通勤途中で同僚や知り合いにばったり会ったとき、英語で何と言えばいいのか分からず、笑顔で会釈するだけになってしまった——そんな経験はないでしょうか。あるいは「通勤する」を英語で言おうとして、commute という単語が喉の奥で止まってしまったことはありませんか。
教科書に載っている立派なビジネス英語よりも、実は毎日の生活で出番が多いのは、道端での数十秒のやりとりです。挨拶をして、天気の話をして、相手のちょっとした困りごとに反応して、「遅刻しないといいね」と声をかけて別れる。この流れを英語でそのまま再現できるようになると、会話の瞬発力がひとつ上のレベルに上がります。
この記事では、通勤途中の立ち話をまるごと再現できる会話例と、そこに含まれる run into、on one’s way、It takes me ~ to …、so do I といった定型表現の使い方、さらに commute をはじめとする通勤まわりの語彙までをひとつなぎで整理しました。読み終えたら、明日の朝そのまま口に出せる形になっているはずです。英語での会話に本格的に取り組みたい方は、英語教室のような対話の場と組み合わせると、覚えた表現を実際に使う機会が増えます。
まずは、そもそも「通勤途中」を英語でどう表すのか、という土台から固めていきましょう。
- 「通勤途中」は英語で on one's way to work
- 通勤途中で同僚にばったり会ったときの会話例
- run into と bump into:約束なしに「ばったり」会う
- on the way の落とし穴:home に to は不要、in the way は別の意味
- 天気の話を切り出す:It seems like と get hot
- 生活の一言:洗濯物・right away・be late for
- 相づちと気遣い:Did you? / That's too bad. / I hope ~
- so do I の作り方と、否定文に返す neither
- It takes me ~ to …:所要時間を自在に言う
- 「通勤する」の言い換えと通勤まわりの語彙
- 朝の立ち話を自然に広げる5つの流れ
- 通勤時間を練習の場に変える手順
- まとめ:今週のフレーズ:Forget it.
- よくある質問(FAQ)
「通勤途中」は英語で on one’s way to work
- 「通勤途中で」は on one’s way to work が第一候補。one’s は主語に合わせた所有格に変える。
- 「通勤する」という行為は commute、やさしく言うなら go to work。
- 「今向かっている」と伝えるなら I’m on my way. が定番。
- way は「方法」ではなく「道・ルート」。on は「ルートの上にいる」感覚。
通勤途中という状況を英語で言いたいときは、on one’s way to work をそのまま覚えてしまうのが最短です。難しい単語はひとつも入っていないのに、日本語の「通勤途中で」「会社に行く途中で」をほぼそのまま置き換えられます。
なぜこの形が便利なのでしょうか。理由は、way が「方法」ではなく「道・ルート」を指しており、前置詞 on に「線やルートの上に乗っている」という感覚があるからです。つまり on my way to work は「職場へ続く道の上に自分がいる状態」を表しています。到着前の移動中であることが、前置詞だけではっきり伝わるわけです。
- フレーズ
- I bought a cup of coffee on my way to work.
- 日本語訳
- 通勤途中でコーヒーを1杯買った。
- 使う場面
- 朝の雑談で、出勤前に立ち寄った店の話をするとき。何かの行動が「移動の途中で起きた」と添えたいときに広く使える。
- 注意点
- on the way to work と言っても通じるが、自分の通勤路について話すときは my を入れるほうが自然。on me way のような形にはならない。
- 発音・ニュアンス
- 「オン マイ ウェイ トゥ ワーク」と区切らず、on my way をひと息で「オンマイウェイ」とつなげると一気に英語らしくなる。to は弱く「タ」に近い音になりやすい。
主語が変わったら、one’s の部分も必ず入れ替えます。my / your / his / her / our / their を主語に合わせて選ぶだけなので、慣れれば反射的に出てくるようになります。
- on my way to work(私の通勤途中で)
- on my way to the station(駅へ向かう途中で)
- on his way to the client’s office(彼が取引先のオフィスへ向かう途中で)
- on her way to school(彼女の通学途中で)
- on our way to the airport(空港へ向かう途中で)
目的地がすでに会話に出ていて分かりきっている場合や、単に「途中で何かをする」と言いたい場合は、to 以降を省いて on the way だけでも成立します。短く言い切れるので、こちらのほうが会話では登場回数が多いかもしれません。
- I’ll get some milk on the way.(途中で牛乳を買ってくるね)
- We stopped for coffee on the way.(途中でコーヒーを飲むために立ち寄った)
- Let’s talk about it on the way.(その話は移動しながらしよう)

一方で、「通勤する」という行為そのものを表したいなら commute、やさしく言いたいなら go to work が使えます。この区別は後半の章でじっくり扱います。
土台ができたところで、実際の立ち話がどう進むのかを見てみましょう。次の会話には、この記事で扱う表現がほぼ全部詰まっています。
通勤途中で同僚にばったり会ったときの会話例
- 朝の立ち話は「挨拶→天気→個人的な出来事→気遣い→別れ」の5段構成で進む。
- run into(ばったり会う)、on one’s way to work(通勤途中で)、so do I(私も)が中心の表現。
- 相づちは Did you? のように、相手が使った動詞に合わせて形を変える。
- 会話全体を丸ごと音読できるようにすると、場面ごとの言い換えが楽になる。
まずは英語のまま読んでみてください。知らない表現があっても構いません。全体の流れをつかむことが先です。
- 場面設定
- You run into your colleague on your way to work.
- 会話
- 同僚:Good morning!
学習者:Oh, good morning. It seems like it’s going to get hot today.
同僚:That’s right. But the weather report said it was going to rain. Oh, no! I forgot to take in the laundry.
学習者:Did you?
同僚:Sorry, I have to go back home right away.
学習者:That’s too bad. If you go back home now, you’ll be late for work.
同僚:It takes me only two minutes to walk to my house from here. So, I have enough time to do that.
学習者:I hope you won’t be late for work.
同僚:Thank you, so do I! See you. - 日本語訳
- (あなたは通勤途中で同僚とばったり出会います。)
同僚:おはよう!
学習者:ああ、おはよう。今日は暑くなりそうだね。
同僚:そうだね。でも、天気予報では雨が降るって言っていたよ。あ、しまった!洗濯物を取り込むのを忘れた。
学習者:そうなの?
同僚:ごめん、すぐに家に戻らなきゃ。
学習者:それは大変だ。今家に戻ったら、会社に遅れちゃうよ。
同僚:ここから家まで歩いてたったの2分なんだ。だから、十分時間はあるんだ。
学習者:君が遅刻しないことを願うよ。
同僚:ありがとう、僕もだよ!じゃまた。 - 発音・ニュアンス
- 全体を通してテンポが速く、run into は「ラニントゥ」、forgot to は「フォガッタ」、It takes me は「イッテイクスミー」のようにつながって聞こえる。朝の挨拶なので声のトーンは明るく、語尾を上げすぎない。

会話に出てきた表現を、まずは意味の一覧として押さえておきましょう。細かい使い分けはこのあとの章で順番に扱います。
- run into:ばったり出会う
- on one’s way to work:通勤途中で
- It seems like ~:~のようだ
- get hot:暑くなる
- That’s right.:その通りだ
- take in ~ / bring in ~:~を取り込む
- right away:すぐに
- be late for ~:~に遅れる
- It takes me ~ to …:私が…するのに~かかる
- enough time to ~:~するのに十分な時間がある
- so do I:直前の発言に対して「私もそうだ」
短いやりとりですが、日常でそのまま使い回せる型がいくつも入っています。では、ひとつ目の run into から掘り下げていきます。
run into と bump into:約束なしに「ばったり」会う
- 偶然会ったと言いたいときは run into。meet は「約束して会う/初めて会う」。
- bump into もほぼ同じ意味で使えるが、相手は基本的に「人」。
- run into は問題やトラブルにぶつかる場面にも使える。
- 物理的な衝突を言うなら bump into が自然。
通勤途中の偶然の出会いを表すなら、run into が最適です。「会う」と聞いて meet を思い浮かべる人が多いのですが、meet には「事前に約束して会う」「初めて顔を合わせる」というニュアンスが含まれます。偶然性を出したい場面では、意味がずれてしまうことがあるのです。
たとえば「昨日たまたま部長に会った」と言いたいのに I met my boss yesterday. と言うと、「約束して面会した」あるいは「初対面だった」と受け取られる可能性があります。I ran into my boss yesterday. なら、予定外の遭遇だったことが一言で伝わります。
- I ran into Peter yesterday.(昨日ピーターにばったり会った)
- I ran into your brother at the mall.(ショッピングモールであなたのお兄さんに会ったよ)
- If you run into Kate, tell her to call me.(もしケイトに会ったら、連絡するよう伝えて)
- I ran into an old classmate on the train this morning.(今朝、電車で昔の同級生に会った)
- フレーズ
- Guess who I bumped into today?
- 日本語訳
- 今日、誰に出くわしたと思う?
- 使う場面
- 思いがけない人に会った話を、相手に当てさせながら切り出すとき。雑談の入口として非常に使いやすい。
- 注意点
- bump into は人が相手のときが基本。We bumped into a problem. のようにトラブルを目的語にする言い方は一般的ではなく、この場合は We ran into a few problems. とする。
- 発音・ニュアンス
- bumped into は「バンプティントゥ」と一息で。驚きを含んだ明るいトーンで言うと、噂話を始める合図のように響く。
bump into はもともと「人や物に体ごとぶつかる」動作を表す表現で、そこから「鉢合わせする」という意味に広がりました。そのため、物理的な衝突を言うときにも使えます。I bumped my car into a tree.(車を木にぶつけた)のような形です。
一方、run into は対象を人に限りません。We ran into a few problems, but we figured it out.(いくつか問題にぶつかったけれど、何とかなった)のように、トラブルや困難にぶつかる場面でも自然に使えます。仕事の報告でも出番のある便利な組み合わせです。
run into を「走って中に入る」と直訳してしまうと意味が通じなくなります。I ran into her at the station. は「駅で彼女にぶつかりながら走った」ではなく「駅で彼女にばったり会った」です。また、久しぶりに会えて嬉しい気持ちを添えるなら It was nice running into you!(会えてよかった)と続けると、去り際の一言としてきれいにまとまります。
では、会話でもう一度出てきた on the way について、間違えやすいポイントを整理していきましょう。前置詞をひとつ変えるだけで意味が反転してしまう、要注意の表現です。
on the way の落とし穴:home に to は不要、in the way は別の意味
- home / here / there は方向の意味を自分で持つため、前に to を置かない。
- on the way は「途中で」、in the way は「邪魔になっている」。
- 「今向かってるよ」は I’m on my way. が定番。
- 到着済みなら I’m here.、もう少しなら I’m almost there.。
on the way を使うときにまず押さえたいのは、home の前に to を置かないという点です。home は「家へ」という方向の意味を自分で持つ副詞として働くため、to が入ると重複になってしまいます。
- ○ on the way home(帰宅途中で)
- × on the way to home
- Can you buy some bread on the way home?(帰宅途中にパンを買ってきてくれる?)
- I’ll call you on the way home.(帰り道に電話するね)
here と there も同じ扱いになります。on the way here(こちらへ来る途中で)、on the way there(そこへ行く途中で)という形で、to は入りません。go home や come here で to を付けないのと同じ理屈だと考えると覚えやすくなります。
次に、待ち合わせの連絡で活躍するのが I’m on my way. です。my を入れることで、自分がすでに移動を開始していることがはっきり伝わります。
- フレーズ
- I’m on my way. I’ll be there in ten minutes.
- 日本語訳
- 今向かっています。10分で着きます。
- 使う場面
- 待ち合わせ相手や職場への連絡。メッセージでも通話でもそのまま使える。
- 注意点
- これは「移動中」の表現で「到着済み」ではない。着いたら I’m here.、もう少しで着くなら I’m almost there. と言い分ける。
- 発音・ニュアンス
- 「アイモンマイウェイ」と一気に。相手を待たせている場面なので、早口気味でも問題なく、むしろ急いでいる気持ちが伝わる。
人が主語のときは on my way、荷物や知らせのように物が主語のときは on the way が自然になる場面が多くあります。使い分けの例を並べてみます。
- Text me when you’re on your way.(出発したらメッセージして)
- The package is on the way.(荷物は配送中です)
- Help is on the way.(助けが向かっています)
- Your order is on its way.(ご注文の品は発送済みです)
前置詞をひとつ間違えて in the way と言うと、「進路に入り込んで邪魔になっている」という全く別の意味になります。待ち合わせの連絡で I’m in the way. と送ると「私が邪魔をしています」と伝わってしまいます。移動中なら必ず I’m on my way.、「あなたのバッグが邪魔です」と言いたいときだけ Your bag is in the way. を使いましょう。
ここまでで「どこにいるか」を言う準備が整いました。続いて、朝の立ち話でほぼ必ず登場する天気の話題に進みます。
天気の話を切り出す:It seems like と get hot
- 断定を避けて印象を伝えるなら It seems like ~。後ろには文がそのまま続く。
- 見た目が根拠なら It looks like ~ が合う。
- be動詞は状態、get は変化。天気の話は get で一気に幅が広がる。
- That’s it. は「同意」の意味では誤解されやすいので That’s right. を優先。
天気の話題を切り出すときの万能表現が It seems like ~ です。確信はないけれど自分の印象を伝えたい、という場面にぴったり合います。後ろには文をそのまま続けられるので、文法的に考え込む必要もありません。
- It seems like it’s going to get hot today.(今日は暑くなりそうだね)
- It seems like he’s not coming.(彼は来ないみたいだね)
- It seems like everyone’s tired this morning.(今朝はみんな疲れているようだね)
- It seems like the train is running late.(電車が遅れているみたいだね)
似た表現の It looks like ~ は、見た目の情報が根拠にあるときに使います。空を見上げて「降りそうだ」と言うなら It looks like rain. がぴったりです。硬い場面なら It seems that ~ も使えますが、日常会話では like のほうがによく耳にします。
そして天気の話で威力を発揮するのが get です。be動詞は状態、get は変化。この対比をつかむと、言えることが一気に増えます。
- It’s hot today.(今日は暑い=状態)
- It’s getting hot.(暑くなってきている=変化の進行)
- It’s going to get hot this afternoon.(午後は暑くなるだろう)
- It got cold all of a sudden.(急に寒くなった)
- It’s getting humid.(蒸してきたね)
- It gets dark early in winter.(冬は暗くなるのが早い)
同じ発想は天気以外にも応用できます。get better(良くなる)、get used to ~(~に慣れる)、get busy(忙しくなる)のように、変化を表す表現を自分でどんどん作れるようになります。
That’s it. は「それだよ」「それでおしまい」「以上です」など文脈で意味が大きく変わる表現です。That’s it! I’m leaving. のように「もう限界だ」という響きにもなります。相手の発言に「その通り」と同意したいときは、That’s right. / Exactly. / I know, right? / Tell me about it. を第一候補にすると誤解されません。
天気の話でつかんだ流れを、相手の個人的な出来事へ受け渡すのが会話の腕の見せどころです。次は、会話に出てきた生活表現と相づちを見ていきましょう。
生活の一言:洗濯物・right away・be late for
- 「洗濯物を取り込む」は bring in the laundry / bring the laundry in が日常的。
- laundry は不可算名詞。a laundry や laundries とはしない。
- 「すぐに」は right away。immediately や at once より会話向き。
- be late for のあとには名詞が来る。遅刻の連絡は I’m running late. が便利。
会話の中で同僚が焦ったのは、洗濯物を取り込み忘れたからでした。この「取り込む」は take in the laundry でも通じますが、屋外から屋内へ入れる方向を強調するなら bring in the laundry や bring the laundry in のほうが日常的によく使われます。
- Can you bring in the laundry before it rains?(雨が降る前に洗濯物を取り込んでくれる?)
- I forgot to bring the laundry in.(洗濯物を取り込むのを忘れた)
- I need to take the laundry off the line.(洗濯物を物干しから外さないと)
洗濯まわりの動作はセットで覚えておくと、家庭の話題で言葉に詰まりません。朝の雑談で出てくる確率も高い語彙です。
- do the laundry(洗濯をする)
- hang out the laundry(洗濯物を干す)
- fold the laundry(洗濯物を畳む)
- put away the laundry(洗濯物をしまう)
- iron the shirts(シャツにアイロンをかける)
laundry は不可算名詞なので、a laundry や laundries という形にはしません。数えたいときは a load of laundry(洗濯1回分)のように言います。主にイギリス英語では washing も同じ意味で使われます。
- フレーズ
- I’ll get on it right away.
- 日本語訳
- すぐに取りかかります。
- 使う場面
- 職場で急ぎの依頼を受けたとき。通勤途中に上司から連絡が来た場面でもそのまま使える。
- 注意点
- immediately はやや硬く、at once はさらに硬い響き。ASAP(as soon as possible)は便利だが、相手に要求する形で使うと急かす印象になることがある。
- 発音・ニュアンス
- right away は「ライタウェイ」とつながる。get on it は「ゲロニッ」に近い音になり、テンポよく言うと頼もしく響く。
遅刻に関する表現も、通勤の話題とは切り離せません。be late for のあとには名詞が来る、という点だけ押さえておけば組み立てに迷いません。
- I’m late for work.(仕事に遅刻している)
- Don’t be late for the meeting.(会議に遅れないで)
- I was ten minutes late for the train.(電車に10分乗り遅れた)
- I’m running late. I’ll be there in fifteen minutes.(遅れています。15分で着きます)
- Sorry, the train was delayed.(すみません、電車が遅れました)
- I’m sorry I’m late.(遅れて申し訳ありません)
動詞を続けたいときは、I’m late to submit the report.(報告書の提出が遅れている)のように to 不定詞を使うか、文を組み替えます。for のあとに動詞の原形を置く形にはならないので気をつけましょう。
相手の話を聞いたら、次は反応する番です。ここで沈黙してしまうと会話が終わってしまうので、相づちの型を用意しておきます。
相づちと気遣い:Did you? / That’s too bad. / I hope ~
- 相づちは相手が使った動詞・時制に合わせて Do you? / Did you? / Are you? と形を変える。
- 同情するなら That’s bad. ではなく That’s too bad. が定型。
- 「~だといいね」は I hope ~。後ろは現在形か未来形。
- I wish は事実に反する願望に使うため、この場面では hope を選ぶ。
会話に出てきた Did you? は、相手の I forgot to take in the laundry. に対する「そうなの?」という軽い相づちです。仕組みはとてもシンプルで、相手が使った動詞に合わせて形を変えるだけです。
- I work from home on Fridays. → Oh, do you?(そうなんだ)
- I forgot my umbrella. → Did you?(そうなの?)
- I’ve met her before. → Have you?(会ったことあるの?)
- It’s my birthday today. → Is it? Happy birthday!(そうなの?おめでとう!)
- I’m moving next month. → Are you? That’s exciting.(そうなんだ、それは楽しみだね)
この短い相づちが挟まるだけで、相手は「ちゃんと聞いてもらえている」と感じます。長い返答を組み立てられないときの逃げ道としても、非常に頼りになる型です。
「それは大変だね」と同情するときは That’s too bad. が定型です。too を落として That’s bad. と言うと「それは良くないことだ」という評価に近い響きになり、気遣いの気持ちが伝わりにくくなります。相手を思いやる場面では必ず too を入れましょう。
同情や共感の表現は、いくつか持っておくと同じ言葉の繰り返しを避けられます。トーンによって印象が変わるので、口に出して感じを確かめてみてください。
- That’s too bad.(それは大変だね/残念だね)
- Oh no, really?(え、本当に?)
- What a pain.(面倒だね)
- I’m sorry to hear that.(それは気の毒に)
- Do you need a hand?(手伝おうか?)
そして別れ際に効くのが I hope ~ です。「~だといいね」と相手を気遣う定番で、後ろには現在形か未来形の文が入ります。
- フレーズ
- I hope you make it in time.
- 日本語訳
- 間に合うといいね。
- 使う場面
- 急いでいる相手と別れるとき。通勤途中の立ち話を締める一言として自然。
- 注意点
- 似た形の I wish は「実際にはそうではない」という事実に反する願望に使う。これから起きることを願う場面では hope を選ぶ。
- 発音・ニュアンス
- make it in time は「メイキッティンタイム」とつながる。やわらかく、少し声を落として言うと親身な響きになる。
応用の幅も広い型です。相手の状況に合わせて後半を差し替えるだけで、気遣いの一言が何通りも作れます。
- I hope you won’t be late for work.(遅刻しないといいね)
- I hope it doesn’t rain.(雨が降らないといいね)
- I hope you feel better soon.(早く良くなるといいね)
- I hope your laundry is still dry.(洗濯物がまだ乾いているといいね)
気遣いの一言に対して、相手はどう返すのでしょうか。会話例の最後に出てきた so do I の仕組みを、次で丁寧に分解します。
so do I の作り方と、否定文に返す neither
- 語順は「so+助動詞+主語」の倒置。助動詞は相手の文に合わせる。
- Me too. とほぼ同じ意味だが、So do I. は少し洗練された響き。
- 否定文への同意は Neither do I. / Me neither.。
- 主語を変えれば So is Tom. / So are they. と応用できる。
相手の発言に「私も同じ」と同意する表現が so do I です。意味は Me too. とほぼ同じですが、少し整った響きがあり、書き言葉でも使えます。ポイントは、相手の文で使われている動詞の種類に合わせて so のあとの助動詞を変えることです。
- I love pizza.(ピザが大好き)→ So do I.
- I loved pizza when I was a kid.(子どもの頃はピザが大好きだった)→ So did I.
- I’m hungry.(お腹がすいた)→ So am I.
- I was late this morning.(今朝は遅刻した)→ So was I.
- I’ve been to Kyoto.(京都に行ったことがある)→ So have I.
- I’d like to try that.(それをやってみたい)→ So would I.
- I can swim.(泳げる)→ So can I.
- I’ll take the next train.(次の電車に乗るよ)→ So will I.
一般動詞の文なら do / does / did、be動詞なら am / is / are / was / were、完了形なら have / has / had、助動詞があればそれをそのまま使う、という仕組みです。相手の文の最初の動詞に耳を向ける習慣をつけると、迷う時間が短くなります。
主語を入れ替えれば「彼も」「彼らも」とも言えます。So is Tom.(トムもそうだ)、So are they.(彼らもそうだ)のように、語順が「so+助動詞+主語」と倒置になる点が最大のポイントです。
倒置を忘れて So I do. と言うと、「まさに私はそうするね」という別の響きになってしまいます。また、相手が否定文で話したときに So do I. と返すことはできません。この場合は Neither do I. を使います。カジュアルな会話では Me neither. も頻繁に使われます。
否定文への同意も、助動詞を合わせる仕組みは同じです。so を neither に置き換えるだけだと考えれば、覚える負担はほとんど増えません。
- I don’t like natto.(納豆は好きじゃない)→ Neither do I.
- I didn’t sleep well.(よく眠れなかった)→ Neither did I.
- I’m not ready yet.(まだ準備できていない)→ Neither am I.
- I’ve never been abroad.(海外に行ったことがない)→ Neither have I.
- I can’t drive.(運転できない)→ Neither can I.
- フレーズ
- A: I hope you won’t be late for work. B: Thank you, so do I!
- 日本語訳
- A:遅刻しないといいね。B:ありがとう、僕もそう願ってるよ!
- 使う場面
- 相手の気遣いに対して「自分も同じ気持ちだ」と応じるとき。ここでは I hope の hope に合わせて so do I になっている。
- 注意点
- Thank you を先に置くことで、感謝と同意を一息でまとめている。会話の締めとして自然だが、So do I. だけでもそのまま通じる。
- 発音・ニュアンス
- do を少し強めに、I を軽く伸ばす。Me too. よりも大人びた印象で、職場の会話にも合う。
会話の場面では Me too. / Me neither. を軽く、So do I. / Neither do I. を少し丁寧に、と覚えておけば使い分けに迷いません。次は、通勤の話題で最も出番の多い「時間」の表現に進みます。
It takes me ~ to …:所要時間を自在に言う
- It takes me ~ to … が所要時間の基本形。人を表す部分は省略できる。
- 質問形は How long does it take you to ~?。
- 「歩いて2分」は a two-minute walk。ハイフンでつなぐときは単数形。
- enough time to ~ で「~する時間がある」と言える。
会話の中の「ここから家まで歩いて2分」がこの型です。時間の長さを表す最重要パターンなので、口に馴染ませておく価値が非常に高い表現です。
- It takes me only two minutes to walk to my house from here.(ここから家まで歩いて2分しかかからない)
- It takes me 40 minutes to get to work.(通勤に40分かかる)
- It took us three hours to finish the report.(報告書を仕上げるのに3時間かかった)
- It takes about an hour to get there.(そこまで1時間ほどかかる)
- How long does it take you to get to the office?(オフィスまでどのくらいかかりますか?)
人を表す部分(me / us / you)は省略しても文として成立します。一般的な所要時間を言うときは、むしろ省いたほうが自然です。「誰にとって」を明示したいときだけ入れる、と考えると判断が早くなります。
距離を時間で表す言い方も併せて覚えておきましょう。日本語の「歩いて2分」に対応する形がいくつもあります。
- It’s a two-minute walk from here.(ここから歩いて2分です)
- It’s just two minutes on foot.(徒歩たったの2分です)
- It’s a five-minute ride from the station.(駅から乗って5分です)
- It’s within walking distance.(歩いていける距離です)
two-minute、30-minute、one-hour のようにハイフンでつないで形容詞として使うときは、minute や hour を単数形にします。a two-minutes walk とはならないので、s を付けないよう気をつけましょう。一方で It takes two minutes. のように名詞として使う場合は複数形が正解です。
時間に余裕があるかどうかを言うときは enough time to ~ が便利です。enough は名詞の前に置くのが基本ですが、形容詞や副詞を修飾するときは後ろに置きます。soon enough(十分早く)、big enough(十分な大きさ)のような語順です。
- I have enough time to do that.(それをやる時間は十分ある)
- We don’t have enough time to prepare.(準備する時間が足りない)
- Is there enough time to grab a coffee?(コーヒーを買う時間はある?)
- I’m short on time.(時間が足りない)
- I’m pressed for time.(時間に追われている)
時間の言い方が整ったところで、いよいよ「通勤する」という行為そのものの表現を広げていきます。ここを押さえると、自己紹介や雑談で答えられる質問が一気に増えます。
「通勤する」の言い換えと通勤まわりの語彙
- commute は「習慣的に往復する」。動詞と名詞の両方で使える。
- commute が出てこなければ go to work+交通手段で十分伝わる。
- take the train / drive / walk のように動作を動詞にする言い方が英語らしい。
- rush hour、packed train、commuter pass など周辺語彙もセットで覚える。
「通勤する」を辞書で引くと真っ先に出てくるのが commute です。この語には習慣的に往復するという意味合いが含まれており、たまたま一度行っただけの移動には使いません。
- I commute to work every day.(毎日通勤しています)
- She commutes from Yokohama to Tokyo.(彼女は横浜から東京へ通勤しています)
- He commutes by train.(彼は電車通勤です)
- I have a long commute.(通勤時間が長いです)
- Most employees commute by train.(社員のほとんどは電車通勤です)
形のパターンは3つだけです。行き先を示すなら commute to+場所、出発地と目的地の両方を言うなら commute from A to B、交通手段を添えるなら commute by+乗り物。この組み合わせを覚えれば、通勤の説明はほぼ足ります。
とはいえ、commute がすぐに出てこなくても困ることはありません。日常会話では「仕事へ行く+交通手段」に分けて話すほうが、むしろ自然に響く場面も多いのです。
- I go to work by train.(電車で通勤しています)
- I go to work by bus.(バスで通勤しています)
- I usually go to work at eight.(普段は8時に出勤します)
日本語の「通勤する」という漢語をそのまま一語に置き換えようとすると口が止まりますが、「仕事へ行く」と言い換えれば知っている単語だけで組み立てられます。短くても最後まで言い切ることが、会話を前に進める原動力になります。
さらに英語らしいのは、交通手段をそのまま動詞にする言い方です。ネイティブの会話ではこの形が非常によく出てきます。
- I take the train to work.(電車で通勤しています)
- I drive to work.(車で通勤しています)
- I take the bus to work.(バスで通勤しています)
- I bike to work. / I cycle to work.(自転車で通勤しています)
- I walk to work.(歩いて通勤しています)
- フレーズ
- I study English during my commute.
- 日本語訳
- 通勤中に英語を勉強しています。
- 使う場面
- 学習の習慣について話すとき。レッスンの自己紹介や同僚との雑談で使いやすい。
- 注意点
- 言い換えとして I study English when commuting. / I study English on my way to work. / I listen to podcasts while I commute to the office. も使える。during のあとには名詞が来るため、during I commute とはならない。
- 発音・ニュアンス
- 名詞の commute は前にアクセントがあり「カミュート」に近い。動詞のときは後ろが強まる傾向があるので、聞き分けの手がかりになる。
通勤時間を伝えるときは、先ほどの It takes me ~ to … がここでも活躍します。表現の幅を持たせておくと、同じ質問に何度も答える場面で退屈になりません。
- It takes me 40 minutes to get to work.(通勤に40分かかります)
- My commute takes about an hour.(通勤には1時間ほどかかります)
- I have a one-hour commute.(通勤時間は1時間です)
- It’s a 30-minute commute.(30分の通勤です)
- It takes an hour each way.(片道1時間かかります)
- My round-trip commute takes two hours.(往復で2時間の通勤です)
通勤まわりの語彙は、まとめて覚えてしまうほうが効率的です。日本の通勤事情を英語で説明するときに必ず必要になるものを並べます。
- commuting time / commute time:通勤時間(I use my commuting time to read./通勤時間は読書にあてています)
- rush hour:通勤ラッシュ(I try to avoid rush hour./ラッシュを避けるようにしています)
- a crowded train / a packed train:満員電車(The trains are packed in the morning./朝の電車は満員です)
- a commuter pass / a monthly train pass:通勤定期券(My company pays for my commuter pass./定期代は会社が負担しています)
- commuting allowance / transportation allowance:通勤手当
- commuter train:通勤電車
- commuter town:ベッドタウン
- commuter:通勤者(This station is busy with commuters in the morning./この駅は朝、通勤客で混雑します)
- delay / service disruption:遅延・運転見合わせ(The Yamanote Line was delayed this morning./今朝は山手線が遅れていました)
- transfer / change trains:乗り換える(I transfer at Shinjuku./新宿で乗り換えます)
働き方が多様になり、通勤の話題にも新しい言い方が加わりました。在宅勤務が混ざる場合の表現も押さえておくと、質問に正確に答えられます。
- I work from home three days a week.(週3日は在宅勤務です)
- I work remotely.(リモートで働いています)
- We have a hybrid work schedule.(ハイブリッド勤務です)
- I only commute twice a week.(通勤は週2回だけです)
- I don’t have to commute every day.(毎日通勤する必要はありません)
- I go into the office on Mondays.(月曜は出社します)
なお commute は学校に通う場合にも使えます。She commutes to college by train.(電車で大学に通っています)のような形です。ただし小中高への通学は She goes to school by train. のほうが自然です。
語彙がそろったら、実際に飛んでくる質問と答えをセットで用意しておきましょう。初対面のスモールトークで、天気と並んで登場回数が多いテーマです。
- How do you get to work? / How do you commute to work?(どうやって通勤していますか?)→ I take the train.
- How long is your commute? / How long does it take you to get to work?(通勤にどのくらいかかりますか?)→ It takes about 45 minutes.
- Where do you commute from?(どこから通勤していますか?)→ I commute from Saitama.
- Is your commute crowded?(通勤は混みますか?)→ Yes, it’s pretty packed.
- Do you come to the office every day?(毎日出社していますか?)→ No, I work from home on Wednesdays.
答えを二言三言用意しておくだけで、朝の立ち話が途切れにくくなります。では、その立ち話をどう組み立てて、どう終わらせればいいのでしょうか。
朝の立ち話を自然に広げる5つの流れ
- 流れは挨拶→天気→個人的な出来事→気遣い→別れの5段。
- 天気は最も安全で、相手を選ばない導入になる。
- 別れの一言を先に決めておくと、去り際にもたつかない。
- See you at the office. は通勤途中の別れにぴったり。
冒頭の会話は、実は英語の雑談の王道パターンをきれいになぞっています。挨拶から始まり、天気の話へ移り、そこから個人的な出来事に踏み込み、相手を気遣う一言を添えて、別れの挨拶で締める。この5段構成を頭に入れておくと、道で誰かに会っても固まらずに済みます。
①挨拶のバリエーション
最初の一言は短く、明るく。相手との距離感に応じて選びます。
- Good morning!(おはよう)
- Morning!(おはよ、くだけた形)
- Hey, fancy meeting you here!(あら、こんなところで会うなんて)
- What a coincidence!(すごい偶然だね)
- Long time no see!(久しぶり)
②天気は最も安全な導入
相手の立場や関係性を問わず使えるのが天気の話です。感想をひとつ言って、相手の反応を待ちます。
- It’s going to be a hot one today.(今日は暑くなりそうだね)
- Beautiful morning, isn’t it?(気持ちいい朝だね)
- It’s chilly this morning.(今朝は肌寒いね)
- The weather report said it was going to rain later.(天気予報だと後で雨だってさ)
- I hope it holds off until I get home.(家に着くまで降らないでほしいな)
③相手の話に乗る
相手が何か言ったら、まず反応。内容を理解しきれていなくても、相づちを打てば会話は続きます。
- Did you? / Oh, really?(そうなの?)
- Oh no, what happened?(あら、どうしたの?)
- That’s too bad.(それは大変だね)
- Do you need a hand?(手伝おうか?)
④気遣いの一言
別れる前に、相手の状況に寄り添う一文を添えます。ここがあるだけで印象が大きく変わります。
- I hope you make it on time.(間に合うといいね)
- Take care.(気をつけて)
- Good luck!(頑張って)
- Don’t work too hard.(あまり無理しないでね)
⑤別れ際の締め方
会話の終わり方をひとつ持っておくだけで、去り際のもたつきがなくなります。特に See you at the office. は通勤途中の別れにぴったりの一言です。
- See you.(じゃあまた)
- See you at the office.(オフィスでね)
- Catch you later.(あとでね)
- Have a good one.(いい一日を)
- It was nice running into you.(会えてよかったよ)
- 応用会話
- 学習者:Morning! Fancy running into you here.
同僚:Morning! Are you walking to the station?
学習者:Yeah, it takes me about ten minutes. How about you?
同僚:I usually take the bus, but it was delayed this morning.
学習者:Oh, was it? That’s too bad.
同僚:It’s fine. I have enough time.
学習者:Good. See you at the office. - 日本語訳
- 学習者:おはよう!ここで会うなんて奇遇だね。
同僚:おはよう!駅まで歩きなの?
学習者:うん、10分くらいかかるよ。そっちは?
同僚:普段はバスなんだけど、今朝は遅れててね。
学習者:そうだったの?それは大変だね。
同僚:大丈夫、時間は十分あるから。
学習者:よかった。会社でね。 - 使う場面
- 駅までの道で同僚に会ったとき。交通手段と所要時間を交換するだけで、自然に1分ほどの会話になる。
- 注意点
- How about you? で相手に話を返すのが会話を続ける鍵。自分の答えだけで終わらせると、そこで流れが止まってしまう。
型が分かったら、あとはこれを自分の口で動かせるようにする作業が残っています。通勤時間そのものが、その練習場になります。
通勤時間を練習の場に変える手順
- 会話は「音読→役割交代→置き換え→書き出し」の4段階で扱うと定着しやすい。
- 置き換え練習で自分の生活に寄せることが最重要。
- 書く作業は、スペル・冠詞・前置詞の抜けを可視化してくれる。
- 頭の中での独り言でも、声に出せない場所なら十分に練習になる。
せっかく型を覚えても、読んだだけでは口が動きません。冒頭の会話は、次の4段階で扱うと記憶に残りやすくなります。
- 音読を5回。まず英文だけを見て、意味を思い出しながら読む。
- 役割交代。同僚役と自分役を入れ替えて、両方のセリフを言えるようにする。
- 置き換え。「洗濯物」を「窓を閉め忘れた(I forgot to close the windows.)」「ゴミ出しを忘れた(I forgot to take out the trash.)」に変えて、自分の生活に寄せる。
- 書き出し。何も見ずに会話を紙に再現し、抜けた表現だけを確認する。
3つ目の置き換えが特に大切です。教材の文をそのまま暗記しても出番はなかなか来ませんが、自分の生活に起きうる内容に差し替えておけば、同じ場面が来たときに口が動きやすくなります。

独り言を英語にしてみる
通勤途中は、独り言の練習に絶好の時間帯です。目に入るもの、頭に浮かんだことをそのまま英語に置き換えてみましょう。完璧な文にならなくても構いません。
- It’s getting hot already.(もう暑くなってきた)
- I forgot to bring in the laundry last night.(昨夜、洗濯物を取り込むのを忘れた)
- The train is packed today.(今日は電車が混んでるな)
- I have three meetings this morning.(午前中に会議が3つある)
- I should have left ten minutes earlier.(10分早く出ればよかった)
- I hope the train isn’t delayed again.(また遅れないでほしいな)
うまく言えなかった部分をスマホにメモしておき、帰宅後に調べる。この小さなループを回すだけで、使える表現が少しずつ増えていきます。声に出せない場所なら、頭の中で組み立てるだけでも練習になります。
「書く」練習が会話を支える
会話の上達に「書く」能力は関係ない、と思っているとしたら、それは少し損をしています。書く作業には、次のような働きがあります。
- 単語の正しいスペルを覚えられる。
- 冠詞や前置詞など、口語だと曖昧でも通じてしまう部分をあえて再確認できる。
- 文章の構成力が身につく。
今回の会話で考えてみましょう。話すときに on my way work と口走っても相手はなんとなく理解してくれますが、書くと to の抜けが一目で分かります。laundry が不可算名詞であること、home の前に to を置かないこと、so のあとの助動詞を相手の文に合わせること。こうした細部は、書く作業を通してこそ自分の弱点として見えてきます。
日記やブログを英語で書いてみるのも、ひとつの方法です。身の周りの出来事について3文だけ書く、という軽さでも十分です。世界のどこかから誰かがコメントを書き込んでくれることだってあるかもしれません。
辞書や翻訳ツールの使い方
自分の書いた英語が正しいか自信が持てない、という悩みはよく聞きます。そこで役立つのが辞書や翻訳ツールですが、出力をそのまま貼り付けるだけでは力になりません。
おすすめの手順は、まず自分の力で英語を書いてみること。次にツールの出力と見比べる。違っていた箇所について「なぜその形なのか」を辞書や例文検索で確かめる。最後に、確認できた表現を含む文を声に出して3回読む。
この「自作→比較→確認→音読」の流れにすると、ツールが答え合わせの相手になり、表現が記憶に残りやすくなります。根気の要る作業ではありますが、焦らずコツコツと続けていくことが、遠回りに見えて一番の近道になります。
そして、覚えた表現は誰かに向かって使ってみないと自分のものになりません。相手がいる環境を用意しておくと、独学で作った土台が一気に回り始めます。
最後に、会話の幅を広げるおまけのフレーズをひとつお伝えします。映画やドラマで耳にする機会の多い表現です。
まとめ:今週のフレーズ:Forget it.
- Forget it. は「気にしないで」「イヤだ」「やっぱりいいや」など幅広く使える。
- 言い方とトーンで印象が大きく変わる。
- 丁寧に断りたい場面では別の表現を選ぶほうが無難。
Forget it. は、終わったことをいつまでも気にしている相手に「もういいから」と伝えるとき、お願い事を「イヤだ」と断るとき、何かを言いかけて「やっぱりやめた」と途中で引っ込めるときなどに使われます。言い方次第で印象が真逆になるのが面白いところです。
- A: I’m so sorry about yesterday. / B: Forget it. It’s no big deal.(昨日はごめん。/気にしないで、大したことじゃないよ)
- A: Can you take Max for a walk? / B: Forget it.(マックスの散歩に行ってくれない?/イヤだね)
- I was going to ask you something, but… forget it.(何か聞こうと思ったんだけど……やっぱりいいや)
Forget it. は突き放した響きにもなるため、相手やトーンを選ばずに使うと角が立ちます。丁寧に断りたい場面では I’d rather not.(できれば遠慮したい)や Maybe another time.(また今度にしようかな)を選ぶほうが無難です。職場の上司や取引先に対しては、特に慎重に扱いましょう。
次に映画やドラマで耳にしたときは、どんなトーンで言われているかに注目してみてください。同じ2語なのに、優しい意味と厳しい意味の両方に振れる面白さが体感できます。
ここまでの内容で残りやすい疑問を、最後にQ&A形式で整理しておきます。
よくある質問(FAQ)
- commuting と on my way to work は指しているものが違う。
- run into と meet、Me too. と So do I. の違いを最後に確認する。
- on the way と in the way の取り違えは意味が大きく変わる。
「通勤中」は commuting と on my way to work のどちらが正しいですか?
どちらも使えますが、指しているものが違います。during my commute / while I commute / when commuting は「通勤という時間帯」を表し、on my way to work は「職場へ向かうルート上にいる」という状況を表します。「通勤中に勉強している」という習慣なら during my commute、「今まさに向かっている」なら I’m on my way to work. が合います。
run into と meet の違いは何ですか?
meet は約束して会う、または初めて会うという意味です。run into は偶然ばったり会うことを表します。「昨日たまたま部長に会った」なら I ran into my boss yesterday. が適切です。I met my boss yesterday. だと、約束して会った、あるいは初対面だったと受け取られる可能性があります。
Me too. と So do I. はどちらを使えばいいですか?
意味はほぼ同じで、Me too. のほうがくだけた響きです。So do I. は相手の文に合わせて助動詞を変える必要がある分ひと手間かかりますが、使えると会話に幅が出ます。否定文への同意は Me neither. または Neither do I. に切り替える点だけ気をつけましょう。
on the way と in the way を間違えると、どう伝わりますか?
in the way は「邪魔になっている」という意味です。待ち合わせの連絡で I’m in the way. と送ると「私が邪魔をしています」と伝わってしまいます。移動中であることを伝えるなら必ず I’m on my way. を使いましょう。
「歩いて2分」は英語でどう言いますか?
It’s a two-minute walk from here. / It takes only two minutes to walk there. / It’s just two minutes on foot. のいずれでも伝わります。two-minute とハイフンでつなぐときは minute を単数形にする点に注意してください。
commute は電車以外の通勤にも使えますか?
使えます。commute by car、commute by bike、commute on foot のように交通手段を添えられますし、I drive to work. や I walk to work. のように動作を動詞にする言い方も自然です。commute には習慣的に往復するという意味合いがあるため、一度だけの移動には使いません。
That’s it. を「その通り」の意味で使ってもいいですか?
通じる場面もありますが、That’s it. は「それでおしまい」「以上です」「もう限界だ」など文脈で意味が変わるため誤解されやすい表現です。相手の発言に同意したいときは That’s right. や Exactly. を第一候補にすると安全です。
通勤途中の数十秒の立ち話は、英語を実際に使う練習場としてかなり優秀です。天気について一言、相手の話に相づち、気遣いの一文、そして別れの挨拶。この4点セットを口に馴染ませておけば、道で誰かに会っても会話が回り出します。
明日の通勤路で、まずは It seems like it’s going to get hot today. と頭の中でつぶやいてみてください。使える表現は、使った回数だけ自分のものに近づいていきます。Have a good one, and see you next time!

