「転んでケガした」「足をひねった」「骨折したかもしれない」。日本語なら一秒で口から出る一言が、英語になると喉の奥で止まってしまう。しかも怪我の話題は、痛みと不安を抱えたまま、急いで伝えなければならない場面がほとんどです。

だからこそ、落ち着いている今のうちに言い方を体に入れておく価値があります。この記事では、injury・hurt・wound という中心の3語の違いから始めて、症状別の単語、体の部位に付く前置詞、病院で使う一文、相手を気遣う声かけまでを、そのまま口に出せる形で並べていきます。

読み終えたときには、「怪我をした」と伝えるだけでなく、いつ・どうして・どこがどうなったのかを、短い英語で組み立てられるようになっているはずです。基礎から会話までを人に見てもらいながら固めたい方は、英語教室のような場で発話の練習を重ねる方法もあります。

まずは、いちばん迷いやすい3語の性格をつかむところから始めましょう。

膝に包帯を巻いた日本人女性が公園のベンチで友人に怪我の状況を英語で説明している様子
怪我の説明は「何が起きたか」と「どこが痛むか」の二本立てで伝わりやすくなる
目次 [ close ]
  1. 「怪我」の英語は injury・hurt・wound の3語で整理できる
    1. injury:事故やスポーツによる負傷
    2. hurt:痛みに寄った、日常の怪我
    3. wound:武器や刃物による傷
  2. damage・harm まで含めた5語の使い分け地図
  3. 「怪我をする」「怪我をさせる」を文型で覚える
    1. これから起こりうる怪我を警告する
    2. すでに怪我をしたと伝える
    3. 誰かに怪我をさせる
    4. 「怪我人」「傷害」の言い方
  4. get+過去分詞で「その瞬間」を語る
  5. 会話で確かめる:自転車事故の怪我を説明する
  6. 骨折と打撲を説明する break・fracture・suffer
    1. 骨折:break と fracture
    2. suffer で被害の重さを表す
  7. 症状別に覚える怪我の英語一覧
    1. 皮膚の表面の傷
    2. 打撲・こぶ・やけど
    3. 関節・筋肉・神経
  8. 怪我の場所を示す前置詞 on・in・to の使い分け
  9. 病院・救急で使う実践フレーズ
    1. 状況を伝える
    2. 痛みを説明する
    3. 必要な処置を求める
    4. 医師から聞かれること
  10. 怪我をした相手への声かけと回復を願う表現
    1. 最初のひと言
    2. 共感を示す
    3. 回復を願う
  11. 事故の原因やルールを説明する表現
    1. 禁止されている:be banned / be prohibited
    2. 罰金:fine と up to
    3. 増加傾向を述べる
    4. 危険を指摘する
  12. 独学で陥りやすい誤用と発音の落とし穴
    1. 文型のつまずき
    2. 語の選び方のつまずき
    3. 発音のつまずき
  13. 今日から始める7日間の定着プラン
  14. 怪我の英語表現によくある質問
  15. 覚えておいて使わずに済むのがいちばんいい言葉

「怪我」の英語は injury・hurt・wound の3語で整理できる

この章の要点
  • injury は事故・転倒・スポーツによる「負傷」を指す名詞で、やや硬く報道や医療でよく使われる
  • hurt は「痛い」という感覚が中心にあり、日常会話での登場回数がもっとも多い
  • wound は刃物や銃などによる傷、つまり意図的な力でできた傷口を指す
  • 自分が怪我をしたと言うときは be injured / get injured のように受け身にする

怪我を表す英単語は数多くありますが、日常で困らないためには中心の3語を押さえるだけで十分です。原因と痛みのどちらに軸があるかで選び分ける、と覚えておくと迷いが減ります。

injury:事故やスポーツによる負傷

injury は名詞で「負傷、怪我」。事故、転倒、スポーツ、災害など、外からの力によって体が損なわれたときに使います。やや硬い響きがあり、ニュース原稿や医療の記録、書き言葉で頻繁に登場する語です。

フレーズ
He got a serious injury.
日本語訳
彼は重傷を負った。
使う場面
第三者の怪我を報告するとき。職場での事故報告、試合後のチームメイトの状況説明など。
注意点・誤用例
×He got a serious injure. injure は動詞なので名詞の位置には置けません。名詞は injury、動詞は injure と対で覚えます。
発音・ニュアンス
injury は「イン・ジュリ」で第一音節を強く。serious を落として He got an injury. と言うと重さの情報が消え、軽傷とも重傷とも取れる中立的な報告になります。

組み合わせのパターンを覚えると応用が一気に広がります。minor injury(軽傷)、major injury や serious injury(重傷)、head injury(頭部の怪我)、knee injury(膝の怪我)のように、形容詞や部位を前に置くだけで表現が増えていきます。

  • Knee injuries are common among athletes.(膝の怪我はスポーツ選手によくある)
  • She’s recovering from a minor injury.(彼女は軽い怪我から回復中だ)
  • He missed three games because of a shoulder injury.(肩の怪我で3試合を欠場した)

動詞の injure は「怪我をさせる」という他動詞です。したがって自分が怪我をしたと言うときは受け身にして be injured、あるいは get injured とします。ここを取り違えると通じない文になるので、次の形をそのまま覚えてしまいましょう。

  • She may be injured.(彼女は怪我をしているかもしれない)
  • Three people were injured in the accident.(その事故で3人が負傷した)
  • I got injured during practice.(練習中に怪我をした)

hurt:痛みに寄った、日常の怪我

hurt は動詞・形容詞・名詞として使え、会話では injury よりずっと出番が多い語です。injure が「体の機能が損なわれた」ことに重心を置くのに対し、hurt は「痛い」という感覚そのものに重心があります。

フレーズ
My leg hurts. / Are you hurt?
日本語訳
足が痛い。/怪我してる?
使う場面
転んだ直後、痛む場所を伝えるとき。相手が転んだ場面で安否を確かめるとき。
注意点・誤用例
×I hurt. だけでは不自然に響きます。I hurt my leg.(足を痛めた)か My leg hurts.(足が痛い)のどちらかの形にします。
発音・ニュアンス
hurt は「ハート」に近い音ですが、heart(心臓)とは母音が違い、口をあまり開けずに喉の奥で響かせます。過去形も hurt で形が変わらないので、時制は文脈で示します。

hurt oneself は直訳すれば「自分自身を傷つける」で、そこから「怪我をする」という意味になります。Tom hurt himself.(トムは怪我をした)、You could fall and hurt yourself.(転んで怪我をしかねないよ)のように、日常のうっかりした怪我にぴったりの形です。

さらに hurt は心の痛みにも使えます。That really hurt.(あれは本当に傷ついた)のように、感情面の傷を表す文脈でも自然に働くのが injure との大きな違いです。

注意点

I’m injured. と I’m hurt. は入れ替え可能とは限りません。I’m injured. は「体に損傷がある」という事実、I’m hurt. は「痛い、傷ついている」という感覚を伝えます。麻酔や興奮で痛みを感じていない状態なら、損傷があっても感覚としては I’m not hurt. に近くなることがあり、救急の場面ではこの差が処置の判断に影響します。痛みがなくても出血や変形があるなら、I’m not hurt, but I’m bleeding. のように事実を必ず添えてください。

wound:武器や刃物による傷

wound はナイフ、銃、刃物などによってできた傷を指し、事件や戦場の文脈で使われます。「傷口」という具体的な意味も持つため、応急処置の指示にも登場します。

  • Put pressure on the wound!(傷口を押さえて!)
  • He is wounded, so he won’t be moving fast.(彼は怪我をしているので素早く動けないだろう)
  • The soldier had a gunshot wound in his shoulder.(その兵士は肩に銃創を負っていた)

発音は「ウーンド」。同じ綴りで wind(曲がる、巻く)の過去形の wound は「ワウンド」と読み、意味も無関係です。音で区別する語なので、音読のときに意識しておくと聞き取りでも混乱しません。

日常のうっかりした怪我に wound を使うと大げさに響きます。包丁で指を切った程度なら cut、紙で切ったなら a paper cut が自然です。では、この3語の周りにある damage や harm はどう位置づければいいのでしょうか。

足首をテーピングしたシューズ、絆創膏を貼った手、救急箱の3つのアイコンで怪我の英単語の違いを示した図
スポーツの負傷、日常のちょっとした痛み、処置が必要な傷口で語が変わる

damage・harm まで含めた5語の使い分け地図

この章の要点
  • damage は物や臓器、体の内部構造の損傷に使い、人を主語にして「怪我をした」とは言わない
  • harm は身体に限らない「危害」という抽象度の高い語
  • 痛み→hurt、事故の負傷→injury、刃物の傷→wound、臓器や物→damage、概念→harm で選ぶ

damage は主に物や組織、体の内部構造に対する損傷を指します。brain damage(脳の損傷)、liver damage(肝臓の損傷)のように臓器と結び付き、人を主語にした「怪我をした」には使いません

  • Smoking can cause serious damage to your lungs.(喫煙は肺に深刻な損傷を与えかねない)
  • The accident caused damage to his spine.(その事故は彼の背骨に損傷をもたらした)
  • ×I damaged in the accident. とは言わず、I got injured in the accident. とします。

harm は「危害」で、身体に限らず害を及ぼすこと全般を指す抽象的な語です。法律や倫理の話題、抽象的な文脈で顔を出します。

  • The young person defended his father from harm by a stranger.(その若者は見知らぬ人による危害から父親を守った)
  • There’s no harm in asking.(尋ねてみて損はない)

5語を整理すると、痛みを訴えるなら hurt、事故の負傷なら injury や injured、刃物や銃の傷なら wound、物や臓器の損傷なら damage、危害という概念なら harm。この対応表を頭の中に置いておけば、辞書を引く回数が確実に減ります。

語の性格がつかめたら、次は文の形です。誰が誰に対してどうなったのかで、英語の組み立ては変わります。

「怪我をする」「怪我をさせる」を文型で覚える

この章の要点
  • これから起きうる怪我の警告は you’ll get injured / you’ll get hurt の形
  • すでに怪我をしたなら I got injured、I fell down and got injured のように受け身で
  • 誰かに怪我をさせたなら injure や hurt を他動詞として使い、故意かどうかを添える
  • 怪我人は an injured person、報道では the injured という言い方もある

これから起こりうる怪我を警告する

危ない場面で相手を止めるとき、日本語の「危ないよ」に当たる一言が出ると場が動きます。命令文+or の形が使いやすく、口に馴染ませておくと反射的に出てきます。

  • Be careful! Or you’ll get injured!(気をつけて!でないと怪我するよ!)
  • I have to warm up enough or I’ll get hurt.(十分にウォーミングアップしないと怪我をしてしまう)
  • Watch your step. You could fall and hurt yourself.(足元に気をつけて。転んで怪我をしかねないよ)
  • Don’t run with scissors. That’s how people get hurt.(はさみを持って走らないで。そうやって怪我をするんだよ)

get an injury という名詞を使った形も文法的には成立しますが、口語では get injured や get hurt のほうが自然に響きます。まずは短い方を優先して覚えておきましょう。

すでに怪我をしたと伝える

フレーズ
I fell down and got injured.
日本語訳
転んで怪我をしました。
使う場面
受付や同僚に経緯をひとことで伝えるとき。原因と結果を and でつなぐだけで済みます。
注意点・誤用例
×I injured. や ×I’m injuring. とは言えません。injure は他動詞なので、目的語を置くか受け身にするかの二択です。
発音・ニュアンス
fell down は two words をつなげて「フェルダウン」のように。got injured は got の t が飲み込まれ「ガッ・インジャード」に近く聞こえます。
  • I heard you got injured riding a bicycle. Are you OK?(自転車に乗っていて怪我をしたって聞いたよ。大丈夫?)
  • So many people were injured by the earthquake.(地震で多くの人が負傷しました)
  • We’re so relieved that no one got injured.(誰も怪我をしなかったと知って安心しました)
  • Luckily, it’s just a minor injury.(幸い、軽い怪我で済みました)

原因を添えたいときは by(〜によって)が便利です。by a bicycle、by the earthquake、by a falling box のように、力の出どころを一語で示せます。

誰かに怪我をさせる

相手に怪我をさせた話題では、故意かどうかが決定的に重要な情報になります。on purpose と by accident はセットで覚えるのが安全です。

  • A friend at primary school injured my daughter’s finger, but it wasn’t on purpose.(小学校の友達が娘の指を怪我させましたが、わざとではありませんでした)
  • I accidentally hurt him during practice.(練習中にうっかり彼を怪我させてしまった)
  • I didn’t mean to hurt you.(傷つけるつもりはなかったんです)
  • He hurt his teammate by accident.(彼はうっかりチームメイトに怪我をさせた)

「怪我人」「傷害」の言い方

怪我をした人は an injured person、複数なら injured people。報道では the injured(負傷者)とまとめる言い方もあります。

  • An injured person has been sent to hospital.(怪我人は病院に搬送された)
  • The injured child was crying a lot.(怪我をした子どもは大泣きしていた)
  • There were no casualties in the accident.(その事故で死傷者はいなかった)

法的な「傷害」も injury を軸に表現します。傷害事件は injury incident や injury case、傷害罪は crime of injury や criminal injury などと訳されます。There was an injury incident at the station this evening, and three people reportedly got injuries.(今晩、駅で傷害事件が起こり、3人が傷害を負ったそうだ)のように使います。

ここまでで文の骨格は揃いました。次は、事故の瞬間を生き生きと語るための小さな仕掛けを見ていきます。

get+過去分詞で「その瞬間」を語る

この章の要点
  • be+過去分詞と同じ受け身の意味を、get+過去分詞でも表せる
  • be は状態、get は変化。事故の報告では get のほうが動きが出る
  • got bitten、got stung、got caught など、被害を語る型として応用が広い

I was hit by a car. と I got hit by a car. はどちらも「車にはねられた」。意味はほぼ同じですが、get を使うとその瞬間に何かが起きたという動きが前面に出ます。

be は状態、get は変化。この対比で覚えておくと感覚がつかみやすくなります。だから体験談や事故の報告では、get のほうが臨場感のある響きになるのです。

フレーズ
I got hit by a speeding bicycle.
日本語訳
スピードを出している自転車にぶつけられたんです。
使う場面
事故の経緯を最初のひとことで伝えるとき。警察や病院の受付、心配してくれた相手への返答。
注意点・誤用例
×I got hit a bicycle. では意味が逆になり「自転車を叩いた」ようにも読めます。加害側を示す by を落とさないこと。
発音・ニュアンス
got hit は t が重なって「ガッ・ヒット」と一息で。speeding は「スピーディング」で、飛ばしている状態を前から修飾する現在分詞です。

同じ型の応用は驚くほど広く使えます。声に出して並べておくと、想定外の出来事でも口が動きます。

  • I got bitten by a dog.(犬に噛まれた)
  • I got stung by a bee.(ハチに刺された)
  • My finger got caught in the door.(指をドアに挟んだ)
  • I got knocked down from behind.(後ろから倒された)
  • My hair got caught in the escalator.(髪がエスカレーターに巻き込まれた)

speeding のような現在分詞は名詞を前から修飾します。a speeding bicycle(飛ばしている自転車)、a speeding car(スピード違反の車)、a moving vehicle(走行中の車両)と、状況の危なさを一語で足せる便利な道具です。

では、これらの型が実際の会話でどう組み合わさるのか。短いやり取りで確かめてみましょう。

会話で確かめる:自転車事故の怪我を説明する

この章の要点
  • What’s the matter? で切り出し、got hit by で原因、broke my knee で結果を伝える流れ
  • suffer+怪我の名詞+to+部位で、打撲の重さまで表現できる
  • 聞き手は Oh my god! / That’s terrible. と短く反応して会話を前へ運ぶ

次の会話は、自転車にぶつけられて怪我をした学習者役のサクラと、それを心配する友人役のテッドのやり取りです。短い中に、これまで見てきた型がいくつも詰まっています。

会話(Ted asks Sakura about her injury.)
Ted: What’s the matter?
Sakura: I got hit by a speeding bicycle.
Ted: Oh my god!
Sakura: I broke my right knee. And I suffered a severe bruise to my chest.
Ted: That’s terrible.
Sakura: The man on the bike was using his cell-phone.
Ted: It’s banned to use the cell-phone on the bike. It’s very dangerous to do it.
Sakura: Recently a lot of people do that. So, traffic accidents are increasing.
Ted: That’s right. And that will be fined up to 100,000 yen.
Sakura: Oh really? I didn’t know that.
日本語訳
テッド:どうしたの?
サクラ:スピードを出している自転車にぶつけられたの。
テッド:そりゃ大変だ!
サクラ:右膝を骨折しちゃったの。それから、胸を強く打撲して。
テッド:なんてひどいことを。
サクラ:自転車に乗っている人は、携帯電話を使っていたわ。
テッド:自転車に乗っているときに携帯電話を使うことは禁止されているよ。とても危ないことなんだ。
サクラ:最近たくさんの人がそうしているわ。だから交通事故が増えている。
テッド:その通り。それに、100,000円以下の罰金が科せられるんだよ。
サクラ:あら本当?知らなかったわ。
使う場面
怪我の直後から数日のあいだに、事情を知らない相手に経緯を説明する場面。原因・部位・重さ・背景の順に情報が積み上がっています。
注意点
Oh my god! は宗教的な語を含むため、相手や場面によっては Oh no! や That’s awful! に置き換えるほうが無難です。
発音・ニュアンス
What’s the matter? は matter を強めて「ワッツァ・マラー」のように滑らかに。severe は後ろにアクセントがあり「セ・ヴィア」に近い音です。

会話に出てきた語句を確認しておきましょう。ここを押さえるだけで、同じ型を自分の事情に差し替えて話せるようになります。

injury 負傷、怪我
matter 問題、困りごと
got hit ぶつけられた(get+過去分詞で受け身)
break 折れる、折る
knee
suffer (痛みなどに)苦しむ、被る
bruise 打撲、あざ
chest
terrible ひどくいやな
be banned 禁止されている
dangerous 危険な
traffic accident 交通事故
fine 罰金/罰金を科す
up to 〜 〜以下の、最高〜まで

会話で出てきた broke my knee と suffered a severe bruise は、怪我の説明でとくに使用頻度の高い二つの型です。この二つを分解してみましょう。

骨折と打撲を説明する break・fracture・suffer

この章の要点
  • 日常会話の「骨を折った」は break が最も一般的で、I broke my leg. の形
  • 医学的には fracture を名詞・動詞の両方で使い、ひびは hairline fracture や crack
  • suffer+怪我の名詞は硬めで、深刻さが伝わる言い方になる
  • suffer from は慢性的な症状、前置詞なしの suffer は事故の損傷に使う

骨折:break と fracture

日常会話で「骨を折った」を伝えるなら、break がいちばん自然です。目的語には必ず所有格を付け、どこを折ったかを示します。

  • I broke my leg while running.(走っていて足の骨を折った)
  • I broke my right knee.(右膝を骨折した)
  • He broke his wrist playing soccer.(サッカーをしていて手首を骨折した)
  • I think I broke my finger.(指を骨折したと思う)

医療の現場や診断書では fracture が使われ、名詞でも動詞でも働きます。医師の説明を聞き取るためにも、耳に入れておきたい語です。

  • He has a fracture in his arm.(腕に骨折がある)
  • The X-ray showed a fracture in his rib.(レントゲンで肋骨の骨折が確認された)
  • She fractured her ankle.(彼女は足首を骨折した)

骨の「ひび」は、細くて見えにくいものを hairline fracture、一般的な言い方として crack を使います。It’s not a full break, just a hairline fracture.(完全な骨折ではなく、ただのひびだよ)、There may be a crack in the bone.(骨にひびが入っているかもしれません)のように使い分けます。

suffer で被害の重さを表す

フレーズ
I suffered a severe bruise to my chest.
日本語訳
胸を強く打撲しました。
使う場面
保険の申請、事故の報告書、医師への説明など、深刻さを正確に伝えたい場面。
注意点・誤用例
×I suffered from a bruise. は不自然。suffer from は病気や長引く症状に使い、事故で被った具体的な損傷は前置詞なしで続けます。
発音・ニュアンス
suffer は「サファー」で第一音節を強く。友人同士のくだけた会話では I got a really bad bruise on my chest. のほうが自然に響きます。
  • He suffered a serious head injury.(彼は頭部に重傷を負った)
  • She suffered severe burns in the fire.(彼女は火事で重いやけどを負った)
  • I’m still suffering from back pain.(今も腰の痛みに悩まされている)
  • He suffers from chronic knee pain.(彼は慢性的な膝の痛みを抱えている)

骨折と打撲が言えるようになったら、次は症状別の語彙です。「怪我をした」だけでは、病院でも保険の窓口でも状況が伝わりません。

症状別に覚える怪我の英語一覧

この章の要点
  • 皮膚の表面は cut・graze・scrape・scratch・bite mark などで区別する
  • 打撲は bruise、たんこぶは bump、やけどは burn、水ぶくれは blister
  • 関節や筋肉は sprain・strain・dislocation、神経は numbness・tingling・paralysis
  • 深さや範囲で語が変わるため、症状の程度も一緒に覚えると精度が上がる

皮膚の表面の傷

切り傷の基本は cut です。I got a small cut on my finger while cooking.(料理中に指に小さな切り傷を作ってしまった)のように使い、深さによって語が変わります。

深い切り傷は gash、医師の処置が必要な深刻な裂傷は laceration。He had a deep laceration on his cheek.(頬に深い裂傷があった)は診療の場で聞く硬い表現です。

すり傷は graze と scrape の二つ。比較的浅く小さいものが graze、範囲や損傷が大きいものが scrape というニュアンスの差があります。

  • He got a graze on his knee after falling off the bike.(自転車から落ちて膝にすり傷ができた)
  • He has a big scrape on his knee.(膝に大きなすり傷を負った)
  • The cat gave me a scratch on my arm.(猫に腕をひっかかれた)
  • He has a dog bite mark on his leg.(足に犬の噛み傷がある)

刺し傷は、鋭い物で刺された傷が stab wound、細く深く突き刺さった傷が puncture wound。The puncture wound was caused by a nail.(釘で刺し傷ができた)のように原因を添えると状況が伝わります。貫通傷は through-and-through wound や penetrating wound です。

治りかけの状態にも語があります。かさぶたは scab、傷跡は scar。Don’t pick at the scab, or it might leave a scar.(かさぶたをいじらないで。跡になっちゃうよ)は、子どもにもよく使う一文です。

打撲・こぶ・やけど

フレーズ
I have a bruise on my leg from bumping into the table.
日本語訳
テーブルにぶつかって足にあざができました。
使う場面
あざを見つけた相手に理由を説明するとき。from+動名詞で原因を軽く添えられます。
注意点・誤用例
×a bruise in my leg は不自然です。皮膚の表面に見えるものは on。bruise は動詞にもなり、I bruised my elbow.(肘を打撲した)とも言えます。
発音・ニュアンス
bruise は「ブルーズ」で語尾は濁ります。I bruise easily.(あざができやすい)は体質を説明する定番の言い方です。
  • I got a bump on my head after hitting the door frame.(ドア枠にぶつけて頭にたんこぶができた)
  • Be careful, or you might get a burn from the hot pan.(気をつけないと、熱いフライパンでやけどしちゃうよ)
  • I got a blister from wearing new shoes.(新しい靴を履いて靴ずれができた)
  • I have a lump on my wrist.(手首にしこりのような膨らみがある)

触るとしこりのようになっているものは bump ではなく lump を使います。たんこぶのように膨らんで盛り上がったものが bump、内部の塊として触れるものが lump、と区別しておくと医師にも伝わりやすくなります。

関節・筋肉・神経

捻挫は sprain。関節をひねって痛めた状態を指し、動作としての「ひねる」は twist です。sprain は結果、twist は動きという対比で覚えられます。

  • I sprained my ankle while running.(走っていて足首を捻挫した)
  • I twisted my ankle on the stairs.(階段で足首をひねった)
  • I pulled a muscle in my thigh.(太ももの筋を痛めた)
  • He has a hamstring strain.(彼はハムストリングを痛めている)

脱臼は dislocation。location(位置)に否定の接頭辞 dis- が付いた語で、あるべき位置から外れた状態を表します。He has a dislocation in his shoulder.(彼は肩を脱臼している)、He dislocated his shoulder.(肩を脱臼した)の両方が使えます。

突き指は jammed finger。I jammed my finger playing basketball.(バスケで突き指した)が定番で、sprained finger と言うこともあります。腱炎は tendinitis、脳震盪は concussion です。

  • He was diagnosed with tendinitis in his elbow.(肘の腱炎と診断された)
  • She had a mild concussion after the fall.(転倒して軽い脳震盪を起こした)

神経に関わる症状は、感覚が失われるしびれが numbness、ぴりぴり・チクチクする感覚が tingling。麻痺は paralysis です。

  • She felt temporary paralysis in her hand.(手に一時的な麻痺を感じた)
  • I feel numbness in my fingers.(指にしびれがある)
  • My foot is tingling.(足がぴりぴりする)

寝違えは get a stiff neck。I got a stiff neck this morning.(今朝寝違えちゃった)が日常表現で、医療寄りには I pulled a muscle in my neck.(首の筋肉を痛めた)とも表せます。

注意点

傷口が膿んだ状態は The cut started to get infected.(その切り傷が膿み始めた)と伝えます。infected は感染を意味し、医療者にとっては処置の緊急度が変わる重要な情報です。膿そのものは pus、膿がたまることは become pus-filled と言えますが、口頭では It looks infected. と一言添えるだけで十分に伝わります。しびれや麻痺、頭部の打撲後の吐き気なども自己判断で軽く扱わず、必ず医療者に伝えてください。

単語が揃ってきたところで、日本語からは推測しにくい落とし穴に触れておきます。前置詞です。

怪我の場所を示す前置詞 on・in・to の使い分け

この章の要点
  • 体の表面に見える傷は on(a cut on my finger)
  • 体の内部の出来事は in(a fracture in his arm)
  • suffer や damage と組み合わせて損傷が及んだ先を示すときは to
  • 体の部位には my・his などの所有格を必ず付ける

前置詞を間違えても意味は通じますが、不自然さが残ります。見える傷は on、中の傷は inという原則で、ほとんどの場面をさばけます。

  • a cut on my finger(指の切り傷)
  • a bruise on my leg(足のあざ)
  • a bump on my head(頭のこぶ)
  • a blister on my heel(かかとの水ぶくれ)

骨折や内部の痛みなど、体の中で起きている出来事は in を選びます。

  • a fracture in his arm(腕の骨折)
  • a crack in the bone(骨のひび)
  • pain in my lower back(腰の痛み)
  • numbness in my fingers(指のしびれ)

suffer や damage と組み合わせ、損傷が及んだ部位を示すときは to が現れます。a severe bruise to my chest(胸への強い打撲)、damage to his knee(膝への損傷)、an injury to her shoulder(肩の負傷)のように、力が向かった先を指す感覚です。

もうひとつの原則が所有格です。体の部位を言うときは my や his を付けるのが基本で、I broke my leg. とします。I broke the leg. とすると、自分の脚ではない何か、たとえば家具の脚を折ったように響いてしまいます。

ここまでの知識を、いよいよ実際の場面に持ち込みます。海外で怪我をしたときに口から出したい一文を並べていきます。

診察室で医師に手首を診てもらいながら患者が痛む場所を指して説明している場面
痛む場所を指して It hurts here. と言えれば、語彙が足りなくても診察は進む

病院・救急で使う実践フレーズ

この章の要点
  • 状況→部位→痛みの種類→必要な処置の順に伝えると短時間で伝わる
  • 痛みは sharp pain(鋭い)と dull ache(鈍い)で大きく分けられる
  • 10段階で伝える On a scale of one to ten は世界的に通じる伝え方
  • アレルギーと保険の情報は先に言うと処置が早くなる

海外で怪我をしたときは、症状と経緯を短く正確に伝えられるかどうかで、その後の時間が大きく変わります。長い文より短い文を四つのほうが確実に伝わります。

状況を伝える

  • I had an accident and I need help.(事故に遭いました。助けが必要です)
  • I fell off my bike and hurt my knee.(自転車から落ちて膝を怪我しました)
  • I think I broke my wrist.(手首を骨折したと思います)
  • It happened about an hour ago.(1時間ほど前に起きました)
  • I can’t move my arm.(腕が動かせません)
  • It’s bleeding a lot.(かなり出血しています)

痛みを説明する

フレーズ
On a scale of one to ten, it’s about seven.
日本語訳
10段階で言うと、7くらいの痛みです。
使う場面
医師や看護師から痛みの強さを尋ねられたとき。形容詞の語彙が出てこなくても数字で答えられます。
注意点
遠慮して低い数字を言うと処置の優先度が下がることがあります。感じたままの数字を伝えてください。
発音・ニュアンス
scale は「スケイル」。ten の前の to は弱く「トゥ」程度に落とし、数字だけをはっきり言えば十分に伝わります。
  • It hurts here.(ここが痛みます)
  • It’s a sharp pain.(鋭い痛みです)
  • It’s a dull ache.(鈍い痛みです)
  • The pain comes and goes.(痛みが出たり引いたりします)
  • It hurts when I put weight on it.(体重をかけると痛みます)
  • It’s throbbing.(脈打つように痛みます)
  • It’s swollen.(腫れています)

必要な処置を求める

  • Could you call an ambulance?(救急車を呼んでもらえますか)
  • Do I need an X-ray?(レントゲンは必要ですか)
  • Do I need stitches?(縫う必要がありますか)
  • I’d like to see a doctor.(医師の診察を受けたいです)
  • I have travel insurance.(旅行保険に入っています)
  • I’m allergic to penicillin.(ペニシリンにアレルギーがあります)
  • Can I get a medical certificate?(診断書をもらえますか)

医師から聞かれること

自分が話す文だけでなく、聞かれる文も知っておくと落ち着いて対応できます。どれも短い質問なので、答えの型も併せて用意しておきましょう。

  • Show me where it hurts.(どこが痛むか見せてください)
  • How did it happen?(どうやって起きましたか)
  • Can you bend your knee?(膝を曲げられますか)
  • Have you taken any painkillers?(痛み止めは飲みましたか)
  • Any allergies?(アレルギーはありますか)

自分の怪我を語る言葉が揃ったら、次は立場が逆になったとき。相手が怪我をしたときに、何と言えばいいのでしょうか。

怪我をした相手への声かけと回復を願う表現

この章の要点
  • 最初のひと言は What’s the matter? / Are you OK? / What happened to you?
  • 共感は That’s terrible. / That sounds painful. のように短く返す
  • 回復を願う定番は Get well soon.、書面なら Wish you a quick recovery.
  • Break a leg! は「頑張って」の慣用句で、骨折の話ではない

会話の中でテッドは Oh my god! と That’s terrible. で反応していました。短い応答が会話を前へ運ぶという点で、この二語は学ぶ価値があります。

最初のひと言

  • What’s the matter?(どうしたの?)
  • Are you OK? / Are you all right?(大丈夫?)
  • What happened to you?(何があったの?)
  • Do you want me to call an ambulance?(救急車を呼びましょうか)
  • Can you walk?(歩ける?)

共感を示す

  • That’s terrible.(それはひどい)
  • Oh no, that sounds painful.(うわ、痛そうだね)
  • I’m so sorry to hear that.(それは大変だったね)
  • That must have been scary.(怖かったでしょう)
  • I can’t believe that happened.(そんなことがあったなんて)

回復を願う

フレーズ
Get well soon. / Wish you a quick recovery.
日本語訳
早く元気になってね。/早いご回復をお祈りします。
使う場面
前者は友人や同僚へのメッセージやカードに。後者は取引先や年長者など、かしこまった場面や書面に向きます。
注意点
重い病気や長期の療養では Get well soon. の soon が急かす響きになることもあります。その場合は Take care of yourself. や I’m thinking of you. のほうが穏やかです。
発音・ニュアンス
Get well soon. は well を高く、soon を伸ばして温かく。recovery は「リ・カ・ヴァ・リ」で第二音節を強く読みます。
  • I hope you feel better soon.(早く良くなるといいね)
  • Hope you recover quickly.(早く回復することを願っています)
  • I hope you make a full recovery.(完全に回復されることを願っています)
  • Take care of yourself.(お大事に)
  • Tell me anything I can do for you.(できることは何でも言ってね)
  • Let me know if you need a hand.(手助けが必要なら言ってください)
注意点

Break a leg! は舞台の世界で「頑張って」を意味する慣用句で、文字どおり骨折を願う言葉ではありません。逆に、本当に足を骨折した人に向かって使えば、悪い冗談に受け取られます。舞台やオーディションに向かう人に向けた激励としてのみ使い、怪我の話題では出さないのが安全です。

怪我の話は、原因や社会的な背景に広がることも多いものです。会話をもう一段深めるための表現を見ておきましょう。

事故の原因やルールを説明する表現

この章の要点
  • 禁止は be banned、より公式には be prohibited、違法は illegal
  • 罰金は fine で、名詞と動詞の両方に使える
  • up to は上限を示し「最高〜まで」「〜以下の」
  • 増減は increase / decrease、傾向は on the rise / on the decline

禁止されている:be banned / be prohibited

ban は法や規則で禁じる、prohibit はより硬く公式な響き、forbid は個人的・道徳的な禁止にも使えます。硬さの順に並べて覚えると使い分けがしやすくなります。

  • It’s banned to use a cell phone while riding a bike.(自転車に乗りながら携帯電話を使うことは禁止されている)
  • Using a phone while cycling is prohibited.(自転車走行中の携帯使用は禁じられている)
  • Riding a bike under the influence of alcohol is illegal.(飲酒しての自転車運転は違法だ)

罰金:fine と up to

  • That will be fined up to 100,000 yen.(100,000円以下の罰金が科される)
  • You could face a fine of up to 100,000 yen.(最高10万円の罰金を科されることがある)
  • He was fined for using his phone while driving.(運転中の携帯使用で罰金を科された)

fine は名詞で「罰金」、動詞で「罰金を科す」。up to は上限を示す表現で、up to ten people(最大10人)、up to three hours(最長3時間)のように数量全般に使えます。

増加傾向を述べる

  • Traffic accidents are increasing.(交通事故が増えている)
  • Bicycle-related accidents have been on the rise.(自転車関連の事故が増加傾向にある)
  • More and more people are using their phones while cycling.(自転車に乗りながら携帯を使う人がますます増えている)

increase に対して decrease(減少する)、on the rise と on the decline(増加傾向と減少傾向)も対で覚えておくと、データや社会の話題で役に立ちます。

危険を指摘する

  • It’s very dangerous to do that.(それはとても危険だ)
  • You’re putting other people at risk.(他の人を危険にさらしているよ)
  • Cycling with an umbrella is also against the rules.(傘を差しての自転車運転もルール違反だ)

自転車は歩行者から見れば十分に速い乗り物で、ぶつかれば相手に骨折や打撲を負わせることもあります。日本では携帯電話の使用に加え、傘を差しての運転や、イヤホンで周囲の音が聞こえない状態での運転も禁じられています。こうした背景を英語で説明できると、海外の友人との会話がぐっと広がります。

ここからは、独学で誤解しやすい細かい点を一気に片付けます。ここを避けるだけで、伝わり方が一段変わります。

独学で陥りやすい誤用と発音の落とし穴

この章の要点
  • I hurt. だけでは足りず、目的語か主語を明確にする
  • injure は他動詞なので I’m injuring. とは言えない
  • pain は痛み全般、ache は持続する鈍い痛みで複合語になる
  • hurt と heart、wound の二つの読みは音で区別する

文型のつまずき

hurt は他動詞としての使用が多いため、I hurt my knee.(膝を痛めた)か My knee hurts.(膝が痛い)のどちらかの形にします。I hurt. の一語だけでは宙に浮きます

injure も同様に他動詞です。自分が怪我をした状態は I’m injured. または I got injured. と受け身にします。I’m injuring. は「今まさに誰かを傷つけている最中」という奇妙な意味になってしまいます。

wound を軽い怪我に使うのも避けたい誤りです。紙で指を切った程度なら a paper cut。wound を持ち出すと、事件性のある傷に聞こえます。

語の選び方のつまずき

pain は痛み全般を指し、強い痛みも含みます。ache は持続する鈍い痛みで、headache(頭痛)、stomachache(腹痛)、toothache(歯痛)、backache(腰痛)のように複合語として定着しています。

bruise は名詞だけでなく動詞にもなります。I bruised my elbow.(肘を打撲した)、I bruise easily.(あざができやすい)の二つの形を覚えておくと便利です。

とっさに「痛い!」と声が出るときは Ouch! や Ow!。文にする余裕があれば That hurts! と続けます。日本語の「痛っ」に近い反射的な音なので、これも声に出して練習しておく価値があります。

発音のつまずき

hurt と heart は日本語のカタカナでは同じ「ハート」になりますが、母音がまったく違います。hurt は口をあまり開けず喉の奥で短く、heart は口を大きく開けて「アー」と伸ばす感覚です。

wound は「ウーンド」(傷)と「ワウンド」(wind の過去形)の二つの読みがあり、綴りが同じでも意味は無関係です。bruise は「ブルーズ」、sprain は「スプレイン」、ache は「エイク」。ache の ch を「チ」と読まないよう注意してください。

読んで理解できたことと、痛みのある場面で口から出せることの間には距離があります。その距離を縮める練習手順を用意しました。

ノートと鉛筆、録音画面を表示したスマートフォン、マグカップが置かれた学習机の様子
録音して聞き返す作業が、覚えた表現を口に定着させる近道になる

今日から始める7日間の定着プラン

この章の要点
  • 自分の過去の怪我を「いつ・どうやって・どうなったか」の3文にする
  • 会話文はサクラ役とテッド役の両方を音読する
  • 症状は「部位+前置詞+症状」のかたまりで声に出す
  • 録音して聞き返すと、通じない箇所が自分で分かる

語彙表を眺めるだけでは、痛みで頭が回らない場面で引き出せません。口に出した回数だけが本番で使えるという前提で、順番を決めて進めていきます。

1日目と2日目は、自分が過去に経験した怪我を三つ思い出し、それぞれ英語で3文にまとめます。「いつ」「どうやって」「どうなったか」の順にすると組み立てやすくなります。

フレーズ(3文の型)
Last winter, I slipped on the ice and hurt my back. I couldn’t walk properly for a few days. I went to a clinic and got some painkillers.
日本語訳
去年の冬、氷で滑って腰を痛めました。数日はまともに歩けませんでした。クリニックに行って痛み止めをもらいました。
使う場面
英会話の自己紹介や雑談で経験を語るとき。診察で既往を説明するときにも同じ型が使えます。
注意点
全文を一気に長くしないこと。3文に分けると時制の誤りに気づきやすく、相手も聞き取りやすくなります。
発音・ニュアンス
slipped の語尾は「スリップト」と息だけで短く。painkillers は「ペイン・キラーズ」で前を強く読みます。

3日目と4日目は、この記事の会話文をサクラ役とテッド役の両方で音読します。相手役をやると、What’s the matter? や That’s terrible. といった応答が自然に口をついて出るようになります。

5日目は、症状別の単語を「体の部位+前置詞+症状」のかたまりで声に出します。a cut on my finger、a bruise on my knee、a fracture in my arm、numbness in my fingers と続けて言えるようにしておくと、病院でも短い言葉で状況が伝わります。

6日目は録音の日です。自分の怪我の体験を3文で話し、スマートフォンで録音して聞き返します。詰まった箇所、前置詞が抜けた箇所、所有格を落とした箇所が自分の耳で分かるので、修正すべき点がはっきりします。

7日目は総仕上げとして、想定場面を三つ設定して即答の練習をします。転んで膝を擦った、階段で足首をひねった、包丁で指を切った。この三つに対して、原因・部位・痛みの種類・希望する処置を各一文で言い切れれば、実用のラインに届いています。

ひとりで音読を続けると、自分の発音や語の選び方が本当に通じるのか判断しづらい部分が残ります。誰かに聞いてもらいながら直していきたい場合は、対話の中で確認できる環境を利用する方法もあります。

最後に、学習中によく出てくる疑問をまとめて整理しておきます。

怪我の英語表現によくある質問

この章の要点
  • 迷ったときの判断基準を質問形式で確認できる
  • 語の選択、文型、前置詞、声かけの疑問を一問一答で整理

「怪我をした」は get hurt と get injured のどちらを使えばいいですか?

痛みを中心に伝えたいなら get hurt、事故やスポーツで体に損傷を負ったことを伝えたいなら get injured が向いています。友人との会話では I got hurt. のほうが自然に響き、報告書やニュース寄りの文脈では injured が選ばれます。どちらも受け身の形なので、I injured. のように能動態にしない点だけ守れば大きな誤解は生じません。

wound と cut はどう使い分けますか?

wound はナイフや銃など意図的な力でできた傷、または処置が必要な傷口を指し、事件や戦場の文脈で使われます。料理中に指を切った、紙で指を切ったといった日常の傷は cut や a paper cut が自然です。うっかりした傷に wound を使うと事件性のある傷に聞こえるため、深さや原因を思い浮かべて選んでください。

「腕を骨折した」は break と fracture のどちらが自然ですか?

日常会話では I broke my arm. がもっとも一般的で、誰にでもすぐ伝わります。fracture は医療寄りの語で、He has a fracture in his arm. のように診断や記録の文脈で使われます。骨の細いひびは hairline fracture、一般的な言い方としては crack が使えます。

怪我の場所を言うとき on と in はどう選びますか?

皮膚の表面に見える傷は on を使い、a cut on my finger、a bruise on my leg、a bump on my head のようになります。骨折や内部の痛みなど体の中の出来事は in を選び、a fracture in his arm、pain in my lower back のように言います。suffer や damage と組み合わせて損傷が及んだ部位を示すときは、a severe bruise to my chest のように to も現れます。

相手を気遣うとき Get well soon 以外に何が使えますか?

I hope you feel better soon. や Take care of yourself. は幅広い相手に使える穏やかな言い方です。かしこまった場面や書面では Wish you a quick recovery. や I hope you make a full recovery. が合います。療養が長引きそうな相手には soon を含む表現が急かす響きになることもあるため、I’m thinking of you. のように寄り添う言い方も覚えておくと安心です。

海外の病院で最初に言うべき一文は何ですか?

I had an accident and I need help. のように、事故に遭ったことと助けが必要なことを先に伝えるのが確実です。そのうえで I fell off my bike and hurt my knee. のように原因と部位、It’s a sharp pain. のように痛みの種類を続けます。アレルギーと保険の情報は早めに伝えると処置が進みやすくなります。

Break a leg は本当に骨折を意味しないのですか?

Break a leg! は舞台やオーディションに向かう人に「頑張って」と伝える慣用句で、文字どおりの骨折とは関係がありません。ただし実際に怪我をしている相手に向けて使うと悪い冗談に取られるため、場面を選ぶ必要があります。怪我の話題では Get well soon. や Take care of yourself. を選んでください。

覚えておいて使わずに済むのがいちばんいい言葉

この章の要点
  • injury・hurt・wound の3語を軸に、症状語と前置詞を足していけば説明できる
  • I got hit by a bicycle. / I broke my leg. / It hurts here. の3文が土台になる
  • ルールを守ることは、自分と誰かの体を守ることにつながる

怪我の英語は、覚える語が多いように見えて、実は骨組みがとても単純です。痛みなら hurt、事故の負傷なら injury、刃物の傷なら wound。この三本の柱に症状語と前置詞を足していくだけで、伝わる説明ができあがります。

自転車は想像以上にスピードが出る乗り物です。気をつけて乗らないと、自分が怪我をするだけでなく、誰かに怪我をさせてしまうこともあります。日本では乗車中の携帯電話の使用に加え、傘を差しての運転も禁じられています。

ルールを守ることは、そのまま自分と誰かの体を守ることにつながります。そしてもし怪我をしてしまったときには、I got hit by a bicycle. や I broke my leg.、It hurts here. といった一言が言えるだけで、受けられる助けが変わってきます。

覚えておいて使わずに済むなら、それがいちばんいい。それでも、備えとして持っておく価値のある言葉たちです。今日のうちに三文だけ声に出しておきましょう。See you then.