友人とおしゃべりしながら歩道を歩いていたら、背後から猛スピードの自転車がすれすれに走り抜けていった。心臓がドキッとして、思わず立ち止まってしまう——都市で暮らしていれば、誰でも一度は経験する場面です。
日本語なら「わっ!」「危なかった!」の一言で済みます。ところが英語にしようとすると、「危ない」は dangerous だっけ、「ぶつかりそうになる」は almost を使うのかな、と口が止まってしまう。この「言えそうで言えない」もどかしさは、多くの学習者が同じところでつまずいています。
この記事では、ヒヤッとした瞬間に反射的に出てくる That was close! から、少し落ち着いて振り返るときの close call、そして「もっとゆっくり歩いていたらぶつかっていた」を表す仮定法過去完了まで、この場面で使う英語をひと通り使える形で整理していきます。会話例、場面別の短文、誤用例、発音のポイント、よくある質問まで揃えてあるので、読み終えたその日から声に出して練習できます。実際に声に出して直してもらいながら固めたい方は、英語教室のようにやり取りのある場を併用すると定着が早くなります。
では、まず「これだけ覚えれば今日から言える」という三つの型から見ていきましょう。
- まず覚える三つの型|That was close! / almost got hit / a close call
- そのまま真似できる会話例|自転車にぶつかりそうになった二人
- That was close! の正体|「危なかった」と「惜しい」が同じ言葉になる理由
- It was a close call. の使い方|call は「判定」というイメージ
- 「ぶつかりそうになる」の中心は almost / nearly + 動詞の過去形
- bump into / collide with / run into|「ぶつかる」の動詞を使い分ける
- その場で叫ぶ一言|警告・謝罪・注意のフレーズ
- 仮定法過去完了を体で覚える|If I had been going slower, I would have been hit.
- should have + 過去分詞|「もっと気をつけるべきだったのに」
- 会話を続ける小さな表現|相づち・同意・話題の転がし方
- 自転車・歩行者・交通まわりの語彙帳
- 誤用しやすいポイント|意味が反対になる危険な間違い
- 場面別の応用フレーズ集|歩行者・自転車・気遣い・話題づくり
- 文化的な背景|自転車をめぐる感覚は国で大きく違う
- 会話をふくらませる4ステップ練習と一週間の復習プラン
- よくある質問
- ヒヤッとした瞬間を、英語を覚える瞬間に
まず覚える三つの型|That was close! / almost got hit / a close call
- 叫ぶ瞬間は That was close!、出来事を説明するときは I almost got hit by a bike.、振り返って語るときは It was a close call. の三つで大半の場面をカバーできる
- 三つは「時間軸」が違う。事故直後・その場の説明・後から報告、という順で並んでいる
- 難しい単語は不要。close、almost、hit という中学レベルの語だけで成り立っている
自転車にぶつかりそうになった場面で最初に押さえるべきは、たった三つの型です。That was close!(危なかった!)、I almost got hit by a bike.(自転車にぶつかりそうになった)、It was a close call.(危ないところだった)。この三つが口から出るようになれば、その場の叫びから後日の報告まで対応できます。
なぜ三つで足りるのか。理由は、この場面で必要な情報が「感情」と「出来事」と「評価」の三種類しかないからです。ヒヤッとした感情は That was close! が、何が起こりかけたのかという事実は almost が、危険度の総括は close call が受け持ちます。
具体的に並べてみると、役割の違いがはっきりします。
- フレーズ
- That was close!
- 日本語訳
- 危なかった!/今のはギリギリだった!
- 使う場面
- 自転車が目の前を通り過ぎた直後など、危険を回避した「その瞬間」。連れに向かって、あるいは独り言として。
- 注意点・誤用例
- ×That was dangerous close. のように語を足す必要はありません。close 一語で「差がわずかだった」が言えます。また I was close. にすると「私が(目的地などに)近かった」の意味に流れるため、主語は that が基本です。
- 発音・ニュアンス
- 「ザッ ワズ クロース」。close の s は濁らせません。That was を「ザッワズ」と一息でつなげ、close を強く長めに置くと、驚きが自然に乗ります。
- フレーズ
- I almost got hit by a bike.
- 日本語訳
- 自転車にぶつかられそうになった。
- 使う場面
- 何が起こりかけたのかを相手に説明するとき。待ち合わせ場所に着いて「今ここに来る途中でね」と話し出す場面にぴったりです。
- 注意点・誤用例
- ×I almost hit a bike. だと「自分が自転車にぶつけそうになった」という加害者側の意味になります。歩行者の立場なら受け身の got hit by を選びます。
- 発音・ニュアンス
- 「アイ オールモス(ト) ガッ ヒッ バイ ア バイク」。almost の t と got の t はほとんど落ちます。ALmost と HIT を強めに置くのがリズムの要です。
- フレーズ
- It was a close call.
- 日本語訳
- 危ないところだった。/間一髪だった。
- 使う場面
- 少し落ち着いてから、出来事全体を評価して語るとき。帰宅後に家族へ「今日ちょっと危ないことがあってね」と話すときなど。
- 注意点・誤用例
- ×It was close call. は冠詞落ち。call は数えられる名詞なので、文中では a close call とします。
- 発音・ニュアンス
- 「イッ ワズ ア クロース コール」。close と call が並ぶので、clo と ca の子音をはっきり切ると聞き取りやすくなります。That was close! よりやや落ち着いた響きです。
つまり、三つは競合するのではなく役割分担しています。まずはこの並びを頭に入れておけば、あとは細部を足していくだけです。では、この三つが実際の会話でどう並ぶのか、そのまま真似できる対話で確かめてみましょう。

そのまま真似できる会話例|自転車にぶつかりそうになった二人
- 「驚き→同意→仮定法→相手の経験→意見」という自然な流れが、10往復ほどの短い会話に凝縮されている
- Oops! / Sure it was. / Come to think of it, / Right on! といった短い相づちが会話を前に進めている
- まず全文を音読し、次に片方の役だけ言えるようにすると、実際の会話で使える形になる
フレーズを単体で覚えるより、会話の流れごと覚えるほうが実戦で出てきやすくなります。理由は単純で、実際の会話ではフレーズが単独ではなく前後の相づちとセットで現れるからです。
歩行者二人が自転車にヒヤッとした直後の対話を見てみましょう。役割は「あなた(You)」と「友人(Friend)」です。
- 状況設定
- You are walking with your friend. Then a bike ran close to you.
- 会話(英語)
- You: Oops! That was close.
Friend: Sure it was.
You: If I had been going slower, I would have been hit.
Friend: It ran too fast. Come to think of it, I have the same experience. Last month I almost got hit by a bike, too.
You: They should have been more careful.
Friend: Recently bike accidents are increasing.
You: So pedestrians have to be careful.
Friend: And when we ride a bike, we should mind our manners.
You: Right on! - 日本語訳
- (あなたが友人と歩いています。そのとき、自転車がすれすれに走っていきました。)
あなた:わ~!すれすれだった。
友人:そうだね。
あなた:動きがとろかったら、ぶつかっていたかもしれない。
友人:すごく速く走っていったよ。そういえば、私も同じ経験をした。先月、私も自転車にぶつかりそうになった。
あなた:もっと気をつけてくれなくては。
友人:最近自転車事故が増えているね。
あなた:だから、歩行者は気をつけなくちゃ。
友人:それから、自転車に乗るときは、マナーに気をつけるべきだね。
あなた:その通り! - 練習の手順
- ①全文をゆっくり音読する ②You の台詞だけを見ずに言えるようにする ③Friend の台詞だけを言えるようにする ④「自転車」を「車」「スケートボード」に替えて言い換える。この四段階で、暗記から運用へ移ります。
短い対話ですが、中には使い回しの利く部品がたくさん埋まっています。順番に確認しておきましょう。
会話に出てきた表現のワンポイント
- then:「そのとき」。話の展開を示すつなぎ言葉で、ナレーションでも会話でも頻繁に登場します。
- close to ~:「~とすれすれに」。物理的な近さを表す、この話題の中心となる表現です。
- Oops!:驚いたときの「わっ!」。発音は「ウープス」。自分がミスをしたときの「あちゃ」にも使えます。
- Sure it was. / It sure was.:「確かにそうだったね」。相手の言葉をなぞって同意する自然な返し方です。
- If I had been ~:had+過去分詞で仮定法過去完了。過去の出来事を「もし~だったら」と振り返ります。
- go slower:go slow は「ゆっくり進む」「のんびりやる」。
- would have+過去分詞:「~だっただろうに」。実際にはそうならなかったことを表します。
- be hit / get hit:hit は「ぶつかる、ぶつける」。受け身にすると「ぶつけられる」。
- Come to think of it,:「そういえば」「言われてみれば」。文頭に置いて、思い出した話題を切り出します。
- almost+動詞:「~しそうになる」。この話題でいちばん活躍する形です。
- should have+過去分詞:「~すべきだったのに」。実際にはしなかったことへの非難や後悔。
- pedestrian:「歩行者」。bike accident:「自転車事故」。mind one’s manners:「マナーに気をつける」。
- Right on!:「その通り!」「異議なし!」。ややくだけた、力強い同意です。
会話の骨格がつかめたところで、次はこの中でも使用頻度が高い That was close! を、なぜそう言えるのかというところまで掘り下げていきます。
That was close! の正体|「危なかった」と「惜しい」が同じ言葉になる理由
- close は「差がわずかだった」という中立的な意味。だから「危なかった」とも「惜しい」とも訳せる
- 危険回避の直後に反射的に出す一言として、最も自然で使いやすい
- 形容詞の close は「クロース」。動詞の「クローズ」と読むと通じにくくなる
That was close! は、危険を回避した直後に反射的に口から出る定番の一言です。close は「近い」という形容詞ですが、ここでは「もう少しで大変なことになっていた」という僅差を表しています。
この一言が面白いのは、正反対の日本語に訳せる点です。サッカーでシュートがゴールポストに弾かれたとき、守っていた側は「危なかった!」の意味で That was close! と言い、攻めていた側は「惜しい!」の意味で、やはり That was close! と言います。
同じ英語が真逆の気持ちを表せるのは、close が「差がごくわずかだった」という価値判断を含まない意味を持つからです。良い結果に近かったのか悪い結果に近かったのかは、状況が決めてくれます。
実例を並べてみると、幅の広さがよく分かります。
- That was close!(危なかった!/惜しい!)
- Whoa, that was close.(うわ、危なかった。)
- That was close. Phew!(危なかった。ふぅ。)
- I got 99% on my test. I was so close!(テストで99点だった。めっちゃ惜しかった!)
- Close one!(今のはギリギリだったね!)※くだけた言い方
close は品詞で発音が変わります。形容詞の close(近い)は s を濁らせず「クロース」、動詞の close(閉じる)は「クローズ」です。That was close. を「ザッワズ クローズ」と読むと「それは閉まっていた」のように響き、意図が伝わりにくくなります。closet(クローゼット)の clos- と同じ濁らない音、と覚えておくと安全です。
では、よく並べて紹介される close call とは、どこが違うのでしょうか。次に整理します。
It was a close call. の使い方|call は「判定」というイメージ
- close call は「危ないところだった」「間一髪だった」を表す名詞表現。call は審判の「判定」のイメージ
- 文中では冠詞の a を忘れず、It was a close call. とする
- That was close! が瞬間の叫び、a close call は落ち着いてからの振り返り
close call は「危ないところだった」「間一髪だった」「ぎりぎりで助かった」という意味の名詞表現です。close は「近い」、call はここでは「判定」を指します。
野球やテニスで、審判の判定がどちらとも取れるほど微妙だった——そんな場面が語源のイメージです。そこから転じて、良い結果と悪い結果の差がごくわずかだった状況全般を指すようになりました。
危険の回避だけでなく、遅刻、試験、試合など「ぎりぎりだった」場面に幅広く使えます。
- That car almost hit us. It was a close call.(あの車にひかれそうだった。危ないところだったよ。)
- I nearly dropped my phone. That was a close call.(スマホを落としかけた。危なかった。)
- I made the train, but it was a close call.(電車には間に合ったけど、ぎりぎりだった。)
- We arrived just before the gate closed. It was a close call.(搭乗口が閉まる直前に着いた。間一髪だった。)
- I passed the exam, but it was a close call.(試験に受かったけど、ぎりぎりだった。)
- The game was a close call.(あの試合はきわどい勝負だった。)
- I had a close call on my way home.(帰り道でヒヤッとすることがあった。)
call は数えられる名詞なので、文の中では a close call と冠詞が必要です。×It was close call. は誤りで、○It was a close call. が正しい形。ただし、驚いた直後に単独で「Close call!」と叫ぶ形は自然に使われます。文の中では a を付ける、単独の叫びなら不要、と区別しておきましょう。
That was close! と It was a close call. の使い分け
両者の違いは、話し手の「心の距離」です。That was close! は危険を避けた直後の反射的でカジュアルな叫び。It was a close call. は少し落ち着いてから、状況全体を眺めて評価する表現です。
先の会話例で You が「Oops! That was close.」と言ったのは、まさに自転車が通り過ぎた瞬間だったからです。ここに It was a close call. を入れると、やや冷静すぎて臨場感が薄れてしまいます。
一方、家に帰って家族に「今日、帰り道で危ないことがあってね」と話すなら、I had a close call on my way home. がしっくりきます。その場では that、後からは a close call。この目安で迷わなくなります。
ここまでは「危なかった」という感情の側の表現でした。次に、「何が起こりかけたのか」を具体的に言う動詞側の表現を、まとめて押さえていきます。
「ぶつかりそうになる」の中心は almost / nearly + 動詞の過去形
- 動詞の前に almost / nearly を置くだけで「あと少しで~するところだった」が言える
- この型さえ使えれば、close call が思い出せなくても状況を一文で伝えられる
- 受け身にするか能動にするかで「被害者側/加害者側」が入れ替わるので要注意
初心者にとって最も頼りになるのが、このalmost + 動詞の過去形という型です。動詞の前に almost や nearly を置くだけで、「実際には起こらなかったが、あと少しで起こるところだった」という意味になります。
なぜこれが強力なのか。理由は、覚える語がひとつで済み、しかも動詞を入れ替えるだけで無限に応用できるからです。転ぶ、遅れる、落とす、踏み込む——どんな出来事にも同じ型が使えます。
- I almost got hit by a bike.(自転車にぶつかりそうになった。)
- I almost fell.(もう少しで転ぶところだった。)
- I almost missed the train.(もう少しで電車に乗り遅れるところだった。)
- I almost dropped it.(もう少しでそれを落とすところだった。)
- She nearly stepped into the bike lane.(彼女は自転車レーンに足を踏み入れそうになった。)
- The bike almost clipped my bag.(自転車がかばんをかすめそうになった。)
almost と nearly はほぼ同じように使えます。nearly のほうが書き言葉やイギリス英語でやや好まれますが、会話ではどちらを選んでも問題ありません。
- フレーズ
- A bike almost hit me from behind.
- 日本語訳
- 自転車が後ろからぶつかってきそうになった。
- 使う場面
- 自転車のほうを主語にして、相手の動きを描写したいとき。受け身が苦手な人はこの形から入るのが楽です。
- 注意点
- 主語が A bike なので、almost は hit の直前に置きます。×A bike hit almost me. とは言いません。
- 発音・ニュアンス
- 「ア バイク オールモス(ト) ヒッ ミー フロム ビハインド」。from behind を最後に添えると「気づけなかった」という理不尽さが伝わります。
close call というフレーズが思い出せなくても、この型さえ使えれば何が起こりかけたのかを具体的に伝えられます。では、「ぶつかる」の動詞そのものにはどんな選択肢があるのでしょうか。
bump into / collide with / run into|「ぶつかる」の動詞を使い分ける
- bump into は軽い接触、collide with は硬く深刻な衝突、run into / crash into は勢いよく突っ込む感じ
- bump into には「偶然出会う」という別の意味があるため、文脈で誤解を防ぐ工夫が必要
- come close to -ing は to の後が動名詞。少しフォーマルな言い方
「ぶつかる」に当たる動詞は複数あり、衝突の強さと深刻さで選び分けます。軽い接触から大事故まで、順に見ていきましょう。
bump into|軽くぶつかる、そして「偶然会う」
bump into は「(軽く)ぶつかる」。人と人が肩や体で接触するような、それほど大きくない衝突に向いた表現です。
- I almost bumped into my boss in the hallway just now.(さっき廊下で上司とぶつかりそうになった。)
- We almost bumped into each other.(お互いにぶつかりそうになった。)
- He bumped into me and my coffee spilled.(彼がぶつかってきて、コーヒーがこぼれた。)
bump into にはもう一つ「偶然出会う」という重要な意味があります。I bumped into my old friend this morning. は「今朝、旧友にばったり会った」。文脈がなければどちらの意味か分かりにくいため、物理的な衝突を強調したいときは into の後に体の部位や物を続ける(bumped into his shoulder)、hard などの副詞を添える(bumped into me pretty hard)といった工夫で誤解を防げます。
collide with|硬く、深刻な「衝突」
collide with は「衝突する」。bump into より硬い響きで、深刻な事故を表します。報道や事故報告の文書で好まれる語です。
- The two cars nearly collided with each other.(2台の車がぶつかりそうになった。)
- A cyclist collided with a pedestrian at the crossing.(自転車が横断歩道で歩行者と衝突した。)
- He collides with his manager in a meeting very often.(彼は会議でよく上司と衝突する。)※比喩的な「意見の衝突」
日常の立ち話で「自転車とぶつかりそうになった」と言うだけなら、collide with は少し重すぎます。友人との会話では almost got hit のほうが自然に響きます。
come close to -ing|「~するところだった」を少し丁寧に
come close to -ing は、同じ内容をややフォーマルに述べる形です。to の後が動名詞(-ing)になる点が最大の注意点です。
- We came close to colliding.(ぶつかりそうになったところだった。)
- I came close to being hit by a delivery bike.(配達の自転車にぶつかられそうになった。)
- The rider came close to hitting a child.(その運転者は子どもにぶつかりかけた。)
×I came close to be hit. は誤りです。to の後は必ず being hit のように -ing 形にします。
get hit by / run into / crash into / run over|被害の視点で語る
自転車や車が関わる場面では、被害者側の視点で受け身を使う頻度が高くなります。日常会話では be hit より get hit のほうが自然です。
- I almost got hit by a bike.(自転車にぶつかられそうになった。)
- If I had been going slower, I would have been hit.(もっとゆっくり歩いていたら、ぶつかられていた。)
- A bike ran into me from behind.(自転車が後ろから突っ込んできた。)
- The cyclist crashed into a parked car.(その自転車は駐車中の車に突っ込んだ。)
- He was almost run over.(彼はもう少しでひかれるところだった。)※run over は車輪が体の上を通る「ひく」
near miss|安全管理の文脈で使われる「ニアミス」
near miss は「衝突や事故が起こりかけたが回避されたケース」。close call と意味は近いものの、事故分析や安全管理の文脈で使われやすい語です。
- There was a near miss between a bus and a cyclist.(バスと自転車のニアミスがあった。)
- The city recorded several near misses at that intersection.(市はその交差点で複数のニアミスを記録した。)
混同しやすい類似表現
似ているようで焦点がずれている表現も整理しておきましょう。just in time は「ぎりぎり間に合って」で、危険の回避ではなく時間に焦点があります。I got there just in time.(ぎりぎり間に合った。)
That was lucky. は「運がよかった」と結果を評価する言い方で、危険だったこと自体は表しません。Phew!(ふぅ)は安堵のため息を表す間投詞で、That was close. Phew! と続けるとホッとした感じがよく出ます。
出来事を語る言葉が揃いました。次は、ぶつかりそうな「まさにその瞬間」に叫ぶ短い一言を見ていきます。

その場で叫ぶ一言|警告・謝罪・注意のフレーズ
- 危険を知らせる一言は Watch out! / Look out! / Heads up! / Behind you! など、短いものだけで十分
- 追い抜くときの定番は On your left!(左を通ります!)
- 自分に落ち度があれば My bad. と素直に、相手が危険なら Hey, slow down! と短く伝える
ぶつかりそうな瞬間に必要なのは、一語か二語の短い叫びだけです。理由は明快で、危険を知らせる時間は一瞬しかないからです。長い文を組み立てている余裕はありません。
連れや相手に声をかけるなら、次のような表現が使われます。
- Watch out!(危ない!)
- Look out!(危ない!)※Watch out! とほぼ同義
- Heads up!(気をつけて!)※何かが飛んで来る、近づいてくるとき
- Careful!(気をつけて!)
- Behind you!(後ろ!)
- On your left!(左を通ります!)※自転車が歩行者を追い抜くときの定番
- Coming through!(通ります!)
ぶつかりそうになった後、こちらに落ち度があった場合は素直に一言添えます。
- Oh, sorry — I didn’t see you there.(あ、ごめんなさい、気づかなくて。)
- My bad. Are you all right?(僕のミスです。大丈夫ですか。)
- Sorry, that was my fault.(すみません、私の不注意でした。)
逆に、相手が無茶な走り方をしていたときには次のように言えます。
- Hey, slow down!(ちょっと、スピード落として!)
- You should ride more carefully.(もっと気をつけて乗ってください。)
- Please don’t ride so fast here.(ここではそんなに速く走らないでください。)
見知らぬ相手に強い口調で命令形を使うと、思ったより攻撃的に受け取られることがあります。Hey! だけを大声で言うのは特に喧嘩腰に響きやすい表現です。安全を伝えたいだけなら Careful! や Please slow down. のように、please を添えるか単語だけにとどめるのが無難です。
瞬間の一言が押さえられたら、次はこの場面で最も英語らしく響く文法、仮定法過去完了に進みましょう。
仮定法過去完了を体で覚える|If I had been going slower, I would have been hit.
- 骨組みは「If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would/could/might + have + 過去分詞」
- 過去の事実と反対のことを想像する形。だから時間を一段さかのぼる
- would は言い切り、could は「できただろうに」、might は「かもしれない」で確信度が変わる
会話例の中でいちばん英語らしい一文は、If I had been going slower, I would have been hit. です。この形は日本語話者がつまずきやすいので、骨組みごと分解して覚えてしまいましょう。
仮定法過去完了は「過去の事実と反対のことを想像する」ときの形で、型はこうなっています。
If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would / could / might + have + 過去分詞
会話の場面に当てはめると、実際には「私はふつうの速さで歩いていた。だからぶつからなかった」。それに対して「もし歩くのが遅かったなら、ぶつかられていた」と、現実とは違う仮定を語っているわけです。
過去の話なので、had been going と have been hit のように、時間を一段さかのぼった形を使います。ここが「現在の仮定(If I were …)」との分かれ目です。
- フレーズ
- If I hadn’t stopped, I would have been hit.
- 日本語訳
- 立ち止まっていなかったら、ぶつかられていた。
- 使う場面
- 危険を回避できた理由を説明するとき。「自分のあの判断が助かった」という気持ちを込められます。
- 注意点
- ×If I didn’t stop, I would be hit. と現在の形にすると、過去の実際の出来事を語っているという情報が消えてしまいます。過去の話なら had + 過去分詞を守ります。
- 発音・ニュアンス
- 口語では If I hadn’t を「イファイ ハドゥン」と一息で。would have は「ウダヴ」とつぶれます。ここを丸ごと音のかたまりとして覚えると、話すときも聞くときも楽になります。
似た文をいくつか作って、口に馴染ませてみてください。
- If she had been looking at her phone, she might have been injured.(彼女がスマホを見ていたら、けがをしていたかもしれない。)
- If the cyclist hadn’t swerved, we would have crashed.(あの自転車がよけていなかったら、衝突していた。)
- If I had left home five minutes earlier, I wouldn’t have seen the accident.(5分早く家を出ていたら、あの事故は見ていなかった。)
- If he had rung his bell, I could have moved aside.(彼がベルを鳴らしていたら、私はよけられたのに。)
will の過去形 would は「~だっただろうに」、could は「~できただろうに」、might は「~だったかもしれない」。どれを選ぶかで話し手の確信度が変わります。会話例は「ぶつかっていた(だろう)」と言い切るニュアンスなので would が選ばれています。
なお、口語では If I had been going slower の had been going を短縮して If I’d been going slower と発音します。リスニングでは ‘d がほとんど聞こえないため、had があると意識して聞き取る練習をしておくと役に立ちます。
仮定法とセットで覚えたいのが、もう一つの助動詞表現です。次に見ていきましょう。
should have + 過去分詞|「もっと気をつけるべきだったのに」
- should have+過去分詞は「実際にはそうしなかった」ことへの非難や後悔を表す
- 相手の性別が分からない、あるいは特定しないときは単数の they で指すのが今では一般的
- shouldn’t have / could have / ought to have を合わせて覚えると表現の幅が広がる
会話例のもう一つの重要文法が They should have been more careful.(もっと気をつけるべきだったのに)です。should have + 過去分詞は、実際にはそうしなかったことへの非難や後悔を表します。
この形が便利なのは、相手への苦言と自分への反省の両方に使えるところです。主語を替えるだけで矢印の向きが変わります。
- I should have looked both ways.(左右を確認すべきだった。)
- He shouldn’t have been riding on the sidewalk.(彼は歩道を走るべきではなかった。)
- They should have slowed down near the crossing.(横断歩道の近くでは減速すべきだった。)
- I should have been paying more attention.(もっと注意を払っておくべきだった。)
- You could have called out to me.(声をかけてくれてもよかったのに。)
会話例では主語が They になっています。自転車に乗っていた人が男性か女性か分からない、あるいは特定していないとき、英語では単数の人を they で指すのが今では一般的です。he or she と言うより自然に響きます。
同じ「後悔」を表す形として、shouldn’t have(~すべきでなかった)、could have(~できたのに)、ought to have(~すべきだったのに、やや硬い)も一緒に覚えておくと、言いたいことに合った濃さを選べるようになります。
文法の骨格は揃いました。ここからは、会話が一往復で終わらないようにする「つなぎ」を補強していきます。
会話を続ける小さな表現|相づち・同意・話題の転がし方
- 会話が続かない原因は語彙不足ではなく、たいてい「つなぎ」の不足
- Come to think of it,(そういえば)は自分の似た経験を持ち出す万能の一言
- Yes. で終わらせず、相手の言葉をなぞって返すと聞いている姿勢が伝わる
英会話が一往復で終わってしまう人に足りないのは、たいてい語彙ではなくつなぎの表現です。今回の会話には、そのお手本になる短い表現がいくつも埋め込まれています。
Come to think of it, は「そういえば」。相手の話を聞いていて自分の似た経験を思い出したとき、この一言を頭に置くだけで会話が自然に転がり出します。Come to think of it, I saw the same thing yesterday.(そういえば、昨日も同じ光景を見たよ。)
Sure it was. / It sure was. は「確かにそうだったね」。Yes. だけで終わらせず、相手の言葉をなぞって返すと、聞いているという姿勢が伝わります。
Right on! は「その通り!」「異議なし!」。1960〜70年代のアメリカ英語に由来する、ややレトロで力強い響きのある同意表現です。同じ場面では Exactly! / Absolutely! / You can say that again! / I couldn’t agree more. なども使えます。
too の位置も見逃せません。Last month I almost got hit by a bike, too. と文末に置くことで「(あなたと同じように)私も」という共感が加わります。
- フレーズ
- Come to think of it, that happened to me last week, too.
- 日本語訳
- そういえば、先週も私に同じことが起きたよ。
- 使う場面
- 相手の体験談を受けて、自分の話に自然に橋を架けるとき。会話を二往復目に進める起点になります。
- 注意点
- Come to think of it は文頭に置く決まった形です。文末に付けたり、Come to think about it と言い換えたりはしません。
- 発音・ニュアンス
- 「カムタ スィンカヴィッ」と、ひと続きに軽く流します。think を強めに、of it は弱く。丁寧すぎずくだけすぎない、日常会話にちょうどよい響きです。
つなぎが手に入ったら、話を具体的にする材料が欲しくなります。次は自転車と交通まわりの語彙をまとめて仕入れましょう。
自転車・歩行者・交通まわりの語彙帳
- 乗り物・場所・行為・事故の四つに分けて覚えると引き出しやすい
- sidewalk(米)/pavement(英)のように、地域で呼び方が変わる語がある
- 語彙が増えると「危なかった」の一言が具体的な描写に育つ
この話題を掘り下げて話せるようになる鍵は、周辺語彙の量です。理由は、危険だった状況を再現するには「どこで」「誰が」「どんなふうに」を言える語が必要だからです。
乗り物と部品
- bicycle(自転車。やや正式)/bike(自転車。口語。文脈によってはオートバイも指す)
- cyclist / rider(自転車に乗る人)
- e-bike / electric bike(電動アシスト自転車)
- handlebars(ハンドル)/brakes(ブレーキ)/bell(ベル)
- helmet(ヘルメット)/front light(前照灯)/basket(かご)
道路と場所
- sidewalk(歩道/米)・pavement(歩道/英)
- bike lane / cycle lane(自転車レーン)
- crosswalk(横断歩道/米)・zebra crossing(英)
- intersection(交差点)/shared path(歩行者と自転車の共用路)
- blind corner(見通しの悪い角)
行為と規則
- right of way(優先通行権)/yield / give way(譲る)
- jaywalk(信号や横断歩道を無視して道を渡る)
- swerve(急にハンドルを切ってよける)
- cut in front of ~(~の前に割り込む)/run a red light(信号無視をする)
- ride against traffic(逆走する)/distracted riding(ながら運転)/texting while riding(スマホを見ながらの運転)
事故に関する語
- accident(事故)/collision(衝突)
- hit-and-run(当て逃げ・ひき逃げ)
- injury(けが)/minor injuries(軽傷)
- liability(責任)/insurance(保険)
これらを組み合わせると、会話をぐっと具体的にできます。
- He was riding on the sidewalk at full speed without a helmet.(彼はヘルメットもなしに全速力で歩道を走っていた。)
- Cyclists should yield to pedestrians on a shared path.(共用路では自転車が歩行者に譲るべきだ。)
- A lot of people ride against traffic around here, and it’s really dangerous.(この辺りは逆走する人が多くて、本当に危ない。)
- Bike accidents have been on the rise in recent years.(自転車事故は近年増えている。)
- He came around a blind corner without slowing down.(彼は見通しの悪い角を減速せずに曲がってきた。)
最後の文について補足すると、会話例の Recently bike accidents are increasing. は口語として通じますが、recently は現在完了や過去形と相性がよい語です。Bike accidents have been increasing recently. / Bike accidents are on the rise. のほうが文法的に落ち着きます。現在進行形で「増加傾向」を言いたいときは these days を使うのも手です。
語彙が増えると、その分だけ間違え方も増えます。次に、この話題で特につまずきやすい落とし穴を確認しておきましょう。
誤用しやすいポイント|意味が反対になる危険な間違い
- 能動と受け身の取り違えで、被害者と加害者が入れ替わってしまう
- I was dangerous. は「私は危険人物だった」。I was in danger. と言い分ける
- hit の活用は hit – hit – hit。hitted という形は存在しない
この話題でいちばん怖いのは、意味が反対になる間違いです。文法的には正しくても、伝わる内容が真逆になってしまうケースがあります。順に確認していきましょう。
I almost hit a bike. は「自分が自転車にぶつかりそうになった(=ぶつける側)」、I was almost hit by a bike. は「ぶつけられそうになった(=被害を受ける側)」で、立場が反対になります。歩行者として語るなら受け身の I almost got hit by a bike. を選びましょう。相手に事情を説明する場面でこれを取り違えると、話が噛み合わなくなります。
hit の活用も要注意です。hit は hit – hit – hit と形が変わりません。過去形を hitted としてしまう誤りが起きやすいので、原形と同じと覚えておきます。
「危なかった」を I was dangerous. と言うと「私は(他人にとって)危険な人物だった」という意味になってしまいます。自分が危険にさらされていたと言いたいなら I was in danger.、状況そのものを評価するなら That was dangerous. です。dangerous は「危害を加える側」に付く形容詞だと押さえておきましょう。
発音の落とし穴も一つ。形容詞の close(近い)は「クロース」、動詞の close(閉じる)は「クローズ」です。That was close. を「クローズ」と読むと通じにくくなります。
語の選び分けでは、accident と incident の違いも押さえておきたいところです。accident は不可抗力的な「事故」、incident は「出来事・事件」全般。自転車と歩行者の接触は通常 accident で表します。
間投詞も混同しやすい組み合わせです。Oops! は「わっ、あちゃ」(驚きや軽い失敗)、Ouch! は「痛っ」(痛み)。ぶつかりそうになっただけなら Oops!、実際にぶつかって痛かったら Ouch! と使い分けます。
そして close call の冠詞。文中では a を忘れず、It was a close call. とすること。これらの落とし穴を避けられれば、伝わり方が一段安定します。
では、実際の場面ごとにそのまま使える短文を、まとめて手元に置いておきましょう。
場面別の応用フレーズ集|歩行者・自転車・気遣い・話題づくり
- 歩行者側・自転車側・相手を気遣う側の三つの立場で短文を用意しておくと、どの状況にも対応できる
- 比喩表現(My heart skipped a beat. など)を一つ混ぜると描写が生き生きする
- 質問形の文をいくつか覚えておくと、話が相手側に渡って会話が続く
ここからは、そのまま口に出せる短文をシーン別に並べます。声に出して練習すると定着が早くなります。
自分が歩行者だったとき
- A bike came out of nowhere.(自転車がどこからともなく現れた。)
- It brushed past me.(すれすれをかすめていった。)
- My heart skipped a beat.(心臓が止まりそうだった。)
- He didn’t even slow down.(彼は減速すらしなかった。)
- I jumped back just in time.(ぎりぎりで後ろに飛びのいた。)
- It missed me by inches.(数センチの差でかすめていった。)
自分が自転車に乗っていたとき
- I slammed on the brakes.(急ブレーキをかけた。)
- A kid darted out in front of me.(子どもが目の前に飛び出してきた。)
- I swerved to avoid her.(彼女をよけるためにハンドルを切った。)
- I rang my bell but he had his earphones in.(ベルを鳴らしたけれど、彼はイヤホンをしていた。)
- I almost lost my balance.(バランスを崩しそうになった。)
相手を気遣うとき
- Are you okay? Did I hit you?(大丈夫ですか。ぶつかりましたか。)
- Take your time, there’s no rush.(ゆっくりで大丈夫ですよ、急がなくていいです。)
- Do you need me to call someone?(誰か呼びましょうか。)
- Let’s move over here, it’s safer.(こちらへ寄りましょう、そのほうが安全です。)
話題を広げるとき
- Do people wear helmets where you’re from?(あなたの国ではヘルメットをかぶりますか。)
- Are there good bike lanes in your city?(あなたの街には自転車レーンがちゃんとありますか。)
- I think riders should be required to have insurance.(自転車に乗る人にも保険を義務づけるべきだと思う。)
- How do cyclists and pedestrians share the road there?(そちらでは自転車と歩行者はどう道を分け合っているのですか。)
最後の質問群は、話を相手に渡すためのものです。この種の問いを一つ持っているだけで、ヒヤッとした体験談が異文化の話題へと広がります。次に、その背景となる感覚の違いを見ておきましょう。
文化的な背景|自転車をめぐる感覚は国で大きく違う
- 自転車道が分離された都市では、歩行者が自転車道に入ることがマナー違反とされる
- アメリカの多くの都市では自転車は「車両」で、歩道走行が禁止されている地域もある
- bike は文脈でオートバイを指すこともあるため、必要なら pedal bike などで区別する
自転車をめぐる常識は、国や都市によってかなり違います。この違いを知っていると、話が噛み合わない場面を減らせます。
オランダやデンマークのように自転車道が完全に分離され、自転車が交通の主役になっている都市では、歩行者が自転車道に立ち入ることのほうがマナー違反とみなされます。日本の感覚のまま歩いていると、思わぬ注意を受けることがあります。
アメリカの多くの都市では、自転車は車道を走る「車両」と位置づけられ、歩道走行が明確に禁止されている地域も少なくありません。イギリスでは歩道を pavement、アメリカでは sidewalk と呼び方も変わります。
bike という単語にも注意が必要です。文脈次第で bicycle(自転車)とも motorbike / motorcycle(オートバイ)とも取られ得るため、誤解を避けたいときは pedal bike や push bike(英)といった言い方が使われることがあります。
こうした背景を知っていると、海外の友人に日本の状況を説明するときに話が通じやすくなります。In Japan, cyclists often ride on the sidewalk, so pedestrians and bikes share the same space.(日本では自転車が歩道を走ることが多いので、歩行者と自転車が同じ空間を共有しています。)のように言えば、相手も自国の状況と比べて話を返してくれるでしょう。
では最後に、ここまでの内容を「使える英語」に変える練習の進め方を見ていきます。
会話をふくらませる4ステップ練習と一週間の復習プラン
- 「出来事を語る→感情を伝える→相手の経験を引き出す→意見を述べる」の4ステップで会話が伸びる
- 一週間を「音読→型の入れ替え→語彙→仮定法→通し練習」に分けると無理なく回せる
- 覚えたフレーズは、実際にヒヤッとした日にその場でつぶやくと記憶に残りやすい
一つの出来事から会話を続けるには、4ステップの流れを意識するのが有効です。会話例はまさにこの順序でできています。
出来事を語る:A bike almost hit me on my way here.(ここに来る途中、自転車にぶつかりそうになった。)
感情を伝える:It really scared me.(本当にびっくりした。)/I’m still shaking.(まだ震えている。)
相手の経験を引き出す:Has that ever happened to you?(そういうこと、あなたにもある?)/Do you see that a lot around here?(この辺りでよく見かける?)
意見を述べる:I think we all need to be more careful — riders and walkers.(乗る人も歩く人も、みんながもっと気をつける必要があると思う。)
この4ステップを頭に入れておけば、たった一つのヒヤッとした体験からでも数分の会話が組み立てられます。
一週間で回す復習プラン
- 1日目:会話例を5回音読する。That was close. の close を「クロース」と発音できているか確認する。
- 2日目:almost + 動詞の過去形で、自分の生活に即した文を5つ作る(転びかけた、乗り遅れかけた、など)。
- 3日目:語彙帳から10語選び、それを使った文を作る。sidewalk、bike lane、swerve あたりから始めると作りやすい。
- 4日目:仮定法過去完了の型で3文作る。If I hadn’t 〜, I would have 〜 の形をそのまま流用する。
- 5日目:should have + 過去分詞で、自分への反省と相手への苦言を1文ずつ作る。
- 6日目:場面別フレーズ集から、自分が使いそうな10文を選んで暗唱する。
- 7日目:会話例を、台本を見ずに一人二役で通してみる。詰まった箇所だけ見返す。
大切なのは、完璧に覚えることより実際にヒヤッとした日につぶやくことです。感情と結びついた記憶は残りやすく、次に同じ場面が来たとき自然に口から出てきます。

とはいえ、発音や自然さは自分ひとりでは判断しにくい部分です。誰かに聞いてもらう機会を挟むと、「通じるつもりで通じていなかった」箇所に気づけます。
ここまでの内容で気になりやすい点を、最後に質問形式で整理しておきます。
よくある質問
- 迷いやすい使い分け、発音、代替表現を質問形式で確認できる
- 仮定法が難しいときは、簡単な言い換えで同じ内容を伝えられる
- 気になった項目だけ拾い読みしても意味が通るようにしてある
「自転車にぶつかりそうになった」は英語でどう言えばいいですか?
最も自然で使いやすいのは I almost got hit by a bike. です。歩行者として被害を受けかけた立場なので、受け身の got hit by を使います。A bike almost hit me. のように自転車を主語にしても同じ内容を伝えられます。その場で叫ぶなら That was close!、落ち着いてから振り返るなら It was a close call. を添えると、感情まで含めて伝わります。
That was close! と It was a close call. はどう使い分けますか?
That was close! は危険を避けた直後の反射的でカジュアルな叫び、It was a close call. は少し落ち着いてから状況全体を振り返って評価する表現です。自転車が通り過ぎた瞬間なら That was close!、帰宅後に家族へ話すなら I had a close call on my way home. がしっくりきます。その場では that、後からは a close call、という目安で選ぶと迷いません。
close の発音は「クロース」と「クローズ」のどちらですか?
「近い」という意味の形容詞なら「クロース」で、s を濁らせません。「閉じる」という動詞の close は「クローズ」と濁ります。That was close. は形容詞なので「ザッワズ クロース」です。closet(クローゼット)の clos- と同じ濁らない音、と覚えておくと間違えにくくなります。
bump into は「ぶつかる」と「偶然会う」のどちらの意味になりますか?
どちらの意味もあり、文脈で判断されます。I bumped into my old friend this morning. は「旧友にばったり会った」、He bumped into me and my coffee spilled. は「ぶつかってきた」です。物理的な衝突を強調したいときは into の後に体の部位や物を続ける、hard などの副詞を添える、といった工夫をすると誤解を防げます。
仮定法過去完了が難しいのですが、代わりの言い方はありますか?
あります。I almost got hit. と言えば「ぶつかられそうになった」という事実は十分に伝わります。加えて I was lucky I stopped.(立ち止まっていて運がよかった)や One more step and I would have been hit.(あと一歩でぶつかられていた)のような形も使えます。まずは almost の型で言い切り、余裕が出てきたら仮定法を足していく順番で問題ありません。
near miss と close call の違いは何ですか?
どちらも「事故になりかけたが回避された」状況を指しますが、使われる場面が違います。close call は日常会話で「危ないところだった」と感情を込めて語るときに使われ、near miss は事故分析や安全管理といった、記録や報告に近い文脈で好まれます。友人との立ち話なら close call、統計や報告書の話題なら near miss が自然です。
自転車に乗っている人へ英語で注意したいときは何と言えますか?
安全を伝えるだけなら Careful! や Please slow down. のように短く穏やかに言うのが無難です。もう少し内容を伝えるなら You should ride more carefully. や Please don’t ride so fast here. が使えます。Hey! だけを大声で言うと喧嘩腰に響きやすいので、please を添えるか単語だけにとどめると余計な衝突を避けられます。
ヒヤッとした瞬間を、英語を覚える瞬間に
- まずは That was close! / I almost got hit by a bike. / It was a close call. の三つから
- almost の型と仮定法を足すと、出来事の説明が一段深くなる
- 急ぐ気持ちを一呼吸置く言い回しは、英語にも同じ発想で存在する
自転車のマナーが取りざたされています。スピードを出して歩行者を蹴散らすように走り抜ける自転車も少なくありません。
以前、交通事故防止の標語で「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」というものがありました。急ぎたい気持ちは分かりますが、事故を起こしては元も子もありません。
英語にも同じ発想の言い回しがあります。Better late than never.(遅れても、まったく行けないよりはいい。)や Haste makes waste.(急ぐと無駄が出る。=急いては事を仕損じる。)です。
ヒヤッとした瞬間は、そのまま英語のフレーズを覚える機会にもなります。That was close. とつぶやきながら、ひと呼吸置いてみてください。今日覚えた三つの型が、次の「危なかった!」の瞬間に口から出てくるはずです。
お互いに気をつけましょう。では、また次回お会い致しましょう。See you then.

