慣れない国で体調を崩したとき、いちばん重くのしかかるのは「病院に行くべきかどうか」という判断ではなく、「英語で症状を説明できるだろうか」という不安ではないでしょうか。喉が痛い、頭が重い、お腹の調子が悪い。日本語なら一言で済むことが、英語だと途端に言葉に詰まってしまいます。

その結果、薬の棚の前で二十分立ちすくんで、結局何も買わずに宿へ戻る——という経験をした人は少なくありません。棚に並ぶ箱の文字は読めるのに、どれが自分の症状に合うのか分からない。店員に声をかけようとして、最初の一言が出てこない。この足踏みは、語彙と型を少し用意しておくだけで解消できます。

ここでは、市販薬を買う場面で本当に使う英単語、症状の伝え方、店頭での会話の流れ、そしてパッケージや説明書に書かれた英語の読み解き方を、実際に立つ順番どおりに並べていきます。読み終えたときには「熱と喉の痛みがあるので、眠くならない薬を探しています」を自分の口で言える状態を目指します。体系的に会話力を伸ばしたい方は英語教室のようにやりとりを声に出して練習できる環境を併用すると、店頭での反応速度が変わってきます。

まずは、なぜ海外では市販薬の出番が多いのか、その前提から押さえておきましょう。ここを理解しておくと、店頭で「病院に行かなくていいのか」と迷う時間が短くなります。

ドラッグストアの薬の棚の前で日本人旅行者が薬剤師に相談している様子
薬の棚の前で迷ったら、遠慮せず店員や薬剤師に声をかけるのが最短ルート
目次 [ close ]
  1. 海外では「軽い不調は市販薬で」が生活の前提になっている
  2. 処方薬(Prescription Drug)と市販薬(OTC)の違い
    1. Prescription Drug(処方薬)
    2. OTC Medicine(市販薬)
  3. drugstore・pharmacy・chemist の違いと店内での動き方
  4. medicine・drug・medication・remedy の使い分け
    1. medicine ― 迷ったらこれ
    2. drug ― 専門的だが単独使用は避けたい
    3. medication ― 処方薬・継続服用の薬
    4. remedy ― 薬に限らない「対処法」
  5. 症状別に覚えておきたい薬の英単語
    1. 症状別の薬の名前
    2. 薬の形を表す語
    3. 説明書や会話に出る関連用語
  6. 症状を英語で伝える三つの型
    1. 型1:I have ~ で症状を挙げる
    2. 型2:I feel ~ で感覚を伝える
    3. 型3:have been ~ing で継続期間を添える
    4. 程度と希望を伝える
    5. 体温は単位に注意
  7. ドラッグストアでの会話の流れ
    1. 会話に出てきた表現の整理
  8. 薬剤師に確認しておきたい質問フレーズ
    1. 用法・用量について
    2. 飲み合わせと体質について
    3. 副作用と生活への影響について
    4. 成分・価格・会計について
  9. 塗り薬・虫刺され・体調管理グッズの英語
  10. 子どもの薬は電話で相談するのが基本
  11. 説明書・パッケージに出てくる英語表現
    1. 服用のタイミング
    2. 回数と量
    3. 対象年齢と制限
    4. 注意書き
  12. 間違いやすいポイントと注意点
    1. 「薬を飲む」は take を使う
    2. 商品名は国ごとに違う
    3. 処方箋の必要・不要は国で入れ替わる
    4. 持病がある人は準備を厚めに
    5. 医療費・薬代は日本より高くつきやすい
    6. 改善しないときは受診をためらわない
  13. 店頭で通じる発音とリズムの練習
    1. アクセント位置を確認したい語
    2. 三段階で声に出す練習
    3. つながって聞こえる音に慣れる
  14. 渡航前の準備と一週間の練習プラン
    1. 出発前に用意する四つのメモ
    2. 一週間の練習プラン
  15. 覚えておきたいフレーズの最短リスト
  16. よくある質問

海外では「軽い不調は市販薬で」が生活の前提になっている

この章の要点
  • 多くの国では受診費用と予約待ちの負担が大きく、軽い症状は市販薬で対処する習慣が根づいている
  • そのぶん市販薬の種類が豊富で、成分の強い製品も棚に並んでいる
  • 選択肢が多い環境では「相談する英語」が最も実用的な武器になる

海外で体調を崩したときの現実的な第一手は、医療機関ではなくドラッグストアです。理由は単純で、多くの国では受診までの手間と費用が日本より大きいからです。

日本には公的な健康保険があるため、熱が出れば近所のクリニックへ、という行動を少ない自己負担で選べます。一方、民間保険が中心の国では、加入しているプランによって使える病院や薬局まで決まります。診察料や処方箋料が高額になるケースも珍しくありません。

さらに予約制が基本のため、電話をしても数日先しか空いていないことがあります。症状が軽いと判断されれば、電話口で「市販の風邪薬を飲んで様子を見てください」と案内されることもあります。実際に受診しても、抗生物質のように処方が必要な薬を除けば、市販薬を買うよう指示される場面がしばしばあります。

この背景があるからこそ、海外の市販薬は日本より品揃えが厚いのが一般的です。日本なら処方箋が必要になるような成分量の製品が、普通に棚に並んでいることもあります。

ただし、選択肢が多いことは初心者にとって必ずしも歓迎すべき状況ではありません。似た箱が横に十種類並んでいると、成分表示を一つずつ読み比べる余裕は体調が悪いときにはありません。だからこそ、人に聞いて絞り込む英語が効きます。

では、その「聞く相手」はどこにいるのでしょうか。次に、店内の構造と薬の区分を整理します。

処方薬(Prescription Drug)と市販薬(OTC)の違い

この章の要点
  • 処方箋が必要な薬は prescription drug、処方箋なしで買える薬は OTC medicine
  • OTC は over the counter の略で「カウンター越しに買える薬」が語源
  • 「これは市販で買えますか」と一言確認できれば、無駄な移動を避けられる

海外の薬は大きく二つに分かれます。この区別を頭に入れておくと、店内でどこへ向かえばよいかが即座に判断できます。

Prescription Drug(処方薬)

医師の処方箋が必要な医薬品です。紙の処方箋を薬局に持参する形式と、医師が指定の薬局へ電子的に送る形式があります。電子処方箋なら準備が整った時点で受け取りに行けるため、店頭での待ち時間がほとんどありません。

ドライブスルーで受け取れる薬局もあり、体調の悪い家族を車に乗せているときには大きな助けになります。自分の保険が使える薬局のうち、滞在先から近い店舗やドライブスルーのある店舗を先に調べておくと、急な発熱でも慌てずに動けます。

OTC Medicine(市販薬)

処方箋がなくても買える薬は Over the Counter medicine と呼ばれ、略して OTC と表記されます。カウンター越しに手渡しで買える薬、というのが語源です。

どの OTC を選ぶかは購入者の判断に委ねられますが、成分が強い製品も同じ棚に並んでいます。判断に迷ったら薬剤師に声をかけるのが確実です。

フレーズ
Is this available over the counter, or do I need a prescription?
日本語訳
これは市販で買えますか、それとも処方箋が必要ですか。
使う場面
日本で買い慣れている薬に近いものを探しているとき、あるいは棚に見当たらないときに、最初に確認する一言として使えます。
注意点
over the counter を「カウンターの上に置いてある」と直訳して探し回る必要はありません。あくまで「処方箋不要」を意味する決まった言い方です。
発音・ニュアンス
over the counter は「オウヴァ ザ カウンター」とつなげ、counter を高く読みます。丁寧でも堅すぎない、店頭に最適な調子です。
フレーズ
I don’t have a prescription. Do you have an OTC option for this?
日本語訳
処方箋は持っていません。市販薬で代わりになるものはありますか。
使う場面
日本で処方されていた薬の空き箱や成分名を見せながら使うと、薬剤師が近い製品を提案しやすくなります。
注意点
同じ効果の市販薬が必ず存在するとは限りません。ない場合は受診が必要だと案内されることもあります。
発音・ニュアンス
OTC は一文字ずつ「オウ・ティー・シー」と読みます。option は「オプシャン」と軽く。

区分が分かったところで、次はその薬を売っている「店」の呼び方です。じつはここにも国ごとの違いがあります。

drugstore・pharmacy・chemist の違いと店内での動き方

この章の要点
  • drugstore は日用品も扱う店、pharmacy は調剤カウンターや調剤薬局
  • 英国やオーストラリアでは chemist / chemist’s が一般的
  • 相談相手は pharmacist(薬剤師)。声をかける一言を先に用意しておく

「薬局」を指す英単語は一つではなく、地域によって使い分けられています。ここを知らないと、道を尋ねたのに違う店に案内されることがあります。

drugstore は、薬に加えて日用品、化粧品、飲料、菓子、雑貨まで扱う店を指します。米国で日常的に使われる言葉で、日本語の「ドラッグストア」に近い感覚です。

pharmacy は調剤を行う場所、つまり薬そのものを扱うカウンターや店を指します。米国では大型スーパーの入口付近や店舗の一角に pharmacy が設けられていることが多く、天井から下がった案内表示を探せば見つかります。処方薬を受け取るのも、薬剤師に相談するのもこのカウンターです。

chemist、あるいは chemist’s は英国やオーストラリアで使われる呼び方です。英国で「drugstore はどこですか」と尋ねるより、chemist’s と言ったほうが通りが良い場面があります。そして相談相手が pharmacist、すなわち薬剤師です。

フレーズ
Excuse me, where is the pharmacy section?
日本語訳
すみません、薬のコーナーはどこですか。
使う場面
大型スーパーの中で薬売り場を探すとき。近くの店員に声をかければ指で方向を示してくれます。
注意点
Excuse me を省いて質問だけ投げると、そっけない印象になります。最初の二語を必ず添えてください。
発音・ニュアンス
pharmacy は「ファーマシィ」で最初の音を強く。ph は f の音です。
フレーズ
I’d like to speak to a pharmacist, please.
日本語訳
薬剤師さんとお話ししたいのですが。
使う場面
常用薬との飲み合わせや、妊娠中・授乳中の使用可否など、レジ係では答えられない内容を聞きたいとき。
注意点
レジ担当と薬剤師は別の役割です。専門的な質問はカウンターの奥にいる薬剤師に取り次いでもらいましょう。
発音・ニュアンス
「アイドゥ ライク トゥ スピーク トゥ ア ファーマシスト」。末尾の please があるだけで一段丁寧になります。
欧米のドラッグストアで市販薬の箱やシロップ、塗り薬が整然と並ぶ棚
市販薬はカテゴリーごとに並ぶので、効能の英単語が分かれば探す範囲を絞れる

店の呼び方が整理できたら、次に片づけておきたいのが「薬」そのものを指す単語です。ここは誤用が起きやすいところなので、少し丁寧に見ていきます。

medicine・drug・medication・remedy の使い分け

この章の要点
  • 日常会話で「薬」と言いたいときは medicine が最も安全
  • drug は成分・化学物質を指す専門語で、単独使用は誤解を招きやすい
  • medication は継続服用する薬、remedy は民間療法まで含む対処法

日本語の「薬」に対応する英単語は複数あり、それぞれ含みが違います。取り違えると、相手に妙な印象を与えてしまうことがあります。

medicine ― 迷ったらこれ

最も一般的で、日常会話で使いやすい「薬」です。治療目的で使う薬全般を指し、家庭でも店頭でも自然に通じます。医学そのものを指す用法もあります。

Do you have any medicine for children?(子ども用の薬はありますか。)、Please take this medicine after meals.(この薬は食後に飲んでください。)のように、店頭でそのまま使える形で覚えておくと便利です。

drug ― 専門的だが単独使用は避けたい

薬の有効成分や化学物質そのものを指す言葉で、医療や薬学の文脈で使われます。Does this drug have any side effects?(この薬に副作用はありますか。)のように、対象を特定した文の中なら問題なく通じます。

注意点

店頭で I want drugs. や Do you have drugs? と言うと、違法薬物を求めていると受け取られる恐れがあります。日本語の「ドラッグストア」に慣れているとつい口にしたくなりますが、医療用の薬を指したいときは必ず medicine を選んでください。

medication ― 処方薬・継続服用の薬

処方された薬や、治療目的で継続的に使う薬を指します。medicine よりフォーマルで医療寄りの響きがあり、慢性疾患の服薬について話す場面に向いています。

I take medication for high blood pressure.(高血圧の薬を飲んでいます。)のように使えば、飲み合わせの相談がスムーズに進みます。

remedy ― 薬に限らない「対処法」

薬だけでなく、民間療法や家庭でできる手当てまで含む言葉です。Do you know any natural remedies for a sore throat?(喉の痛みに効く自然療法を知っていますか。)と尋ねれば、はちみつやうがいといった提案が返ってくることもあります。

四語の関係を一言でまとめるなら、店頭では medicine、成分の話は drug、常用薬は medicationという住み分けです。ここを押さえたうえで、いよいよ具体的な薬の名前に進みましょう。

症状別に覚えておきたい薬の英単語

この章の要点
  • 効能を表す語彙を知っていると、棚の前で探す範囲が一気に狭まる
  • 薬の形状(tablet, syrup, ointment など)も飲みやすさの選択に直結する
  • 有効成分名を覚えておくと、商品名が違う国でも目当ての薬に近づける

棚の前で目当ての薬を探すとき、パッケージに書かれた効能の語彙が読めるかどうかで所要時間が変わります。まずは症状ごとの呼び名から押さえます。

症状別の薬の名前

  • Cold and Flu Medication ― 総合風邪薬
  • Cold medicine ― 風邪薬
  • Painkiller / Pain reliever ― 鎮痛剤・痛み止め
  • Headache medicine ― 頭痛薬
  • Fever reducer ― 解熱剤
  • Cough suppressant / Cough medicine ― 咳止め
  • Cough syrup ― 咳止めシロップ
  • Sore throat lozenges ― のどあめ・トローチ
  • Decongestant ― 鼻づまり・鼻炎薬
  • Antihistamine ― 抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)
  • Stomach medicine / Antacid ― 胃腸薬・制酸薬
  • Antidiarrheal ― 下痢止め
  • Laxative ― 便秘薬
  • Motion sickness pills ― 酔い止め
  • Sleeping pills / Sleep aid ― 睡眠薬・睡眠補助薬
  • Antibiotics ― 抗生物質(多くの国で処方箋が必要)
  • Ointment ― 傷薬・塗り薬
  • Antiseptic ― 消毒薬
  • Eye drops ― 目薬
  • Adhesive Bandages / Band-Aid ― 絆創膏
  • Toothache medicine ― 歯痛薬
  • Anti-itch cream ― かゆみ止めクリーム
  • Sunscreen ― 日焼け止め

この一覧のうち、風邪関連の四語(cold medicine、fever reducer、cough medicine、sore throat lozenges)だけでも覚えておくと、多くの場面をしのげます。-er は「〜を下げるもの」、anti- は「〜を抑えるもの」という語の作りに気づくと、初見の単語も推測しやすくなります。

薬の形を表す語

錠剤が苦手、粉薬は飲みにくいといった好みは、そのまま伝えれば対応してもらえます。形状の語彙も一緒に覚えておきましょう。

  • tablet / pill / capsule ― 錠剤・カプセル
  • liquid medicine / syrup ― 液剤・シロップ
  • powder ― 粉薬
  • ointment / cream / gel ― 塗り薬
  • patch ― 貼り薬
  • suppository ― 座薬
  • spray ― スプレー剤

説明書や会話に出る関連用語

  • prescription ― 処方箋
  • side effects ― 副作用
  • dosage / directions ― 用量・用法
  • active ingredient ― 有効成分
  • expiration date ― 使用期限
  • allergies ― アレルギー
  • generic ― ジェネリック(後発品)
フレーズ
I’m looking for a fever reducer that isn’t a capsule.
日本語訳
カプセル以外の解熱剤を探しています。
使う場面
大きな錠剤やカプセルが飲みにくい人が、形状の希望まで含めて相談するとき。
注意点
pill は錠剤全般を指す口語で、tablet より広い意味で使われます。厳密に区別しなくても店頭では通じます。
発音・ニュアンス
looking for は「ルッキンフォ」とつなげます。isn’t を少し強めると希望条件が伝わりやすくなります。

薬の名前が言えても、それだけでは適切な製品にたどり着けません。より大事なのは自分の状態を伝えることです。続いて症状の表現に進みます。

症状を英語で伝える三つの型

この章の要点
  • 「どこが」「どんなふうに」「いつから」の三点が言えれば十分
  • 症状の基本形は I have ~ と I feel ~ の二つだけ
  • 継続期間は have been ~ing で表すと薬剤師が製品を絞りやすい

医学用語は必要ありません。伝えるべきは三つだけで、部位、状態、そして始まった時期です。これを型として持っておけば、その場で文を組み立てられます。

型1:I have ~ で症状を挙げる

最も汎用性が高いのが I have ~ です。名詞で症状を言えるものはほぼこの形に収まります。

  • I have a fever.(熱があります。)
  • I have a sore throat.(喉が痛いです。)
  • I have a headache.(頭痛がします。)
  • I have a stomachache.(お腹が痛いです。)
  • I have a runny nose.(鼻水が出ます。)
  • I have a stuffy nose.(鼻がつまっています。)
  • I have a cough.(咳が出ます。)
  • I have a rash.(発疹が出ています。)
  • I have diarrhea.(下痢をしています。)

型2:I feel ~ で感覚を伝える

形容詞で表す不快感は I feel ~ を使います。I feel dizzy.(めまいがします。)、I feel nauseous.(吐き気がします。)、I feel weak.(体に力が入りません。)のように並べておくと便利です。

注意点

「熱があります」を I am fever. と言ってしまう誤りがよく見られます。fever は名詞なので、動詞は have を使い I have a fever. とします。同様に I am headache. も誤りで、I have a headache. が正しい形です。

型3:have been ~ing で継続期間を添える

期間を添えると、薬剤師が製品を絞り込みやすくなります。ここで役立つのが have been ~ing で、その状態がしばらく続いていることを表します。

  • I have been coughing for a few days, and I keep waking up during the night.(数日ずっと咳が出て、夜中に目が覚めてしまいます。)
  • I have been having a fever since yesterday morning.(昨日の朝から熱が続いています。)
  • I have been having a sore throat for about a week.(一週間ほど喉の痛みが続いています。)

for は期間の長さ、since は起点の時刻を示します。for three days か since Mondayのどちらかを言えれば、必要な情報は足ります。

程度と希望を伝える

症状の重さや、薬に対する希望も一緒に伝えましょう。強すぎる薬を避けたい、子ども用が欲しいといった条件は、言わなければ伝わりません。

  • It’s not too bad, but it’s annoying.(ひどくはないのですが、気になります。)
  • I want something not too strong.(あまり強くない薬がいいです。)
  • Can you recommend something for a sore throat?(喉の痛みに効くものを教えてもらえますか。)
  • Do you have anything for a sore throat?(喉の痛みに効く薬はありますか。)
  • I’m looking for something for my child.(子ども用のものを探しています。)
  • I need medicine for a headache.(頭痛の薬が必要です。)

体温は単位に注意

米国では華氏(°F)が使われるため、38.5℃なら 101.3°F と言い換える必要があります。摂氏で伝えても調べてもらえることが多いものの、代表的な数値を頭に入れておくと落ち着いて答えられます。

目安として、37.0℃が約98.6°F、38.0℃が約100.4°F、39.0℃が約102.2°F です。会話では I have a fever of 101 degrees.(101度の熱があります。)のように degrees を添えます。

フレーズ
I have a sore throat and a slight fever. It started two days ago.
日本語訳
喉が痛くて、少し熱があります。二日前から始まりました。
使う場面
薬剤師に最初に伝える一文として。症状と期間を続けて言うことで、追加の質問が減ります。
注意点
slight は「軽い」を表す便利な語ですが、実際より軽く伝わることもあります。つらいときは bad や high を使いましょう。
発音・ニュアンス
sore throat は「ソア スロウト」。th は舌先を軽く歯に当てて息を出します。文末を下げると落ち着いた印象になります。

単語と型がそろいました。では、実際の店頭ではどんな順番で会話が進むのでしょうか。ひと続きの流れで確認します。

ドラッグストアでの会話の流れ

この章の要点
  • 声かけ、症状の説明、おすすめの確認、眠気の確認、購入という五段階で進む
  • Can you help me? の一言があれば会話は始められる
  • non-drowsy / daytime / nighttime の三語が製品選びの分かれ目になる

店頭のやりとりは、じつは毎回ほぼ同じ順番をたどります。学習者と店員の役で流れを追ってみましょう。

学習者
Excuse me. Can you help me with medicine?
すみません。薬のことで少し教えてもらえますか。
店員
Sure. How can I help you?
もちろんです。どうされましたか。
学習者
I think I have a cold. I want to buy some medicine, but I’m not sure what to buy.
風邪をひいてしまったようです。薬を買いに来たのですが、どれを選べばよいか分かりません。
店員
What’s the problem?
どんな症状がありますか。
学習者
I have a fever and a sore throat. It started last night.
熱と喉の痛みがあります。昨夜から始まりました。
店員
In that case, you should choose from here.
それでしたら、このあたりの薬がよいと思います。
学習者
Thank you. Which one is popular?
ありがとうございます。よく選ばれているのはどれですか。
店員
This one sells well, and the manufacturer is well known here.
これはよく売れていて、メーカーもこの国では知られています。
学習者
Does it make me drowsy?
これは眠くなりますか。
店員
This one is non-drowsy. If you want to sleep better, there’s a nighttime version too.
これは眠くならないタイプです。よく眠りたいなら夜用もあります。
学習者
Oh, that’s good. I’ll take the non-drowsy one. Thank you for the advice.
それはいいですね。眠くならないほうにします。教えてくださってありがとうございます。
店員
My pleasure. Get well soon.
どうぞ。お大事にしてください。
薬のカウンターで日本人の客が喉に手を当てて症状を伝え、薬剤師が話を聞いている場面
言葉に詰まったら、痛む場所を指で示すだけでも意図は伝わる

会話に出てきた表現の整理

have a cold は「今、風邪をひいている」という状態を表します。一方 catch a cold は風邪をもらう動作を指すため、I caught a cold.(風邪をひきました。)という過去形でよく使われます。

sore は「痛い、ヒリヒリする」という意味の形容詞です。My throat hurts. も通じますが、店頭でも診察でも最も定着している言い方は sore throat です。sore muscles(筋肉痛)、sore eyes(目の痛み)のように応用も効きます。

drowsy は「眠くなる、うとうとする」です。アレルギー薬や鼻水・咳の薬には眠気を催す成分が含まれていることがあり、夜に飲むなら好都合ですが、日中の外出や運転には支障が出ます。パッケージには non-drowsy、daytime、nighttime の表示があることが多いので、購入前に確認しましょう。

別れ際の Get well soon.(お大事に)は自然な一言です。Take care of yourself.、I hope you feel better soon. でも同じ気持ちが伝わります。相手が病気の家族について話しているときは I hope your son feels better soon. のように応用できます。

流れがつかめたところで、買う前に確認しておきたい質問を整理しておきます。ここは安全に直結する部分です。

薬剤師に確認しておきたい質問フレーズ

この章の要点
  • 用法・用量、飲み合わせ、副作用の三点は必ず確認する
  • 持病・常用薬・妊娠中・授乳中は自分から申告する
  • アレルギーは I’m allergic to ~ の形で先に伝える

買う前に聞いておくと安心な質問をまとめます。とくに持病がある方、常用薬がある方、妊娠中や授乳中の方は、遠慮せず確認してください。

用法・用量について

  • How often should I take this medicine?(どのくらいの頻度で飲めばいいですか。)
  • What is the dosage?(服用量はどれくらいですか。)
  • How many times a day should I take this?(1日に何回飲めばいいですか。)
  • Should I take this before or after meals?(食前と食後、どちらで飲むべきですか。)
  • How long can I take this?(どれくらいの期間まで飲み続けていいですか。)

飲み合わせと体質について

  • Can I take this with other medicine?(他の薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか。)
  • I’m taking medication for asthma. Is this safe to take together?(喘息の薬を飲んでいます。一緒に飲んでも問題ありませんか。)
  • I’m allergic to penicillin.(ペニシリンにアレルギーがあります。)
  • Is this safe during pregnancy?(妊娠中でも飲めますか。)
  • Is this okay for a five-year-old?(5歳の子どもに使っても大丈夫ですか。)

副作用と生活への影響について

  • What are the side effects?(副作用は何ですか。)
  • Can I drive after taking this?(これを飲んだあと運転できますか。)
  • Does this contain alcohol?(これにアルコールは含まれていますか。)

成分・価格・会計について

  • Do you have any medicine with the same ingredient as this?(これと同じ成分の薬はありますか。)
  • Do you have a generic version?(ジェネリックはありますか。)
  • I’ll take this one.(これをください。)
  • Do you have a smaller pack?(もっと小さいサイズはありますか。)
  • Can I use my insurance for this?(これは保険が使えますか。)
フレーズ
I’m allergic to penicillin. Is there anything in this I should avoid?
日本語訳
ペニシリンにアレルギーがあります。この薬に避けるべき成分は入っていますか。
使う場面
薬や食品にアレルギーがある人が、購入前に成分を確認するとき。カウンターで最初に伝えるのが安全です。
注意点
I have an allergy of ~ は誤りです。前置詞は to を使い、I’m allergic to ~ または I have an allergy to ~ とします。
発音・ニュアンス
allergic は「アラージック」で第二音節を強く。名詞の allergy は「アラジィ」と最初を強く読み、アクセント位置が動きます。

風邪や頭痛以外にも、旅先では思いがけない不調が起こります。次はその備えです。

塗り薬・虫刺され・体調管理グッズの英語

この章の要点
  • 虫刺されやかゆみは cream for bug bites、cream for itchy skin で伝わる
  • 北米では poison ivy による皮膚トラブルが起こりやすい
  • マスクは face mask、加湿器は humidifier、空気清浄機は air purifier

屋外で過ごす時間が長い滞在では、皮膚のトラブルが起こりやすくなります。飲み薬より塗り薬を探す機会のほうが多い、という人もいます。

  • Do you have cream for bug bites?(虫刺され用の塗り薬はありますか。)
  • Do you have any cream for itchy skin?(皮膚のかゆみ用の塗り薬はありますか。)
  • I might have touched poison ivy.(ツタウルシに触ってしまったかもしれません。)
  • I got a sunburn on my shoulders.(肩が日焼けしてしまいました。)
  • I have a small cut on my finger.(指を少し切ってしまいました。)

poison ivy(ツタウルシ)は北米の森林や小道の脇に普通に生えている植物で、触れると皮膚がかぶれたりアレルギー反応が出たりします。軽いかゆみであれば薬局で塗り薬を紹介してもらえますが、広範囲に広がったり顔に出たりした場合は受診が安全です。

体調管理に関わる品物の名前も知っておくと探しやすくなります。マスクは face mask と言います。mask だけでは仮面や覆面の意味が強く出るため、face を添えるほうが確実です。

海外で売られているマスクはワンサイズで大きめのことが多いので、子ども用や小さめのものは日本から持参すると使い勝手が良いでしょう。加湿器は humidifier、空気清浄機は air purifier です。

家全体を空調するセントラルヒーティングが主流の地域では、寝室だけ湿度を上げるのが難しくなります。乾燥で喉を痛めやすい人にとって、加湿器とマスクの組み合わせは実用的な備えです。加湿器は風邪薬や喉の薬の棚の近くに置かれていることが多く、急ぎのときもドラッグストアで探せます。

フレーズ
Where can I find humidifiers? My room is very dry.
日本語訳
加湿器はどこにありますか。部屋がとても乾燥しています。
使う場面
冬季の乾燥で喉を痛めたとき。理由を添えると、店員が代わりの対策も提案してくれることがあります。
注意点
humidifier(加湿器)と dehumidifier(除湿機)は一文字違いで逆の機能です。取り違えないよう注意しましょう。
発音・ニュアンス
humidifier は「ヒューミディファイア」で mid の部分を強く読みます。h を発音しない癖があると通じにくくなります。

大人の薬と違い、子どもの薬は自己判断の余地が狭くなります。続いて、その場合の動き方を確認します。

子どもの薬は電話で相談するのが基本

この章の要点
  • 子どもの薬は棚の前で判断せず、かかりつけ医(primary care physician)に電話で相談する
  • 投与量は体重で決まるため、ポンドとキログラムの両方を言えるようにする
  • 体温は華氏で聞かれることが多いので、数字を控えておく

子どもに飲ませる薬で迷ったときは、店頭で自己判断するよりも、かかりつけ医に電話をして看護師に相談するほうが確実です。電話相談は無料で対応してくれるところがほとんどです。

子どもへの投与量は年齢ではなく体重で決まります。米国ではポンド(lb)表記が基本ですが、キログラムで伝えても換算してもらえます。体温も華氏で聞かれるため、数字を控えておくと落ち着いて答えられます。

保護者
Hello. I have a four-year-old son. He has had a fever since last night and still has it. Which medicine should I give him?
もしもし。4歳の息子がいます。昨晩から熱があり、まだ下がりません。どの薬をあげたらよいでしょうか。
看護師
What is his temperature?
体温はどのくらいですか。
保護者
It’s 102 degrees.
102度(約38.9℃)です。
看護師
How much does he weigh?
体重はどのくらいですか。
保護者
He’s 32 pounds.
32ポンド(約14.5キロ)です。
看護師
I’ll tell you the dose for his weight. If he still has a fever after three days, give us a call again.
体重に合わせた量をお伝えします。3日たっても熱が下がらなければまたお電話ください。
保護者
Okay, I will. Thank you.
わかりました、そうします。ありがとうございます。
使う場面
小さな子どもの発熱で、どの薬をどれだけ与えるか判断がつかないとき。
注意点
具体的な薬名や投与量は必ず医療者の指示に従ってください。年齢・体重・既往歴によって適切な量は変わります。
注意点

大人用の薬を割って子どもに与えるのは危険です。成分量の設計が異なるため、必ず children’s と表示された製品を選び、対象年齢と体重の指示を確認してください。判断に迷う場合は医療者に相談することが最優先です。

薬を手に入れたら、次は正しく飲むことです。パッケージの英語を読み解く段階に進みましょう。

説明書・パッケージに出てくる英語表現

この章の要点
  • 表示は Drug Facts、Directions、Dosage、Warnings の見出しで整理されている
  • タイミング・回数・上限量・対象年齢の四点を先に読む
  • For external use only は「飲まないこと」を意味する重要表示

日本の薬と同じく、海外の市販薬も用法・用量を守って服用する必要があります。ラベルや添付文書には必ず表示があるので、飲む前に目を通しましょう。

服用のタイミング

  • Before meals ― 食前
  • After meals ― 食後
  • With food ― 食事と一緒に
  • On an empty stomach ― 空腹時に
  • At bedtime / before sleeping ― 就寝前
  • As needed / when necessary ― 必要に応じて
  • Every four hours ― 4時間おきに

回数と量

  • Once a day ― 1日1回
  • Twice a day ― 1日2回
  • Three times a day ― 1日3回
  • Take two pills, three times per day ― 1回2錠、1日3回
  • Do not exceed six tablets in 24 hours ― 24時間に6錠を超えないこと
  • One teaspoonful (5ml) ― 小さじ1杯(5ml)

とくに読み飛ばしてはいけないのが Do not exceed の行です。exceed は「超える」という意味で、この後ろに1日の上限量が書かれています。

対象年齢と制限

  • Ages 15 and over ― 15歳以上
  • Adults and children 12 years and over ― 大人および12歳以上の子ども
  • Not for children under 6 ― 6歳未満には使用しないこと
  • Consult a doctor before use if pregnant or breast-feeding ― 妊娠中・授乳中は使用前に医師に相談すること

注意書き

  • Expiration date ― 使用期限
  • Warnings ― 警告
  • May cause drowsiness ― 眠気を催すことがある
  • Do not drive or operate machinery ― 運転や機械の操作をしないこと
  • Avoid alcohol ― アルコールを避けること
  • Keep out of reach of children ― 子どもの手の届かないところに保管すること
  • Store in a cool, dry place ― 冷所・乾燥した場所で保管すること
  • For external use only ― 外用のみ(飲まないこと)
  • Shake well before use ― よく振ってから使用すること
  • Stop use and ask a doctor if symptoms persist ― 症状が続く場合は使用をやめて医師に相談すること
注意点

For external use only は「外用のみ」で、飲んではいけないという指示です。液体タイプの塗り薬やうがい薬をシロップ剤と見間違える事故が起こり得ます。液体を買ったときは、購入時に Is this something I drink, or do I put it on my skin?(これは飲むものですか、それとも肌に塗るものですか)と確認しておくと確実です。

表示が読めるようになったら、あとは自分の側の癖を直すだけです。日本語の感覚をそのまま英語に持ち込むと生じる誤りを見ていきます。

間違いやすいポイントと注意点

この章の要点
  • 「薬を飲む」は drink ではなく take medicine
  • 商品名は国ごとに違うため、有効成分名で探すほうが確実
  • 症状が数日で改善しないときは市販薬で粘らず受診する

ここからは、日本語の言い方をそのまま英語にすると起きやすい誤りを整理します。どれも一度知れば繰り返しにくい類のものです。

「薬を飲む」は take を使う

日本語では「薬を飲む」と言いますが、英語では take medicine が正しい形です。drink medicine とは言いません。シロップ剤でも take を使い、I took two tablets this morning.(今朝2錠飲みました。)のように表します。

商品名は国ごとに違う

日本でおなじみの商品名は海外ではほぼ通じません。逆に、現地の定番製品の名前を知らないと会話が噛み合わないこともあります。

そこで役立つのが有効成分名(active ingredient)です。解熱鎮痛薬なら acetaminophen(国によっては paracetamol)や ibuprofen、鎮痛消炎薬なら loxoprofen といった名称を英語で押さえておくと、探す薬を特定しやすくなります。Do you have any medicine with acetaminophen?(アセトアミノフェンが入っている薬はありますか。)と尋ねれば、店側も探しやすくなります。

処方箋の必要・不要は国で入れ替わる

日本では処方箋が必要な薬が海外では市販されている場合もあり、その逆もあります。日本で使い慣れている薬が現地では手に入らないという事態も起こり得ます。

持病がある人は準備を厚めに

渡航先で薬が入手できない可能性を想定し、滞在期間分より少し多めに持参しましょう。あわせて、医師による英文の診断書や処方箋の写しを用意しておくと、入国時の説明にも現地の受診にも使えます。

国によっては持ち込みが制限される成分もあります。市販薬であっても対象になることがあるため、事前に渡航先のルールを確認しておくと安心です。

医療費・薬代は日本より高くつきやすい

海外の医療費や薬代は日本より高くなることが多く、とくに処方薬の価格が高い国では思わぬ出費になります。海外旅行保険への加入を前提としたうえで、保険会社の緊急連絡先や、保険が使える薬局のリストを控えておきましょう。

改善しないときは受診をためらわない

市販薬は軽い不調を数日しのぐためのものです。数日たっても改善しない、症状が急に重くなった、高熱が続くといった場合は、市販薬で粘らず医療機関にかかりましょう。

薬剤師に相談した際に You should see a doctor.(医師の診察を受けたほうがいいですよ。)と言われることがあります。その助言は素直に受け取るのが安全です。

誤用を避けられるようになったら、あとは口が動くかどうかです。声に出す練習に移りましょう。

店頭で通じる発音とリズムの練習

この章の要点
  • 単語より「どこを強く読むか」が伝わりやすさを左右する
  • 症状語は名詞部分を高く読むと聞き取ってもらいやすい
  • 語末の子音とリンキングを意識すると通じ方が変わる

薬局での会話は騒がしい店内で行われることもあり、発音の正確さより強弱のメリハリが理解を助けます。まずは強く読む位置を確認しましょう。

アクセント位置を確認したい語

  • medicine ― メ・ディ・スン(最初を強く。三音節を意識)
  • pharmacy ― ファー・マ・シィ(最初を強く)
  • pharmacist ― ファー・マ・シスト(最初を強く)
  • prescription ― プリ・スクリ・プシャン(真ん中を強く)
  • ingredient ― イン・グリー・ディアント(第二音節を強く)
  • allergic ― ア・ラー・ジック(第二音節を強く)
  • drowsy ― ドラウ・ズィ(最初を強く)
  • antihistamine ― アン・ティ・ヒ・スタ・ミン(sta を強く)

三段階で声に出す練習

最初は単語だけをゆっくり五回、次に I have a ~ の型に入れて五回、最後に期間を足した長い文で五回。この三段階を踏むと、本番で言葉が途切れにくくなります。

練習の順序は、fever、sore throat、cough、headache、stomachache の五語からで十分です。この五語で日常的な不調の大半をカバーできます。

つながって聞こえる音に慣れる

店員の返答は、教科書のように一語ずつ区切られません。How can I help you? は「ハウ キャナイ ヘルピュ」に近く聞こえ、Do you have ~? は「ドゥユ ハヴ」と縮まります。

聞き取れなかったときは、Sorry, could you say that again more slowly?(すみません、もう少しゆっくり言っていただけますか。)と頼めば問題ありません。分からないまま薬を買うほうがずっと危険です。

フレーズ
Sorry, could you write down the dosage for me?
日本語訳
すみません、服用量を書いていただけますか。
使う場面
数字や回数を聞き間違えたくないとき。体調が悪く集中しづらいときにも役立ちます。
注意点
聞き返すのは失礼ではありません。むしろ服用量の誤りを防ぐ行動として歓迎されます。
発音・ニュアンス
could you は「クッジュ」とつなげます。文末を上げると柔らかい依頼になります。

声が出るようになったら、あとは出発前の下ごしらえです。手を動かす作業に落とし込みます。

渡航前の準備と一週間の練習プラン

この章の要点
  • 常用薬の成分名、アレルギー、体温の華氏換算、薬局の場所の四点をメモしておく
  • 使い慣れた常備薬を少量持参すると現地での判断が楽になる
  • 一週間で語彙と会話を仕上げる練習の型を用意する

出発前に少し手を動かしておくと、現地で困る場面が目に見えて減ります。まずは四つのメモを作りましょう。

出発前に用意する四つのメモ

一つ目は、常用薬の有効成分名を英語で書き出すこと。二つ目は、アレルギーがあれば I’m allergic to ~ の形で言えるようにしておくこと。三つ目は、体温の華氏換算を控えておくこと。四つ目は、保険が使える薬局の場所を地図で確認しておくことです。

この四点をスマートフォンのメモに残しておけば、体調が悪い状態でも見せるだけで伝わります。話せなくても見せられる状態を作っておくことが、実務的な保険になります。

加えて、使い慣れた常備薬を少量持っていくのも現実的な備えです。飲み慣れた薬があれば、体調が悪いときに不慣れな成分表示と格闘する必要がありません。

机の上に並べたパスポート、常備薬、ノート、体温計、マスクなど渡航前の健康準備の道具
成分名とアレルギーのメモを作っておけば、現地では見せるだけで伝わる

一週間の練習プラン

語彙を一気に詰め込むより、日を分けて回すほうが定着します。一日十分でも十分に効果があります。

  1. 1日目:症状の語彙(fever、sore throat、cough、headache、stomachache)を声に出す
  2. 2日目:I have ~ と I feel ~ の型に症状を入れて十文つくる
  3. 3日目:薬の名前(cold medicine、painkiller、fever reducer、eye drops、ointment)を覚える
  4. 4日目:have been ~ing で期間を添えた文を五つつくる
  5. 5日目:店頭の会話を役割を入れ替えて音読する
  6. 6日目:説明書の表現(Directions、Do not exceed、For external use only)を読み取る
  7. 7日目:最短フレーズ五つを見ないで言えるか確認する

七日目で言葉が出てこない箇所があれば、そこだけをもう一巡すれば足ります。詰まる場所は人によって違うので、その差を知ることが練習の目的でもあります。

ひとりでの音読に慣れたら、相手のいる会話で試してみると、間の取り方や聞き返し方まで身につきます。実際のやりとりに近い形で練習したい方は、次の案内も参考にしてください。

覚えておきたいフレーズの最短リスト

この章の要点
  • 時間がないときは五つの文だけで店頭のやりとりが成立する
  • 声かけ、症状、相談、眠気、用法の順に並べて覚える
  • 完璧な文法よりも、症状を確実に伝えることが優先

準備の時間が取れないときは、次の五つだけでも通用します。順番どおりに並んでいるので、上から使えば会話が進みます。

  1. Can you help me? I think I have a cold.(助けてもらえますか。風邪をひいたようです。)
  2. I have a fever and a sore throat.(熱と喉の痛みがあります。)
  3. Can you recommend something?(何かおすすめしてもらえますか。)
  4. Does it make me drowsy?(眠くなりますか。)
  5. How often should I take it?(どのくらいの頻度で飲めばいいですか。)

留学や出張などで滞在が長くなれば、その間に体調を崩すこともあります。海外でもドラッグストアや薬局で市販薬を買うことは誰にでもできます。

求められているのは完璧な文法ではなく、正確な情報です。症状を伝え、必要な薬を手に入れ、用法を確認できれば目的は達成できます。

最後に、読んでいて浮かびやすい疑問をまとめておきます。気になる項目だけ拾い読みしても構いません。

よくある質問

この章の要点
  • 語の使い分け、症状が説明できないときの対処、眠気の確認方法などを整理
  • 持参薬について尋ねられた場合の答え方も確認できる
  • 市販薬で様子を見る期間の目安にも触れる

drugstore と pharmacy はどう使い分ければいいですか

drugstore は薬に加えて日用品や化粧品、食品まで扱う店を指し、米国で日常的に使われます。pharmacy は調剤を行うカウンターや調剤薬局を指し、処方薬の受け取りや薬剤師への相談はこちらで行います。英国やオーストラリアでは chemist または chemist’s という呼び方が一般的です。

「薬が欲しい」と言うときに drug を使ってはいけないのですか

drug 単独では違法薬物を連想させることがあるため、店頭で「薬が欲しい」と伝えるときは medicine を使うのが無難です。Does this drug have any side effects? のように対象が明確な文の中であれば、成分や医薬品を指す語として問題なく通じます。継続して服用している薬について話す場合は medication が適しています。

症状を英語でうまく説明できないときはどうすればいいですか

I have a と言いながら痛む場所を手で示すだけでも意図は伝わります。加えて、いつから続いているかを for three days や since yesterday のように添えると、薬剤師が製品を絞り込みやすくなります。事前にスマートフォンのメモへ症状と常用薬の成分名を書いておき、見せて伝える方法も実用的です。

眠くならない薬を選びたいときは何を確認すればいいですか

Does it make me drowsy? と尋ねるのが最も直接的です。パッケージには non-drowsy、daytime、nighttime といった表示があり、日中に活動する予定があるなら non-drowsy や daytime を選びます。May cause drowsiness や Do not drive or operate machinery と書かれている製品は、運転前の服用を避けてください。

日本から持参した薬について尋ねられたらどう答えればいいですか

This is my medication from Japan for high blood pressure. のように、用途と国を添えて答えると意図が伝わります。有効成分名を英語で言えるようにしておくと、現地の薬剤師や医師とのやりとりが早く進みます。医師による英文の診断書や処方箋の写しを携帯しておくと、入国時の説明にも現地の受診にも使えます。

市販薬で様子を見ていいのはどのくらいの期間ですか

市販薬は軽い不調を数日しのぐためのものと考えるのが基本です。パッケージには Stop use and ask a doctor if symptoms persist のように、症状が続く場合は使用をやめて医師に相談するよう記載されています。数日たっても改善しない、症状が急に重くなった、高熱が続くといった場合は、市販薬で粘らず医療機関を受診してください。

用語解説:OTC medicine

Over the Counter medicine の略で、医師の処方箋なしに購入できる市販薬を指します。カウンター越しに手渡しで買える薬というのが語源です。処方箋が必要な薬は prescription drug と呼ばれ、店内でも取り扱う場所が分かれています。

ここに挙げた単語と表現は、どれも棚の前やカウンターで実際に口に出す言葉です。渡航の前に一度声に出しておけば、いざというときの初動が変わります。それではまた、See you!

※本記事は語学学習を目的とした内容です。薬の選択や服用については、必ずパッケージの記載を確認し、薬剤師や医師の指示に従ってください。