海外の美容院の椅子に座った瞬間、鏡越しに「How would you like your hair done today?」と聞かれて、頭の中が真っ白になる。長さも毛量も色も伝えたいのに、口から出てくるのは「Short, please.」だけ。そして数週間、思っていたのと違う髪型と一緒に過ごすことになる。
美容院が他の買い物と決定的に違うのは、伝わらなかったときのダメージが数週間残ってしまうところです。レストランで頼み間違えた料理は一食で終わりますが、切られすぎた前髪は毎朝鏡の前でため息をつかせます。だからこそ、髪の注文だけは事前に言葉を用意しておく価値があります。
この記事では、予約の電話から受付、シャンプー、カット、カラー、パーマ、仕上がり確認、会計とチップまで、美容院で必要になる英語を流れの順に並べました。さらに、長さや毛量の細かいニュアンス、日本人がつまずきやすい文法と和製英語、日本と海外のサロン文化の違いまで一気に確認できます。読み終えたときに、自分の口から出せるオーダー文が3つ手元に残るように組み立てました。実際の会話練習まで踏み込みたい方は英語教室で口に慣らすのも一つの方法です。
まずは、美容院での注文がひと通り詰まった短い会話から見ていきましょう。
美容院での注文がまるごと入った基本会話
- 美容院の注文はカット・毛量調整・カラー・パーマ・所要時間確認の5要素でほぼ足りる
- 最初の質問は「How would you like your hair done today?」の型がほとんど
- 依頼の骨組みは「have + 髪 + 過去分詞」で作れる
- 短い会話を丸ごと覚えておくと、当日は語句を差し替えるだけで済む
最初にやるべきことは、単語を増やすことではありません。会話のひな型を一つ丸ごと持つことです。型があれば、当日は長さや色の語だけを入れ替えれば自分の注文になります。
次の会話は、客が美容師に希望を伝える場面です。カット、毛量調整、カラー、パーマ、所要時間の確認という、美容院で必要な要素がほぼすべて入っています。
- 会話(美容院にて)
- Hair Dresser: How would you like your hair done today?
Customer: First of all, I want to have my hair cut to shoulder length. And thin out my hair, please. Because my hair is very thick.
Hair Dresser: All right. Anything else?
Customer: I want to change the color, too. I want my hair to be light brown. Then give me a perm.
Hair Dresser: I see. Do you want your hair to be curly or wavy?
Customer: Curly, please. How long will it take to finish that?
Hair Dresser: Well, about two and a half hours. - 日本語訳
- 美容師: 今日はどのようになさいますか。
客: まず、肩までの長さにしたいです。それから髪をすいてください。髪がとても多いので。
美容師: 承知しました。他に何かございますか。
客: 色も変えたいです。明るい茶色にしたいです。それからパーマもかけてください。
美容師: 分かりました。しっかりしたカールとゆるいウェーブ、どちらになさいますか。
客: カールでお願いします。仕上がるまでどれくらいかかりますか。
美容師: そうですね、2時間半ほどです。 - 使う場面
- 椅子に座って最初の希望を伝える場面。カットだけの日は毛量とカラーの部分を削り、パーマなしなら最後の二往復を省くだけで成立します。
- 注意点
- give me a perm は親しい間柄やカジュアルな店では自然ですが、初対面の相手には I’d like to have my hair permed. のほうが丁寧に響きます。
- 発音・ニュアンス
- have my hair cut は「ハヴ マイ ヘア カッ」と、cut の t をほとんど落として言われます。hair の後ろで一拍置くと相手が聞き取りやすくなります。
会話に出てきた語句を一つずつ確認する
短い会話ですが、含まれている語句はどれも出番の多いものばかりです。意味と使いどころを合わせて押さえておきましょう。
- beauty salon:美容院。beauty parlor、beauty shop とも言う
- hair dresser(hairdresser):美容師。beautician、haircutter とも言う
- How would you like ~?:~をどのようにしますか
- First of all:まず第一に
- have my hair cut:髪を切ってもらう。「have + A + 過去分詞」で「AをBしてもらう」
- thin out:すく、量を減らす
- thick:ここでは髪が多い、濃いの意。厚い、密集した、視界が悪いの意味もある
- Anything else?:他に何かありますか
- perm:パーマ(名詞)、パーマをかける(動詞)
- curly:しっかりした巻き毛/wavy:ゆるいウェーブ
- How long will it take to ~?:~するのにどれくらいかかりますか
- two and a half hours:2時間半
この12個を眺めているだけでも、美容院の会話の骨格が見えてきます。では、実際に椅子に座ってから最初に飛んでくる質問から順に開いていきましょう。

最初の質問「How would you like your hair done?」を攻略する
- 最初の質問は5つの型に集約されるので、聞き取りの負担は小さい
- What are we doing today? と言われても身構えず、やることを述べれば通じる
- 髪型は hairstyle、hairdo、do のいずれでも表せる
椅子に座った直後の質問は、ほぼ決まった型のどれかです。ここが聞き取れれば半分は勝ちと言えるほど、その後の展開が楽になります。
なぜ型が限られるのかというと、美容師が最初に知りたいことは「今日は何をするのか」の一点だけだからです。表現の違いは丁寧さやカジュアルさの差にすぎません。
- How would you like your hair done today?(今日はどのようにしますか)
- How would you like your hair cut?(カットはいかがしましょう)
- How would you like me to cut your hair?(どのように切りましょうか)
- What kind of hairstyle would you like?(どんな髪型がよろしいですか)
- What are we doing today?(今日は何をしましょう)
最後の What are we doing today? はカジュアルなサロンでよく耳にします。we と言われても慌てる必要はありません。カットだけなら Just a haircut, please. で成立します。
- フレーズ
- Just a haircut today, please.
- 日本語訳
- 今日はカットだけでお願いします。
- 使う場面
- 最初の質問への即答として。カラーもするなら A haircut and color, please. と並べるだけで足ります。
- 注意点
- haircut は一語で「カット(の施術)」を指す名詞です。cut だけでも通じますが、a haircut のほうが誤解が少なくなります。
- 発音・ニュアンス
- Just a は「ジャスタ」とつながります。haircut は前を強めて「ヘアカッ」。please を最後に添えるだけで印象が柔らかくなります。
hairstyle、hairdo、do の使い分け
「髪型」を表す語は hairstyle が最も広く使われます。加えて hairdo という語もあり、さらに縮めて do 一語でも髪型を指せます。
I like your new do. と言われたら、それは「その髪型いいね」という褒め言葉です。友人同士の会話で出てきやすい言い方なので、聞いて分かるようにしておくと会話が途切れません。
最初の質問に答えられるようになったら、次はその答えを組み立てる文法に進みます。ここが美容院英語の土台になります。
美容院英語の土台は「have + 髪 + 過去分詞」
- 「have + もの + 過去分詞」で「他人に~してもらう」を表す
- get に置き換えると同じ意味でより軽い響きになる
- I want to cut my hair. は「自分で切りたい」の意味になってしまう
- 初対面のスタイリストには I’d like my hair ~ の形が使いやすい
美容院の注文で最も重要な文法は、have + もの + 過去分詞という使役の形です。これ一つで、カットもカラーもパーマもレイヤーも表現できます。
理由は単純で、美容院で起こることはすべて「自分がするのではなく、してもらう」出来事だからです。この関係を英語では動詞と過去分詞のあいだに「もの」を挟む形で示します。
- I want to have my hair cut short.(短く切ってもらいたい)
- I got my hair colored yesterday.(昨日髪を染めてもらった)
- I’d like to have my hair permed.(パーマをかけてもらいたい)
- I’d like my hair layered.(レイヤーを入れてほしい)
- I had my hair straightened last month.(先月ストレートにしてもらった)
- I want to get my bangs trimmed.(前髪を整えてもらいたい)
have と get はどう違うのか
意味はほぼ同じで、日常会話では get のほうが軽い響きになります。友人に「髪切ったんだ」と言うなら I got a haircut. が最も自然です。
一方、店で正式に依頼するときは I’d like to have my hair cut, please. のように have を使うと落ち着いた印象になります。どちらでも通じるので、迷ったら口に出しやすいほうを選んで構いません。
丁寧さを一段上げる I’d like の形
want は率直ですが、初対面の相手にはやや直接的に響くことがあります。I’d like my hair cut shoulder-length, please. のように I’d like + もの + 過去分詞 にすると、ちょうど良い距離感になります。
さらに柔らかくしたいときは Could you ~? に切り替えます。Could you cut it shoulder-length? は依頼として最も無理のない形で、施術中の微調整でも同じ型がそのまま使えます。
I want to cut my hair. は文法上「自分で自分の髪を切りたい」という宣言になります。文脈で通じる場面もありますが、美容師への依頼としては不正確です。必ず have または get を挟んで I want to have my hair cut. としてください。同様に I cut my hair yesterday. は「自分で切った」の意味になるため、切ってもらった話をするなら I got a haircut yesterday. と言い換えます。
土台ができたところで、そもそも「美容院」「美容師」「床屋」を英語で何と呼ぶのかを整理しておきましょう。予約の電話で店の種類を間違えると、希望の施術が受けられないこともあります。
美容院・美容師・床屋を表す英単語を整理する
- 美容院は beauty salon が最も広く通じ、hair salon、beauty parlour も使われる
- 床屋は barber shop、イギリス英語では barber’s
- 美容師は hairdresser、理容師は barber、総合サロンでは beautician とも呼ぶ
- パーマやカラー希望なら salon、シェービングやフェードなら barber を選ぶ
呼び名を押さえる実利は、行き先を間違えないことにあります。salon と barber shop は担当領域が違うため、単語の選択がそのまま仕上がりに影響します。
美容院は beauty salon / hair salon / beauty parlour
最も広く通じるのが beauty salon です。アメリカでは hair salon と呼ぶ人も多く、イギリス圏では beauty parlour や beauty shop も使われます。看板には単に Salon や Hair とだけ書かれていることもあります。
- I will go to the beauty salon on Sunday.(日曜に美容院に行きます)
- My sister recommended a brand-new hair salon on Madison Avenue.(姉がマディソン街の新しいヘアサロンを薦めてくれました)
- Is there a good hair salon around here?(この辺りに良い美容院はありますか)
床屋は barber shop
男性の整髪や髭剃りを中心に行う店は barber shop、イギリス英語では barber’s と言います。日本の美容室と理容室の区分と同じように、海外でもパーマやカラーまで扱うサロンと、カットとシェービング中心の理髪店に分かれています。
- I have been going to the same barber shop for 20 years.(20年同じ床屋に通っています)
- It won’t take long to get your hair done at Bill’s. He’s good.(ビルの店なら時間はかかりません。腕がいいので)
- Do you do straight razor shaves?(レザーでの髭剃りはやっていますか)
美容師は hairdresser、理容師は barber
美容師は hairdresser が一般的です。エステやメイクまで手がける総合サロンでは beautician とも呼ばれます。日本語の「ヘアスタイリスト」に当たる hair stylist は、海外ではウェディングや撮影でスタイルを作る技能を持つ人を指す傾向があり、hairdresser とはややニュアンスが分かれます。
床屋の理容師は barber です。バリカンやレザーを使う技術に長けた専門職で、女性客も来る店では hairdresser と呼ぶこともあります。
- I always pick the most popular hairdresser in the shop.(いつも店で一番人気の美容師さんを選びます)
- I like my beautician because she knows my favorite style.(好みを分かってくれる美容師さんなので気に入っています)
- I heard Mick is a skillful barber.(ミックは腕のいい理容師だと聞きました)
行き先が決まったら、いよいよ予約です。ここからは来店の流れに沿って、必要な会話を順番に並べていきます。
予約から会計まで、流れに沿った会話
- 予約は appointment、動詞は make / book を使う
- 予約なしで頼むなら Do you take walk-ins? が便利
- シャンプー台では位置と湯温だけ確認されることが多い
- 会計では合計額の確認とチップの伝え方を用意しておく
来店の流れは、予約、受付、シャンプー、施術、仕上がり確認、会計の6段階です。段階ごとに必要な文は2〜3個しかないため、順番で覚えると記憶に残りやすくなります。
電話やオンラインで予約する
予約は appointment、または reservation。美容院では appointment のほうがよく使われます。動詞は make または book です。
- 会話(電話予約)
- Customer: Hello, can I make an appointment to have my hair cut this afternoon?
Staff: What time would you like to come in?
Customer: How about three o’clock?
Staff: I’m sorry, we’re fully booked at three.
Customer: What’s the earliest you can fit me in after three?
Staff: I can book you in at four.
Customer: That sounds good. Please book me in for four.
Staff: May I have your name, please?
Customer: My name is Kazu Suzuki.
Staff: And is it just a cut?
Customer: Yes, just a shampoo and cut. - 日本語訳
- 客: もしもし、今日の午後にカットの予約はできますか。
スタッフ: 何時のご希望ですか。
客: 3時はどうでしょう。
スタッフ: すみません、3時は満席です。
客: 3時以降でいちばん早く入れる時間は何時ですか。
スタッフ: 4時にお取りできます。
客: それでお願いします。4時で予約してください。
スタッフ: お名前を伺えますか。
客: 鈴木カズです。
スタッフ: カットだけでよろしいですか。
客: はい、シャンプーとカットだけです。 - 使う場面
- 電話やチャットでの新規予約。カットとパーマなら a cut and perm、カットとカラーなら a cut and color に言い換えれば同じ型で使えます。
- 注意点
- fully booked は「予約でいっぱい」の意味です。full だけでは伝わりにくいので、セットで覚えてください。
- 発音・ニュアンス
- fit me in は「フィッミイン」とつながります。book you in の in も弱く添えるだけで十分です。
指名の希望があるときは Do you have a preferred stylist?(指名はありますか)と聞かれます。Yes, Emily, please. と答えれば済みますし、初回なら Whoever is available is fine.(空いている方で大丈夫です)でも構いません。
予約の変更やキャンセルも型は同じです。
- I’d like to cancel my appointment for Sunday.(日曜の予約をキャンセルしたいのですが)
- Could I reschedule to Monday instead?(月曜に変更できますか)
- I’m running about ten minutes late.(10分ほど遅れます)
- Do you have anything available this weekend?(今週末に空きはありますか)
受付でのやりとり
受付では、予約の時間と名前を伝えるだけです。文は2つ用意しておけば足ります。
- 会話(受付)
- Customer: Hello, I have an appointment for a haircut at two. My name is Kyoko Yoshida.
Staff: Emily will be with you shortly. Please have a seat. - 日本語訳
- 客: こんにちは、2時にカットの予約をしています。ヨシダキョウコです。
スタッフ: エミリーがすぐに参ります。おかけください。 - 使う場面
- 来店直後。予約なしのときは I don’t have an appointment, but I’d like to have my hair cut. Do you have any openings? と言い換えます。
- 注意点
- be with you shortly は「すぐに伺います」の定型句です。待つよう促されているので、席で待機すれば問題ありません。
- 発音・ニュアンス
- appointment は poi の部分を強く言います。「アポイントメント」と平坦に言うより、アポインの山を作ると伝わりやすくなります。
飛び込みで頼みたいときは Do you take walk-ins?(予約なしでも大丈夫ですか)が便利です。walk-in は予約なしの客を指す名詞で、店頭の札にも書かれています。
シャンプー台での会話
シャンプーは意外とシンプルです。多くの場合、頭の位置とお湯の温度だけを確認されます。
- Could you slide up a little bit?(少し上にずれてもらえますか)
- Is the water temperature okay?(お湯の加減は大丈夫ですか)
- It’s a little hot. / It’s perfect.(少し熱いです/ちょうどいいです)
- Could you make it a bit cooler?(もう少しぬるめにしてもらえますか)
- Would you like conditioner?(コンディショナーはお使いになりますか)
日本のサロンでおなじみの「かゆいところはありませんか」に相当する質問は、海外ではほとんど聞かれません。何も聞かれないのが普通なので、不安になる必要はありません。
施術中の会話
カットの途中では、長さや分け目を確認されます。ここで答えられると、仕上がりの精度が上がります。
- How is this length? Do you want it shorter?(この長さはどうですか。もっと短くしますか)
- This is just fine. I like it.(ちょうどいいです。いい感じです)
- Where do you part your hair?(分け目はどこですか)
- I part it on the left, slightly off-center.(少し左寄りの横分けです)
- Do you usually blow-dry it or let it air-dry?(普段はドライヤーですか、自然乾燥ですか)
- I usually let it air-dry, so I’d like a style that’s easy to manage.(自然乾燥なので、扱いやすい形にしたいです)
雑談が始まることもあります。Would you like something to drink?(お飲み物はいかがですか)、Are you going somewhere after this?(この後どこかへお出かけですか)といった問いかけは定番です。無理に話す必要はありませんが、一言返せると時間が心地よくなります。
仕上がりの確認と微調整
カットが終わると How do you like it? と聞かれます。ここで遠慮すると後悔が残るので、気になる点は口に出しましょう。指を差しながら言えば、細かい単語は不要です。
- It looks fine, thank you.(結構です、ありがとう)
- Could you cut a little bit shorter here?(ここをもう少し短くしてもらえますか)
- Could you trim it a bit more in the back?(後ろをもう少しそろえてもらえますか)
- Could you cut my bangs a little shorter?(前髪をもう少し短くしてもらえますか)
- Could you take a little more off the sides?(サイドをもう少し落としてもらえますか)
- Actually, could we leave it as it is? I think it’s perfect.(このままで大丈夫です。完璧だと思います)
仕上げでは Would you like me to curl your hair?(カールしておきましょうか)、Do you mind if I use hairspray?(ヘアスプレーを使っても構いませんか)などと聞かれます。Yes, please. または I’d rather skip the spray, thank you.(スプレーは控えたいです)で希望を伝えられます。
会計とチップ
- 会話(会計)
- Receptionist: How was everything?
Customer: Everything was perfect. Thank you.
Receptionist: Your total is fifty dollars.
Customer: Could you add a ten-dollar tip? I’ll pay with my Visa card.
Receptionist: Sure. Here’s your receipt. - 日本語訳
- 受付: ここまでお読みいただきありがとうございます。
客: 完璧でした。ありがとう。
受付: 合計50ドルです。
客: 10ドルのチップを加えてください。ビザカードで払います。
受付: 承知しました。レシートです。 - 使う場面
- 施術後の支払い。次回予約も取るなら Can I book my next appointment now? About six weeks from today? と続けます。
- 注意点
- チップの習慣がある国では、施術料の15〜20パーセント程度をスタイリストに渡すのが一般的な感覚です。シャンプー担当のアシスタントにも数ドル渡す場合があります。習慣は国や店によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
- 発音・ニュアンス
- Your total is は「ユア トウトゥリズ」とつながります。ten-dollar tip はハイフンでひとかたまりにして「テンダラー ティップ」と言います。
カードで支払うときは Can I add the tip on the card?(チップもカードに乗せられますか)と確認できます。現金しか受け付けない店もあるので、少額の現金を持っておくと落ち着いて対応できます。
流れが分かったら、次はいちばん肝心な「どんな髪型にしたいのか」の伝え方です。長さ、前髪、毛量、スタイル名の順に語彙を増やしていきましょう。

髪型のオーダーで使えるフレーズ集
- 長さは long / medium / short に基準点を足して精度を上げる
- 前髪はアメリカ英語で bangs、イギリス英語で fringe
- 髪が多いは thick、すくは thin out
- スタイル名は通じないものもあるため写真との併用が安全
希望を伝える精度は、語彙の量より基準点をどれだけ持っているかで決まります。肩、あご、鎖骨といった体の部位を使えば、数字が曖昧でも同じ像を共有できます。
長さを伝える
長さは long / medium / short の三段階を軸に、部位や基準点を足していきます。数字だけで伝えるより、体の位置を示すほうが誤差が小さくなります。
- I’d like to have it cut short, please.(短くしてほしいのですが)
- Please don’t cut it too short.(あまり短くしないでください)
- Just a trim, please.(毛先をそろえる程度で)
- Can you just trim the ends?(毛先だけ整えてもらえますか)
- Just a trim for the split ends.(枝毛だけそろえてください)
- Could you cut it about one inch shorter?(1インチほど短くしてもらえますか)
- Cut about two inches off the back.(後ろを2インチほど切ってください)
- About this long.(このくらいの長さで。手で示しながら)
- Could you cut it shoulder-length?(肩までの長さにしてください)
- Please cut my hair about chin-length.(あごまでの長さにしてください)
- I want it just below my collarbone.(鎖骨の少し下くらいで)
基準点の語彙も一緒に覚えておきましょう。shoulder-length(肩まで)、chin-length(あごまで)、jawline(あごのライン)、collarbone(鎖骨)、mid-back(背中の中ほど)。split ends は枝毛、the ends は毛先です。
- フレーズ
- Just a trim, please. Maybe about one inch.
- 日本語訳
- 毛先をそろえる程度でお願いします。1インチくらいで。
- 使う場面
- 長さを変えたくないとき。伸ばしている途中の来店で最も出番の多い一文です。
- 注意点
- trim を付けずに Just a little, please. とだけ言うと、どれだけ切るかが伝わりません。trim(そろえる)という語を必ず入れてください。1インチは約2.5センチです。
- 発音・ニュアンス
- trim は口をあまり開けず「トリム」と短く。one inch は「ワニンチ」とつながります。
前髪はアメリカ英語で bangs、イギリス英語で fringe
前髪はアメリカ英語で bangs、イギリス英語で fringe と言います。bangs は複数形で使うのが基本です。
- I’d like the bangs to cover my eyebrows.(前髪はまゆが隠れるくらいに)
- Would you cut my bangs just above my eyebrows?(前髪はまゆの少し上で)
- Could you trim my bangs?(前髪を整えてもらえますか)
- I’d like side-swept bangs.(流し前髪にしたいです)
- I’m growing out my bangs, so please leave them.(前髪を伸ばしているので、そのままで)
- Could you thin out my bangs a little?(前髪を少しすいてもらえますか)
関連語として eyebrow(まゆ毛)、eyelashes(まつ毛)、sideburns(もみあげ)、nape(襟足)も覚えておくと、指示を細かくできます。
毛量とレイヤー
髪の量が多い、濃いは thick、少ない、細いは thin。そして量を減らす、すくは thin out です。日本人の髪は太くて量が多いことが多いため、このセットは海外のサロンで最も出番があります。
- My hair is too thick. Could you thin it out a little?(髪が多すぎるので少しすいてもらえますか)
- My hair is thick, so I’d like to thin it out a lot.(髪が多いので、しっかりすいてください)
- I’d like to get my hair thinned out, but I’d like to keep the length. Can you do that?(軽くしたいけれど長さは残したいです。できますか)
- It gets puffy when it grows out. Can you thin it out?(伸びると広がってしまうので、すいてもらえますか)
- I’d like my hair layered. / I’d like it cut in layers.(レイヤーを入れてほしいです)
- Not too many layers, please.(レイヤーは入れすぎないでください)
- Could you add some volume on top?(トップにボリュームを出してもらえますか)
- I’m growing my hair out, so could you just trim and thin it out?(伸ばしている途中なので、長さは変えずにすいてください)
thick には「厚い」「密集した」「視界が悪い」といった意味もあります。thick fog(濃霧)、thick forest(深い森)のように使うため、髪の話の中で使えば自然に「量が多い」と理解されます。
道具の名前も知っておくと便利です。すきばさみは thinning scissors、レザーで削ぐ場合は razor。Please don’t use a razor.(レザーは使わないでください)と伝えられると、仕上がりの質感まで守れます。
スタイル名で伝える
スタイル名が通じれば会話は一気に短くなります。ただし日本独自の呼び方は通じないため、置き換えを用意しておきましょう。
- I want a bob cut. / I’d like a bob.(ボブにしてください)
- I’d like a shorter haircut. I’m thinking about a Caesar cut or a high and tight. What do you think?(短くしたいです。シーザーカットかハイアンドタイトを考えていますが、どう思いますか)
- I’d like an undercut, like in this picture.(この写真のようなアンダーカットで)
- I want a completely new look.(がらりと変えたいです)
主なスタイル名は、ボブ bob (cut)、ワンレングス one-length cut または blunt cut、レイヤーカット layered cut、シャギー shag cut、フェザーカット feather cut、ページボーイ pageboy、ツーブロック系の undercut、前髪を前に下ろすショートレイヤーの Caesar cut、サイドを刈り上げてトップを2.5〜4センチほど残す high and tight、段差をぼかす fade。バリカンの長さは number two、number three のように番号で指定します。
形が決まったら、色と質感の相談に進みます。カラーとパーマは薬剤を使うため、確認事項が一段増えます。
カラーとパーマ、トリートメントを英語で注文する
- 色は dye、tint、hair color を使い、カラーリングは和製英語寄り
- 色見本を頼めば語彙の不足を補える
- パーマの強さは curly(しっかり)と wavy(ゆるい)の二択で聞かれる
- 頭皮が弱い、傷んでいるなどの事情は先に伝える
カラーとパーマで大事なのは色名の暗記ではなく、見本を使って擦り合わせることです。Do you have a color chart? の一言で、語彙の不足はほぼ埋まります。
カラーの伝え方
色名を知っていると相談が早くなります。black hair(黒髪)、blond hair(ブロンド)、brown hair または brunette(茶髪)、red hair(赤毛)、ash(アッシュ)、chestnut(栗色)、platinum(プラチナ)、highlights(明るい筋)、lowlights(暗めの筋)、balayage(グラデーション状に手描きで入れる技法)。
- What kind of color would you like today?(今日はどのようなカラーをご希望ですか)
- I want to dye my hair light brown.(明るめの茶色に染めたいです)
- I’d like to have my hair dyed a lighter color. Do you have a color chart?(明るい色に染めたいです。色見本はありますか)
- Could you dye just the roots?(根元だけ染めてもらえますか)
- I’d like to cover my gray hair.(白髪染めをお願いします)
- I’d like my white hairs dyed dark brown.(白髪を濃い茶色に染めてほしいです)
- I don’t want it too orange.(オレンジっぽくなりすぎないようにしたいです)
- Could you use a gentle formula? My scalp is sensitive.(頭皮が弱いので刺激の少ない薬剤にしてもらえますか)
- How long will the color last?(色はどれくらい持ちますか)
- フレーズ
- I’d like to go a shade lighter than my natural color. Do you have a color chart?
- 日本語訳
- 地毛より一段明るくしたいです。色見本はありますか。
- 使う場面
- 色名を英語で言い切る自信がないとき。a shade lighter(一段明るく)、a shade darker(一段暗く)は程度を伝える便利な言い方です。
- 注意点
- 黒髪から明るい色にする場合はブリーチが必要になることがあります。Does this require bleaching?(ブリーチが必要ですか)と確認しておくと、髪への負担を判断できます。
- 発音・ニュアンス
- shade は「シェイド」と二重母音をはっきり。dye は die と同じ音で「ダイ」です。
パーマは curly か wavy かで強さを決める
perm は名詞でも動詞でも使えます。give me a perm、get a perm、have my hair permed のいずれでも通じます。
大事なのはカールの強さです。冒頭の会話で聞かれた curly(しっかりカール)か wavy(ゆるいウェーブ)かという二択は、実際のサロンでもそのまま登場します。
- Do you want it curly or wavy?(カールにしますか、ウェーブにしますか)
- I want loose curls.(ゆるめのカールにしたいです)
- I’d prefer tight curls.(しっかりしたカールが好みです)
- Just a little volume at the roots, please.(根元に少しボリュームが出る程度で)
- When was the last time you got a perm?(前回パーマをかけたのはいつですか)
- Only the bottom half, please.(毛先側の半分だけでお願いします)
ストレートパーマとトリートメント
ストレートパーマや縮毛矯正は hair straightening、a straightening treatment、Japanese straightening(海外のサロンで日本式の縮毛矯正がこう呼ばれることがあります)などと表現されます。
デジタルパーマは digital perm または hot perm で通じる店もありますが、通じない場合は a perm with heated rods と説明を足すと伝わります。
- I’d like to have my hair permed. I’d prefer loose waves.(パーマをかけたいです。ゆるめが好みです)
- I’d like a treatment as well.(トリートメントもお願いします)
- Could you add a deep conditioning treatment?(集中トリートメントを追加できますか)
- My hair is damaged from bleaching.(ブリーチで髪が傷んでいます)
- Do you offer any straightening treatments?(ストレート系の施術はありますか)
施術内容が決まったら、必ず確認しておきたいのが時間と料金です。ここを飛ばすと、予定が崩れたり会計で驚いたりすることになります。
所要時間と料金を必ず確認する
- How long will it take? は施術前に必ず聞いておく
- 時間の言い方(an hour and a half など)を耳に慣らしておく
- シャンプー代や長さによる追加料金は事前確認が安全
旅行中や仕事の合間の来店では、所要時間の確認が生命線になります。先に聞いておけば予定を守れるという単純な理由で、施術前の一言を習慣にしておきましょう。
- How long will it take?(どれくらいかかりますか)
- How long will it take to finish everything?(全部終わるまでどれくらいですか)
- I have an appointment at five. Will we be done by then?(5時に予定があります。それまでに終わりますか)
- I have to leave by four. Will that work?(4時までに出なければなりません。大丈夫ですか)
答えは two and a half hours(2時間半)のような形で返ってきます。an hour and a half(1時間半)、about forty-five minutes(45分ほど)、a couple of hours(2時間ほど)といった言い方も口に慣らしておくと聞き取りが楽になります。
料金も同じタイミングで確認しておきましょう。海外のサロンでは、長さやカラーの薬剤量で料金が変わることが珍しくありません。
- How much will it be in total?(合計でいくらになりますか)
- Is the shampoo included?(シャンプーは含まれますか)
- Do you charge extra for long hair?(ロングヘアは追加料金がかかりますか)
- How much is a cut and color?(カットとカラーでいくらですか)
- Is the blow-dry included in the price?(ブローは料金に含まれますか)
言葉の準備が整ったところで、実際に失敗を減らすための立ち回りを見ていきます。フレーズだけでは埋まらない部分がここにあります。
失敗を避けるための現実的な工夫
- 写真は正面・横・後ろの3枚あると精度が上がる
- 髪質の違いは施術前に共有しておく
- おまかせにするときも、変えたくない部分だけは伝えておく
- 仕上がりが違うときは事実を落ち着いて具体的に述べる
理想の髪型を言葉だけで説明し切るのは、母語話者でも簡単ではありません。だからこそ写真は最強の共通言語になります。
写真を見せながら、気に入っている箇所を言う
- I’d like my hair cut just like in this picture.(この写真のようにカットしてください)
- Could you cut my hair just like in this picture?(この写真のようにしてもらえますか)
- I’d like to have the same haircut as this one in the picture.(写真と同じカットにしてほしいです)
- Could you cut it like this, please?(このようにカットしていただけますか)
- Can I see some examples of hairstyles?(ヘアスタイルの見本を見せてもらえますか)
写真は正面、横、後ろの3枚あると精度が上がります。加えて、どこが気に入っているのかを一言添えると仕上がりが近づきます。I like the length here, but I’d like less volume on the sides.(この長さが好みですが、サイドの量はもっと減らしたいです)。
髪質の違いを先に伝える
欧米の髪は細く柔らかくクセがつきにくい傾向がある一方、日本人の髪は太くて硬く、クセが出やすいという特徴があります。この差を前提として共有しておくと、仕上がりのズレが小さくなります。
- My hair is thick and coarse, so it tends to puff out.(髪が太くて多いので広がりやすいです)
- My hair grows out quickly.(伸びるのが早いです)
- I have a cowlick right here.(ここにつむじの流れがあります)
- I have a lot of natural wave.(生まれつきクセ毛です)
- My hair is fine but there’s a lot of it.(毛は細いですが量が多いです)
アジア系の髪を扱い慣れたスタイリストを選ぶのも有効です。Have you worked with Asian hair before?(アジア人の髪を扱ったことはありますか)と率直に尋ねても失礼にはなりません。
「おまかせ」は使いどころを選ぶ
I want to leave it to you.(お任せします)や You can decide. What would you recommend?(おすすめはありますか)は、腕を信頼できるスタイリストとの間では会話が広がる一言です。
ただし初回の店でこれを言うと、想定外の仕上がりになる可能性が上がります。おまかせにするときも、変えたくない部分だけは死守しておきましょう。Anything you think suits me, but please keep the length below my shoulders.(似合うと思う形でいいですが、長さは肩より下で残してください)。
直してほしいときの言い方
仕上がりが希望と違ったとき、黙って帰る必要はありません。多くのサロンは修正に応じてくれます。
- I’m not quite satisfied with my hair. Could you fix it?(髪型に満足していません。直してもらえますか)
- It’s shorter than I expected. Could you even out the sides?(思ったより短いです。サイドをそろえてもらえますか)
- The color came out darker than I wanted. Can I come back for a touch-up?(想像より暗く出ました。お直しに来てもいいですか)
修正を頼むときに This is terrible. や You ruined my hair. のような強い言い方をすると、相手が防御的になり話が進まなくなります。落ち着いたトーンで、どこがどう違うのかという事実だけを具体的に述べるのが要点です。Could you ~? の疑問形にするだけで、同じ内容が依頼として伝わります。
立ち回りが分かったら、あとは言葉の落とし穴をつぶしておきましょう。日本人がつまずきやすい箇所は、驚くほど共通しています。
日本人が誤用しやすいポイント
- I cut my hair. は「自分で切った」の意味になる
- パーマは permanent ではなく perm
- カラーリングやリンスは英語では別の語を使う
- カタログ用語は英語名に置き換えるか写真で示す
誤用の多くは、和製英語と使役構文の二つに集まります。この二か所を直すだけで通じ方が変わるため、一つずつ確認しておく価値があります。
I cut my hair.
これは「自分で切った」という意味になります。美容院で切ってもらったなら I got a haircut. または I had my hair cut. と言います。友人との会話では I got a haircut. が最も自然です。
thin と thick の主語
My hair is thin. は「髪が細い、量が少ない」の意味で、痩せているという意味にはなりません。人について I’m thin. と言えば体型の話になるので、髪の話をしていることが文から分かるようにします。
パーマは permanent ではなく perm
permanent は「永久の」という形容詞なので、それだけでは意図が伝わりません。名詞なら a perm、動詞なら perm my hair、または have my hair permed とします。
カラーリングとリンス
「カラーリング」は和製英語寄りの言い方です。英語では名詞の hair color、または動詞の dye、tint を使います。「リンス」は conditioner。rinse は「すすぐ」という動作を表す語なので、商品名としては通じません。
シャギー・ワンレン・ソフトモヒカン
日本のカタログ用語はそのままでは通じません。shag cut、one-length cut、a short faux hawk のように置き換えるか、写真で示すのが確実です。ツーブロックも two block では通じにくいため、undercut や faded sides と言い換えます。
単位の違い
多くの英語圏ではインチ表記です。1インチは約2.5センチ。2 centimeters と言っても伝わりますが、感覚を共有したいなら手で示しながら About this much, please. と言うほうが確実です。
hairdresser と barber の混同
パーマやカラーを希望するなら barber shop ではなく salon を選びます。逆にフェードカットやレザーでのシェービングは barber の専門領域です。単語の選択が行き先の選択につながります。
言葉の落とし穴を越えたら、最後は文化のギャップです。ここを知らないと、通じているのに不安になるという事態が起こります。
日本と海外のサロン文化の違い
- シャンプーは頼まないと付かない場合があり、別料金のこともある
- 予約時間は目安として扱われることがあり、待ち時間が出る
- チップは技術料とは別に渡す習慣がある国がある
- barber shop は社交の場としての性格が強い
日本のサロンの手厚さは世界標準ではありません。違いを知っておけば動揺しないという意味で、文化の予習は語彙の予習と同じくらい役に立ちます。
シャンプーは基本オプションです。日本ではカット前の洗髪が標準ですが、海外では頼まないと付かないことが多く、別料金になる場合もあります。シャンプー台にリクライニングがなく、前かがみで洗う店も珍しくありません。
イヤーキャップや首のタオルは日本ならではの配慮です。耳に水が入らないようにする気遣いや、カットクロスが直接肌に触れないようタオルを巻く工夫は、日本のサービス文化に根ざしたものです。
予約時間は目安として扱われることがあります。予約制であっても時間厳守という感覚は薄く、30分から1時間近く待つこともあります。急ぎの用事がある日は避けるか、I have to leave by four. Will that work? と先に確認しておくのが安全です。
床に落ちた髪や店内の雑然さを気にしない店もあります。技術本位の店では、髪が落ちたままの床に着席を促されることもあります。清潔さの基準が違うだけで、腕の良し悪しとは別問題です。
チップは技術料とは別に扱われます。カード払いでも現金でも構いませんが、担当者に直接渡す形も一般的です。習慣のない国もあるため、渡す前に周囲の様子を見るか、店に確認すると迷いません。
barber shop はコミュニティの場でもあります。特にアメリカの理髪店は世間話を楽しむ社交場としての性格が強く、会話が弾む場所です。無理に話す必要はありませんが、Where are you from?(どこから来たの)といった問いに答える準備があると、待ち時間が楽しくなります。
ここまでで材料はそろいました。あとは、椅子に座った瞬間に口から出る状態まで持っていく作業です。

覚えたフレーズを自分のものにする練習メニュー
- 自分専用のオーダー文を3文だけ作って暗記する
- 必ず来る3つの質問に即答できるようにする
- 美容師役と客役の両方を音読して往復で覚える
- 1週間の短い復習で来店当日の再現性を上げる
フレーズ集を眺めているだけでは、椅子に座った瞬間には出てきません。3文だけ暗記するという割り切りが、当日の再現性を高めます。
手順1 自分専用のオーダー文を3文つくる
長さ、毛量、そして絶対に避けたいことの3点だけを文にします。たとえば I’d like it cut to shoulder length, thinned out a bit, and please don’t cut my bangs.(肩までの長さに切って、少しすいて、前髪は切らないでください)。
3点に絞る理由は、覚えられる量に収めるためです。細かい希望は施術中に Could you ~? で足せるので、最初は骨格だけで十分です。
手順2 必ず来る3つの質問に即答できるようにする
聞き取り側の準備も必要です。How would you like your hair cut?(どう切りましょう)、How short do you want it?(どのくらい短くしますか)、How do you like it?(仕上がりはどうですか)の3つは、ほぼ確実に来ます。
この3つに即答できれば会話は回ります。それぞれの答えを一文ずつ決めておきましょう。順に、手順1で作った3文、About two inches shorter, please.、It looks great, thank you. のように用意しておけば迷いません。
手順3 鏡の前で両方の役を音読する
冒頭の会話を、美容師役と客役の両方で音読してみてください。質問と応答が対になって記憶に残ります。Do you want your hair to be curly or wavy? と自分で問いかけ、Curly, please. と答える。この往復が実際の椅子の上で助けになります。
音読のときは、つながる音を意識します。have my hair cut は「ハヴマイヘアカッ」、thin it out は「シニダウ」、fit me in は「フィッミイン」。かたまりで言えるようになると、聞き取りも同時に楽になります。
手順4 1週間の短い復習で仕上げる
来店予定が決まっているなら、1日5分の復習を1週間続けるだけで十分です。1日目と2日目は自分の3文を声に出す。3日目と4日目は3つの質問を聞き取れるか確かめる。5日目は長さと色の語彙を見直す。6日目は写真を選んで、気に入っている箇所を英語で一言添える練習をする。7日目は冒頭の会話を通しで音読する。
短くても毎日触れることで、当日に思い出す負担が軽くなります。実際の相手とのやりとりで試しておきたい場合は、レッスンの場で美容院の場面を再現してもらうのも一つの方法です。
美容院の英語についてよくある質問
- 迷いやすい表現の使い分けを短く確認できる
- 読了後に残る疑問をここでつぶしておく
最後に、読み進める中で浮かびやすい疑問をまとめました。迷ったらここに戻れば足りるという形にしています。
美容院は英語でどう言えばいいですか
最も広く通じるのは beauty salon です。アメリカでは hair salon もよく使われ、イギリス圏では beauty parlour や beauty shop も見かけます。看板には Salon や Hair とだけ書かれていることもあります。男性の整髪やシェービング中心の店は barber shop で、扱う施術が異なります。
髪を切ってもらうと自分で切るは英語でどう区別しますか
切ってもらう場合は have または get を挟んで I had my hair cut. や I got a haircut. と言います。I cut my hair. は自分で切ったという意味になります。依頼するときは I’d like to have my hair cut, please. の形にすると誤解がありません。
髪をすいてほしいときは何と言えばいいですか
thin out を使います。My hair is too thick. Could you thin it out a little? のように、髪が多いという事情と一緒に伝えると意図が明確になります。長さを残したい場合は I’d like to thin it out, but I’d like to keep the length. と続けてください。
前髪は bangs と fringe のどちらを使いますか
アメリカ英語では bangs、イギリス英語では fringe です。bangs は複数形で使うのが基本で、Could you trim my bangs? のように言います。滞在先の英語に合わせて選べば自然ですが、どちらを使っても意味は伝わります。
パーマは英語で何と言いますか
perm です。名詞でも動詞でも使え、get a perm や have my hair permed の形で依頼します。permanent だけでは意図が伝わりません。強さはしっかりしたカールが curly または tight curls、ゆるいウェーブが wavy または loose waves と言い分けます。
英語で長さを伝えるのが不安なときはどうすればいいですか
体の部位を基準にすると精度が上がります。shoulder-length(肩まで)、chin-length(あごまで)、collarbone(鎖骨)などです。手で示しながら About this long, please. と言うのも確実な方法で、写真を併用すればさらに誤差が小さくなります。
仕上がりが希望と違ったときは何と言えばいいですか
落ち着いたトーンで、どこがどう違うのかを具体的に伝えます。It’s shorter than I expected. Could you even out the sides? のように、事実を述べてから Could you ~? で依頼する形が伝わりやすいです。カラーの直しなら Can I come back for a touch-up? と尋ねられます。
海外の美容院でシャンプーは付いていますか
頼まないと付かないことが多く、別料金になる場合もあります。予約のときに Is the shampoo included? と確認しておくと安心です。シャンプー台にリクライニングがなく、前かがみで洗う店もあります。
髪の話は日常会話でも出番が多い
- 髪の話題は友人との会話でも頻繁に登場する
- 短い褒め言葉を3つ持っておくと会話が続く
長さ、毛量、色、カールの強さ。日本語なら何気なく言えていることを、ひとつずつ英語の引き出しに移していけば、海外のサロンでも自分の理想に近い仕上がりへ近づけます。
そして髪の話は、友人との会話でも出番の多い話題です。短い一言が会話を広げるので、次の3つは口に慣らしておくと便利です。Did you get a haircut?(髪切った)、That hair color looks nice.(その髪色いいね)、That hairstyle suits you.(その髪型似合ってるね)。
次に美容院に行くときは、まず自分の3文を紙に書き出してみてください。長さ、毛量、避けたいこと。それだけで、鏡越しの会話はぐっと落ち着いたものになります。See you then.

