起きて、顔を洗って、ひげを剃って、髪を整えて、朝食を食べて、家を出る。朝はやることが詰め込まれた、一日でいちばん密度の高い時間帯です。しかも家族が同じ時間に同じ洗面所を使おうとするので、廊下やドアの前で小さな渋滞が起きます。
「この慌ただしさを英語で言えたら面白いのに」と思っても、いざ口にしようとすると「起きる」は wake up なのか get up なのか、「すぐ行くよ」は come なのか go なのかで手が止まってしまう。そんな経験はありませんか。
この記事では、家族の朝をそのまま切り取った会話例をもとに、目が覚めてから玄関を出るまでの動作を英語で言えるようになるための表現を、場面ごとに整理していきます。紛らわしい語の使い分け、失礼に響きやすい言い方、そして今日の夜からできる練習方法まで用意しました。読み終えたときには、明日の朝の洗面所でつぶやける言葉がいくつも増えているはずです。教室で学びたい方向けに英語教室の情報もありますが、まずは家の中でひとりで試せるところから始めましょう。
- 忙しい朝の英会話は「毎日繰り返す動作」から覚えるのが近道
- 家族の朝をのぞく会話例|洗面所の渋滞から朝食まで
- 会話に隠れた三つのつまずきポイント
- 目が覚めてから布団を出るまでの英語
- 洗面所での英語|顔・歯・ひげ
- 髪とメイクを整える朝の英語
- 着替えの英語|put on と wear の違い
- 朝食の食卓で交わす英語
- 「時間がかかる」「もうすぐ」を伝える時間表現
- 出発直前と「遅刻しそう」なときの英語
- 親から子への声かけをやわらかくする型
- bring と take、もうひとつの方向の話
- 数え方のひとこと|a roll of toilet paper
- 朝を英語で描写する独り言練習法
- 練習用ミニ会話|起こす側と起きる側
- 覚えておきたい使い分けの整理と発音練習
- 一週間で朝の英語を口に馴染ませる進め方
- よくある質問
- 明日の朝、ひとことつぶやいてみる
忙しい朝の英会話は「毎日繰り返す動作」から覚えるのが近道
- 朝の身支度は毎日必ず繰り返すため、覚えた表現をすぐ何度も使える
- 単語を並べて暗記するより、動作の順番どおりに文で覚えるほうが思い出しやすい
- 家族への声かけ、鏡の前の独り言、寝る前の三文日記の三方向で使い回せる
朝の英語から手をつけると学習が続きやすいのは、復習の機会が自動的にやってくるからです。旅行英会話や商談の表現は覚えても使う日が来るまで間があきますが、顔を洗う・歯を磨く・着替えるという行動は、明日も明後日も必ず発生します。
記憶は「使った回数」と「思い出そうとした回数」で定着していきます。洗面所に立つたびに I’m washing my face. と口が動けば、それは一日一回の音読練習を自分に課しているのと同じことです。教材を開く時間がない日でも、学習量がゼロにはなりません。
もうひとつの利点は、場面と結びついた記憶になることです。単語帳で「shave=ひげを剃る」と覚えると、思い出すときに日本語を経由します。一方、鏡の前で I have to shave. と言った経験があれば、鏡と泡と剃刀の映像ごと引き出されます。
そして朝の表現は、三つの方向に使い回せます。家族への声かけ、自分の動作をなぞる独り言、寝る前に書く短い英語日記です。同じ材料を三度使えるので、覚える量に対して練習量が大きくなります。
では、実際の家族の朝はどんな英語で回っているのでしょうか。まずは洗面所の渋滞から始まる会話をのぞいてみましょう。
家族の朝をのぞく会話例|洗面所の渋滞から朝食まで
- 洗面所の順番待ち、トイレットペーパー切れ、朝食の呼びかけという定番の流れ
- 短い会話の中に bathroom・come・run out of という三つの重要ポイントが隠れている
- 役を決めて音読すると、単語ではなくやりとりのリズムごと身につく
まずは会話全体を通して読んでみてください。難しい単語はほとんど使われていませんが、家族の朝の空気がそのまま伝わってきます。役割名を確認しながら、声に出して読み進めましょう。
- Daughter(娘)
- Oh, somebody is in the bathroom. Mom, who is in the bathroom?
(あら、トイレに誰かが入っているわ。ママ、誰がトイレに入っているの?) - Mother(母)
- Well, maybe Dad is.
(ええと、たぶんお父さんよ。) - Daughter(娘)
- He always spends time there.
(彼は、いつもトイレに時間がかかるのよ。) - Father(父)
- Uh-ho. We’re running out of toilet paper! Can you bring it to me?
(おやおや。トイレットペーパーがないぞ! 持ってきてくれないか?) - Daughter(娘)
- All right.
(分かった。) - ト書き
- (She brought him a roll of toilet paper. And then he flushed the toilet.)
(娘がトイレットペーパーを一巻き持ってきた。そして、父がトイレの水を流した。) - Father(父)
- Oh, I look awful. I have to shave.
(ああ、ひどい顔だ。ひげを剃らなきゃ。) - Mother(母)
- Breakfast is ready!
(朝食ができたわよ!) - Father(父)
- I’ll come soon.
(すぐ行くよ。) - Daughter(娘)
- I’m washing my face now. And I have to curl my hair. So I’ll come after a while.
(今顔を洗っているの。それに、髪をカールしなきゃ。だからしばらくしてから行くわ。) - Mother(母)
- It takes quite a while for her to do that.
(彼女は、それをするのに時間がかかるのよね。)
会話に出てきた語句を、短い注釈で確認しておきます。どれも朝の場面以外でも使い回せる基本語です。
- maybe:たぶん。断定を避けたいときのクッションになります
- spend time:時間を費やす。spend time there で「そこで長居する」
- run out of ~:~を使い果たす
- bring:持ってくる
- a roll of ~:一巻きの~
- flush:(トイレの)水を流す
- awful:ひどい。見た目や体調のひどさに広く使えます
- shave:ひげを剃る
- ready:準備ができて
- come:聞き手のいる場所へ向かうので go ではなく come
- after a while:しばらくして
- It takes quite a while:かなり時間がかかる
- curl my hair:髪をカールする
音読するときは、父と娘のセリフのテンポを変えてみてください。父の Uh-ho. は困ったときの声、娘の All right. は少しあきれた返事です。感情を乗せて読むと、単語ではなくやりとりごと記憶に残ります。
さて、この短い会話には日本語話者がつまずきやすい要素が三つ潜んでいます。次はその三点を順番に見ていきましょう。
会話に隠れた三つのつまずきポイント
- bathroom は家の中のトイレを指すのが基本、外の施設なら restroom
- come と go は話し手の位置ではなく「相手のいる場所」を基準に選ぶ
- be running out of は「減ってきている」、have run out of は「もう無い」
この三点は、朝の会話に限らず一日中さまざまな場面で顔を出します。逆に言えば、ここを押さえておくと応用できる範囲が一気に広がります。
1. bathroom は「お風呂場」ではない
会話の冒頭、娘は Who is in the bathroom? と言い、和訳は「トイレ」になっています。ここに違和感を覚えた方もいるかもしれません。
アメリカ英語の bathroom は、浴槽・洗面台・便器がひとつの部屋にまとまった空間を指すのが基本です。そのため家の中のトイレを bathroom と呼ぶのはごく普通のことです。「お風呂に入る」と言いたいときは、部屋ではなく行為を表す take a bath や take a shower を使います。
家の外、つまりレストランや駅などの公共の場所では restroom が定番です。イギリスやオーストラリアでは the loo という口語も一般的で、公共施設の表示としては the toilets も使われます。
アメリカ英語で人に向かって Where is the toilet? と尋ねると、便器そのものを指すニュアンスが強く出て直接的に響くことがあります。店や駅では Excuse me, where’s the restroom? 、よその家では May I use your bathroom? と言えば失礼になりません。迷ったら「家の中は bathroom、外は restroom」で覚えておくと外しません。
- フレーズ
- Is the bathroom free?
- 日本語訳
- 洗面所(トイレ)空いてる?
- 使う場面
- 朝、家族が使っているかどうかを確かめたいとき。ドアの外から声をかける状況で使います。
- 注意点・誤用例
- Is the bathroom empty? でも通じますが、free のほうが「使える状態か」という意味で自然です。使用中と答えるなら It’s occupied. または Someone’s in there. 。× Is the bath free? だと浴槽そのものの話に聞こえます。
- 発音・ニュアンス
- bathroom は「バスルーム」ではなく前half に強勢を置いて「バぁスルーム」。th は舌先を軽く歯に当てて息を出します。free を上げ調子で終えると軽い問いかけになります。
- May I use your bathroom?(お手洗いをお借りできますか?=よその家で)
- Excuse me, where’s the restroom?(すみません、お手洗いはどこですか?=店や駅で)
- I need to go to the bathroom.(トイレに行きたい。)
- The bathroom is occupied.(トイレは使用中です。)
- I’ll take a quick shower.(さっとシャワーを浴びるね。)
2. come と go は「相手」を基準にする
母親が Breakfast is ready! と呼び、父親は I’ll come soon. と答えます。日本語では「すぐ行くよ」なので go を使いたくなりますが、英語では come が自然です。
英語の come と go は、話し手の位置ではなく会話の相手がいる場所を基準に選びます。相手のいる場所へ近づいていくなら come、相手も自分もいない第三の場所へ向かうなら go です。
この会話では、母親はダイニングにいて、父親はそこへ向かいます。だから come になります。娘の I’ll come after a while. も「あとで(ママのところへ)行くね」という意味で、同じ理屈です。
呼ばれて I’ll go soon. と答えると、「(あなたのところではなく)どこか別の場所へ出かける」ように響きます。誤解を招きやすいので、呼ばれたときの返事は I’m coming! または I’ll be right there. を反射的に出せるようにしておくと安心です。
- I’m coming!(今行くよ!)※呼ばれたときの定番返答
- Can you come here for a second?(ちょっとこっちに来てくれる?)
- I’m going to the station.(駅に行ってくる。)※相手はそこにいない
- She’s coming to my place tonight.(今夜、彼女が私の家に来る。)
- Are you coming to the table?(食卓に来る?)
3. run out of と現在進行形の「まだ切れていない」感覚
父親のセリフ We’re running out of toilet paper! は、進行形になっている点が肝心です。run out of ~ は「~を使い果たす」という意味の句動詞です。
完了形の We’ve run out of toilet paper. なら「もう完全にゼロ」。進行形の We’re running out of ~ は「残りが少なくなってきている、まさに尽きようとしている」という進行中のニュアンスを持ちます。今まさに切羽詰まった状況が伝わる、生きた言い方です。
- We’re running out of milk.(牛乳が少なくなってきた。)
- I’m running out of time.(時間がなくなってきた。)
- We’ve run out of coffee.(コーヒーを切らしてしまった。)
- The battery is running out.(電池が切れかけている。)
- We’re out of eggs.(卵を切らしている。)
なお店頭での「在庫切れ」は be out of stock、「品切れです」は We’re out of ~. と表現します。家庭の在庫が心細いときは、朝の会話でそのまま使ってみてください。
三つのポイントを押さえたところで、ここからは朝の流れに沿って表現を積み上げていきます。まずはベッドの中からです。
目が覚めてから布団を出るまでの英語
- wake up は目が覚めること、get up は体を起こして布団から出ること
- 寝坊は overslept、目覚ましに気づかなかったなら slept through my alarm
- 難しい語が出てこないときは、知っている基本語に言い換えれば会話は止まらない
朝の行動は、起きた瞬間から順番に並べていくと記憶に残ります。時間の流れと同じ順序で覚えるので、思い出すときも順番をたどれるからです。

wake up は「目が覚める、目を覚ます」。意識が戻った状態を指します。対して get up は「起き上がる、布団やベッドから出る」で、体を起こす動作です。
この二つは日本語ではどちらも「起きる」ですが、英語では別の場面を表します。目が覚めていてもまだ布団の中でごろごろしているなら、I woke up but I didn’t get up. という状態です。休日の朝を描写するのにぴったりの一文です。
- フレーズ
- I hit the snooze button three times.
- 日本語訳
- スヌーズを3回押した。
- 使う場面
- なかなか起きられなかった朝の言い訳や、英語日記の一文として。家族との軽い雑談にも向きます。
- 注意点・誤用例
- hit は過去形も hit なので、× hitted としないよう注意します。push the snooze button でも通じますが、hit のほうが口語的で勢いが出ます。
- 発音・ニュアンス
- hit the の t は次の th に飲み込まれ、「ヒッザ」に近く聞こえます。snooze の語尾は濁って「スヌーズ」。three times を少し強めると「3回も」という自嘲のニュアンスが出ます。
- I woke up at six this morning.(今朝は6時に目が覚めた。)
- I couldn’t get up right away.(すぐには起き上がれなかった。)
- I got out of bed.(ベッドから出た。)
- I turned off the alarm.(目覚ましを止めた。)
- I slept through my alarm.(目覚ましに気づかず寝てしまった。)
- I overslept./I didn’t get up in time.(寝過ごした。)
- I had a good sleep.(よく眠れた。)
- I’m still half asleep.(まだ寝ぼけている。)
- I feel groggy this morning.(今朝は頭がぼんやりする。)
- I stretched and opened the curtains.(伸びをしてカーテンを開けた。)
- I put on my slippers.(スリッパを履いた。)
- I made the bed.(ベッドを整えた。)
言いたい表現が思い出せないときは、難しい一語を探すより、自分の知っている基本語に置き換えると会話が止まりません。wake up が出てこなければ I opened my eyes.、get up が出てこなければ I got out of bed. で十分に通じます。
布団から出たら、次は家族が集まる場所へ。混雑スポットである洗面所の英語に進みましょう。
洗面所での英語|顔・歯・ひげ
- 顔を洗う wash my face、歯を磨く brush my teeth、ひげを剃る shave が基本の三本柱
- tooth は一本、teeth は複数。歯ブラシ toothbrush と歯磨き粉 toothpaste は単数形を使う
- 鏡を見たときの一言 I look awful. は look+形容詞の型で応用が広い
洗面所での動作は、家族の会話にも鏡の前の独り言にもそのまま使えます。動作を表す動詞と、体の部位を組み合わせるだけなので、覚える負担が小さいのも利点です。
まず押さえるのは三つ。wash my face(顔を洗う)、brush my teeth(歯を磨く)、shave(ひげを剃る)です。所有格の my を落として × wash face としないよう気をつけてください。英語では体の部位に必ず所有格を添えます。
- フレーズ
- I’m washing my face now.
- 日本語訳
- 今、顔を洗っているところ。
- 使う場面
- 呼ばれてすぐ行けない理由を伝えるとき。独り言英語の練習にも最適な一文です。
- 注意点・誤用例
- × I wash my face now. だと習慣を表す現在形になり、「今まさに洗っている」という状況が伝わりません。進行中の動作は be動詞+動詞ing で表します。
- 発音・ニュアンス
- washing my は「ワッシンマイ」とつながります。face の a は口を横に開いた二重母音で「フェイス」。now を軽く下げて言うと落ち着いた響きになります。
- I washed my face with cold water.(冷たい水で顔を洗った。)
- I work the cleanser into a lather.(洗顔料を泡立てる。)
- I brush my teeth for two minutes.(2分間歯を磨く。)
- I floss every morning.(毎朝フロスをする。)
- I rinse my mouth.(口をすすぐ。)
- I have to shave before work.(仕事の前にひげを剃らないと。)
- I cut myself shaving.(ひげを剃って切ってしまった。)
- I’m growing a beard.(ひげを伸ばしている。)
- I put in my contact lenses.(コンタクトレンズを入れる。)
- I washed my hands.(手を洗った。)
- I put on some lotion.(化粧水をつけた。)
歯に関する語では、tooth が一本の歯、teeth がその複数形です。歯ブラシは toothbrush、歯磨き粉は toothpaste で、どちらも単数形の tooth が使われています。道具の名前は単数、磨く対象は複数と整理しておくと混乱しません。
父親の I look awful. も覚えておきたいひとことです。look は「~に見える」で、鏡を見て自分の状態にがっかりしたときにぴったりの型になります。
- I look awful this morning.(今朝はひどい顔だ。)
- I look terrible./I look like a mess.(ひどい状態だ。)
- You look tired. Did you sleep well?(疲れて見えるね。よく眠れた?)
- I have bags under my eyes.(目の下にクマがある。)
- My face is puffy.(顔がむくんでいる。)
- You look great today!(今日は素敵だね!)
顔を洗い終えたら、朝の時間をもっとも大きく左右する工程が待っています。髪です。
髪とメイクを整える朝の英語
- 髪をとかす brush、セットする do、直す fix と、動詞ごとに役割が違う
- 寝癖は bed head、髪がはねている状態は My hair is sticking up.
- メイクは put on makeup または do my makeup。省略した日は skipped が便利
娘のセリフ I have to curl my hair. のように、髪の処理は朝の時間配分を決めてしまいます。髪に関する動詞は種類が多いので、まとめて押さえてしまいましょう。
ポイントは、道具と動詞がセットになっていることです。ブラシなら brush、櫛なら comb、コテなら curl、アイロンなら straighten と対応しているので、道具を思い浮かべれば動詞が出てきます。
- I brush my hair./I comb my hair.(髪をとかす。)
- I do my hair.(髪をセットする。)
- I fix my hair.(髪を直す、寝癖を直す。)
- My hair is sticking up.(髪がはねている。)
- I have bed head this morning.(今朝は寝癖がついている。)
- I curl my hair with a curling iron.(コテで髪をカールする。)
- I straighten my hair.(髪をストレートにする。)
- I tie my hair back.(髪を後ろで結ぶ。)
- I put my hair up in a ponytail.(ポニーテールにする。)
- I braid her hair.(彼女の髪を三つ編みにする。)
- I blow-dry my hair.(ドライヤーで髪を乾かす。)
- I use a lot of hairspray.(ヘアスプレーをたくさん使う。)
- I washed my hair last night.(昨夜、髪を洗った。)
hair は「髪全体」を指すときは数えられない名詞として扱い、× my hairs とは言いません。my hairs にすると一本一本の毛を指す響きになり、抜け毛の話のように聞こえてしまいます。My hair is long. のように単数扱いの動詞を合わせてください。
メイクも朝の定番です。動詞は put on と do のどちらも使えるので、言いやすいほうを選んでください。
- フレーズ
- I skipped my makeup today.
- 日本語訳
- 今日はメイクを省略した。
- 使う場面
- 寝坊した朝や在宅で過ごす日の描写。skip は朝食・朝練・授業など幅広い対象に使えます。
- 注意点・誤用例
- makeup は数えられない名詞なので × a makeup とはしません。「化粧品」を指すなら cosmetics、「ノーメイク」は no makeup または bare face と言います。
- 発音・ニュアンス
- skipped の語尾は「ト」と軽く息を切るだけ。makeup は前half に強勢を置いて「メイカップ」。淡々と言うと自然で、深刻な響きにはなりません。
- I put on makeup./I do my makeup.(メイクをする。)
- I draw my eyebrows.(眉を描く。)
- I curl my eyelashes with an eyelash curler.(ビューラーでまつげをカールする。)
- I put on sunscreen.(日焼け止めを塗る。)
- I’m almost done with my makeup.(メイクはもうすぐ終わる。)
髪が決まったら、いよいよ服です。ここには紛らわしい語が集中しているので、丁寧に整理していきます。
着替えの英語|put on と wear の違い
- put on は身につける動作、wear はすでに身につけている状態
- 「それを着なさい」は Put it on. の語順。Put on it. とは言わない
- get dressed は外出できる服に着替える、change clothes は別の服に替える
朝の身支度で最後にくるのが着替えです。日本語ではどれも「着る」で済んでしまうため、英語では選択に迷いやすい場面でもあります。
put on は身につける「動作」、wear はすでに身につけている「状態」です。get dressed は部屋着やパジャマから外出できる服に着替えること、change clothes は服を別のものに替えることを表します。
「服を着なさい」と促すなら Put on your clothes. が正解で、× Wear your clothes. とは通常言いません。逆に「あの人は赤いコートを着ている」は He’s wearing a red coat. で、こちらは状態を表す wear です。動作か状態かと自分に問いかけるのが判断の近道です。
代名詞を使うときの語順に注意が必要です。「それを着なさい」は × Put on it. ではなく Put it on. になります。put on のような句動詞では、代名詞は動詞と副詞の間に挟まります。Take it off.(それを脱いで)も同じ形です。名詞なら Put on your coat. でも Put your coat on. でも構いません。
- フレーズ
- Let’s get dressed.
- 日本語訳
- お着替えしよう。
- 使う場面
- 子どもに着替えを促すとき。Let’s で誘う形にすると、命令より柔らかく響きます。
- 注意点・誤用例
- × Let’s dress. とすると「誰かに服を着せる」響きになります。自分が着替える場合は get dressed と受け身に近い形を使うのが自然です。dress up は「おしゃれをする、正装する」という別の意味になります。
- 発音・ニュアンス
- get dressed は t が次の d に飲み込まれ「ゲッドレスト」に近い音になります。明るく上げ調子で言うと、子どもも動きやすい誘いかけになります。
- Take off your pajamas, please.(パジャマを脱いでね。)
- Put on your socks.(靴下を履いて。)
- Put on your shoes.(靴を履いて。)
- Put on your hat.(帽子をかぶって。)
- I changed into my uniform.(制服に着替えた。)
- What are you going to wear today?(今日は何を着るの?)
- This shirt is wrinkled. I need to iron it.(このシャツはしわだらけ。アイロンをかけないと。)
- I can’t find my other sock.(片方の靴下が見つからない。)
- Which one do you want to wear?(どっちを着たい?)
- Button up your shirt.(シャツのボタンを留めて。)
- Your shirt is inside out.(シャツが裏返しだよ。)
put on の反対は take off(脱ぐ)です。飛行機の「離陸」と同じ語ですが、身につけたものを外すという意味でも幅広く使えます。帽子、靴、眼鏡、マスクまで、すべて take off で対応できます。
身支度が整えば、次は家族が顔をそろえる食卓です。呼びかけからお皿を片付けるまでの流れを追ってみましょう。
朝食の食卓で交わす英語
- Breakfast is ready! の be ready は昼食・夕食にもそのまま応用できる
- 呼ぶ・食べる・片付けるの三段階でフレーズをそろえておくと会話が続く
- 朝食を抜いた日は skipped breakfast、つかんで出たなら grabbed が便利
母親の Breakfast is ready! は、そのまま毎朝使えるフレーズです。be ready で「準備ができている」を表すので、Dinner is ready. や Lunch is ready. と入れ替えるだけで一日中応用できます。

まずは呼ぶときの表現から。短く、明るく、上げ調子で言うのが家庭の朝らしい響きになります。
- Breakfast is ready!(朝ごはんできたよ!)
- Come and get it!(できたよ、取りにきて!)
- Who wants breakfast?(朝ごはん食べたい人〜?)
- Come to the table, please.(食卓に来てね。)
- Wash your hands first.(まず手を洗ってね。)
- Breakfast is on the table.(朝ごはんはテーブルの上よ。)
食べる前と食べている間のひとことも用意しておきましょう。子どもへの声かけとしてよく使われる表現が中心です。
- Go ahead—dig in!(さあ、食べよう!)
- What?? You’re not hungry?(えっ、お腹すいてないの?)
- Guess what—we’re having pancakes today!(なんと、今日はパンケーキだよ!)
- Please eat slowly.(ゆっくり食べてね。)
- Can you sit up while you eat?(食べるときは姿勢よく座ろうね。)
- Is it yummy?(おいしい?)
- Do you want some more?(もっといる?)
- Don’t play with your food.(食べ物で遊ばないで。)
- Use your fork, please.(フォークを使ってね。)
食べ終わったあとは、ほめる言葉と片付けの指示をセットにすると流れがきれいにつながります。
- Are you all done?(食べ終わった?)
- Wow, the plate’s empty!(わあ、お皿が空っぽ!)
- Nice job!(よくできたね!)
- Put your dish in the sink, please.(お皿をシンクに置いてね。)
- Let’s clean up and get ready for the day.(片付けて、一日を始めよう。)
- Can you wipe the table?(テーブルを拭いてくれる?)
「時間がないから朝食抜き」という日もあります。そんな朝を描写する表現も持っておくと、英語日記の材料が増えます。
- フレーズ
- I just grabbed a banana.
- 日本語訳
- バナナをつかんで出た。
- 使う場面
- 時間がなく、簡単なものだけ持って家を出た朝の説明。職場や学校での雑談にも使えます。
- 注意点・誤用例
- grab は「つかむ」が本義ですが、食べ物と組み合わせると「軽く食べる、さっと買う」の意味になります。grab a coffee、grab lunch も同じ用法。乱暴に奪う意味には取られません。
- 発音・ニュアンス
- grabbed の語尾は濁った b の音を軽く添える程度。just を強めると「バナナだけ」という物足りなさが伝わります。
- I skipped breakfast today.(今日は朝食を抜いた。)
- I had toast and coffee on the go.(移動しながらトーストとコーヒーをとった。)
- I don’t usually eat breakfast.(普段は朝食を食べない。)
- I’ll eat something on the train.(電車で何か食べる。)
ところで母親の最後のセリフには、時間の感覚を表す便利な型が使われていました。次はそこを掘り下げます。
「時間がかかる」「もうすぐ」を伝える時間表現
- It takes+時間+(for 人)+to do で「(人が)~するのに時間がかかる」
- after a while はしばらくして、in a while はしばらくしたら、for a while はしばらくの間
- 呼ばれたときの返事は I’ll be right there. と Give me a minute. の二枚看板でしのげる
母親の It takes quite a while for her to do that. は、所要時間を伝える万能の型です。主語の It は形式的なもので、実際の中身は to do 以降が担っています。
形は It takes+時間+(for 人)+to do。誰がやるのかを言う必要がなければ for 人 は省略できます。身支度の所要時間を語るときの定型として覚えてしまいましょう。
- It takes me thirty minutes to get ready.(身支度に30分かかる。)
- It takes quite a while.(かなり時間がかかる。)
- How long does it take you to do your hair?(髪をセットするのにどのくらいかかる?)
- It doesn’t take long.(そんなに時間はかからない。)
- It only takes five minutes.(5分しかかからない。)
- It took longer than I expected.(思ったより時間がかかった。)
「もうすぐ」「あとで」の言い分けも押さえておきましょう。急いでいる相手を待たせるときは、待ち時間の目安を添えると親切です。
- フレーズ
- I’ll be right there.
- 日本語訳
- すぐそこへ行くよ。
- 使う場面
- 別の部屋から呼ばれたとき、店員が「すぐ伺います」と言うときにも使われます。
- 注意点・誤用例
- 相手のいる場所は there で表します。× I’ll be right here. だと「私はここに留まる」という逆の意味になってしまいます。right は「ちょうど、すぐに」を強める副詞です。
- 発音・ニュアンス
- I’ll be は「アイルビー」と一息で。right there は t が飲み込まれて「ライッゼア」に近い音になります。語尾を下げると落ち着いた印象です。
- I’ll come soon.(すぐ行くよ。)
- Give me a minute.(ちょっと待って。)
- I’ll be down in five minutes.(5分で下に降りるよ。)
- I’ll come after a while.(しばらくしてから行くね。)
- Just a sec!(ちょっとだけ待って!)
- Almost done!(もうすぐ終わる!)
- Hold on, please.(少し待ってね。)
after a while は「少し時間が経ってから」。in a while なら「しばらくしたら」、for a while なら「しばらくの間」と、前置詞ひとつで意味が変わります。I haven’t seen you for a while.(しばらく会っていないね)のように、あいさつでも活躍します。
時間の話が出たところで、朝の忙しさが最高潮に達する場面へ移りましょう。玄関前の数分間です。
出発直前と「遅刻しそう」なときの英語
- 忘れ物の確認は Do you have everything? のひとことで足りる
- be late for ~ は遅刻、run late は予定より遅れている進行中の状態
- 見送りの Have a good day! と I’m off! は毎朝そのまま使える
玄関前は、朝でもっとも声が飛び交う場所です。急かす言葉、確認の言葉、見送りの言葉の三種類をそろえておくと、この数分間をまるごと英語にできます。
急かすときの定番は Hurry up! ですが、これだけだと強く響きます。理由を添えてWe’re going to be late. と続けると、命令ではなく状況の共有になります。
- Hurry up! We’re going to be late.(急いで! 遅れるよ。)
- We need to leave in five minutes.(5分後に出ないと。)
- You’ll be late for school!(学校に遅刻するよ!)
- Do you have everything?(忘れ物ない?)
- Did you pack your lunch?(お弁当持った?)
- Don’t forget your umbrella.(傘を忘れないで。)
- Where are my keys?(鍵はどこ?)
- Have you seen my phone?(私のスマホ見なかった?)
- I’m running late.(遅れそう。)
- I’m in a rush this morning.(今朝は急いでいる。)
- I missed the train.(電車に乗り遅れた。)
- I made it just in time.(ぎりぎり間に合った。)
- フレーズ
- I’m off!
- 日本語訳
- 行ってきます!
- 使う場面
- 家を出るとき、職場から退勤するときにも使えます。家族や親しい同僚向けのカジュアルな表現です。
- 注意点・誤用例
- 英語に「行ってきます」の決まり文句はないため、I’m off! や I’m leaving now. See you later. などで代用します。× I’m off. を「休みです」の意味で使う場合は I’m off today. と today を添えないと紛らわしくなります。
- 発音・ニュアンス
- off に強勢を置いて短く切ります。「アイム オフ」と区切るより「アイモフ」と勢いよく言うほうが自然で、元気な出発の空気が出ます。
- Have a good day!(いい一日を!)
- See you tonight.(また夜にね。)
- Drive safely.(運転気をつけて。)
- Text me when you get there.(着いたら連絡して。)
- Take care!(気をつけてね!)
be late for ~ の for、be late だけで「遅れる」、run late で「予定より遅れている」といった細かな違いは、理屈で覚えるより口に出して身につけるほうが早道です。声に出すたびに、次の朝で使える確率が上がります。
ここまでは表現の中身を見てきました。次は「どう伝えるか」という言い方の温度に目を向けます。
親から子への声かけをやわらかくする型
- It’s time to+動詞の原形、It’s time for+名詞が声かけの二大テンプレート
- Can you ~? / Could you ~? の疑問形にすると依頼の響きになる
- ほめ言葉を先に用意しておくと、英語そのものを好きになりやすい
朝の声かけは、つい命令調になりがちです。Wake up! だけだと日本語の「起きろ!」に近い強さが出るので、クッションになる型を持っておくと家庭の空気が変わります。
まずは (It’s) time to+動詞の原形で「~する時間だよ」。時計が言っているような客観的な響きになるので、命令ではなく事実の伝達として受け取られやすくなります。
- It’s time to wake up.(起きる時間だよ。)
- It’s time to get up.(起きる時間だよ。=体を起こして)
- It’s time to go to bed.(寝る時間だよ。)
- It’s time to leave.(出る時間だよ。)
- It’s time to brush your teeth.(歯を磨く時間だよ。)
名詞を続けたいときは (It’s) time for+名詞。動詞を思い出す手間がないので、口が慣れていない段階ではこちらのほうが出しやすいかもしれません。
- It’s time for breakfast.(朝ごはんの時間だよ。)
- It’s time for school.(学校の時間だよ。)
- It’s time for bed.(寝る時間だよ。)
please を添える、Can you ~? / Could you ~? の疑問形にする、Let’s ~ で誘う形にするだけでも印象はやわらぎます。会話の中で父親が Can you bring it to me? と言っているのも、Bring it! より丁寧に頼む形です。
Do it now! や Stop it! のような短い命令形は、大人同士のやりとりではかなり強く響きます。家庭内なら通用しても、職場や初対面の相手には Could you ~? / Would you mind ~? の形を選んでください。please を付けても命令形は命令形のままなので、疑問形にすることが柔らかさの決め手になります。
そして、できたときにほめる言葉をセットで用意しておくと、子どもが英語そのものに前向きになりやすくなります。短く、すぐ出せるものから覚えましょう。
- Good job!/Nice job!(よくできたね!)
- You did it!(やったね!)
- I’m proud of you!(えらいね!)
- Well done!(上手にできたね!)
- Amazing!(すごい!)
- Thanks for helping.(手伝ってくれてありがとう。)
声かけの型が整ったところで、会話にもう一度戻ります。父親の頼み方には、come / go と同じ「方向」の考え方が隠れていました。
bring と take、もうひとつの方向の話
- bring は話題の中心となる場所へ持ってくる、take は離れた場所へ持っていく
- come / go と同じく「誰の場所を基準にするか」で決まる
- 持ち物の確認では take、頼みごとでは bring が出番になりやすい
父親の Can you bring it to me? にも、come / go と同じ考え方が働いています。bring は話し相手や話題の中心となる場所へ「持ってくる」、take はそこから離れた場所へ「持っていく」です。
この場面では、父親はトイレの中、娘は外にいます。父親から見て「自分のところへ持ってくる」ので bring になります。もし娘の視点で「ここからあっちへ持っていく」と言うなら take が自然です。
come / go と bring / take は、どちらも誰の場所を基準にするかで決まります。この一点を意識するだけで、迷いが大きく減ります。
- Can you bring me a towel?(タオルを持ってきてくれる?)
- Don’t forget to take your lunch box.(お弁当を持っていくのを忘れないで。)
- I’ll bring my umbrella.(傘を持っていく。)※出かける先が話題の中心
- Take these dishes to the kitchen.(このお皿をキッチンへ持っていって。)
- Bring your homework to school.(宿題を学校に持っていって。)※学校が話題の中心
- Take out the trash, please.(ゴミを出してね。)
迷ったときは、「その物が最後にどこにあるか」を思い浮かべてください。相手や話題の中心にある場所へ動くなら bring、それ以外へ動くなら take。この順序で考えると、判断が安定します。
続いて、会話に出てきた a roll of toilet paper の数え方も確認しておきましょう。日常会話で意外とつまずくポイントです。
数え方のひとこと|a roll of toilet paper
- toilet paper は数えられない名詞なので a roll of ~ という単位を借りる
- 石けんは a bar of、歯磨き粉は a tube of と、形に合わせて単位が変わる
- flush は「水を流す」。Flush the toilet, please. でそのまま使える
会話の中に a roll of toilet paper が出てきます。toilet paper は数えられない名詞なので、× a toilet paper とは言えません。「一巻き」と数えるためにa roll of ~ という単位が必要になります。
こうした容器や形を借りた数え方は、日常会話にたくさん登場します。洗面所と食卓で使うものだけでも、これだけあります。
- a roll of toilet paper(トイレットペーパー1巻き)
- a bar of soap(石けん1個)
- a tube of toothpaste(歯磨き粉1本)
- a glass of water(水1杯)
- a cup of coffee(コーヒー1杯)
- a slice of bread(パン1枚)
- a piece of paper(紙1枚)
- a carton of milk(牛乳1パック)
- a bowl of cereal(シリアル1杯)
なお flush は「水を流す」。Flush the toilet, please.(トイレの水を流してね)や The toilet won’t flush.(トイレの水が流れない)のように、そのまま使えます。won’t は「どうしても~しない」という機械の不調を表すときの定番です。
ここまでで材料はそろいました。次は、それを自分の口に定着させる練習方法へ進みます。
朝を英語で描写する独り言練習法
- 動作をしながら I’m ~ing. の形でつぶやくだけでよい
- 誰にも聞かせないので、間違いを恐れず口を動かせる
- 寝る前に朝の出来事を三文だけ書き出すと、記憶が整理されやすい
覚えた表現を定着させるいちばん手軽な方法は、朝の行動をそのつど英語でつぶやくことです。相手がいないので、文法の正確さを気にせず口を動かせます。
やり方は単純です。動作をしながら、その動作を I ~ の形で言うだけ。進行中なら I’m ~ing. の形にすると、状況にぴったり合います。
- I’m turning off the alarm.(目覚ましを止めている。)
- I’m getting out of bed.(ベッドから出るところ。)
- I’m washing my face.(顔を洗っている。)
- I’m brushing my teeth.(歯を磨いている。)
- I’m drying my hair.(髪を乾かしている。)
- I’m getting dressed.(着替えている。)
- I’m making coffee.(コーヒーを淹れている。)
- I’m packing my bag.(カバンに荷物を詰めている。)
- I’m putting on my shoes.(靴を履いている。)
- I’m heading out.(出かけるところ。)
言葉が出てこない動作に出会ったら、そこが自分の伸びしろです。メモに日本語で書き留めておき、夜に調べて翌朝の独り言に加える。これを繰り返すだけで、自分の生活に必要な語彙だけが集まっていきます。
一日の終わりに、朝の出来事を三文だけ書き出すのもおすすめです。長く書こうとすると続かないので、三文という上限があることが大切です。
- 日記の例(基本編)
- I woke up at seven. I got out of bed and washed my face. Then I got dressed.
(7時に目が覚めた。ベッドから出て顔を洗い、それから着替えた。) - 日記の例(応用編)
- This morning was hectic. My dad was in the bathroom for twenty minutes, and we ran out of toilet paper. I skipped breakfast and ran to the station.
(今朝はバタバタだった。父が20分もトイレにいて、しかもトイレットペーパーが切れた。朝食を抜いて駅まで走った。) - 書くときのポイント
- 過去のことなので動詞は過去形に。woke / got / washed / ran のように、朝の動詞の過去形を書くたびに確認できるのが利点です。hectic は「てんてこ舞いの」という意味で、忙しい朝の描写に重宝します。
完璧な言い回しを探すより、知っている単語で言い切ることを優先してください。「言えた」という経験が積み上がるほど、口が動くようになります。
ひとりの練習に慣れてきたら、相手のいるやりとりも試してみましょう。次はアレンジした会話です。
練習用ミニ会話|起こす側と起きる側
- 役を決めて音読すると、リズムと間の取り方まで身につく
- Five more minutes, please. や That takes forever. は家族らしい温度の口語
- 一人二役でも練習になる。声の高さを変えて読むと切り替えが楽になる
元の会話に慣れたら、少しアレンジしたやりとりでも口を動かしてみましょう。起こす側と起きる側という、どの家庭にもある構図です。
- Mother(母)
- Wake up, honey. It’s time to get up.
(起きて。起きる時間よ。) - Son(息子)
- Five more minutes, please.
(あと5分だけ。) - Mother(母)
- You said that ten minutes ago. You’ll be late for school.
(10分前も同じこと言ってたでしょ。学校に遅れるわよ。) - Son(息子)
- Okay, okay. I’m getting up. Is the bathroom free?
(わかったよ、起きる。洗面所空いてる?) - Mother(母)
- Your sister’s in there. She’s doing her hair.
(お姉ちゃんが入ってる。髪をセットしてるのよ。) - Son(息子)
- That takes forever. I’ll just brush my teeth in the kitchen.
(それって永遠にかかるやつだ。キッチンで歯を磨くよ。) - Mother(母)
- Breakfast is on the table. Eat something before you go.
(朝ごはんはテーブルの上よ。出る前に何か食べて。) - Son(息子)
- I’ll grab a banana. Where are my keys?
(バナナ持っていく。鍵どこ?) - Mother(母)
- On the shelf. Do you have everything?
(棚の上。忘れ物ない?) - Son(息子)
- Yeah. I’m off! See you tonight.
(うん。行ってきます! また夜に。)
That takes forever.(それは永遠にかかる)は、時間がかかることへの軽いぼやきとしてよく使われる言い方です。It takes a while. をさらに大げさにした表現で、家族間の会話らしい温度が出ます。
Five more minutes, please. も覚えておくと便利です。数字+more+名詞で「あと~」を表すので、Five more minutes. Two more pages. One more cup. と応用が利きます。
練習相手がいない場合は、一人二役で構いません。母のセリフは少し高めに、息子のセリフは眠そうに。声の質を変えるだけで、切り替えの練習にもなります。
音読で口が慣れてきたら、迷いやすい語をもう一度整理して知識を固めましょう。
覚えておきたい使い分けの整理と発音練習
- 迷いやすい六組は「誰の視点か」「動作か状態か」で判断できる
- 朝のフレーズは音がつながる箇所が多く、区切らず言うほうが伝わりやすい
- th、l と r、語尾の子音の三点を意識すると聞き取ってもらいやすくなる
朝のシーンで混乱しやすい組み合わせを、一覧で並べておきます。迷ったときに戻ってこられる地図として使ってください。
| 迷いやすい組 | 選び方の基準 |
|---|---|
| wake up / get up | 目が覚めた=wake up、体を起こした=get up |
| put on / wear | 身につける動作=put on、着ている状態=wear |
| come / go | 相手のいる場所へ向かう=come、それ以外へ=go |
| bring / take | 話題の中心へ持ってくる=bring、離れた場所へ=take |
| bathroom / restroom | 家の中=bathroom、外の施設=restroom |
| be running out of / have run out of | 減ってきている=進行形、もう無い=完了形 |
この六組は、朝の会話だけでなく一日中さまざまな場面で顔を出します。どちらか迷ったら「誰の視点か」「動作か状態か」と自分に問いかける癖をつけると、判断が速くなります。
発音についても、朝のフレーズに絞って三点だけ挙げておきます。まず、単語をひとつずつ区切らないこと。get up は「ゲット アップ」ではなく「ゲラップ」に近く、wake up は「ウェイカップ」に近い音になります。
次に th の音。teeth、toothbrush、bathroom はいずれも舌先を上の歯の裏か歯先に軽く当て、息を通します。s の音で代用すると teeth が「チーズ」のように聞こえてしまうことがあります。
三点目は l と r の区別です。late と rate、collar と color のように、朝の会話でも紛らわしい組が登場します。l は舌先を上の歯茎につけたまま声を出し、r は舌をどこにもつけずに口の奥で丸めます。
- 音読練習用の一続きフレーズ
- I woke up, got out of bed, washed my face, brushed my teeth, and got dressed.
- 日本語訳
- 目が覚めて、ベッドから出て、顔を洗い、歯を磨いて、着替えた。
- 使う場面
- 朝の動詞の過去形をまとめて練習したいとき。英語日記の下書きにもそのまま使えます。
- 発音・ニュアンス
- got out of は「ガラウラヴ」に近くつながります。washed、brushed の語尾は t の音で軽く止め、and got dressed は「アンガッドレスト」と一息で。10回続けて言えるようになると、朝の描写が口から自動的に出るようになります。
整理と発音の確認ができたら、あとは続ける仕組みづくりです。無理のない一週間の進め方を用意しました。
一週間で朝の英語を口に馴染ませる進め方
- 一日一場面に絞ると、忙しい朝でも負担にならない
- 覚える順番は起床→洗面→着替え→朝食→出発と、実際の流れに合わせる
- 七日目に会話全体を通すと、断片が一本の流れにつながる
表現をまとめて詰め込もうとすると、朝の忙しさに負けて続きません。一日一場面に絞り、その場面のフレーズだけを口にする日を作るほうが定着します。

以下は、実際の朝の流れに沿って場面を割り振った七日間の進め方です。曜日は自分の生活に合わせて入れ替えて構いません。
- 1日目:起床の三文だけ。I woke up. / I got out of bed. / I turned off the alarm. を布団の中で言う
- 2日目:洗面所の三文。I’m washing my face. / I’m brushing my teeth. / I have to shave. を鏡の前で言う
- 3日目:髪と身支度。I’m doing my hair. / I have bed head. / I’m getting dressed. を加える
- 4日目:朝食の呼びかけと返事。Breakfast is ready! と I’m coming! をセットで練習する
- 5日目:時間表現。It takes me ~ minutes to get ready. の空欄を自分の実際の分数で埋める
- 6日目:出発直前。Do you have everything? / I’m off! / Have a good day! を玄関で言う
- 7日目:会話全体を通して音読し、夜に英語日記を三文書く
言えなかった日があっても気にしないでください。朝は毎日来るので、翌日にそのまま持ち越せます。連続記録を目標にすると途切れたときにやめてしまうので、「言えた朝を数える」ほうに意識を向けると続けやすくなります。
家族と一緒に取り組むなら、週に一日だけ「朝の英語デー」を決める方法もあります。全部を英語にする必要はなく、Breakfast is ready! と I’m off! の二つだけ英語にする、といった軽さで十分です。
ひとりで続けてみて、発音の確認や会話の相手が欲しくなったら、人と話す機会を持つのも選択肢のひとつです。
よくある質問
- 覚える順番、紛らわしい語、家族との練習方法について疑問を整理
- 間違いを気にしすぎないことが、朝の英語を続ける前提になる
最後に、朝の英語に取り組むときによく挙がる疑問をまとめました。気になるところから読んでください。
朝の英語フレーズは何から覚えればいいですか?
自分が毎朝必ずする動作から始めるのがおすすめです。顔を洗う、歯を磨く、着替えるといった行動は例外なく発生するため、覚えた翌日から必ず使う機会があります。まずは I’m washing my face. / I’m brushing my teeth. / I’m getting dressed. の三文に絞り、鏡の前で口に出すところから始めてください。三文が自然に出るようになってから、髪や朝食、出発前のフレーズへ広げていくと負担が少なくなります。
bathroom と restroom はどう使い分けますか?
家の中のトイレは bathroom、レストランや駅などの公共の場所は restroom と覚えておくと外しません。アメリカ英語の bathroom は浴槽・洗面台・便器が一室にまとまった空間を指すため、家庭内のトイレを bathroom と呼ぶのが自然です。よその家では May I use your bathroom?、店や駅では Excuse me, where’s the restroom? と尋ねます。なお Where is the toilet? は便器そのものを指す響きが強く、やや直接的に聞こえることがあります。
「すぐ行くよ」が go ではなく come になるのはなぜですか?
英語の come と go は、話し手の位置ではなく会話の相手がいる場所を基準に選ぶためです。相手のいる場所へ近づいていくなら come、相手も自分もいない第三の場所へ向かうなら go を使います。ダイニングにいる家族から呼ばれてそこへ向かうなら I’ll come soon. や I’m coming! が自然です。ここで I’ll go soon. と答えると、どこか別の場所へ出かけるように響いてしまいます。
wake up と get up はどう違いますか?
wake up は目が覚めて意識が戻ることを指し、get up は布団やベッドから体を起こして出ることを指します。日本語ではどちらも「起きる」ですが、英語では別の場面を表します。目は覚めたけれどまだ布団の中でごろごろしている状態は I woke up but I didn’t get up. と表現できます。子どもを起こすときは、まず It’s time to wake up. と声をかけ、それでも動かなければ It’s time to get up. と続けると意味が通ります。
put on と wear はどちらを使えばいいですか?
身につける動作を表すなら put on、すでに身につけている状態を表すなら wear を選びます。「靴下を履いて」と促すときは Put on your socks.、「赤いコートを着ている人」と説明するときは He’s wearing a red coat. です。代名詞を使う場合は語順が変わり、Put it on. の形になります。Put on it. とは言わないので、この一点だけ気をつけてください。パジャマから外出着に替える全体の動作は get dressed で表せます。
独り言で英語を練習する方法は本当に役に立ちますか?
効果の大きさは人によって異なりますが、口を動かす回数を増やせるという点で取り組みやすい方法です。相手がいないので間違いを恐れずに済み、教材を開く時間がない日でも練習量をゼロにしません。動作をしながら I’m ~ing. の形で言うだけなので、準備も要りません。言葉が出てこない動作に出会ったらメモしておき、夜に調べて翌朝に加える。この繰り返しで、自分の生活に必要な語彙が集まっていきます。
家族に英語で声をかけるとき、命令口調になってしまいます。
It’s time to+動詞の原形、It’s time for+名詞という型を使うと、命令ではなく時間の共有として伝わります。It’s time to wake up. や It’s time for breakfast. のように、時計が言っているような客観的な響きになるのが利点です。頼みごとは Can you ~? / Could you ~? の疑問形に、誘いかけは Let’s ~ にするだけでも印象が変わります。できたときの Good job! や You did it! を先に用意しておくと、やりとり全体の温度が上がります。
明日の朝、ひとことつぶやいてみる
- 忙しさそのものが練習材料になるのが朝のテーマの強み
- 洗面所でひとことつぶやくだけで、その日の学習はゼロにならない
- 家族への声かけを英語に置き換えると、家の中の空気も少し変わる
朝は短い時間にいろいろなことをしなければならないので、慌ただしくなりがちです。トイレの順番を待ったり、身支度をしたり、朝食をかき込んだり。
でも、その忙しさこそが英語の練習材料になります。毎日必ず繰り返す行動なので、一度覚えた表現を何度も使う機会が自動的にやってくるからです。教材を開く時間がとれない日でも、洗面所で I’m washing my face. とつぶやくだけで、その日の学習はゼロではなくなります。
この記事で扱った表現のうち、明日の朝に使えそうなものを三つだけ選んでみてください。多く選びすぎると全部言えずに終わってしまうので、三つが手ごろな量です。
家族に声をかけるひとことを英語に置き換えるだけでも、家の中の空気が少し変わります。身近なところから覚えていくと、続けること自体が楽しくなっていきます。
それでは、明日の朝の一言目に。Have a good day!

