英語の電話が鳴ると、普段なら分かるはずの単語まで急に聞き取れなくなることがあります。相手の表情や口元が見えないうえ、会社名、人名、部署名、電話番号といった固有の情報が続くためです。「聞き返したら失礼ではないか」「保留や転送を英語でどう伝えるのか」と迷っている間にも会話は進みます。
けれども、電話の取り次ぎで毎回まったく違う英会話をする必要はありません。受電、相手の確認、担当者の特定、保留、転送、不在時の代案という順序に沿い、短い定番表現を一つずつ使えば対応しやすくなります。
この記事では、そのまま電話口で使える表現を、意味だけでなく使う場面、避けたい言い方、発音の目安とともに整理しています。英語を基礎から声に出して練習したい場合は、英語教室で電話応対のロールプレイに取り組む方法もあります。まずは、取り次ぎの全体像から見ていきましょう。
英語の電話取り次ぎは7つの手順で進める
- 電話対応は流暢さよりも確認の順序と正確さが重要
- 一度に処理せず、七つの小さな手順に分ける
英語の電話を落ち着いて取り次ぐ鍵は、会話の順序を固定することです。相手の話をすべて理解しようとするのではなく、次に確認する情報を一つに絞ります。
- 会社名と自分の名前を名乗る
- 相手の氏名と会社名を確認する
- 希望する担当者を特定する
- 必要に応じて用件を確認する
- 保留の了承を得る
- 担当者へ転送する
- 担当者が出られなければ、伝言や折り返しを提案する
この順序を使う理由は、誤転送や情報の聞き漏らしを減らしやすいからです。例えば、名字だけを聞いて急いで転送すると、同姓の別人につなぐ可能性があります。反対に、氏名、部署、用件を段階的に確認すれば、担当者側も電話を受ける準備ができます。
- フレーズ
- Thank you for calling ABC Company. This is Yuki speaking. How may I help you?
- 日本語訳
- ABC社へお電話いただきありがとうございます。ユキが承ります。どのようなご用件でしょうか。
- 使う場面
- 会社の代表電話や部署の外線に出る最初の一言として使います。
- 注意点・誤用例
- 電話で自分を名乗るときは、I am Yuki. よりも This is Yuki speaking. が自然です。書面上の社名が ABC Co., Ltd. でも、電話では社内で定められた英語名を使います。
- 発音・ニュアンス
- This is は「ディス・イズ」と切り離しすぎず、「ディスィズ」に近い流れで発音します。How may I help you? は丁寧で改まった響きです。
一つの文を長くするより、「名乗る」「名前を聞く」「保留を頼む」と短く区切るほうが、相手にも伝わりやすくなります。短く、確認しながら進むことが基本です。

では、最初に口にする受電表現を、もう少し細かく確認しましょう。
電話に出るときは会社名と自分の名前を明確に伝える
- 会社名、自分の名前、用件を尋ねる言葉の順に伝える
- 社内で決められた受電表現があれば、それに統一する
受電の第一声では、会社名をはっきり言うことが最優先です。相手は正しい番号へかけたかどうかを、最初の数秒で確認するからです。
時間帯に合わせた第一声
- Good morning. ABC Company. おはようございます。ABC社でございます。
- Good afternoon. ABC Company. こんにちは。ABC社でございます。
- Thank you for calling ABC Company. ABC社へお電話いただきありがとうございます。
- ABC Company. How can I help you? ABC社でございます。どのようなご用件でしょうか。
How can I help you? と How may I help you? は、どちらも電話対応で使えます。may を使う形は少し改まった響きがあり、can を使う形は自然で親しみのある響きです。どちらが正しいかを悩むより、職場の運用に合わせて一つを迷わず言える状態にするほうが実用的です。
自分の名前を添える形
- フレーズ
- Good morning. ABC Company. Ken speaking.
- 日本語訳
- おはようございます。ABC社のケンでございます。
- 使う場面
- 第一声を簡潔にしたいときに使います。部署名を加える場合は、会社名の後に Sales Department などを置けます。
- 注意点・誤用例
- Ken speaking. は電話特有の簡潔な形です。自分の名前を急いで発音すると聞き取られにくいため、社名と名前の間に短い間を置きます。
- 発音・ニュアンス
- speaking は「スピーキング」の最後を強く伸ばさず、落ち着いて言い切ります。第一声全体を同じ速さで読むより、社名をやや明確に発音します。
電話に出た直後は緊張しやすいため、第一声だけは考えなくても言えるまで音読しておきましょう。次に必要なのは、かけてきた相手が誰なのかを正確に確認することです。
相手の氏名・会社名・用件を順番に確認する
- 転送前に相手の氏名と会社名を確認する
- 用件は担当者が判断できる範囲で簡潔に尋ねる
取り次ぐ前には、原則として相手の氏名と会社名を確認します。担当者へ「誰から、何の件で電話が来ているか」を伝えるためです。ここで重要なのは、質問を一度に重ねすぎず、一項目ずつ尋ねることです。
- フレーズ
- May I ask who’s calling, please?
- 日本語訳
- どちら様でしょうか。
- 使う場面
- 相手が名乗らずに担当者を呼び出したときや、名前を再確認したいときに使います。
- 注意点・誤用例
- Who’s calling? だけでは、声の調子によって直接的に聞こえることがあります。May I ask と please を添えると柔らかくなります。
- 発音・ニュアンス
- who’s calling は「フーズ・コーリング」に近い流れです。please まで穏やかな調子で言い、詰問するような強い語尾を避けます。
会社名を確認する
- May I have your company name, please? 会社名を伺えますか。
- May I ask which company you’re calling from? どちらの会社からお電話いただいていますか。
- Could you tell me the name of your company, please? 会社名を教えていただけますか。
- May I have your name and company name, please? お名前と会社名を伺えますか。
相手は This is Tim Carry from the World Bank. のように名乗ることがあります。from は所属元を分かりやすく示す自然な形です。聞き取れたら、Thank you, Mr. Carry. のように一度名前を返すと、確認にもなります。
用件を尋ねる
- フレーズ
- May I ask what this is regarding?
- 日本語訳
- どのようなご用件か伺えますか。
- 使う場面
- 転送前に用件を確認する社内運用になっている場合に使います。会議、契約、納品など、担当者が判断できる概要を尋ねます。
- 注意点・誤用例
- 相手が confidential matter と答えた場合、詳細を無理に聞き出しません。氏名と会社名を確認し、機密事項に関する電話であることだけを担当者へ伝えます。
- 発音・ニュアンス
- regarding は「リガーディング」に近い音です。what this is regarding を一まとまりとして練習すると口に出しやすくなります。
用件の確認は、社内規程と業務上の必要性に従います。相手が話したくない内容を繰り返し尋ねたり、個人情報や機密情報を必要以上に聞き出したりしないようにします。
相手を確認できたら、次は希望する担当者を間違いなく特定します。同じ名字の社員がいる職場では、ここを省略できません。
同姓の社員がいるときはフルネームや部署で特定する
- 名字だけで転送せず、下の名前や部署を確認する
- 敬称や性別が分からない場合は、名前をそのまま使う
「佐藤さんをお願いします」と言われても、社内に佐藤姓の社員が複数いるなら、そのまま転送してはいけません。フルネームか部署を確認することで、誤転送を防ぎやすくなります。
- フレーズ
- We have two employees named Sato. May I ask which Mr. Sato you’re calling?
- 日本語訳
- 佐藤という社員が二人おります。どちらの佐藤にお電話でしょうか。
- 使う場面
- 同じ名字の社員が複数おり、相手が名字しか伝えていないときに使います。
- 注意点・誤用例
- Mr. や Ms. が適切か分からない場合は、Do you mean Taro Sato or Ichiro Sato? のように名前だけで確認できます。推測で敬称を付ける必要はありません。
- 発音・ニュアンス
- employees named Sato は「佐藤という名前の社員」という意味です。which を少し明確に言うと、選択を求めていることが伝わります。
担当者を絞り込む質問
- May I have the full name, please? フルネームを伺えますか。
- Do you know his first name? 下のお名前はお分かりですか。
- Do you know which department the person works in? 所属部署はお分かりですか。
- May I ask which division the person belongs to? どちらの部門に所属している者でしょうか。
- Do you have the extension number? 内線番号をお持ちですか。
- Could you tell me what matter you’re calling about? どのような件でお電話いただいたか伺えますか。
相手が下の名前を知らなくても、部署、役職、担当商品、以前のやり取りなどから特定できる場合があります。確認後は You mean Taro Sato in the Sales Department, correct? と復唱し、認識が合っているか確かめます。
担当者が決まっても、相手の名前を正確に聞き取れないことがあります。次は、失礼になりにくい聞き返し方を身につけましょう。
聞き取れない名前や番号は推測せず聞き返す
- 聞き返しは失礼ではなく、正確な取り次ぎに必要な手順
- 名前は復唱し、必要なら一文字ずつつづりを確認する
名前、会社名、番号を聞き取れなかったときは、分かったふりをしないことが大切です。聞き返すほうが誠実な対応であり、誤転送や伝言ミスを避けられます。
- フレーズ
- I’m sorry, I didn’t quite catch your name. Could you repeat it, please?
- 日本語訳
- 申し訳ありません。お名前をよく聞き取れませんでした。もう一度お願いできますか。
- 使う場面
- 相手の名前の全体または一部が聞き取れなかったときに使います。name を company name や last part に置き換えられます。
- 注意点・誤用例
- What? や Say again. だけでは、ビジネス電話ではぶっきらぼうに聞こえる場合があります。聞き取れなかった箇所を具体的に伝えます。
- 発音・ニュアンス
- didn’t catch は「聞き取れなかった」という意味です。quite を加えると「十分には聞き取れなかった」という柔らかい響きになります。
つづりと復唱に使う表現
- Could you spell your last name, please? 名字のつづりをお願いできますか。
- How do you spell your company name? 会社名はどのようにつづりますか。
- Did you say Tim Carry? ティム・キャリー様とおっしゃいましたか。
- That’s Tim Carry from the World Bank, correct? ワールドバンクのティム・キャリー様でよろしいでしょうか。
- Let me make sure I have that right. 正しく承ったか確認させてください。
音が似た文字は、T as in Tokyo、M as in Mike のように単語を添えると区別しやすくなります。職場で通話用の表し方が決められている場合は、その方式に従ってください。
通信状態が悪い場合
- The connection is not very clear. 通信状態があまり良くないようです。
- The line is breaking up. 音声が途切れています。
- Could you speak a little more slowly, please? もう少しゆっくりお話しいただけますか。
- Could you speak a little louder, please? もう少し大きな声でお話しいただけますか。
- I’m sorry, I didn’t catch the last part. 最後の部分を聞き取れませんでした。
電話番号、日時、金額、注文番号は、一文字や一桁の違いでも業務へ影響することがあります。聞こえた内容をそのまま処理せず、区切って復唱し、相手の確認を得てください。
必要事項を確認できたら、いよいよ保留と転送です。無言で操作を始めず、これから何をするのかを相手に伝えます。
保留は了承を得てから行い、戻ったら感謝を伝える
- 保留にする前に、理由を伝えて了承を得る
- 保留から戻ったら、待ってもらったことへの感謝を伝える
相手を待たせるときは、突然保留ボタンを押さず、先に一言たずねるのが基本です。理由まで添えると、相手は何を待っているのか理解できます。
- フレーズ
- May I put you on hold for a moment while I check?
- 日本語訳
- 確認いたしますので、少々保留にしてもよろしいでしょうか。
- 使う場面
- 担当者の在席状況や転送先を確認するため、短時間待ってもらうときに使います。
- 注意点・誤用例
- Wait. だけでは命令のように聞こえます。また、了承を待たずに無言で保留へ移ると、通話が切れたと誤解される可能性があります。
- 発音・ニュアンス
- put you on hold は「プッチュー・オン・ホールド」に近く音がつながります。速さよりも、hold と check を明瞭に伝えることを優先します。
保留前後に使える表現
- Could you hold for a moment, please? 少々お待ちいただけますか。
- Could you hold while I see if he’s available? 電話に出られるか確認しますので、お待ちいただけますか。
- Would you like to hold? このままお待ちになりますか。
- Thank you for holding. お待ちいただきありがとうございます。
- I’m sorry to have kept you waiting. お待たせして申し訳ありません。
確認に時間がかかる場合は、相手を保留のまま放置せず、途中で状況を伝えます。担当者を探すのにさらに時間が必要なら、待ち続けるか、伝言を残すか、折り返しを希望するかを選んでもらうと親切です。

保留の了承を得たら、転送することを明確に伝えます。続いて、put through と transfer の使い方を確認しましょう。
担当者へつなぐときは転送先を明確に伝える
- put through と transfer は、どちらも転送時に使える
- 担当者には相手の氏名、会社名、用件を伝えてからつなぐ
転送先を確認できたら、相手に「誰へつなぐのか」を伝えます。代表的な表現は I’ll put you through. です。
- フレーズ
- I’ll put you through to Mr. Sato now. Please hold.
- 日本語訳
- ただいま佐藤におつなぎします。そのままお待ちください。
- 使う場面
- 担当者が電話を受けられることを確認し、転送操作へ移る直前に使います。
- 注意点・誤用例
- 転送先が確定していないのに I’ll put you through. と言い切らず、先に在席状況を確認します。別部署へ回す場合も部署名を知らせます。
- 発音・ニュアンス
- put you through は「プッチュー・スルー」に近い連続した音になります。through の語尾を強く伸ばす必要はありません。
転送時の言い換え
- I’ll transfer your call. お電話を転送いたします。
- Let me transfer you to Mr. Sato. 佐藤におつなぎします。
- I’ll connect you with the person in charge. 担当者におつなぎします。
- Please hold while I transfer your call. 転送いたしますので、そのままお待ちください。
- I can transfer you to our customer service department. お客様対応の部署におつなぎできます。
担当者へ伝える情報
担当者には、相手の氏名、会社名、用件、すでに確認した内容、待ってもらっている時間を簡潔に伝えます。英語で社内連絡をするなら、Mr. Sato, I have Tim Carry from the World Bank on the line. He’s calling about tomorrow’s meeting. のように整理できます。
確認せずに複数の部署へ次々と転送すると、相手に同じ説明を繰り返させることになります。用件を整理し、対応できる部署を確認してから転送してください。
担当者が出られるとは限りません。不在、会議中、別の電話中など、よくある状況を短い表現で伝え、次の選択肢へ案内しましょう。
担当者が出られないときは状況と代案をセットで伝える
- 不在理由は業務上必要な範囲で簡潔に伝える
- 伝言、折り返し、別担当者への転送などの代案を示す
担当者が電話に出られない場合は、He is not here. だけで終わらせず、状況を簡潔に伝えます。その後、相手が選べる代案を示します。
状況別の定番表現
- He’s away from his desk at the moment. ただいま席を外しております。
- She’s out of the office at the moment. ただいま外出しております。
- He’s in a meeting at the moment. ただいま会議中です。
- She’s on another call at the moment. ただいま別の電話に対応しております。
- He has left for the day. 本日はすでに退社しております。
- She’s off today. 本日は休みです。
- He’s unavailable at the moment. ただいま電話に出られません。
- フレーズ
- I’m afraid Mr. Sato is in a meeting at the moment. Would you like to leave a message?
- 日本語訳
- 申し訳ありませんが、佐藤はただいま会議中です。伝言をお預かりしましょうか。
- 使う場面
- 担当者が会議中で転送できないときに、理由と伝言の提案を一続きで伝えます。
- 注意点・誤用例
- I’m afraid は恐怖を表すのではなく、相手の希望に沿えないことを丁寧に切り出す働きがあります。会議内容や休暇理由などの個人的な情報は伝えません。
- 発音・ニュアンス
- I’m afraid は「アイム・アフレイド」と穏やかに入り、meeting や leave a message を明瞭に発音します。
戻る時刻を伝える場合
戻る予定が確認できる場合は、She’ll be back around three o’clock. のように伝えられます。ただし、確定していなければ、She’s expected back around three, but I’m afraid I can’t say for certain. とし、断定を避けます。
別の担当者を提案する場合
- Would you like to speak to someone else in the department? 同じ部署の別の者におつなぎしましょうか。
- Someone else may be able to help you. 別の者が対応できるかもしれません。
- May I transfer you to the Accounting Department? 経理部へおつなぎしてもよろしいでしょうか。
- Let me connect you with the person responsible for international orders. 海外注文の担当者におつなぎします。
担当者の外出先、休暇理由、体調、私的な予定などを詳しく伝える必要はありません。out of the office や unavailable など、業務に必要な範囲の表現にとどめます。
相手が伝言や折り返しを希望したら、聞き漏らしがないよう確認項目を固定します。ここでも、情報を一つずつ集める方法が役立ちます。
伝言と折り返しは必要事項を記録して復唱する
- 氏名、会社名、番号、用件、折り返し希望時刻を記録する
- 折り返しを安易に確約せず、伝言を渡すことを約束する
伝言を受けるときは、相手の氏名と会社名だけでなく、電話番号、用件、折り返しの要否、連絡しやすい時刻を確認します。最後に内容を復唱することで、数字や固有名詞の誤りに気づきやすくなります。
伝言を申し出る表現
- Would you like to leave a message? 伝言をお預かりしましょうか。
- May I take a message? 伝言を承りましょうか。
- Is there anything you’d like me to tell her? 彼女に伝えることはございますか。
- Would you like him to call you back? 折り返しをご希望ですか。
- Shall I ask her to return your call? 折り返すよう申し伝えましょうか。
- フレーズ
- Let me repeat that to make sure I have everything correct. You’d like Mr. Sato to call you back at 03-1234-5678 regarding tomorrow’s delivery. Is that right?
- 日本語訳
- 確認のため復唱いたします。明日の納品について、佐藤から03-1234-5678へ折り返しをご希望ですね。よろしいでしょうか。
- 使う場面
- 伝言の必要事項を聞き終えた後、通話を終える前に使います。番号は一桁ずつ、区切りを入れて読みます。
- 注意点・誤用例
- 担当者の予定を確認せず、He will call you back right away. と確約するのは避けます。折り返し時刻を保証できない場合は、その点を明確にします。
- 発音・ニュアンス
- repeat、call you back、delivery など、伝言の核になる語を少し明確にします。最後の Is that right? は確認を求める穏やかな上がり調子です。
折り返しを保証できないとき
- I’ll ask him to call you back. 折り返すよう申し伝えます。
- I’ll make sure she gets your message. 必ず伝言をお伝えします。
- I can’t promise when he’ll be able to call, but I’ll pass on your message. いつ折り返せるかはお約束できませんが、伝言はお伝えします。
- He’ll return your call as soon as he can. 可能になり次第、折り返します。
通話を終える前には Is there anything else I can help you with? と尋ね、ほかに用件がないか確認します。その後、Thank you for calling. Goodbye. と挨拶を交わして通話を終えます。
受電から転送までの実践会話で流れを確認する
- 会話全体を通して練習すると、表現を使う順番が身につきやすい
- 同姓確認、相手確認、用件確認、保留、転送を一つずつ行う
個別の表現を覚えたら、受電から転送までを通して練習します。ここでは、佐藤姓の社員が二人いる場面です。注目する点は、名字だけでつながず、部署と下の名前を確認していることです。
- フレーズ
- 受付担当: Good afternoon. ABC Company. This is Yuki speaking. How may I help you?
電話相手: Good afternoon. May I speak to Mr. Sato, please?
受付担当: Certainly. We have two employees named Sato. Do you know his first name or department?
電話相手: I believe his first name is Taro. He works in Sales.
受付担当: Thank you. You mean Taro Sato in the Sales Department, correct?
電話相手: Yes, that’s right.
受付担当: May I ask who’s calling, please?
電話相手: This is Tim Carry from the World Bank.
受付担当: Thank you. May I ask what this is regarding?
電話相手: I’m calling about tomorrow’s meeting.
受付担当: May I put you on hold while I transfer your call?
電話相手: Yes, please.
受付担当: Thank you. Please hold. - 日本語訳
- 受付担当: こんにちは。ABC社のユキでございます。どのようなご用件でしょうか。
電話相手: こんにちは。佐藤さんをお願いできますか。
受付担当: かしこまりました。佐藤という社員が二人おります。下のお名前か所属部署はお分かりですか。
電話相手: 下の名前は太郎だったと思います。営業部の方です。
受付担当: ありがとうございます。営業部の佐藤太郎でよろしいですね。
電話相手: はい、そうです。
受付担当: どちら様でしょうか。
電話相手: ワールドバンクのティム・キャリーです。
受付担当: ありがとうございます。どのようなご用件か伺えますか。
電話相手: 明日の会議についてです。
受付担当: おつなぎする間、保留にしてもよろしいでしょうか。
電話相手: はい、お願いします。
受付担当: ありがとうございます。そのままお待ちください。 - 使う場面
- 代表電話で、同姓の社員を区別しながら外部の相手を取り次ぐ練習に使います。
- 注意点・誤用例
- 一度に氏名、会社名、用件をすべて尋ねると、回答を記録しにくくなります。会話例のように一項目ずつ確認し、保留の了承を得てから転送します。
- 発音・ニュアンス
- 長い会話を一息で読む必要はありません。各発言の後に短く間を置き、相手の回答を待つ感覚で練習します。
続いて、担当者が会議中で、折り返しを受け付ける場面を確認します。
- フレーズ
- 受付担当: Thank you for holding. I’m afraid Mr. Sato is in a meeting at the moment.
電話相手: Do you know when he’ll be available?
受付担当: The meeting is scheduled to finish at three. Would you like him to call you back?
電話相手: Yes, please.
受付担当: May I have your phone number, please?
電話相手: It’s 03-1234-5678.
受付担当: Let me repeat that: 03-1234-5678. Is that correct?
電話相手: Yes, that’s correct.
受付担当: Thank you. I’ll ask Mr. Sato to call you back after his meeting. - 日本語訳
- 受付担当: お待ちいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、佐藤はただいま会議中です。
電話相手: いつ頃電話に出られるか分かりますか。
受付担当: 会議は3時に終了する予定です。折り返しをご希望ですか。
電話相手: はい、お願いします。
受付担当: お電話番号を伺えますか。
電話相手: 03-1234-5678です。
受付担当: 復唱いたします。03-1234-5678でよろしいでしょうか。
電話相手: はい、合っています。
受付担当: ありがとうございます。会議後に折り返すよう佐藤に申し伝えます。 - 使う場面
- 担当者が会議中で、相手が折り返しを希望する場面の練習に使います。
- 注意点・誤用例
- 会議の終了時刻は予定として伝えます。また、担当者本人の了承がない場合、特定の時刻までの折り返しを確約しません。
- 発音・ニュアンス
- 電話番号は速く読まず、相手が確認できる速さで区切ります。Is that correct? の後は必ず相手の返答を待ちます。
間違い電話や通話切断にも短い定番表現で対応する
- 間違い電話は自社名や相手のかけ先を確認してから伝える
- 通話が切れたら、切断した事実を伝えて元の対応へ戻る
担当者が見つからないときは、すぐに間違い電話だと決めつけないようにします。聞き間違い、部署違い、旧担当者名などの可能性があるため、かけ先を確認してから案内します。
間違い電話への対応
- I’m afraid you have the wrong number. 番号をお間違えのようです。
- I’m sorry, there’s no one here by that name. 申し訳ありませんが、その名前の者はこちらにはおりません。
- What number were you trying to reach? 何番におかけになろうとしましたか。
- Were you trying to reach ABC Company? ABC社へお電話をおかけですか。
- フレーズ
- I’m sorry, we got disconnected. Let me transfer you again.
- 日本語訳
- 電話が切れてしまい申し訳ありません。もう一度おつなぎします。
- 使う場面
- 転送中または会話中に通話が切れ、相手から再度電話があったときに使います。
- 注意点・誤用例
- どちらが切ったかを責める言い方は避け、we got disconnected のように中立的に伝えます。必要なら相手の情報を再確認します。
- 発音・ニュアンス
- disconnected は長い語なので、「ディス・コネクティド」のように音のまとまりを分けて練習します。
自分からかけ直す場合は、I’m calling back because we were disconnected. と言えます。通信状態が改善しない場合は、May I call you back on a clearer line? と提案し、社内ルールに沿って番号を確認します。
電話のそばに置く対応メモと避けたい言い方
- メモ欄を固定すると、緊張しても確認項目を思い出しやすい
- 無言の保留、曖昧な転送、折り返しの断定を避ける
電話の横には、英文を大量に並べるより、確認項目を記したメモを置くほうが役立ちます。会話中に見るべきものは、次に聞く情報だからです。
- Caller’s name:相手の氏名
- Company:会社名
- Person requested:希望する担当者
- Department:担当部署
- Reason for calling:用件
- Phone number:電話番号
- Call back:折り返しの要否と希望時刻
- Message:伝言
- Date and time:受電日時
避けたい対応と言い換え
- Wait. → May I put you on hold for a moment?
- Who’s calling? → May I ask who’s calling, please?
- He went home. → He has left for the day.
- He will call you back right away. → I’ll ask him to call you back.
- I don’t know. → Let me check that for you.
- Speak slowly. → Could you speak a little more slowly, please?
聞き取れたふりをして転送することは、聞き返すことより大きな問題につながりかねません。名前、番号、担当者が曖昧なら、その場で丁寧に確認してください。
メモの形ができたら、実際に口を動かします。次は、一人でも続けやすい練習手順です。
短い音読とロールプレイで電話表現を定着させる
- 第一声、相手確認、保留、不在対応を分けて音読する
- 通常の転送だけでなく、聞き返しや不在の場面も練習する
電話対応では、意味を知っているだけでなく、必要な瞬間に口から出ることが重要です。最初から長い会話を暗記せず、機能ごとに一文ずつ練習します。
練習1:第一声を固定する
Thank you for calling ABC Company. This is Yuki speaking. How may I help you? を、実際の社名と自分の名前に置き換えます。ゆっくり三回読み、次に電話が鳴った直後を想像して一回言います。
練習2:相手確認から保留までをつなぐ
May I ask who’s calling, please?、May I ask what this is regarding?、May I put you on hold while I transfer your call? の三文を順番に読みます。各文の後に二秒ほど間を置き、相手が答える時間を作ります。
練習3:聞き返しを意図的に入れる
相手役に聞き慣れない名前を言ってもらい、I didn’t quite catch your name. Could you spell it, please? と返します。聞き取れない状況を練習に入れておくと、実際の電話でも聞き返す判断をしやすくなります。
練習4:不在理由を入れ替える
- in a meeting:会議中
- on another call:別の電話中
- away from the desk:離席中
- out of the office:外出中
- off today:本日休み
I’m afraid Mr. Sato is in a meeting at the moment. の太字部分に当たる状況だけを入れ替え、続けて Would you like to leave a message? と言います。状況説明と代案を一組にして覚える練習です。

5日間の復習例
- 1日目:第一声と相手の名前を尋ねる表現を音読する
- 2日目:担当者の特定、つづりの確認、復唱を加える
- 3日目:保留と転送を、電話機の操作を想定して練習する
- 4日目:会議中、外出中、別の電話中の応対を練習する
- 5日目:受電から終話まで、メモを取りながら通して行う
発音では、英語らしく速く話すことより、固有名詞と数字を明瞭に伝えることを優先します。相手の返答を待つ間も練習に含めると、実際の電話に近いリズムになります。
最後に、英語の電話取り次ぎで迷いやすい点をQ&A形式で確認します。
英語の電話取り次ぎに関するQ&A
- 聞き返し、敬称、保留、折り返しに関する疑問を確認する
- 迷ったときは、短く丁寧に確認する基本へ戻る
英語の電話では、完璧な文章を作ることより、必要な情報を正しく受け取ることが優先されます。迷ったときは、確認してから次へ進むという原則に戻りましょう。
英語の電話で何度も聞き返すのは失礼ですか?
丁寧な表現を使い、聞き取れなかった箇所を具体的に示せば、確認すること自体は失礼ではありません。名前なら Could you repeat your name, please?、最後の部分なら I didn’t catch the last part. のように尋ねます。推測したまま転送するより、正確に確認するほうが業務上安全です。
How can I help you? と How may I help you? はどちらを使いますか?
どちらもビジネス電話で使えます。How may I help you? はやや改まった響きがあり、How can I help you? は自然で広く使われる表現です。職場で受電表現が決められている場合は、その言い方に統一すると対応が安定します。
相手の性別や敬称が分からない場合はどうしますか?
無理に Mr. や Ms. を付ける必要はありません。May I have the full name, please? とフルネームを確認し、Do you mean Taro Sato or Ichiro Sato? のように名前をそのまま使えます。本人が希望する呼び方が分かっている場合は、その呼び方を尊重します。
保留が長くなりそうなときはどう対応しますか?
保留のまま長時間待たせず、途中で状況を伝えます。担当者の確認に時間が必要なら、待ち続けるか、伝言を残すか、折り返しを希望するかを相手に選んでもらいます。保留へ戻す場合も、改めて了承を得ると丁寧です。
担当者の戻り時刻が不確かな場合は何と言いますか?
She’s expected back around three, but I’m afraid I can’t say for certain. のように、予定時刻であることと確定ではないことを伝えます。確実でない時刻を断定せず、必要に応じて伝言や折り返しを提案します。
折り返しの時刻を約束できない場合はどう伝えますか?
I’ll ask him to call you back. または I’ll pass on your message. と伝えます。時刻を保証できないなら、I can’t promise when he’ll be able to call, but I’ll pass on your message. と明示し、伝言を確実に渡すことを伝えます。
put you through と transfer your call に違いはありますか?
どちらも担当者や部署へ電話をつなぐ場面で使えます。I’ll put you through. は電話取り次ぎの定番表現で、I’ll transfer your call. は転送操作を直接表します。転送先を加えるなら、I’ll put you through to Mr. Sato. や I’ll transfer you to the Sales Department. と言えます。
電話対応では発音と文法のどちらを優先すべきですか?
どちらも大切ですが、取り次ぎでは氏名、会社名、担当者名、電話番号を明瞭に伝え、正しく確認することが優先されます。短い定番表現を使い、数字や固有名詞をゆっくり復唱してください。聞き取れない部分は、その場で丁寧に聞き返します。
英語の電話取り次ぎは、長い会話を即興で続ける仕事ではありません。会社名を名乗り、相手と担当者を確認し、保留の了承を得て、出られなければ代案を示すという流れを守ることが大切です。
まずは第一声、相手の名前を尋ねる表現、保留を頼む表現、不在を伝える表現の四つを声に出してみてください。聞き取れないときに確認できる一文も用意しておけば、突然の英語電話でも一つずつ対応しやすくなります。

