辞書で「have a quarrel=口論する」と確認したのに、いざ英語で言おうとすると手が止まる。argue でもいいのか、have a fight のほうが自然なのか、with と about はどちらを使うのか——そこで迷って調べ直した経験はありませんか。
この言葉がやっかいなのは、意味自体は単純なのに「使いどころ」が独特だからです。日本語の「けんかした」に対応する英語表現は四つも五つもあり、それぞれ温度が違います。選び方を知らないまま口にすると、伝えたい空気とずれた言葉になってしまいます。
この記事を読み終えると、have a quarrel の意味と文の組み立て方だけでなく、argue・fight・dispute との住み分け、have no quarrel with という落とし穴、そして口げんかから仲直りまでの場面別フレーズが手元に揃います。読解でも会話でも迷わない状態を目指して、ひとつずつ積み上げていきましょう。独学で発音や自然さに不安が残る方は、あとで英語教室のような場で口に出して確かめる方法もあります。
まずは、いちばん知りたいところから片づけます。
have a quarrel の意味を最短で押さえる
- have a quarrel は「口論をする」「言い合いをする」を表す定型表現
- 核にあるのは「理屈」ではなく「たまった不満のぶつかり合い」
- 冠詞 a を落とせない。have quarrel という形は使わない
- 話し言葉としては少し文語的で、読解・作文で出会う頻度のほうが高い
have a quarrel の意味は「口論をする」「言い合いをする」「言い争いをする」です。名詞 quarrel が「口論・言い争い・仲たがい」を指し、それを have で「する」と表現する組み合わせになっています。
なぜこの形が使われるのかというと、英語には「動作を表す名詞+have」で行為全体をひとまとめに言う型があるからです。have dinner、have a meeting、have a talk、have a fight と同じ発想で、have a quarrel も「口論というひとかたまりの出来事を持つ」という感覚になります。
そしてもうひとつ大事なのが温度です。quarrel には感情がぶつかり合う響きがあります。資料を広げて筋道を立てて論じ合う場面ではなく、日頃の不満が言葉になってあふれる場面に合う語だと考えてください。
- フレーズ
- They had a quarrel last night.
- 日本語訳
- 昨夜、二人は口げんかをした。
- 使う場面
- 身近な二人の間に起きた言い争いを、第三者の視点から短く報告するとき。物語文や日記でも使いやすい形です。
- 注意点・誤用例
- ×They had quarrel last night.(冠詞 a が必要)/×They had a quarrel each other.(相手を示すには with が必要で、had a quarrel with each other となります)
- 発音・ニュアンス
- had a は「ハダ」とつなげて軽く、quarrel の頭を強く「クウォロゥ」。淡々と事実を述べる響きで、深刻さの度合いは形容詞で調整します。
意味の輪郭が見えたところで、そもそも quarrel がどんな顔をした単語なのか、発音・品詞・語源から分解していきます。ここを押さえると、後半の使い分けが一気に理解しやすくなります。
quarrel という語の正体を分解する
- 発音は /ˈkwɒrəl/(英)・/ˈkwɔːrəl/(米)でアクセントは第1音節
- 名詞と動詞を兼ねる語。動詞の綴りは米英で l の数が変わる
- 語源はラテン語 querella(不満・苦情)で、根っこは「嘆き・不平」
- argument は名詞専用、動詞は argue。quarrel は一語で両方こなせる

発音とアクセントの置き方
quarrel の発音は /ˈkwɒrəl/(イギリス)・/ˈkwɔːrəl/(アメリカ)です。カタカナに寄せるなら「クウォラル」で、強く読むのは第1音節。後半の -rel は「レル」とはっきり言わず、曖昧母音で軽く流します。
つまずきやすいのは qu の部分です。「クァ」と平たく読むのではなく、唇をしっかり丸めて「クウォ」に近づけます。quarter(クウォーター)や quality の出だしを思い出すと、口の形が作りやすくなります。
日本語話者がやりがちな「クアレル」という平板な読み方だと、強弱が消えてしまい聞き取ってもらいにくくなります。頭を強く、後ろを弱く。この一点だけでも通じやすさが変わります。
- 発音練習
- quarter → quality → quarrel → quarrelsome
- 練習の狙い
- すでに口が覚えている単語から入り、同じ「クウォ」の口の形を quarrel に持ち込みます。最後の quarrelsome まで通すと、派生語も同じ勢いで言えるようになります。
- 注意点
- coral(サンゴ)や choral(合唱の)と混ざらないよう、頭の k と w をセットで出すことを意識します。
名詞と動詞、両方で働く
quarrel は名詞と動詞を兼ねます。名詞なら a quarrel で「口論、言い争い、仲たがい」、動詞なら quarrel で「口論する、言い争う」です。
動詞の活用には綴りの揺れがあります。アメリカ英語では quarreled / quarreling、イギリス英語では quarrelled / quarrelling と l の数が変わります。文章を書くときは、想定する読者に合わせてどちらかに統一しておくと読みやすくなります。
この「一語で名詞も動詞もこなせる」点は quarrel の強みです。似た意味の argument は名詞専用で、動詞にするには argue に姿を変える必要があります。「口論する」を一語で言い切りたい場面で quarrel が便利なのは、この兼用性のおかげです。
語源をたどると温度がわかる
quarrel はラテン語の querella(不満・苦情)にさかのぼり、さらに元をたどると queri(嘆く、不平を言う)に行き着きます。語の根っこにあるのは論理ではなく不満だということです。
同じ語源を持つ querulous(不満げな、愚痴っぽい)を並べて覚えると、quarrel の感情的な色合いが記憶に残りやすくなります。「嘆き・不平」から生まれた語だから、理詰めの議論ではなく感情の衝突を指す——この一本の線でつながっていると理解しておきましょう。
語の性格がつかめたところで、次は文の組み立て方に進みます。誰と、何について口論したのかを言えるようになると、実際に使える表現に変わります。
have a quarrel の文を組み立てる
- 相手は with、話題は about、取り合い・奪い合いの色があるときは over
- with と about は併用でき、語順は「人 → 事柄」が自然
- have a quarrel with は動詞 quarrel with に言い換え可能
- 名詞形の利点は形容詞を差し込めること(a big / silly / bitter quarrel)
- 行為を表す have なので進行形にできる(are having a quarrel)
前置詞で情報を足す
have a quarrel だけでも文は成立しますが、実際の会話では「誰と」「何について」を足したくなります。そこで働くのが前置詞です。
- have a quarrel with +人:~と口論する
- have a quarrel about +事柄:~について口論する
- have a quarrel over +事柄:~をめぐって口論する
about と over はどちらも口論の対象を示しますが、over には「取り合い」「奪い合い」のにじみがあります。お金、遺産、順番、権利など、双方が譲れない対象には over が自然に響きます。
- フレーズ
- I had a quarrel with my sister about who would use the bathroom first.
- 日本語訳
- お風呂に先に入るのは誰かで姉と言い合いになった。
- 使う場面
- 家庭内の小さな衝突を語るとき。with で相手、about で話題を順に足す型の見本になります。
- 注意点・誤用例
- ×I had a quarrel about my sister.(これは「姉のことについて誰かと口論した」になり、相手が姉であることが伝わりません)
- 発音・ニュアンス
- with my は「ウィズマイ」と軽くつなげ、about who の who に少し高さを置くと、争点がはっきり伝わります。
- フレーズ
- They had a bitter quarrel over their father’s estate.
- 日本語訳
- 彼らは父の遺産をめぐって激しく争った。
- 使う場面
- 財産や権利の取り合いなど、譲れない対象をめぐる深刻な対立を述べるとき。over の典型的な使い方です。
- 注意点・誤用例
- bitter を落とすと「激しさ」が消えて淡々とした報告になります。深刻さを出したいときは形容詞をきちんと添えます。
- 発音・ニュアンス
- bitter の t は軽くはたく音になりやすく「ビラー」寄りに聞こえます。文語的で重い響きなので、日常のささいなけんかには使いません。
with と about は同時に使えます。語順は「人 → 事柄」が自然です。
- フレーズ
- She had a quarrel with her boss about the new schedule.
- 日本語訳
- 彼女は新しい予定について上司と口論した。
- 使う場面
- 職場で起きた衝突を第三者に伝えるとき。ただし社内報告のような硬い文書では、後述の dispute や disagreement のほうがなじみます。
- 注意点・誤用例
- ×had a quarrel about the new schedule with her boss. も文法的には通りますが、間延びして聞こえます。人を先に置くほうが自然です。
動詞 quarrel に置き換える
have a quarrel with は、動詞 quarrel with にそのまま言い換えられます。意味はほぼ同じで、動詞のほうが引き締まった印象になります。
- He quarrels with every person he knows.(彼は知り合い全員と口論する。)
- The couple quarreled, but soon made up.(その夫婦はけんかしたが、すぐに仲直りした。)
- My sister and I often quarrel over small things.(妹とはよくつまらないことで言い合いになる。)
では名詞形にはどんな利点があるのでしょうか。答えは形容詞です。a big quarrel、a silly quarrel、a bitter quarrel、a violent quarrel、a family quarrel のように、けんかの規模や性質を一語で足せます。
- We had a silly quarrel about which movie to watch.(どの映画を観るかでばかげた言い合いをした。)
- It was just a family quarrel.(ただの家族げんかでした。)
進行形で「今まさにけんか中」
are having a quarrel のように進行形にすると、「今その最中だ」という実況になります。have は「所有」の意味では進行形にしませんが、have a quarrel のように行為を表す have は進行形が可能です。have a meeting、have dinner、have a fight も同じ仲間です。
- フレーズ
- Don’t go in now. They’re having a quarrel.
- 日本語訳
- 今は入らないほうがいい。二人が言い合いしているところだ。
- 使う場面
- 部屋に入ろうとする人を小声で止めるとき。進行形が「進入禁止の理由」として機能します。
- 注意点・誤用例
- ×They are having a car.(所有の have は進行形にできません)。行為か所有かで判断が変わります。
- 発音・ニュアンス
- They’re は「ゼア」と短く。声量を落として言うと、実際の場面らしい緊張感が出ます。
覚えておきたいコロケーション
quarrel は動詞との組み合わせが決まっているものが多く、セットで覚えると読解が速くなります。
- pick a quarrel with ~:~にけんかを売る、難癖をつける
- start a quarrel:口論を始める
- settle a quarrel:口論に決着をつける
- patch up a quarrel/make up after a quarrel:仲直りする
- a lovers’ quarrel:恋人同士のけんか
- a long-standing quarrel:長年の反目
- フレーズ
- He’s always trying to pick a quarrel with someone.
- 日本語訳
- 彼はいつも誰かにけんかを売ろうとしている。
- 使う場面
- 誰かの攻撃的な振る舞いを説明するとき。pick は「選ぶ」ではなく「けんかを仕掛ける」側の動作を表します。
- 注意点・誤用例
- ×pick a quarrel to someone.(前置詞は with)/人物評価に直結する強い言い方なので、本人の前で使うのは避けます。
- 発音・ニュアンス
- pick a は「ピッカ」と一息で。always に強勢を置くと、あきれた気持ちがにじみます。
- フレーズ
- They finally patched up their quarrel after three years.
- 日本語訳
- 3年たってようやく二人は仲直りした。
- 使う場面
- 長く続いた仲たがいが解消したことを述べるとき。patch up は「継ぎを当てて修繕する」イメージで、関係の修復に使えます。
- 注意点・誤用例
- 日常会話で「仲直りした」と言うだけなら They made up. のほうが軽くて使いやすいです。patch up は少し書き言葉寄りです。
ここまでは順調に積み上がりました。ただ、この単語には初中級者がほぼ確実に引っかかる罠がひとつあります。次で先に片づけてしまいましょう。
have no quarrel with は「けんか」の話ではない
- have no quarrel with ~は「~に異存はない」「文句はない」という賛意の表明
- 「けんかしていない」という事実報告ではない
- 動詞の quarrel with +事柄も「~に異議を唱える」の意味になる
- 否定文で出てきたら、まず「異論なし」の意味を疑うのが安全
have no quarrel with ~は「~に異存はない」「~に文句はない」という意味で、けんかの有無ではなく賛否を述べる表現です。ここを取り違えると、文の趣旨が反対に読めてしまいます。
なぜそうなるのかというと、quarrel の語源にある「不満」の感覚が効いているからです。「その件について不満を持っていない」=「異論はない」という流れで意味が決まります。
- フレーズ
- I have no quarrel with his conclusion, only with the way he reached it.
- 日本語訳
- 彼の結論に異存はない。ただ、その導き方には引っかかる。
- 使う場面
- 議論や書評で「結論は認めるが過程に疑問がある」と述べるとき。譲歩と反論を一文で並べられます。
- 注意点・誤用例
- ×「彼の結論とはけんかしていない」と読むのは誤りです。have no quarrel with は賛否の話です。
- 発音・ニュアンス
- no を強めに読み、only with の前で軽く息を置くと対比が立ちます。落ち着いた、ややフォーマルな響きです。
もうひとつ、対立する意図がないことを丁寧に伝える使い方もあります。
- We have no quarrel with the local people.(地元の人々と対立するつもりはありません。)
- I have no quarrel with the plan itself.(計画そのものに異存はありません。)
同じ発想で、動詞の quarrel with +事柄が「~に異議を唱える」の意味になることもあります。
- You can’t quarrel with the numbers.(その数字には文句のつけようがない。)
- Few would quarrel with that view.(その見方に異を唱える人はほとんどいないだろう。)
have no quarrel with を「けんかしていない」と直訳すると、文全体の意味が反転してしまいます。ニュース記事や意見文でこの形を見かけたら、まず「異存はない・文句はない」という賛意の表明として読んでください。逆に「二人は口論していない」と言いたいときは They didn’t have a quarrel. や They didn’t argue. のように、動詞側を否定します。
派生語 quarrelsome も一緒に
形容詞 quarrelsome は「けんか好きな」「怒りっぽい」。人の性格を表す語なので、後半で扱う selfish や easygoing と組にして覚えると使い道が広がります。
- He gets quarrelsome when he drinks.(彼は酒が入るとけんか腰になる。)
- a quarrelsome neighbor(もめ事を起こしがちな隣人)
罠を回避できたら、いよいよ本題の使い分けです。「けんかした」を英語で言うとき、なぜ迷いが生じるのか。その正体を整理します。
quarrel / argue / fight / dispute の温度差を整理する
- 感情が動く側は argue・quarrel・dispute、冷静な側は debate・discuss
- dispute / debate / discuss は他動詞なので about を付けない
- argument は根拠のある論じ合い、quarrel は感情の投げ合い
- 身内の日常的なぶつかり合いをゆるく指すなら have a fight

二つのグループに分ける
「言い争う」にあたる英語は数が多く、日本語では同じ「けんか」「議論」に訳されてしまいます。そこで、感情が動くかどうかで大きく二つに分けると整理が速く進みます。
感情が動くグループは次の三つです。
- argue:自分の意見を強く主張してぶつかる。口論する。
- quarrel:argue よりさらに感情的。不満を投げ合う口げんか。
- dispute:意見を激しくぶつけ、強く反論する。争議・紛争にも使う。
冷静なグループは次の二つです。
- debate:ルールに沿って賛否の立場に分かれて討論する。
- discuss:問題解決のために話し合う。感情の色はほぼない。
同じ話題を並べると、差がはっきり見えてきます。
- We argued about the social problem.(社会問題について激しく主張し合った)
- We quarreled about the social problem.(社会問題について言い合いになった)
- We disputed the social problem.(社会問題について激しく反論し合った)
- We debated the issue.(その問題を討論した)
- We discussed the issue.(その問題について話し合った)
dispute / debate / discuss は他動詞なので about は不要です。×We discussed about the issue. は日本語話者に非常に多い誤りで、試験でも減点対象になります。「discuss は about を食べない」と覚えてしまいましょう。一方 argue と quarrel は自動詞用法が中心で、about や with を伴います。
have a fight / have an argument / have a quarrel
「けんかする」を名詞句で表すときの三択も押さえておきたいところです。ここが分かれば、日常会話での選択に迷わなくなります。
have a fight は、家族や友人など身近な人同士の「意見の食い違い」「口論」を指して日常的に使われます。
- フレーズ
- My mom and dad had a fight yesterday.
- 日本語訳
- 昨日、母と父がけんかした。
- 使う場面
- 家庭内の口論を友人に話すとき。深刻さの度合いを問わず、幅広く使える日常表現です。
- 注意点・誤用例
- ×My mom and dad fought yesterday. と動詞にすると、殴り合いを想像させる可能性があります。口論なら have a fight の形が安全です。
- 発音・ニュアンス
- had a fight は「ハダファイト」と一息で。深刻さを出したいなら a big fight、軽さを出したいなら a little fight と形容詞で調整します。
have a quarrel は「言い争いをする」「口げんかをする」。相手と意見が食い違い、「とにかく言い負かしたい」という感情の衝動から起きる言い争いを表します。名詞を動詞 quarrel に替えてもほぼ同義です。
have an argument も「言い争いをする」ですが、quarrel と違って何らかの根拠や理屈を持って相手と論じ合う場面で選ばれます。名詞 argument を動詞 argue に置き換えても意味はほとんど変わりません。
- フレーズ
- We had an argument about the budget, and in the end she convinced me.
- 日本語訳
- 予算について議論になり、最後は彼女に説得された。
- 使う場面
- 数字や根拠を挟んだ真剣なやり取りを振り返るとき。結果として結論が出たことまで含めて語れます。
- 注意点・誤用例
- この文を had a quarrel に置き換えると、「感情的に言い合った」印象が強まり、説得されたという結末とかみ合いにくくなります。
整理すると、机の上に資料を広げて言い合うのが argument、感情が先に立って言葉を投げ合うのが quarrel、身内の日常的なぶつかり合い全般をゆるく指すのが fight という住み分けになります。この三つを押さえておけば、伝えたい空気に合った語を選べます。
小さなけんか・長引く対立を表す語
もっと細かいニュアンスを出したいときには、次の語も選択肢に入ります。読解では頻繁に出会うので、意味の距離感だけでもつかんでおきましょう。
- bicker:些細なことでぐちぐち言い合う。継続的で子どもっぽい響き。
- squabble:つまらないことでの小競り合い。bicker に近い。
- spat:ちょっとした口論(名詞)。深刻さは低い。
- tiff:軽いけんか。恋人や親しい間柄に多い。
- row(/raʊ/):イギリス英語で「激しい口論」。話し言葉でよく使う。
- altercation:硬い語で「口論」。報道や事故報告書などで見かける。
- feud:長期にわたる反目・確執。
- disagreement:単なる意見の不一致。最も中立で穏やか。
- フレーズ
- The kids bicker all day about the remote control.
- 日本語訳
- 子どもたちは一日中リモコンのことで言い合っている。
- 使う場面
- 深刻ではないが延々と続く言い合いを描くとき。あきれた気持ちが自然に伝わります。
- 注意点・誤用例
- 大人の深刻な対立に bicker を使うと「子どもっぽい」と評価する響きになり、失礼に受け取られることがあります。
- They had a row in the kitchen last night.(昨夜、二人はキッチンで大げんかした。)
- It was just a lovers’ tiff.(ちょっとした恋人げんかだよ。)
- The two families have been locked in a feud for generations.(その二家は何世代も対立を続けている。)
- Police were called after an altercation outside the bar.(店の外での口論を受けて警察が呼ばれた。)
quarrel の使用感 ― 使う前に知っておきたいこと
辞書には「口論する」と並んでいますが、現代の日常会話で quarrel を口にする英語話者は多くありません。文語的でやや古風な響きがあり、小説や新聞、翻訳文、格言などで目にする頻度のほうが高い語です。
英語話者に「口論する」を言わせると、まず argue、have an argument、have a fight が出てきます。イギリス英語なら have a row も定番です。
とはいえ quarrel を覚える価値は十分にあります。読解では確実に出てきますし、have no quarrel with のような慣用句は今も生きています。加えて「感情的でやや芝居がかったけんか」という色合いを一語で出せるのは quarrel ならでは。少し文学的な言い回しとしてあえて選ぶ、という使い方が現実的です。
迷わないための目安をひとつ持っておきましょう。話すときは argue / have an argument / have a fight、読むときと書くときは quarrel も選択肢、堅い文書では dispute や altercation。この三段構えで判断すれば、大きく外すことはありません。
語の地図が描けたら、次は実際のやり取りの中で動く姿を見てみましょう。口げんかの会話をまるごと追いかけます。
口げんかの会話をまるごと読む
- 不満の打ち明け → はぐらかし → 非難 → 打ち切り、という典型的な流れ
- 論点整理ではなく不満のぶつかり合いなので quarrel が似合う場面
- wish+would、whenever、however、It’s no use ~ing が一度に学べる
- 最後の一言で場を収める言い方も同時に手に入る
教材として作られた会話を、役割名で追ってみます。二人はパートナー同士で、少しトゲのある空気になっているところです。
- 会話(Two partners are having a quarrel.)
- パートナーA:I wish you would be nicer to me.
パートナーB:Don’t you think I’m nice?
パートナーA:Absolutely not.
パートナーB:Don’t say it like that.
パートナーA:Whenever I say “Yes,” you say “No.”
パートナーB:I’m not sure about that.
パートナーA:You always dodge my question like that.
パートナーB:However hard I try, I never satisfy you.
パートナーA:Do you think I’m selfish?
パートナーB:I don’t think so. I think you are very easygoing.
パートナーA:It’s no use complaining. Set aside a quarrel. - 日本語訳
- A:私にもっと優しくして欲しいわ。
B:僕が優しくないと思う?
A:全くその通りだわ。
B:そんな風に言わないでくれ。
A:私が「イエス」と言うと、あなたはいつも「ノー」と言うわ。
B:どうだったかなぁ。
A:あなたはいつもそんな風に私の質問をはぐらかすわ。
B:どんなに僕ががんばっても君を満足させることはできない。
A:あなたは、私がわがままだって言うの?
B:そうは思わないよ。君はとてもおおらかだ。
A:文句を言っても仕方がないわね。口げんかはやめましょ。 - 使う場面
- 親しい間柄で不満が噴き出したとき。論点を整理して主張するのではなく、日頃のもやもやを言葉にしている点が quarrel らしさです。
- 注意点
- Whenever…、You always… のような言い方は相手の人格を責める響きになりやすく、実際の関係では火に油を注ぐことがあります。表現として覚えつつ、使う場面は選んでください。
この会話には、初中級で押さえたい文法と定型句が惜しみなく詰まっています。ここからは一行ずつ分解していきます。
会話に登場した表現を一行ずつ掘り下げる
- wish+人+would+動詞原形は「ふるまいを変えてほしい」という不満のサイン
- Yes / No は質問の形ではなく事実に対して答える
- I’m not sure about that. は柔らかい反論だが、繰り返すとはぐらかしに見える
- however + 形容詞・副詞は no matter how に言い換え可能
- It’s no use +動詞ing は丸ごと覚える定型
I wish you would be nicer to me.
wish の後ろは仮定法です。wish + 人 + would + 動詞原形で「(相手が)~してくれたらいいのに」。現実がそうなっていないことへのいらだちが含まれます。
would が入ると「意志やふるまいを変えてほしい」という要求が前面に出ます。だからこの形は、相手への不満の合図として受け取られます。
- I wish you would listen to me.(ちゃんと聞いてくれたらいいのに。)
- I wish he would stop interrupting.(彼が話をさえぎるのをやめてくれたらいいのに。)
一方、状態について言いたいときは would を使わず過去形にします。
- I wish you were here.(君がここにいてくれたらいいのに。)
- I wish I had more time.(もっと時間があればいいのに。)
会話では nicer と比較級になっている点も見逃せません。「今も優しくないわけではないが、もっと」という含みがあり、いきなり全否定するより柔らかい入り方です。それに対して否定疑問で返したことで、話が正面衝突へ進んでいきます。
Absolutely not. の受け取り方
否定疑問 Don’t you think I’m nice? に対する Absolutely not. は「まったく思わない」という強い否定です。日本語訳が「全くその通りだわ」となるのは、「あなたが優しくない、という点はそのとおり」という日本語の自然な運びに寄せた訳し方によります。
英語の構造上は「優しいとは全然思わない」なので、ここを取り違えると意味が反転します。英語の Yes / No は質問の形ではなく事実に対して答えるという原則を思い出してください。
「優しいと思う」なら Yes / Of course、「思わない」なら No / Absolutely not。日本語の「はい、そう思いません」という相づちの感覚に引っぱられないよう気をつけたいところです。
強い否定のバリエーションも並べて覚えておくと便利です。Absolutely not. / Not at all. / Not in the least. / No way. の順にくだけていきます。
Absolutely not. は相手の考えをきっぱり退ける強い返答です。親しい間柄の言い合いなら成立しますが、職場や初対面の相手に向けると角が立ちます。同じ内容を穏やかに伝えたいときは I don’t really think so. や I see it a bit differently. のように、断定の度合いを下げた言い方を選んでください。
Don’t say it like that.
like that は「そんな風に」。内容そのものより言い方への抗議です。似た表現に Don’t put it like that.(そういう言い方をするな)、It’s not what you said, it’s how you said it.(問題は内容じゃなく言い方だ)があり、けんかの場面で頻出します。
Whenever I say “Yes,” you say “No.”
whenever は「~するときはいつも」。every time で言い換えられます。always とセットで使われると、相手の行動パターンへの非難になります。
- Whenever I ask for help, you’re busy.(手伝ってと頼むと、あなたはいつも忙しい。)
- Every time I bring it up, you change the subject.(その話をするたび、あなたは話をそらす。)
けんかの英語で always / never / every time が飛び交うのは英語圏でも同じです。You always… や You never… は関係を悪化させる言い方の代表として、対話の技術を扱う本でもよく指摘されます。
I’m not sure about that.
直訳は「それについては確信がない」。実際には「どうかなぁ」と柔らかく反論するときの常套句です。はっきり No と言わずに距離を取れるため、仕事の場面でも重宝します。
- I’m not sure about that. Could we look at the data again?(それはどうでしょうか。データをもう一度見てみませんか。)
ただし会話の中では、この返し方が「はぐらかし」と受け取られていました。便利な表現ですが、相手が明確な答えを求めている場面で繰り返すと不誠実に映る、という点まで含めて理解しておくと使い方を誤りません。
You always dodge my question.
dodge は「巧妙にかわす」。ボールをよける動きが原義で、質問を避ける意味でも日常的に使われます。
近い表現も一緒に持っておきましょう。evade the question(もっと硬い)、avoid the question、beat around the bush(遠回しに言って核心を避ける)、change the subject(話をそらす)。
- Stop beating around the bush and give me a straight answer.(遠回しに言うのはやめて、はっきり答えて。)
However hard I try, …
however + 形容詞・副詞は「どんなに~でも」。no matter how に言い換えられます。文頭に置き、コンマで区切って主節につなげる形が基本です。
- However hard I try, I never satisfy you.=No matter how hard I try, I never satisfy you.
- However expensive it is, I want it.(どんなに高くても欲しい。)
「しかし」の however と同じ形なので、後ろに形容詞・副詞が続いているかどうかで見分けます。読解でつまずいたら、この一点を確認してください。
It’s no use complaining.
It’s no use + 動詞ing で「~しても無駄だ」「~しても仕方がない」。定型なので丸ごと覚えるのが早道です。
- フレーズ
- It’s no use crying over spilt milk.
- 日本語訳
- こぼれたミルクを嘆いても仕方がない。(=後悔先に立たず)
- 使う場面
- 済んでしまったことを悔やんでいる相手を慰めるとき。ことわざとして広く知られています。
- 注意点・誤用例
- ×It’s no use to cry …(to不定詞ではなく動名詞)。use の後ろは必ず ~ing になります。
- 発音・ニュアンス
- no use は「ノーユース」とつなげ、use は /juːs/ と s の音。落ち着いた諦観の響きです。
- It’s no use arguing with him.(彼と言い争っても無駄だ。)
- There’s no point in worrying about it now.(今それを心配しても意味がない。)
同義表現に There’s no point (in) ~ing、It’s pointless to ~ があります。書き換えの練習にちょうどよい組み合わせです。
Set aside a quarrel.
set aside は「脇に置く」「取っておく」「やめる」。会話では「けんかはここまでにしましょう」という意味で使われています。少し文学的な響きがあるため、日常で自然に使える言い方も一緒に持っておくと便利です。
- Let’s drop it.(この話はやめよう。)
- Let’s not fight about this.(このことでけんかするのはやめよう。)
- Can we just agree to disagree?(意見が違うということで手を打とう。)
- Let’s call it a truce.(休戦にしよう。)
表現の分解が済んだところで、次は場面ごとに使える言い回しをまとめて手元に置きましょう。火がつく瞬間から仲直りまで、順に並べます。
けんかと仲直りの表現を場面別に持つ
- 「火がつく」「一歩引く」「仲直り」の三段階で覚えると引き出しやすい
- 相手を責める型と、自分の感情を語る型を区別しておく
- make up は「仲直りする」。make up after a quarrel の形も辞書に載る組み合わせ
火がつく場面
言い合いが始まる瞬間には、決まった言い回しがあります。映画やドラマでもよく耳にする型です。
- What’s that supposed to mean?(それ、どういう意味?)
- You’re missing the point.(論点がずれてる。)
- That’s not fair.(それはずるい。)
- Don’t take it out on me.(私に八つ当たりしないで。)
- You’re blowing this out of proportion.(大げさに騒ぎすぎだよ。)
What’s that supposed to mean? は詰問の響きが強く、相手を身構えさせる表現です。単に意味を確かめたいだけなら What do you mean by that? や Could you explain that a little more? を使ってください。同じ日本語訳でも、聞こえ方はまったく違います。
一歩引く場面
ぶつかったまま終わらせないための言い方も覚えておくと、会話の幅が広がります。
- Let’s take a breath.(少し落ち着こう。)
- I didn’t mean it that way.(そういうつもりじゃなかった。)
- Maybe we’re both a little tired.(お互い少し疲れてるのかもね。)
- I hear you.(言いたいことはわかった。)
- Let’s come back to this later.(この話はあとでまた話そう。)
仲直りの場面
quarrel を学ぶなら、収束させる表現までセットにしておきたいところです。
- I’m sorry I snapped at you.(きつい言い方をしてごめん。)
- Let’s make up.(仲直りしよう。)
- Are we good?(もう大丈夫?)
- We’re good.(大丈夫だよ。)
- No hard feelings.(悪く思わないで。)
- フレーズ
- I’m sorry I snapped at you. Are we good?
- 日本語訳
- きつい言い方をしてごめん。もう大丈夫?
- 使う場面
- 言い過ぎたあとに歩み寄るとき。謝罪と確認をひと続きで言えるので、気まずさを引きずりません。
- 注意点・誤用例
- snap at ~は「~にとげとげしく言う」。×snap to you とはしません。Are we good? は親しい間柄向けで、上司には Is everything all right between us? のように整えます。
- 発音・ニュアンス
- snapped at you は「スナップタチュー」とつながります。Are we good? は語尾を上げ、少しためらいを残すと誠実に響きます。
make up は「仲直りする」。make up after a quarrel の形で辞書にも載る組み合わせなので、quarrel と対で覚えてしまいましょう。
場面別のフレーズが揃ったら、人の性格を語る語彙も足しておきたいところです。けんかの話には必ず「どんな人か」という説明がついてきます。
性格を表す語彙を広げる
- 性格語は「穏やかさ側」と「扱いにくさ側」で対にして覚える
- selfish と easygoing のように、対比で記憶すると定着しやすい
- 自分や身近な人を三語で描写する練習が実戦的
会話には selfish(わがまま)と easygoing(おおらか)が登場しました。性格を表す語はたくさんあるので、対になるものを組みで覚えると定着が早くなります。
穏やかさ・優しさを表す語から見ていきます。
- kind(親切)
- considerate(思いやりがある)
- thoughtful(気配りができる)
- generous(気前がよい・寛大)
- patient(辛抱強い)
- laid-back(のんびりした)
- warm-hearted(心が温かい)
扱いにくさを表す語も、読解では欠かせません。
- selfish(わがまま)
- stubborn(頑固)
- short-tempered(短気)
- hot-headed(かっとなりやすい)
- moody(気分屋)
- picky(細かいことにこだわる)
- blunt(ぶしつけなほど率直)
- quarrelsome(けんか好き)
そのほか、よく使う語も押さえておきましょう。sensitive(繊細)、sociable(社交的)、reserved(控えめ)、curious(好奇心旺盛)、reliable(頼れる)、easily distracted(気が散りやすい)。
覚えるだけで終わらせないために、自分や身近な人を三語で描写する練習をしてみてください。but や though でつなぐと、一気に自然な英語になります。
- My father is stubborn but very generous.(父は頑固だけれど、とても気前がいい。)
- She’s blunt, though she never means to hurt anyone.(彼女は率直だが、人を傷つけるつもりはまったくない。)
- I’m patient with people but picky about details.(人には辛抱強いけれど、細部にはこだわる。)
語彙が増えたところで、口に出す練習に移ります。読んで理解した表現を、音として使える状態に変えていきましょう。
音読とシャドーイングで口に定着させる
- まず意味を確認し、次に音の連結、最後に感情を乗せる三段階で練習する
- had a / pick a / not sure about などの連結が聞き取りと発話の鍵
- 強く読む語を決めておくと、伝わり方が安定する
三段階の練習手順
最初の段階では、意味を思い浮かべながらゆっくり読みます。速さは要りません。どの語が文の中心かを意識して、そこだけ少し強めに置きます。
次の段階では、音のつながりを整えます。had a quarrel は「ハダ・クウォロゥ」、pick a quarrel は「ピッカ・クウォロゥ」、I’m not sure about that は「アイム・ナッシュア・バウダッ」のように、単語の境目が溶ける感覚をつかみます。
最後の段階では、感情を乗せます。口げんかのセリフは棒読みだと不自然です。Absolutely not. は短く鋭く、It’s no use complaining. は肩を落とすように。言い方まで込みで覚えると、記憶にも残りやすくなります。
強く読む語を決めておく
練習用に、強勢の置き場所を示した例を用意しました。太字にしたい箇所を少し高く長めに読んでみてください。
- 練習文と強勢
- I had a quarrel with my sister about money.
He’s always trying to pick a quarrel.
I have no quarrel with the plan.
It’s no use complaining now. - 練習の狙い
- 情報の中心(誰と・何について・何が無駄か)に強勢を置く感覚を身につけます。強弱がつくと、多少発音が崩れても伝わります。
- 注意点
- have no quarrel with の no を弱く読むと「異存はない」という肝心の部分がぼやけます。否定語は必ず立てて読んでください。
声に出す準備ができたら、次は間違いの棚卸しです。ここを一度確認しておくと、後から直す手間が減ります。
つまずきやすいポイントを一度に確認する
- quarrel を会議の「議論」に使うと温度が合わない
- discuss / debate / dispute に about は付けない
- 動詞 fight は暴力を想起させるため、口論なら have a fight
- have a quarrel の冠詞 a は落とせない
- 否定疑問への返答は「事実」に合わせる
まず、quarrel を「議論する」の意味で会議に使うのは避けたいところです。quarrel には感情のぶつかり合いが含まれるため、冷静な話し合いなら discuss、賛否に分かれる討論なら debate を選びます。
次に前置詞です。discuss about / debate about / dispute about はいずれも不要な about が入った形になります。about が必要なのは argue、quarrel、talk などの側です。
動詞の fight で家庭内の口論を表すのも誤解を招きます。動詞 fight は殴り合いや強大な相手との戦いを想起させることがあるため、口論なら have a fight の形にしておくと安全です。
冠詞の脱落も定番です。have quarrel とは言いません。have a quarrel、have an argument、have a fight と、いずれも不定冠詞が必須です。
have no quarrel with を「けんかしていない」と訳すのも避けたい誤りです。「異存はない」「文句はない」という賛意の表明でした。
最後に、強い否定を Yes で受けないこと。Don’t you think I’m nice? に「思わない」と答えるなら No 側です。日本語の相づちの感覚を持ち込まないよう気をつけます。
相手の性格を quarrelsome や selfish と評する言い方は、面と向かって使うと強い非難になります。学習用の語彙として理解しておくことは大切ですが、実際の会話で人を評するときは、行動に絞って I felt uncomfortable when you said that. のように伝えるほうが関係を損ねません。
誤りの地図が頭に入ったところで、実際に手を動かして確かめてみましょう。
理解度チェックで実力を測る
- まず解答を見ずに口に出し、そのあと答え合わせをする
- 前置詞と冠詞は間違えやすいので重点的に確認する
- 言い換え(動詞形・no matter how など)も一緒に押さえる
和文英訳に挑戦
次の日本語を英語にしてみましょう。書くより先に、声に出してみるのがおすすめです。
- 妹とお金のことで言い争いになった。
- 彼はいつも誰かにけんかを売ろうとする。
- その計画に異存はありません。
- どんなに説明しても、彼は納得しない。
- 今さら文句を言っても仕方がない。
- 今は入らないほうがいい。二人が言い合いしているところだ。
- 父の遺産をめぐって激しく口論になった。
- 予算について議論したが、最後は彼女に説得された。
解答例です。丸暗記ではなく、自分の答えとどこが違うかを見比べてください。
- I had a quarrel with my sister about money.(=I quarreled with my sister over money.)
- He’s always trying to pick a quarrel with someone.
- I have no quarrel with the plan.
- However carefully I explain, he isn’t convinced.(=No matter how carefully…)
- It’s no use complaining now.
- Don’t go in now. They’re having a quarrel.
- They had a bitter quarrel over their father’s estate.
- We had an argument about the budget, and in the end she convinced me.
語を選ぶ練習
次の場面に合う語を選んでみましょう。判断の根拠まで言えると理解が深まります。
- 会議で新しい方針について冷静に話し合った → (discuss / quarrel)
- 子どもたちが一日中お菓子のことで言い合っている → (bicker / debate)
- 店の外での口論を受けて警察が呼ばれた(報道文) → (altercation / tiff)
- 数字の裏づけを示しながら上司と論じ合った → (have an argument / have a quarrel)
- その二家は何世代も反目している → (feud / spat)
解答は順に、discuss、bicker、altercation、have an argument、feud。冷静さの度合い、深刻さ、文体の硬さという三つの軸で選ぶ、という判断の型が身につけば十分です。

一週間で定着させる復習の進め方
- 1日1テーマに絞り、短時間で回すほうが続きやすい
- 「読む→声に出す→自分の話で使う」の順に負荷を上げる
- 7日目に自分の言葉で説明できれば、使える状態に近づいている
一度読んだだけでは、表現は指先から抜けていきます。負荷の低い順に並べた七日分の流れを用意したので、都合のよい日から始めてみてください。
1日目は、have a quarrel の基本形と前置詞だけに絞ります。with / about / over を使った三文を、それぞれ自分の身の回りの話に置き換えて作ってみます。
2日目は、コロケーションの日です。pick a quarrel、start a quarrel、settle a quarrel、patch up a quarrel を音読し、動詞と名詞の組み合わせを口に慣らします。
3日目は、使い分けに戻ります。argue / quarrel / dispute / debate / discuss の五語を、自分の言葉で一行ずつ説明してみてください。説明できない語が、まだ理解の薄いところです。
4日目は、会話文の音読です。役割を交代しながら、二人分のセリフを続けて読みます。感情を乗せると、覚えた表現が場面と結びつきます。
5日目は、文法の日です。wish+would、however + 形容詞、It’s no use ~ing を使って、それぞれ二文ずつ自作します。
6日目は、仲直りの表現に集中します。収束させる言い方まで持っていると、実際の場面で沈黙しなくなります。
7日目は総復習です。「have a quarrel と have an argument の違い」を、誰かに説明するつもりで声に出してみてください。よどみなく言えたなら、この単語はもう自分のものになりつつあります。
ひとりで進めていると、発音や自然さの判断だけはどうしても確かめにくいものです。誰かに聞いてもらう機会をつくると、独学の弱点をふさぎやすくなります。
よくある質問
- 使用感、前置詞、綴り、否定形の読み方など、迷いやすい点を一問ずつ確認
- 迷ったときは argue / have an argument / have a fight に寄せるのが無難
have a quarrel は日常会話で使っても不自然ではありませんか
通じますが、少し文語的で古風に響きます。日常のやり取りで「けんかした」と言うなら、argue、have an argument、have a fight のほうが自然です。イギリス英語では have a row も広く使われます。quarrel は小説や新聞、翻訳文で出会う頻度が高い語なので、読解用の語彙として押さえつつ、書き言葉や少し芝居がかった言い回しをしたいときに選ぶとよいでしょう。
have a quarrel と have an argument はどう違いますか
have an argument は根拠や理屈を持って論じ合う場面で選ばれ、have a quarrel は感情が先に立って不満を投げ合う場面に合います。資料を広げて数字の話をしながら言い合ったなら argument、日頃のもやもやが噴き出したなら quarrel というイメージです。身内の日常的なぶつかり合いをゆるく指すなら have a fight が便利です。
quarrel の後ろは with と about と over のどれを使いますか
相手を示すときは with、話題を示すときは about、取り合いや奪い合いの色があるときは over を使います。お金や遺産、順番、権利など双方が譲れない対象には over が自然です。with と about は同時に使えて、語順は人を先に置く形が自然です。たとえば She had a quarrel with her boss about the new schedule. のようになります。
have no quarrel with は「けんかしていない」という意味ですか
違います。「~に異存はない」「~に文句はない」という賛意の表明です。I have no quarrel with the plan. は「その計画に異存はありません」という意味になります。同じ発想で、動詞の quarrel with +事柄が「~に異議を唱える」の意味になることもあり、You can’t quarrel with the numbers. は「その数字には文句のつけようがない」となります。
quarrel は動詞としても使えますか。綴りが二通りあるのはなぜですか
名詞と動詞を兼ねる語なので、動詞としてそのまま使えます。過去形と現在分詞の綴りは、アメリカ英語で quarreled / quarreling、イギリス英語で quarrelled / quarrelling と l の数が変わります。どちらも正しい綴りなので、文章では想定する読者に合わせて統一しておくと読みやすくなります。
Don’t you think I’m nice? に「思わない」と答えるときは Yes と No のどちらですか
No 側です。英語の Yes と No は質問の形ではなく事実に対して答えます。「優しいとは思わない」なら No や Absolutely not、「優しいと思う」なら Yes や Of course になります。日本語の「はい、そう思いません」という相づちの感覚を持ち込むと意味が反転してしまうので、答える前に自分が伝えたい事実がどちらかを確認してください。
会議での「議論した」を quarrel で表してもよいですか
向きません。quarrel には
感情のぶつかり合いが含まれるため、業務上の話し合いには温度が合いません。冷静な話し合いなら discuss、賛否に分かれる討論なら debate、意見を強くぶつけ合う争議なら dispute を選びます。なお discuss と debate と dispute はいずれも他動詞なので、about を付けずに目的語を直接続けます。
言い合いの英語を手元に置いておく
この章の要点
have a quarrel は「不満のぶつかり合い」を表す定型表現
相手は with、話題は about、譲れない対象なら over
話すなら argue 系、読み書きなら quarrel も選択肢に入る
収束させる表現まで覚えると、会話が途中で止まらない
have a quarrel は、理屈より感情が先に立つ言い争いを表す表現でした。前置詞で相手と話題を足し、形容詞で規模を調整し、進行形で「今その最中」を伝える。この四つの操作ができれば、読解でも作文でも困らなくなります。
同じ「けんかした」でも、fight を選ぶか argument を選ぶか quarrel を選ぶかで、伝わる空気はまるで違うものになります。語彙を増やすというのは、そういう機微を受け取れるようになることでもあります。
そして、けんかの英語を覚えるなら、収束させる言い方まで一緒に。Let’s drop it. や Are we good? のような一言が出てくるかどうかで、その後の関係は変わってきます。自分から場を収められる関係なら、たいていのすれ違いは越えていけるのでしょう。
気になった表現を三つだけ選んで、今日のうちに声に出してみてください。読んだ知識が使える言葉に変わる瞬間は、そこから始まります。

