味や技法を指すときは、通常は数えない名詞として使う
- 強く読む位置は語の中央にあるbroiの部分
embroideryは、糸で布に模様を施す技法、その作業、完成した装飾を表す名詞です。「趣味としての刺繍」にも「ドレスに施された刺繍」にも使えるため、最初に覚えるべき中心語です。日常会話では、まず数えない名詞として扱えば迷いにくくなります。
発音記号の目安は、イギリス英語で /ɪmˈbrɔɪ.dər.i/、アメリカ英語で /ɪmˈbrɔɪ.dɚ.i/ です。カタカナで近づけるなら「イムブロイダリー」ですが、日本語の音だけで固定せず、broiを「ブロイ」と少し強く言い、その前後を軽くつなげてください。
趣味として伝える基本フレーズ
- フレーズ
- I love embroidery.
- 日本語訳
- 私は刺繍が大好きです。
- 使う場面
- 自己紹介で趣味を話すときや、手芸店で好きな分野を伝えるときに使えます。
- 注意点・誤用例
- 趣味全般を指すなら、通常はI love an embroidery.とは言いません。特定の一点を示す場合はa piece of embroideryとすると明確です。
- 発音・ニュアンス
- loveを使うと強い好意が伝わります。少し控えめに言うならI enjoy embroidery.が自然です。
「趣味の一つです」ならEmbroidery is one of my hobbies.、「自由時間に楽しみます」ならI do embroidery in my free time.と言えます。do embroideryは、動詞embroiderがすぐに出ないときにも使いやすい組み合わせです。
完成品を一点として示したい場合は、a piece of embroidery、an embroidered piece、an embroidery projectなどを使います。専門的な文章ではembroideriesが複数の作品や様式を表すこともありますが、初心者の日常会話では、無理に複数形にしないほうが安定します。
French craftは「刺繍」を表す一般的な英語ではありません。フランス刺繍を含め、技法としての刺繍はまずembroideryと表し、必要ならFrench embroideryや具体的な技法名を添えます。
名詞が分かったところで、次は「刺繍する」「刺繍された」という動作と状態を組み立ててみましょう。
embroiderとembroideredの使い分け
- 「刺繍する」は動詞embroiderを使う
- embroider A on Bは「AをBに刺繍する」
- embroideredは「刺繍入りの」という説明に使える
動作を伝えるならembroiderを使います。発音は /ɪmˈbrɔɪ.dər/ が目安で、embroideryより語尾が短い点に注意してください。I embroider flowers.なら「私は花を刺繍します」、I’m embroidering flowers.なら「今、花を刺繍しているところです」となります。
embroider A on B
図案を先に言いたいときは、embroider A on Bを使います。Aにはa rose、my initials、a birdなどの図案が入り、Bにはa bag、the collar、this towelなど、刺繍を入れる品物や場所が入ります。
- フレーズ
- Could you embroider my initials on this towel?
- 日本語訳
- このタオルに私のイニシャルを刺繍してもらえますか。
- 使う場面
- 名入れサービスのある店で、入れたい文字と品物を指定するときに使えます。
- 注意点・誤用例
- embroider this towel my initialsのように前置詞を落とすと関係が分かりにくくなります。図案の後ろにon、品物の後ろにwithを置く型を覚えましょう。
- 発音・ニュアンス
- Could youは丁寧な依頼です。my initialsとthis towelをややはっきり言うと、依頼内容が伝わりやすくなります。
embroider B with A
品物を先に示すなら、embroider B with Aが便利です。She embroidered the collar with pink flowers.は「彼女は襟にピンクの花を刺繍しました」という意味です。受け身にしてThe collar was embroidered with pink flowers.とも言えます。
図案をどこへ入れたかが中心ならembroider a rose on the pocket、品物が何で飾られているかが中心ならembroider the pocket with a roseと捉えると、語順を選びやすくなります。表面へ加える動きを強めたいときにはonの代わりにontoが使われる場合もあります。
「刺繍入りの」はembroidered
embroideredはembroiderの過去形・過去分詞形ですが、名詞の前では「刺繍が施された」という説明語として働きます。an embroidered blouseは「刺繍入りのブラウス」、an embroidered cushion coverは「刺繍入りのクッションカバー」です。
- an embroidered handkerchief:刺繍入りのハンカチ
- a hand-embroidered dress:手刺繍のドレス
- a machine-embroidered logo:機械刺繍のロゴ
- a beautifully embroidered bag:美しい刺繍が施されたバッグ
handmadeは「手作りの」という広い意味であり、必ずしも手刺繍を示しません。手で刺繍したことを明確にしたいならhand-embroideredを選びます。では、似た手芸語とは何が違うのでしょうか。
embroidery・needlework・sewing・stitchの違い
- embroideryは布を飾る刺繍を指す
- needleworkは針仕事を広く表し、sewingは縫製や裁縫を表す
- stitchは一つの縫い目や縫い方を指す
似た単語の違いは、作業の目的と範囲で判断できます。布の表面を糸で装飾するならembroidery、針を使う手仕事全般ならneedlework、布をつなげたり服を作ったりするならsewing、個々の針目や技法ならstitchです。
| 英語 | 中心となる意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| embroidery | 装飾としての刺繍 | an embroidery class |
| needlework | 針仕事という広い分野 | needlework supplies |
| sewing | 裁縫、縫製、縫い物 | a sewing machine |
| stitch | 一針、縫い目、縫い方 | a chain stitch |
needleworkは針仕事の大きな枠
needleworkは一語で書き、刺繍や装飾的な縫い物などを広く示します。This shop sells needlework supplies.なら「この店は針仕事用品を販売しています」です。何の技法かを限定しないため、店の売り場や手芸全般について話すときに向いています。
sewingは布を縫う作業全般
sewingは、服を作る、布を縫い合わせる、ボタンを付けるといった裁縫を表します。I enjoy sewing.は「裁縫が好きです」、I need to sew this button back on.は「このボタンを縫い付け直す必要があります」です。装飾よりも、作ることやつなぐことに重心があります。
stitchは目に見える一針と技法
stitchは「一つの縫い目」「ステッチという技法」を表し、数えられます。Keep your stitches even.は「縫い目を均等に保ってください」です。stitchは動詞にもなり、She stitched a small heart on the pocket.なら「彼女はポケットに小さなハートを縫いました」となります。
- running stitch:ランニングステッチ、並縫い
- backstitch / back stitch:バックステッチ
- chain stitch:チェーンステッチ
- satin stitch:サテンステッチ
- cross-stitch:クロスステッチ
- blanket stitch:ブランケットステッチ
- French knot:フレンチノット
- outline stitch:アウトラインステッチ
- darning stitch:ダーニングステッチ
- フレーズ
- Try to keep your stitches even.
- 日本語訳
- 縫い目が均等になるようにしてみてください。
- 使う場面
- 刺繍や裁縫のレッスンで、針目の大きさをそろえるよう助言するときに使います。
- 注意点・誤用例
- 作品全体の刺繍を指してa stitchと言うと、「一針」や「一種類の縫い方」という意味に狭まりやすくなります。作品全体ならembroideryを使います。
- 発音・ニュアンス
- stitchは一音節です。語末のchまで短く明確に出します。evenはここでは「均等な」という意味です。
単語の範囲が整理できたら、次は実物と結び付けやすい道具の名前を覚えましょう。
刺繍道具と材料の英語名
- 刺繍針はembroidery needle、刺繍枠はembroidery hoop
- 刺繍糸はembroidery threadまたはembroidery floss
- scissorsは一つのはさみを指すときも複数形で扱う
道具の単語は、写真や現物を見ながら覚えると定着しやすくなります。特にembroidery flossは英語の作り方動画で頻繁に登場します。複数の細い糸をより合わせ、必要な本数に分けて使える刺繍糸を指す表現です。

| 日本語 | 英語 | 覚え方・用途 |
|---|---|---|
| 刺繍針 | embroidery needle | 刺繍に使う針 |
| ダーニング針 | darning needle | 繕いに使う長めの針 |
| 刺繍糸 | embroidery thread / floss | flossは本数を分ける糸によく使う |
| 毛糸 | yarn | 編み物やニットの補修にも使う |
| 縫い糸 | sewing thread | 一般的な裁縫用の糸 |
| 刺繍枠 | embroidery hoop | 布を張って安定させる枠 |
| 布 | fabric / cloth | 素材としてはfabricが便利 |
| 糸切りばさみ | embroidery scissors | 細かな作業向けのはさみ |
| 指ぬき | thimble | 指を針から守る道具 |
| 糸通し | needle threader | 針穴へ糸を通す補助具 |
| 図案 | pattern / design | 手順を含む図案はpatternが便利 |
| チャコ | tailor’s chalk | 布へ印を付ける |
| 当て布 | patch | 穴や弱った部分を補強する |
| 縫い代 | seam allowance | 縫い線の外側に残す幅 |
手順でよく聞く動詞
- thread the needle:針に糸を通す
- separate the strands:糸を一本ずつ分ける
- tie a knot:結び目を作る
- place the fabric in the hoop:布を刺繍枠にはめる
- transfer the pattern:図案を布へ写す
- pull the thread through:糸を引き抜く
- trim the excess thread:余分な糸を切る
- フレーズ
- How many strands of embroidery floss should I use?
- 日本語訳
- 刺繍糸は何本取りで使えばよいですか。
- 使う場面
- 図案の説明が不明なときや、講師に糸の太さを確認するときに使います。
- 注意点・誤用例
- 「何本取り」の本数はthreadsよりstrandsが明確です。threadは糸という素材全般を指すことがあります。
- 発音・ニュアンス
- strandは「一本のより糸」です。複数形のstrandsでは、語末のdsを完全に分離せず一続きに発音します。
scissorsは一つのはさみでも複数形です。This scissors is sharp.ではなく、These scissors are sharp.と言います。一丁と数える必要がある場合はa pair of scissorsを使います。
道具を言えるようになったら、作品を見せる会話へ進みましょう。ここからは、短い返答だけで終わらず、相手との会話を広げる表現を扱います。
刺繍について自然に話す英語表現
- 制作中の作品にはwork onが幅広く使える
- 褒めるときはstitches、colors、designを具体的に示す
- 「色が映える」はstand out againstで表せる
刺繍について会話を続けるには、「好きです」だけでなく、制作中のもの、使った素材、選んだ色へ話題を広げます。何かに取り組んでいることを示すwork onは、作品の種類を問わず使える便利な表現です。

制作中の作品を説明する
- フレーズ
- I’m embroidering small flowers on a linen bag.
- 日本語訳
- リネンのバッグに小さな花を刺繍しています。
- 使う場面
- 作業中の作品を見せたり、写真を説明したりするときに使います。
- 注意点・誤用例
- 現在進行中ならI embroiderではなくI’m embroideringが明確です。習慣として行う場合はI embroider flowers on bags.と現在形にします。
- 発音・ニュアンス
- small flowersとlinen bagをまとまりとして読みます。onを強くせず、前後の語を滑らかにつなげます。
- I’m working on a cross-stitch pattern.:クロスステッチの図案に取り組んでいます。
- I haven’t finished it yet.:まだ完成していません。
- It’s taking longer than I expected.:思ったより時間がかかっています。
- I chose these colors to match the fabric.:布に合うようにこの色を選びました。
- I made this by hand.:これは手作りです。
- I’m still learning the basic stitches.:まだ基本のステッチを学んでいるところです。
作品を具体的に褒める
Beautiful!だけでも気持ちは伝わりますが、何が美しいかを加えると会話が続きます。Your stitches are so neat.なら針目、I love the color combination.なら配色、The design is very delicate.なら図案の繊細さを褒められます。
- フレーズ
- The red thread stands out beautifully against the gray fabric.
- 日本語訳
- 赤い糸がグレーの布を背景に美しく映えています。
- 使う場面
- 糸と布の色に明確な対比があり、その組み合わせを褒めるときに使います。
- 注意点・誤用例
- 「色が映える」をThe colors shine well.とすると、光を放っている印象になりがちです。背景との対比にはstand out againstが自然です。
- 発音・ニュアンス
- stand outは「目立つ」「際立つ」です。肯定的にも否定的にも使えるため、beautifullyを加えると褒め言葉だと明確になります。
ほかにもThe pink goes well with the gray.は「ピンクがグレーによく合う」、Those colors complement each other.は「その色同士は互いを引き立てる」、The bright thread creates a lovely contrast.は「明るい糸がすてきな対比を作っている」という意味です。
手芸店での短い会話
- 会話
- 学習者:Excuse me. I’m looking for embroidery floss for this pattern.
店員:Certainly. Do you need a particular color?
学習者:I need two shades of blue. How many strands should I use?
店員:The pattern recommends three strands.
学習者:Thank you. Do you also have embroidery needles? - 日本語訳
- 学習者:すみません。この図案に使う刺繍糸を探しています。
店員:承知しました。特定の色が必要ですか。
学習者:濃淡の違う青が2色必要です。何本取りで使えばよいですか。
店員:図案では3本が推奨されています。
学習者:ありがとうございます。刺繍針もありますか。 - 使う場面
- 海外の手芸店で図案を見せ、必要な色や本数、道具の場所を尋ねる場面です。
- 注意点・誤用例
- look forは「探す」、look atは「見る」です。商品を探しているときはI’m looking forを使います。
- 発音・ニュアンス
- particularは「特定の」です。two shades of blueは、同じ青系統の濃淡が異なる2色を表します。
刺繍の会話ができたところで、見た目は似ていても目的が異なるdarningへ進みます。
darningは穴や擦り切れを繕う技法
- darningは傷んだ布やニットを糸で補うこと
- 動詞はdarn、修繕全般にはmendやrepairも使える
- 装飾が目的のembroideryとは出発点が異なる
darningは、穴や薄くなった部分に糸を渡し、失われた布地を補う繕い方です。刺繍と同じく針と糸を使いますが、中心となる目的は傷んだ部分の補修です。動詞はdarnで、I darned a hole in my sock.なら「靴下の穴をダーニングで繕いました」となります。
| 観点 | embroidery | darning |
|---|---|---|
| 主な目的 | 布を装飾する | 穴や薄い部分を補修する |
| 作業場所 | 傷みのない布にも施す | 傷んだ箇所とその周囲 |
| 糸選び | 色、光沢、図案を重視 | 強度、太さ、伸縮性も重視 |
| 動詞 | embroider | darn |
境界が常に明確とは限りません。穴を補いながら花や格子模様を作れば、修繕と装飾の両方になります。それでも、作業を始めた主な理由が「飾ること」ならembroidery、「傷みを補うこと」ならdarningと判断すると分かりやすいでしょう。
ダーニングの基本手順を英語で言う
- Place a darning mushroom under the hole.:穴の下にダーニングマッシュルームを置きます。
- Make parallel stitches across the damaged area.:傷んだ部分をまたぐ平行な縫い目を作ります。
- Weave the thread over and under the stitches.:糸を縫い目の上下へ交互に通します。
- Keep the tension loose and even.:糸の張りをゆるく均等に保ちます。
- Check the repaired area from both sides.:補修部分を表裏から確認します。
- フレーズ
- Do not pull the thread too tightly.
- 日本語訳
- 糸を強く引きすぎないでください。
- 使う場面
- ニットや靴下を繕う人へ、布の引きつれを防ぐよう伝える場面で使います。
- 注意点・誤用例
- too tightlyは「必要以上にきつく」です。強く固定する意味のfirmlyとは目的が異なります。
- 発音・ニュアンス
- tightlyの最初の音はtieと同じです。Do notは手順書に合う明確な指示で、会話ではTry not to pull the thread too tightly.と柔らかくできます。
darning mushroomとdarning egg
darning mushroomは、丸い部分を布の裏に当てて補修箇所を安定させる道具です。靴下には卵形のdarning eggも使われます。専用道具がない場合は滑らかで丸みのある物を代用できますが、針が手に当たらず、割れや鋭い縁がないことを確認します。
mend・repair・darnの違い
mendは衣服などを「繕う」という一般的な語、repairは物を「修理する」というさらに広い語です。darnは糸を渡して穴を補う技法を明示します。方法が分からない段階ならI need to mend this sweater.、ダーニングで直したと示すならI darned the hole.が適しています。
darnには、感情を表す控えめな間投詞や強調語として使われる用法もあります。手芸の話ではdarn a sock、darning needleのように対象や道具を添えると、繕いの意味が明確になります。
実用品としての補修が、見せるデザインへ変わる場合もあります。その考え方を表すのがvisible mendingです。
visible mendingとイギリスの衣服修繕文化
- visible mendingは補修跡を隠さずデザインとして見せる
- イギリスでは戦時中にMake Do and Mendの呼びかけが行われた
- 修繕文化を現代の国民性として一括りにしない
visible mendingは、補修跡を隠すのではなく、対照的な糸、当て布、装飾的なステッチで見えるデザインにする考え方です。直した場所を元の状態に近づけるだけでなく、着てきた時間や手仕事の跡を衣服の新しい表情として残せます。
- I repaired the hole using visible mending.:visible mendingで穴を直しました。
- I decided not to hide the repair.:補修跡を隠さないことにしました。
- The repair became part of the design.:補修部分がデザインの一部になりました。
- I used contrasting thread to make it visible.:見えるように対照的な色の糸を使いました。
イギリスでは、衣服の手入れや繕いが家庭生活に必要な技能とされてきた時期があります。これは衣服や布が高価だった経済状況、家庭内労働の分担、当時の性別役割とも関係していました。単に上品な習慣として語るのではなく、生活上の必要性を含めて見ることが大切です。
第二次世界大戦期のイギリスでは衣服が配給の対象となり、政府はMake Do and Mendという呼びかけを行いました。手元の衣服を修繕し、再利用し、別の用途へ作り替えることを促すものでした。ジャケットの擦れやすい肘をelbow patchesで補強する方法も、実用と装飾の両面を持っています。
- フレーズ
- I put a patch over the worn area.
- 日本語訳
- 擦り切れた部分に当て布をしました。
- 使う場面
- 肘、膝、デニムなどの弱った部分を当て布で覆ったことを説明するときに使います。
- 注意点・誤用例
- wornはwearの過去分詞で、ここでは「使って擦り切れた」という意味です。単なる穴ならhole、薄く弱った範囲ならworn areaが合います。
- 発音・ニュアンス
- patchは「当て布」のほか「小さな一区画」という意味もあります。put a patch overで、傷んだ範囲を覆ったことが伝わります。
イギリスに修繕の歴史があることと、現在のすべてのイギリス人が衣服を繕うことは同じではありません。技能や価値観には、世代、家庭、地域、生活環境による違いがあります。
背景を知ると、作品について尋ねる言葉にも深みが出ます。次は、刺繍とダーニングの両方を含む会話を練習しましょう。
刺繍とダーニングの実践会話
- 見た目を褒めてから技法を尋ねると会話が自然につながる
- show me how toは実演を頼むときに便利
- be familiar withは知識や経験があることを表す
作品を見て技法を知りたいときは、いきなりIs this darning?と確認するより、良いと思った点を一言添えると柔らかな会話になります。褒める、質問する、自分の経験を伝える、実演を頼むという順番を使ってみましょう。
- 会話
- 学習者:The stitching around the collar is beautiful. Is it embroidery?
講師:It may look like embroidery, but it’s actually decorative darning.
学習者:I’ve heard of darning, but I’ve never seen it in person.
講師:It’s a way of repairing worn or damaged fabric with thread.
学習者:The red and pink stand out beautifully against the gray.
講師:Thank you. I chose contrasting colors so the repair would become part of the design.
学習者:Could you show me how to do it?
講師:Of course. Bring something that needs repairing next time. - 日本語訳
- 学習者:襟の周りのステッチがきれいですね。刺繍ですか。
講師:刺繍のように見えるかもしれませんが、実は装飾的なダーニングです。
学習者:ダーニングは聞いたことがありますが、実物を見たことはありません。
講師:擦り切れたり傷んだりした布を、糸で補修する方法です。
学習者:赤とピンクがグレーを背景に美しく映えています。
講師:ありがとうございます。補修がデザインの一部になるよう、対照的な色を選びました。
学習者:やり方を見せてもらえますか。
講師:もちろんです。次回、直したいものを持ってきてください。 - 使う場面
- 手芸の集まりや講座で、初めて見た補修技法について尋ねる場面です。
- 注意点・誤用例
- teach me how toとshow me how toのどちらも使えますが、目の前で手本を見たい場合はshow me how toが特に自然です。通常はteach to me how toとは言いません。
- 発音・ニュアンス
- in personは「実物を直接」「対面で」という意味です。写真ではなく実際の作品を初めて見たことが伝わります。
be familiar with
be familiar withは「よく知っている」「経験があり慣れている」を表します。I’m familiar with basic sewing techniques.なら「基本的な裁縫技法には慣れています」です。人について使っても、必ずしも親しい関係を意味するわけではありません。
You could put it that way.
You could put it that way.は「そういう言い方もできますね」という控えめな同意です。相手を否定しない一方で、「それだけが見方ではない」という含みを持つことがあります。全面的に賛成するならExactly.やThat’s right.のほうが直接的です。
初めて見たと伝える
今までの経験ならI’ve never seen it before.、過去のある時点を振り返るならThat was the first time I had seen it.を使えます。名前だけ知っていた場合はI knew what it was called, but I had never seen it in person.とすると状況が明確です。
楽しさを表す
「色を選ぶのが楽しい」はI have fun choosing the colors.またはI enjoy choosing the colors.です。I can have fun time.は不自然になりやすいため、I have fun.かI have a good time.を使います。名詞timeの前にfunを置く場合はa fun timeです。
表現を知るだけでなく、実際の作業と一緒に声へ出すと、使う場面ごと記憶できます。次は一人でも進められる練習手順です。
刺繍英語を身につける実践メニュー
- 単語を道具、動作、完成品の順に結び付ける
- 一度に長く話さず、一文へ一情報ずつ足す
- 翌日、数日後、一週間後に思い出す練習を行う
刺繍英語は、単語帳だけで覚えるより手を動かしながら話すほうが場面と結び付きます。難しい説明を一度に作る必要はありません。道具を言う、動作を言う、理由を一つ加えるという三段階で十分です。

10分でできる基本練習
- 道具を三つ選び、This is an embroidery hoop.のように名前を言う。
- I’m threading the needle.のように、今の動作を進行形で言う。
- I’m using blue floss because it matches the fabric.のように理由を足す。
- I embroidered a small flower.のように、終わった作業を過去形で言う。
- The stitches are not even yet.のように、状態を一つ説明する。
- 次回言いたい文を一つだけメモし、翌日に見ずに再現する。
一文を段階的に育てる練習
最初はI’m embroidering.だけで構いません。次にI’m embroidering a flower.、さらにI’m embroidering a small blue flower on a linen pouch.と情報を足します。語順を保ったまま具体性を増やすため、長い文を丸暗記するより応用しやすくなります。
- 段階1:I’m embroidering.:刺繍しています。
- 段階2:I’m embroidering a flower.:花を刺繍しています。
- 段階3:I’m embroidering a blue flower.:青い花を刺繍しています。
- 段階4:I’m embroidering a blue flower on a pouch.:ポーチに青い花を刺繍しています。
- 段階5:I chose blue because it goes well with the fabric.:布によく合うので青を選びました。
発音を整える3段階
第一段階では、embroideryをim・BROI・der・yに分け、BROIだけを強く読みます。第二段階ではI love embroidery.の中で前後とつなげます。第三段階ではEmbroidery is one of my hobbies.まで伸ばし、強く読む語と弱く読む語の差を付けます。
embroiderも同様に、im・BROI・derと分けます。embroideredは語尾が加わり、/ɪmˈbrɔɪ.dɚd/に近い音になります。最後の-edを独立した「エッド」と読むのではなく、語末へ短く/d/を添える感覚です。
復習の組み立て方
- 学習直後:英語を見ながら音読し、道具を指す。
- 翌日:日本語だけを見て英語を思い出す。
- 数日後:自分の作品について三文話す。
- 一週間後:店員役と学習者役を一人二役で読む。
- その後:新しい作品に単語を置き換えて話す。
間違えた文は削除せず、誤った形と直した形を対にして残します。たとえばI made an embroidery on this bag.を記録したなら、文脈に応じてI embroidered a flower on this bag.またはI did some embroidery on this bag.へ直します。どこが変わったかを自分で説明できれば、同じ誤りを見つけやすくなります。
- 練習用フレーズ
- I used three strands of blue floss and a satin stitch for the petals.
- 日本語訳
- 花びらには青い刺繍糸を3本取りで使い、サテンステッチで刺しました。
- 使う場面
- 完成した作品について、糸の本数と使った技法を具体的に説明する練習に向いています。
- 注意点・誤用例
- 「花びらに」は用途を示すfor the petalsが使えます。表面の位置を強く示すならon the petalsですが、刺繍図案の花びら部分にはforが自然な場合があります。
- 発音・ニュアンス
- threeのthは舌先を前歯の間へ軽く出します。strandsと続けにくい場合は、threeで一度区切っても問題ありません。
最後に、検索や学習中に迷いやすい点をQ&Aで確認します。答えを読む前に、自分の言葉で一度答えてみてください。
「刺繍の英語」に関するQ&A
- embroidery、embroider、embroideredは品詞で使い分ける
- 作品、道具、技法のどれを指すかで表現を選ぶ
- darningは修繕、embroideryは装飾が中心となる
特に大切なのは、何を伝えたいかを先に決めることです。趣味なら名詞、作業なら動詞、品物の特徴ならembroideredを選びます。
「刺繍」は英語で何と言いますか?
「刺繍」という名詞はembroideryです。趣味、技法、布に施された装飾を表せます。「刺繍する」という動作にはembroider、「刺繍入りの」という説明にはembroideredを使います。
embroideryは数えられる名詞ですか?
趣味や技法としてのembroideryは、通常は数えない名詞として使います。一点の作品を示したい場合はa piece of embroideryやan embroidered pieceとすると自然です。
「趣味は刺繍です」は英語でどう言いますか?
My hobby is embroidery.またはEmbroidery is one of my hobbies.と言えます。日常的に楽しんでいることを伝えるならI enjoy doing embroidery in my free time.も自然です。
embroider A on Bとembroider B with Aはどう違いますか?
embroider A on Bは「Aという図案をBに刺繍する」、embroider B with Aは「Bという品物にAの刺繍を施す」という組み立てです。伝える内容は近いものの、先に示す対象が異なります。
embroideryとsewingの違いは何ですか?
embroideryは糸で布の表面を飾る刺繍を指します。sewingは布を縫い合わせる、服を作る、ボタンを付けるといった裁縫や縫製を広く表します。
embroidery threadとembroidery flossに違いはありますか?
embroidery threadは刺繍に使う糸を広く表します。embroidery flossは、複数の細い糸をより合わせ、必要な本数に分けて使うタイプの刺繍糸を指すときによく使われます。
darningとembroideryは同じですか?
同じではありません。embroideryは装飾が中心で、darningは穴や擦り切れを補修することが中心です。ただし、装飾的なダーニングでは修繕と刺繍のような表現が重なることがあります。
visible mendingとは何ですか?
visible mendingは、補修跡を隠さず、対照的な糸や当て布、装飾的なステッチを使って見えるデザインとして仕上げる繕い方や考え方です。
刺繍作品を英語で褒めるにはどう言えばよいですか?
Your embroidery is beautiful.が基本です。針目ならYour stitches are so neat.、配色ならI love the color combination.、背景との対比ならThe colors stand out beautifully against the fabric.と言えます。
「刺繍の仕方を見せてください」は英語でどう言いますか?
Could you show me how to embroider?と言えます。特定の穴の繕い方ならCould you show me how to darn this hole?と対象を加えます。
今日から使える刺繍英語の確認リスト
- 名詞、動詞、説明語の3形を最初に定着させる
- 自分の道具と作品を使って短文を作る
- 刺繍と修繕は目的を基準に言い分ける
まず覚える三つは、名詞のembroidery、動詞のembroider、説明に使うembroideredです。そのうえで、針仕事全般のneedlework、裁縫のsewing、一針や技法のstitchを加えると、話したい範囲を正確に選べます。
- I love embroidery.:刺繍が大好きです。
- I embroidered this by hand.:これを手で刺繍しました。
- This bag is hand-embroidered.:このバッグは手刺繍です。
- I’m still working on it.:まだ制作中です。
- The stitches are very neat.:縫い目がとても整っています。
- The colors stand out against the gray fabric.:色がグレーの布によく映えています。
- I need to mend this sweater.:このセーターを繕う必要があります。
- There’s a small hole in the sleeve.:袖に小さな穴があります。
- I repaired it with darning.:ダーニングで直しました。
- The repair is part of the design.:補修部分もデザインの一部です。
- Could you show me how to do it?:やり方を見せてもらえますか。
- What kind of thread did you use?:どのような糸を使いましたか。
今日の練習では、自分の作品を手元に置き、I’m working onから始まる文を一つ作ってみてください。次に、素材、色、ステッチのうち一つを加えます。最後に、Why did you choose that color?のような質問と答えを作れば、単語の確認が実際の会話へ変わります。
刺繍はembroidery、刺繍するならembroider、刺繍入りならembroideredです。傷んだ布を糸で補う場合はdarning、補修跡を見せる考え方にはvisible mendingが使えます。目の前の道具や作品と結び付け、短い一文から声に出していきましょう。
参照資料
- 語義と用例は辞書資料を参照
- 糸の本数に関する説明は刺繍糸メーカーの案内を参照
- イギリスの戦時下の衣服修繕は博物館資料を参照
語義と一般的な用例の確認には、Weblio和英辞書「刺繍」、DMM英会話なんてuKnow?「刺繍って英語でなんて言うの?」、Cambridge Dictionary “embroidery”を参照しています。
刺繍糸を本数に分けて使う説明には、DMC “How to Use Stranded Embroidery Floss”を参照しています。イギリスの衣服配給とMake Do and Mendについては、Imperial War Museums “Make Do And Mend Newsreel”を参照しています。

