「なんだか体がだるい」「今日は動くのがだるい」。日本語の「だるい」はたった三文字で、熱っぽさから気分の乗らなさまでを一手に引き受けてくれる便利な言葉です。
ところが英語には、この一語に丸ごと対応する単語がありません。だるさの原因が体なのか気分なのか、一時的なのか慢性的なのか、話し相手が友人なのか医師なのかで、選ぶ語がまるごと入れ替わります。だから「だるい」を英語にしようとして口が止まってしまう人はとても多いのです。
逆に言えば、ここは場面ごとの型を持つだけで一気に話せるようになる領域でもあります。この記事では、体調としてのだるさと気分としてのだるさを整理したうえで、実際に体調を崩して医者へ電話をかける会話を通して、症状を伝える力までひと続きに積み上げていきます。読み終えたときには、だるさを一文で言い、いつからか・どのくらいかを添えて相手に届けられる状態を目指します。
例文には日本語訳と使う場面、やりがちな誤用、発音の目安まで添えています。独学で進めたい方はそのまま音読の材料として、誰かに聞いてもらいながら練習したい方は英語教室での会話練習の下敷きとして使ってみてください。

- 「だるい」が英語の一語に置き換えられない理由
- 体の不調としての「だるい」を表す英語表現
- slack — 体に張りがなく力が入らない
- sluggish — 体も頭も動きが鈍く重い
- fatigue — 医師に伝える「倦怠感」
- lethargic — 気力まで奪われる重いだるさ
- feel weak — 力が出ない、ふらつく
- run down / worn out — 消耗しきっただるさ
- feel heavy — 体が重い
- woozy — ふらふらして頭がはっきりしない
- tired / exhausted — 疲労としてのだるさ
- under the weather — 「なんとなく体調が悪い」
- low on energy / I don't feel well / not myself — やわらかく伝える言い方
- 気分としての「だるい」を表す英語表現
- 会話で覚える「医者に電話をする」
- 会話に出てきた表現のポイント
- 症状を英語で伝えるための語彙と三つの型
- 電話で受診の予約を取るときの流れ
- 医師からよく聞かれる質問と答え方
- 日本語話者がつまずきやすいポイント
- かかりつけ医という文化の前提
- だるさを自分の言葉にする練習法
- よくある質問
- つ・ぶ・や・き
「だるい」が英語の一語に置き換えられない理由
- 日本語の「だるい」は身体感覚と心理状態をまたいで使える語で、英語はこれを別の単語に分けて表す。
- 英語にするときは「体の話か、気分の話か」を先に切り分けると迷いが減る。
- ぴったりの一語が出てこなくても、基本語で二文に分ければ状況は十分に伝わる。
最初に押さえたい結論は、「だるい」に一対一で対応する英単語は存在しないということです。これは英語が不便だという話ではなく、日本語の側が特別に懐の広い語を持っているという話です。
理由は、日本語の「だるい」が身体感覚と心理状態の境目をあいまいにしたまま使える語だからです。「風邪で体がだるい」「テスト前で勉強がだるい」「あの人と話すのだるい」。この三つはまったく違う出来事ですが、日本語では同じ一語で成立してしまいます。
英語はここを分けて考えます。体の重さや動きの鈍さを言うのか、疲労の蓄積を言うのか、やる気の欠如を言うのか、単に面倒くささを言うのか。話し手が何に注目しているかで語が決まります。だから同じ「だるい」でも、sluggish が正解になる場面と、can’t be bothered が正解になる場面があるのです。
具体例で確かめてみましょう。熱が出て手足に力が入らないなら体の話なので sluggish や feel weak が合います。宿題に手をつける気になれないなら気分の話なので can’t be bothered や not motivated が合います。同じ日本語から出発しても、行き先が違うわけです。
つまり英語で「だるい」を伝える近道は、辞書の中から万能の一語を探すことではありません。「何が起きていて、自分はどう感じているか」を短い文に分けること。単語が浮かばないときでも、I don’t have much energy today.(今日はあまり元気が出ません)や My body feels heavy.(体が重い感じがします)のように基本語で二文に分けて言えば、相手は状況を理解してくれます。
では、体の不調としてのだるさから見ていきましょう。まずは元原稿の会話にも登場する、少し珍しい語からです。

体の不調としての「だるい」を表す英語表現
- 汎用性がもっとも高いのは sluggish。動きが鈍く重い感覚を体にも頭にも使える。
- 医療の場では fatigue(倦怠感)がもっとも的確に伝わる正式な語。
- slack は体に張りがなく力が入らない感覚、lethargic は気力まで奪われる重いだるさ。
- under the weather は「なんとなく調子が出ない」の定番句。water ではなく weather。
体調のだるさは、原因と強さで語を選びます。ここでは使用頻度と場面の広さを意識しながら、代表的な表現を順に見ていきます。
slack — 体に張りがなく力が入らない
slack は本来「ゆるんだ、たるんだ」を意味する語です。ぴんと張っていないロープや綱の状態を指すのが元の姿で、そこから転じて、体に張りがなく力が入らない、だるいという感覚を表します。
- フレーズ
- I felt slack during the night.
- 日本語訳
- 夜のあいだ、体がだるかったのです。
- 使う場面
- 夜間に体の力が抜けるような感覚があり、その経過を医師や家族に伝えるとき。「たるんだように力が入らない」という体感を映像的に示せます。
- 注意点・誤用例
- slack off と句動詞にすると「手を抜く、サボる」の意味になります。体調の話では feel slack のように feel と組み合わせると誤解が生まれません。Don’t slack off. は「怠けるな」であり、体調とは無関係です。
- 発音・ニュアンス
- 発音は「スラック」で、sl- を舌先を上の歯茎につけたまま滑らせるように出します。日常会話での頻度は高くありませんが、体感を具体的に描くやわらかい言い方です。
sluggish — 体も頭も動きが鈍く重い
体調のだるさを表す語としてもっとも使い勝手がよいのが sluggish です。語源は slug(ナメクジ)で、のろのろと動きが鈍いイメージがそのまま体の重さに重なります。この一語を持っておくだけで、朝の不調から残業続きの疲れまでかなりの範囲をカバーできます。
- フレーズ
- I feel sluggish this morning. / I feel sluggish, but I don’t have a fever. / All the overtime is making me feel sluggish.
- 日本語訳
- 今朝は体がだるいです。/だるさはありますが熱はありません。/残業続きで体が重いです。
- 使う場面
- 同僚への軽い報告、家族との会話、診察での症状説明まで幅広く使えます。頭の回転が鈍いときにも My brain feels sluggish today. と言えます。
- 注意点・誤用例
- 人に向けて You are sluggish. と断定すると評価のように響きます。You seem a bit sluggish today. のように seem や look、a bit を添えるとやわらぎます。なお売れ行きや経済が「不振な」の意味でも使われる語です。
- 発音・ニュアンス
- 「スラギッシュ」で第一音節を強く読みます。gg は濁って「グ」、語尾は「シュ」と軽く閉じます。深刻さは中程度で、深刻に心配させずに不調を共有できる語です。
fatigue — 医師に伝える「倦怠感」
医療の場で使う正式な語が fatigue です。日本語の「倦怠感」に相当し、問診票の症状欄にもこの語が並びます。友人同士の雑談にはやや硬い響きですが、診察では最も的確に伝わります。
- フレーズ
- I’ve had fatigue since yesterday. / I’ve been experiencing extreme fatigue for about a week.
- 日本語訳
- 昨日から倦怠感があります。/一週間ほど強い倦怠感が続いています。
- 使う場面
- 診察、電話での症状説明、問診票の記入、職場への正式な連絡。chronic fatigue(慢性疲労)、mental fatigue(精神的疲労)のように形容詞と組み合わせて種類を示せます。
- 注意点・誤用例
- 基本的に不可算名詞なので a fatigue とは言いません。I am fatigue. も誤りで、名詞なら I have fatigue.、形容詞を使うなら I feel fatigued. とします。友人へのメッセージで使うと少し大げさに響くことがあります。
- 発音・ニュアンス
- 「ファティーグ」と後ろを強く伸ばします。語尾の -gue は「グ」一音で、「グエ」とは読みません。客観的で医学的な響きがあります。
lethargic — 気力まで奪われる重いだるさ
lethargic は、疲労が深く、動く気力そのものが湧かない状態を表します。fatigue よりも「無気力」の色が濃く、猛暑や病後で頭も体も働かないときにしっくりきます。
- フレーズ
- The extreme heat makes me feel lethargic. / He’s been lethargic since he caught the flu.
- 日本語訳
- 猛暑のせいで体がだるくてたまりません。/インフルエンザにかかってからずっとぐったりしています。
- 使う場面
- 体調由来のだるさと気分の落ち込みの両方をまたぐため、どちらとも言い切れないときの逃げ道になります。回復途中の状態を説明するのにも向きます。
- 注意点・誤用例
- 程度がかなり強い語なので、少し眠いだけの状態に使うと誇張に聞こえます。軽いだるさなら a bit sluggish のほうが自然です。他人に向けて使うときは心配の文脈で添えるとよいでしょう。
- 発音・ニュアンス
- 「レサージック」で、真ん中の -thar- を強く読みます。th は舌先を軽く歯に当てる無声音です。重く沈んだ響きを持つ語です。
feel weak — 力が出ない、ふらつく
weak は「弱い」ですが、体調の文脈では「力が入らない」「立っているのがつらい」という意味で頻繁に使われます。発熱明けや食欲不振で体力が落ちているときに向いた表現です。
- フレーズ
- I’m not completely over the flu, and I still feel weak. / I felt weak and had to sit down.
- 日本語訳
- インフルエンザが治りきらず、まだ体に力が入りません。/力が抜けて座り込んでしまいました。
- 使う場面
- 診察で回復途中の状態を伝えるとき、立ちくらみを説明するとき、職場に無理が利かない旨を伝えるとき。get over the flu で「インフルエンザから回復する」です。
- 注意点・誤用例
- I am weak. と言い切ると「意志が弱い」「気が弱い」と解釈される余地があります。体の話であることを示すため feel を挟むか、I feel weak in my legs. のように部位を添えると安全です。
- 発音・ニュアンス
- 「ウィーク」と長めに伸ばします。week(週)と同じ音なので、文脈で区別されます。率直で切実な響きがあり、診察でよく通じます。
run down / worn out — 消耗しきっただるさ
run down は「体調がすぐれない、疲れがたまっている」を表す言い方です。休みなく働いた後や生活リズムが崩れているときに合います。worn out は、擦り切れるまで使い込んだ物のイメージから「疲れ果てた」を表します。
- フレーズ
- I’m feeling a bit run-down. Could I take the day off? / You look a little run-down. Are you getting enough sleep? / I’m completely worn out.
- 日本語訳
- 少し体調がすぐれないので、今日はお休みできますか。/お疲れのようですね。眠れていますか。/もうくたくたです。
- 使う場面
- 休暇の申請、同僚への気遣い、長期の疲労の説明。run-down は形容詞として使うときハイフンを入れる書き方が一般的です。
- 注意点・誤用例
- run down は建物について使うと「老朽化した」の意味になります。a run-down building は「ぼろぼろの建物」です。人について言うときは feel や look とセットにしましょう。
- 発音・ニュアンス
- run-down は「ランダウン」とつなげて言い、down を強く出します。worn out は「ウォーンアウト」で二語がつながり「ウォーナウト」に近く響きます。どちらも口語的で温度のある表現です。
feel heavy — 体が重い
日本語の「体が重い」にそのまま重なるのが feel heavy です。主語に体の部位を置くと、肉体的なだるさであることがはっきり伝わります。
- フレーズ
- My legs feel heavy. / My whole body feels heavy today.
- 日本語訳
- 脚が重いです。/今日は全身が重たいです。
- 使う場面
- 運動後の筋肉の重さ、長時間の立ち仕事、寝不足の朝。難しい単語を使わずに体感を伝えられるので、語彙に不安がある段階でも安心して使えます。
- 注意点・誤用例
- I feel heavy. だけだと「気持ちが沈んでいる」「重たい気分だ」とも取れます。体の話であることを明確にするため、部位か whole body を添えてください。
- 発音・ニュアンス
- 「ヘヴィ」で、h をしっかり息で出します。日本語の感覚に近いので、直訳しても不自然になりにくい珍しい表現です。
woozy — ふらふらして頭がはっきりしない
woozy は、発熱やめまい、乗り物酔いなどで頭がぼんやりしてふらつく状態を指します。「だるい」の中でも、めまいや吐き気を伴うタイプに使う語です。
- フレーズ
- I feel woozy and my head is spinning. / My brother gets woozy on buses.
- 日本語訳
- ふらふらして頭がくらくらします。/弟はバスに乗ると気分が悪くなります。
- 使う場面
- 高熱時、採血の後、船や車での移動中。医師には I feel dizzy. のほうが症状名として通りやすいので、併せて使うと伝わりやすくなります。
- 注意点・誤用例
- くだけた響きの語なので、正式な書類や問診票には dizziness や lightheaded を使うほうが無難です。単なる疲労には合いません。
- 発音・ニュアンス
- 「ウーズィ」で、oo を長く伸ばし z を濁らせます。音そのものがふらつく感じを帯びた、口語的で親しみのある語です。
tired / exhausted — 疲労としてのだるさ
もっとも基本的なのが tired です。活動後や寝不足のとき、何もしていないのに疲れが抜けないときにも使えます。程度が強ければ exhausted に切り替えます。
- フレーズ
- I’m tired because I didn’t sleep well. / I feel tired all over. / I’m totally exhausted after the long flight.
- 日本語訳
- よく眠れなかったのでだるいです。/全身がだるいです。/長いフライトで疲れ果てました。
- 使う場面
- あらゆる日常会話。理由を because で足すだけで説明として成立するため、最初に覚える型として最適です。all over は「全身に」の意味で、だるさの広がりを示せます。
- 注意点・誤用例
- tired of ~ は「〜に飽きた、うんざりした」です。I’m tired of this job. は「この仕事にうんざりだ」で体調の話ではありません。前置詞ひとつで意味が変わる点に注意してください。
- 発音・ニュアンス
- tired は「タイアド」で二音節。exhausted は「イグゾースティド」で、ex- を「イグズ」と濁らせるのが自然です。exhausted は強い語なので、軽い疲れに使うと大げさに響きます。
under the weather — 「なんとなく体調が悪い」
はっきりした病名はないけれど調子が出ない、風邪っぽい、というときの定番の慣用句が under the weather です。もともとは船が悪天候で揺られて船酔いする様子から生まれた言い回しとされます。
- フレーズ
- I’m feeling a bit under the weather today. / Since I was under the weather, I took the day off.
- 日本語訳
- 今日は少し体調がすぐれません。/体調がいまひとつだったので休みを取りました。
- 使う場面
- 職場への欠勤連絡、誘いを断るとき、詳しい症状を説明したくないとき。ぼかしたまま体調不良を伝えられるのが最大の利点です。
- 注意点・誤用例
- under the water と覚えてしまう誤りが日本語圏の一部の説明に見られますが、正しくは weather です。water にすると「水中で」という別の意味になってしまいます。また症状をぼかす表現なので、診察では具体的な語に置き換えてください。
- 発音・ニュアンス
- 「アンダザウェザ」とひとかたまりで言い、weather を強く出します。柔らかく大人びた響きがあり、深刻さを与えずに不調を伝えられます。
慣用句は under the weather です。under the water と言うと「水中で」という物理的な意味になり、体調の話として通じません。「天気に振り回されて船が揺れる」というイメージで結びつけて覚えると取り違えを防げます。
low on energy / I don’t feel well / not myself — やわらかく伝える言い方
強い語を避けて控えめに伝えたいときに便利な三つです。とくに not myself は「いつもの自分ではない」という言い方で、理由をあまり説明したくないときにも重宝します。
- フレーズ
- I’m a little low on energy today. / I don’t feel well. / I’m just not myself today.
- 日本語訳
- 今日は少し元気が出ません。/体調がよくありません。/今日はどうも調子が出ません。
- 使う場面
- 職場や取引先、あまり親しくない相手に不調を伝えるとき。会議で発言が少なくなる理由を軽く添えたいときにも使えます。
- 注意点・誤用例
- I don’t feel well. は幅が広いぶん、診察では情報が足りません。医師には症状と期間を必ず添えます。また I’m not myself. を強い口調で言うと精神的な不調の告白のように響くことがあるので、just や a bit を添えると軽さが出ます。
- 発音・ニュアンス
- low on energy は「ロウ・オン・エナジー」で、on が前後とつながり「ロウォン」に近く響きます。どれも中立的で、相手に気を使わせにくい言い方です。
体のだるさはこれで一通り出そろいました。次は、同じ「だるい」でもまったく別の顔をした、気分としてのだるさに移ります。
気分としての「だるい」を表す英語表現
- 気分のだるさは lazy、not in the mood、can’t be bothered、drag、hassle などで表す。
- lazy は自分に使えば軽いが、他人に使うと性格の否定になる。体調の説明には使えない。
- dull は I feel dull. の形で使う。I’m dull. は「私はつまらない人間だ」になる。
気分としてのだるさは、やる気の欠如と面倒くささのどちらを言いたいかで語が分かれます。前者なら lazy や not motivated、後者なら hassle や drag が近いところに来ます。
feel lazy — やる気が出ない
lazy は「怠けた」を表す語ですが、自分に対して使えば「今日はだるくて何もしたくない」という軽いニュアンスになります。休日の午後の空気にぴったり合う語です。
- フレーズ
- I feel lazy today. I don’t want to do anything.
- 日本語訳
- 今日はだるくて何もしたくありません。
- 使う場面
- 休日の予定を断るとき、友人との気楽な雑談。a lazy Sunday(のんびりした日曜)のように、心地よいだるさを肯定的に表す使い方もあります。
- 注意点・誤用例
- 他人に You’re lazy. と言うと性格を否定する強い評価になります。また発熱や倦怠感といった身体症状を lazy で表すことはできません。医師に I feel lazy. と言うと「怠けている」と受け取られる恐れがあります。
- 発音・ニュアンス
- 「レイジー」で、z を濁らせます。自分に使う限りはユーモアを含んだ軽い響きになります。
体調のだるさに lazy を使わないでください。lazy は態度や性格への評価に寄った語なので、発熱による倦怠感を lazy と表すと「怠けている」という別の意味に受け取られます。体調不良を伝えるなら sluggish、fatigue、weak などに置き換えます。
not in the mood / not motivated — 気が乗らない
- フレーズ
- I’m not in the mood to go out tonight. / I’m not motivated to start this task.
- 日本語訳
- 今夜は出かけるのがだるいな。/この作業に取りかかるのがだるいです。
- 使う場面
- 誘いを断るとき、仕事のペースが上がらない理由を伝えるとき。どちらも「気持ちが向かない」を落ち着いた調子で示せるため、職場でも使いやすい表現です。
- 注意点・誤用例
- 後ろは to 不定詞か for + 名詞です。I’m not in the mood for karaoke. のように使います。in the mood を省いて I’m not mood. とは言えません。
- 発音・ニュアンス
- mood は「ムード」と長く伸ばします。not を強めると拒否の色が濃くなるので、断るときは I’m not really in the mood tonight. のように really を挟むとやわらぎます。
can’t be bothered — 面倒でやる気が起きない
- フレーズ
- I stayed up late, so I can’t be bothered to do my homework.
- 日本語訳
- 夜更かししたので宿題をやるのがだるいです。
- 使う場面
- 親しい友人や家族との会話。イギリス英語でとくによく耳にする言い方で、面倒くささをそのまま言葉にできます。
- 注意点・誤用例
- ややくだけているため、上司や取引先には避けたい表現です。仕事の場では I’d rather do it tomorrow if that’s all right. のような言い方に置き換えます。
- 発音・ニュアンス
- 「カーント・ビー・ボザド」で、bothered の th は有声音です。口語では can’t be arsed というさらに砕けた形もありますが、丁寧さに欠けるため学習者は避けたほうが安全です。
It’s a drag / It’s such a hassle — だるっ、面倒
- フレーズ
- It’s such a hassle to change trains twice. / What a drag.
- 日本語訳
- 二回も乗り換えるのがだるいです。/だるっ。
- 使う場面
- 手続きや移動の手間について愚痴をこぼすとき。drag は「引きずる」から来ており、重い物を引っぱるような気の重さが伝わります。hassle は手間や面倒そのものを指す名詞です。
- 注意点・誤用例
- 主語は it や物事です。人を主語にして He’s a drag. と言うと「あいつは退屈な奴だ」という批判になります。体調のだるさにも使えません。
- 発音・ニュアンス
- What a drag. は「ワラ・ドラッグ」のようにつながり、drag を強く落とします。ため息と一緒に言うと自然です。
annoying / feel dull — 煩わしい、ぼんやりする
- フレーズ
- This paperwork is really annoying. / I feel dull today.
- 日本語訳
- この書類仕事はだるいです。/今日はなんだかぼんやりしてだるいです。
- 使う場面
- 単調な作業への不満、頭がはっきりしない朝の状態。dull には「鈍い痛み」の意味もあり、a dull pain in my stomach(お腹の鈍い痛み)のように診察でも使われます。
- 注意点・誤用例
- I’m dull. と言うと「私はつまらない人間です」という自己紹介になってしまいます。必ず feel を挟んで I feel dull. としてください。
- 発音・ニュアンス
- dull は「ダル」で、日本語の「だるい」と音が似ているため覚えやすい語です。annoying は「アノイイング」で、-noy- を強く読みます。
I’m dull. は自分を「退屈な人間」と評する表現になります。「ぼんやりする、頭が働かない」と言いたいときは I feel dull. の形を使ってください。be 動詞+形容詞で人柄の評価になり、feel+形容詞で一時的な状態になる、という切り替えは weak や heavy にも共通する考え方です。
語彙が並んだところで、いよいよ実践です。だるさを言えるようになったら、次はそれを「必要な相手に届ける」段階へ進みましょう。

会話で覚える「医者に電話をする」
- 電話では「症状 → 受診の意思 → 初診であること → 紹介者」の順で伝えると話が進む。
- 相手のいる場所へ向かうときは go ではなく come を使う。
- 症状は I have a fever and my throat hurts. のように have と hurt を組み合わせる。
ここでは、体調を崩した学習者が、友人に紹介された医院へ初めて電話をかける場面を追います。役割は「医師」と「学習者」です。声に出して二役を読み分けてみてください。
- 医師
- Good afternoon. This is Dr. Mill. May I help you?
- 学習者
- Good afternoon, doctor. I felt slack during the night. I think I should come to see you. I’ve never met you before. But one of my friends recommends you.
- 医師
- Oh, yes, I know her and her family. Can I ask your name?
- 学習者
- Oh, I’m sorry. My name is Ono. I came here from Japan last year. I’ve been meaning to find a family doctor before now.
- 医師
- Well, what sort of symptoms do you have now?
- 学習者
- I have a fever and my throat hurts.
- 医師
- Could you come here as soon as possible?
- 学習者
- OK. Thank you.
- 日本語訳
- 医師:こんにちは。ドクター・ミルです。どうされましたか。
学習者:こんにちは、先生。夜のあいだ、体がだるかったのです。先生にみてもらったほうが良いかと思いまして。今までそちらにかかったことはないのですが、友人が紹介してくれました。
医師:ああ、はい、彼女とご家族は存じております。あなたのお名前は。
学習者:ああ、すみません。私の名前は小野です。去年、日本からこちらへ参りました。以前からかかりつけの医師を見つけようと思っていたのです。
医師:ええと、今はどのような症状ですか。
学習者:熱があって、のどが痛いです。
医師:なるべく早くいらっしゃれますか。
学習者:わかりました。ありがとうございます。 - 使う場面
- 海外で初めて医院に電話をかけるとき。挨拶、症状、受診の希望、初診であること、紹介者という順序をそのまま自分の情報に差し替えて使えます。
- 注意点
- 名乗るタイミングが遅れると相手は記録を取れません。実際には症状を言う前か直後に My name is ~. と添えるとより円滑です。また症状を長く語らず、まず二つに絞って伝えると聞き取ってもらいやすくなります。
- 発音・ニュアンス
- 電話では語尾が消えやすいので、fever、throat、name のような要点語をやや強く、ゆっくり発音します。as soon as possible は「アズスーナズポッシブル」とつながって聞こえます。
短い会話ですが、初診の電話に必要な要素はほぼすべて入っています。では、ひとつずつ言葉の中身を見ていきましょう。
会話に出てきた表現のポイント
- come は相手の位置を基準に動きを表すため、「先生のところへ行く」は come to see you。
- have never met で初診であることを一言で示せる。
- have been meaning to ~ は「ずっと〜しようと思っていた」をやわらかく述べる型。
この会話でとくに学びが多いのは come の使い方です。日本語では「先生のところへ行く」と言いますが、英語では相手の位置を基準に動きを表すため、相手のいる場所へ向かうときは go ではなく come を使います。I’ll come to your office. という発想と同じで、電話をかけている相手の視点に立って動詞を選ぶ英語らしい感覚が現れた部分です。
have never met は現在完了形の経験用法で「今まで会ったことがない」。初診であることをこの一言で伝えられます。相性のよい副詞 before を添えると「以前に」という時間の幅がはっきりします。
recommend は「勧める、紹介する」。My friend recommended you. と過去形にしても差し支えありません。紹介者の名前を出せる場面では、それが信頼の入口になります。
have been meaning to ~ は「ずっと〜しようと思っていた」。実行できていなかったことをやわらかく述べる言い方で、I’ve been meaning to call you.(ずっと電話しようと思っていました)のように日常でも活躍します。言い訳がましくならず、事情を静かに伝えられる便利な型です。
語句をまとめて確認しておきましょう。
- slack:ここでは「(身体などが)だるい」。体に張りがなく力が入らない感覚。
- family doctor:かかりつけの医師。イギリスやオーストラリアでは GP(general practitioner)、アメリカでは primary care physician(PCP)とも呼ばれる。
- before now:「今まで」。until now とほぼ同義。
- what sort of ~:「どのような〜」。what kind of ~ と置き換え可能。
- symptom:「症状」。複数形 symptoms で使うことが多い。
- fever:「熱」。I have a fever. の形で使い、I am fever. とは言わない。
- hurt:「痛む」。My throat hurts. のように痛む部位を主語にする。
- as soon as possible:「できるだけ早く」。ASAP と略される。
だるさと基本の症状が言えるようになりました。ただ、診察はここから先の細かい症状で進みます。使える型を増やしておきましょう。
症状を英語で伝えるための語彙と三つの型
- 痛みの言い方は「部位を主語にする」「have を使う」「形容詞で言う」の三型。
- 症状には期間(since / for)と程度(mild / severe)を必ず添える。
- sore は炎症を伴うヒリヒリした痛みで、I have a sore throat. が最頻出。
痛みの表現は、三つの型を覚えれば足ります。部位を主語にする My stomach hurts.、have を使う I have a stomachache.、形容詞で言う My shoulder is sore. です。この三つを行き来できれば、部位を入れ替えるだけで多くの症状に対応できます。
そのほか、よく使う症状表現を並べておきます。声に出して読み、自分に当てはまるものに印をつけてみてください。
- I have chills.(悪寒がします)
- I have a cough.(咳が出ます)
- I have a runny nose.(鼻水が出ます)
- I have a stuffy nose.(鼻が詰まっています)
- I feel nauseous.(吐き気がします)
- I feel dizzy.(めまいがします)
- I have no appetite.(食欲がありません)
- I have diarrhea.(下痢をしています)
- I’ve been vomiting.(吐いています)
- My joints ache.(関節が痛みます)
- I have a headache and my eyes feel heavy.(頭痛があり、目が重い感じがします)
- I’ve been sweating a lot at night.(夜にひどく汗をかきます)
期間を添えると診断の手がかりになります。for three days(三日間)、since yesterday(昨日から)、on and off for a week(一週間ほど断続的に)をセットで覚えておくと安心です。
程度を示すには mild(軽い)、moderate(中程度)、severe(重い)、getting worse(悪化している)、getting better(よくなっている)が使えます。だるさと組み合わせると、I’ve had severe fatigue since Monday, and it’s getting worse.(月曜から強い倦怠感があり、悪化しています)のように輪郭のはっきりした説明になります。
- フレーズ
- I have a sore throat and a mild fever, and I’ve been feeling sluggish since Sunday night.
- 日本語訳
- のどが痛くて軽い熱があり、日曜の夜からだるさが続いています。
- 使う場面
- 診察や電話予約での症状説明。「主な症状」「程度」「いつから」の三点セットを一文に収めた型なので、これを丸ごと暗記しておくと応用が利きます。
- 注意点
- since の後ろは時点(Sunday, yesterday, last week)、for の後ろは期間の長さ(three days, a week)です。since three days とは言えません。
- 発音・ニュアンス
- sore throat は「ソア・スロート」で、throat の th は無声音。長い文は and の前で軽く区切って息を入れると聞き取ってもらいやすくなります。
語彙が整ったら、実際の電話の流れに沿って組み立ててみます。順序が分かっていれば、緊張していても言葉は出てきます。
電話で受診の予約を取るときの流れ
- 用件 → 初診かどうか → 希望日時 → 症状 → 事務確認、の五段階で進む。
- I’d like to make an appointment to see a doctor. が最初の一文の定型。
- 保険や持ち物の確認は電話の段階で済ませておくと安心。
海外の医療機関では、まず電話やオンラインで予約を取るのが一般的です。順序を頭に入れておけば落ち着いて対応できます。
はじめに用件を伝えます。I’d like to make an appointment to see a doctor.(診察の予約を取りたいのですが)、あるいは I’d like to see a doctor today if possible.(できれば今日診てもらいたいのですが)。初診であることは This is my first visit.(初診です)や I’m a new patient.(新規の患者です)と伝えます。
次に希望日時を調整します。Do you have anything available this afternoon?(今日の午後に空きはありますか)と尋ね、提示された時間に合わせて Ten thirty works for me.(十時半で大丈夫です)と応じます。都合が悪ければ Could we do a bit later?(もう少し遅い時間にできますか)と返せます。
そして症状の説明です。I have a fever and a sore throat, and I’ve been feeling really sluggish since last night.(熱とのどの痛みがあり、昨夜からひどくだるいです)のように、主な症状とだるさ、いつからかを三点セットで言えると十分に伝わります。
最後に事務的な確認です。Do you take this insurance?(この保険は使えますか)、Do I need to bring anything?(何か持っていくものはありますか)、Is there a walk-in clinic nearby?(近くに予約なしで診てもらえる診療所はありますか)といった質問を用意しておくと安心です。
- 受付スタッフ
- Good morning, Riverside Clinic. How can I help you?
- 学習者
- Good morning. I’d like to make an appointment to see a doctor today if possible. This is my first visit.
- 受付スタッフ
- Certainly. May I have your name and date of birth? And what seems to be the problem?
- 学習者
- My name is Ono, O-N-O. I have a fever and a sore throat, and I’ve been feeling really sluggish since last night.
- 受付スタッフ
- We have an opening at ten thirty. Would that work for you?
- 学習者
- Ten thirty works for me. Do you take this insurance, and do I need to bring anything?
- 日本語訳
- 受付:おはようございます、リバーサイド・クリニックです。ご用件をどうぞ。
学習者:おはようございます。できれば今日、診察の予約を取りたいのですが。初診です。
受付:承知しました。お名前と生年月日をお願いできますか。それと、どうされましたか。
学習者:小野です、O-N-Oです。熱とのどの痛みがあり、昨夜からひどくだるいです。
受付:十時半に空きがあります。ご都合はいかがですか。
学習者:十時半で大丈夫です。この保険は使えますか。何か持っていくものはありますか。 - 注意点
- 名前は聞き取られにくいので、O-N-O のように一文字ずつ読み上げる準備をしておきます。生年月日は国によって順序が異なるため、月を英語名で言う(the fifth of April など)と誤解が起きにくくなります。
- 発音・ニュアンス
- Would that work for you? は「ウッザッ・ワークフォユー」とつながります。works for me は予定調整の定番句で、日常でも仕事でも使える便利な返答です。
予約が取れたら、次は診察室です。医師から飛んでくる質問をあらかじめ知っておけば、答えに詰まりません。
医師からよく聞かれる質問と答え方
- What brings you in today? は「今日はどうされましたか」の定番。
- 答えは短くてよい。流暢さより正確さが優先される。
- 服薬とアレルギーは必ず聞かれるので、答えを英語で用意しておく。
診察では次のような問いかけが飛んできます。あらかじめ答えの型を作っておくと会話が滞りません。
- What brings you in today?(今日はどうされましたか)
- What sort of symptoms do you have?(どのような症状ですか)
- How long have you had these symptoms?(症状はいつからですか)
- Have you taken your temperature?(体温は測りましたか)
- Are you taking any medication?(何か薬を飲んでいますか)
- Do you have any allergies?(アレルギーはありますか)
- Does it hurt when I press here?(ここを押すと痛みますか)
- Have you been able to eat and drink?(食事や水分は取れていますか)
答え方は、Since Tuesday.(火曜からです)、I took some painkillers this morning.(今朝、痛み止めを飲みました)、I’m allergic to penicillin.(ペニシリンにアレルギーがあります)のように短くて構いません。正確さのほうが流暢さより大切です。
聞き取れなかったときの一言も用意しておきましょう。Could you say that again, please?(もう一度お願いできますか)、Could you speak a little more slowly?(少しゆっくり話していただけますか)、What does that word mean?(その語はどういう意味ですか)。体調が悪いときこそ、遠慮せず確認するほうが安全です。
診察の終わりには指示が出ます。Take this twice a day after meals.(食後に一日二回服用してください)、Come back if it doesn’t get better in three days.(三日で改善しなければまた来てください)、Get plenty of rest and drink lots of fluids.(十分休んで水分をたくさん取ってください)。聞き取った内容は必ず復唱して確認すると、取り違えを防げます。
ここまでで実践の流れは通りました。次に、日本語話者がとくにつまずきやすい落とし穴を先に見ておきます。
日本語話者がつまずきやすいポイント
- 体調に lazy、自己紹介になる I’m dull.、綴り違いの under the water は代表的な落とし穴。
- fever は名詞なので I have a fever.。I am fever. は成立しない。
- painful は物や部位を主語にする。I’m painful. とは言わない。
まず、体調のだるさに lazy を使わないこと。lazy は態度や性格の評価に寄る語なので、発熱による倦怠感を lazy と言うと「怠けている」という別の意味に受け取られます。
次に、I’m dull. と言わないこと。「つまらない人間だ」という自己評価になってしまいます。I feel dull. とすれば「ぼんやりする」の意味になります。慣用句は under the weather で、water ではありません。
fever は名詞なので I have a fever. と言います。I am fever. は成立せず、I am hot. も避けたい言い方です。後者は「暑い」あるいは俗に「魅力的だ」の意味になりかねません。熱の高さを言うなら My temperature is thirty-eight degrees. のように temperature を使います。
熱があることを I am hot. と表すのは避けてください。「暑い」の意味に取られるか、俗語として「魅力的だ」と解釈される可能性があります。体温の話であることを明確にするため、I have a fever. または My temperature is high. を使います。
sick と ill の違いも押さえておくとよいでしょう。アメリカ英語の sick は幅広く「体調が悪い」を指し、I feel sick. は「気分が悪い、吐きそう」の意味にもなります。イギリス英語では ill が「病気の」で、be sick は「吐く」を指す傾向があります。
painful は原則として物や部位を主語にします。I’m painful. ではなく My knee is painful. あるいは My knee hurts. です。感覚を表す形容詞は主語の選び方で意味が変わるという点が、日本語との大きな違いです。
辞書に同じ訳語が並んでいても、すべての場面で置き換えられるわけではありません。単語単位ではなく、I feel sluggish this morning. のような短い一文を型として覚え、主語・時制・部位だけを入れ替えて練習するほうが定着しやすくなります。
言葉の背景にある仕組みも知っておくと、会話の意味がぐっと立体的になります。会話に出てきた family doctor がその鍵です。
かかりつけ医という文化の前提
- 多くの英語圏では家庭医を受診し、必要に応じて専門医へ紹介(referral)される仕組み。
- 急な体調不良には walk-in clinic や urgent care、命に関わる場合は emergency room。
- 費用は保険の適用範囲で大きく変わるため、電話の段階で確認する習慣が役に立つ。
会話に出てきた family doctor は、英語圏の医療を理解する鍵になる語です。多くの国では、患者はまず登録した家庭医を受診し、必要に応じて専門医へ紹介される仕組みになっています。この紹介状のことを referral と呼び、I need a referral to see a specialist.(専門医にかかるには紹介が必要です)といった会話が日常的に交わされます。
だからこそ、引っ越しや移住をすると family doctor を探すことが生活の課題になります。会話の中で学習者が I’ve been meaning to find a family doctor before now. と言っているのは、単なる文法練習ではなく、渡航者が実際に直面する現実そのものです。
そして探し方として一般的なのが、知人からの紹介です。One of my friends recommends you. の一言が信頼の入口になるという点も、英語圏の受診文化を映しています。紹介という一言が初診のハードルを下げるのは、どの国でも変わらないのかもしれません。
また予約文化が根づいているため、急な体調不良には walk-in clinic(予約不要の診療所)や urgent care(緊急性の高い症状に対応する施設)を使うという選択肢があります。命に関わる状況では emergency room(ER、救急外来)です。症状の重さに応じて行き先を選び分ける発想を持っておくと、いざというときに慌てません。
保険の適用範囲によって費用が大きく変わる国もあります。電話の段階で Do you take this insurance? と確認する習慣、そして travel insurance の書類を手元に置いておく用意は、語彙と同じくらい心強い備えになります。
仕組みが分かれば、あとは口に出せるかどうかです。最後に、覚えた表現を自分の言葉に変えていく手順を見ていきます。
だるさを自分の言葉にする練習法
- 最も簡単な一文を作り、because / when / after で理由や時を足していく。
- 同じ内容を sluggish、run down、low on energy に言い換えて響きを比べる。
- 相手について述べるときは look や seem、a bit を添えてやわらげる。
表現を眺めるだけでは口から出てきません。一文を作って言い換えるという手順で、自分の生活に結びつけてみてください。
まず、今日「だるい」と感じた場面をひとつ思い出し、I を主語にして最も簡単な一文を作ります。I feel tired. で構いません。そこに because、when、after のいずれかで理由や時を足します。I feel tired because I didn’t sleep well. これで説明としての厚みが出ます。
最後に、その一文を sluggish、run down、low on energy などに言い換えて、響きの違いを比べます。I feel sluggish because I didn’t sleep well. と I’m a bit run-down because I didn’t sleep well. を続けて口に出すと、語ごとの重さの差が体で分かります。
相手について述べるときは、断定を避けて You look a little tired today. や She seems run-down. のように look や seem を使うとやわらかくなります。a little、kind of、I think、today といった語を添えて範囲を限定するのも、人間関係を損ねない工夫です。
発音の練習は三点に絞ると取り組みやすくなります。第一に sluggish、lethargic、fatigue の強く読む位置を確認すること。第二に throat、healthy の th を舌先で軽く出すこと。第三に under the weather や as soon as possible をひとかたまりで言う練習です。単語を切り離して読むより、句のまとまりで覚えるほうが電話でも通じやすくなります。
一週間の進め方の例を挙げておきます。負担にならない範囲で調整してください。
- 一日目:体のだるさの語(sluggish, fatigue, weak, heavy)を音読し、自分の状態に合う一文を作る。
- 二日目:気分のだるさの語(lazy, not in the mood, drag, hassle)で同じ作業をする。
- 三日目:症状の三つの型(hurts / have / is sore)を部位を変えて十回口に出す。
- 四日目:期間と程度(since, for, mild, severe, getting worse)を症状に足して言う。
- 五日目:医院への電話の会話を二役で音読し、名前と症状を自分のものに差し替える。
- 六日目:医師の質問八つに、見ないで答える練習をする。
- 七日目:一週間で言えるようになった文を書き出し、言いにくかったものだけ選び直す。
ひとりで音読を重ねると、通じるかどうかの手応えが分かりにくくなります。相手のいる場で試すと、語の強さや丁寧さの加減まで含めて確かめられます。会話の相手を探している方は、下から様子を見てみてください。

よくある質問
- 迷ったら I feel sluggish. と I’m not feeling well. の二つで大半の場面をしのげる。
- 単語が出てこないときは基本語で事実を二文に分けて説明すればよい。
- 医師には fatigue や since ~ を混ぜると症状の輪郭がはっきりする。
「だるい」を英語で言うとき、もっとも無難で使いやすい表現はどれですか
体調の話であれば I feel sluggish. と I’m not feeling well. の二つで大半の場面をしのげます。医療の場では fatigue、控えめに伝えたいときは low on energy が便利です。まずこの三つを覚えておけば、相手や場面に応じて選び分けられます。
友人との気楽な雑談で「だるい」と言うときはどの表現が自然ですか
体の話なら I’m so tired. や I feel sluggish. が自然です。気分の話なら I feel lazy today. や What a drag. がよく使われます。親しい相手であれば I can’t be bothered. のような砕けた言い方も違和感がありません。
単語が思い出せないときはどう伝えればよいですか
I don’t have much energy today. や My body feels heavy. のように、知っている基本語で事実を説明してください。短い文を二つに分けても意味は十分に届きます。難しい語を探すより、体のどこがどうなっているかを平易に述べるほうが確実です。
医師には友人と同じ言い方で話してよいのでしょうか
伝わりますが、fatigue、severe、on and off、since ~ といった語を混ぜると症状の輪郭がはっきりします。診察では正確さが優先されるので、丁寧すぎるより具体的であることを意識してください。期間と程度を添えるだけでも説明の質が変わります。
sluggish と lethargic はどう違いますか
sluggish は動きが鈍く重い状態で、程度は中くらい。日常的に使いやすい語です。lethargic は疲労がより深く、動く気力そのものが湧かない状態を指します。軽い不調に lethargic を使うと誇張に響くので、寝不足程度なら sluggish を選ぶのが自然です。
under the weather と I don’t feel well はどちらが丁寧ですか
どちらも失礼にはあたりません。under the weather は慣用句なのでやわらかく大人びた響きになり、症状を詳しく言わずに済ませたいときに向きます。I don’t feel well は中立的で、相手や場面を問わず使えます。診察では、どちらの場合も具体的な症状を続けて添えてください。
体調のだるさを lazy で表してはいけないのですか
lazy は態度や性格の評価に寄る語なので、発熱や倦怠感といった身体症状の説明には使えません。医師や上司に I feel lazy. と伝えると「怠けている」と受け取られる恐れがあります。体調の話では sluggish、fatigue、weak などに置き換えてください。自分の休日について軽く言う場面なら問題ありません。
つ・ぶ・や・き
- 体調を伝える言葉は、いちばん手の届く場所に置いておきたい。
- sluggish、slack、fatigue、under the weather は同じ感覚を別の角度から写した言葉。
- 日本語の一語では見えなかった差が、英語を通して立ち上がってくる。
具合が悪いときには、頼りになる医師が必要です。そしてその医師に自分の状態が伝わらないことほど心細いこともありません。「痛い」「だるい」「熱がある」。ふだんは意識もしないこうした言葉こそ、いちばん先に手の届く場所へ置いておきたいものです。
sluggish、slack、fatigue、under the weather。並べてみると、どれも「体の張りが失われた感じ」を別の角度から写した言葉だと気づきます。日本語の「だるい」一語では見えなかった細かな違いが、英語を通して立ち上がってくる。体調を崩したときの言葉を覚えるという地味な作業は、そういう発見の入口でもあります。
今日はまず一文だけでかまいません。I feel sluggish today. と声に出してみてください。その一文が、い
つか必要な場面であなたを助けてくれます。
では、また次回お会い致しましょう。
See you then.

