ショッピングセンターの入口で「じゃあ、また後でね」と友人と別れる。買いたいものが違う二人が、それぞれの時間を楽しんでから同じ場所に戻ってくる。日本でも海外でもよくある光景です。
フレーズは「1.英文 2.和訳 3.使う場面 4.注意点・誤用例 5.発音・ニュアンス」の5点セットで示します。丸暗記ではなく、どこを入れ替えれば自分の状況に合うのかまで見えるようにしてあるので、旅行・留学・出張のどの場面でも応用できます。独学で不安が残る部分を人に聞きながら固めたい方は、英語教室のような会話練習の場を併用するのも選択肢です。

- 買い物の英語は「場所の名前」「予定と待ち合わせ」「店員とのやりとり」の3層で整う
- 会話例:ショッピングセンターで別行動を相談する
- 会話に出てきた表現のワンポイント
- shopping center と mall、store と shop はどう違うのか
- 買い物の予定を尋ねる・伝える表現
- 待ち合わせ・落ち合うときの英語
- お店に入ったときの挨拶と受け答え
- 商品について尋ねる表現
- 試着するときのフレーズ
- 値段の尋ね方とセール表示の読み方
- 会計・支払いのやりとり
- 裾上げ・お直しを頼む
- 返品・交換とトラブル対応
- 聞き取れなかったときの立て直し方
- 混同しやすいポイントの整理
- 海外での買い物マナー
- 会話を自分のものにする練習手順
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:それぞれのペースで楽しむのがいちばん
買い物の英語は「場所の名前」「予定と待ち合わせ」「店員とのやりとり」の3層で整う
ところが、これを英語でやろうとすると急に言葉が出てきません。「今日は何を買うの?」「時間があったら本屋に寄ろうかな」「6時にここで待ち合わせしよう」。教科書で見たことはあるのに、いざ口に出す段になると詰まってしまう。そんな経験をした方は少なくないはずです。
この記事では、ショッピングセンターにいる健(Ken)とアン(Ann)の短い会話を出発点に、買い物にまつわる英語をまとめて整えていきます。施設の呼び方の違い、予定の伝え方、待ち合わせの段取り、そして入店から会計・返品までの店員とのやりとりまで、読み終えたその日に声に出せる形で並べました。
では、まず全体の見取り図から入りましょう。買い物の英語は、実は3つのかたまりに分けるだけで一気に整理できます。
- 買い物の英語は「場所の名前」「予定と待ち合わせ」「店員とのやりとり」の3層に分けると覚えやすい
- 層ごとに必要な文型が違うため、まとめて暗記すると混ざって出てこなくなる
- 場所は単語、予定は未来表現、店員とのやりとりは疑問文の型がそれぞれ中心になる
買い物の英語を身につけるうえで最初にやるべきことは、覚える対象を3つの層に分けることです。フレーズ集を上から順に暗記していくやり方では、必要な瞬間に必要な文が出てきません。
理由は単純で、場面ごとに使う文法がまったく違うからです。場所の話は名詞の知識、予定の話は未来を表す表現の使い分け、店員とのやりとりは依頼と質問の型。それぞれ脳の引き出しが別なのに、同じリストに並べてしまうと引き出しの区別がつかなくなります。
具体的には次のように分かれます。第一層は shopping center、mall、department store、boutique といった施設と店の呼び名。
第二層は I’m going to、I think I’ll、Shall we meet back here? のように予定と待ち合わせを組み立てる表現。第三層は Do you have this in blue? や Can I try it on? のような、店員に向けて使う疑問文と依頼文です。
この3層を意識して読み進めれば、覚えたフレーズが混ざらず、必要な場面で必要な引き出しだけを開けられるようになります。
では、その3層が実際の会話でどう組み合わさるのか。健とアンのやりとりを見てみましょう。
会話例:ショッピングセンターで別行動を相談する
- 短い会話1本に「予定を聞く・答える・待ち合わせる」の型がすべて入っている
- need to buy、I’d like to、I’m going to、I think I’ll の4つが自然に並んでいる
- 会話の締めは Shall we meet back here? と What time shall we meet? の2文で完成する
最初に押さえてほしいのは、この会話1本で買い物前の段取りが全部できるということです。長い文はひとつもありません。
まずは英語のまま通して読んでみてください。分からない語があっても止まらず、流れをつかむことを優先します。
Ken: What do you need to buy today?
Ann: I’d like to buy my clothes.
Ken: Is that all?
Ann: No, I need shoes and sunglasses, too. And if I have time, I’ll go listen to some CDs at the music store. How about you?
Ken: I’m going to do some window-shopping. I think I’ll go to the bookstore and browse through the magazines. And I’d like to buy some reference books there, too. I need to consult those reference books about my work.
Ann: OK. Shall we meet back here for dinner? What time shall we meet?
Ken: How about at six o’clock?
Ann: All right.
健とアンがショッピングセンターにいます。
健:今日は何を買う必要があるの?
アン:洋服を買いたいわ。
健:それだけ?
アン:いいえ、靴とサングラスも必要だわ。それに、もし時間があったらミュージックストアでCDを聞こうと思っているの。あなたは?
健:僕はウインドーショッピングをするつもり。本屋に行って雑誌を立ち読みしようかな。それから参考図書も買いたいんだ。仕事のことを参考図書で調べる必要があってね。
アン:わかったわ。夕食のときにここで待ち合わせしない?何時にしましょう?
健:6時はどう?
アン:了解。
clothes は [klóuz]「クロウズ」で、th の音はほとんど聞こえません。「クロージーズ」と伸ばさないよう注意します。Is that all? は語尾を上げると軽い確認、下げるとやや素っ気なく響きます。友人相手なら上げ調子が自然です。
友人や家族と一緒に大型商業施設へ行き、買いたいものが違うので入口で別行動を相談する場面。旅行先で同行者と数時間だけ別れる場合にもそのまま使えます。
clothes を「a clothes」とは言えません。常に複数扱いで、単数形の cloth は「布」という別の語です。また Shall we meet back here? を Shall we meet here again? と言っても通じますが、meet back には「元いた場所に戻って会う」という含みがあり、この場面では meet back のほうが情景に合います。
1行ずつ確認する
What do you need to buy today? は「今日は何を買う必要があるの?」。need to があることで、単なる願望ではなく「買わなければならないもの」を尋ねる響きになります。純粋に欲しいものを聞くなら What do you want to buy? です。
I’d like to buy my clothes. の my は「自分用の服」を意味します。誰かへの贈り物ではなく自分の服だと示したい場合に自然な言い方です。特定せず「服を買いたい」だけなら I’d like to buy some clothes. のほうが一般的です。
And if I have time, I’ll go listen to some CDs. の go listen は go and listen の口語形です。go get、come see、go check のように、go や come のあとに動詞の原形を直接つなげる形はアメリカ英語の日常会話で頻繁に使われます。
最後の How about at six o’clock? は、時刻を提案するときの定番です。How about six? だけでも十分通じますが、at を入れると「6時という時点で」という指定感が明確になります。
では、この会話に出てきた単語を一つずつ確認していきます。ここを丁寧に押さえると、応用できる範囲が大きく広がります。
会話に出てきた表現のワンポイント
- clothes は常に複数扱いで、cloth(布)とは別の語
- browse through は「拾い読みする」「ぶらぶら見る」の両方に使える
- reference book は辞書や百科事典など調べ物用の本で、学習参考書とは別
会話の理解度を左右するのは、日本語の感覚とずれる数語です。ここを押さえておけば、同じ語が別の文で出てきても迷いません。
shopping center は、郊外などで商店が1カ所に集まり、駐車場が設けられている施設を指します。アメリカ式の綴りは center、イギリス式は centre です。
shopping mall は歩行者専用の通路に店が並ぶ形式を指す語で、屋内型の大型施設をイメージさせます。アメリカの日常会話では mall だけでほぼ通じます。
clothes は「洋服」。発音は [klóu(ð)z]。複数扱いなので a clothes とは言えず、数えたいときは two shirts のように具体的な品名を使います。
browse through は「拾い読みする」「立ち読みする」。店内をぶらぶら見て回る意味でも使えるため、買い物と読書の両方で活躍します。
reference book は「参考図書」。主に百科事典、辞書、年鑑といった調べ物のための本です。日本語の「学習参考書」は study aid book のように表現します。
meet back は「元の場所に戻って人と会う」。meet back here で「またここで落ち合う」という自然な言い方になります。
consult は「辞書や資料で調べる」。人に相談する意味だけでなく、本を参照する意味でも使われます。consult a dictionary で「辞書を引く」です。
window-shopping は買わずに商品を見て回ること。動詞としては do some window-shopping、go window-shopping の形が定番です。
window-shopping には「買う気がない」という含みがあります。実際に購入するつもりで店を回るときにこの語を使うと、店員に「見るだけの客」と受け取られ、案内を控えられてしまうことがあります。買う可能性があるなら I’m looking for something for work. のように目的を伝えるほうが的確な提案を受けられます。
語彙が整ったところで、次は多くの学習者が混乱する「施設と店の呼び名」を一気に片づけましょう。
shopping center と mall、store と shop はどう違うのか
- mall は歩行者専用通路型、center は駐車場を備えた複合施設型が典型
- アメリカでは store が広く使われ、イギリスでは shop が日常的
- コンビニは convenience store。日本語の略語は通じない
迷ったときの答えは明快です。アメリカなら mall、イギリスなら shopping centreを選べば、ほとんどの場面で自然に聞こえます。
なぜ地域で分かれるのかというと、施設の発展の歴史が違うためです。アメリカでは車で行く郊外型の大型屋内施設が mall という呼び名とともに広まり、イギリスでは都市の中心部に整備された複合商業施設が shopping centre と呼ばれてきました。
主な呼び名を整理すると次のようになります。
| 英語 | 指すもの |
|---|---|
| shopping center / centre | 商店が集まった複合施設。駐車場を備えた郊外型が典型 |
| shopping mall | 歩行者専用の通路に店が並ぶ形式。屋内型の大型施設 |
| department store | 百貨店。フロアごとに部門(department)が分かれている |
| outlet mall | ブランド品を値引き価格で扱う施設 |
| strip mall | 駐車場に面して細長く店が並ぶ小規模な商店群(主に米) |
| high street | 中心街の商店が並ぶ通り(主に英)。high street shops で「街の一般的な店」 |
| boutique | 衣料品などを扱う小規模専門店 |
| grocery store / supermarket | 食料品店・スーパー |
| convenience store | コンビニ。日本語の略語は通じないので省略しない |
store と shop については、アメリカでは規模を問わず store が一般的で、shop は「専門店」「工房」のニュアンスを帯びます。イギリスでは日常的な小売店を shop と呼び、store は大型店に使う傾向があります。
どちらを使っても意味は伝わりますが、相手の地域に合わせると自然さが増します。「〜屋」を表すときは、bookstore(英:bookshop)、shoe store、drugstore(英:chemist’s / pharmacy)、stationery store、electronics store のように組み合わせるのが基本です。

この近くにショッピングモールはありますか。
mall は [mɔːl]「モール」。near here は「ニアヒア」と切らず「ニアヒィア」とつなげると聞き取ってもらいやすくなります。
ホテルのフロントや道行く人に、買い物ができる場所を尋ねるとき。mall を drugstore、supermarket などに入れ替えれば、そのまま応用できます。
Is there a shopping near here? とは言えません。shopping は行為を表す語なので、必ず mall や center などの施設名を付けます。
場所の名前が整ったら、次は第二層です。買い物の予定をどう尋ね、どう伝えるかを見ていきます。
買い物の予定を尋ねる・伝える表現
- be going to は前もって決めていた予定、I think I’ll はその場の思いつき
- if I have time は条件付きの希望を表し、断定を避けられる
- go shopping は娯楽を含む買い物、do the shopping は生活必需品の買い出し
予定を語る英語で差が出るのは、決定の度合いを言い分けられるかという点です。日本語ではどれも「〜するつもり」で済んでしまいます。
英語では、すでに決めていたことなら be going to、その場で思いついたことなら I think I’ll、条件が整えばやりたいことなら if I have time I’ll と使い分けます。この3つを意識するだけで、表現の幅が一気に広がります。
相手の予定を尋ねる
- What do you need to buy today?(今日は何を買う必要があるの?)
- What are you going to buy?(何を買うつもり?)
- Is there anything you want to look for?(何か探したいものはある?)
- Is that all?(それだけ?)
- Anything else?(他には?)
- How about you?(あなたは?)
- Do you have a lot to buy?(買うものは多いの?)
- Where do you want to start?(どこから見たい?)
Is that all? は店員が「以上でよろしいですか」と確認するときにも使われます。友人同士なら軽い調子で問題ありませんが、店では Anything else for you? のように丁寧化されるのが普通です。
自分の予定を伝える
- I’d like to buy some clothes.(服を買いたい)
- I need shoes and sunglasses.(靴とサングラスが必要)
- I’m going to do some window-shopping.(ウインドーショッピングをするつもり)
- I think I’ll go to the bookstore.(本屋に行こうかな)
- If I have time, I’ll drop by the music store.(時間があれば楽器店に寄ろうと思う)
- I’m just here to kill time.(時間つぶしに来ただけ)
- I have to pick up a gift for my sister.(妹への贈り物を買わないといけない)
- I’ll probably just look around.(たぶん見て回るだけかな)
時間があったら文房具店に寄ろうと思います。
drop by は「ドロップバイ」ではなく「ドラッ(プ)バイ」と p をほとんど飲み込むように言うと自然です。文の後半 I’ll を「アイル」と弱く速く言うのがポイントです。
同行者に自分の予定を伝えるとき。確約はできないが行きたい、という微妙な状況を無理なく表せます。
If I will have time とは言いません。時や条件を表す if 節の中では、未来のことでも現在形を使います。また drop by は「ちょっと寄る」の意味で、目的地としてじっくり行く場合は go to を選びます。
買い物そのものを表す言い方
- go shopping:買い物に出かける(娯楽としての買い物を含む)
- do the shopping:日用品や食料の買い出しをする
- run some errands:用事を済ませる(買い物や銀行など雑多な用事)
- pick up a few things:ちょっとした物を買う
- shop around:何軒か比べて回る
- splurge on ~:〜に思い切ってお金を使う
- browse:ざっと見て回る
I need to do the shopping before the store closes.(閉店前に買い出しをしないと)のように、目的が生活必需品なら the shopping、楽しみのための買い物なら go shopping と覚えておくと迷いません。
予定を伝え合ったら、次に必要になるのは「いつ・どこで会うか」の相談です。ここを英語でさばけると、旅先での動き方が格段に自由になります。
待ち合わせ・落ち合うときの英語
- 待ち合わせは「時間・場所・連絡手段」の三点セットで伝える
- Shall we ~? は控えめで丁寧、Let’s ~ や Want to ~? はカジュアル
- 場所を示す前置詞は in front of、by、near、on the ~ floor が中心
待ち合わせを確実に成立させたいなら、時間・場所・連絡手段を1度に伝えるのが最短です。どれか1つが欠けると、必ず探し回る時間が生まれます。
大型施設では入口が複数あり、同じ「入口前」でも場所が食い違いがちです。だからこそ、目印になるものを添えて指定します。
- Shall we meet back here at six?(6時にまたここで会う?)
- What time shall we meet?(何時にしようか)
- Where should we meet up?(どこで待ち合わせようか)
- Let’s meet in front of the main entrance.(正面入口の前で会おう)
- Let’s meet by the fountain on the first floor.(1階の噴水のところで)
- How about at six o’clock?(6時はどう?)
- Does six work for you?(6時で大丈夫?)
- Text me when you’re done.(終わったらメッセージして)
- I might be a little late.(少し遅れるかも)
- Let’s meet near the food court.(フードコートの近くで会おう)
- If we get separated, let’s meet at the information desk.(はぐれたら案内所で)
5時半にフードコートの前で会いましょう。遅れそうならメッセージします。
in front of は「インフロントオブ」ではなく「インフラナ(ヴ)」のように短くつながります。five thirty は thirty の th を舌先を軽く当てて出し、「サーティ」ではなく「サーティ(th)」を意識します。
別行動を始める直前。場所・時間・連絡手段の三点が1度で伝わるので、この形をそのまま覚えておくと便利です。
Let’s meet at front of ~ は誤りで、in front of が正しい形です。また I’ll text you if I will be late とはせず、if 節は現在形または進行形(if I’m running late)にします。
shall we は現代英語ではやや控えめで丁寧な響きを持ちますが、提案としては今でも自然に使われます。もっとカジュアルにするなら Want to meet back here at six? や Let’s meet back here at six. で十分です。
段取りが済んだら、いよいよ店の中です。ここから先は第三層、店員とのやりとりに入ります。
お店に入ったときの挨拶と受け答え
- 英語圏の店では店員の声かけに返事をするのが基本の作法
- 買う気がないときは I’m just looking, thank you. のひと言で足りる
- 声がかからないときは自分から Excuse me, could you help me? と切り出す
入店時にまず必要なのは、返事のパターンを2つ持つことです。「元気です」と「見ているだけです」。この2つで最初の30秒は乗り切れます。
日本の「いらっしゃいませ」は返事の必要がありませんが、英語圏の Hi, how are you? は質問の形をしています。返事がないと無視されたと受け取られるため、短くても応じるのが礼儀です。
店員:こんにちは、調子はどうですか。学習者:こんにちは、元気です。ありがとう。店員:何かあれば声をかけてください。学習者:はい、そうします。ありがとう。
How’s it going? は「ハウズィッゴーイン」と一息で流れます。I’m good. の good は「グッド」と d を強く出さず、軽く止める程度で十分です。
衣料品店や雑貨店に入った直後。店員が笑顔で声をかけてきた場面で、そのまま口に出せる最小の応答セットです。
How’s it going? に対して How’s it going? と鏡のように返すと会話が止まります。まず I’m good. と答え、返したいなら Yourself? を添えます。また I’m fine, thank you. And you? は間違いではありませんが、教科書的で硬い響きになります。
Can I help you? / May I help you? / Are you being served? と聞かれたときの返し方も用意しておきましょう。
- I’m just looking, thank you.(見ているだけです)
- I’m just browsing.(ぶらぶら見ています)
- I’m looking for a light jacket.(薄手のジャケットを探しています)
- Thanks, I’ll let you know if I need help.(ありがとう、必要なら声をかけます)
- Yes, actually. Could you help me for a second?(はい、少し手伝ってもらえますか)
I’m just looking. は健の window-shopping と同じ発想の表現です。買う気がないときに黙って無視するのは失礼にあたるため、ひと言返すのが英語圏の作法だと考えておきましょう。
逆に、しばらく待っても声がかからないときは自分から Excuse me, could you help me? と切り出せば済みます。次は、その先の「商品について尋ねる」段階です。
商品について尋ねる表現
- Do you have this in ~? の in のあとに色・サイズ・素材を入れれば大半に対応できる
- 高級店では商品を無断で触らず Can I hold it? と確認する
- 靴のサイズは国ごとに換算が違うため、日本のサイズを伝えて換算してもらう
商品を探す場面で最強の型は、Do you have this in ~? です。in のあとを差し替えるだけで、色・サイズ・素材のすべてを尋ねられます。
この型が便利なのは、商品名を英語で知らなくても this や that を指せば成立するからです。単語が出てこないときほど、指差しと組み合わせて使えます。
- Do you have this in blue?(これの青はありますか)
- Do you have this in another color?(他の色はありますか)
- Do you have a smaller one?(小さいものはありますか)
- Do you have this in small / medium / large?(S/M/Lはありますか)
- Do you have anything less expensive?(もう少し安いものはありますか)
- Can I see that one, please?(あれを見せてもらえますか)
- Could you show me a different one?(別のものを見せてもらえますか)
- Can I pick it up? / Can I hold it?(手に取ってもいいですか)
- What is this made of?(素材は何ですか)
- Can you do a price check for me?(値段を調べてもらえますか)
- Is this on sale?(これはセール品ですか)
- Do you have this in stock?(在庫はありますか)
- Can you order it for me?(取り寄せてもらえますか)
- Where can I find socks?(靴下はどこにありますか)
- Is this the last one?(これが最後の1点ですか)
すみません、これの大きいサイズはありますか。
do you have は「ドゥユゥハヴ」より「ドゥヤハヴ」と縮めるほうが通じます。Excuse me は「エクスキューズミー」の me を軽く上げると、呼びかけとして自然に響きます。
気に入った商品を手に持ち、店員に別サイズの在庫を尋ねるとき。larger を smaller、blue、cotton などに入れ替えて使い回せます。
Do you have this bigger? では意味が伝わりにくくなります。in を落とさないことが大切です。また big size は和製英語的な響きになるため、a larger size や a bigger one を選びます。

サイズ表記を知っておく
サイズ表記については、S・M・L のほかに 0 から始まる数字表記があります。小柄な人向けに Petite(P表記)、大きめのサイズに Plus Size という区分を用意している店もあります。
靴のサイズは国ごとに換算が違うので、I’m not sure what my US size is. In Japan, it’s 23. のように日本のサイズを伝えれば、相手が換算してくれます。無理に覚えようとせず、伝えて任せるのが実務的です。
高級店では商品を無断で触らず、Can I hold it? とひと言添えるのが安心です。探しているものを言葉で説明しにくいときは、写真を見せて I’m looking for this. と伝えるほうが早いこともあります。
商品が見つかったら、次は服なら試着です。ここには日本と手続きが違う場面があります。
試着するときのフレーズ
- 試着は Can I try it on? / Can I try these on? の2形を覚える
- 持ち込み点数を聞かれてタグを渡されるのは全員共通の手続き
- 迷ったら I’ll think about it. で押し売りはほぼ回避できる
試着で覚えるべきは、try on の語順です。代名詞が入るときは try it on の順になり、try on it とは言えません。
これは try on が動詞と副詞の組み合わせだからです。名詞なら try on this shirt でも try this shirt on でもかまいませんが、it や them が来ると必ず間に挟まります。
- Can I try it on?(試着してもいいですか)
- May I try these on?(これらを試着してもいいですか)
- Where’s the fitting room?(試着室はどこですか)
- Can I try on two more?(もう2着試してもいいですか)
- Do you have a mirror?(鏡はありますか)
- Could you unlock the fitting room, please?(試着室を開けてもらえますか)
試着室では、持ち込む点数を聞かれて数字入りのタグを渡されることがあります。盗難防止のために全員に行っている手続きなので、正直に点数を答えて問題ありません。
試着後に感想を聞かれたときの答え方も準備しておきましょう。
店員:サイズはどうですか。学習者:腰まわりが少しきついです。これの大きいサイズはありますか。店員:確認してきますね。学習者:ありがとう。ここで待っています。
a bit tight の bit は短く弾くように発音します。tight の t は最後まで強く出さず軽く止めると自然です。a bit を入れると柔らかい否定になり、店員も気を悪くしません。
試着室から出て、店員に感想を伝えつつ別サイズを頼む場面。断るのではなく次の一手を頼む形なので、会話が前に進みます。
It’s small. だけだと「商品自体が小さい」という商品評になりかねません。自分に合わないことを言いたいときは It’s too small for me. や It doesn’t fit me. と for me / me を添えます。
- It fits perfectly.(ぴったりです)
- It didn’t fit.(サイズが合いませんでした)
- It was too small / big.(小さ/大きすぎました)
- It was too short / long.(短/長すぎました)
- I’ll think about it.(少し考えます)
- Can I look around a little more?(もう少し見て回っていいですか)
- Can you keep it for a while?(少し取り置いてもらえますか)
決めきれないときは、Let me think about it. や I’ll come back later. と伝えれば、押し売りされることはほとんどありません。
気に入る品が見つかったら、次に気になるのが値段です。ここには日本人が誤解しやすい単語がひとつ潜んでいます。
値段の尋ね方とセール表示の読み方
- 値引き交渉が成り立つのは市場や個人経営の店が中心
- cheap は「安っぽい」という響きを含むため less expensive などを選ぶ
- on sale は「セール中」、for sale は「売り物である」で意味が別
値段の話で最初に押さえるべきは、cheap を安易に使わないということです。価格の低さを言いたいだけでも、相手には別の意味で届きます。
cheap には「安っぽい」「品質が低い」という否定的な響きがあります。店員に Do you have anything cheaper? と言うと、商品を安物扱いしたように受け取られる可能性があるのです。
価格の低さだけを伝えたいときは、cheap ではなく less expensive、inexpensive、affordable、reasonable を選びます。Do you have anything less expensive? と言えば、品質への評価を含まずに予算の希望だけが伝わります。また This is cheap. は「これは安物だ」と聞こえる場合があるため、This is a good price. のように言い換えると安全です。
- How much is it?(いくらですか)
- How much is it in total?(全部でいくらですか)
- Could you give me a little discount?(少し安くしてもらえませんか)
- If I buy three of them, would you give me a discount?(3つ買ったら割引してもらえますか)
- Is this the final price?(これが最終価格ですか)
- Does that include tax?(税込みですか)
- Is the discount already applied?(割引はもう適用されていますか)
値引き交渉が成り立つのは市場や個人経営の店が中心で、モールやブランド店では基本的に定価販売です。店の雰囲気を見て判断し、まずは Is this the final price? と尋ねて反応をうかがうのが穏やかな進め方です。
セール表示の意味
売り場の表示を正しく読めると、判断が速くなります。Buy One Get One 50% Off は「1つ買えば2つ目が半額」、Buy One Get One Free(BOGO)は「1つ買えば2つ目が無料」です。
ほかに Up to 70% Off(最大70%引き)、Clearance(在庫処分)、Final Sale(返品不可の最終セール)といった表示も頻出です。Up to は「最大で」なので、すべての商品が70%引きになるわけではありません。
なお on sale は「セール中・特売」、for sale は「売り物である」という意味です。展示品を指して Is this for sale? と聞けば「これは売っていますか」、Is this on sale? なら「これはセール価格ですか」となり、混同すると話が食い違います。
買うものが決まったら、いよいよレジです。ここでも動詞の選び方に定番があります。
会計・支払いのやりとり
- 店頭で「これください」は I’ll take this. が定番
- 靴やズボンなど対の品物は these で受ける
- cashback は返金ではなく、決済に上乗せして現金を受け取る仕組み
レジで真っ先に使う一文は、I’ll take this. です。buy を使いたくなりますが、店頭では take が自然です。
buy は「購入する」という行為そのものを表す語で、目の前の店員に向けて言うと説明的に響きます。take は「これをもらいます」という受け取りの意思表示なので、その場の動作にぴったり合うのです。
- Where’s the cash register?(レジはどこですか)
- I’ll take this. / I’ll take these.(これをください)
- I would like ten of these.(これを10個ください)
- Do you accept credit card?(クレジットカードは使えますか)
- I’ll pay in cash. / I’ll pay by card.(現金/カードで払います)
- Can I have $20 cashback?(20ドル分を現金で受け取れますか)
- Can I get this gift-wrapped?(贈り物用に包んでもらえますか)
- Could you wrap these separately?(別々に包んでもらえますか)
- Can I have an extra bag, please?(袋をもうひとついただけますか)
- Can I have three small bags, please?(小さい袋を3枚もらえますか)
- Do I need to pay for the bag?(袋は有料ですか)
- Can I get a tax refund on this?(これは免税になりますか)
- Could you check the price again?(もう一度値段を確認してもらえますか)
学習者:これをください。店員:かしこまりました。レシートはお持ちになりますか、袋に入れますか。学習者:受け取ります、ありがとう。袋をもうひとついただけますか。店員:もちろんです。よい一日を。学習者:あなたも。
I’ll take these の these は舌先を上下の歯で軽く挟んで [ðiːz]。this [ðɪs] との違いは母音の長さです。You too! は too を軽く上げると明るく響きます。
レジでの一連の流れ。購入の意思表示から袋の追加依頼、別れの挨拶までを1本でつなげた形です。
Have a nice day! に Thank you. だけで終えても失礼ではありませんが、You too! と返すのが自然な締めです。また one more bag より an extra bag のほうが「予備の袋」という意図が伝わります。
cashback は「払った代金が戻ってくる」という意味ではありません。デビットカードでの支払い時に、希望額を代金に上乗せして決済し、その分を現金で受け取る仕組みです。ATMを探さずに現金を用意できる習慣で、英国やアイルランドのスーパーでよく見かけます。返金の話をしたいときは refund を使います。
レシートの扱いを聞かれることもあります。Would you like your receipt with you or in the bag? には、In the bag, please. か I’ll take it, thanks. と答えます。
免税手続きを利用する場合や返品の可能性がある場合は、レシートを手元に残しておくのが安全です。会計が終わったら、次は買った服の丈が合わないときの対処に進みましょう。
裾上げ・お直しを頼む
- お直し全般は alteration、丈を詰めるのは hem または take up
- ズボンは米で pants、英で trousers。英国圏の pants は下着を指す
- 費用と受け取り時期は必ずその場で確認する
海外で衣料品を買うと、同じブランドでも日本と寸法が違うことが珍しくありません。丈の直しを頼めるようにしておくと、選べる商品の幅が広がります。
身幅は合うのに丈だけ長い、という理由で諦めるのはもったいないからです。多くの店では有料または無料でお直しを受け付けています。
- Can I have my pants hemmed?(ズボンの裾を詰めてもらえますか)
- Could you take up the hem on my trousers by two inches?(裾を2インチ詰めてもらえますか)
- Could you adjust the length of these pants?(丈を調整してもらえますか)
- Would you take up this skirt about an inch?(このスカートを1インチほど詰めてもらえますか)
- Can the sleeves be shortened?(袖を短くできますか)
- How much does the alteration cost?(お直しはいくらかかりますか)
- When can I pick it up?(いつ受け取れますか)
- Would you have it ready by tomorrow morning?(明日の朝までに仕上がりますか)
- Can you take it in at the waist?(腰まわりを詰められますか)
イギリス英語の pants は「下着」を指します。英国圏で I’m looking for pants. と言うと下着売り場を案内される可能性があるため、ズボンを探しているなら trousers を選びます。どちらの語も常に複数扱いで、1本でも them や these で受けます。a pants とは言えず、1本と数えるなら a pair of trousers です。
裾を2インチ詰めてもらえますか。そして、いつ受け取れますか。
hem は [hem]「ヘム」と短く。take up は「テイカップ」のようにつながります。inches は [ˈɪntʃɪz]「インチィズ」で、ch の音をはっきり出します。
試着して丈が長かったズボンやスカートを、その場で直してもらう依頼をするとき。旅行中は受け取り時期の確認が欠かせません。
Please cut the hem. は「切ってください」と直接的すぎ、仕上げの縫製を含む意図が伝わりません。take up または hem を使います。滞在日数が限られる場合は先に When can I pick it up? を聞いてから依頼するほうが安全です。
では、買ったあとで問題が起きたときはどうするか。英語圏の店には日本と違う柔軟さがあります。
返品・交換とトラブル対応
- 英語圏では不具合がなくても一定期間内なら返品に応じる店が多い
- レシートと購入時に近い状態がそろっていることが前提
- Final Sale や As Is の表示がある商品は返品対象外になりやすい
返品の場面で覚えておく一文は、I’d like to return this. です。理由を長く説明する前に、まず目的を伝えます。
英語圏では、明確な不具合がなくても一定期間内なら返品に応じる店が多くあります。衝動買いしてしまったときも、レシートと購入時に近い状態がそろっていれば相談できます。
- I’d like to return this.(これを返品したいのですが)
- Can I return this?(返品できますか)
- Could I exchange this for a different one?(別のものと交換してもらえますか)
- Can you exchange it for a smaller size?(小さいサイズに交換してもらえますか)
- I’d like a refund, please.(返金をお願いします)
- What’s your return policy?(返品規定はどうなっていますか)
- Here’s the receipt.(レシートはこちらです)
- Is this returnable?(これは返品できますか)
- How long do I have to return it?(返品はいつまでできますか)
May I ask why you are returning it? と理由を聞かれたときの答え方も用意しておきましょう。
- It’s a defective item.(不良品です)
- It’s missing a button.(ボタンがひとつ取れています)
- It doesn’t fit me.(サイズが合いません)
- I changed my mind.(気が変わりました)
- Something is wrong with it.(調子が良くありません)
- It’s the wrong size.(サイズが違っていました)
Would you like a refund or an exchange? と聞かれたら、A refund, please. か An exchange, please. と答えれば十分です。
Final Sale や As Is(現品限り・現状渡し)と表示された商品は返品対象外になることが多いため、購入前に Is this returnable? と確認しまた I want to return this. は要求として強く響きます。I’d like to return this. と丁寧な形を選ぶほうが対応が滑らかになります。
ここまでのフレーズを覚えても、実際の店で必ず起こることがひとつあります。それは「相手の英語が聞き取れない」という事態です。
聞き取れなかったときの立て直し方
- 聞き返す表現を持っているだけで会話が途切れる不安が減る
- Sorry? だけでも通じるが、理由を添えると相手が調整しやすい
- 曖昧なまま頷くほうが困った結果につながる
結論から言えば、聞き返しは失礼ではありません。むしろ英語圏では、確認せずに進めるほうが問題を招きます。
店内は音楽や人の声で聞き取りにくく、店員の話す速度も速いものです。何を言われたか分からないまま頷いて、意図しない買い物や手続きになってしまうほうが困ります。
- I’m sorry, could you say that again, please?(もう一度お願いできますか)
- Could you go over that again, please?(もう一度言っていただけますか)
- Can you speak a little slower, please?(もう少しゆっくり話してもらえますか)
- Sorry, I didn’t catch that.(すみません、聞き取れませんでした)
- Do you mean ~?(〜ということですか)
- Could you write it down for me?(書いてもらえますか)
- Sorry, my English isn’t very good. Could you say it in simple words?(英語が得意ではないので、簡単な言葉で言ってもらえますか)
すみません、聞き取れませんでした。もう少しゆっくり、もう一度お願いできますか。
didn’t catch that は「ディドゥン(ト)キャッチザッ」とまとめて言うと自然です。文末を上げ調子にすると、依頼としての柔らかさが出ます。
レジで金額や支払い方法を聞かれたものの内容が分からなかったとき。理由と要望を1文でまとめているので、相手がすぐに調整してくれます。
What? だけを単独で使うと、驚きや不快感を表す響きになることがあります。Sorry? または Excuse me? を選ぶと丁寧です。Repeat, please. も命令的に聞こえるため避けます。
聞き返しの準備ができたら、最後の関門である「似ている語の取り違え」を片づけましょう。
混同しやすいポイントの整理
- clothes は複数扱いの衣服、clothing は不可算の総称、cloth は布地
- try on は試す、put on は着る動作、wear は着ている状態
- レジは register や checkout、英国では till。レジ係は cashier
買い物英語のつまずきの多くは、似た形の語の取り違えから生まれます。ここでまとめて確認しておきましょう。
clothes / clothing / cloth: clothes は具体的な衣服で常に複数扱い。clothing は「衣類」という総称で不可算で、clothing store のように形容詞的にも使います。cloth は「布地」で、a cloth なら「布切れ、ふきん」です。
shopping center / shopping mall:前者は駐車場を備えた郊外型の複合商業施設、後者は歩行者専用通路を持つ形式。アメリカの日常会話では mall が優勢です。
browse / browse through: browse は「ざっと見る」で、店内をぶらぶら見る意味にも、本をぱらぱらめくる意味にも使えます。browse through the magazines なら「雑誌を立ち読みする」です。
window-shopping / shopping: window-shopping には「買わずに見るだけ」という含みがあります。買う気がある場合には使いません。
reference book / textbook / workbook:reference book は辞書・百科事典など調べるための本。教科書は textbook、練習用の問題集は workbook です。日本語の「参考書」に引きずられないよう気をつけます。
register / cashier / checkout / till:レジという機械や場所は register や checkout、イギリスでは till。レジ係の人は cashier です。人と機械を混同しないよう注意します。
try on / put on / wear: try on は購入前に試すこと、put on は身につける動作、wear は着ている状態を表します。試着室で Can I wear it? と言うと意図がずれます。
言葉の整理が済んだところで、もうひとつ大事な要素に触れておきます。振る舞いの部分です。
海外での買い物マナー
- 後ろに人がいればドアを押さえ、After you. と譲る
- アイコンタクトは礼儀と誠意の表れと受け取られる
- 行列への割り込みや他人のバッグに触れる行為は強く避ける
言葉が通じても、振る舞いが噛み合わないと気持ちよく買い物ができません。地域差はありますが、英語圏で共通して意識される点がいくつかあります。
入口では、すぐ後ろに人がいればドアを押さえて Go ahead. や After you.(お先にどうぞ)と譲るのがスマートです。押さえてもらったときは Thank you. を忘れずに返します。
会話中のアイコンタクトは礼儀と誠意の表れと受け取られます。店員と話すときは目を見て、用があるときは視線で追うのではなく声をかけましょう。
行列への割り込みは強く嫌われます。混雑した店内で人にぶつかること、とくに他人のバッグに触れる行為はスリと誤解される恐れがあるため避けてください。
ガラス製品やワインなどを扱う店では、You may not bring a big bag into the store.(大きなバッグは持ち込めません)と言われる場合があります。荷物は小さくまとめておくと動きやすくなります。
チップ文化のある国でも、小売店の買い物では基本的にチップは不要です。一方、家具や大型商品の配送を頼んだ場合などは別と考えられることがあります。
知識がそろったら、あとは口に出す練習だけです。ここからは、覚えたフレーズを実際に使える形に変える手順に入ります。
会話を自分のものにする練習手順
- 会話は役割ごとに分けて音読すると反応する感覚が身につく
- 自分の予定に置き換える差し替え練習で使える文が増える
- 待ち合わせは「時間・場所・連絡手段」をひと続きで言えるまで練習する
フレーズ集を眺めるだけでは口から出てきません。効果が出やすいのは、役割を決めて音読することです。
読むだけの練習では、相手の発言を受けて反応するという動作が抜け落ちてしまいます。役割を分けて読めば、聞いてから返すまでの間合いも一緒に練習できるのです。
手順1:役割音読
健とアンの会話で、まず Ann の台詞だけを追って読みます。次に Ken の台詞だけを読みます。それぞれを担当してみると、相手の発言を聞いて反応する感覚が身につきます。
慣れてきたら、相手の台詞を頭の中で再生しながら自分のパートだけを声に出します。ここまでできれば、実際の店でも間が空きにくくなります。
手順2:差し替え練習
自分の予定に置き換えて言い直してみましょう。I’d like to buy my clothes. を I’d like to buy a pair of running shoes. に、I think I’ll go to the bookstore. を I think I’ll go to the stationery store. に変えます。
この差し替えを数回繰り返すだけで、旅先で使える文がぐっと増えます。文の骨格は変えず、名詞だけを入れ替えるのがポイントです。
手順3:三点セットで言い切る
待ち合わせの相談は、時間・場所・連絡手段の三点セットで練習すると実用的です。Let’s meet in front of the food court at five thirty. I’ll text you if I’m running late. という一続きの文を言えるようにしておけば、そのまま現地で使えます。
発音練習:つまずきやすい5語
買い物の場面で通じにくくなりやすい語を、口の形とセットで押さえておきます。
- clothes 💡 klóuz:th はほとんど聞こえない。「クロウズ」と一息で
- fitting room 💡 ˈfɪtɪŋ ruːm:fitting の t を弾くように軽く。「フィッティン(グ)ルーム」
- receipt 💡 rɪˈsiːt:p は発音しない。「リシート」
- discount 💡 ˈdɪskaʊnt:名詞は前を強く。「ディスカウント」
- expensive 💡 ɪkˈspensɪv:pen を強く。「イクスペンシヴ」
1週間の復習計画
1日10分を目安に、少しずつ範囲を広げていく形が続けやすくなります。初日と2日目は健とアンの会話の音読、3日目は入店時の挨拶と I’m just looking. の応答、4日目は Do you have this in ~? の差し替え、5日目は試着と会計、6日目は返品と聞き返し、7日目は全体を通して1本の流れとして声に出す。
1周終えたら、実際に行く予定の店を思い浮かべて、自分に必要な文だけを選び直します。使う場面が具体的になるほど、記憶は定着しやすくなります。

ひとりでの音読に慣れたら、相手のいる場で使ってみる段階です。予測できない返事に反応する練習は、独学では再現しにくい部分でもあります。
最後に、学習者からよく寄せられる疑問をまとめておきます。
よくある質問(FAQ)
まとめ:それぞれのペースで楽しむのがいちばん
- 別行動を段取りできると買い物の自由度が上がる
- Shall we meet back here at six? のひと言が要になる
- まずは店員の挨拶に I’m good. Thanks! と返すところから始める
ショッピングは楽しいものですが、一緒に来た相手と欲しいものが同じとは限りません。服と靴を見たい人と、書店で雑誌を拾い読みしたい人が無理に同じ行動をとると、どちらも中途半端になってしまいます。
だからこそ、健とアンのように別々に楽しんで後で落ち合うという選択は理にかなっています。そして、その「後で落ち合う」を英語で段取りできるかどうかが、旅先での過ごし方の自由度を左右します。
Shall we meet back here at six? のひと言が言えれば、それぞれが好きな店をゆっくり回り、夕食の席で戦利品を見せ合う時間まで手に入ります。たった一文が時間の使い方を変えるのです。
次に英語圏のモールに立ち寄る機会があれば、まずは店員の Hi, how’s it going? に I’m good. Thanks! と返すところから始めてみてください。そこから先のフレーズは、必要になった順に自然と身についていきます。
See you then.

