「怪我をした」と英語で言おうとして、hurt だったか injure だったか、口の中で言葉が止まってしまったことはありませんか。日本語なら「怪我」のひとことで足りるのに、英語では急に選択肢が増えます。

しかも injury と wound の違い、damage を人の体に使ってよいのか、といった疑問まで重なると、辞書を引いても余計に迷いがちです。海外で自分が転んだとき、あるいは好きな選手の故障のニュースを読むとき、この迷いはそのまま「言えない」「読めない」に直結します。

この記事を読み終えるころには、痛みなら hurt、機能の損傷なら injure、武器による傷なら wound という三本の軸が頭に残り、「膝を痛めた」「捻挫した」「早く回復してね」までが自分の口から出るようになります。症状別の単語、病院で使う前置詞、スポーツニュースの決まり文句、日本人がやりがちな誤用まで順番に積み上げていきます。発音やニュアンスを人に確かめながら固めたい場合は、英語教室のような対話の場を併用すると定着が早くなります。

まずは全体の地図から見ていきましょう。ここを押さえるだけで、迷う回数が一気に減ります。

「怪我」の英語は痛み・機能・武器の三軸で決まる

この章の要点
  • 人の体が傷つく場面の基本語は hurt、injure(injury)、wound の三つ。
  • hurt は痛み、injure は機能の損傷、wound は武器による傷という焦点の違いがある。
  • 人以外が傷つくなら damage、抽象的な「害」なら harm を足せば日常会話からニュースまで届く。
  • 迷ったときは「痛いのか、動かせないのか、刃物や銃なのか」と自問すれば選べる。

結論から示します。「怪我」の英語は、傷の重さで機械的に決まるのではなく、何に焦点を置いて話すかで決まります。同じ足首のトラブルでも、痛みを訴えたいなら hurt、試合に出られない事実を伝えたいなら injure が自然になるのです。

理由は、英語がこの領域を「感覚」「機能」「原因」という別の切り口で語彙化しているからです。日本語の「怪我」は結果だけをまとめて指す便利な言葉ですが、英語では話し手の視点が語の選択に現れます。だから訳語の暗記ではなく、視点の違いで覚えるほうが実際の会話で使えます。

具体的には次の表のように整理できます。読み流さず、右端の「主な使用場面」を先に目で追ってみてください。自分がよく話す場面がどこかを見つけると、覚える優先順位が決まります。

ニュアンス 主な使用場面
hurt 痛みに焦点。カジュアルで軽い怪我にも使える 日常会話、「痛い」と伝えるとき
injure / injury 機能の損傷に焦点。ややフォーマルで程度が重い 事故、スポーツの故障、ニュース
wound 武器や刃物による、意図的に負わされた傷 戦争、事件、銃創・刺し傷
damage 建物・乗り物・評判・健康など人体以外 災害報道、ビジネス
harm 害・危害という抽象度の高い語 法律、安全、抽象的な文脈

つまり、五つの語を平等に覚える必要はありません。日常会話では hurt が主役、ニュースや医療では injure が主役、wound は読解用と割り切っても実用上は困りません。まず hurt と injure の二本立てで口を慣らし、残りは意味の輪郭だけ持っておくのが現実的です。

淡い布の上に三つの木製ブロックが並び、それぞれ氷嚢、肘サポーター、包帯が添えられた概念的な写真
痛み、機能の損傷、深い傷という三段階を小物で並べたイメージ

それでは、いちばん使用頻度の高い hurt から中身を見ていきます。

hurt:痛みを伝えるもっとも身近な語

この章の要点
  • hurt は自動詞「痛む」と他動詞「〜を痛める」の両方で使える。
  • 活用は hurt – hurt – hurt。hurted という形は存在しない。
  • 程度は副詞で調整でき、a little から like hell まで幅広く言える。
  • 筋肉痛は ache、心の傷も hurt が担当する。

日常会話でいちばん出番が多いのは hurt です。理由は単純で、私たちが人に伝えたいことの多くが「痛い」という感覚そのものだからです。病院でも、家庭でも、まず問われるのは Where does it hurt? なのです。

hurt は主語を体の部位にすれば「痛む」、主語を人にして目的語に部位を置けば「痛める」になります。この二通りの型を最初に体で覚えてしまえば、応用はほとんど言い換えだけで済みます。

フレーズ
My stomach hurts badly after lunch.
日本語訳
昼食のあと、胃がひどく痛む。
使う場面
体調を崩したことを同僚や家族に伝えるとき。薬局で相談するときの最初の一文にも使えます。
注意点・誤用例
My stomach is hurt. とすると、外から傷つけられたような不自然な響きになります。感覚を述べるなら現在形の hurts です。三人称単数の s の落とし忘れも多い箇所です。
発音・ニュアンス
hurts は「ハーツ」に近い音で、口を大きく開かずに喉の奥で響かせます。badly を加えると切実さが出るため、我慢できるレベルなら a little に替えるほうが誤解を招きません。
フレーズ
Where does it hurt?
日本語訳
どこが痛みますか。
使う場面
転んだ子どもや具合の悪そうな相手に尋ねるとき。診察の冒頭でも定番の一文です。
注意点・誤用例
Where are you hurt? も通じますが、こちらは「体のどこを負傷したか」を尋ねる響きです。痛みの位置を知りたいだけなら it を主語にするほうが自然です。
発音・ニュアンス
does it は「ダズィッ」とつながり、hurt に強勢が乗ります。声を落として言うと気遣いが伝わります。

他動詞の使い方も同じ発想です。I cut my finger with a knife. It really hurts.(ナイフで指を切って、すごく痛い)、The pitcher hurt his leg sliding into first base.(その投手は一塁へのスライディングで脚を痛めた)のように、痛みという感覚が前面に出ます。

程度の表し方も押さえておきましょう。hurt a little(少し痛い)、hurt a lot(かなり痛い)、hurt badly / terribly / seriously(ひどく痛い)、hurt like hell(猛烈に痛い)。この幅の広さが hurt の強みで、副詞ひとつで軽傷から激痛まで動かせるのは学習者にとって大きな武器になります。

一方で、hurt が向かない場面もあります。トレーニング翌日の筋肉痛には ache が自然で、My muscles ache after the hard workout.(激しいトレーニングのあと筋肉痛がする)と言います。ache は鈍く続く痛み、hurt は刺激に反応する痛みというすみ分けです。

さらに hurt は感情にも使えます。She was deeply hurt that she wasn’t invited to the party.(パーティに呼ばれなかったことで彼女は深く傷ついた)のように、心の痛みまで同じ語でカバーできるのです。この点は次に見る injure との明確な分かれ道になります。

injure と injury:事故や故障の「負傷」を表す

この章の要点
  • injure は他動詞のみ。目的語を置くか be injured / get injured にする。
  • hurt より格式が高く、ニュースや医療の文脈に向く。
  • 焦点は「痛み」ではなく「機能が損なわれたこと」。
  • 名詞 injury は minor / serious などの形容詞と組み合わせて使う。

injure を使うべき場面は明確です。事故や競技で体の機能が損なわれ、しばらく元どおりに動かせない状態を述べるときです。投手が肘の靭帯を痛めて投げられなくなる状況は、まさに injure の領域になります。

ここで最大のつまずきが文型です。injure には自動詞の用法がないため、「怪我をした」と言いたいときは受動態にするか、目的語を置く必要があります。I injured. では文が完成しないという点だけは、最初に体に入れてしまいましょう。

注意点

I injured yesterday. は英語として成立しません。I injured my knee yesterday.(膝を痛めた)または I got injured yesterday.(怪我をした)と言い換えてください。同じ理由で I was injure my arm. のような混線もよく起こります。受動態にするなら was injured、部位を言うなら injured my arm と、どちらか一方に決めて言い切るのが安全です。

フレーズ
He was seriously injured in the accident.
日本語訳
彼は事故で重傷を負った。
使う場面
交通事故や災害について報告するとき。職場や学校への連絡、保険会社への説明でも使えます。
注意点・誤用例
事故という「場」を示すのは in、原因となった物を示すのは by です。He was injured by a falling sign.(落ちてきた看板で負傷した)と使い分けます。
発音・ニュアンス
injured は「インジャド」に近く、最初の音節に強勢があります。seriously を添えると報道調の重みが出ます。
フレーズ
The pitcher has injured his right elbow.
日本語訳
その投手は右肘を痛めた。
使う場面
スポーツの話題で、誰がどこを故障したかを伝えるとき。現在完了にすると「今も影響が続いている」感じが出ます。
注意点・誤用例
体の部位には所有格が必要です。injured the right elbow とすると、誰の肘か分からず不自然になります。his / her / my を必ず添えてください。
発音・ニュアンス
elbow は「エルボウ」で、語末を軽く上げずに落とします。hurt his elbow に替えると、痛みを訴えるやわらかい響きになります。

ほかにも So many people were injured by the earthquake.(地震で非常に多くの人が負傷した)、A classmate injured my daughter’s finger, but it wasn’t on purpose.(同級生が娘の指を怪我させたが、わざとではなかった)のように、加害と被害の関係を明示できるのが injure の便利さです。

名詞形の injury は「負傷」「怪我」。common injuries for athletes(アスリートによくある怪我)、a minor injury(軽傷)、a major injury や a serious injury(重傷)のように形容詞と組み合わせます。程度を形容詞で示せるので、書き言葉では injury のほうが扱いやすい場面もあります。

hurt との差は二点です。ひとつは格式で、injure のほうがフォーマルで報道や医療に向きます。もうひとつは焦点で、hurt が痛みを前に出すのに対し、injure は機能が損なわれたことを前に出します。そして injure は身体的な負傷が基本ですから、「彼の言葉に傷ついた」を injure で表すことはしません。心の痛みは hurt の担当です。

では、残りの wound はどこで登場するのでしょうか。ここを誤ると相手を驚かせてしまうため、線引きを確認しておきます。

wound:武器による、意図された傷

この章の要点
  • wound は銃やナイフなど武器によって負わされた傷を指す。
  • 動詞は受動態が中心で、名詞は「傷口」そのものを指せる。
  • 擦り傷程度に使うと大げさで、聞き手を驚かせてしまう。
  • 名詞の wound と、wind の過去形 wound は発音が違う。

wound を選ぶ基準は「誰かが意図をもって、道具で傷つけた」かどうかです。戦場や事件の報道で頻出し、日常会話で自分の怪我に使う機会はほとんどありません。読解語として意味を正確に持っておけば十分です。

The soldier was seriously wounded in the leg.(その兵士は脚に重傷を負った)、Put pressure on the wound!(傷口を押さえて)が代表例です。後者のように名詞で傷口を指せるため、応急手当の文脈では動詞よりも名詞のほうをよく見かけます。

複合語も押さえておきましょう。stab wound(刺し傷)、puncture wound(細く深い刺し傷)、gunshot wound(銃創)。医療ドラマやニュースで繰り返し出てくる組み合わせです。

注意点

転んで膝を擦りむいた程度で I was wounded. と言うと、聞き手は事件性を疑ってぎょっとします。この場合は I scraped my knee. や It’s just a small cut. が適切です。また、名詞・動詞の wound は「ウーンド」、動詞 wind(巻く)の過去形 wound は「ワウンド」と読みます。綴りが同じでも別語なので、音読の際に取り違えないよう気をつけてください。

ここまでが人の体に関する三語です。次に、人以外を対象とする語との境界を確認します。この境界を知らないまま話すと、意図せず奇妙な文になってしまいます。

damage と harm:人体以外と、抽象的な「害」

この章の要点
  • damage の対象は建物、乗り物、健康、評判、イメージなど。
  • 人の体そのものには damage を使わない。
  • harm は「危害」という抽象度の高い語。
  • 「プライドが傷つく」は例外的に wounded / injured pride が定番。

damage は人の体には使いません。The bridge was damaged by the earthquake.(その橋は地震で被害を受けた)、Her image was badly damaged.(彼女のイメージはひどく損なわれた)のように、物や抽象概念が対象になります。

ただし例外的に、医学的な文脈では damage to the ligament(靭帯の損傷)、nerve damage(神経の損傷)のように組織や器官を対象にすることがあります。ここでのポイントは、人ではなく組織を対象にしているという点です。I damaged my leg. とは言わない理由もここにあります。

harm はさらに抽象的で、「害」「危害」を表します。The young man defended his father from harm.(その若者は父を危害から守った)のように、具体的な傷ではなく危険そのものを指すのが特徴です。安全や法律の話題で目にする語だと理解しておけばよいでしょう。

なお、抽象的なものでも「プライドが傷つく」は特別です。hurt よりも His pride was wounded. / His pride was injured. が好まれ、誇りを傷つけられた感じがよく出ます。慣用として丸ごと覚えてしまうのが早道です。

語の輪郭がそろったところで、いよいよ文として口から出す練習に移ります。ここからが実践編です。

「怪我をする」は四つの型で言い切れる

この章の要点
  • get hurt、get injured、hurt oneself、hurt / injure + 体の部位の四型で足りる。
  • 会話では名詞 get an injury より短い get injured が好まれる。
  • 「怪我をさせる」は injure の他動詞性を活かす。
  • 原因は by、故意かどうかは on purpose / by accident で添える。

単語の違いを理解しても、文の型がないと会話では詰まります。逆に言えば、型を四つ持っていればほとんどの場面に対応できます。ここは暗記ではなく音読で入れてください。

一つめは get hurt で、軽い怪我をする場合です。I have to warm up enough, or I’ll get hurt.(十分に体を温めないと怪我をする)、Where did you get hurt?(どこで怪我したの)のように使います。

二つめは get injured / be injured で、負傷したという事実を述べる形です。Be careful, or you’ll get injured!(気をつけて、怪我するよ)、I heard you got injured riding a bicycle. Are you okay?(自転車で怪我したって聞いたけど、大丈夫)が典型です。

三つめは再帰代名詞を使う hurt oneself / injure oneself です。The boy hurt himself.(その男の子は怪我をした)のように、自分自身が傷ついたことを示します。四つめは hurt / injure に体の部位を続ける形で、He injured his right elbow.(彼は右肘を痛めた)、I hurt my knee playing soccer.(サッカーで膝を痛めた)となります。

フレーズ
I hurt my knee playing soccer, and it still hurts when I bend it.
日本語訳
サッカーで膝を痛めて、曲げるとまだ痛みます。
使う場面
診察やトレーナーへの相談で、怪我の経緯と現在の状態を一文で伝えるとき。
注意点・誤用例
過去形も hurt のままなので、hurted としないよう注意してください。原因を示す playing soccer は while playing soccer と言っても構いません。
発音・ニュアンス
前半の hurt は過去、後半の hurts は現在という時間差が意味の核なので、hurts の s をはっきり出すと伝わり方が変わります。
フレーズ
I’m sorry. I didn’t mean to hurt you. It was by accident.
日本語訳
ごめんなさい。怪我をさせるつもりはありませんでした。うっかりだったのです。
使う場面
スポーツ中の接触や、子ども同士のトラブルで謝罪と説明をするとき。
注意点・誤用例
on purpose(わざと)と by accident(うっかり)は正反対です。I did it on purpose. と言ってしまうと、意図的だったと認める発言になります。
発音・ニュアンス
didn’t mean to は「ディドゥンミーント」とひと息で言うと自然です。声を落ち着かせるだけで誠意が伝わります。

名詞を使って get an injury と言うこともできますが、会話ではより短い get injured が好まれます。学習の段階では怪我をする=get hurt / get injuredと動詞句でまとめて覚えたほうが、口から出やすくなります。

型が入ったら、次は中身の精度です。「怪我をした」だけでは、病院で自分の状態を正確に伝えられません。

症状別の怪我を英語で言えるようにする

この章の要点
  • 切り傷、打撲、捻挫、骨折など症状名を押さえると説明の精度が上がる。
  • 体の表面にある傷は on、内部にあるものは in を使う。
  • まずは cut、bruise、sprain、break の四語から覚えると実用的。
  • 感覚を表す numbness と tingling は区別して伝える。

海外での万一に備えるなら、症状名は最優先の語彙です。医療者が知りたいのは「怪我をしたかどうか」ではなく「どの種類の損傷か」なので、単語ひとつで説明の時間が大幅に短くなります。

以下に、日常で起こりやすいものから順に並べます。全部を一度に覚える必要はありません。自分の生活で起こりそうなものに印をつけながら読み進めてください。

  • 切り傷:cut / I got a small cut on my finger while cooking.(料理中に指を少し切りました)
  • 深い切り傷:gash
  • 裂傷:laceration / He had a deep laceration on his cheek.(頬に深い裂傷がありました)
  • 打撲・あざ:bruise / I have a bruise on my leg from bumping into the table.(テーブルにぶつけて脚にあざができました)
  • たんこぶ:bump(触るとしこりのようなものは lump)
  • ひっかき傷:scratch / The cat gave me a scratch on my arm.(猫に腕をひっかかれました)
  • すり傷:graze(小さめ)、scrape(大きめ)
  • 噛み傷:bite mark
  • 刺し傷:stab wound / puncture wound
  • 貫通傷:through-and-through wound(医学用語では penetrating wound)
  • かさぶた:scab(傷跡は scar)
  • やけど:burn
  • 水ぶくれ:blister / I got a blister from wearing new shoes.(新しい靴で靴ずれができました)
  • 骨折:break / fracture / I broke my leg while running.(走っていて脚を骨折しました)
  • ひび:hairline fracture / crack
  • 捻挫:sprain / I sprained my ankle while running.(走っていて足首を捻挫しました。激しくひねった感じは twist)
  • 挫傷・筋を痛める:strain / pull a muscle
  • 脱臼:dislocation / He has a dislocation in his shoulder.(彼は肩を脱臼しています)
  • 腱炎:tendinitis
  • 脳震盪:concussion
  • 突き指:jammed finger / I jammed my finger playing basketball.(バスケットボールで突き指をしました)
  • 麻痺:paralysis
  • しびれ:numbness(感覚がない)/tingling(ぴりぴりする)
  • 化膿する:get infected
  • 寝違え:get a stiff neck

前置詞にも小さなルールがあります。体の表面にある傷は on を使い、a cut on my finger、a bruise on my leg となります。骨折のように体の内部にあるものは in で、a fracture in his arm、a crack in the bone です。表面は on、内部は inという一点を意識するだけで、症状の説明がぐっと英語らしくなります。

スポーツ施設のベンチで日本人学習者が自分の足首を指さし、トレーナーがクリップボードを持って話を聞いている様子
部位と症状名を組み合わせて伝えられれば、応急手当までがぐっと速くなる
フレーズ
I think I sprained my ankle. It hurts when I put weight on it.
日本語訳
足首を捻挫したと思います。体重をかけると痛みます。
使う場面
旅行中に足をひねってクリニックを訪れたとき。症状の自己申告と、痛みの出る条件を続けて伝える形です。
注意点・誤用例
診断は医療者が下すので、断定を避ける I think を添えると誠実です。I have a sprain on my ankle. よりも動詞 sprained を使うほうが自然に響きます。
発音・ニュアンス
sprained は「スプレインド」で、語頭の spr をつぶさずに出します。put weight on it は「プッウェイトオニッ」とつなげると通じやすくなります。
フレーズ
I have a deep cut on my palm, and the bleeding won’t stop.
日本語訳
手のひらに深い切り傷があって、出血が止まりません。
使う場面
宿泊先のスタッフや薬局で助けを求めるとき。緊急度を伝える一文として使えます。
注意点・誤用例
表面の傷なので on を使います。in my palm とすると異物が中に入っている印象になります。won’t stop は拒否ではなく「止まらない」という状態を表します。
発音・ニュアンス
bleeding は「ブリーディング」で長母音をしっかり伸ばします。落ち着いた声で言うほうが、相手も的確に動いてくれます。

語彙が増えたところで、文脈の中で使う感覚を養いましょう。ここからは、日本人にとってなじみのある野球の話題を通して確かめていきます。

野球の会話で「怪我」の英語を体感する

この章の要点
  • スポーツの故障は injure と injury が中心語になる。
  • 驚きの Good heavens! は婉曲的で、ややあらたまった響きを持つ。
  • Take a deep breath. や Calm down. は相手を落ち着かせる定番。
  • transfer は移籍を表し、move to や sign with も併用される。

語彙は文脈に乗せると定着します。ここでは、留学中の学習者と現地の友人が、日本人投手の故障について話す場面を追ってみます。役割で読むことで、自分がどちらの立場でも使えるようになります。

会話例:投手の故障について話す

学習者
Good heavens! The pitcher has injured his arm! Why do Japanese pitchers injure their arms?
大変だ。あの投手が腕を怪我した。どうして日本人の投手は腕を痛めるんだろう。
友人
Calm down. Take a deep breath. Are you okay now?
落ち着いて。深呼吸して。もう大丈夫。
学習者
Thank you, I’m okay now.
ありがとう、もう大丈夫だよ。
友人
I’m a bit surprised that you got so upset.
そんなに動揺するなんて、ちょっとびっくりしたよ。
学習者
Japanese baseball players who transferred to the Major Leagues are our heroes. But many of the pitchers injure their arms.
メジャーリーグに移籍した野球選手は僕たちにとって憧れなんだ。でも投手の多くが腕を痛めてしまう。
友人
I see. Many physical therapists say that the pitching style and the weight of the ball used in the Major Leagues are connected to those injuries.
なるほど。多くの理学療法士が言うには、ピッチングスタイルとメジャーリーグで使うボールの重さが怪我に関係しているらしい。
学習者
I heard the reason for the first time. A small change in the equipment professionals use puts a lot of stress on them.
その理由を初めて聞いたよ。プロが使う道具が少し変わると、大きな負担になるんだね。
友人
That’s true. I hope he recovers soon.
本当だね。早く回復するよう願うよ。
学習者
Let’s go watch a baseball game together when he has recovered.
彼が回復したら一緒に野球を見に行こう。
友人
Of course. Why not?
もちろん、そうしよう。

会話のポイントを一つずつ確認する

Good heavens!(大変だ)は驚いたときの定番表現です。Oh my God! と近い働きをしますが、宗教的な語を直接使わない婉曲表現なので、ややあらたまった響きになります。Good が省略されて Heavens! だけで使われることもよくあります。

同系統には Good grief!、Good gracious!、Goodness me! があり、驚き、呆れ、軽い怒りを表せます。ただし全体としてやや年配の話者に多い言い方で、若い世代の会話では Oh my gosh! や No way! のほうが耳にする機会が多いでしょう。

injure(傷める、怪我をさせる)は他動詞なので、injure his arm のように「どこを」を続けるか、be injured / get injured の形にします。injure を自動詞のように使わない点が、この章でもっとも実用的な収穫です。

Take a deep breath.(深呼吸して)は文字どおりの意味に加えて、「落ち着いて」という比喩でも頻繁に使われます。Calm down. と並べると、相手を落ち着かせる自然な流れになります。

transfer(移籍する)は自動詞で transfer to 〜 の形をとり、名詞でも使えます。スポーツ文脈では move to 〜、sign with 〜(〜と契約する)もよく使われ、メジャー移籍の文脈では make the jump to the Major Leagues のような言い方も見かけます。

「憧れ」を言いたいときは He is our hero. や He is someone we all look up to. が自然です。admire は動詞で「〜を称賛する、憧れる」なので、We admire him. の形で使います。名詞のように admire を置いてしまう誤りが起きやすいため、動詞は動詞として使う意識を持っておくと安全です。

physical therapist(理学療法士)はイギリス英語では physiotherapist です。スポーツ医療の話題では athletic trainer(アスレティックトレーナー)、orthopedic surgeon(整形外科医)もあわせて覚えておくと、読み書きの幅が広がります。

Of course. Why not?(もちろん、そうしよう)は、誘われたときに反対する理由がまったくないという肯定の返事です。Why not? は単独では「なぜだめなの」という問いにもなりますが、誘いへの返答では前向きな同意になります。

会話に出てきた「ボールの重さ」という話題は、じつは英語で説明する練習に向いています。次に見ていきましょう。

用具の違いを英語で説明してみる

この章の要点
  • 日本の硬式球とメジャーリーグの公式球では重さと表面の質感が異なると言われる。
  • 握り方の変化が投球フォームに影響し、肘への負担につながると指摘されている。
  • slightly heavier、more slippery、grip harder などの表現で説明できる。
  • lead to、put stress on は原因と結果を結ぶ便利な言い方。

故障の原因として挙げられることのひとつが、使用するボールの違いです。日本の硬式球は約142グラムでしっとりとした牛皮に覆われ、メジャーリーグの公式球は約149グラムで表面がつるつるとした質感だと言われます。

重くて滑りやすければ、ボールを強く握る必要が生まれ、ピッチングスタイルそのものが変化します。この変化が利き腕に負担をかけ、靭帯に影響を与えるという説明です。プロが使う道具のわずかな差が、体には大きな負荷として跳ね返るという指摘は、専門家の見解として紹介されているものです。

実際に、メジャーリーグへ移籍した複数の日本人投手が利き腕の肘の靭帯を痛め、故障者リストに入った例が知られています。原因の特定は専門家の議論が続く領域なので、断定ではなく指摘されている要因のひとつとして英語で述べるのが誠実です。

この話題を英語で語るなら、次の三文が骨組みになります。原因、行動の変化、結果という順に並んでいるので、そのまま音読して流れごと覚えてしまうと応用が利きます。

  • The Major League ball is slightly heavier and more slippery than the Japanese one.(メジャーリーグのボールは日本のものよりわずかに重く、滑りやすい)
  • Pitchers have to grip the ball harder, which changes their pitching mechanics.(投手はボールを強く握らねばならず、それが投球フォームを変えてしまう)
  • That extra stress can lead to elbow ligament injuries.(その余分な負荷が肘の靭帯の怪我につながりうる)

三文目の can lead to は、断定を避けながら因果関係を示す表現です。専門家の見解を紹介するときに重宝するので、causes ではなく can lead to を選べるようになると、英語の説明が一段落ち着いて聞こえます。

こうした話題を英語の記事で追うなら、報道特有の言い回しも知っておきたいところです。次の章でまとめて確認します。

スポーツニュースで頻出する故障の英語

この章の要点
  • injured list(IL)は故障者リスト。かつては disabled list と呼ばれた。
  • sideline は動詞で「出場できなくさせる」を表す。
  • rehab、comeback、out for the season で復帰の流れを追える。
  • 決まり文句を知ると、辞書なしで記事の要点がつかめる。

野球やサッカーの英語記事には、怪我にまつわる決まった言い回しが繰り返し登場します。数が限られているので、まとめて頭に入れてしまうと読解速度が目に見えて変わります。

  • injured list(IL):故障者リスト。かつては disabled list(DL)と呼ばれていました
  • be placed on the injured list:故障者リストに入る
  • elbow ligament:肘の靭帯。正式には ulnar collateral ligament(UCL)、内側側副靭帯
  • ligament tear:靭帯の断裂/partial tear:部分損傷
  • Tommy John surgery:いわゆるトミー・ジョン手術(靭帯再建手術)
  • sideline:(動詞で)出場できなくさせる。He was sidelined for three months.(3か月離脱した)
  • out for the season:シーズン中の復帰が見込めない状態
  • rehab / rehabilitation:リハビリ/rehab assignment:復帰に向けた調整登板
  • make a comeback:復帰する/be back in the lineup:スタメンに戻る
  • overuse injury:使い過ぎによる怪我
  • pitch count / innings limit:球数制限・投球回制限
  • day-to-day:日ごとに状態を見る軽度の状態
  • MRI results came back clean:検査で問題が見つからなかった

これらを知っていると、He’s expected to miss the rest of the season after tearing a ligament in his throwing elbow. のような一文が辞書なしで読めるようになります。ligament in his elbow の in が体内を示していることにも気づけると、前置詞の理解が本物になります。

読む力がついたら、次は人に寄り添う言葉です。自分の怪我を説明できることと同じくらい、相手を気遣える表現は日常で役に立ちます。

怪我をした人にかける言葉

この章の要点
  • Are you okay? と Are you hurt? は場面がわずかに違う。
  • Get well soon. は万能、Wish you a quick recovery. は書き言葉向き。
  • 怪我人は an injured person、報道文では the injured とも表す。
  • 負傷者数は Three people were injured in the accident. が定型。

気遣いの言葉は短いものから使うのが正解です。長い文を組み立てようとして黙ってしまうより、Are you okay? のひとことが早く出るほうが相手を助けます。

  • Are you okay?(大丈夫)
  • Are you hurt?(怪我してない)
  • Do you want me to call an ambulance?(救急車を呼びましょうか)
  • Does it hurt when I touch here?(ここを触ると痛みますか)
  • I hope you recover quickly.(早く回復するよう願っています)
  • Wish you a quick recovery.(早いご回復をお祈りします)
  • Get well soon.(早く元気になってね)
  • Take it easy for a while.(しばらくは無理しないでね)
  • Tell me anything I can do for you.(できることがあれば何でも言ってね)
  • I’m thinking of you.(あなたのことを思っています)

Get well soon. は風邪などにも使える万能フレーズ、Wish you a quick recovery. はカードやメールで使えるややあらたまった表現です。相手との距離感で選び分けると、同じ気持ちがより正確に届きます。

フレーズ
I’m sorry to hear about your injury. Take it easy for a while, and tell me anything I can do for you.
日本語訳
怪我のこと、聞いて残念に思っています。しばらくは無理をせず、私にできることがあれば何でも言ってください。
使う場面
同僚やチームメイトが負傷したと知ったとき。メッセージアプリでもそのまま送れる長さです。
注意点・誤用例
原因や過失をいきなり尋ねるのは避けたい場面です。How did it happen? は相手が話し始めてから使うほうが配慮になります。
発音・ニュアンス
sorry to hear は「ソリトゥヒア」と軽くつなげます。ゆっくり話すほうが気遣いとして伝わります。

「怪我人」は an injured person、複数なら injured people、報道文では the injured とまとめて表すこともあります。An injured person was taken to the hospital.(怪我人が病院に運ばれた)のように使い、負傷者数を伝えるなら Three people were injured in the accident. が定型です。

表現がそろってきたところで、実際の会話で足を取られやすい箇所を先に潰しておきます。

日本語から訳すときにつまずきやすい点

この章の要点
  • I injured. で終える形は成立しない。
  • 軽い傷に wound、人の体に damage は使わない。
  • 心の傷は hurt、プライドだけは wounded / injured が定番。
  • hurted は存在せず、前置詞は表面が on、内部が in。

誤用は、覚え直すより先に「ここでつまずく」と知っておくほうが効率的です。以下は多くの学習者が同じ形で経験する六つの落とし穴です。

「怪我した」を I injured. で終えてしまう

injure は他動詞なので目的語が必要です。I injured my knee. または I got injured. とします。日本語の「怪我した」が自動詞的なので、そのまま置き換えたときに起こる典型的なずれです。

軽い傷に wound を使う

料理中に指を切った程度なら I cut my finger. や It’s just a small cut. で十分です。wound は武器や深刻な傷のイメージが強く、聞き手を必要以上に驚かせてしまいます。

心の傷に injure を使う

「傷ついた」は I was hurt. や That hurt my feelings. です。ただし「プライド」だけは wounded pride、injured pride が定番という例外があります。例外は例外として、フレーズ単位で覚えてしまいましょう。

人の体に damage を使う

I damaged my leg. とは言いません。damage の対象は建物や評判、あるいは damage to the ligament のように組織や器官を医学的に述べる場合です。人を主語にした被害の表現には injure を選びます。

hurt の活用を変えてしまう

hurted という形は存在しません。過去形も過去分詞も hurt です。cut や put と同じ仲間として並べて覚えると混乱しにくくなります。

痛みの場所を伝えるときの前置詞

表面の傷は on、内部は in。a cut on my hand と a fracture in my hand では、聞き手が思い描く状態がまるで違ってきます。前置詞ひとつで重症度の印象が変わるため、症状名とセットで音読しておくのが安全です。

注意点

医療の場面では、遠慮して軽く言いすぎるのも避けたいところです。It’s nothing. と言ってしまうと処置の優先度が下がることがあります。痛みが強いなら It hurts a lot. や The pain is getting worse. とはっきり伝えてください。逆に、軽い痛みに serious や terrible を重ねると、不要な検査につながることもあります。

誤用を避けられるようになったら、あとは音とリズムです。通じるかどうかは、意外にこの部分で決まります。

発音とリズムを短時間で整える練習

この章の要点
  • hurt の母音は口を大きく開けず、喉の奥で響かせる。
  • injure は第一音節に強勢があり、語末は軽く落とす。
  • wound は「ウーンド」、wind の過去形の wound は「ワウンド」。
  • 三語を並べて読む練習が、実際の使い分けを固定してくれる。

語の選択が正しくても、音が崩れていると聞き返されます。特に hurt は日本語の「ハート」と重なりやすく、heart と混同されがちです。口を横に引かず、あいまいな母音を喉の奥で作るのがこの音の要点です。

injure は「インジャー」に近く、第一音節が強く、語末は短く落とします。injury も同じ強勢で、語末の ry を伸ばしすぎないほうが自然です。bruise は「ブルーズ」と濁り、sprain は語頭の spr をつぶさないよう意識します。

次の三文を続けて音読してみてください。同じ状況を三つの視点で言い分ける練習になり、語の役割が体に入ります。

  • My ankle hurts.(足首が痛む。痛みという感覚を伝える)
  • I injured my ankle, so I can’t run.(足首を痛めたので走れない。機能の損傷を伝える)
  • He was wounded in the leg during the conflict.(彼は衝突の際に脚を負傷した。武器による傷を伝える)

この三文を毎日一度、声に出すだけでも判断が速くなります。文字で理解した区別は、音にして初めてとっさに出てくる知識に変わります。

では、この記事の内容を一週間でどう回せばよいのでしょうか。具体的な手順に落とし込みます。

一週間で定着させる復習プラン

この章の要点
  • 初日は三語の焦点の違いだけに絞る。
  • 中盤で四つの文型と症状名を口に乗せる。
  • 後半はニュース読解と気遣いフレーズで応用する。
  • 七日目に自分の言葉で説明できるかを確認する。

語彙は詰め込む量より、触れる回数で残ります。一日十分程度でよいので、次の流れで七日回してみてください。

  • 1日目:hurt、injure、wound の焦点の違いを、自分の言葉でメモに書き出す。例文は各語一つだけ音読する。
  • 2日目:get hurt、get injured、hurt oneself、hurt / injure + 部位の四型を、自分の体験に当てはめて五文つくる。
  • 3日目:症状名のうち、自分に起こりやすい五語だけを選んで on / in とセットで音読する。
  • 4日目:会話例を役割を替えて二度読む。一度目は学習者、二度目は友人として読む。
  • 5日目:好きな競技の英語記事を一本開き、injured list や sideline など知っている語に印をつける。
  • 6日目:気遣いのフレーズを三つ選び、実際にメッセージとして送れる形に整える。
  • 7日目:三語の違いを、辞書を見ずに一分で説明してみる。詰まった部分だけ読み返す。

七日目の説明でつまずく箇所は、たいてい「焦点」の理解が曖昧なところです。そこだけ戻って読み直せば、全体をやり直す必要はありません。

夕暮れの机に置かれた空白の週間プランナー、イヤホン、水のグラス、単語カードの束
一日十分の音読を七日続けるだけで、判断の速さが変わってくる

とはいえ、発音や自然さの確認は独学では判断しにくい部分です。誰かに聞いてもらえる環境があると、「通じたかどうか」がその場で分かります。

覚えておきたい関連用語の整理

この章の要点
  • 痛みの種類を表す語は ache、sore、stiff などに分かれる。
  • 医療者の呼び方を知っておくと相談先を間違えにくい。
  • 応急手当の定番表現は動詞句で覚えると使いやすい。

ache

鈍く continuous に続く痛みを表します。headache、stomachache、backache のように複合語になり、My muscles ache. のように動詞でも使えます。刺激に反応する鋭い痛みは hurt が担当します。

sore

触ると痛む、ひりひりするという形容詞です。a sore throat(喉の痛み)、My legs are sore after the hike.(ハイキングのあと脚が痛い)のように、運動後の張りや炎症を伴う痛みに使います。

stiff

こわばって動かしにくい状態です。stiff shoulders(肩のこり)、a stiff neck(寝違え、首のこり)のように使い、痛みよりも可動性の低下を伝えます。

first aid の基本動詞

apply pressure(圧迫する)、clean the wound(傷口を洗う)、put a bandage on it(絆創膏や包帯を当てる)、put ice on it(冷やす)、elevate the leg(脚を高くする)。動詞句で覚えると、指示を受けたときも動けます。

相談先の呼び方

orthopedic surgeon(整形外科医)、physical therapist(理学療法士、英国では physiotherapist)、athletic trainer(アスレティックトレーナー)、urgent care(軽症を診る当日診療の窓口)、emergency room(救急外来)。症状の重さで行き先が変わるため、名称を知っておくと迷いません。

最後に、学習者から繰り返し寄せられる疑問をまとめて確認しておきます。

よくある質問

この章の要点
  • 文型、語の選択、前置詞に関する疑問が中心。
  • 迷ったときの安全な言い方を用意しておくと止まらずに話せる。

「怪我をした」を I injured. と言えますか

言えません。injure は他動詞なので目的語が必要です。I injured my knee. のように部位を続けるか、I got injured. のように受動態にしてください。

hurt と injure のどちらを使えば無難ですか

日常会話では hurt が無難です。痛みを伝えるのが目的の場面が多く、程度も副詞で調整できます。事故や競技で機能が損なわれたことを述べるときは injure に切り替えてください。

転んでできた傷に wound は使えますか

避けたほうがよいです。wound は武器による傷や深刻な傷を連想させます。転んで擦りむいた場合は I scraped my knee. や It’s just a small cut. が適切です。

「腕を怪我した」と「腕が痛い」はどう言い分けますか

怪我をしたという事実なら I hurt my arm. または I injured my arm.、いま痛んでいる感覚なら My arm hurts. です。前者は出来事、後者は現在の状態を表します。

病院で伝えるなら最低限どの語を覚えればよいですか

cut、bruise、sprain、break の四語と、部位を示す on と in の使い分けです。これに It hurts when I move it. を添えれば、状況の大枠は伝わります。

怪我をした人へのお見舞いは何と言えばよいですか

親しい相手には Get well soon. や Take it easy for a while.、書面やあらたまった相手には Wish you a quick recovery. が使えます。まず Are you okay? と声をかけるだけでも十分に伝わります。

damage は人の体に使えないのですか

人そのものを対象にはしません。I damaged my leg. とは言わず、I injured my leg. とします。ただし damage to the ligament のように組織や器官を医学的に述べる場合には使われます。

怪我の英語は三本の軸で迷わなくなる

この章の要点
  • hurt は痛み、injure は機能の損傷、wound は武器による傷。
  • 文型は四つ、前置詞は表面が on、内部が in。
  • 好きな競技のニュースを追うと、語彙が生きた形で残る。

海外で暮らしたり旅をしたりすれば、自分自身が怪我をする場面も起こりえます。そのときに I hurt my ankle. It hurts when I put weight on it. と言えるかどうかで、受けられる手当の速さは変わります。

hurt は痛みに、injure は機能の損傷に、wound は武器による傷に。この三つの軸を思い出せれば、迷う場面はぐっと減ります。damage は人以外、harm は抽象的な害と足しておけば、読解でも困りません。

好きな選手の故障のニュースを英語で読んでみるのも、いい練習になります。injured list、ligament、rehab といった語が並ぶ文章を追いかけるうちに、心配しながら覚えた単語はしっかり残っていきます。応援する気持ちと英語の学習が同じ方向を向くのは、なかなか幸せなことだと思います。

今日はまず、My ankle hurts. と I injured my ankle. の二文を声に出してみてください。そのひとことが、いつかの場面であなた自身を助けてくれます。それではまた、See you!