「今夜は私が料理を作るね」と英語で言おうとして、口が止まった経験はありませんか。cook なのか make なのか、それとも prepare なのか。頭の中で候補が三つも四つも浮かんだ瞬間、会話のテンポは失われてしまいます。
さらに厄介なのが、台所には教科書に載りにくい表現が集中していることです。「ニンニク使ってもいい?」への返事、「私も気にしないよ」の語順、「焼き加減はどうする?」の一言。どれも短いのに、いざその場に立つと出てきません。
この記事では、友達に手料理をふるまう一連の流れを英語の会話でたどりながら、動詞の使い分け、調理動作の単語、味と食感の形容詞、ステーキの焼き加減、英文レシピの読み方までを一続きの知識として身につけられるように並べました。読み終えたその日の夕食から、台所で声に出せる状態を目指します。
独学で進めながら、発音や自然さを誰かに確かめてほしくなったときは、英語教室のようにやり取りの中で直してもらえる環境を併用する方法もあります。まずは、料理を作るという行為を英語がどう切り分けているのかから見ていきましょう。

- 「料理を作る」は5つの動詞で言い分ける
- 台所の会話を丸ごと体験する|友達に手料理をふるまう
- 最大の落とし穴|Do you mind if I 〜? の返事は No が「どうぞ」
- Neither do I. と Me neither.|「私も」の言い方を4つに整理する
- feel like のふたつの顔と、数えられない食べ物の数え方
- 調理動作を表す英単語|切る・焼く・煮るを一気に整理
- 味と食感を伝える形容詞|delicious の一歩先へ
- ステーキの焼き加減を言えるようになる
- 相手の好みや制約を確かめる言い方
- 台所で交わす一言フレーズと道具の名前
- 英文レシピを試すときに気をつけたい分量と温度
- 発音でつまずきやすい単語を口慣らしする
- 今日の表現を自分のものにする練習の流れ
- よくある質問
- 台所は、失敗しても笑って済む練習場所
「料理を作る」は5つの動詞で言い分ける
- 「料理を作る」に対応する英語は一つではなく、cook / make / bake / fix / prepare が場面ごとに使い分けられる。
- 判断の軸は「熱を加えるか」「目的語が食材か完成品か」「どれくらい手間をかけたか」の三つ。
- 迷ったときは cook と make の線引きだけ意識すれば、会話は十分に通じる。
日本語の「作る」は守備範囲が広く、サラダを和えるのも、パンを焼くのも、コース料理を仕込むのも同じ一語で済みます。英語はここを細かく分けます。だからこそ、対応表を丸暗記するのではなく、何を基準に分けているのかを先に理解したほうが早いのです。
基準は三つあります。ひとつめは熱を加えるかどうか。ふたつめは、動詞の直後に来るのが食材なのか、それとも完成した料理名なのか。みっつめは、その調理にどれだけ手間と時間をかけたかという感覚です。この三つを順に当てはめれば、ほとんどの場面で迷いは消えます。
cook:熱を加えて食材を調理する
cook は火や熱を通す行為そのものを表します。目的語には食材が来ることが多く、調理の過程を語るときに選ばれます。「料理をするのが好き」という、行為全体を指す言い方にも cook が向いています。
- フレーズ
- I cooked pasta for tonight’s dinner.
- 日本語訳
- 今夜の夕食にパスタを作った。
- 使う場面
- 火を使って作った料理を報告するとき。麺を茹でる、ソースを煮るという加熱の過程が含まれるため cook が自然です。
- 注意点・誤用例
- ×I cooked a salad. 火を通さないサラダに cook を使うと違和感が残ります。この場合は I made a salad. が自然です。
- 発音・ニュアンス
- cook は [kʊk]。「クック」と伸ばさず、短く詰まる音です。coke [koʊk] とは母音がまったく違うので、口をすぼめすぎないよう意識します。
他にも I like cooking.(料理をするのが好き)、Cook the chicken until the juices run clear.(肉汁が透明になるまで鶏肉に火を通す)、Who’s cooking tonight?(今夜は誰が作る?)のように使えます。I like making. とだけ言うと「何を作るのか」が抜け落ちて宙に浮くため、料理好きを伝えるなら cooking を選びます。
make:出来上がった一皿を作る
make の後ろには、完成した料理や飲み物の名前が来ます。加熱の有無を問わないので、サラダにもサンドイッチにも紅茶にも使えるのが強みです。
- フレーズ
- All right, I’ll make steak.
- 日本語訳
- わかった、ステーキを作るね。
- 使う場面
- 献立を決めて相手に伝える瞬間。料理名を口にするので make がはまります。
- 注意点・誤用例
- Shall I make you a cup of tea? のように「make + 人 + もの」の語順が使えます。make a tea for you と言うより、この形のほうが口語では滑らかです。
- 発音・ニュアンス
- I’ll make は「アイル メイク」より「アォメイク」に近く聞こえます。will の短縮は弱く速く流れるので、聞き取りではここを意識します。
整理すると、料理名を言うなら make、食材に火を入れるなら cook。この一本の線を引くだけで、日常会話の大半は乗り切れます。
bake:オーブンで焼き固める
ケーキ、クッキー、パン、グラタンなど、オーブンの乾いた熱でじっくり火を通すものは bake の領域です。Do you like baking? と聞かれたら、それは「お菓子やパンを作るのは好き?」という意味になります。
She baked a chocolate cake for my birthday.(誕生日にチョコレートケーキを焼いてくれた)、Bake for 25 minutes until golden brown.(きつね色になるまで25分焼く)のように、レシピでも頻出します。
fix:さっと用意する(アメリカ英語の口語)
fix は「修理する」で覚えている人が多いのですが、アメリカ英語の口語では軽い食事や飲み物をちゃちゃっと用意する意味でも使われます。make よりくだけた響きで、火を通さないものにも使えます。
I fixed some sandwiches.(サンドイッチを作ったよ)、Let me fix you a drink.(飲み物を作ってあげる)。あらたまった場面よりも、家族や友人同士の気安いやり取りに向いた言い方です。
prepare:手をかけて用意する
prepare は「準備する」「調理する」の両方をカバーし、それなりに手間をかけた料理や、来客をもてなす食事に似合います。加熱の有無は問いません。
I prepared some Caesar salad for tonight.(今夜のためにシーザーサラダを用意した)、She prepared a five-course meal for the guests.(お客様にコース料理を用意した)。少しあらたまった響きがあるので、ビジネスの会食やホームパーティーの案内文にもなじみます。
whip up / throw together:即席で作る
会話で耳にする機会が多いのがこの二つです。I’ll whip up something quick.(何かさっと作るよ)は、時間をかけずに手早く仕上げる感覚。I just threw together whatever was in the fridge.(冷蔵庫にあるもので適当に作っただけ)は、褒められたときに軽くかわす言い方としても便利です。
違いを気にしすぎて口が止まってしまっては本末転倒です。まずは cook と make を押さえ、残りは耳にした場面ごとに足していけば十分。では、これらの動詞が実際の会話でどう現れるのか、台所のやり取りを丸ごと覗いてみましょう。
台所の会話を丸ごと体験する|友達に手料理をふるまう
- リクエストを聞く→献立を決める→材料を確認する→飲み物を出す→焼き加減を聞く、という流れが一本の型になる。
- 短い会話の中に、Do you mind if 〜? / Neither do I. / feel like 〜 など日本語話者がつまずく表現が集中している。
- まず英文だけで読み、その後に和訳で答え合わせをすると理解が深まる。
これから紹介するのは、あなたが友人のためにステーキを作る場面です。役割は「ホスト(あなた)」と「友人」。まずは英文だけを追ってみてください。
- 場面
- You are going to cook for your friend.(友人のために料理をしようとしている)
- 会話
- ホスト:What would you like for dinner?
友人:Well, I’d like meat dish.
ホスト:All right, I’ll make steak. But do you mind if I use garlic?
友人:No, I don’t. I love it.
ホスト:That’s really good.
友人:When I cook, I use it all the time.
ホスト:But I think it gives you bad breath, doesn’t it?
友人:I don’t mind garlic breath at all.
ホスト:Neither do I. What would you like to drink?
友人:I feel like drinking beer.
ホスト:Take a can of beer from the fridge, please.
友人:Beer and steak go together.
ホスト:That’s it. How would you like your steak?
友人:Medium-well, please.
ホスト:OK. - 日本語訳
- ホスト:夕食に何を食べたい?
友人:肉料理が良いな。
ホスト:わかった、ステーキを作るね。でも、ニンニクを使ってもいい?
友人:いいよ。大好きだよ。
ホスト:それは良かった。
友人:自分が料理するときはいつも使うよ。
ホスト:でも、口が臭くなると思うんだけど、どう?
友人:ニンニクのにおいは全く気にならないよ。
ホスト:私も気にならない。何を飲みたい?
友人:ビールを飲みたい気分だな。
ホスト:冷蔵庫から缶ビールを出してね。
友人:ビールとステーキはよく合うよね。
ホスト:その通り。ステーキの焼き加減はどうする?
友人:ミディアムウェルでお願い。
ホスト:わかった。
やり取りは15往復ほど。難しい単語は一つもありません。それでも、この短い会話には日本語話者がつまずく落とし穴が四つ埋まっています。順に取り出して確かめていきましょう。
最大の落とし穴|Do you mind if I 〜? の返事は No が「どうぞ」
- mind は「気にする・嫌だと思う」。だから「気にならない=どうぞ」は No で答える。
- 許可なら No, not at all. / Of course not. / Please do. などを丸ごと覚えておくと安全。
- 断るときは Yes だけで終えず、理由を添えると角が立たない。
Do you mind if I use garlic? を直訳すると「私がニンニクを使ったら、あなたは嫌ですか?」となります。つまり許可を出す返事は「嫌ではない」= No です。日本語の感覚のまま Yes と言ってしまうと、相手はニンニクを引っ込めてしまいます。
Do you mind if I sit here?(ここに座ってもいい?)に Yes. と答えると「困ります」という拒否になります。せっかく歓迎しているのに冷たい印象を与えかねないため、許可のときは Yes を封印し、No, not at all. / Sure, go ahead. のようにひとかたまりで口から出るようにしておくのが安全です。
許可を出す言い方の引き出しを増やしておきましょう。
- No, not at all.(全然かまわないよ)
- Of course not.(もちろん気にしないよ)
- No, go ahead.(どうぞどうぞ)
- Please do.(ぜひそうして)
- Not at all. Help yourself.(構わないよ、遠慮しないで)
反対に断りたいときは、Yes とだけ返すとやや突き放した響きになります。Actually, I’d rather you didn’t. I’m not a big fan of garlic.(実は避けてもらえるとうれしいな。ニンニクはあまり得意じゃなくて)のように理由を添えれば、相手も気を悪くしません。
なお、英語を母語とする人でも会話の勢いで Sure! と答えることがあります。文法的には矛盾していますが、実際には「いいよ」として通じています。聞き取る側にまわったときは、表情や続く言葉で判断すれば十分です。
似た形に Would you mind opening the window?(窓を開けていただけますか?)があります。こちらは相手に行動をお願いする形で、mind の後ろは動名詞になる点も一緒に押さえておきましょう。Would you mind passing me the salt? なら「塩を取っていただけますか?」という丁寧な依頼になります。
Neither do I. と Me neither.|「私も」の言い方を4つに整理する
- 肯定文への同意は So do I.、否定文への同意は Neither do I.。
- 語順は「Neither+助動詞+主語」の倒置。助動詞は相手の文に合わせる。
- 倒置が難しければ、口語では Me neither. / Me too. で代用できる。
会話で友人が I don’t mind garlic breath at all. と否定文で言ったので、ホストは Neither do I. と返しました。ここで Me too. と言ってしまうと「私は気にする」という逆の意味に取られる可能性があります。食卓では意見の一致が場を温めるので、ここは正確に返したいところです。
ポイントは、相手の文の時制と動詞に合わせて助動詞を選ぶこと。例を並べると規則が見えてきます。
- I don’t like raw fish. → Neither do I.(私も生魚は苦手)
- I can’t eat spicy food. → Neither can I.(私も辛いものは食べられない)
- I haven’t tried natto. → Neither have I.(私も納豆は食べたことがない)
- I wasn’t hungry. → Neither was I.(私もお腹が空いていなかった)
- I won’t drink tonight. → Neither will I.(私も今夜は飲まない)
肯定文への同意なら、同じ仕組みで So が先頭に来ます。I love garlic. → So do I. / I’m starving. → So am I. といった具合です。
倒置が瞬時に出てこないときは、Me neither. と Me too. で代用できます。ややくだけた響きですが、友人同士の会話ではごく普通に使われています。So do I. / Neither do I. / Me too. / Me neither. の4つを一組で覚えておけば、同意の場面で言葉に詰まることはなくなります。
では次に、飲み物の希望を伝えるときに登場した feel like を見ていきます。
feel like のふたつの顔と、数えられない食べ物の数え方
- feel like のあとは動名詞か名詞。「〜したい気分」を柔らかく伝えられる。
- feel like には「〜のような感じがする」という触感・印象の意味もある。
- beer や rice など数えにくいものは、a can of / a bowl of のように容器や単位を借りて数える。
「〜したい気分」の feel like
I feel like drinking beer. は「ビールを飲みたい気分」。want ほど直接的ではなく、その場の気分をふわりと伝えられるのが利点です。動詞を続けるときは必ず -ing 形になります。
- I feel like eating something spicy tonight.(今夜は辛いものが食べたい気分)
- I don’t feel like cooking today. Let’s order in.(今日は料理する気になれない。出前にしよう)
- Do you feel like dessert?(デザートはどう?)
- I feel like a cold beer.(冷たいビールが飲みたい気分)
最後の例のように、名詞をそのまま置くこともできます。I feel like a beer. で「ビールが飲みたい」と伝わります。
「〜のような感じがする」の feel like
同じ形で、触感や印象を描写することもできます。This mochi feels like a marshmallow.(このお餅はマシュマロみたいな感触だ)、It feels like summer today.(今日は夏みたいだ)。主語が人か物かで意味が分かれるので、文脈で判断します。
容器や単位を借りて数える
beer、wine、rice、bread のように形が定まらないものは、そのままでは数えられません。会話文の a can of beer(缶ビール1本)はその代表例です。台所で使う頻度が高いものを並べます。
- a bottle of wine(ワイン1本)
- a glass of water(水1杯)
- a cup of coffee(コーヒー1杯)
- a slice of bread / cheese(パン・チーズ1切れ)
- a piece of cake(ケーキ1切れ)
- a bowl of rice / soup(ご飯・スープ1杯)
- a clove of garlic(ニンニク1片)
- a bulb of garlic(ニンニク1株)
- a head of lettuce(レタス1玉)
- a stick of butter(バター1本)
- a loaf of bread(食パン1斤)
レシピに two cloves of garlic, minced とあれば「ニンニク2片、みじん切り」という意味。単位の語を知らないとレシピが読めないので、料理と語学を同時に進めたい人にとってはここが最初の関門になります。
台所まわりの短縮語と go together
fridge は refrigerator の短縮形。日常会話では長い単語がしばしば縮められます。veggies(← vegetables)、mayo(← mayonnaise)、fries(← French fries、英国では chips)、leftovers(残り物)あたりは頻出です。
Can you grab the milk from the fridge?(冷蔵庫から牛乳を取ってくれる?)のように grab を使うと「ちょっと取って」という気軽さが出ます。会話文の Take a can of beer from the fridge, please. も、Help yourself to a beer in the fridge.(冷蔵庫のビール、自由に飲んで)と言い換えれば、よりくつろいだ雰囲気になります。
Beer and steak go together. は「ビールとステーキは合う」。食べ合わせを語る定番の言い方です。Red wine goes well with red meat.(赤ワインは赤身肉に合う)、This sauce goes perfectly with grilled fish.(このソースは焼き魚に最高に合う)のように、「AとBが合う」なら A and B go together、「Aに合わせるならB」なら A goes with B と、主語の立て方で形が変わります。
会話の骨組みが見えたところで、次は台所の動作そのものを表す単語をまとめて手に入れましょう。
調理動作を表す英単語|切る・焼く・煮るを一気に整理
- 「切る」は形と細かさで chop / slice / mince / shred などに分かれる。
- 日本語の「焼く」は grill / bake / roast / sauté / sear / fry / stir-fry に細分化される。
- 調理済みの食材は過去分詞で表す(grilled chicken, boiled egg など)。メニュー読解の鍵になる。

切る・下ごしらえの動詞
| 日本語 | 英語 | 補足 |
|---|---|---|
| 切る | cut – cutting – cut – cut | 過去形・過去分詞が変化しない不規則動詞 |
| 細かく刻む | chop – chopping – chopped | みじん切りは finely chop / mince |
| 薄切りにする | slice – slicing – sliced | 薄い一枚の形にする |
| 千切りにする | julienne / shred | shred は「ほぐす」意味でも使う |
| 皮をむく | peel – peeling – peeled | 皮そのものは skin / peel |
| 混ぜる | mix – mixing – mixed | 泡立てるは whisk / beat |
| こねる | knead – kneading – kneaded | パン生地は dough。k は発音しない |
| しぼる | squeeze – squeezing – squeezed | Squeeze half a lemon.(レモン半分をしぼる) |
| 潰す | mash / smash | mashed potatoes(マッシュポテト) |
| 熟成させる | age – aging – aged | aged beef(熟成肉) |
| 下味をつける | marinate / season | season with salt and pepper(塩胡椒する) |
「焼く」は英語では7つに分かれる
日本語話者にとって最大の分岐点がここです。日本語の「焼く」は、英語では器具と熱の当て方で語が変わります。魚焼きグリルもオーブンもフライパンも、すべて別の動詞になると考えてください。
| 日本語 | 英語 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 直火や網で焼く | grill | 焼き魚、焼き鳥、バーベキュー |
| オーブンで焼き固める | bake | パン、菓子、グラタン |
| 塊肉をオーブンでじっくり焼く | roast | ローストビーフ、丸鶏 |
| 少量の油でソテーする | sauté | 玉ねぎ、きのこ |
| 強火で表面に焼き色をつける | sear | ステーキの表面 |
| 油で揚げる | fry / deep-fry | 唐揚げ、天ぷら |
| 炒める | stir-fry | 中華鍋(wok)で手早く |
| 茹でる | boil | 「沸騰させる」の意味も持つ |
| 弱火で煮る | simmer | 煮物、味噌汁 |
| とろ火で煮込む | stew | 名詞では「シチュー」 |
| 蒸す | steam | 蒸し器は steamer |
| 炊く | cook | 英語圏に「炊く」に当たる専用語がないため |
| 電子レンジで温める | microwave / heat up | Microwave it for two minutes. |
実際の文で確かめてみましょう。手順を説明するときは命令文が基本になります。
- フレーズ
- Sear the steak on both sides, then finish it in the oven.
- 日本語訳
- ステーキの両面に焼き色をつけて、オーブンで仕上げる。
- 使う場面
- 厚みのある肉を焼くときの定番手順。誰かに作り方を説明する場面でもそのまま使えます。
- 注意点・誤用例
- ×Bake the steak on both sides. bake はオーブンの乾いた熱を指すため、フライパンで表面を焼く動作には合いません。
- 発音・ニュアンス
- sear は [sɪr]、see とも sir とも違う音です。sauté [soʊˈteɪ] はフランス語由来で後ろにアクセントが来ます。
その他の実用例も声に出してみてください。
- Stir-fry the vegetables in a wok over high heat.(強火の中華鍋で野菜を炒める)
- Simmer the sauce for about 20 minutes.(ソースを20分ほど弱火で煮る)
- Let the meat rest for five minutes before slicing.(切る前に肉を5分休ませる)
- Boil the pasta until al dente.(アルデンテになるまでパスタを茹でる)
- Is this meat grilled enough?(このお肉、しっかり焼けていますか?)
- Steam the buns for eight minutes.(肉まんを8分蒸す)
調理済みの食材は過去分詞で表す
調理動詞は受け身の形で名詞を修飾する使い方が非常に多く、英文レシピやメニューを読むうえで欠かせません。
- chopped onion(みじん切りにした玉ねぎ)
- grilled chicken(グリルチキン)
- boiled egg(ゆで卵)
- fried rice(チャーハン)
- steamed buns(肉まん、蒸しパン)
- aged meat(熟成肉)
- cooked rice(炊いたご飯)
- roasted vegetables(オーブンで焼いた野菜)
- marinated pork(下味をつけた豚肉)
日本語では「焼かれた肉」と言わずに「焼肉」と縮めますが、英語は調理済みの状態を過去分詞できちんと示します。この差を意識してメニューを眺めると、grilled と roasted の違いから調理法がひと目で読み取れるようになります。現在形と過去分詞形をセットで覚えるのが得策です。
動作の語彙がそろったら、次は出来上がった料理を評価する言葉です。
味と食感を伝える形容詞|delicious の一歩先へ
- 味と食感の形容詞が増えるほど、食卓の会話は具体的で楽しくなる。
- 肉の話では tender(柔らかい)と tough(硬い)の対比が使いやすい。
- 味の調整を頼む言い方も一緒に覚えると、家庭でも店でも役立つ。
感想が delicious と good の二語だけで終わってしまうのは、少しもったいないことです。相手は「どこがどう良かったのか」を知りたがっています。
| 味 | 英語 | 食感 | 英語 |
|---|---|---|---|
| 甘い | sweet | 柔らかい | soft / tender |
| 辛い(香辛料) | spicy / hot | 硬い | hard / tough |
| しょっぱい | salty | サクサク | crispy |
| すっぱい | sour | カリカリ | crunchy |
| 苦い | bitter | とろとろ | gooey |
| 旨味がある | savory / umami | なめらか | smooth |
| こくがある | rich | みずみずしい | juicy |
| 淡白・薄味 | mild / bland | しっとり | moist |
| 香ばしい | nutty / toasty | もちもち | chewy |
| 新鮮 | fresh | パサパサ | dry |
肉の話に限れば、tender と tough の対比が特に使いやすい組み合わせです。This steak is so tender it melts in your mouth.(このステーキは口の中でとろけるほど柔らかい)と言えば、最上級の褒め言葉になります。反対に The meat was a bit tough.(お肉が少し硬かった)は、控えめな指摘として機能します。
bland は「味が薄くて物足りない」という否定的な語です。作ってくれた相手の料理に向かって This is bland. と言うと、はっきりした批判になります。控えめに伝えたいときは It could use a little more salt.(もう少し塩があってもいいかも)のように、料理ではなく調整の余地に言及する形が無難です。
味付けの調整を頼む言い方も持っておくと便利です。Could you make it less spicy?(辛さを抑えてもらえますか?)、It’s a bit too sweet for me.(私には少し甘すぎます)、Could I get some extra sauce?(ソースを追加でいただけますか?)。家庭でも店でも、同じ形が使えます。
レシピのタイトルに The Crispiest Chicken Wings(最高にサクサクの手羽先)のような最上級が使われることもあるので、原級・比較級・最上級を一緒に押さえておくと読解が楽になります。
さて、いよいよ会話の山場だった焼き加減です。
ステーキの焼き加減を言えるようになる
- How would you like your steak? は「焼き加減はどうしますか?」。答えは Medium rare, please. のひと言で足りる。
- rare から well done まで、中心温度と断面の状態で段階が分かれる。
- ホスト側にまわるときは、同じ質問を自分から切り出せるようにしておく。

焼き加減の段階と中心温度の目安
農林水産省が示す目安によると、焼き加減ごとの肉の中心温度はおおよそ次のように分かれます。
| 呼び方 | 中心温度の目安 | 断面の状態 |
|---|---|---|
| Rare(レア) | 約55〜65℃ | 表面だけ焼けて中心はほぼ生。赤くて冷たい |
| Medium rare(ミディアムレア) | 約65℃ | 中心が赤く温かい。肉汁がじんわり出る |
| Medium(ミディアム) | 約65〜70℃ | 中心はほんのりピンク。全体に火が通る |
| Medium well(ミディアムウェル) | 70℃前後 | わずかにピンクが残る程度。歯ごたえが出る |
| Well done(ウェルダン) | 約70〜80℃ | 中まで完全に茶色。肉汁はほぼなし |
さらに生に近い Blue rare(表面を一瞬あぶるだけ)という言い方もありますが、注文できる店は限られます。反対にウェルダンよりも焼き込むと Very well done と呼ばれます。
迷ったときの無難な選択はmedium rareです。多くの店がこの焼き加減を基準に肉を仕入れ、火入れを調整しています。
たずね方と答え方のバリエーション
同じ質問がいくつもの形で飛んできます。どの形でも反応できるように、耳を慣らしておきましょう。
- How would you like your steak?
- How would you like your steak cooked?
- How do you like your steak cooked?
- How would you like that done?
- What temperature would you like that?(アメリカの店で聞かれることがある言い方)
答えはひと言で足ります。
- フレーズ
- Medium rare, please. / I’d like my steak well done.
- 日本語訳
- ミディアムレアでお願いします。/ステーキはウェルダンでお願いします。
- 使う場面
- レストランでの注文時、または友人宅で焼き加減を聞かれたとき。
- 注意点・誤用例
- ×Well done, thank you. だけだと「よくやった」と褒めているように響く場面があります。please を添えるか、I’d like it well done. と文の形にすると誤解が生まれません。
- 発音・ニュアンス
- medium は「ミディアム」より「ミーディアム」に近く、最初の音を長めに。rare [rer] は r の音が二つ続くので、舌をどこにも当てずに発音します。
自分がホスト側に立つときは、How would you like your steak? と切り出せば十分です。焼き上がった肉を出すときに Here you go. Medium-well, as you asked.(お待ちどおさま、ご希望どおりミディアムウェルで)と添えると、ぐっと気が利いた印象になります。
出てきた肉が希望と違ったときの言い方も知っておくと安心です。I’m sorry, but I asked for medium rare. This looks a little too well done.(すみません、ミディアムレアでお願いしたのですが、少し焼きすぎのようです)と丁寧に伝えれば、たいていは対応してもらえます。
焼き加減をめぐる日本とアメリカの違い
アメリカのステーキは300〜500gが標準で、1ポンド(約450g)を超える塊を平らげる人も珍しくありません。厚みがあり脂は少なめ。塩と胡椒だけで焼き、ソースをかけずに肉そのものの味を楽しむのが王道とされます。使うとしてもバター、ガーリック、グレービーといった簡素なものです。焼き加減はミディアムレアが人気で、赤身を残してジューシーさを味わう傾向があります。
一方、日本のステーキは150〜250gほどが一般的で、和牛の霜降りの美しさを愛でる文化があります。玉ねぎベースや甘辛醤油系のソースをたっぷりかけて味わう人も多く、焼き加減はしっかり焼いたものが好まれがちです。店であらかじめ切り分けて出す、箸で食べられるようにするといった配慮も、日本らしい特徴と言えます。
部位の名前もアメリカならではのものがあります。T-bone(Tボーン)や tomahawk(トマホーク)といった骨付きの大きなステーキ、ribeye(リブアイ)、sirloin(サーロイン)、tenderloin / filet(ヒレ)、strip steak(ストリップ)などです。カリフォルニアでは tri-tip という三角形の赤身肉をオークの炭火で焼くスタイルが定番で、テキサスでは厚切り肉を強火で焼き上げたり、ウッドチップでスモークしたりする料理法が広く親しまれています。dry-aged(ドライエイジド)の熟成肉が人気を集めている点も、肉への関心の高さを物語っています。
こうした背景を知っていると、Do you prefer your steak with sauce or just salt and pepper?(ステーキはソース派? それとも塩胡椒派?)といった会話が一気に弾みます。文化の違いそのものが、話題の種になるからです。
ただし、人を招くときには焼き加減より先に確認すべきことがあります。
相手の好みや制約を確かめる言い方
- もてなす側が最初に確認すべきは、アレルギーと食べられないもの。
- I’m not a big fan of 〜 は、好き嫌いを角を立てずに伝えられる便利な形。
- 宗教や信条による制限は、具体的な食材名を挙げて確認すると親切。
Do you mind if I use garlic? のような材料の確認は、単なる会話練習ではなく実際の安全に関わります。特にアレルギーは、確認を怠ると深刻な事態を招くことがあります。招く側になったら、献立を決める前に一度たずねておきましょう。
- Is there anything you can’t eat?(食べられないものはある?)
- Do you have any food allergies?(食べ物のアレルギーはある?)
- Are you allergic to shellfish?(甲殻類のアレルギーはある?)
- Any dietary restrictions?(食事の制限はある?)
- Are you a vegetarian? / Do you eat meat?(菜食主義?/お肉は食べる?)
- Is there anything you’d rather avoid?(避けたいものはある?)
答える側の表現も一緒に覚えておくと、招かれたときに困りません。
- I’m lactose intolerant.(乳製品が体に合わないんだ)
- I can eat anything.(何でも食べられるよ)
- I’m allergic to peanuts, but everything else is fine.(ピーナッツはだめだけど、他は大丈夫)
- I’m not a big fan of coriander.(パクチーはあまり得意じゃない)
- I’m trying to cut back on red meat.(赤身肉は控えめにしているんだ)
好き嫌いをやわらかく伝えるI’m not a big fan of 〜は、覚えておくと重宝します。I hate 〜 よりずっと角が立たず、相手の料理そのものを否定しない言い方になります。
宗教や信条による制限がある人には、Do you eat pork?(豚肉は食べる?)のように具体的な食材名を挙げて確認する姿勢が喜ばれます。曖昧に聞くより、相手も答えやすくなるからです。
台所で交わす一言フレーズと道具の名前
- 一緒に料理をする場面では、短い決まり文句がそのまま使える。
- 道具の名前を知っていると「あれ取って」が言葉になる。
- 声に出して練習しておくと、必要な瞬間に反射的に出てくる。
台所は動きが多く、長い文を組み立てている余裕がありません。だからこそ、短いフレーズを丸ごと覚えておく価値があります。
- Could you give me a hand?(手伝ってくれる?)
- Can you pass me the salt?(塩を取ってくれる?)
- Watch out, the pan is hot.(気をつけて、フライパンが熱いよ)
- It’s almost ready.(もうすぐできるよ)
- Dinner’s ready!(夕食ができたよ)
- Help yourself.(自由に取って食べて)
- Would you like seconds?(おかわりはどう?)
- I’m stuffed.(お腹いっぱい)
- Let me do the dishes.(洗い物は私がやるよ)
- Save the leftovers for tomorrow.(残りは明日用に取っておこう)
- Taste this and tell me what you think.(味見して、どう思うか教えて)
- It needs a few more minutes.(あと数分かかるよ)
道具の名前も押さえておきましょう。frying pan(フライパン)、pot(鍋)、lid(蓋)、cutting board(まな板)、knife(包丁)、ladle(お玉)、spatula(フライ返し)、whisk(泡立て器)、colander(ざる)、oven mitt(鍋つかみ)、stove / burner(コンロ)、sink(流し)、tongs(トング)、peeler(皮むき器)、baking sheet(天板)といった具合です。
Can you hand me the tongs?(トングを取ってくれる?)のように、道具名と依頼表現を組み合わせれば、それだけで会話が成立します。名詞と定型文の掛け算が、台所英語の一番効率のよい増やし方です。
こうした語彙を実践の中で増やす方法として、英文レシピを実際に試してみるのがおすすめです。
英文レシピを試すときに気をつけたい分量と温度
- 英文レシピは一文が短く命令文中心なので、初心者の読解教材として扱いやすい。
- oz / lb / tbsp / tsp などの単位と、国ごとに違うカップ容量に注意する。
- 温度は華氏(°F)表記が多い。おおよその換算方法を知っておくと迷わない。

英文レシピは語学教材として優れています。一文が短く、命令文が中心で、使われる語彙も限られているからです。動画なら手を動かしながらの語りなので、間が多く聞き取りやすいという利点もあります。
ただし、分量表記には気をつけてください。アメリカ圏ではグラムやリットルがあまり使われません。
- oz(ounce/オンス):1oz ≒ 28g
- lb(pound/ポンド):1lb ≒ 450g
- tbsp(tablespoon)=大さじ
- tsp(teaspoon)=小さじ
- pinch(ひとつまみ)、dash(ひとふり)
- to taste(好みの量で)
カップの容量も国によって差があります。日本の1カップは200ml、アメリカは約240ml、カナダやオーストラリアは250ml、イギリスは285mlが一般的です。焼き菓子のように分量が結果を左右する料理では、この差が仕上がりに響きます。
レシピの温度が℃ではなく°F(華氏)で書かれていることは珍しくありません。350°F を350℃と読み違えてオーブンを設定すると、焦げるだけでは済まない事態になります。数字の後ろの単位記号を必ず確認してください。正確な換算は(°F − 32)× 5 ÷ 9 = ℃、暗算なら(°F − 32)÷ 2 でおおよその値がつかめます。Preheat the oven to 350°F. は摂氏約175℃で、洋菓子の定番の温度です。
肉の中心温度も華氏で示されることがあります。medium rare は約130°F、medium は約140°F、well done は約160°F 以上。meat thermometer(肉用温度計)を差して確認すれば、焼き加減の見立てはぐっと安定します。
レシピでよく見る指示表現も並べておきます。Preheat the oven to 375°F.(オーブンを375°Fに予熱する)、Season generously with salt.(塩をたっぷりふる)、Set aside.(脇に置いておく)、Bring to a boil, then reduce the heat.(沸騰させてから火を弱める)、Cover and cook for 10 minutes.(蓋をして10分加熱する)、Garnish with fresh herbs.(生のハーブを飾る)。
海外のレシピを読むと、その国の食文化そのものが見えてきます。逆に、日本の家庭料理を英語で説明してみるのも良い練習です。日本食は世界中で親しまれていて、海外の家庭でも作られています。「味噌汁の作り方を英語で言えるか」を試してみると、自分の語彙の穴がはっきりします。Dissolve the miso paste in the broth, but don’t let it boil.(出汁に味噌を溶かして、煮立たせないように)——こんな一文が言えるようになれば、食卓での会話は確実に広がります。
発音でつまずきやすい単語を口慣らしする
- breath(息)と breathe(息をする)は形も音も違うのでセットで確認する。
- カタカナ読みが染みついた料理用語ほど、実際の音とのずれが大きい。
- 単語単位ではなく、フレーズごと声に出すのが定着への近道。
会話文に出てきた breath は [breθ]、名詞で「息」。動詞の breathe は [briːð] で、母音が長く語尾が濁ります。It gives you bad breath.(口臭の原因になる)と Take a deep breath.(深呼吸して)は名詞、Breathe slowly.(ゆっくり息をして)は動詞です。
料理関連には、カタカナで覚えていると通じにくい単語がいくつもあります。音のずれが大きい語を確認しておきましょう。
- vegetable [ˈvedʒtəbl]:「ベジタブル」より「ヴェジタボゥ」に近く、真ん中の e はほぼ消える
- recipe [ˈresəpi]:「レシピ」で概ね合うが、語尾の e を発音する点に注意(「レサピィ」)
- salmon [ˈsæmən]:l は発音しない。「サーモン」ではなく「サモン」
- herb [ərb](米)/[hɜːb](英):アメリカ英語では h を発音しない
- knead [niːd]/knife [naɪf]:語頭の k は無音
- colander [ˈkʌləndər]:「コランダー」に近い
- sauté [soʊˈteɪ]:後ろにアクセント
- garlic [ˈɡɑːrlɪk]:「ガーリック」の最初を長めに、r をしっかり
練習は単語だけを繰り返すより、フレーズごと声に出すほうが効果的です。Could you chop the vegetables?/Let me sauté the onions first./Wash your hands before you touch the salmon. のように、動作とセットで言ってみてください。
音のつながりも意識しましょう。Take a can of beer は「テイカ キャナ ビア」のように、単語の境目が溶けて聞こえます。文字で見て知っている表現が聞き取れないのは、この連結が原因であることがほとんどです。
今日の表現を自分のものにする練習の流れ
- 会話の型を6ステップに分解し、料理名や食材を入れ替えて繰り返す。
- 相手役がいなくても、頭の中で二役を演じれば練習になる。
- 1週間の割り振りを決めておくと、無理なく一巡できる。
覚えた表現は、場面を思い浮かべながら口に出すことで定着します。今日の会話は、次の6ステップに分解できます。
- 相手にリクエストを聞く:What would you like for dinner?
- メニューを決めて伝える:All right, I’ll make 〜.
- 材料の好みを確かめる:Do you mind if I use 〜?
- 飲み物をたずねる:What would you like to drink?
- 焼き加減や味の濃さを確認する:How would you like your steak?
- 出来上がりを知らせる:It’s ready. Help yourself.
主役の料理をステーキから carbonara、curry、fried chicken などに入れ替えれば、そのまま別の場面の会話になります。ニンニクを onion や cilantro、chili に替えれば、Do you mind if I 〜? の練習を何度でも回せます。相手役がいなくても、頭の中で二役を演じるだけで十分な練習です。
一週間の割り振り例を挙げておきます。無理のない範囲で調整してください。
- 1日目:cook / make / bake / fix / prepare の使い分けを例文ごと音読する
- 2日目:会話文を英文だけで3回音読し、和訳を見ずに意味を取る
- 3日目:Do you mind if I 〜? と返答パターンを、食材を替えて10回言う
- 4日目:切る・焼く・煮るの動詞を、実際に料理をしながら声に出す
- 5日目:味と食感の形容詞で、その日食べたものを3文describeする
- 6日目:焼き加減の質問と答えを、ホスト役・ゲスト役の両方で練習する
- 7日目:英文レシピを一つ選び、実際に作りながら手順を英語で読み上げる
一巡したら、料理を替えてもう一周。同じ型を違う中身で回すことで、表現が場面から切り離されて自由に使えるようになっていきます。
とはいえ、独学だけでは自分の発音や言い回しが自然かどうかを確かめにくいのも事実です。相手のいる練習を取り入れたい方は、こちらも覗いてみてください。
よくある質問
- cook と make の判断、Do you mind への返答など、迷いやすい点を短く確認できる。
- 細かい違いに立ち止まるより、まず使ってみることが上達につながる。
「料理を作る」は cook と make のどちらを使えばいいですか?
火を通す動作に重きがあるなら cook、完成した料理名を言うなら make が自然です。I cooked the chicken.(鶏肉に火を通した)と I made fried chicken.(唐揚げを作った)の違いだと考えてください。サラダやサンドイッチのように加熱しないものは make を選びます。判断に迷ったときは make のほうが守備範囲が広く、大きな誤解を招きにくい選択です。
Do you mind if I 〜? に「いいですよ」と答えるときは Yes ですか No ですか?
No が「いいですよ」にあたります。mind は「気にする、嫌だと思う」という意味なので、「気にしない」と答えることが許可になるからです。No, not at all. や Of course not.、Please do. をひとかたまりで覚えておくと、とっさの場面でも間違えません。断りたいときは Yes だけで終えず、Actually, I’d rather you didn’t. のように理由を添えると角が立ちません。
Neither do I. と Me neither. はどう使い分けますか?
意味はほぼ同じで、Neither do I. のほうがやや整った言い方、Me neither. は口語的です。Neither の後ろは「助動詞+主語」の倒置になり、相手の文に合わせて do / can / have / was などを選びます。倒置がとっさに出てこないときは Me neither. で代用して問題ありません。肯定文への同意なら So do I. または Me too. を使います。
ステーキの焼き加減を聞かれて迷ったら、何と答えるのが無難ですか?
Medium rare, please. が無難な選択です。多くの店がこの焼き加減を基準に肉を仕入れ、火入れを調整しています。しっかり火が通ったものが好みなら Medium well, please. や I’d like it well done. と伝えれば問題ありません。自分の好みをはっきり言うほうが、食事の時間は心地よくなります。
日本語の「焼く」は英語でどう使い分ければいいですか?
熱の当て方と器具で決まります。網や直火なら grill、オーブンで菓子やパンを焼くなら bake、塊肉をオーブンでじっくり焼くなら roast、フライパンで軽く炒めるなら sauté、強火で表面に焼き色をつけるなら sear、油で揚げるなら fry、中華鍋で手早く炒めるなら stir-fry です。まず grill と bake の違いを押さえると、残りは自然に整理されていきます。
英文レシピの 350°F は摂氏で何度ですか?
約175℃です。正確な換算式は(°F − 32)× 5 ÷ 9 = ℃ ですが、その場で見当をつけるなら(°F − 32)÷ 2 でおおよその値がつかめます。オーブン料理では温度の読み違いが仕上がりを大きく左右するため、数字の後ろの単位記号を必ず確認してください。カップの容量も日本200ml、アメリカ約240mlと差があります。
料理を英語学習に取り入れるには、何から始めればいいですか?
普段作っている料理の手順を、英語で声に出すところから始めるのが手軽です。Chop the onion. Heat the pan. Add the oil. のように命令文を並べるだけで練習になります。慣れてきたら英文レシピを一つ選んで実際に作り、知らない単語を書き出してみてください。手を動かしながら覚えた語は記憶に残りやすくなります。
台所は、失敗しても笑って済む練習場所
- cook と make の線引き、Do you mind への No、焼き加減のひと言。まずはこの三つから。
- 完璧な使い分けより、その場で口に出せることのほうが会話では役に立つ。
ここまで、動詞の使い分けから調理動作、味の形容詞、焼き加減、レシピの単位までを一続きにたどってきました。量は多く見えますが、実際の会話で必要になるのは、そのうちのごく一部です。
今日から使うなら、cook と make の線引き、Do you mind if I 〜? への No、そして How would you like your steak? の三つで十分です。残りは、台所に立つたびに一つずつ拾っていけば自然に増えていきます。
海外のレストランで Medium-well, please. と伝えると、店員が一瞬「もったいない」という顔をすることがあるそうです。それでも、自分の好みをはっきり言葉にできると、食事の時間は確実に心地よくなります。
間違えても料理は完成しますし、相手は笑って受け止めてくれます。台所は、いちばん気楽な練習場所です。次に誰かのために何かを作るとき、ひとつだけでも英語で言ってみてください。

