六月に入って空が重く垂れこめると、日本人同士なら「もう梅雨だね」の一言で通じ合えます。ところが相手が海外の同僚や友人になった瞬間、この一言が出てこなくなる。「rainy season で合っているのかな」「そもそも梅雨って海外にあるの?」と迷ったまま、天気の話題をあきらめてしまった経験はないでしょうか。
この記事では、梅雨を表す五つの言い方の使い分けから、梅雨入り・梅雨明け・梅雨前線といった季節の節目、「ぱらぱら」「しとしと」「ざあざあ」に対応する雨の動詞、雨で予定が流れたときの言い方、そして梅雨を知らない相手への説明の組み立てまでを、そのまま声に出せる例文の形でそろえました。読み終えたときには、窓の外を見ながら英語で一言つぶやけるようになっているはずです。
独学で表現を増やしたあと、実際に人に向かって話す場が欲しくなったら、英語教室のような対話の機会を組み合わせると定着が早まります。まずは、いちばん迷いやすい「梅雨」という語そのものから整理していきましょう。
梅雨を英語で伝えるなら the rainy season を軸にする
- 迷ったら the rainy season。どの国の相手にも誤解なく届く標準形。
- the wet season は乾季との対比、the summer rains は初夏の長雨という手触り。
- tsuyu と the plum rain(s) は単独では通じない。必ず短い言い換えを添える。
- 冠詞は the が基本。a rainy season はぼんやりした響きになる。
結論から言えば、梅雨を英語で言うときは the rainy season を第一候補にしておけば困りません。理由は単純で、雨季という概念自体は世界中にあり、rainy season はその概念をまっすぐ指す語だからです。相手の出身地がどこであっても、まず意味を取り違えられません。
ただし、実際の会話では相手や場面に応じて言い換えたほうが伝わりやすい場面もあります。オーストラリア出身の相手、文化紹介のプレゼン、旅行者への案内では、それぞれ選ぶ語が変わってきます。五つの言い方を順に見ていきましょう。
the rainy season:どの相手にも届く標準形
直訳すれば「雨の季節」。対になる語は the dry season(乾季)で、この二つはセットで覚えると記憶に残ります。日常会話でもニュースでも観光案内でも、この語を使っておけば場面を選びません。
- フレーズ
- The rainy season is here.
- 日本語訳
- 梅雨の季節ですね。/梅雨が来ましたね。
- 使う場面
- 曇り空を見上げながらの雑談の切り出し。オフィスの入口、エレベーター前、朝の挨拶のあとに一言添えるとき。
- 注意点・誤用例
- ×It’s a rainy day.(今日は雨だね、の意味にしかならず季節を表せない)/×Rainy season is here.(the の抜け落ちが目立つ)
- 発音・ニュアンス
- 「ザ レイニ スィーズン ィズ ヒア」。season の s は濁らず、語尾は「ズン」と軽く。is here をつなげて「ィズィア」と流すと自然に響きます。
応用の例文も見ておきましょう。どれも主語と動詞を変えるだけで自分の状況に置き換えられます。
- During the rainy season, my hair gets frizzy.(梅雨の間は髪が広がってしまう)
- The rainy season in Japan is quite humid and lasts for several weeks.(日本の梅雨はとても湿気が多く、数週間続きます)
- We’re in the middle of the rainy season right now.(今はちょうど梅雨の真っただ中です)
冠詞の the を付けるのが基本です。「毎年決まってやってくる、あの季節」という特定のものを指しているためで、a rainy season にすると「世界のどこかにある雨の多い季節のひとつ」という距離のある響きになります。
the wet season:乾季との対比で語るとき
rainy season とほぼ同義で、オーストラリアや東南アジアに縁のある人がよく使う言い方です。the dry season との対比が語のなかに強く残っているので、「乾季と雨季で暮らしが変わる土地」の話をするときに自然に馴染みます。
- I don’t like the wet season. It’s always muggy and feels disgusting.(雨季は苦手。いつも蒸し蒸しして気持ち悪い)
- In Darwin, the wet season runs from November to March.(ダーウィンの雨季は11月から3月まで続きます)
the summer rains:初夏の長雨という手触り
「夏の長雨」を表す複数形の表現です。梅雨がちょうど初夏にあたる日本の季節感に近く、文章のなかにすっと溶け込みます。rains と複数形にすることで、一度の雨ではなく降り続く雨の連なりを表せます。
- I’m not a big fan of the summer rains in Japan. It’s always drizzling and everything smells like mold.(日本の梅雨はあまり好きじゃない。いつも小雨で、何もかもカビ臭くなる)
tsuyu:文化として誠実に伝えるとき
sushi や kimono と同じように、日本語をそのまま持ち込む方法です。文化紹介の場面では、これがいちばん誠実な伝え方になります。ただし単独では相手の頭に何も浮かばないので、必ず短い言い換えを添えるのが前提です。
- フレーズ
- In Japan, we have a rainy season called “tsuyu.” It usually starts in early June and lasts for about a month.
- 日本語訳
- 日本には「梅雨」と呼ばれる雨の季節があります。だいたい6月初めに始まり、1か月ほど続きます。
- 使う場面
- 来日した取引先や留学生に、日本の気候を最初に説明するとき。called ~ の形で固有名詞を導入できます。
- 注意点・誤用例
- ×Now it’s tsuyu.(前置きなしでは通じない)。a rainy season called ~ / the so-called ~ を必ず添えます。
- 発音・ニュアンス
- 英語話者には「ツ」が難しく「スーユー」に近く聞こえることがあります。ゆっくり二拍で「tsu-yu」と区切って言うと伝わりやすくなります。
- In early summer, most parts of Japan get visited by a rainy season, the so-called tsuyu.(初夏になると、日本のほとんどの地域にいわゆる「梅雨」が訪れます)
the plum rain(s):漢字の由来をなぞった言い方
「梅雨」の漢字をそのまま英語にした表現で、英語圏の学術記事や紀行文に the plum rains、the plum rain season として登場します。由来の説明にはうってつけですが、梅雨を知らない相手が単独で聞くと梅の花や収穫時期を思い浮かべてしまいがちです。
- The East Asian rainy season is commonly called the plum rains because it starts when plums are ripening.(東アジアの雨季は、梅の実が熟すころに始まるため「梅雨」と呼ばれています)
tsuyu と the plum rain(s) を前置きなしで会話に投げ込むと、相手は「果物の話?」と混乱します。どちらも「the rainy season という説明を先に置いて、あとから固有の呼び名を添える」順番を守ってください。逆にすると、せっかくの文化紹介が伝わらないまま話題が途切れてしまいます。
秋雨と「長雨」の言い換え
秋の長雨は the autumn rain、the autumnal rain と表現できます。梅雨も秋雨も「長く降り続く」ことが特徴なので、a long spell of rain in early summer / autumn(初夏/秋の長雨の期間)と言い換えると、季節を問わず説明しやすくなります。spell は「ひと続きの期間」を表す語で、天気の話題で頻繁に登場します。

語の選び分けが見えたところで、次は天気予報やニュースで必ず出てくる季節の節目の言い方に進みます。
梅雨入り・梅雨明け・梅雨前線を英語で言い分ける
- 梅雨入りは the beginning of the rainy season / has set in。
- 梅雨明けは the end of the rainy season / is over / has come to an end。
- 梅雨前線は a seasonal rain front または the baiu front。
- during the rainy season を使えば「梅雨の合間の晴れ」なども言い表せる。
節目を表す言い方は、動詞のパターンを三つ覚えれば足ります。set in(本格的に始まる)、be over(終わっている)、come to an end(終わりを迎える)です。この三つがあれば、梅雨入りから梅雨明けまでを自分の言葉で言えるようになります。
なぜこの三つなのかというと、日本語の「入る」「明ける」に一対一で対応する英語がないためです。英語では「季節が始まる/終わる」という素直な言い方に置き換えるほうが、はるかに自然に伝わります。
梅雨入りの言い方
- It’s the beginning of the rainy season.(梅雨入りですね)
- The rainy season has set in.(梅雨が本格的に始まりました)
- The start of the rainy season was announced yesterday on the news.(昨日のニュースで梅雨入りが発表された)
梅雨明けの言い方
- It’s the end of the rainy season.(梅雨明けです)
- The rainy season is over.(梅雨が明けました)
- The rainy season has finally come to an end.(ようやく梅雨が明けました)
- The rainy season is over and it’s finally starting to feel like summer!(梅雨が明けて、いよいよ夏らしくなってきた)
気象用語の関連語
- a seasonal rain front / the baiu front:梅雨前線
- a stationary front:停滞前線
- a cold front / a warm front:寒冷前線/温暖前線
- high pressure / low pressure:高気圧/低気圧
- a dry rainy season:空梅雨
- the humidity:湿度
- rainfall / precipitation:降水量
- フレーズ
- The rainy season begins in early May in Okinawa, and the seasonal rain front gradually moves north until it reaches Hokkaido in late July.
- 日本語訳
- 梅雨は5月上旬に沖縄で始まり、梅雨前線は7月下旬に北海道へ達するまで徐々に北上します。
- 使う場面
- 日本の広さと気候の違いを説明するとき。旅行の時期を相談されたときにも役立ちます。
- 注意点
- 北海道には梅雨がないとされることに触れるなら、Hokkaido is usually said to have no rainy season. と一言添えると誤解が生じません。
- 発音・ニュアンス
- 長い文なので、in Okinawa/and the seasonal rain front/until it reaches Hokkaido の三か所で軽く息を置くと聞き取りやすくなります。
前線そのものを主語にした一文も便利です。The rainy season is caused by the baiu front that stays over Japan.(梅雨は日本上空に停滞する梅雨前線によって起こります)と言えれば、理科の説明として十分に通用します。
また「〜 during the rainy season」の形は応用が広いので覚えておきたいところです。during は「ある期間のなかの一時点」を示す前置詞で、次のように名詞と組み合わせて使えます。
- fine weather during the rainy season:梅雨の合間の晴れ
- cool weather during the rainy season:梅雨の間の肌寒い日
- cloudy skies during the rainy season:梅雨の曇り空
- a break in the rainy season:梅雨の中休み
季節の枠組みが言えるようになったら、次は日々の会話でいちばん出番の多い「雨の降り方」に移ります。ここが日本語話者にとって、いちばん語彙を増やしやすい領域です。
雨の降り方を英語で言い分ける
- ぱらぱら=sprinkle / spit、しとしと=drizzle、ざあざあ=pour / downpour。
- mist は降る雨ではなく空中に漂う水滴。drizzle との違いは「降っている感覚」の有無。
- get caught in ~(〜に降られる)は梅雨の時期に出番が多い。
日本語の「ぱらぱら」「しとしと」「ざあざあ」には、それぞれ対応する英語の動詞がきちんと存在します。雨は動詞で語ると考えると、この領域は一気に整理できます。日本語が擬音語で表す部分を、英語は動詞一語で表すわけです。
弱いほうから強いほうへ並べて覚えるのが、いちばん記憶に残ります。以下の順で頭に入れておくと、窓の外を見た瞬間に語が出てくるようになります。
- spit:ぱらつく(ごく弱く、ぽつぽつ)
- sprinkle:ぱらぱら降る
- drizzle:しとしと降る、霧のような小雨
- mist:霧・もや状の細かい水滴(視界を悪くする)
- shower / rain shower:にわか雨、通り雨
- rain steadily:降り続く
- pour / downpour / heavy rain:土砂降り、豪雨
- continuous rain / a long spell of rain:長雨
- sleet:みぞれ
- hail / hailstorm:雹
- freezing rain:凍雨
例文で感覚をつかんでみましょう。どれも主語は it で始まる短い文なので、口に出す練習に向いています。
- It’s spitting outside.(外はぱらついている)
- Now it’s starting to sprinkle.(雨がぱらぱら降り出した)
- It’s just drizzling out. I don’t think I need an umbrella.(小雨だから傘はいらないと思う)
- The mist made it hard to see the road this morning.(今朝は霧のせいで道が見えにくかった)
- We got caught in a sudden shower on our way home.(帰り道に急なにわか雨に降られた)
- It’s pouring.(土砂降りだ)
- The continuous rain has left some roads submerged.(長雨で一部の道路が水没している)
- It’s not snowing, it’s sleeting. Be careful on the road!(雪じゃなくてみぞれだよ。運転に気をつけて)
- フレーズ
- I got caught in the rain on my way home.
- 日本語訳
- 帰り道に雨に降られました。
- 使う場面
- 濡れた髪や鞄を見て「どうしたの」と聞かれたときの返答。翌朝の雑談の切り出しにも使えます。
- 注意点・誤用例
- ×I was rained.(受動態にはできない)。get caught in ~ の形で覚えます。びしょ濡れなら I got soaking wet. を続けると情景が伝わります。
- 発音・ニュアンス
- got caught in は「ガッコートィン」とひとかたまりで発音されます。t を一つずつ言わず、つなげるのが自然です。
raining cats and dogs は教科書でおなじみですが、やや古風で子どもっぽく響く場合があります。ビジネスの場や年上の相手には It’s pouring. や It’s a heavy downpour. のほうが無難です。イディオムは知識として持ちつつ、使う相手を選びましょう。
雨そのものを言えるようになったら、次は空模様と体感です。梅雨の話題で相手がもっとも驚くのは、実は雨量ではなく湿度のほうです。
空模様と蒸し暑さを英語で実況する
- cloud over(曇ってくる)と clear up(晴れてくる)は対で覚える。
- It’s ~. の形に形容詞を入れるだけで体感を伝えられる。
- humid(湿気が多い)、muggy(蒸し蒸し)、sticky(べたつく)、gloomy(どんより)が梅雨の四天王。
空模様は句動詞で言うと表情が出ます。cloud over と clear up の二つを押さえるだけで、「曇ってきた」「晴れてきた」という変化を実況できるようになります。どちらも進行形で使うのが定番です。
変化を表す句動詞が便利なのは、写真のように場面が浮かぶからです。It’s cloudy. は状態の報告にとどまりますが、It’s clouding over. は「今まさに雲が広がっていく」動きまで伝えます。
- It’s clouding over.(曇ってきた)
- It’s clearing up.(晴れてきた)
- The sky looks threatening.(今にも降り出しそうな空だ)
- It looks like rain.(雨になりそうだ)
- The clouds are breaking up.(雲が切れてきた)
梅雨の不快さを伝えるには It’s ~. の形が万能です。形容詞を差し替えるだけなので、覚える負担がほとんどありません。
- It’s humid.(湿気が多い)
- It’s muggy.(蒸し蒸しする)
- It’s sticky.(べたつく)
- It’s gloomy.(どんよりしてうっとうしい)
- It’s a downpour.(ざあざあ降りだ)
- It’s stuffy in here.(部屋の空気がこもっている)
- フレーズ
- It’s not just hot, it’s muggy. The humidity is over 80 percent.
- 日本語訳
- 暑いだけじゃなくて蒸し蒸しするんです。湿度が80パーセントを超えていますから。
- 使う場面
- 乾燥した気候から来た相手に、日本の夏の体感を伝えるとき。数字を添えると納得されやすくなります。
- 注意点
- humid は「湿度が高い」という中立的な語、muggy は「不快な蒸し暑さ」という主観が入る語です。天気予報では humid、雑談では muggy が多く使われます。
- 発音・ニュアンス
- muggy は「マギィ」。humid は「ヒューミッド」で、最初の h をしっかり出します。humidity は「ヒューミディティ」と第二音節を強く。
湿度そのものに触れるなら The humidity is intense.(湿度がすごい)という言い方もできます。梅雨を体験したことのない相手には、降水量よりも湿度の高さのほうが驚きのポイントになることが多いようです。
では、その雨で予定が流れてしまったときはどう言えばよいのでしょうか。日本語の「延期」と「中止」を英語で言い分ける場面です。
雨で予定が流れたときの英語
- 延期は put off / postpone、中止は call off / cancel。日を改めるかどうかで選ぶ。
- be rained out は「雨で流れた」(主に北米)。
- take a rain check は「今回は見送って、また次の機会に」。
この領域は意味の差がはっきりしているので、四つの表現を対比で覚えるのが最短です。延期と中止を混ぜないことが、誤解を避ける最大のポイントになります。
なぜ区別が大事なのかというと、日本語では「流れた」の一言で済むところを、英語は「後日やるのか、やらないのか」まで含めて表すからです。相手は次の予定を立てる前提で聞いているので、ここを曖昧にすると話が食い違います。
- put off / postpone:日を改めて後日行う(延期)
- call off / cancel:取りやめる(中止)
- be rained out:雨で流れる(試合や行事が中止・順延になる、主に北米)
- take a rain check:今回は見送って、また次の機会にする
例文で確認しましょう。行事が「延期される」側になるときは、受動態の be put off になる点に注意してください。
- The sports day was put off until next Saturday.(運動会は来週土曜に延期された)
- If it rains, it will be put off until next week.(もし雨が降ったら来週に延期されます)
- The game was called off because of a heavy downpour.(豪雨のため試合は中止になった)
- The match was rained out.(試合は雨で流れた)
- We had to postpone the outdoor event because of the rain.(雨のため屋外イベントを延期せざるを得なかった)
- フレーズ
- Can I take a rain check on dinner? I’m not feeling well tonight.
- 日本語訳
- 今夜は食事を見送ってもいい? あまり調子がよくないんだ。
- 使う場面
- 誘いを断りつつ「また誘ってほしい」という気持ちを残したいとき。天気とは無関係の場面でも使えます。
- 注意点
- くだけた口語なので、初対面の取引先には I’m afraid I’ll have to pass this time, but I’d love to join next time. のような丁寧な形が安全です。
- 発音・ニュアンス
- rain check は「レインチェック」とひと語のように。語源は野球の雨天中止時に観客へ渡された次回有効の引換券です。
予定の話ができたら、次は梅雨の必需品です。雨具の語彙は買い物や借り物の場面で直接役に立ちます。
傘と雨具の英語
- 折りたたみ傘は folding umbrella / collapsible umbrella / compact umbrella のいずれでも通じる。
- 日傘は parasol または sun umbrella。雨傘とは別物として扱われる。
- rain boots のように左右一対のものは複数形になる。
最後に、折りたたみ傘は folding umbrella と言えば日常会話でもっとも通りがよくなります。collapsible umbrella も辞書的に正しく、collapsible は「折りたためる」という形容詞で collapsible chair(折りたたみ椅子)のようにも使えます。
雨具の語をまとめて押さえておきましょう。国による呼び方の違いも一緒に覚えると、相手の言葉が聞き取れるようになります。
- an umbrella:傘
- a folding umbrella / a collapsible umbrella / a compact umbrella:折りたたみ傘
- a parasol / a sun umbrella:日傘
- a clear plastic umbrella:ビニール傘
- rain boots / rubber boots / wellies(英):長靴
- a raincoat / rain gear:レインコート/雨具
- a poncho:ポンチョ
- a waterproof bag cover:レインカバー
glasses(眼鏡)や socks(靴下)と同じように、左右一対でできているものは複数形になります。rain boots が複数形なのはそのためで、片方だけを指すときは a rain boot と単数にします。
- It’s going to be a heavy rain. Don’t forget your rain gear!(大雨になりそう。雨具を忘れないで)
- You should wear rain boots today.(今日は長靴を履いたほうがいいよ)
- I always carry a folding umbrella in my bag during this season.(この季節はいつもバッグに折りたたみ傘を入れています)
- Could I borrow an umbrella? I’ll bring it back tomorrow.(傘を貸してもらえますか。明日返します)

道具の話ができたところで、会話に深みを出すイディオムに進みましょう。天気の話題は世界共通の雑談の入口です。
雨にまつわるイディオム
- under the weather は「体調がすぐれない」。低気圧で調子が落ちる時期に出番が多い。
- save it for a rainy day は「まさかのときのために取っておく」。
- come rain or shine は「どんなときでも」。天気以外の話題にも広く使える。
イディオムは知っていると会話が一段深くなります。とくにunder the weather は使用頻度が高く、梅雨時の「なんとなく体が重い」を一言で表せる便利な表現です。
ただしイディオムは万能ではありません。古風に響くもの、地域差があるものが混ざっているため、意味を知っておくことと自分で使うことを分けて考えるのが賢明です。
It’s raining cats and dogs.(土砂降りだ)語源には諸説あり、やや古風な響きもありますが、教科書でもおなじみの表現です。
- It was raining cats and dogs when I got off the train.(電車を降りたとき、土砂降りだった)
Save it for a rainy day.(まさかのときのために取っておく)「雨の日のために」から転じて、主にお金を蓄えることを指します。
- I’m not spending this bonus. I’ll save it for a rainy day.(このボーナスは使わない。いざというときのために取っておく)
Come rain or shine.(晴れでも雨でも、どんなときでも)習慣や決意を語るときに文末に添えます。
- She goes jogging every morning, come rain or shine.(彼女は雨でも晴れでも毎朝ジョギングに行く)
Under the weather.(体調がすぐれない)天気に体調を左右されるイメージから生まれた口語表現です。
- I’m feeling a bit under the weather today.(今日は少し体調がよくない)
When it rains, it pours.(悪いことは重なるものだ)不運が続いたときのぼやきとして使われます。
- I lost my wallet and then my phone died. When it rains, it pours.(財布をなくしたうえにスマホの電池も切れた。不運は重なるね)
Every cloud has a silver lining.(どんな不運にも良い面がある)どんよりした空の話題から、前向きな一言へ転じるのに便利です。梅雨の愚痴のあとに But every cloud has a silver lining — the hydrangeas are beautiful. とつなげると、会話が明るく着地します。
ここまでは語彙と表現の話でした。次に、この記事のいちばんの山場である「梅雨を知らない相手への説明」に取りかかります。
梅雨を知らない相手に説明する組み立て
- 梅雨は東アジアの一部に限られる現象で、英語に完全な対応語はない。
- 説明は「季節の名前→期間と降り方→湿度と暮らし」の三段構えで組む。
- 気象の説明より、洗濯・カビ・あじさいといった暮らしの話のほうが相手の反応がよい。
梅雨は、初夏に冷たい気団と暖かい気団がせめぎ合ってできる停滞前線によって生じます。この条件がそろうのは日本、韓国、台湾、中国南部の沿岸部など東アジアの一部にかぎられるため、欧米やオーストラリアには rainy season / dry season という語はあっても、梅雨にぴたりと重なる言葉が存在しません。
だからこそ、語を置き換えるだけでは足りず、少し補って説明する必要があります。おすすめは三段構えです。まず季節の名前を言い、次に期間と降り方を伝え、最後に湿度と暮らしへの影響に触れる。この順で話すと、相手の理解が段階的に進みます。
説明にそのまま使える英文
- Japan has a rainy season called tsuyu, which usually starts in June and lasts for several weeks.(日本には「梅雨」と呼ばれる雨の季節があり、通常6月に始まって数週間続きます)
- It’s not a monsoon. It rains on and off almost every day, and the humidity is really high.(モンスーンとは違います。ほとんど毎日降ったりやんだりで、湿度がとても高いのです)
- Tsuyu is a season of rainfall in early summer in Japan, caused by a stationary front over the country.(梅雨は日本上空に停滞する前線によって起こる、初夏の雨の季節です)
- Many visitors are surprised by tsuyu because it rains so often and the humidity is intense.(雨が頻繁で湿度も高いため、多くの旅行者が梅雨に驚きます)
- The rainy season in Japan is not a good time for sightseeing, but the hydrangeas are beautiful.(日本の梅雨は観光には向きませんが、あじさいがきれいです)
- フレーズ
- It rains on and off almost every day, but it’s not as heavy as a monsoon.
- 日本語訳
- ほとんど毎日降ったりやんだりしますが、モンスーンほど激しくはありません。
- 使う場面
- 六月に来日予定の相手から「その時期は大雨なの?」と聞かれたとき。旅行の可否を判断する材料になります。
- 注意点
- 近年は梅雨末期に線状降水帯による大雨が起きることもあります。Sometimes we do get heavy rain, so it’s good to check the forecast. と付け加えると誠実です。
- 発音・ニュアンス
- on and off は「オナノフ」とつなげて発音します。「断続的に」という頻度を表す定番表現です。
「梅」の字と「つゆ」という読みの由来
語源に触れると、話はもう一段おもしろくなります。「ばいう」は中国由来とされ、梅の実が熟す時期の雨だからという説と、長雨で黴(かび)が生えやすい時期なので「黴雨」が転じたという説がよく知られています。
一方の「つゆ」は日本由来で、露の季節から来たという説、梅の実が潰れる「潰ゆ」から来たという説、物がカビて損なわれる「費ゆ」から来たという説などが挙げられています。どれも定説というわけではありませんが、話題としては十分に楽しめます。
- The word tsuyu is written with the characters for “plum” and “rain,” because the season begins when plums ripen.(「梅雨」は「梅」と「雨」の字で書きます。梅の実が熟すころに始まる季節だからです)
- Another theory says the word comes from an old word for mold, since everything gets moldy in this season.(この季節は何でもカビてしまうため、「カビ」を表す古い言葉が由来だという説もあります)
暮らしと文化の話に広げる
梅雨を語るとき、天気そのものより暮らしの話のほうが相手の興味を引きます。まず語彙を押さえておきましょう。
- a hydrangea:あじさい
- a snail:かたつむり
- mold:カビ
- a dehumidifier:除湿機
- laundry:洗濯物
- to dry clothes indoors:部屋干しする
- a damp smell:湿気くさいにおい
- I don’t mind the rainy season, but doing laundry becomes a real challenge.(梅雨は気にならないけれど、洗濯が本当に大変になる)
- During the rainy season in Japan, you want to put all of your food in the fridge because mold grows so fast.(日本の梅雨の間は、カビがすぐ生えるので食品はすべて冷蔵庫に入れたくなる)
- We dry our clothes indoors during this season, so we use a dehumidifier.(この季節は部屋干しするので、除湿機を使います)
- Hydrangeas are at their best in the rainy season. Many temples are famous for them.(あじさいは梅雨が見ごろです。あじさいで有名なお寺もたくさんあります)
てるてる坊主も、外国の友人に話すと反応が返ってきやすい話題です。ほうきを持った人形を軒下に吊るして晴れを祈る中国の風習が、江戸時代に日本へ伝わったものだと言われています。
- フレーズ
- Teru teru bozu is a small handmade doll that we hang by the window to wish for good weather. Children often make one before a school trip or a sports day.
- 日本語訳
- てるてる坊主は、晴れを願って窓辺に吊るす手作りの小さな人形です。子どもは遠足や運動会の前によく作ります。
- 使う場面
- 日本の子どもの習慣を紹介するとき。写真を見せながら話すと会話がふくらみます。
- 注意点
- a doll だけでは西洋の人形が想起されるので、small handmade / made of cloth or tissue paper のような説明を添えると誤解が減ります。
相手に説明できるようになったら、逆に相手の国の雨季を聞いてみましょう。会話が一方通行にならず、話が続きます。
世界の雨季はいつか
- 雨季とは年間の降水量が集中する時期のこと。地域ごとに時期が大きく違う。
- 日本は乾季がないだけで、梅雨と秋雨はれっきとした雨季。
- 質問文を一つ覚えておくと、会話が双方向になる。
雨季と乾季がはっきり分かれるサバナ気候や熱帯モンスーン気候を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、日本にも雨季はあると考えて構いません。乾季がないため意識されにくいだけで、梅雨と秋雨は降水量が集中する立派な雨季です。
時期は地域によってかなり違います。おおまかな目安を頭に入れておくと、旅行の相談を受けたときにも話が広がります。
- 日本・韓国・台湾・中国:6〜7月(梅雨)、9〜10月(秋雨)
- インドシナ半島:5〜10月
- インドネシア:11〜3月
- アメリカ・フロリダ南部:5〜10月
- オーストラリア・ケアンズやダーウィン:11〜3月
- 地中海・マルタ島:10〜3月
緯度や地形、季節風の影響で前後することもあります。旅の計画を立てるときは、渡航先の雨季をあらかじめ確かめておくと安心です。
- When is the rainy season in your country?(あなたの国では雨季はいつですか)
- Does it rain a lot in June where you live?(あなたの住んでいる所では6月に雨が多いですか)
- Do you have a dry season and a wet season?(乾季と雨季がありますか)
ここまでで語彙も説明の型もそろいました。次に、日本語話者が独学で陥りやすい落とし穴を先に潰しておきましょう。
日本人がつまずきやすい誤用ポイント
- a rainy day(雨の一日)と the rainy season(梅雨)は別物。
- 梅雨を monsoon と紹介すると豪雨の土地だと誤解される。
- 天気の文の主語は it。進行形と現在形で「今」と「傾向」を言い分ける。
誤用は覚え直すより、最初に知っておくほうが早く定着します。とくに頻度が高いのがrainy day と rainy season の混同で、これは意味がまるごと変わってしまうので優先して押さえておきたいところです。
rainy day と rainy season の混同 a rainy day は「雨の(降る)一日」を指すだけで、季節を意味しません。「今は梅雨です」を It’s a rainy day. と言うと、単に「今日は雨だね」になってしまいます。It’s the rainy season in Japan. と季節の語を使いましょう。
冠詞の抜け落ち The rainy season is here. の the は必要です。「毎年やってくるあの季節」を指すため、the が付くのが標準です。
梅雨を monsoon と紹介するのは避けてください。monsoon season は季節風によって大量の雨が集中的に降る現象で、雨の激しさや量の規模が梅雨とは異なります。豪雨が続く危険な土地だと誤解され、来日をためらわせることにもつながります。It’s not as heavy as a monsoon. It rains lightly but almost every day. と補って伝えましょう。
mist と drizzle どちらも日本語では「霧雨」と訳されますが、drizzle は空から降ってくる細かい雨、mist は空中に漂う微細な水滴で視界を悪くするものです。降っている感覚があるかどうかで選び分けます。
recently の使い方 Recently the weather forecast is always right. は口語として自然に響きますが、recently は本来、過去形や現在完了と相性のよい語です。現在の傾向を語るなら These days the weather forecast is always right. のほうが教科書的にはきれいです。会話では両方使われるので、耳にしても戸惑わないようにしておきましょう。
athletic meeting 「運動会」を表す語として辞書に載っていますが、日常会話では sports day(英・豪)や field day(米)のほうが通りがよいです。We have a sports day at school the day after tomorrow. と言い換えると相手の理解が速くなります。
天気を主語にする it 天気・時刻・距離を表す文の主語は it です。「今まさに降っている」なら It’s raining.、「その時期はよく降る」なら It rains a lot. と、進行形と現在形を使い分けます。何を指すでもない it を置く癖をつけておくと、天気の話がすらすら出てくるようになります。
落とし穴が見えたところで、実際の会話の流れを追ってみましょう。ここからが実践編です。
そのまま使えるダイアログと置き換え練習
- 空模様の実況→予定の確認→傘の話、という流れが天気の雑談の基本形。
- あいづちは It sure is. / I know, right? / Tell me about it. の三つで足りる。
- 役割を入れ替えて両方のせりふを言うと、会話の運びが身につく。
天気の雑談には型があります。実況→予定→対策の三段で進むと、自然に一分程度の会話が成立します。以下のダイアログをそのまま声に出してみてください。
- 会話(同僚A・学習者B)
- B: Look at the sky. It’s clouding over. The rainy season is here.
A: It sure is. We have a sports day the day after tomorrow. If it rains, it will be put off until next week.
B: Do you think it will rain the day after tomorrow?
A: Yeah, the weather forecast says it will rain. These days the forecast is always right.
B: A minute ago, it was clearing up. Now it’s starting to sprinkle.
A: Oh, no! Do you have an umbrella?
B: Yes, I do. I always carry my folding umbrella in my bag during this season. - 日本語訳
- B: 空を見て。曇ってきたわ。梅雨の季節ね。
A: そうだね。明後日は運動会がある。もし雨が降ったら来週に延期されるだろう。
B: 明後日は雨が降ると思う?
A: うん、天気予報では雨だって。近頃、予報はいつも当たるからね。
B: ちょっと前は晴れていたのに。こんどはぱらぱら降り出したわ。
A: やれやれ。傘は持っている?
B: うん。この季節はいつもバッグに折りたたみ傘を入れているの。 - 使う場面
- 職場や学校で、窓の外を見ながら交わす短い雑談。挨拶のあとの間を埋めるのに最適です。
- 注意点
- It sure is. は直前の文の be 動詞に合わせた形です。相手が一般動詞で話したときは It sure does. に変わります。
- 発音・ニュアンス
- It’s clouding over は「イッツクラウディンゴウヴァ」とつなげます。the day after tomorrow は after を強めず、一気に流すのが自然です。
ここからは、自分の状況に置き換える練習です。場面別に言い換え候補を並べたので、口に出しながら入れ替えてみてください。
空模様を実況する
- Look at the sky. It’s clouding over.(空を見て。曇ってきた)
- It was clear this morning, but now it’s starting to sprinkle.(今朝は晴れていたのに、ぱらつき始めた)
- The sky looks threatening. I think it’ll pour soon.(今にも降りそうな空だ。すぐ土砂降りになると思う)
予定を確認する
- We have a sports day the day after tomorrow. If it rains, it’ll be put off until next week.(明後日は運動会。雨なら来週に延期になる)
- Do you think it will rain tomorrow?(明日は雨が降ると思う?)
- The weather forecast says it will rain all week.(天気予報では今週はずっと雨だって)
- Should we move the barbecue indoors?(バーベキューは室内に移そうか)
傘と対策の話をする
- Do you have an umbrella?(傘を持っている?)
- I forgot my umbrella and got soaking wet.(傘を忘れてびしょ濡れになった)
- I keep a spare umbrella at the office during this season.(この季節はオフィスに置き傘をしています)
共感を示す
- It sure is.(ほんとだね)
- I know, right?(そうだよね)
- Tell me about it.(まったくね)
- You can say that again.(まさにその通り)
言えるようになったら、次は聞き取ってもらえる音にする段階です。梅雨の語彙には、日本語話者が苦手な音がいくつか含まれています。
発音とリズムの練習メニュー
- rainy の r と l、umbrella の l、drizzle の zl が要注意ポイント。
- It’s ~ing. の文は主語を弱く、動詞を強く読むとリズムが整う。
- 短い文を五回ずつ、声に出す回数を優先する。
発音の練習は、語ごとにばらばらにやるより文のリズムごと覚えるほうが実戦に近づきます。天気の文は主語が it で内容が薄いため、強く読むのは動詞と形容詞です。
たとえば It’s DRIZZling. のように大文字部分を強く、それ以外を軽く流します。日本語は音の長さが均等なので、意識して強弱をつけないと平板に聞こえてしまいます。
個別の音では、次の三つに気をつけると通じやすさが変わります。
- rainy の r:舌先をどこにも付けず、唇を軽く丸めて「ゥレイニ」と始めます。ラ行にすると lainy に近づいてしまいます。
- umbrella の l:舌先を上の歯の裏に付けて「アンブレラ」の「レ」を作ります。付けないと r に聞こえます。
- drizzle の zl:「ドリズル」ではなく「ドゥリズォ」。語尾の le は母音をほとんど入れません。
練習メニューは単純なもので十分です。次の五文を、それぞれ五回ずつ声に出してみてください。所要時間は二分ほどです。
- It’s the rainy season in Japan.
- It’s just drizzling out.
- It’s muggy and sticky today.
- I got caught in the rain on my way home.
- The rainy season is over and it’s finally starting to feel like summer.
最後の一文は長いので、the rainy season is over/and it’s finally starting/to feel like summer と三つに区切ってから、つなげていくと形になります。

音の形が整ってきたら、あとは忘れない仕組みを作るだけです。一週間で回せる復習の型を用意しました。
一週間で定着させる復習プラン
- 一日一テーマ、五分。窓の外を見て一文つぶやくのが基本動作。
- 覚える順は「季節の名前→降り方→体感→予定→説明」。
- 七日目に説明の三段構えを通しで言えれば、実戦に耐える状態。
語彙を一度に詰め込むより、一日一テーマ五分に分けたほうが記憶に残ります。梅雨は毎日空模様が変わるので、教材が窓の外に用意されているようなものです。
以下の七日間の割り振りを目安にしてください。順番には理由があり、まず季節という大枠を言えるようにしてから、日々の描写、体感、予定、説明へと広げる設計です。
- 1日目:the rainy season / the wet season / tsuyu の三つを使って自己紹介的に一文。The rainy season is here in Japan. を五回。
- 2日目:降り方の動詞を弱い順に並べて言う。その日の実際の天気に合う一文を選んで口に出す。
- 3日目:It’s ~. の形で体感を言う。humid、muggy、sticky、gloomy を入れ替えて四文。
- 4日目:予定の話。If it rains, we’ll put it off until next week. を自分の予定に置き換える。
- 5日目:雨具と暮らし。傘・部屋干し・カビの三つを使って三文つくる。
- 6日目:イディオムを二つ選び、自分の状況で例文にする。under the weather から始めると使いやすい。
- 7日目:説明の三段構えを通しで。季節の名前、期間と降り方、湿度と暮らしの順に三十秒話す。
七日目の三十秒スピーチが言えるようになれば、来日した相手に梅雨を説明する場面は乗り越えられます。詰まった箇所は、その語彙がまだ自分のものになっていない印なので、翌週そこだけ繰り返せば十分です。
独学で型を作ったあとは、相手のいる場で試す段階に進むと定着が早まります。天気の話題は誰にでも通じるので、最初の実戦練習にちょうどよいテーマです。
最後に、読み進めるなかで浮かびやすい疑問をまとめておきます。気になる項目だけ拾い読みしても構いません。
よくある質問
- 語の選び分け、冠詞、tsuyu の通じ方など、迷いやすい七点を短く整理。
- 迷ったときは the rainy season に戻れば会話は成立する。
「梅雨」は rainy season と wet season のどちらを使えばよいですか
迷ったら the rainy season を選んでください。どの国の相手にも誤解なく届く標準的な言い方です。the wet season は乾季との対比が強く意識される語で、オーストラリアや東南アジアに縁のある相手との会話で自然に馴染みます。意味はほぼ同じなので、どちらを使っても会話は成立します。
tsuyu はそのまま言って通じますか
単独では通じません。sushi や kimono と違って一般に知られていない語なので、a rainy season called tsuyu や the so-called tsuyu のように短い言い換えを添えてください。先に the rainy season で概念を伝え、あとから固有の呼び名を紹介する順番にすると、相手の理解が途切れません。
「梅雨入りしました」は英語でどう言いますか
The rainy season has set in. が自然です。set in は季節や状態が本格的に始まることを表します。It’s the beginning of the rainy season. でも通じますし、ニュースの話題として言うなら The start of the rainy season was announced yesterday on the news. と表現できます。
梅雨を monsoon と言ってはいけないのですか
避けたほうが安全です。monsoon season は季節風によって大量の雨が集中的に降る現象で、雨の激しさや量の規模が梅雨とは異なります。豪雨が続く土地だと誤解されることがあるため、It’s not as heavy as a monsoon. It rains lightly but almost every day. と補って説明してください。
「しとしと降る」と「ぱらぱら降る」は英語で言い分けられますか
言い分けられます。しとしとと降る霧のような小雨は drizzle、ぱらぱらと降るのは sprinkle、ごく弱くぱらつく程度なら spit を使います。土砂降りは pour や downpour、にわか雨は shower です。弱い順に spit、sprinkle、drizzle、shower、pour と並べて覚えると混乱しません。
「雨で延期」は put off と cancel のどちらを使いますか
日を改めて後日行うなら put off や postpone、取りやめるなら call off や cancel です。行事が延期される側になるときは受動態で The sports day was put off until next Saturday. のように言います。北米では The match was rained out. という言い方もよく使われます。
折りたたみ傘は folding umbrella で通じますか
通じます。日常会話では folding umbrella や compact umbrella がよく使われ、collapsible umbrella も辞書的に正しい言い方です。日傘は parasol または sun umbrella、ビニール傘は a clear plastic umbrella と表現します。長靴の rain boots は左右一対のものなので複数形になります。
雨の話題は、当たり障りのないテーマでありながら、暮らしや文化の話へ自然に広がっていく入口でもあります。梅雨のない土地から来た人にとって、毎日しとしと降り続く季節や、部屋干しの工夫、あじさいの名所めぐりといった話は新鮮に響くはずです。
朝は降っていなくても帰る頃には雨、という日が続くのが梅雨です。バッグに折りたたみ傘を入れるついでに、今日覚えた一文も持ち歩いてみてください。空を見上げて It’s clouding over. とつぶやくところから、英語での天気の雑談は始まります。

