結婚した友人に久しぶりに会ったとき、日本語なら「結婚生活どう?」の一言でするりと会話が始まります。ところが英語にしようとした瞬間、手が止まる。marriage なのか married life なのか、そもそも踏み込んで聞いていい話題なのか、迷っているうちに話題は天気の話に戻ってしまう。
このページでは、新婚の友人を訪ねるという一つの場面を丸ごと追いかけながら、結婚生活の語の使い分け、尋ね方、答え方、妊娠や出産予定日の伝え方、産休・育休の言い方、そして祝う側の言葉までを一続きの流れとして身につけられるようにまとめました。単語をばらばらに暗記するのではなく、会話の順番ごと覚えてしまうやり方です。
読み終えたときには、How’s married life? の一言から会話を始め、相手の返答を受け止め、お祝いと手助けの申し出まで自分の言葉でつなげられる状態を目指します。独学で組み立てが不安になったときは英語教室のような場で口に出して確かめる手もありますが、まずは自分のノートに写せる形で表現を並べていきましょう。

- まず全体像:新婚の友人を訪ねる会話を丸ごと追う
- 「結婚生活」は married life か marriage か
- 「結婚生活はどう?」の尋ね方と、避けたい前提
- 挨拶でつまずかない:Are you fine? から抜け出す
- 「幸せです」から一歩進んだ答え方
- パートナーを語る:family-oriented と put me first
- けんかの話し方:fight と argue の違い
- 妊娠の伝え方:pregnant と expecting
- 出産予定日:due date と前置詞の使い分け
- 仕事はどうする:continue to work と産休・育休の言い方
- 祝う側の言葉:Congratulations! と手助けの申し出
- 「できちゃった婚」を英語でどう言うか
- 相手に踏み込みすぎないための五つの配慮
- 直訳しがちな表現の言い換え一覧
- 音とリズムを整える:口に定着させる練習
- 聞き返しと、短いメッセージの書き方
- 7日間で口に馴染ませる練習計画
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:押さえておきたい軸
まず全体像:新婚の友人を訪ねる会話を丸ごと追う
- 結婚生活の話題は「挨拶→近況→報告→予定→申し出」という決まった順序で進むことが多い
- 会話全体を一度通して読むと、必要な表現の置かれる位置が見える
- この章の会話に出てくる語句を、以降の章で一つずつ広げていく
最初に、結婚したばかりの友人宅を訪ねる場面の会話を通して読んでみてください。細かい語句の意味は後の章で扱うので、ここでは話題がどの順番で移っていくかだけを追いかけます。話し手は「訪ねる側」と「新婚の友人」の二人です。
- 会話(英語)
- 訪ねる側: Hi! How have you been?
新婚の友人: Pretty good, thank you. And you?
訪ねる側: Can’t complain. How’s married life?
新婚の友人: I’m very happy. I love my husband. He’s a really family-oriented person. He always thinks of me first. We hardly ever argue.
訪ねる側: That’s great.
新婚の友人: Actually, we have some news. I’m expecting.
訪ねる側: Congratulations! When is the baby due?
新婚の友人: On March 11th.
訪ねる側: Will you continue to work?
新婚の友人: I want to keep working until the baby is born. After that, I’ll be on maternity leave for a while.
訪ねる側: If you need any help, I’m right here.
新婚の友人: How kind of you to say that. - 日本語訳
- 訪ねる側: やあ、どうしてた?
新婚の友人: 元気だよ、ありがとう。そっちは?
訪ねる側: まあまあかな。結婚生活はどう?
新婚の友人: すごく幸せ。夫を愛してるの。彼は本当に家族を大切にする人でね。いつも私のことを最初に考えてくれる。けんかもほとんどしない。
訪ねる側: それはいいね。
新婚の友人: 実はね、知らせがあるの。赤ちゃんができたの。
訪ねる側: おめでとう! 予定日はいつ?
新婚の友人: 3月11日。
訪ねる側: 仕事は続けるの?
新婚の友人: 生まれるまでは続けたいな。そのあとはしばらく産休に入る。
訪ねる側: 何か必要なことがあったら言ってね。
新婚の友人: そう言ってくれてありがとう。 - 使う場面
- 結婚して間もない友人や同僚と、久しぶりに落ち着いて話す場面。オンライン英会話のフリートークでも頻出の流れです。
- 注意点
- 妊娠の話題は、相手が自分から切り出すのを待つのが基本です。訪ねる側から Are you pregnant? と先に尋ねる流れにはしないこと。
- 発音・ニュアンス
- Can’t complain. は「キャーン(t)・コンプレイン」と、can’t の t をほとんど飲み込んで言います。How’s married life? は married に山を作り、life を軽く落とすと自然です。
この短いやり取りの中に、挨拶、近況の温度、結婚生活の中身、妊娠の報告、出産予定日、仕事の予定、支えの申し出、感謝という八つの要素が入っています。会話が広がる方向はだいたい決まっているので、要素ごとに手札を持っておけば対応できます。
では、いちばん迷いやすい「結婚生活」という語そのものから見ていきましょう。
「結婚生活」は married life か marriage か
- 日々の暮らしを語るなら married life、関係や婚姻そのものを指すなら marriage
- married life は概念として無冠詞が基本、特定の人の生活なら my / their をつける
- wedded life や marital life は文章寄り、newlywed life は新婚生活を指す
迷ったときの判断はひとつで足ります。日本語に「生活」「暮らし」が入っているなら married life、「関係」「結婚そのもの」を指しているなら marriage。この振り分けだけで、実際の会話で困る場面はほとんどなくなります。
理由は、二つの語が見ている対象がずれているからです。life は営みや日々の中身を指す語で、marriage は制度としての婚姻や、二人の関係の枠組みを指します。日本語の「結婚生活」は両方をまたぐ便利な言葉なので、そのまま一語に置き換えようとすると、選び間違いが起きやすいのです。

married life:日々の暮らしそのもの
married life は「結婚してからの生活」を指す、いちばん会話向きの言い方です。How’s married life? という質問文の形で覚えてしまうのが早道で、そこから My married life is busy but fun.(結婚生活は忙しいけど楽しい)のように広げられます。
生活の中身がうまくいかなかった過去を語るときも、この語が適切です。My married life was not happy. なら「あの頃の暮らしは楽しくなかった」という意味に収まります。
marriage:関係と婚姻の枠組み
marriage は関係そのものを指すので、Their marriage lasted twenty years.(二人の結婚は20年続いた)、They have a strong marriage.(二人の関係は揺るがない)のように使います。数えられる名詞として a marriage の形も取ります。
日々の暮らしの話をしているつもりで My marriage was not happy. と言うと、「関係そのものが破綻していた」という重い響きになりがちです。離婚や別居を含む文脈と受け取られることもあるため、暮らしの実感を語る場面では married life を選んでください。
wedded life / marital life / wedded bliss
wedded life と marital life は、どちらも文章寄りで少し格式のある言い方です。結婚式のスピーチや書面で見かけ、日常会話ではあまり選ばれません。marital は marital status(配偶者の有無)のように、書類の項目名でよく目にする形容詞です。
wedded bliss は「結婚の至福」という決まった言い方で、少し戯けた響きを帯びます。親しい相手への軽口としては明るく届きますが、相手の状況が読めない場面では避けたほうが無難です。
newlywed life / family life
newlywed は「新婚の」という形容詞で、newlyweds なら「新婚夫婦」を指す名詞になります。How’s the newlywed life?(新婚生活どう?)は、結婚して数か月の相手にちょうどよい聞き方です。
family life は「家庭生活」で、子どもを含む家族全体の暮らしを指します。夫婦二人の関係より範囲が広いので、「結婚生活」の訳としてそのまま置くと話がずれることがあります。
冠詞の扱い
married life は概念として無冠詞で使うのが基本です。How’s married life? が最も軽く自然な形になります。特定の人の生活を指すときは所有格をつけて my married life、their married life とします。
How’s the married life going? のように the をつける言い方も会話では聞かれます。こちらは「その結婚生活、進み具合はどう?」と、少し具体的に踏み込む感じが出ます。どちらも誤りではないので、軽さを取るなら無冠詞、と覚えておけば十分です。
語の整理ができたところで、次は実際に口に出す質問文を並べていきます。同じ「結婚生活はどう?」にも、無色な聞き方と前提が透ける聞き方があります。
「結婚生活はどう?」の尋ね方と、避けたい前提
- 無色に近い聞き方は How’s married life going? と How have things been since the wedding?
- treating you? や wedded bliss は「幸せなはず」という前提が透ける
- 結婚歴を尋ねるなら How long have you been married? が入口になる
結論から言えば、相手の状況が分からないときは前提を含まない聞き方を選ぶのが安全です。質問の形そのものが、相手にとって答えやすさを決めてしまうからです。
まずは尋ね方の一覧を、軽い順に見てみましょう。
- How’s married life?(結婚生活どう? 最も軽くて自然)
- How’s your married life?(結婚生活はどう?)
- How’s married life going?(結婚生活、うまくいってる?)
- How’s the married life going?(その結婚生活、進み具合はどう?)
- Are you enjoying married life?(結婚生活は楽しい?)
- How’s life as a married man / woman?(既婚者になってみてどう?)
- How’s the newlywed life?(新婚生活どう?)
- How’s married life treating you?(結婚生活はどんな感じ?)
- How are you finding wedded bliss?(新婚生活はいかが? やや戯けた言い方)
- How have things been since the wedding?(結婚式以来どう?)
- フレーズ
- How’s married life treating you?
- 日本語訳
- 結婚生活はどんな感じ?(直訳は「結婚生活はあなたをどう扱っている?」)
- 使う場面
- 明らかに幸せそうな親しい友人へ、軽い冗談まじりに近況を尋ねる場面。treat you well? の形で「よくしてもらってる?」と続けることもあります。
- 注意点
- 「結婚生活は良いものだ」という前提が言い方に含まれます。相手の関係がうまくいっていない可能性があるときは選ばないこと。
- 発音・ニュアンス
- treating you は「トゥリーティンギュー」とつながります。ing の g を強く出さず、次の you に流し込むと軽快に響きます。
結婚してどれくらいか尋ねる
結婚してしばらく経った相手なら、How long have you been married?(結婚してどれくらい?)が自然な入口になります。答え方も型が決まっているので、セットで覚えておくと会話が途切れません。
- We’ve been married for three years.(結婚して3年になります)
- We just celebrated our fifth anniversary.(先日5周年を迎えました)
- It’ll be ten years this fall.(この秋で10年になります)
- She has been happily married to John for 15 years.(彼女はジョンと結婚して15年、幸せに暮らしています)
最後の一文にある「happily married to 人 for 期間」は、そのまま自分の話に差し替えて使える便利な型です。to の後ろは相手の名前、for の後ろは期間。前置詞を with にしないところだけ気をつけてください。
ここまでで尋ねる側の手札がそろいました。ただ、その前段にある挨拶でつまずく人が実はいちばん多いのです。次はそこを整えます。
挨拶でつまずかない:Are you fine? から抜け出す
- Are you fine? は「どこか具合が悪いの?」に寄るため、挨拶には向かない
- 久しぶりの相手には How have you been? が相性がよい
- Pretty good と Can’t complain. はトーンで温度が変わる万能の返答
日本語の「元気?」を英語にしようとすると Are you fine? が浮かびますが、日常の挨拶としてはかみ合いません。fine は「悪くない、問題のない状態」を指す語なので、Are you fine? は「大丈夫? どこか具合が悪いの?」という心配の色を帯びるのです。
転んだ人に駆け寄って Are you fine? と言うなら自然です。しかし久しぶりに会った友人への第一声としては、相手が「え、私、疲れて見える?」と受け取ってしまいます。
自然な挨拶のバリエーション
- How are you?(元気?)
- How are you doing?(調子どう?)
- How’s it going?(どう、うまくいってる?)
- How have you been?(久しぶり、どうしてた?)
- What’s up? / What’s new?(最近どう? 何か変わったことある?)
- Good to see you again.(また会えてうれしい)
久しぶりの相手には How have you been? が特に合います。「前回会ってから今まで」という時間の幅を含むため、そのあとに How’s married life? を続けると流れがきれいにつながります。
Pretty good と Can’t complain. の温度差
Pretty good は「かなりいいよ」から「まあまあだね」までをカバーする返答です。決めるのは声のトーンで、明るく上げれば元気そのもの、少し力を抜けば「まあまあかな」に着地します。I’m を省いて Pretty good, thanks. だけで成立します。
Can’t complain. は直訳すると「不満を言えない」。つまり「文句のつけようがない、順調だよ」という含みで、日本語の「何とかやってるよ」に近い温度です。会話では I を落とした形が一般的です。
- フレーズ
- Can’t complain.
- 日本語訳
- まあまあかな。何とかやってるよ。
- 使う場面
- 友人や親しい同僚との挨拶の返しに。大げさに元気を装いたくないときの中間的な答えとして重宝します。
- 注意点
- 前向きな返答なので失礼にはなりませんが、初対面や取引先には I’m doing well, thank you. のほうが無難です。
- 発音・ニュアンス
- can’t の t は次の c に飲み込まれ、「キャン・コンプレイン」に近く聞こえます。語尾を下げて言い切ると落ち着いた響きになります。
調子を伝える返答の引き出し
毎回 I’m fine, thank you. で止まってしまうのは、選択肢を持っていないからです。三つの温度帯で用意しておくと、その日の自分に合う一言が出てきます。
調子がいいときは次のように言えます。
- I’m doing great.(すごく元気だよ)
- Couldn’t be better!(最高だよ)
- Things are going really well.(かなり順調だよ)
- I’ve been keeping busy, in a good way.(いい意味で忙しくしてるよ)
ふつう、まあまあのときはこのあたりです。
- Not bad.(悪くないよ)
- So-so.(まあまあ)
- Same as always.(相変わらずだよ)
- I’m getting by.(何とかやってるよ)
- Nothing much, really.(特に変わりはないかな)
あまりよくないときも、言い方を持っておくと沈黙を避けられます。
- I’ve had better days.(今日はいまいちだな)
- It could be better.(あまり調子はよくないかな)
- I’ve been a bit under the weather.(ちょっと体調を崩してて)
- I’ve been swamped at work.(仕事に追われてて)
なお I’m doing good は文法的には I’m doing well が正しい形です。ただ口語では good が広く使われているので、試験の答案では well、会話では気にしすぎない、と割り切ると迷いが消えます。
挨拶が整えば、いよいよ本題の返答です。「幸せです」の一言から、どう会話を続けるかを見ていきます。
「幸せです」から一歩進んだ答え方
- I’m very happy. の次の一文を用意しておくと会話が続く
- 「劇的に幸せ」でも「不幸」でもない中間の答え方を持つと自然に話せる
- うまくいっていない時期は rough patch という言い方で穏やかに伝えられる
結婚生活を尋ねられたら、まず一言で答え、そのあとに具体的な一文を足すのが会話を転がすコツになります。I’m very happy. だけで止まると、相手は次に何を聞けばいいか分からなくなってしまいます。
幸せを伝える言い方
- I couldn’t be happier.(これ以上幸せになれないくらい)
- Married life suits me.(結婚生活が自分に合ってる)
- It’s even better than I expected.(思っていたよりいいよ)
- We’re still in the honeymoon phase.(まだ新婚気分が続いてるの)
- I love coming home now.(家に帰るのが楽しみになった)
中間の温度で答える
実際の生活は、いつも「最高」ではありません。盛りすぎず、暗くもならない答え方を持っていると、正直に話せて気が楽になります。
- Nothing much has changed, honestly.(正直、そんなに変わってないかな)
- It takes some getting used to.(慣れるのに少し時間がかかるね)
- We’re figuring things out together.(二人で少しずつ形にしているところ)
- It’s an adjustment, but a good one.(調整中だけど、いい変化だよ)
- Busier than I thought, but I’m not complaining.(思ったより忙しいけど、不満はないよ)
うまくいっていない時期を伝える
言いにくいことを伝えるときは、断定を避けて時期の話にすると、相手も受け止めやすくなります。
- We’re going through a rough patch.(今ちょっと厳しい時期なの)
- We’ve been arguing a lot lately.(最近よく言い合いになる)
- I’d rather not go into it right now.(今はその話をしたくないかな)
- It’s complicated at the moment.(今はちょっと複雑なんだ)
rough patch は「一時的な困難な時期」を指す言い方で、仕事や健康など生活のあらゆる場面に使えます。going through をつけると「今そこを通過している最中」という進行の感じが出ます。
次は、答えの中で必ず出てくる「パートナーがどんな人か」の描写に進みます。ここに、日本語からの直訳が崩れやすい表現がひとつ潜んでいます。
パートナーを語る:family-oriented と put me first
- 「家族を大切にする人」は family-oriented / a family man が使いやすい
- He thinks me first. は成り立たない形。think of me first が正しい
- put ~ first で「~を優先する」という順序の表現が作れる
人物描写でよく使われるのは family-oriented です。family-centered も「家族中心の」という意味で通じますが、人の性格を語る場面では oriented のほうが耳にする頻度が高くなります。どちらもハイフンでつないで名詞の前に置くのが基本形です。
- He’s a family-oriented person.(彼は家族を大切にする人です)
- He’s a real family man.(彼は本当に家庭を大事にする人だよ)
- She always puts family first.(彼女はいつも家族を一番に考える)
- He’s very dependable.(とても頼りになる人なの)
- She’s easy to talk to.(何でも話しやすい相手なんだ)
He thinks me first. は文として成り立ちません。think は「~のことを考える」の対象を直接後ろに置けない動詞なので、of が必要です。He always thinks of me first.(いつも私のことを最初に考えてくれる)が正しい形です。同じ内容は He puts me first. や I always come first for him. でも表せます。
think of ~ で「~のことを思う、考える」、put ~ first で「~を優先する」。この二つを型として持っておけば応用が利きます。My work always comes first.(仕事がいつも最優先になってしまう)のように、順序を語る表現としても使えます。
- フレーズ
- He always thinks of me first.
- 日本語訳
- 彼はいつも私のことを最初に考えてくれます。
- 使う場面
- 結婚生活の中身を尋ねられ、パートナーの人柄を一文で伝えたい場面。友人同士の近況報告に収まる自然な自慢の仕方です。
- 注意点
- of を落とすと文が壊れます。また He thinks about me first. も可能ですが、think of のほうが「気にかける」寄りの温度になります。
- 発音・ニュアンス
- thinks of me は「シンクソヴミー」と一息でつながります。th を舌先で軽く出し、of の f を弱く添える程度で十分です。
パートナーの人柄を語ったあと、会話はしばしば「けんかはするの?」へ流れます。ここにも語の選び間違いが起きやすい箇所があります。
けんかの話し方:fight と argue の違い
- 夫婦の口論には argue / argument が自然。fight は殴り合いも含む語
- 「けんかしない」は We never argue. / We hardly ever fight. が定番
- 小さな言い合いは bicker という語で表せる
We don’t have any fights. は通じますが、少し引っかかります。fight は身体的な争いも含む語なので、言葉のやり取りとしての口論を指すなら argue や argument のほうがしっくりきます。
- We never argue.(けんかは全然しないの)
- We hardly ever fight.(ほとんどけんかしないよ)
- We’ve never had a serious argument.(本気のけんかをしたことがない)
- We do bicker sometimes, but nothing serious.(小さな言い合いはするけど、大したことじゃない)
- We disagree, but we talk it out.(意見は違うけど、話し合って解決する)
bicker は「つまらないことで言い合う」という語で、リモコンの取り合いのような軽いやり取りに合います。talk it out は「話して解決する」で、関係の良さを伝える一文として使いやすい表現です。
なお fight も、口論の意味で日常的に使われる場面はあります。We had a big fight last night. は「昨夜大げんかした」で、身体的な争いを意味しません。文脈で決まるので、迷ったら argue を選んでおけば誤解が生まれにくいということです。
さて、結婚生活の話題からもう一歩進むと、しばしば妊娠の報告が出てきます。ここは語の選び方と配慮の両方が必要な領域です。
妊娠の伝え方:pregnant と expecting
- I’m pregnant. は事実を伝える基本形、I’m expecting. はやわらかい知らせ方
- 妊娠の時期は月数より週数(weeks)で語られることが多い
- I’m maternity. は成り立たない。maternity は複合語で使う語
最も直接的な言い方は I’m pregnant. で、医療の場でも日常でも通用する基本形です。もう少し柔らかく、うれしい知らせとして切り出すなら I’m expecting. がよく使われます。expect は「予期する、待つ」で、そこから「赤ちゃんを待っている状態」を表すようになりました。
- I’m pregnant.(妊娠しています)
- I’m expecting.(赤ちゃんが生まれる予定なの)
- We’re expecting a baby.(子どもができました)
- We’re having a baby!(赤ちゃんができたの!)
- I’m three months pregnant.(妊娠3か月です)
- I’m 20 weeks along.(20週目に入りました)
- We have some news.(お知らせがあるの ※切り出しに便利)
英語では妊娠の時期を週数で語ることが多く、I’m 20 weeks along. のような言い方が一般的です。along は「進んでいる」の感覚で、経過を表しています。月数で言っても通じますが、週数で言われたときに戸惑わないよう耳を慣らし
名詞形は pregnancy で、during my pregnancy(妊娠中に)のように使います。「つわり」は morning sickness、「妊婦健診」は prenatal checkup といった語も、話題が続いたときに役立ちます。
日本語の「マタニティ」を取り出して I’m maternity. と言うことはできません。maternity は「妊婦の、妊娠期の」を表す語で、maternity clothes(マタニティウェア)、maternity leave(産休)のように複合語で使います。状態を言うなら I’m pregnant. または I’m expecting. を選んでください。

相手に尋ねるときは Are you expecting? が Are you pregnant? よりやわらかく響きます。ただし、どちらであっても本人が話し出す前に尋ねるのは避けたい話題です。この配慮については後の章でまとめて扱います。
報告を聞いたら、次に出てくる質問はほぼ決まっています。出産予定日です。
出産予定日:due date と前置詞の使い分け
- When is the baby due? / When are you due? が定番の尋ね方
- 日付には on、月には in、「~後」には in を使う
- My due is … は成り立たない。my due date か I’m due の形を選ぶ
due は「期日の、期限が来た」という形容詞で、妊娠の文脈では「出産予定の」を表します。尋ね方と答え方をセットで持っておけば、この話題で止まることはありません。
- When is the baby due?(出産予定日はいつ?)
- When are you due?(予定日はいつ? より会話的)
- When is your due date?(予定日はいつですか?)
- My due date is March 11th.(予定日は3月11日です)
- I’m due on March 11th.(3月11日が予定日です)
- The baby is due in March.(3月に生まれる予定です)
- I’m due next month.(来月出産予定です)
- The baby is due in two weeks.(あと2週間で生まれる予定です)
前置詞の整理はこうなります。日付には on(on March 11th)、月には in(in March)、「~後」には in(in two weeks)。「~後」を after two weeks としない点が、日本語話者のつまずきやすいところです。
- フレーズ
- When is the baby due?
- 日本語訳
- 出産予定日はいつですか?
- 使う場面
- 相手が妊娠を報告してくれた直後。Congratulations! に続けて尋ねるのが自然な流れです。
- 注意点
- due date は仕事の締切にも使う語です。文脈が薄い場面では the baby’s due date と補うと誤解を防げます。My due is … という言い方はしません。
- 発音・ニュアンス
- due は「デュー」(英)と「ジュー」(米)の両方が聞かれます。baby due は「ベイビ・デュー」と切らずに続けると質問らしいリズムになります。
予定日を過ぎたときは I’m past my due date. や The baby is overdue.(予定日を超過しています)と言えます。予定日はあくまで推定なので、The due date may change.(予定日は変わることがあります)と添える言い方も覚えておくと便利です。
予定日が分かると、話題は自然と仕事の話へ移ります。ここは制度名が絡むぶん、語をそろえておく価値が高い領域です。
仕事はどうする:continue to work と産休・育休の言い方
- continue to work と keep working はどちらも「働き続ける」
- leave work は「帰宅する」とも取れるため、take time off などに置き換えると明確
- 産休は maternity leave、性別を限定しない育休は parental leave
「仕事は続けるの?」と尋ねるなら Will you continue to work? や Are you going to keep working? が使えます。continue to ~ と continue ~ing はどちらでも通じるので、言いやすい形を選んで構いません。
- Will you continue to work?(仕事は続けるの?)
- Are you going to keep working?(働き続けるつもり?)
- I want to keep working until the baby is born.(生まれるまでは働きたいの)
- I’m going to take some time off.(少し休みを取る予定なの)
- I’ll be on leave for about a year.(1年ほど休みます)
- I’m coming back to work in April.(4月に復職します)
I’ll leave work for a while. は「しばらく休職します」とも「その日の仕事を終えて帰ります」とも取れます。誤解を避けたい場面では take a leave(休職する)、take time off(休みを取る)、step away from work for a while(しばらく仕事から離れる)に置き換えてください。
制度名は四つ押さえる
休業制度の呼び方は、誰が取るかで語が変わります。maternity / paternity / parental / childcare の四つを区別しておけば、職場の会話でも困りません。
- maternity leave:産休(出産する本人が取る休業)
- paternity leave:父親が取る育児休業
- parental leave:親が取る育児休業(性別を限定しない言い方)
- childcare leave:育児休業(日本の制度を説明するときに使いやすい)
例文にすると、I’m going on maternity leave in February.(2月から産休に入ります)、My husband is taking paternity leave, too.(夫も育休を取ります)、Our company offers parental leave to both parents.(うちの会社は両親どちらにも育休制度があります)となります。
制度の中身は国や会社で大きく違います。だからこそ、In Japan, we can take childcare leave until the child turns one.(日本では子どもが1歳になるまで育児休業を取れます)のように一文を添えると、相手の頭の中の前提とのずれを埋められます。
- フレーズ
- I’m going on maternity leave in February.
- 日本語訳
- 2月から産休に入ります。
- 使う場面
- 職場の上司や同僚に予定を伝える場面。休業中を表すときは I’m on maternity leave.、開始を表すときは go on を使います。
- 注意点
- leave は「休業」の意味では不可算的に扱われ、a maternity leave とは言わないのが普通です。期間を言うなら a year of maternity leave の形にします。
- 発音・ニュアンス
- maternity は「マターニティ」で ter に強く山を作ります。leave は「リーヴ」と伸ばし、live(リヴ)と混ざらないよう長さを意識してください。
ここまでは主に「話す側」の表現でした。次は、知らせを受け取った側が返す言葉を整えます。
祝う側の言葉:Congratulations! と手助けの申し出
- Congratulations は必ず複数形。Congratulation! は誤り
- 手助けの申し出は Let me know if you need anything. が万能
- How + 形容詞 + of you to 動詞 で感謝を返せる
祝いの一言は、迷う時間をなくしておくのが大切です。うれしい知らせを聞いた瞬間に間が空くと、相手は不安になってしまいます。Congratulations! の s を落とさないという一点だけでも、印象は変わります。
- Congratulations!(おめでとう!)
- Congrats!(おめでとう! くだけた形)
- That’s wonderful news!(すばらしい知らせだね!)
- I’m so happy for you.(本当によかったね)
- You must be so excited.(わくわくしているでしょう)
- Wishing you all the best.(幸せを願っています)
- Thank you for telling me.(話してくれてありがとう)
手助けを申し出る
If you need any help, I’m right here.(何か必要なら、私はここにいるからね)は温かい言い方です。ほかにも次のような選択肢があります。
- Let me know if you need anything.(何か必要なら言ってね)
- I’m here for you.(いつでも味方だからね)
- Don’t hesitate to reach out.(遠慮なく連絡してね)
- If there’s anything I can do, just say the word.(できることがあれば何でも言って)
- I can cover for you at work.(仕事はカバーするから任せて)
感謝を返す型
How kind of you to say that! は「How + 形容詞 + of you to 動詞」という型です。この形は応用が広く、How nice of you to come!(来てくれてうれしい)、How thoughtful of you to remember!(覚えていてくれて優しいね)と展開できます。
同じ気持ちは That’s so kind of you. や That means a lot to me.(そう言ってもらえて心に響きます)でも表せます。短いほうが自然に出やすいので、まずは That’s so kind of you. を口に馴染ませておくのがおすすめです。
「新婚生活を楽しんでね」の伝え方
- Enjoy your new married life!(新婚生活を楽しんで!)
- I hope you have fun in your new marriage.(新婚を楽しんでね)
- Enjoy this special time together.(二人の特別な時間を楽しんで)
- Wishing you a lifetime of happiness together.(お二人の末永い幸せを願っています)
最後の一文は書き言葉寄りで、結婚祝いのカードにそのまま書けます。話し言葉で言うなら少し長いので、口頭では Enjoy married life! くらいの軽さがちょうどよいでしょう。
ここで、語の選び方が相手への配慮そのものになる例を見ておきます。日本語でも印象が大きく分かれる、あの話題です。
「できちゃった婚」を英語でどう言うか
- shotgun wedding は「やむを得ず急いだ結婚」という含みを持つ俗語
- 当人に向けて使うと失礼になりうるため、事実を短く述べる形が安全
- 同じ事実でも語の選択で届き方が変わる
日本語の「できちゃった婚」と「授かり婚」は、同じ事実を指しながら受け取る印象がまるで違います。英語にも似た事情があり、俗語として広く知られているのが shotgun wedding(shotgun marriage)です。
娘の妊娠を知った父親が猟銃を手に相手の男性へ結婚を迫った、という古いイメージに由来する言い方です。事実を説明する語ではありますが、含みが強いため、当人に向かって使えば失礼になりかねません。
So it was a shotgun wedding? のように本人へ確認する言い方は避けてください。「不本意に急がされた結婚」という否定的な評価を含むため、祝いの場では特に不適切です。話題に触れる必要があるときは、事実だけを中立的に述べる形にします。
中立的に伝えたいときは、次のように事実を短く置きます。
- They got married after she found out she was pregnant.(妊娠が分かってから結婚しました)
- She was already pregnant when they got married.(結婚したときすでに妊娠していました)
- They decided to get married when they found out about the baby.(赤ちゃんのことを知って結婚を決めました)
- The baby brought them together.(赤ちゃんが二人を結びつけました)
最後の一文は、出来事の意味を前向きに置き換える言い方です。同じ事実でも、選ぶ語によって聞こえ方が変わる。ものは言い様、というのは英語でも変わりません。
語の選択が配慮になるなら、質問の選択も同じです。次に、この話題で踏み込みすぎないための考え方をまとめます。
相手に踏み込みすぎないための五つの配慮
- 妊娠や子どもの予定は、相手が話し出すまで尋ねないのが基本
- 「幸せなはず」という前提を置かない聞き方から入る
- If you don’t mind me asking を前置きすると衝撃をやわらげられる
結婚と出産は、うれしい話題であると同時に、繊細な事情が隠れていることもある領域です。英語で話すときに意識しておきたい点を五つ挙げます。
一、相手が話し出すまで待つ
妊娠、子どもを持つ予定、結婚の予定などは、本人が共有するまで尋ねないのが基本です。When are you going to have kids?(子どもはいつ作るの?)や Why don’t you have children?(なぜ子どもがいないの?)は、立ち入りすぎと受け取られやすい質問です。
二、前提を置かない
How’s wedded bliss? のような「幸せなはず」を前提にした聞き方は、関係が順調な相手には楽しく響きますが、そうでない相手には刺さります。状況が読めないときは How have you been? から入り、相手が結婚生活の話を始めたら受け止める、という順番が安全です。
三、尋ねるときの緩衝表現
どうしても聞きたいときは、If you don’t mind me asking, …(差し支えなければ)を前に置きます。答えたくない側は We haven’t decided yet.(まだ決めていません)、We’ll share more when we’re ready.(準備ができたらお話しします)と返せます。
四、聞いたあとの受け止め方
知らせを聞いたら、まず Thank you for telling me.(話してくれてありがとう)と受け止める。うれしい知らせのようでいて、本人は不安を抱えている場合もあります。詳しい質問を重ねるより、一言受け止めるほうが会話が穏やかに続きます。
五、広めない配慮
Please keep this between us for now.(今のところ内緒にしてね)と言われたら、そのとおりにする。逆に自分が伝える側なら、この一文を添えることで共有してよい範囲を示せます。I haven’t told everyone yet.(まだ全員には話していないの)も同じ働きをします。
配慮の話が整ったところで、日本語からの直訳で崩れやすい箇所を一覧にしておきます。自分の癖と照らし合わせてみてください。
直訳しがちな表現の言い換え一覧
- 崩れやすい形は「動詞の後ろの前置詞」と「名詞の単複」に集中している
- Congratulations は必ず複数形
- 言い換え候補を一つ持っておけば、詰まったときに逃げ道になる
つまずきの多くは、日本語をそのまま単語に置き換えたときに起きます。前置詞と単複の二点を意識するだけで、通じやすさが目に見えて変わります。
| 崩れやすい英語 | 自然な言い方 |
|---|---|
| Are you fine?(挨拶として) | How are you? / How have you been? |
| He thinks me first. | He thinks of me first. / He puts me first. |
| My marriage was not happy.(生活の話) | My married life was not happy. |
| I’m maternity. | I’m pregnant. / I’m expecting. |
| My due is March 11th. | My due date is March 11th. / I’m due on March 11th. |
| Congratulation! | Congratulations! |
| We don’t have any fights.(口論の話) | We never argue. |
| I will take a rest from work. | I’m going to take some time off. / I’ll be on leave. |
| I want to work continuously. | I want to keep working. |
| He is family center. | He’s family-oriented. / He’s a real family man. |
| The baby will born in March. | The baby is due in March. / The baby will be born in March. |
| I’m pregnant 3 months. | I’m three months pregnant. / I’m 12 weeks along. |
be born は受動態なので、will be born と be を落とさないこと。妊娠期間の言い方は「数 + 単位 + pregnant」の順で、three months pregnant と並べます。日本語の語順とは逆になる点に注意してください。
形が分かっても、口が動かなければ会話では使えません。次は、声に出して定着させる手順に移ります。
音とリズムを整える:口に定着させる練習
- married、pregnant、maternity は強く読む位置を決めて練習する
- 語尾の子音と次の母音がつながる箇所を先に把握する
- 質問文は語尾を上げ、感想は語尾を下げると意図が伝わる
発音は音の正確さより、強弱の置き場所で伝わりやすさが決まります。この話題でよく使う語について、山を作る位置を確認しておきましょう。
- married:「マ」に山。「メァリド」と、ri を巻かず d を軽く落とす
- marriage:「マ」に山。語尾は「リッジ」で締める
- pregnant:「プレ」に山。g は弱く、「プレグナント」の t はほぼ聞こえない
- expecting:「ペ」に山。冒頭の e は「イ」に近い軽い音
- maternity:「ター」に山。「マターニティ」と伸ばす位置を守る
- anniversary:「ヴァー」に山。長い語なので山を決めると崩れない
- congratulations:「レイ」に山。四つ目の音節が頂点
つながる音を先に知る
語と語の境目でつながる箇所を把握しておくと、聞き取りも同時に楽になります。次の三つは特に頻出です。
- How’s it going? →「ハウズィッ・ゴウイン」
- thinks of me →「シンクソヴミー」
- Let me know if you need anything. →「レッミノウ・イフュ・ニーデニシング」
語尾の上げ下げで意図を示す
How’s married life? は語尾を軽く上げると「聞かせて」という誘いの色が出ます。That’s great. や I’m so happy for you. は語尾を下げて言い切ると、落ち着いた祝いの気持ちが伝わります。
逆に、祝いの言葉を語尾上がりで言うと確認や疑いに聞こえることがあります。祝う場面では下げる、尋ねる場面では上げる。この二つを分けておくだけで、印象がずいぶん整います。
音の準備ができたら、聞き取れなかったときの逃げ道も持っておきましょう。日付や月名は取り違えが起きやすい部分です。
聞き返しと、短いメッセージの書き方
- May と March は音が似ているので、復唱して確かめる習慣をつける
- 短いメッセージは「知らせ・気持ち・感謝」の順に並べる
- 職場への連絡は「用件・日付・確認事項」の三点で足りる
相手の答えを聞き取れなかったとき、黙ってうなずいてしまうと後の予定調整で困ります。復唱して確かめる一言を用意しておきましょう。
- Could you say that again, a little more slowly?(もう少しゆっくり、もう一度言ってもらえますか)
- Let me make sure I got that right.(正しく理解できたか確認させてください)
- March 11th, right?(3月11日ですね?)
- Sorry, did you say May or March?(ごめん、5月? それとも3月?)
- So you’ll be on leave from February?(では2月から休みに入るんですね?)
May と March は取り違えやすい組み合わせです。日付を聞いたらそのまま繰り返す、という習慣をつけておくと、後の予定調整がずっと楽になります。
友人へのメッセージ
文字で伝えるときは、知らせ、気持ち、感謝の順に短文を重ねると読みやすくなります。長い一文にまとめようとすると、途中で崩れがちです。
- フレーズ
- We have some happy news. The baby is due in March. Thank you for always being there for us.
- 日本語訳
- うれしい知らせがあります。3月に赤ちゃんが生まれる予定です。いつも支えてくれてありがとう。
- 使う場面
- 親しい友人へのメッセージやカード。短い三文構成なので、そのまま書き写して日付だけ差し替えられます。
- 注意点
- まだ広く知らせていない場合は、末尾に We’re keeping it quiet for now.(今のところ内緒にしています)を添えると意図が伝わります。
- 発音・ニュアンス
- 音読するなら、一文ごとに区切って読むこと。being there for us は「ビーイン・ゼア・フォラス」とつなげると滑らかです。
職場への連絡
仕事の連絡は、用件、日付、確認事項の三点構成で足ります。個人的な事情をすべて書く必要はありません。仕事に関わる範囲に絞るほうが、読む側にも親切です。
- フレーズ
- I’d like to let you know that I’m expecting. My due date is March 11th, and I’m planning to start maternity leave in February. Could you let me know what paperwork I need to prepare?
- 日本語訳
- 妊娠していることをお知らせします。予定日は3月11日で、2月から産休に入る予定です。必要な書類を教えていただけますか。
- 使う場面
- 上司や人事担当へのメール。口頭で伝えたあと、記録として文面を送る場面にも合います。
- 注意点
- 体調や家庭の詳細まで書く必要はありません。共有範囲を限定したいときは Please keep this confidential for now. を添えます。
- 発音・ニュアンス
- I’d like to let you know that ~ は、改まった連絡の切り出しとして口頭でもそのまま使えます。let you は「レッチュー」に近い音になります。
会話を組み立てる三つの手順
長い一文を作ろうとすると、途中で崩れます。短い文を積み重ねるほうが、伝わる速度も正確さも上がります。手順は三つです。
一つめは、中心となる事実を先に置くこと。I’m expecting. や The baby is due in March. のように、いちばん伝えたいことを最初の一文にします。前置きが長いと、聞き手は要点をつかみにくくなります。
二つめは、時期や気持ちを足すこと。next month、in two weeks、We’re really excited. など、必要な情報を一つずつ加えます。全部を詰め込まず、二、三文に分けるほうが自然です。
三つめは、お願いや次の行動を伝えること。Could you tell me what I need to do?(何をすればいいか教えてもらえますか)、Please keep this private for now.(今は内緒にしてください)のように、相手にしてほしいことを最後に置きます。
うまい表現が出てこないときは、難しい語をあきらめて、知っている単語で組み立て直すのが確実です。「出産予定日」が出てこなければ We think the baby will be born in May. で十分に通じます。正式な言い方を思い出せないことより、黙ってしまうことのほうが会話の損失は大きいのです。

7日間で口に馴染ませる練習計画
- 1日10分、尋ねる側と答える側の両方を声に出す
- 3日目以降は自分の事情に置き換えて言い直す
- 7日目に会話全体を通して再現し、詰まった箇所だけ書き出す
表現を眺めるだけでは、実際の場面で口が動きません。尋ねる側と答える側の両方を自分で言う、という一点を守るだけで定着の速さが変わります。以下は1日10分を想定した進め方です。
- 1日目:冒頭の会話を通して3回音読する。意味は訳を見て確認するだけでよい。
- 2日目:挨拶と返答だけを練習する。How have you been? / Pretty good, thanks. / Can’t complain. を各10回。
- 3日目:How’s married life? への答えを、幸せ・中間・言いにくいの三通りで作る。自分の状況に合う一文でよい。
- 4日目:パートナーや家族を描写する一文を3つ作る。family-oriented、puts me first、talk it out を使う。
- 5日目:妊娠と予定日の表現を練習する。I’m expecting. / The baby is due in March. / When are you due? を声に出す。
- 6日目:仕事と休業の表現を練習する。maternity leave、parental leave、take time off を使って3文作る。
- 7日目:冒頭の会話を見ずに再現する。詰まった箇所だけノートに書き出し、翌週の練習素材にする。
7日目に詰まった箇所こそ、自分にとって本当に必要な表現です。全部を覚え直すのではなく、その3つか4つだけを翌週も繰り返す。この絞り込みが、限られた時間で前に進むための現実的な方法になります。
練習した表現は、相手のいる場で使ってみると定着が一段深まります。反応が返ってくることで、どの言い方が自然に届くかが体感として分かるからです。
よくある質問(FAQ)
- 冠詞、語の選択、失礼にならない範囲という三点に質問が集まる
- 迷ったときは軽くて前提の少ない言い方を選ぶ
- 相手が話し出すのを待つ、という判断が最も安全
最後に、この話題で寄せられやすい疑問をまとめておきます。迷ったら軽い言い方、という原則が答えの多くを貫いています。
How’s married life? に the をつけるべきですか?
どちらも使われます。無冠詞の How’s married life? が最も軽く自然な言い方です。How’s the married life going? は「その結婚生活の進み具合」に少し焦点が寄る言い方で、こちらも誤りではありません。軽さを取りたいなら無冠詞、少し具体的に踏み込むなら the つき、と覚えておけば十分です。
marriage と married life、迷ったらどちらを選べばよいですか?
日々の暮らしや実感を語るなら married life、関係や制度そのものを指すなら marriage です。日本語に「生活」という語が入っていたら married life を選ぶ、という判断でおおむね外れません。My marriage was not happy. は関係の破綻を思わせる重い響きになりやすいため、暮らしの話では married life に置き換えてください。
Are you expecting? は失礼になりませんか?
Are you pregnant? よりやわらかい言い方ではありますが、確信がないうちに尋ねるのは避けるべき質問です。妊娠は本人にとって繊細な事情を含む話題なので、相手が自分から話すのを待つのがいちばん安全です。相手が話し出したら Congratulations! や Thank you for telling me. で受け止めてください。
Can’t complain. はぶっきらぼうに聞こえませんか?
「文句なし、つまり順調」という前向きな返答なので、失礼にはなりません。友人や親しい同僚との挨拶では自然に響きます。ただし初対面や取引先など改まった相手には、I’m doing well, thank you. のほうが無難です。
wedded bliss は真面目な場面で使えますか?
少し戯けた響きがあるので、親しい相手への軽口向きの表現です。書面や改まった場では marriage や married life を使ってください。相手の関係が順調かどうか分からない場面でも、この言い方は避けたほうが安全です。
産休と育休は英語でどう言い分けますか?
出産する本人が取る休業は maternity leave、父親が取る育児休業は paternity leave、性別を限定しない育児休業は parental leave です。日本の制度を説明するときは childcare leave が使いやすく、In Japan, we can take childcare leave until the child turns one. のように一文添えると誤解が生まれにくくなります。
shotgun wedding は使わないほうがよいですか?
意味を知っておく価値はありますが、当人に向けて使うのは避けてください。「やむを得ず急いだ結婚」という否定的な含みがあるためです。事実を伝えたいときは They got married after she found out she was pregnant. のように中立的に述べる形を選びます。
まとめ:押さえておきたい軸
- 生活は married life、関係は marriage
- 妊娠は I’m pregnant. と I’m expecting.、予定日は due date と I’m due
- 休業は maternity / paternity / parental leave の三語
「結婚生活はどう?」というたった一言の質問から、幸せの度合い、家族観、妊娠の報告、出産予定日、仕事の続け方、そして支え合いの申し出まで、会話は連続して広がっていきます。単語を単独で暗記するより、この流れごと覚えてしまうほうが、実際の場面で口が動きます。
軸になるのは四つです。生活を語るなら married life、関係を語るなら marriage。妊娠の報告は I’m pregnant. と I’m expecting. の二枚。予定日は due date と I’m due の型。休業は maternity leave、paternity leave、parental leave の三語。
ここに Congratulations! と Let me know if you need anything. を添えれば、祝う側としての受け答えも整います。この六つを持っているだけで、結婚生活の話題に不意に出会っても慌てずに済みます。
そして、表現の選び方そのものが相手への配慮になる、という点も忘れずに。shotgun wedding と They got married after she found out she was pregnant. は同じ事実を指していても、届き方がまったく違います。
「できちゃった婚」を「授かり婚」と言い換えると空気が変わるように、英語でも語の選択がそのまま気持ちの表現になります。使う言葉を選べるようになったとき、会話は上手さではなく温かさで伝わり始めます。次に結婚した友人に会うときは、まず How have you been? から始めてみてください。

