「厚かましいお願いなんだけど……」。日本語なら口をついて出るこのひとことを、英語でどう言えばいいのか分からずに、依頼そのものを諦めてしまった経験はありませんか。
辞書を引くと impudent や shameless といった強い単語が並び、「これを使ったら失礼になるのでは」と手が止まってしまう。実はその直感は正しく、日本語の「厚かましい」を単語一語で英訳しようとすると、たいていうまくいきません。
この記事では、ネイティブが実際に使う前置きフレーズを丁寧さの段階つきで整理し、依頼本体の言い方、相手が断りやすくなるひとこと、お金や物を借りる場面の表現、そして断り方までを、会話例と豊富な例文で一気に確認できるようにまとめました。読み終えたときには、今日のメール一通、明日の会話ひとつを、気持ちよく切り出せる状態になっているはずです。
なお、独学で発音やニュアンスの微調整まで詰めたい場合は、英語教室のような対人練習の場を併用すると、身につく速度が変わってきます。まずは、実際のやりとりの流れから見ていきましょう。
- 「厚かましいお願い」を英語にするときの考え方
- 会話例:友人から厚かましいお願いをされる場面
- 会話に出てきた表現を一つずつ確認する
- 定番フレーズ①:I know this is a lot to ask, but …
- 定番フレーズ②:if it isn't asking too much
- 定番フレーズ③:I hate to ask, but …
- 定番フレーズ④:Is it too much to ask?
- 定番フレーズ⑤:a big favor を使う言い方
- 定番フレーズ⑥:cheeky / bold / presumptuous を使った言い方
- 使い方に注意したい単語:shameless、impudent、pushy
- フレーズが出てこないときの逃げ道
- 相手が断りやすいひとことを添える
- 依頼本体の丁寧さを段階で理解する
- I was wondering の役割:言い出しにくさを「間」で伝える
- お金を借りる場面で押さえたい表現
- 断るときの英語表現
- 「厚かましい」の感覚は文化によって少しずれる
- 前置きで失敗しやすい三つのパターン
- メールで使うときの組み立て
- 場面別・そのまま使える例文集
- 音とリズムを整える練習
- 7日間で身につける復習プラン
- 表現の整理
- よくある質問
- 最後に
「厚かましいお願い」を英語にするときの考え方
- 「厚かましい」を形容詞一語で置き換えようとすると、相手を非難する強い語になってしまう
- 英語では「自分が何を認識しているか」を文で説明するのが基本の発想
- 伝えたい中身は「恥知らずです」ではなく「大きな負担をかけると分かっています」
結論から言えば、「厚かましいお願いですが」は単語ではなく文で表すのが正解です。ここを押さえるだけで、フレーズの選び方が一気に楽になります。
理由は単純で、和英辞書に出てくる impudent(無礼な)、shameless(恥知らずな)、pushy(押しが強い)は、いずれも他人の態度を批判するときに使う評価語だからです。自分の依頼にかぶせると、意味が重すぎて聞き手が戸惑います。
そもそも「厚かましいお願いですが」と前置きする人は、実際にはとても控えめで、相手に気を遣っています。伝えたい中身は「私は恥知らずです」ではなく、「これはあなたに大きな負担をかけるお願いだと、自分でも分かっています」という認識の表明です。
だから英語では、I know this is a lot to ask(これが大きな頼みだと分かっています)のように、主語と動詞のある文で自分の認識を示します。「認識の表明」が前置きの正体だと理解できれば、あとは場面に応じて型を選ぶだけです。
では、その型は実際の会話でどのように現れるのでしょうか。まずは一つの短いやりとりを通して、依頼と拒否の流れを丸ごとつかんでみましょう。

会話例:友人から厚かましいお願いをされる場面
- 依頼は「切り出す→理由→返す約束→追加のお願い→断る」の型で進む
- if it isn’t asking too much が「厚かましいお願いだけど」に当たる前置き
- 短い会話でも、依頼と拒否の一連の流れがすべて詰まっている
まずは全体像です。以下は、友人役(Friend)が学習者役(You)にお金を借りたいと切り出す短いやりとりで、依頼から拒否までの型がひととおり含まれています。
- 会話
- Friend: I was wondering, uh…
You: What’s the matter?
Friend: Could you lend me some money?
You: But why?
Friend: I’d like to buy some present for my girlfriend. But I have little money now.
You: How much do you need?
Friend: Well, 10,000 yen or so. I’ll get my salary next Wednesday. So next week, I can repay the money borrowed from you.
You: All right. Is that all?
Friend: And if it isn’t asking too much, I’d like to borrow your car, too.
You: Sorry, I can’t grant your request. - 日本語訳
- 友人:あの~。
あなた:どうしたの?
友人:お金をいくらか貸してもらえない?
あなた:でも、何故?
友人:ガールフレンドに何かプレゼントを買いたいんだ。でも、今少ししか持っていない。
あなた:いくら必要?
友人:え~と、10,000円くらいかな。来週の水曜日に給料が入るんだ。だから、来週君から借りたお金を返せるよ。
あなた:わかった。それだけ?
友人:それから、厚かましいお願いなんだけど、車も借りたいんだ。
あなた:悪いけど、君の願いは聞けないね。 - 使う場面
- 親しい友人同士で、金銭や物の貸し借りを持ちかける/断るカジュアルな場面。
- 注意点
- 最後の I can’t grant your request. は「願いを聞き入れる」という硬い表現で、友人同士ではやや芝居がかって響きます。実際には Sorry, I can’t do that. のほうが自然です。
- 発音・ニュアンス
- I was wondering は「アイ ワズ ワンダリン」と語尾を下げずに宙づりにするのがコツ。言い切らないことで遠慮がにじみます。
このやりとりには、言い出しにくいことを切り出す合図、理由の説明、返済の約束、さらなる追加の依頼、そしてはっきりした拒否という五つの要素が並んでいます。短いながら、頼みごとの英語に必要な部品がほぼ揃っているわけです。
それでは、この会話に出てきた語句を一つずつ分解して、意味と使いどころを確認していきましょう。
会話に出てきた表現を一つずつ確認する
- lend(貸す)と borrow(借りる)は主語の視点で使い分ける
- some money や 〜 or so のようなぼかし表現が押しつけがましさを弱める
- if it isn’t asking too much が記事の中心となる前置き表現
会話の自然さは、実は小さな語のぼかし方で決まります。以下、順に見ていきます。
I was wondering… は「あの……」と、頼みごとの前に間を置く言い方です。直訳は「〜かなと思っていたのですが」で、言い切らずに宙ぶらりんにすることで遠慮の気持ちがにじみます。
What’s the matter? は「どうかしたの?」。相手の様子がおかしい、何か困っていそうだというときの決まり文句です。matter は「問題・困りごと」を指します。
lend は「貸す」で、貸す側の動作。some money は「いくらかのお金」で、金額をぼかすことで押しつけがましさを弱めています。いきなり Could you lend me 10,000 yen? と具体額を出すより、まず some money で切り出すほうが会話の運びとしてはやわらかくなります。
need は「必要である」。How much do you need? は「いくら必要?」と、金額を確認する自然な聞き方です。
〜 or so は「〜ほど」「〜くらい」。数量のあとに置いて概算を示します。10,000 yen or so で「1万円ほど」となります。
salary は「給料」で、月給を指すのが基本です。時給や日給ベースの賃金は wage と呼び分けられます。
repay は「返金する・返済する」。borrowed from 〜 は「〜から借りた」で、ここでは the money を後ろから修飾しています。the money borrowed from you で「あなたから借りたお金」となります。
そして if it isn’t asking too much が「厚かましいお願いかもしれないけれど」に当たる部分。直訳すれば「求めすぎでなければ」で、この記事の中心となる前置き表現です。borrow は「借りる」で、借りる側の動作を表します。
Is that all? は「それだけ?」。grant someone’s request は「〜の願いを聞き入れる」で、ややかたい響きがあります。
Could you borrow me some money? は誤りです。borrow は「借りる」なので、相手に対して使うと「あなたが借りてくれますか」という意味不明の文になります。相手に貸してもらうなら Could you lend me 〜? か Could I borrow 〜 from you? のどちらかを選びましょう。
部品が見えたところで、ここからは前置きの定番フレーズを一つずつ、使用場面と丁寧度つきで掘り下げていきます。
定番フレーズ①:I know this is a lot to ask, but …
- 「厚かましいお願いですが」の最も汎用的な訳がこの形
- 友人からビジネスまで、相手を選ばずに使える
- a lot to ask は「質問が多い」ではなく「要求が大きい」
迷ったらこれ、と言えるのが I know this is a lot to ask, but … です。汎用性が最も高い前置きで、まずこの一文を体に入れておけば大きく外しません。
直訳は「これは多くを求めることだと分かっていますが」。相手の時間や手間、心理的な負担が大きい依頼を切り出すときに、カジュアルからフォーマルまで幅広く機能します。this はこれから言うお願いを指し、a lot to ask は「相手に求めるものが大きい」という意味です。
- フレーズ
- I know this is a lot to ask, but could you check this report today?
- 日本語訳
- 厚かましいお願いですが、今日この報告書を確認していただけますか。
- 使う場面
- 職場で同僚や上司に、当日中の対応という負担の重い依頼をするとき。
- 注意点
- I know this is a lot of asking. のように of を入れるのは誤り。to ask の形で固定して覚えます。
- 発音・ニュアンス
- a lot to は「アロットゥ」とつながり、t が一つに聞こえます。lot にわずかに強勢を置くと「本当に申し訳ない」という気持ちが伝わります。
応用パターンも一緒に覚えておくと、場面に合わせて調整できます。
- I know it’s a lot to ask, but can I stay with you for a few days?(図々しいお願いだとは分かっているのですが、数日泊めてもらえませんか。)
- This may be a lot to ask, but could you help me move?(無理なお願いかもしれませんが、引っ越しを手伝ってもらえますか。)
- I know it’s a lot to ask, but could I borrow your car?(厚かましいお願いだけど、車を借りてもいいかな。)
- I realize this is a lot to ask on such short notice.(急なお願いで恐縮です。)
- I know this is a big ask, but would you consider it?(大きなお願いだと分かっていますが、ご検討いただけますか。)
最後の a big ask は ask を名詞として使う口語表現で、イギリス英語やオーストラリア英語でよく耳にします。
a lot to ask は「質問が多い」ではない
ask には「質問する」以外に「求める・頼む」という意味があります。a lot to ask を「たくさん質問すること」と誤解すると意味が通らなくなるので、三つの用法を並べて整理しておきましょう。
| 表現 | 中心となる意味 |
|---|---|
| ask a question | 質問をする |
| ask someone to do something | 人に何かを頼む |
| a lot to ask | 要求が大きい、負担の重い頼み |
なお、逆に「そんなに大した頼みじゃないでしょう」と言いたいときは It’s not too much to ask, is it? のように使えます。
続いて、会話例に登場したもう一つの定番を見ていきます。
定番フレーズ②:if it isn’t asking too much
- 「求めすぎでなければ」と条件節の形で遠慮を示す
- if it’s not too much to ask のほうが日常会話では頻度が高い
- trouble を使うと「手間をかけて申し訳ない」方向にニュアンスが寄る
この形の強みは、判断を相手に委ねる響きにあります。「求めすぎでなければ」と条件をつけることで、押しつけの気配が消えるからです。
条件節が先に来るため、聞き手は本題を聞く前に「これは断ってもいい依頼だ」と受け取れます。追加のお願いを重ねるときや、すでに一つ頼んだあとに二つ目を持ち出すときに特に相性がよい表現です。
- フレーズ
- If it isn’t asking too much, could you drop me off at the station?
- 日本語訳
- 厚かましいお願いですが、駅まで送ってもらえませんか。
- 使う場面
- 車で送ってもらうなど、相手の時間と労力を追加で使わせる依頼。
- 注意点
- drop me off は「車から降ろす」。drop me だけだと「落とす」と誤解されうるので off を忘れないようにします。
- 発音・ニュアンス
- isn’t asking は「イズントゥ アスキン」と軽く続けます。条件節はやや早口で、本題をゆっくり言うとバランスがよくなります。
- If it’s not too much to ask, I’d like your feedback by Friday.(無理なお願いでなければ、金曜までにご意見をいただきたいのですが。)
- If it isn’t too much trouble, could you send me the file again?(お手数でなければ、もう一度ファイルを送っていただけますか。)
- If it’s not too much trouble, would you mind saving me a seat?(ご面倒でなければ、席を取っておいていただけますか。)
- If you have a moment, could you take a quick look at this?(お手すきでしたら、ちょっと見ていただけますか。)
isn’t asking too much と not too much to ask はほぼ同義で、後者のほうが日常会話でよく耳にします。trouble を使った形は「手間をかけて申し訳ない」という方向にニュアンスが寄るため、相手が実務作業をしてくれる場面に向いています。
では、負担の大きさではなく「自分の気まずさ」を伝えたいときは、どう言えばよいのでしょうか。
定番フレーズ③:I hate to ask, but …
- hate to ask は「できれば頼みたくないのだけれど」という配慮の表明
- I’m sorry to ask / I’m sorry to bother you も同じ働きをする
- 負担の重さは a lot to ask、気まずさは hate to ask、割り込みは sorry to bother
I hate to ask, but … は、頼む側の心苦しさを前面に出す言い方です。hate は「嫌い」ですが、ここでは「できれば頼みたくないのだけれど」という配慮として機能します。
同じ依頼でも、a lot to ask が「あなたの負担が大きい」に視点を置くのに対し、hate to ask は「私が頼みにくく感じている」に視点を置きます。二度目、三度目のお願いをするときに特に効果的です。
- フレーズ
- I hate to ask again, but could you review this once more?
- 日本語訳
- またお願いするのは心苦しいのですが、もう一度見ていただけますか。
- 使う場面
- 同じ相手に繰り返し確認や修正を依頼するとき。again を足すと反復への配慮が伝わります。
- 注意点
- hate を強く発音しすぎると本当に嫌がっているように聞こえます。軽く流すのが自然です。
- 発音・ニュアンス
- hate to は t が重なり「ヘイトゥ」と一息で。but のあとに一拍置くと、丁寧な間が生まれます。
- I hate to ask, but could you lend me some money?(頼みにくいのですが、少しお金を貸してもらえますか。)
- I hate to ask, but can you cover my shift on Saturday?(お願いしづらいのですが、土曜のシフトを代わってもらえませんか。)
- I hate to impose, but could I stay one more night?(ご迷惑をおかけしたくないのですが、もう一泊させてもらえますか。)
似た働きをするのが I’m sorry to ask, but … や I’m sorry to bother you, but … です。
- I’m sorry to ask at the last minute, but can you join the meeting?(直前のお願いで申し訳ありませんが、会議に参加できますか。)
- I’m sorry to bother you, but do you have a minute?(お邪魔して申し訳ありませんが、少しお時間ありますか。)
- Sorry to trouble you, but could you point me to the right person?(お手数ですが、担当の方を教えていただけますか。)
負担の重さを認めたいなら a lot to ask、頼む自分の気まずさを伝えたいなら hate to ask、割り込んだことへの謝意なら sorry to bother。この三つを押さえておけば、たいていの場面に対応できます。
定番フレーズ④:Is it too much to ask?
- 依頼のあとに付ける「頼みすぎかな?」という確認表現
- カジュアルな響きで、親しい相手向き
- イントネーション次第で皮肉に聞こえるため相手を選ぶ
これは前置きではなく後置きの確認として使うタイプです。依頼を口にしたあとで、「頼みすぎかな?」と相手の反応をうかがいます。
- Could you pick me up at seven? Is that too much to ask?(7時に迎えに来てもらえる? 頼みすぎかな。)
- Is it too much to ask for a little quiet?(少し静かにしてもらうのは無理なお願いでしょうか。)
- I’d like the report by noon. Is that too much to ask?(正午までに報告書がほしいのですが、無理なお願いでしょうか。)
Is it too much to ask? は、語尾を強く下げるとあきれや苛立ちを含んだ皮肉に聞こえます。「静かにしてほしい」「約束を守ってほしい」といった文脈では、相手を責める響きになりがちです。関係を保ちたい相手や目上の人には使わず、I know this is a lot to ask, but … に置き換えるほうが安全です。
次は、「これは頼みごとです」と一目で分かる、もっと直接的な言い方を見てみましょう。
定番フレーズ⑤:a big favor を使う言い方
- favor は「親切な行為・頼みごと」を意味し、依頼だと即座に伝わる
- Can you do me a favor? はカジュアル、I have a favor to ask of you. は改まった形
- please feel free to say no を添えると押しつけ感が消える
favor を使うと、これから頼みごとが来ると相手に予告できます。心の準備をしてもらえるぶん、唐突さが和らぐわけです。
- フレーズ
- I know I’m asking a big favor, but could you take my night shift?
- 日本語訳
- 大きなお願いだと分かっているのですが、夜勤を代わってもらえませんか。
- 使う場面
- 職場の同僚に、勤務交代など生活に影響する依頼をするとき。
- 注意点
- favor は米つづり、favour は英つづり。書き言葉では相手の地域に合わせると丁寧です。
- 発音・ニュアンス
- favor は「フェイヴァ」で第一音節に強勢。big をやや伸ばすと「本当に大きな頼み」という感じが出ます。
- Can I ask you a huge favor?(ものすごく大きなお願いをしてもいいですか。)
- Could you do me a favor?(ひとつお願いしてもいいですか。)
- I need to ask you a favor, and please feel free to say no.(お願いがあるのですが、遠慮なく断ってください。)
- I have a favor to ask of you, if you don’t mind.(差し支えなければ、お願いしたいことがあります。)
- Would you be willing to do me a favor?(お願いを聞いていただくことは可能でしょうか。)
Can you do me a favor? はかなりカジュアルで、同僚や友人への声かけとして便利です。かたい場面では I have a favor to ask of you. という形になります。of you を省いて I have a favor to ask. とすることもできます。
定番フレーズ⑥:cheeky / bold / presumptuous を使った言い方
- cheeky は主に英国英語で「ちょっと生意気・図々しい」という軽い響き
- bold of me は「大胆にも」と自分の踏み込みを認める言い方
- presumptuous はかなりかたく、フォーマルな文面や目上への依頼向き
「厚かましさ」という語感により近づけたいなら、自分の行為を形容する言い方が使えます。ポイントは、相手ではなく自分を主語にすることです。
- フレーズ
- I understand it’s quite presumptuous of me to ask, but could you look over my draft?
- 日本語訳
- 大変厚かましいお願いだと理解しておりますが、原稿に目を通していただけませんか。
- 使う場面
- 面識の浅い専門家や立場が上の人に、時間のかかる依頼を書面で行うとき。
- 注意点
- 友人相手に使うと大げさで、かえって距離を感じさせます。カジュアルな場面では cheeky や a lot to ask に置き換えます。
- 発音・ニュアンス
- presumptuous は「プリザンプチュアス」で、zump の部分に強勢。長い語なのでゆっくり丁寧に発音します。
- I know it’s a bit cheeky to ask, but could you possibly help me with this?(少々厚かましいお願いかもしれませんが、もしよろしければ手伝っていただけますか。)
- I know it’s a bit bold of me to ask, but could you help me with this project?(少々厚かましいお願いですが、このプロジェクトを手伝っていただけませんか。)
- I wonder if I’m being rude by asking this.(こんなことを聞くのは失礼でしょうか。)
cheeky は主にイギリス英語で、「ちょっと生意気・図々しい」という軽い響きがあり、親しい相手との会話に合います。bold of me は「大胆にも」と自分の踏み込みを認める言い方。presumptuous はかなりかたく、「相手の領域に立ち入るかもしれない」という含みが強いため、フォーマルな文面や立場が上の人への依頼に向いています。
「厚かましいかな」と自問するだけなら、I wonder if I’m being rude. という言い方もできます。rude は「失礼な」だけでなく、日本語の「ずうずうしい」に近い場面でも自然に使われます。
ここまでが使える語。次は、使うと逆効果になる語を確認しておきましょう。
使い方に注意したい単語:shameless、impudent、pushy
- shameless は「恥知らずな」という強い批判語で、自分の依頼には不向き
- impudent は「無礼きわまる」という響きで日常会話ではまず使わない
- pushy は第三者の態度を評する語として使うのが自然
これらの語は、自分の依頼の前置きには向きません。理由は、いずれも「非難」の語だからです。
shameless は「恥知らずな」という強い批判語です。This is a shameless request. と言うと、自分を必要以上に貶めた大げさな表現になり、聞き手は「そこまで言うほどのこと?」と戸惑ってしまいます。
impudent も「無礼きわまる」という響きで、文語的かつ強く、日常会話ではまず使いません。pushy は「押しが強くて迷惑」という評価語で、他人を評するときの語です。
- He’s so pushy about his opinions.(彼は自分の意見を押しつけてくる。)
- The salesperson was a little too pushy.(その販売員は少し押しが強すぎた。)
I’m shameless, but could you help me? のような文は、丁寧に聞こえるどころか不自然で、相手を困惑させます。自分の依頼をやわらげたいのか、誰かの態度を批判したいのか、目的をはっきりさせて語を選んでください。控えめさは、相手の負担を認める文と、断る自由を残す文で表すのが英語の作法です。
フレーズが出てこないときの逃げ道
- 「厚かましい」を訳そうとせず、伝えたい要素を分けて言えば十分通じる
- 謝意→依頼→具体化→逃げ道、の四文で組み立てる
- 中学レベルの語彙だけでも配慮は伝わる
会話の途中で完璧なフレーズを思い出せないことは誰にでもあります。そんなときは、短い文を四つ並べるだけで十分に通じます。
まず、申し訳ない気持ちを伝えます。I’m sorry.(ごめんなさい/申し訳ありません。)
次に、お願いを口に出します。Can you help me?(助けてもらえますか。)
そのうえで、何をしてほしいのかを具体化します。Can you check this today?(今日これを確認してもらえますか。)
最後に、断ってもいいと伝えます。It’s okay if you can’t.(無理なら大丈夫です。)
これだけで、「大きな頼みだと分かっている」「申し訳なく思っている」「断ってもかまわない」という三つの中身が伝わります。次のような基本語の組み合わせでも十分です。
- I’m sorry. I need your help.(申し訳ありません。助けが必要です。)
- This is a big favor. Can you do it?(大きなお願いです。お願いできますか。)
- I know you are busy. Can you help me?(お忙しいのは分かっています。手伝っていただけますか。)
- I have a problem. Can I ask you something?(困っていることがあります。お聞きしてもいいですか。)
難しい表現を暗記するより、この四段構えを口が覚えているほうが実戦では役に立ちます。そして、四つ目の「逃げ道」こそが、英語の依頼で最も大切な部分です。
相手が断りやすいひとことを添える
- 英語では依頼のあとに「断ってもいい」と伝えるのが自然
- 逃げ道があるかないかで押しつけがましさが大きく変わる
- 前置き・依頼・逃げ道の三点セットが基本形
日本語では「もしご無理でなければ」と最初に置きますが、英語では依頼のあとに逃げ道を用意するのが自然です。
- It’s completely okay if you can’t.(できなくてもまったく問題ありません。)
- Please don’t feel pressured.(プレッシャーに感じないでください。)
- I understand if it’s not possible.(難しい場合は理解します。)
- No worries at all if you’re busy.(お忙しいようでしたらお気になさらず。)
- Just let me know either way.(どちらでもお知らせいただければ大丈夫です。)
- Please feel free to say no.(遠慮なく断ってください。)
- No pressure at all.(まったく気にしないでくださいね。)
- フレーズ
- I know this is a lot to ask, but could you help me finish this today? It’s completely okay if you can’t.
- 日本語訳
- 厚かましいお願いですが、今日これを終わらせるのを手伝っていただけますか。難しければまったく問題ありません。
- 使う場面
- 締切の迫った作業を同僚に手伝ってもらいたいとき。前置き・依頼・逃げ道が一文ずつ並ぶ理想形です。
- 注意点
- 逃げ道を三つも四つも重ねると、かえって「断ってほしくなさそう」に響きます。ひとつで十分です。
- 発音・ニュアンス
- 最後の It’s completely okay if you can’t. は明るいトーンで軽く言うのがコツ。沈んだ声で言うと圧力になります。
前置き、依頼、逃げ道の三点セットが、厚かましい頼みごとを気持ちよく伝えるための基本形です。では、その真ん中にある「依頼本体」は、どの程度の丁寧さで言えばよいのでしょうか。

依頼本体の丁寧さを段階で理解する
- Can you → Could you → Would you mind → I was wondering if の順に丁寧度が上がる
- Would you mind の答えが No なら「かまいません」の意味
- possibly / by any chance を挟むとさらに角が取れる
前置きが整っても、依頼の言い方がぶしつけでは台無しになります。丁寧さの階段をイメージしておきましょう。
Can you 〜?(もっともカジュアル)
家族や親しい友人に。Can you pass me the salt?(塩を取ってくれる?)のように、日常の小さな頼みごとに使います。
Could you 〜?(標準形)
日常会話からビジネスまで使える万能形。Could you send me the file?(ファイルを送っていただけますか。)迷ったらこれを選べば失礼にはなりません。
Would you mind 〜ing?(配慮を示す)
「〜していただくのはご迷惑でしょうか」。Would you mind opening the window?(窓を開けていただけませんか。)
Would you mind 〜? に Yes. と答えると「はい、迷惑です」という拒否になります。引き受けるつもりなら No, not at all. や Of course not. と答えます。日本語の感覚のまま Yes と言ってしまう誤用が非常に多いので、Not at all. をひとまとまりで覚えてしまうのが安全です。
I was wondering if you could 〜(かなり丁寧)
頼みにくいことにもよく合う形です。I was wondering if you could give me some advice.(アドバイスをいただけないかと思っていたのですが。)
Would it be possible for you to 〜?(依頼メールの定番)
やわらかいうえに事務的すぎません。Would it be possible for you to move our meeting to Friday?(打ち合わせを金曜に変更していただくことは可能でしょうか。)
I would really appreciate it if you could 〜(改まった依頼)
感謝を先に示す形です。I would really appreciate it if you could review my application.(応募書類をご確認いただけますと大変ありがたく存じます。)
さらに possibly、by any chance、at all といった語を挟むと、いっそう角が取れます。
- Could you possibly lend me your notes?(もしできれば、ノートを貸していただけませんか。)
- Do you have time this afternoon, by any chance?(もしかして、今日の午後お時間ありますか。)
- Would you be able to help at all?(少しでも手伝っていただけそうでしょうか。)
I was wondering の役割:言い出しにくさを「間」で伝える
- 過去形は時間の過去ではなく、発言との距離を取るための装置
- I wonder if より I was wondering if のほうが丁寧度が高い
- I was wondering if I should 〜 は依頼ではなく「迷い」の表現
会話例の冒頭で友人が言った I was wondering, uh… は、内容をまだ何も言っていません。それでも「何か言いにくいことがある」というサインとして間そのものが意味を持つのです。
英語の依頼で過去形(wondered / was wondering)が使われるのは、時間的な過去を表すためではなく、発言との距離を取って押しつけを弱めるためです。距離を置けば置くほど丁寧になるという感覚は、日本語の「〜していただけたら」と似ています。
丁寧さは、おおまかに I wonder if you could 〜 より I was wondering if you could 〜 のほうが強くなります。会話で人に頼むなら、後者を選んでおけばまず失敗しません。
- I was wondering if you could take a look at this.(これを見ていただけないかと思っていたのですが。)
- I was wondering if I could ask you something personal.(少し立ち入ったことをお聞きしてもいいかと思ったのですが。)
- I was wondering if you’d be interested in joining us.(ご参加にご関心がないかと思いまして。)
- I was wondering if you might have a few minutes tomorrow.(明日少しお時間をいただけないかと思っていました。)
なお、I was wondering if I should 〜 は依頼ではなく「〜すべきか迷っている」という意味になります。主語が I か you かで役割が変わる点に注意してください。
お金を借りる場面で押さえたい表現
- lend は「貸す」、borrow は「借りる」で主語の視点が逆
- little money と a little money は意味が逆方向になる
- 金額・返済時期・使い道の三点を明確にすると信頼されやすい
お金の話は、動詞の取り違えが起きやすい領域です。ここを整理しておきましょう。
lend と borrow
主語が誰かで決まります。Could you lend me some money? と Could I borrow some money from you? は、視点が逆でどちらも正しい形です。lend は「与える側」、borrow は「受け取る側」と覚えておけば混乱しません。
repay と pay back
repay はやや硬く、pay back のほうが会話的です。I’ll pay you back next Wednesday.(来週の水曜に返します。)が最も自然な言い方になります。
little money と a little money
I have little money now. は「ほとんど持っていない」という否定寄りの意味。a を付けて a little money にすると「少しはある」という肯定寄りになります。会話では I don’t have much money right now. のほうが口語的で誤解されにくいでしょう。
金額をぼかす言い方
10,000 yen or so で「1万円ほど」。about 10,000 yen、around 10,000 yen、10,000 yen, give or take も同義です。give or take は「多少の増減はあるが」という口語で、末尾に置きます。
- フレーズ
- Could you spot me 10,000 yen until payday? I get paid next Wednesday, so I can pay you back then.
- 日本語訳
- 給料日まで1万円立て替えてくれない? 来週の水曜に給料が入るから、そのときに返せる。
- 使う場面
- 親しい友人に、少額かつ短期の立て替えを頼むカジュアルな場面。
- 注意点
- spot someone は「一時的に立て替える」という口語で、職場の上司や取引先には使いません。金額が大きい場合も避けたほうが無難です。
- 発音・ニュアンス
- pay back は back を軽く。返済時期を言うときは Wednesday をはっきり発音すると、約束としての重みが伝わります。
お金の依頼は、金額・返済時期・使い道の三点を明確にすると信頼されやすくなります。逆に言えば、この三点があいまいなまま頼むと、どれだけ丁寧な前置きを付けても相手は身構えてしまいます。
そして依頼を学ぶなら、断り方も同時に身につけておく必要があります。
断るときの英語表現
- grant your request は硬く、日常会話では平易な断り方が使われる
- 理由はひとつだけ添えると角が立たない
- Let me think about it. は「前向きな検討」と受け取られることがある
会話例の最後で You は Sorry, I can’t grant your request. と答えました。grant someone’s request は「願いを聞き入れる」という意味ですが、公的な申請や許可を思わせるかたい言い方で、友人同士のやりとりでは少し芝居がかって響きます。
実際には、もっと平易な断り方が使われます。
- Sorry, I can’t do that.(ごめん、それは無理。)
- Sorry, but I’d rather not lend out my car.(悪いけど、車は貸したくないんだ。)
- I’d like to help, but I can’t this time.(手伝いたいけど、今回は無理。)
- Money I can do, but the car is a no.(お金はいいけど、車はだめだ。)
- I have a rule about not lending my car. Sorry.(車は貸さないことにしているんだ、ごめん。)
- Let me think about it.(少し考えさせて。)
- I wish I could, but it’s not possible right now.(できたらいいのだけど、今は難しい。)
はっきり断るときは、理由をひとつだけ添えると角が立ちません。長々と言い訳を並べるより、I have a rule about 〜 のように「方針」として示すのが穏当です。方針であれば相手を否定していることにならず、次回以降の予防線にもなります。
曖昧にしたいときの Let me think about it. は便利ですが、英語圏では「前向きに検討している」と受け取られることがあります。断る意図であれば、後日あらためて I thought about it, but I can’t. のように明確に伝えるほうが誠実です。返事をせずに放置すると、相手は待ち続けてしまいます。
「厚かましい」の感覚は文化によって少しずれる
- 依頼と拒否はセットで想定されており、断られても関係は壊れない前提がある
- 金銭の貸し借りには慎重で、断ることが冷たい行為とはみなされない
- 車や住まいなど高価な物の貸与は、金銭より重く受け止められることがある
英語圏でも、頼みごとの重さを測る感覚は日本と大きく変わりません。ただし、いくつか傾向の違いがあります。
ひとつは、依頼と拒否がセットで想定されているという点です。No と言いやすい余地を作ることが礼儀であり、断られても関係が壊れないという前提が共有されています。だからこそ It’s okay if you can’t. のひとことが定型として定着しています。
もうひとつは、金銭の貸し借りに対する慎重さです。友人間でも、金額が大きくなるほど「貸す」のではなく「あげる」と割り切るか、はっきり断るという発想が一般的です。Never a lender nor a borrower be(貸し手にも借り手にもなるな)という言い回しが古くから知られているほどで、断ることが冷たい行為とはみなされません。
そして、車や住まいのような高価なものを貸す依頼は、金銭より重く受け止められることがあります。保険や事故責任の問題が絡むため、断る理由も明確に伝えやすい領域です。会話例で、お金は貸したが車は断ったという判断は、英語圏の感覚からしても筋の通ったものと言えます。
前置きで失敗しやすい三つのパターン
- 前置きを重ねすぎると相手を身構えさせる
- 前置きだけで本題を言わないと意図が伝わらない
- 強い語で自分を貶めても丁寧にはならない
よかれと思ってやったことが逆効果になる、という失敗には型があります。前置きはひとつで十分だと覚えておきましょう。
前置きが長すぎる
遠慮を重ねて I’m so sorry to bother you, and I know you’re very busy, and I hate to ask, but… と続けると、聞き手は「どれだけ大変な依頼なのか」と身構えてしまいます。前置きは一文に絞り、そのぶん依頼を具体的にするほうが親切です。
前置きだけで本題を言わない
I was wondering… のあとに沈黙が続くと、相手は何を求められているのか分かりません。前置きは間を作る装置なので、そのあとに具体的な依頼を必ず置きます。何をしてほしいのか、いつまでか、この二点を言い切ることが大切です。
強い語で自分を貶める
I’m shameless, but… のような言い方は、丁寧というより不自然です。控えめさは、相手の負担を認める文と、断る自由を残す文で表しましょう。自己卑下は英語の丁寧表現では機能しません。
メールで使うときの組み立て
- 負担への理解→具体的な依頼と期限→断られた場合の代替案の順に書く
- 期限を示すのは冷たい行為ではなく、相手が判断しやすくなる配慮
- 書き言葉では構造をはっきりさせることが読みやすさにつながる
書き言葉では、会話よりも構造をはっきりさせるのが読みやすさにつながります。三段構成が基本です。
- フレーズ
- I know this is a lot to ask on short notice, but would it be possible for you to review the attached draft by Thursday? If your schedule doesn’t allow it, please just let me know and I’ll find another way.
- 日本語訳
- 急なお願いで恐縮ですが、木曜日までに添付の草稿をご確認いただくことは可能でしょうか。ご都合が合わないようでしたらお知らせください、別の方法を考えます。
- 使う場面
- 社外の相手や上司に、期限付きの確認作業を依頼するメール。
- 注意点
- 期限をぼかして as soon as possible とだけ書くと、かえって相手に判断を丸投げすることになります。具体的な曜日や日付を示しましょう。
- 発音・ニュアンス
- on short notice は「急な連絡で」という決まり文句。口頭で使う場合は notice を軽く添えるだけで十分伝わります。
負担への理解、具体的な依頼と期限、断られた場合の代替案という順序です。期限を示すのは冷たい印象を与える行為ではなく、相手が判断しやすくなる配慮として受け取られます。
場面別・そのまま使える例文集
- 職場・友人・オンライン・旅行先の四場面で型をそのまま流用できる
- どの場面でも「前置き+依頼+逃げ道」の骨格は変わらない
- 相手との距離に応じて依頼本体の丁寧度だけを調整する
ここまでの型を、実際の場面に当てはめてみます。骨格は同じで、調整するのは丁寧度だけだと分かるはずです。
職場での依頼
- I know this is a lot to ask, but could you possibly cover the client call at three? No worries at all if you’re tied up.(厚かましいお願いですが、3時の顧客との通話を代わっていただけませんか。ご都合が悪ければお気になさらず。)
- I hate to ask on a Friday, but would it be possible to get your comments before you leave?(金曜にお願いするのは心苦しいのですが、退社前にコメントをいただくことは可能でしょうか。)
- I’m asking a big favor here, but could you introduce me to someone in the design team?(大きなお願いなのですが、デザインチームの方をご紹介いただけませんか。)
- I understand it’s presumptuous of me to ask, but would you consider writing me a reference?(厚かましいお願いだと承知しておりますが、推薦状をご検討いただけないでしょうか。)
友人への依頼
- I know it’s a lot to ask, but could you watch my dog this weekend? It’s totally fine if you can’t.(厚かましいお願いなんだけど、今週末うちの犬を預かってもらえない? 無理なら全然大丈夫。)
- If it isn’t asking too much, could you give me a ride to the airport?(図々しいお願いだけど、空港まで乗せていってもらえる?)
- I hate to ask, but can I crash at your place for one night?(頼みにくいんだけど、一晩泊めてもらえないかな。)
- Can I ask you a huge favor? Please feel free to say no.(すごく大きなお願いをしてもいい? 遠慮なく断ってね。)
オンラインでのやりとり
- Sorry to bother you here, but I was wondering if you could share the slides from your talk.(こちらでお声がけして恐縮ですが、ご講演のスライドを共有いただけないでしょうか。)
- I know this is out of the blue, but would you be open to a short chat?(突然のご連絡で恐縮ですが、少しお話しする機会をいただけませんか。)
- No pressure at all if you’re busy — just thought I’d ask.(お忙しければまったく問題ありません、聞いてみただけです。)
旅行先・店頭で
- I’m sorry to bother you, but could you possibly take a photo of us?(お邪魔して申し訳ありませんが、写真を撮っていただけますか。)
- If it’s not too much trouble, could you hold my bag for a second?(お手数でなければ、少しだけ荷物を持っていただけますか。)
- I know it’s a lot to ask, but is there any chance you could switch seats with me?(厚かましいお願いですが、席を替わっていただくことは可能でしょうか。)
店員と客のやりとり例
- 会話
- Customer: I know this is a lot to ask, but would it be possible to change my reservation to seven?
Staff: Let me check. …We do have a table at seven fifteen. Would that work?
Customer: That’s perfect. Thank you so much for accommodating me.
Staff: My pleasure. See you then. - 日本語訳
- 客:厚かましいお願いですが、予約を7時に変更することは可能でしょうか。
店員:確認いたします。……7時15分でしたらお席がございます。それでよろしいでしょうか。
客:それで大丈夫です。ご対応ありがとうございます。
店員:とんでもございません。お待ちしております。 - 使う場面
- レストランやホテルで、直前の予約変更を依頼するとき。
- 注意点
- accommodate は「便宜を図る」。Thank you for accommodating me. は融通を利かせてもらったときの定番の礼です。
- 発音・ニュアンス
- Would that work? は語尾を上げて軽く。work は「都合が合う」の意味で、日常会話で頻繁に使われます。
音とリズムを整える練習
- 前置きは早め、依頼本体はゆっくり言うとバランスがよい
- 語尾を上げるか下げるかで印象が大きく変わる
- 音のつながり(リエゾン)を意識すると自然に聞こえる
同じ文でも、言い方ひとつで印象は変わります。ポイントは前置きは軽く、本題はゆっくりです。
I know this is a lot to ask を早口で流し、but のあとに一拍置いてから依頼を丁寧に言う。この緩急があるだけで、「形式的に謝っているだけ」という印象を避けられます。
音のつながりも意識してみましょう。a lot to ask は「アロットゥアスク」、Could you は「クッジュ」、Would you mind は「ウッジュマインド」のように、隣り合う音が溶けます。ひとかたまりとして口に入れると、聞き取りも同時に楽になります。
語尾の上げ下げも重要です。Is that too much to ask? は上げれば軽い確認、強く下げれば皮肉。It’s okay if you can’t. は明るく上げ気味に終えると、本当に気にしていないことが伝わります。
次の三文を、それぞれ三回ずつ声に出してみてください。一回目はゆっくり正確に、二回目は自然な速度で、三回目は相手の顔を思い浮かべながら。これだけで口が形を覚えます。
- I know this is a lot to ask, but could you help me with this?
- I was wondering if you could take a look at it.
- It’s completely okay if you can’t.
7日間で身につける復習プラン
- 一日に覚えるのは一つの型だけに絞る
- 書く・声に出す・実際に使う、の三段階で定着させる
- 断られた経験も含めて記録すると応用が利くようになる
まとめて覚えようとすると、いざというとき何も出てきません。一日ひとつの型に絞るほうが確実です。
- 1日目:I know this is a lot to ask, but … を使って、自分の状況に合う文を三つ書く。
- 2日目:if it isn’t asking too much と if it’s not too much trouble を書き分ける。
- 3日目:I hate to ask / I’m sorry to bother you を、それぞれの場面設定つきで作文する。
- 4日目:依頼本体の六段階(Can you 〜 から I would really appreciate it if 〜 まで)を、同じ内容で書き換える。
- 5日目:逃げ道フレーズを五つ暗唱し、前日までの文の末尾に付け足す。
- 6日目:断り方を三つ声に出す。理由をひとつだけ添える練習をする。
- 7日目:実際に一度、英語で頼みごとをしてみる(メールでも可)。結果を短く記録する。
独り言や日記に落とし込むと、フレーズが受け身の知識から使える表現に変わります。
- I asked my coworker for a big favor today.(今日は同僚に大きなお願いをした。)
- I felt bad because my request took a lot of her time.(自分のお願いで彼女の時間を取ってしまい、申し訳なかった。)
- I told him it was okay to say no.(断ってもいいと彼に伝えた。)
- My friend asked me to lend him money, and I said no.(友人にお金を貸してと頼まれたが、断った。)
自分が実際に頼んだこと、断ったことを英語で書き留めるだけで、前置きと依頼と逃げ道の三点セットが自然と身についていきます。

書いて声に出したフレーズは、実際に相手がいる場で使ってはじめて自分のものになります。反応を受け取りながら微調整できる環境があると、上達の手応えを感じやすくなるでしょう。
表現の整理
- 日本語のニュアンスから逆引きできる一覧で確認する
- 迷ったときは I know this is a lot to ask, but … を選べばよい
- 逃げ道のひとことを必ずセットで思い出す
最後に、日本語からの逆引きで全体を見渡しておきましょう。
| 日本語のニュアンス | 英語表現 |
|---|---|
| 厚かましいお願いですが | I know this is a lot to ask, but … |
| 求めすぎでなければ | If it isn’t asking too much, … / If it’s not too much to ask, … |
| お手数でなければ | If it isn’t too much trouble, … |
| 頼みにくいのですが | I hate to ask, but … |
| お願いして申し訳ないのですが | I’m sorry to ask, but … / I’m sorry to bother you, but … |
| 頼みすぎかな? | Is it too much to ask? |
| 大きなお願いだけど | I know I’m asking a big favor, but … |
| 少々図々しいのですが(英) | I know it’s a bit cheeky to ask, but … |
| 大胆なお願いですが | I know it’s a bit bold of me to ask, but … |
| 大変厚かましいのですが(かたい) | I understand it’s quite presumptuous of me to ask, but … |
| 無理なら大丈夫です | It’s okay if you can’t. |
| 遠慮なく断ってください | Please feel free to say no. |
よくある質問
- 使い分けに迷いやすい点を質問形式で確認する
- ビジネス・カジュアルそれぞれの安全な選択肢を示す
- 断られたあとの対応まで押さえておく
最後に、学習者がつまずきやすい疑問をまとめました。
「厚かましいお願いですが」を一言で言える英単語はありますか?
単語一語で置き換えられる自然な表現はありません。英語では I know this is a lot to ask, but … のように文で「相手に大きな負担をかけると理解している」と示すのが基本です。impudent や shameless は他人を非難する強い語なので、自分の依頼の前置きには使いません。
ビジネスメールで最も無難な前置きはどれですか?
I know this is a lot to ask, but … と Would it be possible for you to 〜? の組み合わせが使いやすく、相手を選びません。より改まった相手には I understand it’s quite presumptuous of me to ask, but … や I would really appreciate it if you could 〜 が合います。いずれの場合も、依頼の内容と期限を具体的に書き添えることが大切です。
Would you mind 〜? に「はい、いいですよ」と答えたいときはどう言いますか?
No, not at all. または Of course not. と答えます。mind は「気にする・嫌がる」という意味なので、Yes と答えると「はい、迷惑です」という拒否になってしまいます。承諾したいときは No で始める、と覚えておくと安全です。
cheeky と presumptuous はどう使い分ければよいですか?
cheeky は主にイギリス英語で「ちょっと生意気・図々しい」という軽い響きがあり、親しい相手との会話に向いています。presumptuous はかなりかたい語で、相手の領域に立ち入るかもしれないという含みが強く、フォーマルな文面や立場が上の人への依頼に適しています。友人相手に presumptuous を使うと大げさに聞こえます。
前置きはいくつ重ねてもよいのでしょうか?
ひとつで十分です。I’m so sorry to bother you, and I know you’re very busy, and I hate to ask, but… のように重ねると、聞き手はどれほど重い依頼なのかと身構えてしまいます。前置きを短くしたぶん、依頼の内容を具体的に伝えるほうが親切です。
お金を貸してほしいと頼むとき、何を伝えれば信頼されますか?
金額、返済時期、使い道の三点を明確にすることです。I get paid next Wednesday, so I can pay you back then. のように返す時期を具体的に示すと、相手は判断しやすくなります。なお lend は貸す側、borrow は借りる側の動作なので、Could you borrow me some money? は誤りです。
断りたいとき、Let me think about it. と言っても大丈夫ですか?
その場を和らげる働きはありますが、英語圏では「前向きに検討している」と受け取られることがあります。断る意図であれば、後日 I thought about it, but I can’t. のように明確に伝えるほうが誠実です。理由をひとつだけ添えると角が立ちません。
難しいフレーズが思い出せないときはどうすればよいですか?
短い文を四つ並べれば通じます。I’m sorry. / Can you help me? / Can you check this today? / It’s okay if you can’t. の四文で、申し訳なさ、依頼、具体的な内容、断る自由のすべてが伝わります。難しい語を探すより、この骨格を口が覚えているほうが実戦では役に立ちます。
最後に
- 相手の負担を言葉にして認めることが前置きの本質
- 断る自由を残しておけば、依頼も拒否も関係を保てる
- 貸せないものは早めに伝えるほうがお互いのためになる
会話例のような場面に自分が立たされたら、どう答えるでしょうか。お金や大切な物の貸し借りは、額の大小に関わらず、後々の関係にひびを入れる火種になりやすいものです。
友人だからこそ、貸せないものは貸せないと早めに伝えるほうが、お互いのためになることも少なくありません。断ることは、関係を軽んじる行為ではないのです。
英語で厚かましいお願いをするときも、断るときも、鍵になるのは同じところにあります。相手の負担を言葉にして認め、断る自由を残しておくこと。この二つを押さえておけば、頼みごとも拒否も、関係を保ったまま伝えられます。
まずは今日、I know this is a lot to ask, but … と It’s okay if you can’t. の二文だけ、声に出してみてください。そこから、あなたの英語での頼み方が変わり始めます。

